JPH09323938A - 外用感冒薬 - Google Patents

外用感冒薬

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JPH09323938A
JPH09323938A JP8142826A JP14282696A JPH09323938A JP H09323938 A JPH09323938 A JP H09323938A JP 8142826 A JP8142826 A JP 8142826A JP 14282696 A JP14282696 A JP 14282696A JP H09323938 A JPH09323938 A JP H09323938A
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JP
Japan
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cold
medicine
water
oily
weight
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Application number
JP8142826A
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English (en)
Inventor
Isao Omura
村 勲 大
Yoichi Nakada
田 洋 一 仲
Teruo Mizukami
上 輝 夫 水
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IKEDA MOHANDO CO
IKEDA MOHANDOU KK
Pigeon Corp
Original Assignee
IKEDA MOHANDO CO
IKEDA MOHANDOU KK
Pigeon Corp
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Publication date
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の外用感冒薬は、少なくとも気化性
感冒薬剤成分を含有する油性剤と、水およびグリコール
類と、該油性成分を水に分散させる界面活性剤とを含有
する外用感冒薬であって、該感冒薬全量中における水と
グリコール類との合計の配合量が54〜75重量%の範
囲内にあり、かつ該油性剤中に炭素数8〜22の直鎖状
長鎖アルコールおよび/または炭素数8〜22の直鎖状
長鎖脂肪酸を1〜15重量%、そして高分子増粘剤を
0.05〜5重量%の量で含有していることを特徴とす
る。 【効果】本発明の外用感冒薬は、使用感がよく、さらに
油性成分による衣服の汚染が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は胸部、首回り、背中等の皮
膚に塗布して薬理効果を発現させる感冒薬に関する。さ
らに詳しくは本発明は、使用感が非常によい所謂塗る風
邪薬に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】感冒等の諸疾患において、発熱、
頭痛、鼻づまり、咳、痰、喉の痛み等が発生する。一般
にはこうした症状に合わせて解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン
剤、鎮咳剤、去痰剤などを経口服用してこれらの症状を
緩和し、体力の消耗を低減し、最終的には感冒のウイル
スを自己免疫力によって撲滅して感冒が治癒するのであ
る。即ち、一般に市販されている感冒薬は、所謂対処療
法薬であり、本質的には、感冒ウイルスを直接的に撲滅
するのではないので、風邪による不快感を低減し体力が
消耗しないようにすればよく、特に経口投与(あるいは
注射による投与)を必須の要件とするものではない。
【0003】こうした従来の経口投与される風邪薬は、
比較的大きな錠剤を飲み込まなければならず、例えば乳
幼児などにとってこうした大型の錠剤を飲み込むことは
困難であることが多い。また、こうした経口薬は、胃壁
や腸壁に対して刺激性があり、比較的長期間風邪薬を服
用し続ける場合には、胃腸薬の併用を必要とするほどで
ある。また、こうした経口投与される風邪薬は、錠剤が
溶解した後に吸収され、有効成分が血液によって患部に
搬送されてはじめて効果が表れることから即効性に欠け
る。
【0004】最も即効性を確保するには、風邪薬を注射
器で直接体内に投与すればよいが、乳幼児は注射を極度
に嫌う傾向があり、また、体外から針を刺すため、神経
組織に損傷を与えるといった医療事故が起こる可能性も
否定できない。
【0005】このように乳幼児に投与する風邪薬は、経
口薬、注射液のいずれの形態であっても使用しやすくは
なかった。こうした経口薬あるいは注射液の他に、風邪
薬として所謂塗る風邪薬が開発され既に市販されてい
る。この塗る風邪薬は、dl-カンフルあるいはl-メント
ールのような塗布した際に清涼感を与えると共に、比較
的気化性の高い主成分を油性基剤と混合したものであ
る。このような塗る風邪薬を胸部、喉、背中などに塗布
すると、塗る風邪薬中の易気化成分が体温で蒸発し、こ
の成分が呼吸と共に吸い込まれて炎症している気管支、
扁桃腺で吸収されて、鎮咳作用、去痰作用、消炎作用、
鎮痛作用、解熱作用などを奏するのである。
【0006】こうした塗る風邪薬には、軟膏タイプ、ク
リームタイプ、溶液タイプ等がある。しかし、こうした
塗る風邪薬の主成分であるdl-カンフルおよびl-メント
ール等は、一般に油溶性であるため、基剤油にこれらの
有効成分を溶解もしくは分散させたものが多い。
【0007】こうした塗る風邪薬を胸部、首回り、背中
等に塗布すると、dl-カンフルあるいはl-メントールの
作用によって清涼感を与えると共に、これらの成分が体
温によって蒸散し、一部が呼吸器から直接扁桃腺や気管
支に供給されて炎症を抑えると共に、一部は皮膚から吸
収されて患部に到達する。従って、従来の錠剤のように
服用しにくいといった問題もなく、また、注射程の即効
性はないものの、蒸気の状態で患部に直接吸収され、さ
らに注射のように痛みを伴わない。また、dl-カンフル
あるいはl-メントールが気化する際などに気化熱を奪
うので、発熱している場合には体温の低下を図るといっ
た効果もある。
【0008】このように塗る風邪薬は乳幼児にとっては
非常に好ましい形態の風邪薬であるが、他方この風邪薬
の主成分が油性基剤であるため、塗りつけた部分が油っ
ぽくなり不快感を与える。また、こうして塗りつけた
後、パジャマ等の寝具を着て暖かくして体力の回復を待
つのが一般的であるが、従来の塗る風邪薬の多くは軟膏
タイプであり、寝具の胸部、首回り、背中などに塗る風
邪薬に由来する油じみができ、こうしたシミは洗濯によ
っても落ちにくい。
【0009】こうした塗る風邪薬に関して特公平4-7341
3号には軟膏タイプ、クリームタイプ、溶液タイプの実
施例が開示されている。本発明者は、こうした塗る風邪
薬について検討した結果、寝具の油染みなどの除去性か
らするとクリームタイプが最も実用的であるとの知見を
得た。ところが、特公平4-73413号に記載されているク
リームタイプの塗る風邪薬は、水の量が47.1重量%
であり、このように水分量が低い塗る風邪薬は、塗った
部分に油状感が残り、dl-カンフルあるいはl-メントー
ルのような清涼感をもたらす成分を配合しているにも拘
わらず、清涼感が不充分で脂ぎった感じがする。
【0010】こうした使用感を改善するには基剤油の量
を減少させればよいはずである。しかし、実際に基剤油
の量を減少させることは逆の言い方をすれば水分量が多
くなることを意味する。こうした塗る風邪薬を含め感冒
薬は、冬に使用されることが多く、気温の低い冬季にこ
うした水分含量の高いクリームを塗布した瞬間に非常に
冷たく感ずる。
【0011】風邪をひいているときは体内のいずれかに
炎症が起こっており、こうした炎症に伴って体温も平熱
よりも高くなっている。こうした状態の身体表面に塗る
と、その部分だけ異常に冷たく感じ、こうした感じは清
涼感とは異なり、決して心地よいものではない。
【0012】
【発明の目的】本発明は使用感のよい塗る風邪薬を提供
することを目的としている。さらに詳しくは本発明は、
油状感が少なく、寝具等に油染みが生じにくく、さらに
清涼感はあるが冷感の少ない塗る風邪薬を提供すること
を目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明の外用感冒薬は、少なくとも気化
性感冒薬剤成分を含有する油性剤と、水およびグリコー
ル類と、該油性成分を水およびグリコール類に分散させ
る界面活性剤とを含有する外用感冒薬であって、該感冒
薬全量中における水とグリコール類との合計の配合量が
54〜75重量%の範囲内にあり、かつ該油性剤中に炭
素数8〜22の直鎖状長鎖アルコールおよび/または炭
素数8〜22の直鎖状長鎖脂肪酸を1〜15重量%、そ
して高分子増粘剤を0.05〜5重量%の量で含有して
いることを特徴としている。
【0014】本発明の外用感冒薬は、上記のように感冒
薬中に含有される従来の塗る風邪薬と比較して水分およ
びグリコール類が多く含有されている。一般にこうした
塗る風邪薬において、単に水分の含有率を高くすると、
必然的に油性成分の含有率は低くなり、この風邪薬を塗
布した際の油状感は減少する。しかし、一般に上記のよ
うな水分の含有率が高い外用感冒薬は、これを塗布した
際に冷感が強く心地良さは感じない。むしろこうした外
用感冒薬が必要とされる風邪の流行シーズンは冬季であ
り、さらにこうした外用感冒薬を塗布する際には発熱し
ていることが多いので、水分の含有率の高い外用感冒薬
を塗布しようとすると、この外用感冒薬が非常に冷たく
感じ不快であった。
【0015】そこで、本発明者は、含水率が高く油状感
の少ない外用感冒薬の冷感は、水分とグリコール類とを
併用することにより低減できると共に、特定の炭素数を
有する直鎖状長鎖アルコールおよび/または直鎖状長鎖
脂肪酸と、高分子増粘剤とを特定の割合で使用すること
により改善することができるとの知見を得て本発明を完
成した。
【0016】従って、本発明の外用感冒薬は、塗り込ん
だ部分に油状感が少なく、パジャマなどの衣類に油染み
などが生ずることが少なく、さらに衣類に油性成分が浸
透しても、含有される界面活性剤の作用により、洗濯に
より容易に除去することができる。しかも、本発明の外
用感冒薬は、dl-カンフル、l-メントール等の成分を使
用することにより、従来の外用感冒薬と同等の清涼感お
よび薬理作用を有しており、塗布した際の清涼感は同等
もしくはそれ以上である。
【0017】さらに、本発明の外用感冒薬では、水分の
含有率が比較的高いにも拘わらず、グリコール類、直鎖
状長鎖アルコール、直鎖状長鎖脂肪酸および高分子増粘
剤を併用することで塗布時の冷感を緩和しているのであ
る。
【0018】
【発明の具体的説明】次に本発明の外用感冒薬について
具体的に説明する。本発明の外用感冒薬は、気化性感冒
薬剤成分を含有する油性剤と、水およびグリコール類
と、この油性成分を水およびグリコール類に分散させる
界面活性剤を含有している。
【0019】本発明の外用感冒薬において、気化性感冒
薬剤成分は、油性剤中に含有されている。ここで気化性
感冒薬成分は、主として気化した成分を吸い込むことに
より、鎮咳作用、去痰作用、鎮静作用、鎮痛作用、解熱
作用などを有する成分であり、こうした成分の例として
は、dl-カンフル、l-メントール、ニクズク油、ウイキ
ョウ油およびユーカリ油などを挙げることができる。
【0020】dl-カンフルは、呼吸促進作用、血管収縮
作用、心臓興奮作用および細胞機能刺激作用を有する医
薬であり、特に優れた呼吸促進作用を有している。l-メ
ントールは、ハッカ油の主成分であり、鎮痛作用、鎮痒
作用、清涼作用を有する医薬であり、特に鎮痛作用、清
涼作用に優れており、鼻づまりを解消するとともに優れ
た鎮痛作用がある。
【0021】ニクズク油は、ニクズク科の植物の果実を
水蒸気蒸留して得られる油性成分であり、この中には、
通常は、d-カンフェン、d-α-ピネン、ジペンテン、d-
ボルネオール、l-テレピネオール、ゲラニオール、サフ
ロールミリスチシン、ミリスチン酸、オレイン酸などが
含まれている。こうした成分の混合物であるニクズク油
は、駆風薬、興奮薬として有効である。
【0022】ウイキョウ油は、ウイキョウ科の果実を粉
砕して水蒸気蒸留して得られる油性成分であり、この中
には、通常は、アネトール、d-フェンコン、d-α-フェ
ランドレン、メチルチヤビコールなどが含まれる。こう
した成分の混合物であるウイキョウ油は、駆風薬、去痰
薬として有効である。
【0023】ユーカリ油は、ユーカリの葉を水蒸気蒸留
して得られる揮発性の油であり、百日咳、喘息などの呼
吸器疾患に有効である。このような成分の少なくとも一
部は、室温乃至体温付近の温度で徐々に気化または昇華
する。本発明ではこうした気化性感冒薬剤成分を、通常
は油性基剤に溶解もしくは分散させて使用する。ここで
使用される油性基剤としては、オクチルドデカノール、
流動パラフィン、白色ワセリン等を挙げることができ、
これらは単独であるいは組み合わせて使用することがで
きる。
【0024】こうした気化性感冒薬剤成分と油性基剤と
は任意の割合で配合することができる。なお、少なくと
も一部が気化または昇華する感冒薬剤成分は、上記例示
した成分に限らず、これ以外にも通常使用されているも
のを用いることができる。また、気化性などを有してい
ない成分であっても皮膚からの吸収が可能であるからこ
れらの成分を併用することができる。
【0025】本発明の外用感冒薬は、上記のような油性
成分と、界面活性剤と、水と、グリコール類と、特定の
直鎖状長鎖アルコールおよび/または直鎖状長鎖脂肪酸
と、高分子増粘剤とからなるクリーム剤であり、本発明
において使用されるグリコール類の例としては、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレ
ングリコールなどを挙げることができる。特に本発明で
は1,3-ブチレングリコールが好ましい。本発明の外用感
冒薬(100重量%)中における水とグリコール類との
合計の含有率が54〜75重量%、好ましくは55〜6
0重量%である。さらに、水とグリコール類との配合重
量比は、通常は8:1〜20:1の範囲内にあり、好ま
しくは10:1〜15:1の範囲内にある。このような
量で水とグリコール類とを配合することにより、本発明
の外用感冒薬を塗布した際に不快な冷感が緩和されると
共に、被服に付着した外用感冒薬が洗濯によって容易に
除去されるので、パジャマ等の被服に油染みが残りにく
くなる。また、外用感冒薬において、水とグリコール類
との合計の含有率が上記範囲を逸脱して少ないと、油状
感およびベタツキ感が強くなり、また、上記範囲を逸脱
して多いと、使用した時の冷感が強くなる。そして、本
発明の外用感冒薬において、油性成分、界面活性剤、直
鎖状長鎖アルコール、直鎖状長鎖脂肪酸および高分子増
粘剤の合計の含有率は25〜46重量%、好ましくは4
0〜45重量%である。
【0026】本発明の外用感冒薬全体中に含有されるdl
-カンフルの量は、通常は0.1〜35重量%、好ましく
は2〜10重量%、l-メントールの量は、通常は0.1
〜35重量%、好ましくは2〜10重量%、ニクズク油
の量は、通常は0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜
5重量%、ウイキョウ油の量は、通常は0.1〜10重
量%、好ましくは0.2〜5重量%、ユーカリ油の量
は、通常は0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜6重
量%、油性基剤は通常は0〜40重量%、好ましくは1
0〜30重量%である。なお、本発明の外用感冒薬中に
おけるこれらの合計は25〜46重量%、好ましくは4
0〜46重量%であることは勿論である。
【0027】クリーム状である本発明の外用感冒薬は、
上記のような油性成分と水とを界面活性剤を用いて乳化
することにより製造される。本発明で使用される界面活
性剤は、上記油性成分を水に乳化できるようなH.L.
B.値を有している。こうしたH.L.B.値の調整には、
複数の界面活性剤を組み合わせて使用するのが一般的で
ある。
【0028】本発明で使用することができる界面活性剤
の例としては、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例:オレ
イン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム)、アルキル硫酸
のアルカリ金属塩(例:ラウリル硫酸ナトリウム、ミリ
スチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム)の
ようなアニオン系界面活性剤、ツウィン(Tween)あるい
はスパン(Span)のようなノニオン系界面活性剤などを挙
げることができる。
【0029】本発明の外用感冒薬中における上記界面活
性剤の配合量は、通常は1〜10重量%、好ましくは2
〜6重量%である。このような量の界面活性剤を使用す
ることにより油性成分と水とを良好に乳化することがで
き、安定したクリームを製造することができると共に、
上記油性が衣類に付着しても通常の洗濯でこれらはほぼ
完全に除去され、油染み等が残ることがない。
【0030】そして、本発明の外用感冒薬は、塗布した
際の清涼感を高め、油状感を低減するために従来の外用
感冒薬よりも水の含有率が高く、本発明の外用感冒薬中
における水とグリコール類との合計の含有率は54〜7
5重量%、好ましくは55〜60重量%である。
【0031】このように水分およびグリコール類の合計
の含有率が高い外用感冒薬を例えば胸部などに塗布する
と、塗布した瞬間に強い冷感を感ずる。この冷感は清涼
感とは異なり、いわゆる冷たいという感じであり決して
心地よいものではない。
【0032】本発明では、こうした高含水率の外用薬の
有する冷感を緩和するために、炭素数8〜22の直鎖状
長鎖アルコールおよび/または炭素数8〜22の直鎖状
長鎖脂肪酸を1〜15重量%、好ましくは5〜10重量
%の割合で配合する。上記炭素数8〜22の直鎖状長鎖
アルコールおよび/または炭素数8〜22の直鎖状長鎖
脂肪酸の量が上記範囲を逸脱して多いとクリーム状感冒
薬を塗布した後に白残りが目立ち使用感が悪くなると共
に、上記範囲を逸脱して少ないとクリーム状感冒薬の安
定性が低くなる。このような直鎖状長鎖アルコールの例
としては、ステアリルアルコール、セタノール、ベヘニ
ルアルコールを挙げることができ、また直鎖状長鎖脂肪
酸の例としては、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸を挙げることができる。これらの直鎖状長鎖アル
コール、直鎖状長鎖脂肪酸は単独で使用することもでき
るし、組み合わせて使用することもできる。なお、これ
らの直鎖状長鎖アルコール、直鎖状長鎖脂肪酸は油性で
あるので、油性基剤の少なくとも一部としてこれらを使
用することもできる。
【0033】さらに、本発明の外用感冒薬におけるクリ
ームの状態を調整するために、本発明では高分子増粘剤
を配合する。即ち、本発明の外用感冒薬は水分含量が多
いために、水分含量が低い従来の感冒薬と比較すると得
られるクリーム状感冒薬が油水分離を起こしやすくなる
傾向があり、高分子増粘剤を配合することによりクリー
ム状感冒薬が安定してクリームの分離を防止することが
できる。さらに、こうした高分子増粘剤の配合により、
クリームの堅さを調整することができるので、本発明の
クリーム状の感冒薬が、指先に採って胸部、背中などに
塗布しやすくなる。ここで使用される高分子増粘剤の例
としては、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポ
リマー、ヒドロキシエチルセルロースを挙げることがで
きる。このような高分子増粘剤の配合量は、0.05〜5
重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲内にある。
このような量の高分子増粘剤を使用することにより、ク
リームが堅めになり、塗布しやすい。さらに、こうした
増粘剤は水溶性であるので、油性成分が衣服等の付着す
る際に衣服繊維を保護するとの作用があり、衣服に付着
した油性成分を除去しやすくなるとの作用もある。
【0034】本発明の外用感冒薬は、油性成分と水性成
分とを個別に調製し、こうして均一に調製した油性成分
と水性成分とを、必要により加熱下に高速撹拌して乳化
させることにより製造することができる。こうして形成
される外用感冒薬は、通常はO/W型クリーム剤であ
る。
【0035】なお、本発明の外用感冒薬は、上記のよう
な成分を必須構成成分とするものであるが、その他にエ
チルアルコールなどのアルコール類、着色料、香料、保
水剤、防腐剤、抗ヒスタミン剤、酸化防止剤などを配合
することができる。
【0036】このような本発明の外用感冒薬を、風邪を
ひいた小児の胸部、喉、背中などに塗布する。塗布量は
症状に合わせて適宜選定することができる。こうして塗
布された外用感冒薬は、体温によって次第に暖められ
て、含有する感冒薬中の気化成分の少なくとも一部が気
化し、この成分が鼻孔、喉などから吸入されると共に、
一部は皮膚から吸収されて患部に到達して炎症を抑える
ことができる。
【0037】本発明の外用感冒薬は、上記のように塗布
する方法の他に、例えば湯煎などにより直接本発明の外
用感冒薬を暖めて気化性成分の少なくとも一部を気化さ
せてこの上記を直接吸引することもできる。
【0038】
【発明の効果】本発明の外用感冒薬は、少なくとも気化
性感冒薬剤成分を含有する油性剤と、水およびグリコー
ル類と、該油性成分を水とグリコール類に分散させる界
面活性剤を含有する外用感冒薬であって、該感冒薬全量
中における水とグリコール類との合計の配合量が54〜
75重量%の範囲内にあり、かつ該油性剤中に炭素数8
〜22の直鎖状長鎖アルコールおよび/または炭素数8
〜22の直鎖状長鎖脂肪酸を1〜15重量%、そして高
分子増粘剤を0.05〜5重量%の量で含有している。
このように含水量の高い外用感冒薬は、油性成分の量が
相対的に低くなり、しかもこの外用感冒薬は、上記油性
成分と水とを界面活性剤を用いてクリーム状に(乳化)
しているので、塗布した際に油状感が少なく、また、衣
服などを油性成分で汚染しにくく、さらに衣服に油性成
分が付着しても洗濯などにより容易に除去され、油染み
等が生じにくい。また、上記のように本発明の外用感冒
薬は、含水率が高いが、特定の直鎖状長鎖アルコールお
よび/または直鎖状長鎖脂肪酸を併用することで、この
感冒薬を塗布した際の冷感を緩和することができる。さ
らに高分子増粘剤の併用により、使用感を調整すること
ができると共に油汚れの除去が容易になる。
【0039】このように本発明の外用感冒薬は、従来の
外用感冒薬にはない使用感の良さを有しているが、この
ような良好な使用感は、水分およびグリコール類の含有
率、界面活性剤、特定の直鎖状長鎖アルコール、直鎖状
長鎖脂肪酸および高分子増粘剤によってもたらされるの
であり、外用感冒薬としての効能は、油性成分として含
有されるdl-カンフルなどの成分に依存しており、本発
明の外用感冒薬は、油性基剤を含めた油性成分の含有率
は少ないが、この減少分は油性基剤の使用量を減少させ
て油性の薬効成分の含有率を従来の外用感冒薬と同等に
維持することでまかなわれている。従って、本発明の外
用感冒薬の薬効は、従来の外用感冒薬と同等もしくはこ
れ以上であり、使用感を確保するためにこうした外用感
冒薬としての効果を犠牲にすることはない。
【0040】
【実施例】次に本発明の外用感冒薬について実施例を挙
げて具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定
的に解釈されるべきではない。
【0041】
【実施例1】 [クリーム状感冒薬Aの調製]下記表1に記載する成分
を混合して40℃に加熱して融解させて混合物1を調製
した。
【0042】
【表1】
【0043】これとは別に次表2に記載する成分を混合
して混合物2を調製した。
【0044】
【表2】
【0045】次いで、混合物2に混合物1を撹拌しなが
ら徐々に加えてクリーム状感冒薬A100gを調製し
た。このクリーム状感冒薬A中におけるグリコール類と
精製水との合計量は59.1gであり、クリーム状感冒
薬A中における両者の含有率は59.1重量%である。
【0046】
【実施例2】 [クリーム状感冒薬Bの調製]下記表3に記載する成分
を混合して80℃に加熱して溶融させて混合物3を調製
した。
【0047】
【表3】
【0048】上記成分とは別に、下記表4に記載する成
分を混合して混合物4を調製した。
【0049】
【表4】
【0050】さらに、上記の成分とは別に、下記表5に
記載する成分を混合して混合物5を調製した。
【0051】
【表5】
【0052】次に混合物3を40℃まで冷却した後、こ
の混合物3に混合物4を撹拌しながら加えて、さらに、
混合物5を加えてクリーム状感冒薬B100gを調製し
た。このクリーム状感冒薬B中におけるグリコール類と
精製水との合計量は73.5gであり、クリーム状感冒
薬B中における両者の含有率は73.5重量%である。
【0053】
【参考例1】参考例として、グリコール類、直鎖状長鎖
アルコール、直鎖状長鎖脂肪酸を含有しない下記の参考
処方のクリームを調製した。
【0054】 参考処方(重量%) 薬理成分 ・・・16.7% ミリスチン酸イソプロピル ・・・ 3.0% カルボキシビニルポリマー ・・・ 0.9% ジイソプロパノールアミン ・・・ 0.9% モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン ・・・ 1.5% 精製水 ・・・77.0% 註)上記薬理成分は前記表4に記載した成分である。
【0055】上記のようにして調製した参考処方のクリ
ームと、実施例1で調製したクリーム状感冒薬Aとを塗
布してその使用感を比較した。実施例1で調製したクリ
ーム状感冒薬Aは、心地よい清涼感があり、その使用感
は不快ではなかった。これに対して、参考処方のクリー
ムは、塗布したときの冷感が強く、肌寒い感じが強かっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/107 A61K 9/107 S 31/045 31/045 31/125 31/125 35/78 35/78 N C 47/10 47/10 Z 47/12 47/12 Z //(A61K 31/045 31:125 35:78) (72)発明者 水 上 輝 夫 富山県中新川郡上市町神田48番地 株式会 社池田模範堂研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも気化性感冒薬剤成分を含有す
    る油性剤と、水およびグリコール類と、該油性成分を水
    およびグリコール類に分散させる界面活性剤とを含有す
    る外用感冒薬であって、該感冒薬全量中における水とグ
    リコール類との合計の配合量が54〜75重量%の範囲
    内にあり、かつ該油性剤中に炭素数8〜22の直鎖状長
    鎖アルコールおよび/または炭素数8〜22の直鎖状長
    鎖脂肪酸を1〜15重量%、そして高分子増粘剤を0.
    05〜5重量%の量で含有していることを特徴とする外
    用感冒薬。
  2. 【請求項2】 上記気化性感冒薬剤成分が、dl-カンフ
    ル、l-メントール、ニクズク油およびウイキョウ油を
    含有し、上記外用感冒薬がO/W型クリーム剤であるこ
    とを特徴とする請求項第1項記載の外用感冒薬。
  3. 【請求項3】 上記外用感冒薬が、1〜10重量%の界
    面活性剤を含有することを特徴とする請求項第1項記載
    の外用感冒薬。
  4. 【請求項4】 上記外用感冒薬中における水とグリコー
    ル類との配合重量比が8:1〜20:1の範囲内にある
    ことを特徴とする請求項第1項記載の外用感冒薬。
JP8142826A 1996-06-05 1996-06-05 外用感冒薬 Pending JPH09323938A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004131443A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 液状外用剤およびその製造方法
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CN109260258A (zh) * 2018-11-09 2019-01-25 湖北李时珍现代生物医药集团有限公司 一种用于治疗风寒感冒的灸贴及其制备方法

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