JPH09323910A - 水質・土質改良作用を併有する殺藻剤 - Google Patents

水質・土質改良作用を併有する殺藻剤

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JPH09323910A
JPH09323910A JP8140391A JP14039196A JPH09323910A JP H09323910 A JPH09323910 A JP H09323910A JP 8140391 A JP8140391 A JP 8140391A JP 14039196 A JP14039196 A JP 14039196A JP H09323910 A JPH09323910 A JP H09323910A
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JP
Japan
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algicide
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JP8140391A
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English (en)
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Akihisa Ueno
陽久 上野
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BAASU KK
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BAASU KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺藻力に優れるとともに、著しく毒性が低
く、自然環境や生体に対して極めて高い安全性を確保で
きる殺藻剤を提供する。 【解決手段】 殺藻剤は、漢方薬およびハーブ類から選
択された植物であって、強い滅菌消毒性を有する植物の
1種又は2種以上の抽出液を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アオノリ、珪藻
等の藻類を防除する、極めて毒性の低い殺藻剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】海苔の養殖においては、アオノリが繁殖
すると、養殖網に付着するため、海苔の成育が悪くな
り、高品質の海苔の生産を阻害する要因となっていた。
また、はまち、牡蠣、ほたて、えび等の魚介類の養殖に
おいても、アオノリ等の藻類の繁殖により、水質が悪化
し、酸欠状態になって、魚介類が窒息死し、魚介類の養
殖における生産性を大きく妨げる要因となっていた。更
に、工業用水や農業用水においても、藻類の繁殖により
水の汚染が生じ、大きな問題となっていた。
【0003】これらの問題点を解決するために、ベンザ
ルコニウムクロライド、ペンタクロロフェノール、次亜
塩素酸ソーダ等、種々の殺藻剤が開発されてきている。
しかし、これらの殺藻剤は毒性が強いという欠点を有し
ており、自然環境および作業従事者に対する安全性の面
において、未だ解決すべき点を残すものであった。
【0004】そこで、特公昭56−12601には、上
記問題点を解決するため、炭素数1ないし4の飽和脂肪
族モノカルボン酸、炭素数2ないし4の飽和または不飽
和ジカルボン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ
酸、クエン酸から成る群から選ばれた有機カルボン酸の
一種又は二種以上を有効成分として含有する殺藻剤を用
いることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
有機カルボン酸は、前記殺藻剤よりも毒性が低くなって
いるとはいえ、未だ毒性があるものであり、自然環境お
よび作業従事者に対する安全性の面から、未だ充分満足
できるものではなかった。
【0006】そのため、殺藻力に優れるとともに、毒性
がほとんどなく、安全性の高い殺藻剤の開発が望まれて
いた。
【0007】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、殺藻力に優れるとともに、自然環
境や作業従事者に対して高い安全性を確保できる殺藻剤
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究の結果、特定の植物の抽出液
が、殺藻力に優れるとともに、ほとんど毒性がないこ
と、更には脱臭等の水質・土質改良作用をも有すること
を見出すに至り、本発明を完成したものである。
【0009】すなわち、この発明の殺藻剤は、漢方薬お
よびハーブ類から選択された植物であって、強い滅菌消
毒性を有する植物の1種又は2種以上の抽出液を含有す
ることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明に用いられる植物の抽出
液は、次のようにして得られる。即ち、漢方薬およびハ
ーブ類から選択された植物であって、強い滅菌消毒性を
有する植物の1種又は2種以上を水に浸漬し、数時間煮
沸して抽出液を得る。もちろん、2種以上の植物の抽出
液を得る場合に、植物1種類ごとに抽出を行った後、各
抽出液を混合するものとしても良い。
【0011】この発明において、使用する時の殺藻剤濃
度は、前記抽出液を海水もしくは淡水に希釈して、抽出
成分の濃度として10〜1000ppmとなるように設
定するのが好ましい。中でも抽出成分の濃度が50〜1
00ppmとなるように設定するのがより好ましい。抽
出成分の濃度が10ppm未満では、殺藻を完了するま
でに時間がかかり過ぎ、好ましくない。一方、抽出成分
の濃度が1000ppmを超えると、濃度の増大に見合
うより以上の効果が得られず、また経済的に不利でコス
ト高となるので、好ましくない。
【0012】この発明の殺藻剤を使用するに際しては、
前記抽出液を所望の濃度に希釈した液を、防除すべき藻
類に直接噴霧するか、もしくは防除すべき藻類を抽出液
の希釈液中に浸漬する。また、工業用水や農業用水等に
対して、藻類繁殖を予防する、又は水質・土質改良する
目的で使用する場合には、所望の濃度となるように前記
抽出液を用水に添加すれば良い。
【0013】この発明において、ハーブ類とは、食用ま
たは薬用植物であって、かつ香草として用いられるもの
のことを言う。そして、この発明に用いられるハーブ類
から選択される植物としては、強い滅菌消毒性を有する
ものであれば良く、ローズマリー、タイム、クローブ、
ベンゾイン等が挙げられる。
【0014】また、この発明に用いられる漢方薬から選
択される植物としては、強い滅菌消毒性を有するもので
あれば良く、忍冬(すいかずら)、れんぎょう等が挙げ
られる。
【0015】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0016】<実施例1>ローズマリー20gを蒸留水
540ccに浸漬したのち、数時間煮沸し続けて、ロー
ズマリー抽出原液を得た。この抽出原液を蒸留水にて希
釈し、約5000ppm濃度(抽出成分濃度)のローズ
マリー抽出希釈液を得た。そして、この抽出希釈液を海
水に希釈して、表2に示す各濃度になるように各調合液
を調製した。
【0017】<実施例2>植物として、ローズマリーに
代えてタイムを使用し、殺藻剤濃度として50ppm、
100ppmになるように各調合液を調製した以外は、
実施例1と同様にして行った。
【0018】<実施例3>植物として、タイムに代えて
忍冬を使用した以外は、実施例2と同様にして行った。
【0019】<実施例4>植物として、タイムに代えて
れんぎょうを使用した以外は、実施例2と同様にして行
った。
【0020】<実施例5>ローズマリー20gを蒸留水
540ccに浸漬したのち、数時間煮沸し続けて、ロー
ズマリー抽出原液を得た。この抽出原液を蒸留水にて希
釈し、約5000ppm濃度(抽出成分濃度)のローズ
マリー抽出希釈液を得た。
【0021】一方、忍冬20gを蒸留水540ccに浸
漬したのち、数時間煮沸し続けて、忍冬抽出原液を得
た。この抽出原液を蒸留水にて希釈し、約5000pp
m濃度(抽出成分濃度)の忍冬抽出希釈液を得た。
【0022】上記ローズマリー抽出希釈液と忍冬抽出希
釈液を重量比1:1で混合したのち、海水に希釈して、
殺藻剤濃度として50ppm、100ppmになるよう
に各調合液を調製した。
【0023】<実施例6>植物として、ローズマリーに
代えてタイムを、忍冬に代えてれんぎょうを使用した以
外は、実施例5と同様にして行った。
【0024】上記のように調製された各調合液に対し、
下記方法により、殺藻力の評価を行った。
【0025】<殺藻力評価方法>各調合液に、淡路島西
地区の海苔養殖網から採取した緑藻類(アオノリ)を浸
漬した。これを18〜20℃に維持するとともに、白色
光(6000ルクス)を照射して、前記緑藻類の生育環
境が維持された状態に保ち、5分後、10分後、30分
後、1時間後、7日後の緑藻類の生存/死滅状況を顕微
鏡及び肉眼により観察した。
【0026】生存/死滅状況の判断は、緑藻類を赤色色
素であるエリスロシンBにて染色し、その後水洗する
と、死滅しているものは淡赤色に染色され、死滅してい
ないものは染色されずそのままの色調であることを利用
して、次のような判定基準を設けて行った。
【0027】(判定基準) 全く影響を受けていないもの × 葉体の一部が死滅している △ 葉体の半分以上が死滅している ○ 葉体の全部が死滅している ◎ <殺藻力評価結果>評価結果を表2および表3に示す。
これらの表から明らかなように、殺藻剤濃度が50pp
m以上の場合には、30分後には葉体の全部が死滅して
いた。また、7日後に観察し、実施例全てにおいて、葉
体の全部が死滅していることを確認し得た。このように
この発明の実施例1〜6の殺藻剤は、十分な殺藻力を有
するものであった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】次に、実施例1〜6において用いた各植物
の抽出成分と従来用いられている殺藻剤との毒性比較
を、下記方法により行った。
【0032】<毒性評価方法>(急性毒性試験) 供試マウスとしては、生後5週目、体重17.0〜2
3.0gのウィスター系雄を、1群につき10匹使用し
た。検体をカテーテルを用いて直接マウスの胃内に投与
し、餌と水を与えて7日間飼育し、その生死を観察した
(投与量100g/kg)。
【0033】<毒性評価結果>評価結果を表4に示す。
同表から明らかなように、この発明の実施例1〜6の殺
藻剤は、従来用いられている殺藻剤と比較して、明らか
に極めて毒性の低いものであった。
【0034】
【表4】
【0035】<実施例7>実施例1のローズマリー抽出
希釈液を抽出成分濃度が50ppmとなるように水田用
の農業用水に添加したところ、繁殖していた藻類は死滅
し、その後藻類の発生はないことに加えて、水の透明度
も良く、また臭いも明らかに抑制されたものであった。
【0036】<実施例8>実施例6のタイム/れんぎょ
う抽出希釈液を抽出成分濃度が100ppmとなるよう
に水田用の農業用水に添加したところ、繁殖していた藻
類は死滅し、その後藻類の発生はないことに加えて、水
の透明度も良く、また臭いも明らかに抑制されたもので
あった。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明の殺藻剤は、漢
方薬およびハーブ類から選択された植物であって、強い
滅菌消毒性を有する植物の1種又は2種以上の抽出液を
含有してなるものであるから、殺藻力に優れ、養殖用途
においては、生産物の品質の向上および生産性の向上を
図ることができ、また工業用水や農業用水用途において
は、水の汚染を防止することができ、また水質・土質改
良に対しても脱臭等の効果を発揮できる。更に、著しく
毒性が低いことから、自然環境や人間も含めた生体に対
して、極めて高い安全性を確保することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漢方薬およびハーブ類から選択された植
    物であって、強い滅菌消毒性を有する植物の1種又は2
    種以上の抽出液を含有することを特徴とする殺藻剤。
JP8140391A 1996-06-03 1996-06-03 水質・土質改良作用を併有する殺藻剤 Pending JPH09323910A (ja)

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