JPH09323247A - 極薄板光学部材の加工方法及び極薄板光学部品 - Google Patents
極薄板光学部材の加工方法及び極薄板光学部品Info
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- JPH09323247A JPH09323247A JP8141453A JP14145396A JPH09323247A JP H09323247 A JPH09323247 A JP H09323247A JP 8141453 A JP8141453 A JP 8141453A JP 14145396 A JP14145396 A JP 14145396A JP H09323247 A JPH09323247 A JP H09323247A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 極薄板光学部材の加工において、オプティカ
ルコンタクト面の剥がれや光学部材の割れを防止するこ
とができ、高精度な極薄板光学部品を確実に製造するこ
とができる極薄板光学部材の加工方法および極薄板光学
部品を提供する。 【解決手段】 オプティカルコンタクト後に平面粗研削
した第1の光学部材1と、同部材1の外径を基準に側面
部を研削した第2の光学部材2とを、中空のホルダー5
上に吸着保持しつつワーク軸4の回りに回転する。一
方、45度加工用の砥石6を、ワーク軸4と同方向の回
転を与えられながら降下し、第1および第2の光学部材
1、2に研削角度45度の鏡面の面取りを行う。鏡面に
することで、薄板加工時における部材端部からのチッピ
ングによる加工面の割れを防ぎ、また面取りを施すこと
で、加工時の加工工具との引っかかりによるコンタクト
面剥がれを防ぐ。
ルコンタクト面の剥がれや光学部材の割れを防止するこ
とができ、高精度な極薄板光学部品を確実に製造するこ
とができる極薄板光学部材の加工方法および極薄板光学
部品を提供する。 【解決手段】 オプティカルコンタクト後に平面粗研削
した第1の光学部材1と、同部材1の外径を基準に側面
部を研削した第2の光学部材2とを、中空のホルダー5
上に吸着保持しつつワーク軸4の回りに回転する。一
方、45度加工用の砥石6を、ワーク軸4と同方向の回
転を与えられながら降下し、第1および第2の光学部材
1、2に研削角度45度の鏡面の面取りを行う。鏡面に
することで、薄板加工時における部材端部からのチッピ
ングによる加工面の割れを防ぎ、また面取りを施すこと
で、加工時の加工工具との引っかかりによるコンタクト
面剥がれを防ぐ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水晶板,狭帯域化
素子等の高精度な面形状を備え且つ、極薄板厚を要求さ
れる光学部材の加工に好適な極薄板光学部材の加工方法
とその加工方法により製造される極薄板光学部品に関す
るものである。
素子等の高精度な面形状を備え且つ、極薄板厚を要求さ
れる光学部材の加工に好適な極薄板光学部材の加工方法
とその加工方法により製造される極薄板光学部品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高精度・極薄板光学部品の代表的なもの
に波長板(1/2波長板、1/4波長板等)が挙げられ
る。その素材として結晶材料(例えば水晶)が通常使用
される。波長板は偏光の光路差を所定波長分だけ変化さ
せることが可能な光学部品であり、その性能を出すため
には、結晶材料を極薄板厚(短波長域で使用する場合に
は数十ミクロン)で、さらに高精度の面形状,平行度等
が要求される。
に波長板(1/2波長板、1/4波長板等)が挙げられ
る。その素材として結晶材料(例えば水晶)が通常使用
される。波長板は偏光の光路差を所定波長分だけ変化さ
せることが可能な光学部品であり、その性能を出すため
には、結晶材料を極薄板厚(短波長域で使用する場合に
は数十ミクロン)で、さらに高精度の面形状,平行度等
が要求される。
【0003】波長板の製作は、まず高精度に研磨した光
学ガラスから成る補強用の光学部材と、加工に必要な厚
さを有する結晶部材(両面が研磨され且つ、接合面が高
精度に研磨された基板)との接合面同士を接着する。接
着は一般的に接着剤,水等が使用されるが、短波長域で
使用される波長板については接着剤によって透過率吸
収,偏光比などに悪影響を及ぼす可能性があるため、オ
プティカルコンタクトが用いられる。その後、オプティ
カルコンタクトされた結晶部材の極薄板厚加工工程とし
て研削、スムージング、研磨がなされ、最終的には研磨
で所定厚に納めることで、高精度な製品として完成す
る。
学ガラスから成る補強用の光学部材と、加工に必要な厚
さを有する結晶部材(両面が研磨され且つ、接合面が高
精度に研磨された基板)との接合面同士を接着する。接
着は一般的に接着剤,水等が使用されるが、短波長域で
使用される波長板については接着剤によって透過率吸
収,偏光比などに悪影響を及ぼす可能性があるため、オ
プティカルコンタクトが用いられる。その後、オプティ
カルコンタクトされた結晶部材の極薄板厚加工工程とし
て研削、スムージング、研磨がなされ、最終的には研磨
で所定厚に納めることで、高精度な製品として完成す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、波長板のよ
うな極薄板厚が要求される光学部品の加工上の問題とし
て、加工工程で研削砥石、砂かけ皿、研磨皿等の加工工
具との接触によって加工面には機械的衝撃が加わるわけ
であるが、オプティカルコンタクトは一般的な接着剤を
用いた接着に比べ、熱的、機械的衝撃に弱いこと、また
結晶材料(例えば水晶)は、脆性を有することなどか
ら、極めて薄くなった第1の光学部材の接合面(オプテ
ィカルコンタクト面)は剥がれを生じやすい。
うな極薄板厚が要求される光学部品の加工上の問題とし
て、加工工程で研削砥石、砂かけ皿、研磨皿等の加工工
具との接触によって加工面には機械的衝撃が加わるわけ
であるが、オプティカルコンタクトは一般的な接着剤を
用いた接着に比べ、熱的、機械的衝撃に弱いこと、また
結晶材料(例えば水晶)は、脆性を有することなどか
ら、極めて薄くなった第1の光学部材の接合面(オプテ
ィカルコンタクト面)は剥がれを生じやすい。
【0005】このことを、従来の極薄板加工方法の工程
を示す図3により説明する。図3(a)には、両面を面
取りされた結晶部材からなる第1の光学部材1及び補強
用の第2の光学部材2をオプティカルコンタクトした後
の状態を示す。通常の光学部品では、面取りは加工時の
加工面にキズを入れない、また面形状を良く出すなどの
ために品質上、欠かせない処置と言える。当然、波長板
に用いられるオプティカルコンタクト前の第1及び第2
の光学部材1,2においても、上記の理由から両面端部
外周に、短辺長0.3mm程度の二等辺三角形状の面取
り処置がされている。加工面の剥がれ防止の代表的な処
置としては、図3に示すように、第1の光学部材1と第
2の光学部材2との接合面端部の外周部にピッチ液やエ
ポキシ樹脂等の補強剤3を塗布して補強する方法が採ら
れている。
を示す図3により説明する。図3(a)には、両面を面
取りされた結晶部材からなる第1の光学部材1及び補強
用の第2の光学部材2をオプティカルコンタクトした後
の状態を示す。通常の光学部品では、面取りは加工時の
加工面にキズを入れない、また面形状を良く出すなどの
ために品質上、欠かせない処置と言える。当然、波長板
に用いられるオプティカルコンタクト前の第1及び第2
の光学部材1,2においても、上記の理由から両面端部
外周に、短辺長0.3mm程度の二等辺三角形状の面取
り処置がされている。加工面の剥がれ防止の代表的な処
置としては、図3に示すように、第1の光学部材1と第
2の光学部材2との接合面端部の外周部にピッチ液やエ
ポキシ樹脂等の補強剤3を塗布して補強する方法が採ら
れている。
【0006】図3(b)は平面研削加工段階における第
1及び第2の光学部材1,2を示すもので、第1の光学
部材1の加工面端部外周1bは加工面に対して直角なエ
ッジとなる。更に、図3(c)に示すように薄板厚加工
が進行すると、同図の一部に拡大示するように、第1の
光学部材1加工面の端部外周は、同部材接合面の面取り
部に達して、鋭利なエッジとなる。また、この加工段階
では極薄板厚となるため加工前に塗布した補強剤3は加
工工具との接触などにより取れてしまい、補強効果が得
られない。このため、鋭利なエッジとなった第1の光学
部材1の加工面の端部は、加工工具との接触の際に引っ
かかりやすい状態となり、目標とする極薄板厚を得る前
にコンタクト面剥がれを生じてしまうことになる。ま
た、第1の光学部材1の加工面端部は、機械的衝撃等に
よりチッピングを生じやすく、このチッピングより加工
面に割れを生じることがある。
1及び第2の光学部材1,2を示すもので、第1の光学
部材1の加工面端部外周1bは加工面に対して直角なエ
ッジとなる。更に、図3(c)に示すように薄板厚加工
が進行すると、同図の一部に拡大示するように、第1の
光学部材1加工面の端部外周は、同部材接合面の面取り
部に達して、鋭利なエッジとなる。また、この加工段階
では極薄板厚となるため加工前に塗布した補強剤3は加
工工具との接触などにより取れてしまい、補強効果が得
られない。このため、鋭利なエッジとなった第1の光学
部材1の加工面の端部は、加工工具との接触の際に引っ
かかりやすい状態となり、目標とする極薄板厚を得る前
にコンタクト面剥がれを生じてしまうことになる。ま
た、第1の光学部材1の加工面端部は、機械的衝撃等に
よりチッピングを生じやすく、このチッピングより加工
面に割れを生じることがある。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、極薄板光学部材の加工において、加工
時のオプティカルコンタクト面や加工面端部の機械的強
度、耐久性を維持・向上することにより、オプティカル
コンタクト面の剥がれや光学部材の割れを防止すること
ができ、高精度な極薄板光学部品を確実に製造すること
ができる極薄板光学部材の加工方法およびこの方法によ
り得られる極薄板光学部品を提供することを目的とす
る。
なされたもので、極薄板光学部材の加工において、加工
時のオプティカルコンタクト面や加工面端部の機械的強
度、耐久性を維持・向上することにより、オプティカル
コンタクト面の剥がれや光学部材の割れを防止すること
ができ、高精度な極薄板光学部品を確実に製造すること
ができる極薄板光学部材の加工方法およびこの方法によ
り得られる極薄板光学部品を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の極薄板光学部材の加工方法は、極薄板化加
工が施される第1の光学部材とこれを保持する第2の光
学部材とを接着剤を使用しないでオプティカルコンタク
トした後、前記第1の光学部材の極薄板化加工の工程中
に、少なくとも第1の光学部材の加工面から第1の光学
部材と前記第2の光学部材とのコンタクト面に至る範囲
の端部外周に面取りを行う面取り工程を設けたものであ
る。
に、本発明の極薄板光学部材の加工方法は、極薄板化加
工が施される第1の光学部材とこれを保持する第2の光
学部材とを接着剤を使用しないでオプティカルコンタク
トした後、前記第1の光学部材の極薄板化加工の工程中
に、少なくとも第1の光学部材の加工面から第1の光学
部材と前記第2の光学部材とのコンタクト面に至る範囲
の端部外周に面取りを行う面取り工程を設けたものであ
る。
【0009】このように、少なくとも第1の光学部材の
加工面からそのコンタクト面まで、即ち第1の光学部材
の端面の全面を面取りの範囲としているため、極薄板化
加工が進行しても、第1の光学部材の加工面端部には、
鋭角なエッジができず、加工工具との引っかかりによる
コンタクト面の剥がれを低減することができる。
加工面からそのコンタクト面まで、即ち第1の光学部材
の端面の全面を面取りの範囲としているため、極薄板化
加工が進行しても、第1の光学部材の加工面端部には、
鋭角なエッジができず、加工工具との引っかかりによる
コンタクト面の剥がれを低減することができる。
【0010】上記において、面取りにより形成される面
は鏡面であるのが好ましい。鏡面とすると、第1の光学
部材の加工面が加工工具による機械的衝撃などを受けて
も、第1の光学部材の加工面端部にチッピングが生じに
くくなり、チッピングによる加工面の割れの発生を大幅
に減少できる。
は鏡面であるのが好ましい。鏡面とすると、第1の光学
部材の加工面が加工工具による機械的衝撃などを受けて
も、第1の光学部材の加工面端部にチッピングが生じに
くくなり、チッピングによる加工面の割れの発生を大幅
に減少できる。
【0011】また、上記において、面取りは、第2の光
学部材の側面部研削工程の後に、第1の光学部材の加工
面から第2の光学部材の側面にかけての端部外周になさ
れるのが好ましい。第2の光学部材の側面部研削後に面
取りを行うと、第1の光学部材の端面全面を、確実且つ
容易に面取り対象とすることができ、極薄板加工の段階
においても、常に第1の光学部材の加工面端部を鈍角の
エッジとすることができる。この場合、面取りにより形
成される面が、第1の光学部材の加工面に対して約45
度をなす幅約2mmの鏡面とするのが望ましい。加工面
とのなす角が45度の場合、既存の面取り工具をそのま
ま用いることができ、また、面取りの幅を2mm程度と
すると、少なくとも第1の光学部材のコンタクト面まで
面取りされたことを明確に識別できる。加工面とのなす
角は、45度に限るものではないが、直角に近いと上述
した面取りによる引っかかり防止の効果が少なく、一
方、あまり角度が小さいと、第1の光学部材の使用可能
な径が小さくなる等の問題が生じる。なお、上記面取り
工程で形成される面取り形状は、傾斜した平面形状に限
らず、丸みを付けた形状としてもよい。
学部材の側面部研削工程の後に、第1の光学部材の加工
面から第2の光学部材の側面にかけての端部外周になさ
れるのが好ましい。第2の光学部材の側面部研削後に面
取りを行うと、第1の光学部材の端面全面を、確実且つ
容易に面取り対象とすることができ、極薄板加工の段階
においても、常に第1の光学部材の加工面端部を鈍角の
エッジとすることができる。この場合、面取りにより形
成される面が、第1の光学部材の加工面に対して約45
度をなす幅約2mmの鏡面とするのが望ましい。加工面
とのなす角が45度の場合、既存の面取り工具をそのま
ま用いることができ、また、面取りの幅を2mm程度と
すると、少なくとも第1の光学部材のコンタクト面まで
面取りされたことを明確に識別できる。加工面とのなす
角は、45度に限るものではないが、直角に近いと上述
した面取りによる引っかかり防止の効果が少なく、一
方、あまり角度が小さいと、第1の光学部材の使用可能
な径が小さくなる等の問題が生じる。なお、上記面取り
工程で形成される面取り形状は、傾斜した平面形状に限
らず、丸みを付けた形状としてもよい。
【0012】また、本発明の極薄板光学部品は、上記の
加工方法により製造されるものであり、第1の光学部材
の仕上がり厚みが数十μm程度の高精度の極薄板光学部
品が得られる。
加工方法により製造されるものであり、第1の光学部材
の仕上がり厚みが数十μm程度の高精度の極薄板光学部
品が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図2には、加工例とし
て直径80mm、仕上り厚み数十μmを必要とする波長
板製作の加工工程を示した。ステップ20の研磨工程で
は、外径80mm、厚み8mmの第1の光学部材1の両
面を研磨する。特に接合面(オプティカルコンタクト
面)は高精度面が必要となる。また、外径85mm、厚
み10mmの第2の光学部材2は、第1の光学部材1を
補強する光学基板であり、両面を高精度な平行平面にな
るように研磨する。ステップ21では、第1の光学部材
1と第2の光学部材2の接合面同士をオプティカルコン
タクトする。なお、第2の光学部材2の直径を第1の光
学部材1より大きくする理由は、オプティカルコンタク
トしやすくするためである。次にステップ22以後、薄
板化の加工がなされ、ステップ22では平面粗研削とし
て素材の駄肉取りが行われ、第1の光学部材1は、厚み
約1mmまで研削加工される。ステップ23では、第1
の光学部材1の側面外周部を基準にして、第2の光学部
材2の側面外周部を外径寸法80mmに研削加工する。
次いでステップ24では、第1の光学部材1の加工面か
ら接合面を経て第2の光学部材2の側面に至る範囲の端
部外周を面取りする。ステップ25からステップ27ま
では、精研削、スムージング、研磨の順に加工が行わ
れ、最終的にはステップ27の研磨で仕上りの厚み決め
と同時に高精度加工がなされ、波長板が完成する。
て図面を参照しながら説明する。図2には、加工例とし
て直径80mm、仕上り厚み数十μmを必要とする波長
板製作の加工工程を示した。ステップ20の研磨工程で
は、外径80mm、厚み8mmの第1の光学部材1の両
面を研磨する。特に接合面(オプティカルコンタクト
面)は高精度面が必要となる。また、外径85mm、厚
み10mmの第2の光学部材2は、第1の光学部材1を
補強する光学基板であり、両面を高精度な平行平面にな
るように研磨する。ステップ21では、第1の光学部材
1と第2の光学部材2の接合面同士をオプティカルコン
タクトする。なお、第2の光学部材2の直径を第1の光
学部材1より大きくする理由は、オプティカルコンタク
トしやすくするためである。次にステップ22以後、薄
板化の加工がなされ、ステップ22では平面粗研削とし
て素材の駄肉取りが行われ、第1の光学部材1は、厚み
約1mmまで研削加工される。ステップ23では、第1
の光学部材1の側面外周部を基準にして、第2の光学部
材2の側面外周部を外径寸法80mmに研削加工する。
次いでステップ24では、第1の光学部材1の加工面か
ら接合面を経て第2の光学部材2の側面に至る範囲の端
部外周を面取りする。ステップ25からステップ27ま
では、精研削、スムージング、研磨の順に加工が行わ
れ、最終的にはステップ27の研磨で仕上りの厚み決め
と同時に高精度加工がなされ、波長板が完成する。
【0014】次に、本発明の特徴であるステップ24の
面取り工程を図1により説明する。図1(a)は面取り
加工方法を示した図である。面取りに使用した加工機は
レンズ加工一般において使用される縦型心取り機であ
る。オプティカルコンタクトした後に約1mm厚に平面
粗研削した第1の光学部材1と、同部材1の外径を基準
に側面部を直径80mmに研削した第2の光学部材2と
は、側面外周部を基準にしてワーク軸4に対して偏心が
ない状態で、中空のホルダー5に真空吸着により固定さ
れている。第1および第2の光学部材1、2の右上方の
ツール軸7には45度加工用の砥石6が配置されてい
る。砥石6は、ワーク軸4の回転方向(矢印Aの方向)
と同方向の回転が与えられながら下降し(矢印Bの方
向)、加工物である第1および第2の光学部材1、2に
は研削角度として45度の面取りがなされる。砥石6に
は、ダイヤモンド砥粒をメタル系の結合剤で固めたダイ
ヤモンド砥石を用い、粗仕上げ用に番手270、鏡面を
出すために仕上げ用として番手600のものを使用し
た。鏡面仕上げ加工として、他にレジン系ダイヤモンド
砥石または直接研磨する方法でもよい。以上のような方
法で厚さDが約1mmの第1の光学部材1及び第2の光
学部材2の端部外周に45度、幅Wが2mmの鏡面の面
取りを行った。
面取り工程を図1により説明する。図1(a)は面取り
加工方法を示した図である。面取りに使用した加工機は
レンズ加工一般において使用される縦型心取り機であ
る。オプティカルコンタクトした後に約1mm厚に平面
粗研削した第1の光学部材1と、同部材1の外径を基準
に側面部を直径80mmに研削した第2の光学部材2と
は、側面外周部を基準にしてワーク軸4に対して偏心が
ない状態で、中空のホルダー5に真空吸着により固定さ
れている。第1および第2の光学部材1、2の右上方の
ツール軸7には45度加工用の砥石6が配置されてい
る。砥石6は、ワーク軸4の回転方向(矢印Aの方向)
と同方向の回転が与えられながら下降し(矢印Bの方
向)、加工物である第1および第2の光学部材1、2に
は研削角度として45度の面取りがなされる。砥石6に
は、ダイヤモンド砥粒をメタル系の結合剤で固めたダイ
ヤモンド砥石を用い、粗仕上げ用に番手270、鏡面を
出すために仕上げ用として番手600のものを使用し
た。鏡面仕上げ加工として、他にレジン系ダイヤモンド
砥石または直接研磨する方法でもよい。以上のような方
法で厚さDが約1mmの第1の光学部材1及び第2の光
学部材2の端部外周に45度、幅Wが2mmの鏡面の面
取りを行った。
【0015】図1(b)には面取り加工後の部材形状を
示した。鏡面にすることで、薄板加工時における部材端
部からのチッピングによる加工面の割れを防ぎ、また4
5度、約2mmの面取りを施すことで、加工時の加工工
具との接触時の引っかかりを防ぐことができる。これに
より、面取り後の薄板加工工程における接着強度および
端部強度を維持、向上させることができる。この方法に
よると、面取りを行わない従来加工方法に比べ、極薄板
化加工に伴う、コンタクト面の剥がれ及び端部のチッピ
ングを防止する効果があり、高精度な波長板の製作が可
能である。
示した。鏡面にすることで、薄板加工時における部材端
部からのチッピングによる加工面の割れを防ぎ、また4
5度、約2mmの面取りを施すことで、加工時の加工工
具との接触時の引っかかりを防ぐことができる。これに
より、面取り後の薄板加工工程における接着強度および
端部強度を維持、向上させることができる。この方法に
よると、面取りを行わない従来加工方法に比べ、極薄板
化加工に伴う、コンタクト面の剥がれ及び端部のチッピ
ングを防止する効果があり、高精度な波長板の製作が可
能である。
【0016】
【発明の効果】以上要するに、本発明の極薄板光学部材
の加工方法によれば、オプティカルコンタクト後の第1
の光学部材の極薄板化加工の工程中に、少なくとも第1
の光学部材の加工面から第1の光学部材と第2の光学部
材とのコンタクト面に至る範囲の端部外周に面取りを行
う面取り工程を設けたため、極薄板化加工が進行して
も、第1の光学部材の加工面端部には鋭角なエッジがで
きず、加工工具との接触時の引っかかりによるコンタク
ト面の剥がれを起こさずに、極薄板光学部品を仕上げる
ことができる。
の加工方法によれば、オプティカルコンタクト後の第1
の光学部材の極薄板化加工の工程中に、少なくとも第1
の光学部材の加工面から第1の光学部材と第2の光学部
材とのコンタクト面に至る範囲の端部外周に面取りを行
う面取り工程を設けたため、極薄板化加工が進行して
も、第1の光学部材の加工面端部には鋭角なエッジがで
きず、加工工具との接触時の引っかかりによるコンタク
ト面の剥がれを起こさずに、極薄板光学部品を仕上げる
ことができる。
【0017】また、上記において、面取りにより形成さ
れる面を鏡面とすることにより、第1の光学部材の加工
面が加工工具による機械的衝撃などを受けても、第1の
光学部材の加工面端部にチッピングが生じにくくなり、
チッピングによる加工面の割れの発生を減少できる。更
に、上記面取りを、第2の光学部材の側面部研削工程の
後に、第1の光学部材の加工面から第2の光学部材の端
面にかけての端部外周に行うようにすると、第1の光学
部材の端面全面を、確実且つ容易に面取りの範囲とする
ことができ、極薄板厚加工の段階においても、常に第1
の光学部材の加工面端部は鈍角のエッジとなり、コンタ
クト面の剥がれを確実に防止できる。
れる面を鏡面とすることにより、第1の光学部材の加工
面が加工工具による機械的衝撃などを受けても、第1の
光学部材の加工面端部にチッピングが生じにくくなり、
チッピングによる加工面の割れの発生を減少できる。更
に、上記面取りを、第2の光学部材の側面部研削工程の
後に、第1の光学部材の加工面から第2の光学部材の端
面にかけての端部外周に行うようにすると、第1の光学
部材の端面全面を、確実且つ容易に面取りの範囲とする
ことができ、極薄板厚加工の段階においても、常に第1
の光学部材の加工面端部は鈍角のエッジとなり、コンタ
クト面の剥がれを確実に防止できる。
【0018】また、本発明の極薄板光学部品は、上記の
加工方法により製造される高品質・高精度の極薄板光学
部品であり、従来その製造が難しかった厚みが数十μm
程度の短波長域で使用する波長板が得られる。
加工方法により製造される高品質・高精度の極薄板光学
部品であり、従来その製造が難しかった厚みが数十μm
程度の短波長域で使用する波長板が得られる。
【図1】本発明に係る極薄板光学部材の加工方法におけ
る面取り工程の一実施形態を示す説明図である。
る面取り工程の一実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明に係る極薄板光学部材の加工方法の一実
施形態を示す工程図である。
施形態を示す工程図である。
【図3】従来の極薄板光学部材の加工方法を示す工程図
である。
である。
1 第1の光学部材 2 第2の光学部材 3 補強剤 4 心取り機のワーク軸 5 心取り機のホルダー 6 面取り用研削砥石 7 心取り機のツール軸
Claims (6)
- 【請求項1】 極薄板化加工が施される第1の光学部材
とこれを保持する第2の光学部材とを接着剤を使用しな
いでオプティカルコンタクトした後、前記第1の光学部
材の極薄板化加工の工程中に、少なくとも第1の光学部
材の加工面から第1の光学部材と前記第2の光学部材と
のコンタクト面に至る範囲の端部外周に面取りを行う面
取り工程を設けたことを特徴とする極薄板光学部材の加
工方法。 - 【請求項2】 前記面取りにより形成される面が鏡面で
あることを特徴とする請求項1記載の極薄板光学部材の
加工方法。 - 【請求項3】 前記面取りは、前記第2の光学部材の側
面部研削工程の後に、前記第1の光学部材の加工面から
前記第2の光学部材の側面にかけての端部外周になされ
ることを特徴とする請求項1又は2記載の極薄板光学部
材の加工方法。 - 【請求項4】 前記面取りにより形成される面が、前記
第1の光学部材の加工面に対して約45度をなす幅約2
mmの鏡面であることを特徴とする請求項3記載の極薄
板光学部材の加工方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項記載の
加工方法により製造されたことを特徴とする極薄板光学
部品。 - 【請求項6】 前記第1の光学部材の仕上がり厚みが数
十μm程度であることを特徴とする請求項5記載の極薄
板光学部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8141453A JPH09323247A (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 極薄板光学部材の加工方法及び極薄板光学部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8141453A JPH09323247A (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 極薄板光学部材の加工方法及び極薄板光学部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09323247A true JPH09323247A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=15292269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8141453A Pending JPH09323247A (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 極薄板光学部材の加工方法及び極薄板光学部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09323247A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000153436A (ja) * | 1998-11-17 | 2000-06-06 | Olympus Optical Co Ltd | レンズ心取機 |
JP2013178462A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-09-09 | Gigaphoton Inc | 波長変換器、波長変換装置、固体レーザ装置およびレーザシステム |
CN106271958A (zh) * | 2016-08-08 | 2017-01-04 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 磨边机及利用磨边机对液晶面板进行打磨的方法 |
CN113640908A (zh) * | 2021-08-26 | 2021-11-12 | 武汉正可科技有限公司 | 一种光学玻璃滤光片及其磨削加工方法 |
-
1996
- 1996-06-04 JP JP8141453A patent/JPH09323247A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000153436A (ja) * | 1998-11-17 | 2000-06-06 | Olympus Optical Co Ltd | レンズ心取機 |
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