JPH09322992A - 詰め物体 - Google Patents

詰め物体

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JPH09322992A
JPH09322992A JP14416296A JP14416296A JPH09322992A JP H09322992 A JPH09322992 A JP H09322992A JP 14416296 A JP14416296 A JP 14416296A JP 14416296 A JP14416296 A JP 14416296A JP H09322992 A JPH09322992 A JP H09322992A
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JP
Japan
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stuffed
water
cotton
fiber
weight
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JP14416296A
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English (en)
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Noriyoshi Shintaku
知徳 新宅
Tomoshige Sugino
知重 杉野
Masumi Fujimoto
倍已 藤本
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】雨水、飲料水、ジュース、尿などの濡れや水洗
いなどでの水切れ性が高くて乾燥速度が速く、水洗いに
よる外観変化や風合い変化が少ない、防虫性を有する詰
め物体を提供すること。 【解決手段】詰め綿および側地がいずれもポリエステル
系繊維を含んでいる詰め物体であって、本文中に記載し
た方法で測定した吸水高さが5mm以下の詰め綿および
防虫加工が施された詰め綿を含むことを特徴とする詰め
物体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掛け布団、敷き布
団、肌掛け布団、こたつ布団、座布団、ベッドパットな
どの布団類や、枕、ソファーや車両用座席の背当てクッ
ション、縫いぐるみ、あるいは詰め綿入りの防寒衣や寝
袋などに適用できる詰め物体であって、水切れ性が高
く、防虫性を有する詰め物体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系合成繊維詰め綿は
優れた嵩高性を発揮し、軽量で保温性に優れているた
め、多くの詰め物用途の商品に使用されている。かかる
ポリエステル系合成繊維詰め綿としては、複合紡糸や非
対称冷却などによって3次元捲縮を発現させて嵩高性に
優れたものにしたり、例えば、特公平6−51076号
公報で提案されているように、順方向型立体捲縮繊維と
反転型立体捲縮繊維の混用組み合わせによって無荷重下
や荷重下の嵩高性に優れたものにしたり、繊維断面を中
空などのように異形化したり、繊維の繊度、繊維長ある
いは油剤を適正化して、嵩高性や風合いを改良したもの
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近布団など
の詰め物体を水洗いしたいという要求や、介護用寝具の
液状物による濡れを少くしたいという要求が高まってき
た。
【0004】本発明の目的は、雨水、飲料水、ジュー
ス、尿などの濡れや水洗いなどでの水切れ性が高く、か
つ防虫性を有する詰め物体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、次の構成を有する。
【0006】すなわち、詰め綿および側地がいずれもポ
リエステル系繊維を含んでいる詰め物体であって、本文
中に記載した方法で測定した吸水高さが5mm以下の詰
め綿および防虫加工が施された詰め綿を含むことを特徴
とする詰め物体である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、実施態様の例を挙げ本発明
について詳細に説明する。
【0008】一般に、掛け布団、敷き布団、肌掛け布
団、こたつ布団、座布団、ベッドパットなどの布団類
や、ソファー、車両用座席の背当てクッション、縫いぐ
るみ、詰め綿入りの防寒衣、寝袋等の繊維詰め物体はポ
リエステル繊維が多く使用され、濡れや水洗いでの乾燥
性は良好になってきた。しかし、医療用や子供用などの
用途では飲料水、ジュース、尿あるいは雨水などでの濡
れや、水洗いなどでの水切れ性や速乾性をさらに高める
必要性がでてきた。また、詰め物体の中でも特に嵩の高
い詰め綿に水切れ性や速乾性を高める必要性がある。
【0009】この水切れ性や速乾性を高めるために、本
発明においては、少くとも詰め綿の後述する方法で測定
した吸水高さを5mm以下としたものであり、より好ま
しくは0mmとしたものである。
【0010】詰め綿の吸水高さを5mm以下にするため
には、詰め綿繊維の表面を撥水性にするとよい。詰め綿
繊維の表面を撥水性にする方法は特に限定されないが、
例えば、撥水性の樹脂を詰め綿に付与することによって
も可能である。撥水性の樹脂付与としては、例えばシリ
コン系の樹脂あるいはフッソ系の樹脂の液中に詰め綿を
浸漬、搾り、乾燥、樹脂化熱処理する方法や、詰め綿に
シリコン系の樹脂液あるいはフッソ系の樹脂を噴霧器で
均一に付着、乾燥、樹脂化熱処理する方法などがある。
【0011】水切れ性や速乾性の面では、詰め物体の側
地についても撥水性の樹脂加工が施されていることが好
ましい。
【0012】上記吸水高さが5mm以下の詰め綿は、詰
め綿全重量に対して15重量%以上含まれていることが
好ましく、最も好ましくは100重量%である。
【0013】また、前記詰め物体全体としての水切れ性
や乾燥速度を速くし、水を多く含んだ状態を短くして、
詰め物体の寸法変化を生じにくいようにするためには、
後述する方法で測定した詰め物体の含水率が270%以
下であることが好ましく、250%以下であることがよ
り好ましい。このような含水率とするため、詰め綿繊維
の表面を撥水性にするとよい。
【0014】前記布団などの詰め物体は、一般的に詰め
綿や側地が木綿で構成されているため、これをそのまま
水洗いすると縮んで寸法が小さくなったり、風合いが粗
硬になったり、側地に皺が入ったり、さらには染料が脱
落して色褪するなど、外観を損なう問題があった。これ
らの問題を解決するために本発明では、かかる詰め物体
を、好ましくは詰め綿、側地および縫い糸のそれぞれ
を、少なくとも家庭の洗濯機で家庭用洗剤を用いてその
まま水洗いしても、水洗い時の水、洗剤、水流による揉
み作用、あるいは水で濡れた詰め物体の乾燥等によっ
て、寸法の変化、嵩の変化、風合いの変化、外観の変化
が極めて少なく、乾燥速度の速いポリエステル系繊維を
含んだ材料で構成したものである。
【0015】本発明において、詰め物体を構成する詰め
綿、側地および縫い糸は、本発明の前記目的を達成する
ために、できればポリエステル系繊維100%で構成す
るのが好ましいが、前記詰め物体の品質を損なわない範
囲で、木綿やナイロンなどのポリエステル系繊維以外の
繊維が混用されていても差し支えないし、また、吸湿性
繊維として吸湿性ポリエステル繊維などを使用してもよ
い。特に、側地では詰め物体使用時の吸湿による快適性
や肌触りの良さの面から、かかる吸湿性を有する繊維を
少量混用することが好ましい。吸湿性を有する繊維等を
混用する場合、ポリエステル系繊維の使用割合は寸法、
嵩、風合い、外観の変化を少なくし、乾燥速度を速くす
る面から詰め物体全重量に対し60重量%以上とするこ
とが好ましく、70重量%以上がより好ましい。
【0016】また、上記品質を得るために、側地におけ
るポリエステル系繊維の使用割合は、25重量%以上、
できれば30重量%以上とすることが好ましく、一方詰
め綿におけるポリエステル系繊維の使用割合は、60重
量%以上、できれば70重量%以上がより好ましい。さ
らに縫い糸についてポリエステル系繊維の使用割合は、
25重量%以上、できれば30重量%以上とすることが
好ましい。
【0017】さらに本発明の詰め物体においては、前記
寸法、嵩、風合いが粗硬になることや、詰め物体の表面
に皺が発生したりするなどの外観の変化を少なくする面
から、水洗い後の詰め物体の水洗い収縮率が5%以下と
するのが好ましい。なお、収縮率は後述する方法で測定
して、長さ方向および幅方向の高い方の値を5%以下と
することが好ましい。
【0018】本発明の詰め物体としては、側地と詰め綿
を合わせてキルティングミシンでキルティングしたり、
和綴ミシンなどで綴たりすることは好ましい。キルティ
ングや綴じの間隔は、狭すぎると、詰め物体の風合を損
ねたり、水洗いで縫い糸の吊れを生じることがあり、ま
た、広すぎても詰め物体使用時の揉み作用や水洗い時の
揉み作用によって詰め綿の移動や絡まりを生じることが
あるので、少なくとも約3cm〜約40cmが好まし
く、約3cm〜約30cmがより好ましい。
【0019】ここで綴じ間隔とは、図1(キルティング
した掛け布団)および図2(和綴の座布団)に示すよう
に、詰め物体の端からキルティング1や和綴2までの
間、およびキルティング1相互や和綴2相互の間の距離
1 、A2 、A3 〜Ai 、およびB1 、B2 、B3 〜B
i のなかで、最短および最長の距離であらわしたもので
ある。綴じの縫い目のピッチは、用途やその用途の目的
によって適宜選択すればよい。
【0020】本発明の詰め物体の詰め綿においては、繊
度が細いと詰め綿として必要な集合体としての嵩が低く
なったり、圧縮に対する反発性や嵩の回復性が低下し、
また、太くなると、触感が粗硬になってくるので、繊度
は0.5〜30デニールのものが好ましい。また、繊維
長が短かすぎると繊維間の絡合性が悪くなり綿切れが生
じやすくなり、長すぎると開繊性や製綿性が悪くなるの
で、繊維長は10〜100mmの短繊維が好ましく用い
られる。
【0021】捲縮は、使用する用途によって適宜選択す
ればよいが、嵩高性、ソフト感、圧縮に対する反発性や
回復性あるいは製綿性をよくし、使用時、洗濯時の詰め
綿の移動や絡まりを防ぐために機械捲縮を与えることが
好ましく、詰め綿繊維製糸時の非対称冷却処理し、繊維
1本1本に構造差を与えて3次元捲縮化したものがより
好ましい。捲縮数は3〜10山/25mm、捲縮度が5
〜30%であることが好ましい。
【0022】本発明の詰め物体の詰め綿繊維の断面形状
は、円形や円形中空のみでなく、多角などの異形断面や
その中空化したものも使用することができる。
【0023】本発明で用いられるポリエステル系繊維と
しては、特に限定されないが、例えばテレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれらのエス
テルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコー
ルもしくはテトラメチレングリコールを主たるグリコー
ル成分とするポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、あるいはポリエチレン2,6−ナフ
タレートなどの線状ポリエステルなどが挙げられる。本
発明では、特にポリエチレンテレフタレートもしくはそ
の共重合体が好ましい。
【0024】また、ポリエステル系繊維においては、必
要に応じて酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほ
か従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止
材等を添加配合したものも使用することができる。
【0025】本発明の詰め物体は、詰め綿に防虫繊維を
含むものである。防虫繊維は、例えば防虫成分としてピ
レスロイド系化合物を付与したものが好ましい。そのピ
レスロイド系化合物とは、フェノトリン(d−シス菊酸
の3−フェノキシベンジルエステルとの2:8混合
物)、合成ピレトリン、アレクトリン、フラルトリン、
バルトリン、ジメトリン、および天然ピレトリンを用い
ることができる。これらのピレスロイド系化合物の中で
も、150℃以上の高温処理を施しても、揮発性が低
く、また、後述するアミノシリコンとの相溶性が良く、
ダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果の洗濯による低下が低
く、安全性に優れるなどの観点から、次に記載の化学式
に示すフェノトリンが好ましい。
【0026】
【化2】 なお、本発明において、ピレスロイド系化合物の共力剤
として、一般に知られているピペロニルブトキサイド、
ピペロニルサイクロネン、プロピルアイソーム、スルホ
キサイド(イソサフロールのオクチルスルホキシド)、
サフロキサン、トロピタル、セゾキサン、サイネピリン
類などを併用することにより、防ダニ効果をより高める
ことが可能であり好ましい。
【0027】本発明の防虫ポリエステル繊維A中のピレ
スロイド系化合物付着量は、少なすぎると良好なダニ忌
避効果やダニ増殖抑制効果が得にくく、また多すぎる
と、高価な薬剤を多量に使用することになり、コスト面
で不利になるので、繊維中の付着量は0.01重量%以
上1.0重量%以下が好ましい。より好ましくは0.0
2〜0.5重量%である。
【0028】次に、本発明に用いるアミノシリコンと
は、シリコンポリマーの分子中にアミノ基を有するもの
で、アミノ基以外にエポキシ基などの他の置換基を有し
ているものも使用できる。
【0029】なお、アミノシリコンのアミノ当量は、
4.5×102 〜6.5×103 グラム当量/モルとす
るものであることが好ましい。アミノ当量が4.5×1
2 グラム当量/モル未満の場合には、ピレスロイド系
化合物ならびに防錆剤との相溶性が良く、洗濯耐久性は
良好であるが、ダニ忌避効果が低くなることがある。こ
れはシリコンポリマーによって強固にピレスロイド系化
合物が被覆されるためと考えられる。一方、アミノ当量
が6.5×103 グラム当量/モルを越える場合は、初
期のダニ忌避効果は優れているが、ドライクリーニング
等の洗濯により忌避性能が低下することがある。
【0030】本発明の詰め物体の詰め物に防虫繊維を使
用する場合、詰め物の製綿工程で混綿機や開繊機、梳綿
機、製綿成形機等の機械を錆させることがあり、防錆剤
を繊維に付与することが好ましい。本発明において防錆
剤としては、前記一般式で示されるアミノ系の化合物を
用いるものである。かかる構造のアミノ系化合物以外の
防錆剤では、本発明において用いるピレスロイド系化合
物のダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果が阻害されること
がある。かかるアミノ系化合物の具体例としては、次の
化合物が使用できる。
【0031】
【化3】 ここで、XはNaまたはKなどのアルカリ金属を意味す
る。
【0032】
【化4】 ここで、R1 はC4 〜 18のアルキル基、R2 はC
2 〜 4 のアルキレン基、XはNaまたはKなどのアル
カリ金属を意味する。
【0033】なお、かかる一般式で示される防錆剤に、
さらにオクチルホスフェートカリ塩などのアルキルホス
フェート系化合物や、亜硫酸ナトリウム等を併用する
と、該一般式で示される化合物の防錆効果はさらに向上
するので好ましい。
【0034】本発明において、ピレスロイド系化合物に
対するアミノシリコンの重量比は、1:1〜1:20が
好ましい。ピレスロイド系化合物に対するアミノシリコ
ンの重量比が1:1より少なくなりすぎると、防ダニ性
の洗濯耐久性が低下することがあり、また、重量比が
1:20より高くなりすぎると、防虫効果が低下してく
る。これは、ピレスロイド系化合物がアミノシリコン被
膜で覆われてしまい、ピレスロイド系化合物が表面に現
れにくくなるためと思われる。
【0035】本発明において、ピレスロイド系化合物に
対する防錆剤の重量比は1:0.5〜1:10が好まし
い。ピレスロイド系化合物に対する防錆剤の重量比が
1:0.5より少なくなりすぎると、防錆効果が低くな
り、また、重量比が1:10より高くなりすぎると、防
虫効果が低下するとともに、防虫効果の洗濯耐久性が低
下してくる。これは、一般に防錆剤の無機性が強いた
め、アミノシリコンの造膜性に悪影響を及ぼしたり、ポ
リエステル繊維との親和性が低下することによるものと
考えられる。
【0036】本発明の防虫ポリエステル繊維の製造方法
としては、例えば、上記したピレスロイド系化合物、ア
ミノシリコンおよび防錆剤を非イオン系界面活性剤もし
くはアニオン系界面活性剤またはこれらの併用物で乳化
分散した水エマルジョン組成物とし、繊維に対し目標付
与量になるように混合したものをスプレー方式、浸漬・
遠心脱水方式で付与した後、必要に応じ80〜120℃
で予備乾燥後、150〜200℃で熱処理することによ
って製造することができる。
【0037】
【実施例】次に、実施例と比較例により本発明をさらに
具体的に説明する。なお、本発明に記述した諸特性の測
定法は次のとおりである。
【0038】(1)詰め綿の吸水高さ 詰め物体の詰め物の繊維をピンセットで取り出し、約3
00デニールになるように集めて束にして、この詰め物
繊維の束に約1回/cmの撚をいれる。別途定規つきの
水槽に、赤インク10重量%、蒸留水90重量%の割合
で混合した水溶液を用意し、前記詰め物繊維の束の下端
に10グラムの荷重をつけ、解撚しないように前記詰め
物繊維の束の下端を水槽に入れて、10秒後の詰め物繊
維の束の中で最高水溶液上昇高さを定規で読取る。その
5回の平均高さ求めて詰め綿の吸水高さとした。
【0039】(2)詰め物体の含水率 詰め物体を20℃×65%RHの部屋に24時間放置し
た後の詰め物体重量(W0 )を測定する。次に、水道水
を水槽に満し、前記詰め物体を水槽に10分間浸漬し、
詰め物体の長手方向を上下方向として3分間水切り後の
詰め物体重量(W1 )を測定して、次式で含水率を求め
た。
【0040】 含水率(%)={(W1 −W0 )/W0 }×100 (3)収縮率 詰め物体を平らな台の上に置き、定規で詰め物体の幅と
長さ(l0 )を測定する。次に、市販の全自動洗濯機
で、中性洗剤“ザブ”(花王(株)製)0.2%水溶液
49リットル中に詰め物体を入れて12分間普通水流で
洗濯した後、すすぎ2分×2回、6分間脱水し、平らな
金網上に脱水詰め物体を置いて24時間日陰乾燥する。
前記の洗濯と乾燥を10回繰り返した後、詰め物体を平
らな台の上に置いて、定規で詰め物体の幅と長さ
(l1 )を測定し、次式で収縮率を求める。(l0 、l
1 は、詰め物体の幅と長さ方向それぞれについて3個所
の平均値とし、詰め物体の幅と長さ方向別々に収縮率を
求めた) 収縮率(%)=[(l0 −l1 )/l0 ]×100 (4)繊度 JIS L 1015−7−51Aの方法に準じて測定
する。
【0041】(5)平均繊維長(カット長) JIS L 1015A法(ステープルダイヤグラム
法)に準じて測定する。 (6)捲縮数および捲縮度 捲縮数および捲縮度はJIS L 1015−7−12
−1およびJIS L1015−7−12−2の方法に
準じて測定する。
【0042】(7)詰め物体の外観(洗濯堅牢度、
皺)、風合い 市販の全自動洗濯機で、中性洗剤“ザブ”(花王)0.
2%水溶液49リットル中に詰め物体を入れて12分間
普通水流で洗濯した後、6分間脱水する工程を10回繰
り返した後、洗濯前の詰め物体の外観(洗濯堅牢度、
皺)、風合いを視感および触感判定し、差なし(5
級)、程んど差なし(4級)、やや差あり(3級)、差
あり(2級)、極めて差あり(1級)の5段階評価し
た。
【0043】(8)使用繊維混用率(詰め物体の側地お
よび詰め物体全体の繊維構成) 混用率はJIS L 1030繊維混用率試験方法に準
じて測定した。
【0044】(9)防虫性(ダニ忌避率) 直径200mm、高さ30mmのシャーレにダニ繁殖中
の粉末飼料(日本クレア(株)CF−2)を出来るだけ
均一に拡げ、この上に1gの詰め物体の詰め物を開繊し
て8×8cmのほぼ正方形に拡げ、これとは別に防虫加
工されていない通常のポリエステルの綿1gを前期と同
様に8×8cmのほぼ正方形に拡げ、それぞれ左右対称
に1枚ずつ置いた。この綿上の中央の高さ1.4cmの
ところに、ダニの全く入っていない粉末飼料(水分15
%)1gを入れた直径2.8cmの容器を置き、室温2
5±2℃、湿度70〜80%RHの範囲に調節したふ卵
器に入れ40時間放置した後、容器の中の飼料中に侵入
したダニ数を食塩水浮遊法で数え、次式でダニ忌避率を
求めた。
【0045】 ダニ忌避率(%)={(A−B)/A}×100 ここで、Aは通常のポリエステルの綿のダニ数、Bは繊
維成形体の開繊綿のダニ数 [実施例1〜2および比較例1〜3]極限粘度0.65
のポリエチレンテレフタレート(通常のポリエチレンテ
レフタレート)を用いて、紡糸温度280℃、引取り速
度1350m/分、紡糸口金直下で通常の非対称冷却処
理を行ない紡糸し、延伸、機械捲縮を付与した後、市販
のジメチルポリシロキサンを主成分とするシリコン樹脂
液を噴霧器で均一に付着させ、熱処理、固着させて撥水
性樹脂を付与された繊維を製造した。得られた繊維は繊
度約6デニール、カット長64mmの中空(中空率38
%)円形断面、捲縮数4〜5山/25mm、捲縮度約2
4〜26%であった。
【0046】さらに、極限粘度0.65のポリエチレン
テレフタレート(通常のポリエチレンテレフタレート)
を用いて、紡糸温度280℃、引取り速度1350m/
分、紡糸口金直下で通常の非対称冷却処理を行ない紡糸
し、延伸、機械捲縮を付与した後、ピレスロイド系化合
物としてフェノトリンをノニルフェノールのエチレンオ
キサイド9モル添加物で乳化し、ピレスロイド系化合物
が0.1重量%になるように、また、バインダーとし
て、アミノ当量が3.5×103 グラム当量/モルであ
るアミノシリコーン(TKシリコーンAS65、高松油
脂(株)製)を固形分換算で0.5重量%になるよう
に、さらに防錆剤としてエチレンジアミン4酢酸の2ナ
トリウム塩を固形分換算で0.15重量%になるように
調整した水エマルジョン組成物を噴霧器で均一に付着さ
せ、熱処理、固着させて防虫繊維を製造した。
【0047】得られた繊維は繊度約8デニール、カット
長30mmの中空(中空率30%)円形断面、捲縮数
4.3山/25mm、捲縮数23.1%であった。この
繊維Aのフェノトリン付着量は0.15重量%、アミノ
シリコーン付着量は0.5重量%、防錆剤付着量は0.
15重量%であった。このステープル100%の防錆性
は、塩酸でメッキ、油分を落とした鉄の針金を、前記綿
の中にくるみ25℃、75%RHの恒温恒湿槽で72時
間放置後でもほとんど錆が発生せず良好で、ダニ忌避率
は洗濯前99.4%、パークレン液で40℃、10分間
洗浄する工程を3回繰り返した後94.1%であった。
【0048】得られた前記撥水性樹脂を付与された繊維
を30重量%と前記防虫繊維を70重量%混綿し、製綿
成形機で製綿して、布団用詰め綿とした。
【0049】一方、肌かけ布団用側地としては、経糸に
ポリエチレンテレフタレート75デニール、48フィラ
メントの通常仮撚加工糸を用い、緯糸に抗ピルタイプの
ポリエチレンテレフタレートステープル(2デニール、
51mm)を80重量%、木綿20重量%混用した紡績
糸を用いて平織組織に製織して淡いブルーに染色仕上げ
カレンダー加工した目付約105g/m2 の織物を使用
し、縫糸に高強力タイプのポリエステルフィラメント糸
の3子撚り糸を使用して、布団側地を縫製した。
【0050】品種や取扱表示ラベルはポリエステル不織
布を使用し、前記製綿詰め綿0.8kgを前記側地に詰
めて、前記縫糸でキルティングのステッチ6.5コ/i
n、キルティングの間隔を幅や長さ方向にいずれも約1
5cm間隔として肌掛け布団とした。
【0051】前記肌掛け布団の、詰め綿繊維製造時に、
繊維重量当たりのシリコン樹脂付着量(owf)のみを
変更して得られた肌掛け布団の特性を表1に示す。
【0052】実施例1〜2の肌掛け布団は、詰め綿に吸
水高さが0〜4.5mmの撥水性樹脂が付与された繊維
を30重量%含んでいるため、水切れ性に優れ、かつ水
洗い洗濯による収縮が少なく、外観変化や風合変化も少
なくて、防虫性に優れた良好な肌掛け布団であった。
【0053】これに対し比較例1〜3は、肌掛け布団の
水洗い洗濯による収縮、外観変化および風合変化が少な
くて、防虫性も良好なものの、詰め綿に含まれる撥水性
樹脂が付与された繊維の吸水高さが5.2〜24.8m
mであるため、肌掛け布団としての含水率が高く、水切
れ性の面で劣るものであった。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、雨水、飲料水、ジュー
ス、尿などの濡れや水洗いなどでの水切れ性が高くて乾
燥速度が速く、水洗いによる外観変化や風合い変化が少
なく、防虫性に優れた詰め物体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の詰め物体を掛け布団に適用した一例を
示す概略図である。
【図2】本発明の詰め物体を座布団に適用した一例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1:キルティングの縫い糸 2:和綴じ糸 A1 〜Ai :綴じ間隔 B1 〜Ai :綴じ間隔
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/18 104 C09K 3/18 104

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】詰め綿および側地がいずれもポリエステル
    系繊維を含んでいる詰め物体であって、本文中に記載し
    た方法で測定した吸水高さが5mm以下の詰め綿および
    防虫加工が施された詰め綿を含むことを特徴とする詰め
    物体。
  2. 【請求項2】前記吸水高さが5mm以下の詰め綿は、撥
    水性の樹脂加工が施されている詰め綿であることを特徴
    とする請求項1に記載の詰め物体。
  3. 【請求項3】撥水性の樹脂が、シリコン系の樹脂あるい
    はフッソ系の樹脂からなることを特徴とする請求項2に
    記載の詰め物体。
  4. 【請求項4】前記吸水高さが5mm以下の詰め綿が、該
    詰め綿重量に対し15重量%以上含まれていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の詰め物体。
  5. 【請求項5】前記詰め物体の本文中に記載した方法で測
    定した含水率が270%以下であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の詰め物体。
  6. 【請求項6】前記側地は、側地の重量に対するポリエス
    テル系繊維の割合が25重量%以上であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の詰め物体。
  7. 【請求項7】前記詰め物体の本文中に記載した方法で測
    定した水洗い収縮率が5%以下であることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の詰め物体。
  8. 【請求項8】前記詰め綿の繊度が0.5〜30デニー
    ル、繊維長が10〜100mmであることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の詰め物体。
  9. 【請求項9】前記詰め綿が非対称冷却によって発生する
    3次元捲縮を有する短繊維で、少なくとも3山/25m
    mの捲縮数と少なくとも5%の捲縮度とを有することを
    特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の詰め物体。
  10. 【請求項10】前記側地がポリエステル系繊維と木綿の
    混用であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
    記載の詰め物体。
  11. 【請求項11】前記詰め綿に含まれる、前記防虫加工が
    施された繊維の詰め綿に対する重量比が40%以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の
    詰め物体。
  12. 【請求項12】前記防虫加工が施こされた繊維が、ピレ
    スロイド系化合物で処理されたものであることを特徴と
    する請求項1〜11のいずれかに記載の水切れ性の高い
    詰め物体。
  13. 【請求項13】前記防虫加工が施こされた繊維が、ピレ
    スロイド系化合物、アミノ当量が4.5×102 〜6.
    5×103 グラム当量/モルのアミノシリコンおよび防
    錆剤を含む処理液で処理されたものであり、その繊維表
    面の付着物中の前記ピレスロイド系化合物に対する前記
    アミノシリコンの重量比が1:1〜1:20、前記ピレ
    スロイド系化合物に対する防錆剤の重量比が1:0.5
    〜1:10で、前記ピレスロイド系化合物の付着量が
    0.01〜1重量%であることを特徴とする請求項1〜
    11のいずれかに記載の詰め物体。
  14. 【請求項14】前記防錆剤が下記一般式(1)で示され
    る化合物であることを特徴とする請求項13に記載の詰
    め物体。 【化1】 (ただし、式中、R:C2 〜C4 のアルキル基、Y1
    8 〜C18のアルキル基または−(CH2 )n−COO
    基(n:1〜3)、Y2 ,Y3 ,Y4 :−(CH2 )n
    −COO基(n:1〜3)、X1 :無,H,Naまたは
    K、X2 、2X3 ,X4 :H,NaまたはKを示す)
  15. 【請求項15】ピレスロイド系化合物がフェノトリンで
    あることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記
    載の詰め物体。
  16. 【請求項16】本文中に定義するダニ忌避率が40%以
    上であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに
    記載の詰め物体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012214951A (ja) * 2011-03-28 2012-11-08 Toray Ind Inc 混綿詰め綿
CN114214759A (zh) * 2021-12-20 2022-03-22 江西泰美玩具有限公司 一种可自动检测松驰度的打棉机
US20220232979A1 (en) * 2021-10-19 2022-07-28 Xin Sun SPA Cushion

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