JPH09224798A - 水洗い可能な布団 - Google Patents

水洗い可能な布団

Info

Publication number
JPH09224798A
JPH09224798A JP3802496A JP3802496A JPH09224798A JP H09224798 A JPH09224798 A JP H09224798A JP 3802496 A JP3802496 A JP 3802496A JP 3802496 A JP3802496 A JP 3802496A JP H09224798 A JPH09224798 A JP H09224798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
futon
water
washed
fibers
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3802496A
Other languages
English (en)
Inventor
Masuki Fujimoto
倍己 藤本
Tomoshige Sugino
知重 杉野
Noriyoshi Shintaku
知徳 新宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP3802496A priority Critical patent/JPH09224798A/ja
Publication of JPH09224798A publication Critical patent/JPH09224798A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bedding Items (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水洗いが可能であって、ダニ等の害虫の増殖を
抑制するか忌避する防虫性を有する布団を提供する。 【解決手段】詰め綿、側地がいずれもポリエステル系繊
維を含んでいる布団であって、布団全体に対するポリエ
ステル系繊維の割合いが60重量%以上で、詰め綿に防
虫繊維を含み、かつ側地と詰め綿が綴じられていること
を特徴とする水洗い可能な布団。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掛け布団、敷き布
団、肌掛け布団、こたつ布団、座布団などの布団に関す
るものであり、さらに詳しくは、好ましくは家庭用の洗
濯機などでの水洗いが可能な布団に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル系合成繊維詰め綿は
優れた嵩高性を発揮し、軽量で保温性に優れているた
め、前記用途商品に多く使用されている。このポリエス
テル系合成繊維詰め綿は複合紡糸や非対称冷却などによ
って3次元巻縮を発現させて嵩高性に優れたものにした
り、例えば、特公平6−51076号公報のように順方
向型立体巻縮繊維と反転型立体巻縮繊維の混用組み合わ
せで無荷重下や荷重下の嵩高性に優れたものにしたり、
繊維を中空などの異形化にしたり、繊維の繊度、繊維長
あるいは油剤を適正化して嵩高性や風合いを改良したも
のがみられる。
【0003】さらに、シリコン樹脂を付与して柔軟な風
合いを得るものが、例えば、特公昭52−28426号
公報、実公昭53−5353号公報、特公平4−344
35号公報などで提案されている。しかし、これら詰め
綿を使用した布団などはほとんど洗濯しないか、または
洗濯屋でドライクリーニングするのが現状であり、この
問題を解消し、家庭用の洗濯機でも水洗いが可能な、防
虫性を有する布団の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解消することを目的とし、水洗いが可能であ
って、ダニ等の害虫の増殖を抑制するか忌避する防虫性
を有する布団を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、次の構成を有する。
【0006】すなわち、詰め綿および側地がいずれもポ
リエステル系繊維を含んでいる布団であって、布団全体
に対するポリエステル系繊維の割合いが60重量%以上
で、詰め綿に防虫繊維を含み、かつ側地と詰め綿が綴じ
られていることを特徴とする水洗い可能な布団である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を参
照しながら実施態様例を挙げて詳細に説明する。
【0008】一般に、掛け布団、敷き布団、肌掛け布
団、こたつ布団、座布団などの繊維詰め物体は、主とし
て詰め綿や側地が木綿で構成されている。従って、水洗
いすると寸法が縮んだり、風合いが粗硬になったり、側
地に皺が入ったり染料が脱落して色褪する等の外観を損
なう問題がある。これらの問題を解決するために本発明
の布団は、詰め綿、側地および好ましくは縫い糸のそれ
ぞれを、好ましくは家庭の洗濯機で家庭用洗剤を用いて
水洗いしても水洗い時の水、洗剤、水流による揉み作用
あるいは水で濡れた布団の乾燥等によって寸法の変化、
嵩の変化、風合いの変化、外観の変化が極めて少なく、
乾燥速度の速いポリエステル系繊維を含んだもので構成
したものである。
【0009】布団の詰め綿、側地および縫い糸はポリエ
ステル系繊維100%で構成するのが好ましいが、前記
詰め物体の品質を損なわない範囲で木綿などポリエステ
ル系繊維以外の繊維が混用されていても差し支えない。
特に、側地は布団使用時の吸湿による快適性や肌触りの
良さの面から、木綿などの吸湿性を有する繊維を少量混
用することは好ましい。
【0010】吸湿性を有する繊維などを混用する場合、
ポリエステル系繊維の使用割合は寸法、嵩、風合い、外
観の変化を少なくし、乾燥速度を速くする面から、布団
全重量に対し60重量%以上とする。好ましくは70重
量%以上とする。また、上記品質を得るために、側地重
量に対するポリエステル系繊維の使用割合は25重量%
以上とするのが好ましい。
【0011】また、前記寸法、嵩、風合い、外観の変化
を少なくする面から、水洗い後の布団の水洗い収縮率は
5%以下とするのが好ましい。5%を越えると詰め物体
の表面に皺が発生したり、風合いが粗硬になることがあ
る。なお、収縮率は後述する方法で測定して、長さ方向
および幅方向の高い方の値を5%以下とすることが好ま
しい。
【0012】さらに、水洗い後の脱水での水切れ性や乾
燥性を高めるために、後述する速乾性が60%以上であ
ることが好ましく、65%以上であればより好ましい。
60%未満では乾燥速度が遅く、洗濯後使用できるまで
に時間を要したり、同時に、水を多く含んだ状態が長
く、布団の寸法変化を生じやすい。
【0013】本発明の布団としては、側地と詰め綿を合
わせてキルティングミシンでキルティングしたり、和綴
ミシンなどで綴じたりする。キルティングや綴じの間隔
は少くとも3〜40cmが好ましく、3〜30cmがよ
り好ましい。3cm未満では綴じ間隔が狭すぎるため布
団の風合いを損ねたり、水洗いで縫糸の吊れを生ずじる
ことがあり、40cmを越えると布団使用時の揉み作用
や水洗い時の揉み作用によって詰め綿の移動や絡まりを
生ずることがる。
【0014】ここで綴じ間隔とは、図1や図2に示すよ
うに布団類の端からキルティングや綴じの間及びキルテ
ィングや和綴じの間の距離A1 〜Ai、B1 〜Biの中
で最短及び最長の距離であらわしたものである。綴じの
縫い目のピッチは、用途やその用途の目的によって適宜
選択すればよい。
【0015】布団の詰め綿は、繊度が0.5〜30デニ
ール、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ましく用
いられる。0.5デニールより細いと、詰め綿として必
要な集合体としての嵩が低くなったり、圧縮に対する反
発性や嵩の回復性も低下する恐れがある。30デニール
より太くなると、触感が粗硬になりがちである。また、
繊維長が10mmより短いと、繊維間の絡合性が悪くな
り、綿切れが生じやすいし、100mmより長いと開繊
性や製綿性が悪くなる恐れがある。
【0016】巻縮は、使用する用途によって適宜選択す
ればよいが、嵩高性、ソフト感、圧縮に対する反発性や
回復性あるいは製綿性を良くし、使用時、洗濯時の詰め
綿の移動や絡まりを防ぐために、機械巻縮を与えること
が好ましく、詰め綿繊維製糸時に非対称冷却処理を行
い、繊維1本1本に構造差を与えて3次元巻縮化したも
のがより好ましい。巻縮数は3〜10山/25mm、巻
縮度は5〜30%であることが好ましい。
【0017】本発明の布団の詰め綿の断面形状は、丸や
丸中空のみでなく、多角などの異形断面やその中空化し
たものも使用することができる。
【0018】また、この他、詰め綿には必要に応じて、
酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか、従来公
知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等を添
加したものも使用することができる。
【0019】詰め綿に含まれる防虫繊維は、防虫成分、
例えばピレスロイド系化合物を後加工で付与する方法に
よっても得られる。そのピレスロイド系化合物とは、フ
ェノトリン(d−シス菊酸の3−フェノキシベンジルエ
ステルとの2:8混合物)、合成ピレトリン、アレクト
リン、フラルトリン、バルトリン、ジメトリン、および
天然ピレトリンなどを用いることができる。これらのピ
レスロイド系化合物の中でも、150℃以上の高温処理
を施しても、揮発性が低く、また、後述するアミノシリ
コンとの相溶性が良く、ダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効
果の洗濯による低下が低く、安全性に優れるなどの観点
から、次に記載の化学式に示すフェノトリンが好まし
い。
【0020】
【化2】 なお、本発明において、ピレスロイド系化合物の共力剤
として、一般に知られているピペロニルブトキサイド、
ピペロニルサイクロネン、プロピルアイソーム、スルホ
キサイド(イソサフロールのオクチルスルホキシド)、
サフロキサン、トロピタル、セゾキサン、サイネピリン
類などを併用することにより、防ダニ効果をより高める
ことが可能であり好ましい。
【0021】本発明に用いる防虫繊維中のピレスロイド
系化合物付着量は、0.01重量%以上、1.0重量%
以下が好ましく、0.02〜0.5重量%がより好まし
い。繊維中のピレスロイド系化合物付着量が0.01重
量%未満の場合は、良好なダニ忌避効果やダニ増殖抑制
効果が得られないことがあり、1.0重量%を越える
と、一般にピレスロイド系化合物は有機燐系の殺虫剤に
比べて低毒性ではあるが、人体への毒性が問題になる可
能性もあるので好ましくない。
【0022】次に、本発明に用いる防虫繊維のアミノシ
リコンとは、シリコンポリマーの分子中にアミノ基を有
するもので、アミノ基以外にエポキシ基などの他の置換
基を有しているものも使用できる。
【0023】なお、アミノシリコンのアミノ当量は4.
5×102 〜6.5×103 グラム当量/モルとするも
のである。アミノ当量が4.5×102 グラム当量/モ
ル未満の場合には、ピレスロイド系化合物ならびに防錆
剤との相溶性が良く、洗濯耐久性は良好であるが、ダニ
忌避効果が低くなることがある。これはシリコンポリマ
ーによって強固にピレスロイド系化合物が被覆されるた
めと考えられる。一方、アミノ当量が6.5×103
ラム当量/モルを越える場合は、初期のダニ忌避効果は
優れているが、ドライクリーニング等の洗濯により忌避
性能が低下することがある。
【0024】防虫繊維を使用して布団を製造する場合、
混綿機や開繊機、梳綿機、成形機等の機械を錆させるこ
とがあり、防錆剤を繊維に付与することが好ましい。本
発明において防錆剤としては、前記一般式で示されるア
ミノ系の化合物を用いるものである。かかる構造のアミ
ノ系化合物以外の防錆剤では、本発明で用いるピレスロ
イド系化合物のダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果が阻害
されることがある。かかるアミノ系化合物の具体例とし
ては、次の化合物が使用できる。
【0025】
【化3】 ここで、XはNaまたはKなどのアルカリ金属を意味す
る。
【0026】
【化4】 ここで、R1 はC4 〜 18のアルキル基、R2 はC
2 〜 4 のアルキレン基、XはNaまたはKなどのアル
カリ金属を意味する。
【0027】なお、かかる一般式で示される防錆剤に、
さらにオクチルホスフェートカリ塩などのアルキルホス
フェート系化合物や、亜硫酸ナトリウム等を併用する
と、該一般式で示される化合物の防錆効果はさらに向上
するので好ましい。
【0028】本発明において、ピレスロイド系化合物に
対するアミノシリコンの重量比は1:1〜1:20が好
ましい。ピレスロイド系化合物に対するアミノシリコン
の重量比が1:1に満たないと、防ダニ性の洗濯耐久性
が著しく低下することがある。一方、重量比が1:20
を越えると、防虫効果が低く、本発明の目的を達成し得
なくなることがある。これは、ピレスロイド系化合物が
アミノシリコン被膜で覆われてしまい、ピレスロイド系
化合物が表面に現れにくくなるためと思われる。
【0029】本発明において、ピレスロイド系化合物に
対する防錆剤の重量比は1:0.5〜1:10が好まし
い。ピレスロイド系化合物に対する防錆剤の重量比が
1:0.5に満たないと、防錆効果が低く、一方、重量
比が1:10を越えると、防虫効果が低下するととも
に、防虫効果の洗濯耐久性が低下することがある。これ
は、一般に防錆剤の無機性が強いため、アミノシリコン
の造膜性に悪影響を及ぼしたり、繊維との親和性が低下
することによるものと考えられる。
【0030】本発明に用いる防虫繊維の製造方法として
は、例えば、上記したピレスロイド系化合物、アミノシ
リコンおよび防錆剤を非イオン系界面活性剤もしくはア
ニオン系界面活性剤またはこれらの併用物で乳化分散し
た水エマルジョン組成物とし、繊維に対し目標付与量に
なるように混合したものをスプレー方式、浸漬・遠心脱
水方式で付与した後、必要に応じ80〜120℃で予備
乾燥後、150〜200℃で熱処理することによって製
造することができる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに具
体的に説明する。本発明に記述した諸特性の測定法は次
の通りである。
【0032】(1)収縮率 布団を平らな台の上に置き、定規で布団の幅、長さ(l
0 )を測定する。次に、市販の全自動洗濯機で、中性洗
剤“ザブ”(花王(株)製)0.2%水溶液49リット
ル中に布団を入れて12分間普通水流で洗濯した後、す
すぎ2分×2回、6分間脱水し、平らな金網上に脱水布
団を置いて24時間日陰乾燥する。前記洗濯と乾燥を1
0回繰り返した後、布団を平らな台の上に置き、定規で
布団の幅、長さ(l1 )を測定して、次式で収縮率を求
めた。l0 、l1 は布団の幅、長さ方向それぞれについ
て3個所の平均値とし、布団の幅、長さ方向別々に収縮
率を求めた。
【0033】 収縮率(%)=[(l0 −l1 )/l0 ]×100 (2)速乾性 布団を20℃×65%RHの部屋に24時間放置した後
の布団重量(W0 )を測定する。次に、市販の全自動洗
濯機で、中性洗剤“ザブ”(花王(株)製)0.2%水
溶液49リットル中に布団を入れて12分間普通水流で
洗濯した後、すすぎ2分×2回、6分間脱水する。さら
に、平らな金網上に脱水布団を2時間放置した後の布団
重量(W1 )を測定して、次式で速乾性を求めた。
【0034】速乾性(%)=[1−{(W0 −W)1
1 }]×100 (3)繊度 JIS L1015−7−51Aの方法に準じて測定し
た。
【0035】(4)平均繊維長(カット長) JIS L1015A法(ステープルダイヤグラム法)
に準じて測定した。
【0036】(5)巻縮数および巻縮度 巻縮数および巻縮度はJIS L1015−7−12−
1およびJIS L1015−7−12−2の方法に準
じて測定した。
【0037】(6)布団の外観(洗濯堅牢度、皺)、風
合い 市販の全自動洗濯機で、中性洗剤“ザブ”(花王(株)
製)0.2%水溶液49リットル中に布団を入れて12
分間普通水流で洗濯した後、6分間脱水する工程を10
回繰り返した後、洗濯前の布団の外観(洗濯堅牢度、
皺)、風合いを視感および触感判定し、差なし(5
級)、ほとんど差なし(4級)、やや差あり(3級)、
差あり(2級)、極めて差あり(1級)の5段階評価し
た。
【0038】(7)防虫性(ダニ忌避率) 直径200mm、高さ30mmのシャーレにダニ繁殖中
の粉末飼料<日本クレア(株)CF−2>を出来るだけ
均一に拡げ、この上に1gの布団の詰め綿を開繊して8
×8cmのほぼ正方形に拡げ、これとは別に防虫加工さ
れていない通常のポリエステルの綿1gを前記と同様に
8×8cmのほぼ正方形に拡げ、それぞれ左右対称に1
枚ずつ置いた。この綿上の中央の高さ1.4cmのとこ
ろに、ダニの全く入っていない粉末飼料(水分15%)
1gを入れた直径2.8cmの容器を置き、室温25±
2℃、湿度70〜80%RHの範囲に調節したふ卵器に
入れ40時間放置した後、容器の中の飼料中に侵入した
ダニ数を食塩水浮遊法で数え、次式でダニ忌避率を求め
た。
【0039】 ダニ忌避率(%)={(A−B)/A}×100 ここで、Aは通常のポリエステルの綿のダニ数、Bは布
団の詰め綿の開繊綿のダニ数。洗濯後のダニ忌避率は市
販の全自動洗濯機で、中性洗剤“ザブ”(花王(株)
製)0.2%水溶液49リットル中に布団を入れて12
分間普通水流で洗濯した後、すすぎ2分×2回、6分間
脱水、乾燥後の値である。
【0040】(8)使用繊維混用率(布団の繊維構成) 混用率はJIS L1030繊維混用率試験方法に準じ
て測定した。
【0041】実施例1〜3および比較例1〜2 布団の詰め綿を防虫繊維として、融点が255℃の通常
ポリエチレンテレフタレートのチップを、紡糸温度28
0℃、引取り速度1350m/分で、紡糸口金の出口で
非対称冷却した未延伸糸を紡糸した。
【0042】次いで、この未延伸糸を延伸浴温度80℃
で延伸し、クリンパで機械捲縮を付与した。さらにピレ
スロイド系化合物としてフェノトリンをノニルフェノー
ルのエチレンオキサイド9モル添加物で乳化し、ピレス
ロイド系化合物が0.1重量%になるように、また、バ
インダーとして、アミノ当量が3.5×103 グラム当
量/モルであるアミノシリコーン(TKシリコーンAS
65、高松油脂(株)製)を固形分換算で0.5重量%
になるように、さらに防錆剤としてエチレンジアミン4
酢酸の2ナトリウム塩を固形分換算で0.15重量%に
なるように調整した水エマルジョン組成物をスプレーで
付与し、カット長30mmに切断し、175℃の熱処理
をして繊度6デニール、捲縮数4.7山/25mm、捲
縮度26.5%、中空率31%の円形中空断面構造の防
虫繊維を得た。この防虫繊維のフェノトリン付着量は
0.15重量%、アミノシリコーン付着量は0.5重量
%、防錆剤付着量は0.15重量%であった。このステ
ープル100%の防錆性は、塩酸でメッキ、油分を落と
した鉄の針金を、前記綿の中にくるみ、25℃、75%
RHの恒温恒湿槽で72時間放置後でもほとんど錆が発
生せず良好で、ダニ忌避率は洗濯前99.1%、水洗い
1回後86.3%であった。
【0043】得られた詰め綿をローラーカードにかけて
カーディングし、成型機でカードウエッブを積層し製綿
した。
【0044】一方、肌掛け布団側地として実施例1はタ
テ糸にポリエチレンテレフタレート75デニール、36
フィラメントの仮ヨリ加工糸、ヨコ糸に抗ピルタイプの
ポリエステルステープル(2デニール、51mm)を8
0重量%、木綿20重量%混用した紡績糸を用いて平織
組織に製織・淡いピンクに染色仕上げカレンダー加工し
た目付約100g/m2 の織物を使用し、縫糸は高強力
タイプのポリエステルフィラメント糸の3子撚り糸を使
用して布団側地とした。品種や取扱表示ラベルはポリエ
ステル不織布を使用し、前記製綿詰め綿0.6Kgを前
記側地に詰めて、前記縫糸でキルティングのステッチ
6.5コ/in、キルティングの間隔を幅や長さ方向に
いずれも約15cm間隔として肌掛け布団とした。
【0045】前記側地用タテおよびヨコ糸に紡績糸を使
用することを含め、側地のポリエステルと木綿の混用割
合いのみを変えて得られた肌掛け布団の特性を表1に示
す。実施例1〜3の布団は、特に側地のポリエステルの
割合が高いため、本発明の狙いである水洗いによる布団
の収縮率は2.3〜4.6%、速乾性は75.0〜6
3.1%と良好で、外観や風合いも良好なものであっ
た。また、布団の詰め綿の防虫性も良好であった。
【0046】これに対し比較例1は、布団の詰め綿の防
虫性は良好なものの、側地のタテ糸がポリエステルと木
綿の混紡糸、ヨコ糸が木綿100%の紡績糸で、水洗い
による収縮率や速乾性および外観や風合い変化の面では
劣るものであった。また、比較例2は、詰め物体の詰め
綿の防虫性は良好なものの、側地のタテ糸およびヨコ糸
が木綿100%の紡績糸で、水洗いによる収縮率や速乾
性および外観や風合い変化の面では劣るものであった。
【0047】
【表1】 実施例4 実施例1で布団の詰め綿として、防虫加工を施さないで
得られたポリエステル詰め綿40重量%、防虫加工ポリ
エステル詰め綿60重量%を混綿するほかは実施例1と
同様にして肌掛け布団とした。
【0048】得られた肌掛け布団は、表1に示すように
水洗いによる布団の収縮率、速乾性、外観や風合いおよ
び詰め綿の防虫性共に良好なものであった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、水洗いによる外観変化
や風合い変化が少く、乾燥速度が速くて、ダニ等の害虫
の増殖を抑制するか忌避する防虫性を有する布団を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明掛け布団の一例を示す概略図である。
【図2】本発明座布団の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:キルティングの縫糸 2:和綴じ糸 A1 〜Ai、B1 〜Bi:綴じ間隔

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】詰め綿および側地がいずれもポリエステル
    系繊維を含んでいる布団であって、布団全体に対するポ
    リエステル系繊維の割合いが60重量%以上で、詰め綿
    に防虫繊維を含み、かつ側地と詰め綿が綴じられている
    ことを特徴とする水洗い可能な布団。
  2. 【請求項2】縫い糸がポリエステル系繊維を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1記載の水洗い可能な布団。
  3. 【請求項3】水洗い後の布団の水洗い収縮率が5%以
    下、速乾性が60%以上であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の水洗い可能な布団。
  4. 【請求項4】側地と詰め綿の綴じの間隔が3〜40cm
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の水洗い可能な布団。
  5. 【請求項5】詰め綿の繊度が0.5〜30デニール、繊
    維長が10〜100mmであることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の水洗い可能な布団。
  6. 【請求項6】詰め綿が非対称冷却によって発生する3次
    元巻縮を有する短繊維で、少なくとも3山/25mmの
    巻縮数と少なくとも5%の巻縮度とを有することを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の水洗い可能な布
    団。
  7. 【請求項7】側地がポリエステルと木綿の混用であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水洗い
    可能な布団。
  8. 【請求項8】防虫繊維の詰め綿に対する重量比が40%
    以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の水洗い可能な布団。
  9. 【請求項9】防虫繊維が、ピレスロイド系化合物、アミ
    ノ当量が4.5×102 〜6.5×103 グラム当量/
    モルのアミノシリコンおよび防錆剤を含む処理液で処理
    されたものであり、その繊維表面の付着物中の前記ピレ
    スロイド系化合物に対する前記アミノシリコンの重量比
    が1:1〜1:20、前記ピレスロイド系化合物に対す
    る防錆剤の重量比が1:0.5〜1:10で、前記ピレ
    スロイド系化合物の付着量が0.01〜1重量%である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水洗
    い可能な布団。
  10. 【請求項10】防錆剤が下記一般式(1)で示される化
    合物であることを特徴とする請求項9に記載の水洗い可
    能な布団。 【化1】 (ただし、式中、R:C2 〜C4 のアルキル基、Y1
    8 〜C18のアルキル基または−(CH2 )n−COO
    基(n:1〜3)、Y2 ,Y3 ,Y4 :−(CH2 )n
    −COO基(n:1〜3)、X1 :無,H,Naまたは
    K、X2 、2X3,X4 :H,NaまたはKを示す)
  11. 【請求項11】ピレスロイド系化合物がフェノトリンで
    あることを特徴とする請求項9または10に記載の水洗
    い可能な布団。
  12. 【請求項12】本文中に定義するダニ忌避率が40%以
    上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに
    記載の水洗い可能な布団。
JP3802496A 1996-02-26 1996-02-26 水洗い可能な布団 Pending JPH09224798A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3802496A JPH09224798A (ja) 1996-02-26 1996-02-26 水洗い可能な布団

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3802496A JPH09224798A (ja) 1996-02-26 1996-02-26 水洗い可能な布団

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09224798A true JPH09224798A (ja) 1997-09-02

Family

ID=12514010

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3802496A Pending JPH09224798A (ja) 1996-02-26 1996-02-26 水洗い可能な布団

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09224798A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107385671A (zh) * 2017-09-04 2017-11-24 库尔勒天山雪域棉业有限责任公司 一种无网棉胎制作方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107385671A (zh) * 2017-09-04 2017-11-24 库尔勒天山雪域棉业有限责任公司 一种无网棉胎制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2116641A1 (en) Looped fabric comprising bamboo loops and terry made there from
US20130183495A1 (en) Antimicrobial Fabrics
EP0336595A1 (en) Coating for polyester fibers
JP2006515905A (ja) 洗濯耐久性汚れ放出特性および水分吸収特性を示すフルオロケミカル含有テキスタイル仕上げ剤
JPH09224798A (ja) 水洗い可能な布団
JP3247293B2 (ja) 抗菌性セルロースアセテート繊維及び抗菌性繊維製品
JP4451613B2 (ja) 制電性と撥水性を有する防水織物
JP4306245B2 (ja) 高密度織物
JP5339926B2 (ja) 衣料用織編物
JP2015190086A (ja) 抗菌性布帛
JPH09322992A (ja) 詰め物体
JP3103549B1 (ja) 抗菌性マット
JPH10121357A (ja) 繊維詰め物体
JPH09324351A (ja) 詰め物体
JPH09157978A (ja) 消臭・抗菌性アクリル系合成繊維からなる繊維製品
JP3204046B2 (ja) 防ダニ性樹脂組成物および防ダニ性繊維構造物
CN216885571U (zh) 一种复合针织面料
JP2905629B2 (ja) 消臭防臭繊維
JP7284257B2 (ja) 複合糸および布帛および繊維製品
JP2931213B2 (ja) 敷 物
CN218966322U (zh) 隔热防螨抗菌三合一面料
JPH09228210A (ja) 繊維詰め物体
JPH09294879A (ja) 布 団
CN218804437U (zh) 一种抗菌除臭沙发面料
JP2000064149A (ja) 汗臭、体臭を防止する繊維を含む構成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040323

A02 Decision of refusal

Effective date: 20040810

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02