JPH0932290A - 型枠保持用セパレーター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 左右の型枠材を離間して組み立て後に各セパ
レーターを外側から挿入して取付けるようにして、セパ
レーターの取付け作業を簡単にすることにより、型枠の
組立作業を簡単にしてその作業時間の短縮化を図る。 【解決手段】 建設現場で型枠２を組み立てる場合に使
用される型枠保持用セパレーター１において、上記セパ
レーター１の両側に取付けられた座金３，３の少なくも
一方の座金３の表面形状を、その正面視において直交す
る仮想二方向で長半径とこれより短い短半径の形状に形
成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、建設現場で型枠
を組み立てる場合に使用される型枠保持用セパレーター
に係り、特に、セパレーターの両側に取付けられたカッ
プ座金又は平座金の形状をその正面から見て直交する仮
想二方向で長半径とこれより短い短半径の形状に形成す
ることにより、セパレーターの取付け作業を簡単にして
型枠の組立作業を簡単にする型枠保持用セパレーターに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、建設現場においては、コンクリー
トを打設する場合、型枠の組立作業が行われる。型枠を
組み立てる場合においては、離間して並設される左右の
型枠材の間隔を一定に保持するために、左右の型枠材の
内側に多数のセパレーターが水平に取付けられている。
セパレーターは、例えば５０cm〜６０cmの間隔で左右の
型枠材の内側の縦方向及び横方向に多数取付けられてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の型枠
組立作業におけるセパレーターの取付けは、次のように
して行われており、その取付けは非常に面倒であった。
即ち、片側の型枠材に各セパレーターの取付け孔を開
け、各セパレーターの一端側を取付け孔に固着した後
に、各セパレーターの他端側の取付け孔の位置を他方側
の型枠材の表面に特定するために、他方側の型枠材を既
に片方側の型枠材に固着されている各セパレーターの他
端側先端に金槌などを使用して強く押し付けて、他方側
型枠材の表面に各セパレーターの他端側先端部の窪みを
付け、その窪みを目印として取付け孔を他方側の型枠材
の表面に各々開け、その後、取付け孔が開けられた他方
側の型枠材を片側の型枠材に平行に合わせ、他方側の型
枠材に形成された各取付け孔に片側の型枠材に既に取付
けられている各セパレーターの先端側を挿入して型枠を
組み立てている。このように、セパレーターの取付け作
業は非常に面倒であり、その結果、型枠の組立作業も非
常に面倒で手間がかかり作業時間も長くなる不都合があ
った。

【０００４】この発明は、上記のような課題に鑑み、そ
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、左右の型枠材を離間して組み立て後に
各セパレーターを外側から挿入して取付けるようにし
て、セパレーターの取付け作業を簡単にすることによ
り、型枠の組立作業を簡単にしてその作業時間の短縮化
を図ることのできる型枠保持用セパレーターを提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の課題を達成するた
めに、この発明は、建設現場で型枠を組み立てる場合に
使用される型枠保持用セパレーターにおいて、上記セパ
レーターの両側に取付けられた座金の少なくも一方の座
金の表面形状を、その正面視において直交する仮想二方
向で長半径とこれより短い短半径の形状に形成した手段
よりなるものである。

【０００６】ここで、座金はカップ座金又は平座金から
なるのがよく、座金の表面形状はその正面視において楕
円形状、長円形状又は長方形状であるのがよい。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面に記載の発明の実施の
形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。こ
こで、図１はセパレーターの斜視図、図２はセパレータ
ーの側断面図、図３はセパレーターの平断面図、図４は
型枠材の部分斜視図、図５（Ａ）は手前側の型枠材の部
分表面図、図５（Ｂ）は奥側の型枠材の部分表面図、図
６（Ａ）はセパレーターの取付け時の側断面図、図６
（Ｂ）はセパレーターの取付け時の正面図である。

【０００８】図において、セパレーター１は、建設現場
などにおいてコンクリートを打設する場合に組み立てら
れる型枠２の左右の間隔を一定に保持するために使用さ
れる器具であり、離間して並設された左右の型枠材２
ａ，２ａの内側に水平に取付けられるものである。セパ
レーター１は例えば５０cm〜６０cmの間隔で左右の型枠
材２ａ，２ａの内側の縦方向及び横方向に多数取付けら
れる。

【０００９】セパレーター１は細長な棒鋼１ａとその両
端側に取付けられたカップ座金３，３から主に構成され
ている。セパレーター１の細長な棒鋼１ａは断面が円形
に形成されており、その両端側には螺子１ｂ，１ｂが切
ってある。又棒鋼１ａの両側にはその周面方向に切断溝
１ｃ，１ｃと突部１ｄ，１ｄがそれぞれ形成されてい
る。

【００１０】切断溝１ｃはコンクリート硬化後、コンク
リートの表面から突出するセパレーター１の先端側を切
断する場合の切断面となる部分であり、コンクリートの
表面から突出するセパレーター１の棒鋼１ａの先端側を
ハンマーで叩くと、この切断溝１ｃで棒鋼１ａの先端側
は簡単に破断して切断される。また、突部１ｄは棒鋼１
ａの両側に取付けられたカップ座金３，３が中央側に移
動するのを阻止するストッパーの機能を果たしている。

【００１１】各カップ座金３，３は棒鋼１ａの両端側の
螺子１ｂ，１ｂの内側の突部１ｄとの間に遊嵌状態で取
付けられていて、棒鋼１ａに対して正逆回転自在になっ
ている。カップ座金３，３は側面から見て中央に向かっ
てその周囲が山盛り状に形成されていており、内部は山
盛り状に対応する形状に窪んでいる。側面から見て山盛
り状の底面に該当する部分がカップ表面３ａ，３ａにな
る。

【００１２】各カップ座金３，３の山盛り状の中央には
孔３ｂ，３ｂが形成されており、この孔３ｂ，３ｂに棒
鋼１ａの両端側が挿通されている。各カップ座金３，３
は左右の型枠材２ａ，２ａの内側表面にそのカップ表面
が当接して押止し、左右の型枠材２ａ，２ａの間隔を一
定に維持する役目を果たす。

【００１３】この発明の実施の形態における各カップ座
金３，３は、左右の型枠材２ａ，２ａの内側表面に当接
するそのカップ表面３ａ，３ａが正面から見て、例えば
楕円形の形状に形成されている。即ち、カップ表面３
ａ，３ａは正面から見てその中央部の孔３ｂ，３ｂを中
心として直交する仮想二方向の半径が長半径とこれより
短い短半径の形状からなっている。

【００１４】なお、カップ座金３，３のカップ表面３
ａ，３ａは正面から見て楕円形以外の長円形、或いは長
方形の形状から形成されていてもよく、要は直交する仮
想二方向の半径が長半径とこれより短い短半径の形状か
らなっていれば、どのような形状でもよい。

【００１５】カップ表面３ａ，３ａが楕円形の形状から
なるカップ座金３，３を取り付けたセパレーター１がそ
の内側に取付けられる左右の型枠材２ａの片方には、楕
円形のカップ座金３，３が挿通する長方形状の取付け孔
２ｂが各セパレーター１の取付け位置に対応する箇所に
各々穿設されている。取付け孔２ｂは楕円形のカップ座
金３が挿通できる形状、つまり、カップ座金３の楕円形
より少し大きめな孔に形成されている。

【００１６】即ち、片方の型枠材２ａに形成された各取
付け孔２ｂは、その直交する仮想二方向の半径の長半径
がカップ座金３の長半径より大きく、且つ直交する仮想
二方向の半径の短半径がカップ座金３の長半径より小さ
くなっている。

【００１７】これにより、カップ座金３は取付け孔２ｂ
を挿通でき、挿通後にカップ座金３を９０度回すと、カ
ップ座金３はそのカップ表面３ａの長半径の先端側が取
付け孔２ｂの外周囲表面に当接して、カップ座金３は型
枠材２ａの内側表面に当接して押止し、型枠材２ａ，２
ａの内側を一定間隔に維持することができる。

【００１８】また、他方の型枠材２ａには、セパレータ
ー１の棒鋼１ａの径より大きく、且つ、カップ座金３の
カップ表面３ａの短径より小さな円形の取付け孔２ｃが
各セパレーター１の取付け位置に対応する箇所に各々穿
設されている。

【００１９】次に、上記発明の実施の形態の構成に基づ
く取付け方法について、以下説明する。コンクリート打
設箇所に、型枠材２ａ，２ａを左右に一定間隔だけ離間
して並設し、左右に離間して並設された各型枠材２ａ，
２ａの各セパレーター１取付け位置に対応する箇所に取
付け孔２ｂ，２ｃを各々穿設する。

【００２０】取付け孔２ｂ，２ｃの穿設は型枠材２ａ，
２ａの外側から、図示しない特殊な穿孔機を使用して左
右の型枠材２ａ，２ａを貫通するようにして同時に左右
の取付け孔２ｂ，２ｃを各々穿設する。この特殊な穿孔
機は、ドリルの先端が取付け孔２ｃの円形孔を穿設でき
る構造になっており、ドリルの基端側が取付け孔２ｂの
長方形状の孔を穿設できる構造になっている。

【００２１】このようにして、左右の型枠材２ａ，２ａ
に各セパレーター１取付け用の取付け孔２ｂ，２ｃを各
々穿設した後に、長方形状の取付け孔２ｂが穿設された
型枠材２ａの外側からセパレーター１を取付け孔２ｂに
挿入する。

【００２２】セパレーター１を取付け孔２ｂに挿入する
場合、セパレーター１の各カップ座金３，３のカップ表
面３ａ，３ａの長半径を取付け孔２ｂの長半径の方向に
一致させて挿入する。取付け孔２ｂの長半径はカップ表
面３ａ，３ａの長半径より大きいので、セパレーター１
の両端側の各カップ座金３，３は片方の型枠材２ａの取
付け孔２ｂから左右の型枠材２ａ，２ａの内側に挿入さ
れる。

【００２３】挿入後、セパレーター１の棒鋼１ａの先端
側を奥側に配置された他方側の型枠材２ａの取付け孔２
ｃに挿入して押し込むと、セパレーター１の先端側のカ
ップ座金３のカップ表面３ａが取付け孔２ｃの外周の型
枠材２ａの内側表面に当接する。

【００２４】この場合、手前側の型枠材２ａの取付け孔
２ｂは長方形状になっているため、長半径側の隙間から
左右の型枠材２ａ，２ａの内側が覗き易くなり、セパレ
ーター１の棒鋼１ａの先端側を奥側の型枠材２ａの取付
け孔２ｃに挿入する場合、この隙間を利用して内側を覗
きながら操作することによって、簡単にセパレーター１
の棒鋼１ａの先端側を型枠材２ａの取付け孔２ｃに挿入
することができる。

【００２５】そして、手前側のカップ座金３を９０度回
して、カップ座金３のカップ表面３ａの長半径を取付け
孔２ｂの長半径に直交させる。これにより、手前側のカ
ップ座金３のカップ表面３ａの長半径の両側は取付け孔
２ｂの短半径側の外周の型枠材２ａの内側表面に当接す
る。

【００２６】その後、セパレーター１の棒鋼１ａの両端
の螺子１ｂ，１ｂに図示しないフォームタイ（登録商
標）を螺着して締め付けることにより、左右の離間する
型枠材２ａ，２ａの内側にセパレーター１は定着され
て、左右の型枠材２ａ，２ａの間隔を一定に維持するこ
とになる。

【００２７】なお、この発明は上記発明の実施の形態に
限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない
範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。例え
ば、上記実施例においては、棒鋼１ａの両側に取付けら
れたカップ座金３，３がいずれも楕円形状の場合で説明
したが、片方のみが楕円形状のカップ座金３で、他方は
通常の円形状のカップ座金でもよい。この場合、円形状
のカップ座金の円形の半径を楕円形状の長半径より小さ
くする。また、セパレーター１の棒鋼１ａの両端側に取
付けられる座金は、カップ座金３，３に代えて図７〜図
９に示すような平座金４，４を使用してもよい。

【００２８】

【発明の効果】以上の記載より明らかなように、この発
明に係る型枠保持用セパレーターによれば、型枠材を左
右に離間して組み立てた後に、セパレーターを型枠材の
外側から挿入して取付けることができ、セパレーターの
取付け作業を簡単にすることができる。その結果、型枠
の組立作業も簡単となって、型枠の組立作業時間の短縮
化が可能となる。

【００２９】また、セパレーターを左右の型枠材の内側
に挿入して取付ける場合に、セパレーターを挿入する手
前側の型枠材に形成された取付け孔は長方形状の長孔で
あるので、セパレーターが挿入された長孔の一部から、
セパレーターの先端側が挿入される奥側の型枠材に形成
された取付け孔を見ることができ、これにより、セパレ
ーターの先端側を容易に奥側の型枠材の取付け孔に挿入
することができ、セパレーターの取付け作業が簡単とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態を示すセパレーターの斜
視図である。

【図２】この発明の実施の形態を示すセパレーターの側
断面図である。

【図３】この発明の実施の形態を示すセパレーターの平
断面図である。

【図４】この発明の実施の形態を示す型枠材の部分斜視
図である。

【図５】（Ａ）はこの発明の実施の形態を示す手前側の
型枠材の部分表面図である。（Ｂ）はこの発明の実施の
形態を示す奥側の型枠材の部分表面図である。

【図６】（Ａ）はこの発明の実施の形態を示すセパレー
ターの取付け時の側断面図である。（Ｂ）はこの発明の
実施の形態を示すセパレーターの取付け時の正面図であ
る。

【図７】この発明の他の実施の形態を示すセパレーター
の斜視図である。

【図８】この発明の他の実施の形態を示すセパレーター
の側断面図である。

【図９】この発明の他の実施の形態を示すセパレーター
の平断面図である。

【符号の説明】

１ セパレーター １ａ 棒鋼 １ｂ 螺子 １ｃ 切断溝 １ｄ 突部 ２ 型枠 ２ａ 型枠材 ２ｂ 取付け孔 ２ｃ 取付け孔 ３ カップ座金 ３ａ カップ表面 ３ｂ 孔 ４ 平座金

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建設現場で型枠を組み立てる場合に使用
   される型枠保持用セパレーターにおいて、上記セパレー
   ターの両側に取付けられた座金の少なくも一方の座金の
   表面形状を、その正面視において直交する仮想二方向で
   長半径とこれより短い短半径の形状に形成したことを特
   徴とする型枠保持用セパレーター。
2. 【請求項２】 座金はカップ座金からなる請求項１記載
   の型枠保持用セパレーター。
3. 【請求項３】 座金は平座金からなる請求項１記載の型
   枠保持用セパレーター。
4. 【請求項４】 座金の表面形状は、その正面視において
   楕円形状である請求項１、２又は３記載の型枠保持用セ
   パレーター。
5. 【請求項５】 座金の表面形状は、その正面視において
   長円形状である請求項１、２又は３記載の型枠保持用セ
   パレーター。
6. 【請求項６】 座金の表面形状は、その正面視において
   長方形状である請求項１、２又は３記載の型枠保持用セ
   パレーター。