JPH09322457A - 回転電機用ロータウェッジとその製造方法及びそれを用いた回転電機 - Google Patents
回転電機用ロータウェッジとその製造方法及びそれを用いた回転電機Info
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- JPH09322457A JPH09322457A JP8134671A JP13467196A JPH09322457A JP H09322457 A JPH09322457 A JP H09322457A JP 8134671 A JP8134671 A JP 8134671A JP 13467196 A JP13467196 A JP 13467196A JP H09322457 A JPH09322457 A JP H09322457A
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- H02K7/00—Arrangements for handling mechanical energy structurally associated with dynamo-electric machines, e.g. structural association with mechanical driving motors or auxiliary dynamo-electric machines
Abstract
の高い非磁性鋼からなる回転電機用ロータウェッジとそ
の製造方法及びそれを用いた回転電機を提供する。 【解決手段】本発明は、室温の0.2%耐力400MPa以
上、比透磁率1.3以下で疲労強度と耐応力腐食性に優
れており、かつ材料の製作費が大幅に低減できる材料と
して、重量%で炭素0.1〜0.3%,窒素0.2〜0.5
%,シリコン1%以下,マンガン12〜18%,ニッケ
ル0.5〜5%及びクロム14〜20%を含有する非磁
性鋼からなる回転電機用ロータウェッジとその製造方法
及びそれを用いた回転電機にある。
Description
ータ用ウェッジとその製造方法及びそれを用いた大容量
回転電機に関する。
回転中の遠心力によって飛び出すのを押さえるロータウ
ェッジとして、冷間加工で強化された0.5% C−18
%Mn−5%Cr鋼等の非磁性鋼が用いられている。ま
た、特開昭57−164970号公報,特開平2−185945 号公報
にはC0.05〜0.18%,Mn16〜25%,Cr1
5〜17%,N0.2〜0.6%を有する非磁性鋼及びC
r12〜20%,Mn13〜25%,C0.4%以下,
N0.45〜1%を有する非磁性鋼が発電用ロータの保
持環として用いることが記載されている。
電機ロータが高速で回転しているとき界磁コイルの飛び
出しを押さえるためのものであり、回転時にウェッジ肩
部コーナには極めて高い応力が作用するので高強度の材
料が必要である。特に運転中には、界磁コイルに電流を
流すことにより発生する銅損及び回転することにより発
生する機械損等のために、ロータウェッジの温度は、1
00℃程度になるため、100℃程度における高強度が
必要である。その上、発電機の場合、1万回程度の起動
停止があるため、ロータウェッジにおいて最も応力的に
厳しい肩部コーナに、疲労亀裂が発生及び進展しないだ
けの疲労強度も必要となる。
漏れ磁束が増えて、発電機ロータとしての磁気特性を低
下させることから、材料に非磁性であることが要求され
る。更に、タービン発電機ロータの冷却は、主にロータ
自体の回転によるファン効果を用いて、空気や水素ガス
を流すことで行っている。そのため、ロータウェッジが
設置されている雰囲気は、空気中または水素中となる。
空気を冷却ガスとする場合には、ロータウェッジは、水
分や塩分等が含まれた空気にさらされる恐れがあり、ウ
ェッジ中には残留応力が存在するため、耐応力腐食割れ
性に優れていることが要求される。一方、水素を冷却ガ
スとする場合には、水分や塩分等の量は少ないが、水素
ぜい化に対して優れていることが要求される。
強化された0.5% C−18%Mn−5%Cr鋼が用い
られているが、疲労強度が低いために許容応力を高くと
れないので、ロータウェッジ断面を大きくしたり、界磁
コイルの量を減らしてウェッジに加わる遠心力を小さく
したりする必要があった。また応力腐食割れ感受性が高
いことから、材料保管や機械加工する際に結露を防ぐよ
うにしたり、発電機組み込み後も水分や塩分が入り込ま
ないようにする等取り扱いに特別の配慮を必要とする欠
点があった。更に、非磁性鋼で、十分な材料強度,延
性,靭性に優れていることが必要である。
いては全く開示されていない。
高い非磁性鋼からなる回転電機用ロータウェッジとその
製造方法及びそれを用いた回転電機を提供するにある。
ータウェッジとして、室温の0.2 %耐力400MPa以上、
比透磁率1.3 以下で疲労強度と耐応力腐食性に優れて
おり、かつ材料の製作費が大幅に低減できる材料とし
て、重量%で炭素0.07〜0.4%好ましくは0.1〜
0.3%,窒素0.2〜1.0%好ましくは0.2〜0.5
%,シリコン1%以下,マンガン12〜20%好ましく
は12〜18%,ニッケル0.3 〜5%好ましくは0.
5 〜5%,クロム14〜25%好ましくは14〜20
%を含むオーステナイト鋼好ましくは残部が実質的に鉄
の材料で構成されることを特徴とする。
0.3% 以下、オーステナイト結晶粒度番号が2以上、
室温の0.2%耐力400MPa以上,比透磁率1.3以下,ロ
ータウェッジ肩部コーナの曲率半径が0.5 〜5mmであ
ることが好ましい。
1100〜700℃で圧延加工を行うことを特徴とする
回転電機用ロータウェッジの製造方法にある。
1100〜700℃で圧延加工を行い、その後800〜
1050℃で溶体化処理を行うことを特徴とする回転電
機用ロータウェッジの製造方法にある。
2以上、室温の耐力が400MPa以上及び曲率半径0.3mm
,20万回での疲労強度が160MPa以上である高Mn非
磁性鋼よりなることを特徴とする回転電機用ロータウェ
ッジにある。
l水溶液の噴霧による343MPaの負荷によって0.1mm の
深さの亀裂が発生するまでの時間が200時間以上及び
曲率半径0.3mm ,20万回での疲労強度が160MPa以上
である高Mn非磁性鋼よりなることを特徴とする回転電
機用ロータウェッジにある。
らなる固定子、該固定子内を回転し、導体コイルが埋込
まれた回転子を備え、定格容量900MVA以上の大容量回転
電機において、前記回転子用ロータシャフトは高強度N
i−Cr−Mo−V低合金鋼よりなり、該胴部直径が
1.15m 以上、該胴部長さが胴部直径の5.5〜6.5
倍であり、前記導体コイルを保持するロータウェッジが
オーステナイト結晶粒度番号が2以上、室温の耐力が40
0MPa以上及び曲率半径0.3mm ,20万回での疲労強度
が160MPa以上である高Mn非磁性鋼よりなることを特徴
とする。
イルが埋込まれた積層鉄心を有する固定子電流が前記回
転電機容量1MVA当り19〜24A、前記固定子が直
接水冷、導体コイルが埋込まれた回転子が容量1MVA
当り0.003〜0.006kg/cm2・gの水素圧力にて冷
却され、該回転子用ロータシャフトの胴部直径が1.0m
以上である高強度Ni−Cr−Mo−V合金鋼よりな
り、前記導体コイルを保持するロータウェッジが35
℃,3重量%NaCl水溶液の噴霧による343MPaの負荷
によって0.1mm の深さの亀裂が発生するまでの時間が
200時間以上及び曲率半径0.3mm ,20万回での疲
労強度が160MPa以上である高Mn非磁性鋼よりなること
を特徴とする。
らなる固定子、該固定子内を回転し、導体コイルが埋込
まれた回転子を備え、定格容量が600MVA以上900MVA未満
又は900MVA以上の大容量回転電機であって、前記回転子
用ロータシャフトは、該胴部直径が前者が950〜11
50mm、後者が1.15m 以上、該胴部長さが胴部直径
の5.5〜6.5倍であり、重量で、C0.15〜0.30
%,Si0.1 %以下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.
0%,Cr2.0〜3.0%,Mo0.1〜1.0%,V
0.03〜0.35%を含有するベーナイト組織を有する
低合金鋼よりなり、前記導体コイルを保持するロータウ
ェッジは重量でC0.07〜0.4,N0.2〜1.0%,S
i1%以下,Mn12〜20%,Ni0.3〜5%及び
Cr14〜25%を含有する非磁性オーステナイト鋼よ
りなることを特徴とする。
定子電流が前記回転電機定格容量1MVA当り19〜2
4A、前記固定子が直接水冷、導体コイルが埋込まれた
回転子が容量1MVA当り0.003〜0.006kg/cm
2・gの水素圧力にて冷却され、前記回転子用ロータシャ
フトはその胴部直径が1.0m 以上で、前述の低合金鋼
よりなり、前記導体コイルを保持するロータウェッジは
前述の非磁性オーステナイト鋼よりなることを特徴とす
る。
重量で、C0.15〜0.30%,Si0.1〜0.3%以
下,Mn0.5%以下,Ni3.25〜4.5%,Cr2.05
〜2.60% ,Mo0.25〜0.60%、及びV0.0
5〜0.20%、を含むベーナイト組織を有する低合金
銅が好ましく、特に残部が実質的にFeであり、焼戻ベ
ーナイト組織を有するものが好ましい。
トを有する胴部,動力の伝達を授受するフランジ部及び
軸受部を備えた回転子用ロータシャフトが室温引張強さ
93kg/mm2 以上,50%破面遷移温度0℃以下及び2
1kGにおける磁化力が990AT/cm以下及び20kG
における磁化力が400AT/cm以下である中実の低合
金鋼からなり、前記胴部直径が1m以上及び前記胴部長
さが前記胴部直径の5.5〜6.5倍であるのが好まし
い。
において、前記胴部直径が1m以上、胴部長さが前記胴
部直径の5.5〜6.5倍である高強度Ni−Cr−Mo
−V合金鋼よりなり、前記胴部直径D(mm)は電機容量
1MVA当り0.2mm に1000mmを加えた値以下及び前記
発電機容量1MVA当り0.2mm に900mmを加えた値
以上又は回転電機の床面積が容量1MVA当り0.08
〜0.12m2 とするのが好ましい。
(mm)が1m以上、胴部長さが前記胴部直径の5.5〜
6.5倍である高強度Ni−Cr−Mo−V合金鋼より
なり、該シャフトの回転数R(rpm)との関係から求め
られる(D2×R2)の値が1.0×107〜3.0×10
7 となるように前記回転数に対して前記胴部直径を設定
すること、本発明に係る大容量回転電機は、電機容量90
0MVA以上,固定子電流が前記電機容量1MVA当り1
9.0 〜24A、前記固定子が直接水冷、回転子が電機
容量1MVA当り0.003〜0.006kg/cm2 の水素
圧力にて冷却され、該回転子シャフトの胴部直径が1.
0m 以上である高強度Ni−Cr−Mo−V合金鋼よ
りなること、定格容量1,120,000KVA において、固定
子を直接水冷,回転子を水素冷却とし、回転子胴部直径
を1.15〜1.35mとし、胴部長さを胴部直径の5.
5〜6.5倍であり、3600rpm の回転を受け、特
に、マシンサイズとして9〜10m3 とするのが好まし
い。
ト相を安定化して非磁性にするとともにオーステナイト
相を固溶強化する元素として0.07% 以上、好ましく
は0.1% 以上必要である。しかし多量の添加は高温加
熱時にクロム炭化物を粒界に析出して粒界の耐食性を低
下させ、また靭性を低下させるので0.4%以上添加すべ
きではない。したがって炭素の範囲は0.1〜0.3%が
好ましく、特に0.2%〜0.25%が好ましい。
オーステナイト相を安定化して非磁性にするとともにオ
ーステナイト相を固溶強化する元素として0.2% 以上
必要である。しかし多量の添加は高温加熱時にクロム窒
化物を粒界に析出して粒界の耐食性を低下させ、また靭
性を低下させるので1.0% 以上添加すべきではない。
窒素の範囲は0.2〜0.5%が好ましく、特に0.3〜
0.4%が好ましい。
料の溶製に真空溶解を用いる場合には必ずしも必要では
ないが、大気溶解を用いる場合には脱酸剤として0.0
5%以上添加する必要がある。しかし多量の添加は靭性
を低下させるので1%以上添加すべきではない。したが
ってシリコンの範囲は1%以下に限定される。大気溶解
を用いる場合、特に0.05〜0.4%が好ましい。
料のオーステナイト相を安定化して非磁性にするために
12%以上添加する必要がある。しかし多量の添加は加
工性と耐食性を低下させるので20%以上添加すべきで
はない。マンガンの範囲は12〜18%が好ましく、特
に14〜16%が好ましい。
料の靭性を高めるために0.3% 以上添加する必要があ
る。しかし多量の添加は加工性を低下させるので5%以
上添加すべきではない。ニッケルの範囲は0.5 〜5%
が好ましく、特に1〜3%が好ましい。
のオーステナイト相を安定化して非磁性にするとともに
耐食性を高めるため14%以上必要である。しかし多量
の添加はデルタ・フェライト相を生成して非磁性を失わ
せるため25%以上添加すべきではない。クロムの範囲
は14〜20%が好ましく、特に16〜18%が好まし
い。
用ロータウェッジ材料の耐食性と疲労強度に関係し、清
浄度を0.3% 以下とすることにより、良好な耐食性と
高い疲労強度が得られる。清浄度は特に0.15% 以下
が好ましい。清浄度は非金属介在物である酸化物および
硫化物の数を少なくすると小さな値が得られる。酸化物
および硫化物の数は、材料中に含まれる酸素および硫黄
の量と密接に関係し、材料インゴットの製造時にエレク
トロスラグ溶解を用いると硫黄含有量が減り、真空溶解
などを用いると酸素含有量が減る。特に大気溶解後にエ
レクトロスラグ再溶解を採用することが好ましい。
用ロータウェッジ材料の0.2% 耐力と疲労強度に関係
し、結晶粒度番号を2以上とすることにより、高い0.
2%耐力と疲労強度が得られる。結晶粒度番号は特に5
以上が好ましい。オーステナイト結晶粒度番号は熱間鍛
造後の圧延加工温度と密接な関係があり、圧延加工温度
を低くするとオーステナイト結晶粒度番号を大きくする
ことができる。
材料は、室温の0.2% 耐力として400MPa以上を有する
が、回転電機の容量が大きい場合や高速回転の場合のよ
うにロータウェッジに大きな遠心力が加わる場合には50
0MPa以上を有することが好ましい。
材料は、室温の比透磁率として1.3以下を有するが、回
転電機のロータとしての磁気特性を高めるには1.1 以
下が好ましい。
は、応力が集中する肩部コーナの曲率半径として0.5
〜5mmの値を有するが、高い疲労強度を得るには1.5
〜5mmが好ましい。
は、材料を熱間鍛造後、高強度の微細結晶組織を得るた
めに、1100〜700℃、より好ましくは1050〜
700℃で圧延加工を行う。
は、耐応力腐食割れ性をより高める場合には、材料を圧
延加工後、800〜1050℃、より好ましくは800
〜950℃で溶体化処理を行う。溶体化処理は、結晶粒
界に析出していたクロム炭化物を再固溶し粒界近傍のク
ロム濃度を高めて材料の耐応力腐食割れ性を改善する効
果がある。
0.15% 以下では十分な焼入性が得られず、ロータ中
心に軟らかいフェライト組織が生成し、十分な引張強さ
及び耐力が得られない。また、0.3% 以上になると靭
性を低下させるので、Cの範囲は0.15〜0.3%に限
定される。(Ni/Cr)比を1.2〜2.0とすれば、
0.15〜0.35とすることができる。特に、Cは0.
20〜0.28%の範囲が好ましい。
ていたが、真空取鍋精錬によるC脱酸法及びエレクトロ
スラグ再溶解法などの製鋼技術により、特に添加しなく
とも健全なロータが溶製可能である。焼もどし脆化防止
の点から、Si及びMnは低めにすべきであり、それぞ
れ0.1% 及び1.0% 以下に限定され、特にSi≦
0.05% ,Mn≦0.25% より0.20% 以下が好
ましい。Siは添加しないときでも不純物として0.0
19〜0.1%含有される。Mnは若干加えた方が好ま
しく、0.05%以上、より好ましくは0.1%以上とす
る。
るのに不可欠の元素である。3.0%未満では靭性向上
効果が十分でない。又、5%を越える多量添加は有害な
残留オーステナイト組織が出て、均一な焼もどしベーナ
イト組織が得られない。特に、3.25% 以上、より
3.5% を越え4.5%までの範囲が好ましい。
上させる効果がある。また、耐食性も向上させる効果が
ある。1.5% 以下ではこれらの効果が十分でなく、
3.0%を越える多量の添加は有害な残留オーステナイ
ト組織がでて、均一な焼もどしベーナイト組織が得られ
ない。とくに、2.05〜2.60%の範囲が好ましい。
Moは焼もどし処理中に結晶粒内に微細炭化物を析出さ
せ、炭化物分散強化作用により、引張強さ及び0.02
% 耐力を高める効果がある。また、焼もどし中に不純
物元素が結晶粒界に偏析するのを抑制する作用があるの
で焼もどし脆化防止効果がある。0.1% 未満では、こ
れらの効果が十分でなく、1.0% を越えて多量に添加
しても効果が飽和する傾向がある。特に、0.25〜0.
6%、より0.35〜0.45%が好ましい。
物を析出させ、炭化物分散強化作用により引張強さ及び
0.02%耐力を高める効果がある。0.03%未満では
これらの効果が十分でなく、0.35% を越える多量添
加は効果が飽和する傾向がある。特に、0.05〜0.2
%、より0.10〜0.15%の範囲が好ましい。
低めにすべきである。Alの低減は靭性、及び磁気特性
向上効果が大きい。Alは特に、靭性確保の点から0.
01%を上限とする。特に、0.005% 以下が好まし
い。Alを全くなくすると逆に強度を低めることにもな
るので、製鋼上の限界の点からも0.0005% 以上特
に、0.001% 以上とすることがよい。
びAsがあり、これらは靭性,磁気的特性を低下させる
ので、これらの元素を低める必要がある。特に、これら
の元素はSiとの相関があり、Si量とこれら元素の総
和とを乗算した値を30×10-4以下とするのが好まし
い。特に15×10-4以下が好ましい。また、Siを除
くこれらの元素の総和量を0.030% 以下、より0.
025% 以下が好ましい。これらの不純物を皆無にす
ることは困難であり、特に総量の下限として0.001
%、より0.010%とする。
の値を2.1 以下とすることにより高い強度が得られ
る。その値が同じ場合にはNi量が高いほど強度が高
く、3%を越えるNi量ではより高い強度が得られる。
特に、3%以上のNi含有量に対して(Ni/Cr)比
を1.2〜2.0、より1.4〜1.9とすることが好まし
い。
族元素(Sc,Y,ランタノイド元素)の少なくとも1
種又は2種以上を0.1% 以下含有する。これらの元素
は強力な脱酸剤として作用し、靭性の向上,磁気特性の
向上に顕著な効果が得られる。特に、0.001〜0.0
5%とするのが好ましい。これらは非放射性元素であ
り、放射性元素は取扱い上好ましくない。
Ta,Wの炭化物形成元素は少なくとも1つを0.2%
以下含有させることにより靭性を低めることなく強度を
高める。特に、0.02〜0.1%が好ましい。WはMo
と同等の作用をするので、Moの一部をWで置換するこ
とができる。従って、Mo+W量を0.1〜1.0%とし
て、W量の上限を0.5%とし、Mo量の半分以下とす
るのがよい。
織を有するもので、5%以下のフェライトを含むことが
できるが、全ベーナイト組織とすることが強度及び靭性
の点で好ましい。
に少なくすることによって強度,靭性を高めるとともに
磁気特性を高めることができるもので、そのために大気
溶解後エレクトロスラグ再溶解又は大気中溶解した後真
空取鍋精錬によって溶湯を形成するものである。溶湯は
金型にて鋳造され、熱間鍛造により所定の形状にされ
る。その後800〜900℃で焼入れが施され、次いで
550〜650℃にて10h以上の焼戻しが施される。
焼入温度は鋼のAc3 点より30〜70℃高い温度で行
われ、特に、Ac3 より50℃高い温度で行うのが好ま
しい。焼戻は靭性を高めるもので、550〜650℃、
特に、560〜600℃が好ましく、10〜60h保持
するのが好ましい。焼戻後切削加工によって最終形状と
なるが、その切削加工によって内部応力が発生するの
で、応力除去焼純が焼戻温度より低い温度で行われる。
また、鍛造後均一化焼純が行われ、焼入温度より約50
℃高い温度で行い、除冷される。焼入時の冷却速度はシ
ャフト中心部で50〜150℃/hが好ましい。これによ
ってベーナイト組織が得られ、特に全ベーナイト組織が
得られる。
以下にすることにより0.1〜0.3%とすることがで
き、更にP,S,Sn,Sb及びAs量を0.025%
以下にすることにより高Siでも良好な特性を得ること
ができる。
用ロータシャフトはコイルが埋込まれる胴部の直径を1
m以上とし、その胴部長さを直径の5.5〜6.5倍とす
ることにより装置全体をコンパクトにできる。5.5未
満及び6.5を越える比率にする回転子の振動感度上好
ましくない。特に、5.6〜6.0が好ましい。
する必要があるが、容量1MVA当り0.2mmに100
0mmが加えた値以下とし、1MVA当り0.2mmに90
0mmを加えた値以上とすることが必要である。
R(rpm)とによっても設定されるべきもので、(D2×
R2)の値を1.0×107以上となるように設定すべき
である。特に、上限は3.0×107とするのが好まし
い。特に1.5〜2.2×107 が好ましく、1.8〜2.
0×107がよい。
化するのが、前述の如く高強度合金鋼を用いることによ
りコンパクトな装置とすることができ、特に床面積とし
て容量1MVA当り0.08〜0.12m2 とすることが
できる。そしてエネルギー損失が小さくできるので、効
率がより高められる。その固定子電流も容量当り小さく
できるので、電動機又は発電機容量1MVA当り19.
0〜24A とすることができ、特に容量の増大につれ
て単位容量当りの電流を小さくできる。容量2000MVA
に対しては約19.0〜20.0Aでできる。そのときの
回転子は水素によって冷却されるが、発電機出力に応じ
て水素圧力を高める必要があるが、その圧力を1MVA
当り0.003〜0.006kg/cm2・g とすることがで
きる。特に、0.004〜0.005kg/cm2・gが好まし
い。
が、電動機としては同期電動機,同期発電電動機,誘導
同期電動機がある。電動機及び発電機の構造はほぼ同じ
ものである。特に、電動機として5000〜6000rp
m の回転数を有する高速回転のモータにおいて好ましい
ものである。
は93kg/mm2 以上が好ましく、より100kg/mm2 以
上で、特に104kg/mm2 以上を得るように成分調整す
るのが好ましい。同時に、50%破面遷移温度を0℃以
下とし、より好ましくは−50℃以下が好ましい。結晶粒
の大きさはASTMの結晶粒度番号で4以上とすること
が好ましい。更に、磁気特性として磁束密度21kGに
おける磁化力990AT/cm以下とすること、20kG
における磁化力を400AT/cm以下とするのが好まし
く、特に前者で500AT/cm以下とするのが好まし
い。
No.1およびNo.2は従来の回転電機用ロータウエッジ
材料であり、供試材No.3〜14が本発明に係わる材料
である。供試材No.1およびNo.2は大気溶解後、熱間
鍛造し、その後1050℃で溶体化処理をした後、室温
で15%の冷間加工を与えて製作した。供試材No.3〜
14は大気溶解,真空溶解,エレクトロスラグ溶解など
で造塊し、熱間鍛造後、700〜1200℃で圧延加工
を行い、その後に600〜1100℃で溶体化処理を行
った。
物に係わる清浄度、オーステナイト結晶粒度番号,引張
試験による室温0.2% 耐力,比透磁率,疲労強度,応
力腐食割れ感受性などを測定した。清浄度はJIS規格
で定められる方法によってA系,B系,C系の各非金属
介在物の総和を求めて評価した。比透磁率は磁化力が0
〜2000AT/cmの範囲における最大の比透磁率を求
めた。疲労強度は回転曲げ試験によりロータウエッジ形
状の試験片に100℃で繰り返し負荷を20万回与えた
時、0.1mm 深さの亀裂を発生する公称応力振幅を求め
て評価した。応力腐食割れ感受性は3点曲げ試験片に34
3MPaの応力を負荷し、35℃の3%NaCl水溶液を噴霧し
た時、0.1mm 深さの亀裂を発生する時間を求めて評価
した。
3〜No.14は1100〜850℃で圧延加工後、90
0℃で1h保持後に油冷の溶体化処理を行った。疲労強
度はロータウエッジ肩部コーナ3の曲率半径が0.7mm
の場合を示す。本発明に係わる材料No.3〜No.15は
いずれも非金属介在物に係わる清浄度が0.3% 以下、
オーステナイト結晶粒度番号が2以上、引張試験による
室温0.2% 耐力が400MPa以上、比透磁率が1.3 以
下、疲労強度が150MPa以上、応力腐食割れ発生時間が2
00h以上であり、疲労強度と応力腐食割れ感受性が従
来材料より優れているため回転電機用ロータウエッジ材
料として極めて有用である。
非金属介在物に係わる清浄度が応力腐食割れ感受性に及
ぼす影響を示す。溶解方法の異なる供試材による試験で
ある。清浄度が0.3% 以下で200h以上の応力腐食
割れ発生時間が得られ、応力腐食割れ感受性が小さくな
る。特に清浄度が0.15%以下で応力腐食割れ発生時
間が長く、優れた耐応力腐食割れ性が得られる。
非金属介在物に係わる清浄度が疲労強度に及ぼす影響を
示す。清浄度が0.3% 以下で150MPa以上の優れた疲労
強度が得られる。
ナイト結晶粒度の室温での0.2%耐力に及ぼす影響を
示す。結晶粒度番号が2以上で400MPa以上が得られ、結
晶粒度番号が5以上で450MPa以上の高強度が得られる。
ナイト結晶粒度が疲労強度に及ぼす影響を示す。結晶粒
度番号が2以上で150MPa以上の疲労強度が得られる。
晶粒度番号が8の場合について、ロータウエッジの肩部
コーナーの曲率半径が疲労強度に及ぼす影響を示す。曲
率半径が0.3mmで160MPa以上,0.5mmで200MPa以上の
疲労強度が得られる、曲率半径が2mm以上では効果がほ
ぼ飽和する。好ましくは2.5mm 以上である。
後の圧延加工温度がオーステナイト結晶粒度番号に及ぼ
す影響を示す。圧延加工温度が1100℃以下において
2以上の結晶粒度番号が得られ、圧延加工温度が105
0℃以下において5以上の結晶粒度番号が得られる。
で圧延加工後の溶体化温度が室温0.2% 耐力に及ぼす
影響を示す。溶体化温度が1050℃以下において450M
Pa以上の0.2% 耐力が得られ、溶体化温度が950℃
以下において500MPa以上の0.2% 耐力が得られる。
線図である。C0.10〜0.25%,Si1%以下,M
n10〜16%,Ni0.5 〜5%,Cr14〜19%
を有する非磁性鋼において、Ni2%以下と低い方が高
い疲労強度が得られる。またNo.13の19.66%C
rを有する高Cr,No.10の17.75%Mnの高M
n及びNo.8の0.29%C の高Cを有するものはいず
れも若干低い疲労強度を有する。
の関係を示す線図である。C0.10〜0.25%,Si1
%以下,Mn12〜16%,Ni0.5〜5%,Cr1
4〜20%を有する鋼において、Ni3%以下で割れ発
生までの時間が長くなる。そして、No.7に見られるC
0.10〜0.15%の低C及びNo.9の10〜14%の
低Mnのものがより割れ発生までの時間の長いものが得
られる。No.8の0.29%Cの高及びNo.10の17.7
5%Mn の高Mnのものは若干割れ発生までの時間が
短い。
度番号との関係を示す線図である。疲労強度は{(オー
ステナイト結晶粒度番号×8)+125}によって求め
られ、No.10の高Mn及びNo.13の高Crが若干低
く、No.8の高Cは更に低い値になる。0.10〜0.1
5%Cの低CのNo.7及びNo.14はそれより高い疲労
強度を有する。
労強度との関係を示す線図である。Ni量を0.5%か
ら4.91%と多くすることにより疲労強度の高いもの
が得られるが、逆に同じ疲労強度で比較して割れ発生ま
での時間はNiの低い方が長くなる。
タの斜視図及び図2はロータウェッジ6を埋め込んだロ
ータの断面図である。
高速で回転しているとき界磁コイル3の飛び出しを押さ
えるためのものであり、回転時にウエッジ肩部コーナ7
には極めて高い応力が作用するので室温の耐力で400MPa
以上の高強度の材料とした。特に運転中には、界磁コイ
ル3に電流を流すことにより発生する銅損及び回転する
ことにより発生する機械損等のために、ロータウェッジ
13の温度は、100℃程度になるため、100℃程度
における高強度が必要である。その上、発電機の場合、
1万回程度の起動停止があるため、ロータウェッジ13
において最も応力的に厳しい肩部コーナ7に、疲労亀裂
が発生及び進展しないだけの150MPa以上の疲労強度とし
た。
ると漏れ磁束が増えて、発電機ロータ1としての磁気特
性を低下させることから、比透磁率で1.1 以下とし
た。
タ自体の回転によるファン効果を用いて、空気や水素ガ
スを流すことで行っている。そのため、ロータウェッジ
13が設置されている雰囲気は、空気中または水素中と
なる。空気を冷却ガスとする場合には、ロータウェッジ
13は、水分や塩分等が含まれた空気にさらされる恐れ
があり、ウェッジ中には残留応力が存在するため、耐応
力腐食割れ性に優れていることが要求される。一方、水
素を冷却ガスとする場合には、水分や塩分等の量は少な
いが、水素脆化に対して優れていることが要求され、応
力腐食割れ発生までの時間として1000h以上とし
た。
6の組成の非磁性鋼を実施例1と同様に製造した。図1
4及び図15はロータウェッジの斜視図で、図14がロ
ータの中央部に用いられ、図15は端部に用いられるも
のである。図に示すようにウェッジの両側の凸部は傾斜
しており、界磁コイル3の飛び出しを押えている。
込みの状況を示す断面図である。図に示すように、ウェ
ッジ肩部コーナ7は所望の曲率半径を有しており、本実
施例では2.0〜2.5mmとするとともに垂直な端面に対
して8で示す所望の深さに削り込み、更に傾斜部に対し
て9で示す深さの削り込みを入れたものである。9の削
り込みは0が望ましいが、0.1mm 以下が好ましい。8
の削り込みは1.0〜1.5mm とした。
直接H2 ガス冷却用穴が設けられていないが、冷却用穴
が1個又は複数個、厚さ方向に貫通して設けられる。
ジを用いた固定子コイル直接水冷却形タービン発電機の
構成図である。
流のタービン発電機は、通常2極または4極の円筒回転
界磁形同期発電機である。
高速機であり、回転速度は50Hzで3,000rpm,6
0Hzで3,600rpmとなる。これは高速のほうがター
ビンの効率が良く小形となるためである。1軸で出力を
出すタンデムコンパウンド形がほとんどであるが、大容
量機では2軸で出力を出すクロスコンパウンド形も採用
される。
500rpmまたは1,800rpmで使用される。原子炉の
発生蒸気が火力に比べて多量・低温・低圧で、タービン
が長翼・低回転速度となるためである。
却方式と直接冷却方式があり、冷却媒体には、空気・水
素・水が主として使用される。
両方式があり、すべてガス冷却器が発電機本体内に組み
込まれた防爆密閉構造となる。また、水冷却の場合は直
接冷却方式となり、大容量機では固定子・回転子の両方
を水冷却方式とすることもある。
でつくられ通風路を形成し、鉄心を支えるとともに振動
を防ぐように強固につくられる。磁気吸引力により鉄心
はだ円に変形し、回転子の回転に伴い二倍周波数の振動
が発生する。この振動は大形機ほど大きくなるので、鉄
心と固定子わくとをばねを介して取り付ける弾性支持構
造とする。
mm厚のけい素鋼板が用いられ、方向性けい素鋼板が使用
される。鉄心は軸方向に50〜60mm程度ずつ積層さ
れ、間に通風ダクトを形成するようにI形鋼の間隔片を
入れる。
2極機の場合、特に巻線端部が長くなるため強固に保持
しなければならない。漂遊負荷損が大きくなるので、端
部の構造物には非磁性材を使用する。
高速回転することであり、遠心力が大きくなるので回転
子直径が制限される。回転子構造材料に機械的強度を確
保するとともに、危険速度を避け振動を抑えるため一体
鍛造され、スロットを加工し、その中に界磁巻線がおさ
められる。発電機ロータ1の形状を図1に示す。
なる。図中には示されていないが、カップリング15と
センタリングリング18との間にファン20のファン取
付け用リング17が設けられる。
ィース12間に形成された回転子鉄心スロット内に分布
巻きし、導体の1ターンごとに層間絶縁を注入する。巻
線の端部は保持環(リティニングリング)9で押える。
コイルには通常の銅の代りにクリープ特性の良好な銀入
銅が使用される。
上,10〜25%Mn,15〜20%Crを含む非磁性
ステンレス鋼が前述のウェッジ材と同様に大気溶解後エ
レクトロスラグ再溶解によって製造され用いられる。界
磁コイル3がスロット16に埋込まれた後、スロット1
6の最も広い部分に超ジュラルミン合金によるロータウ
ェッジ13がはめ込まれることによって固定される。エ
ンドダンパリング14には端部又は全長ダンパが用いら
れ、端部Al合金,胴部銀入銅合金が用いられる。8は
シャフト、11は磁極、15はカップリングである。
機で鉄心長が長くなると均一に冷却することがむずかし
いため、複式通風方式をとる。
数区分の給気室および排気室が軸方向に交互に配列され
ており、冷却空気は発電機両端より固定子わく内の風胴
を経て各給気室に集められ、これより固定子鉄心を冷却
し、回転子内部を冷却した気体とともに外径側に流れ、
冷却器を経てファンの吸気側に至り循環する。
g 、直接水素冷却機で2〜5atg が使用される。水素ガ
ス圧を上げた場合、熱伝達率が向上するとともにガスの
熱容量が密度に比例して増加するので、ガス自身の温度
上昇がガスの絶対圧力に逆比例して減少し、冷却効果が
増大する。同一寸法の機械の出力は一般に間接冷却形
0.05atgのときの出力を100とすれば1atg で11
5、2atg で125の出力となる。
の容積が10〜70%の範囲では爆発性になる。これを
防ぐため自動的に水素純度を約90%以上に維持するよ
うにしているが、このため機内水素ガスが軸に沿って機
外に漏れないように軸受の内側に油膜による密封装置を
備えている。軸の狭いすき間に機内の水素ガスより高い
圧力の油を流すことにより、機内からのガス漏れを防い
でいる。
間接冷却とする場合でも、回転子は直接冷却とする場合
が多い。
においては空気冷却機となり、本発明機により顕著な効
果が得られる。
が出力を制限する場合、その温度上昇中に大きな割合を
占める絶縁物内での温度差を除くために、導体を直接冷
却媒体で冷却する。
の液体がある。水は空気の場合の約50倍の熱伝達能力
を有し、冷却媒体として優れている。
を示し、素線の間にはさんだ四角なベントチューブの内
部にガスを通して導体を直接冷却する。導体の発生熱量
の一部は熱抵抗の大きな主絶縁を通って鉄心に伝わり冷
却されるが、大部分は熱抵抗の小さな冷却管を通って水
素ガスが持ち去る。
よる熱伝達率も非常に大きい純水が使用される。
使用され、コイルおよびコイル端部のクリップなどには
無酸素銅または脱酸銅が使用される。絶縁接続管には機
械的強度が高く、たわみ性に富み、絶縁性の良いテフロ
ン管が普通使用される。固定子コイルの断面は素線を中
空とし、この中を液体が流れるようにしている。
又は水が使用され、次の方式がある。
転子コイル内に押し込まれた水素ガスは、回転子中央部
にあけられた穴よりエアギャップに放出される。また、
回転子の一端よりコイル銅帯に入り他端より出る方式も
好ましい。
帯式とのいずれでもよい。この方式をとった場合は、固
定子コイルにもガス直接冷却が採用し、高圧のブロワが
回転子の一端に取り付けられる。
回転子表面に吸入および排出の穴部を交互に設けて、回
転による風速を利用して、エアギャップ部における水素
ガスをコイルウェッジ表面より吸入し、コイル銅帯内を
一定距離流して発生熱を奪い、排気穴を通ってエアギャ
ップ部に出る方式、或いは回転子の水冷却技術において
回転体中に水を通す方式がある。
て構造が複雑であるために、信頼性上は不利となるが、
発電機の重量が15〜25%程度軽くなり、また部分負
荷での効率を向上させることができる。
ジ、20はファン、21は固定子コイル、22はブラ
シ、23はスリップリングである。
0MW級(発電機容量1120MVA 級)以上の大型タービン
発電機用ロータシャフトの斜視図である。本発明に係る
ロータシャフトを次の様に製造した。
大気溶解後真空取鍋精錬によって製造した約150tの
溶湯を金型に鋳造した。次いで、プレスによる熱間鍛造
を行い、据込み(鍛造比1/2U)後鍛伸(鍛造比3
S)を行った。更に、900℃で均一化焼純を行い、所
定の形状に切削加工した後、840℃で全体を20時間
たて型炉で加熱保持した後、水噴霧によって中心孔で1
00℃/hの冷却速度で冷却する焼入をした。次いで5
80℃で60h加熱保持後15℃/hの速度で冷却する
焼戻処理を施した。その後、図18に示す最終形状に切
削加工を施した。本実施例は2極用で、11は磁極、1
2はティース、17はファン取付け用リング、18はリ
ティニングリング取付け用センタリングリング、19は
中心孔である。この部分で材料の機械的性質,電気的性
質,磁気的性質を検査するための試料を採取した。セン
タリングリング18はシャフト形成時一体となっている
が、リング状に切削された後リティニングリングが焼ば
めされる。
が設けられる胴部直径が1.2m ,胴部長さが約7m
で、胴部直径約5.7倍 である。このもののマシンサイ
ズは約10m3 で、このようにすることにより回転子の
振動感度を低くし、同相アンバランス感度を低く押える
ことができるとともに、軸のフレキシビリティが低下し
軸受安定性が高いものが得られる。
的に材料の特性を調らべるために用意した供試鋼の化学
組織を示す。試料は高周波溶解炉で各20kg造塊し、温
度850〜1150℃厚さ30mm,幅90mmに熱間鍛造
した。試料No.2〜6及び15は本発明材である。試料
No.1は比較のために溶製したものである。No.5は高
Al鋼である。これらの試料には、大容量発電機の大形
ロータシャフト中心部の条件をシミュレートした熱処理
を施した。まず、840℃まで加熱してオーステナイト
化後100℃/hの速度で冷却し焼入した。ついで、5
75〜590℃にて32時間加熱保持後15℃/hの速
度で冷却した。焼もどし処理は、引張強さが100〜1
05kg/mm2 の範囲に入る温度を各試料ごとに選んで行
った。
No.2〜6はいずれも初析フェライトを含まず、均一な
焼戻ベーナイト組織を有していた。また、旧オーステナ
イト結晶粒度番号がいずれも7番であった。他の合金の
No.1,5も均一な焼戻ベーナイト組織であった。
気特性結果を示すものである。表中、磁化力は20kG
及び21kGにおけるものを求めた。表に記載のものは
21kGにおけるものである。
o.1〜5は引張強さが100kg/mm2以上、0.02%耐
力が78kg/mm2 以上であり、更に50℃破面遷移温度
が0℃以下をはるかに低い−50℃以下であり、強度と
靭性がともに高いことがわかる。更に、磁化力は900MVA
以上の発電機用ロータシャフトに要求される21kGに
おける磁化力として990AT/cm以下を十分に満足す
るものであり、電気抵抗も高Cr含有する本発明に係る
ものが30μΩcm以上の高い値となり、900MVA以上の大
容量発電機ロータシャフト材として極めて有用である。
機容量1MVA当り22A,力率:0.9,回転数36
00rpm,周波数60Hz,固定子:直接水冷却,回転
子:直接水素冷却(発電機容量1MVA当り0.004
7kg/cm2・g),ケーシング材:SM41鋼,鉄心
材:方向性ケイ素鋼板,コイル:電気銅,絶縁材料,エ
ポキシレジン及びマイカ,コイル埋込み部の胴長/胴径
=5.83 ,リティニング材:C0.1% 以下,N0.
7 以上,Si1%以下の18%Mn−18%Cr鋼,
全長ダンパ,回転子コイル:銀入銅,軸受:炭素鋼鋳
鋼,全体寸法:長さ16m,幅6m,床面積96m2。
W級のタービン出力に対し、発電機容量1120MVA が得ら
れ、1MVA当りの発電機の床面積が0.086m2であ
り、従来の700MW級タービンの発電機(容量800MV
A)の1MVA当りの床面積0.098m2より約13%
コンパクト化できる。この床面積は発電機容量1MVA当り
0.08〜0.09m2 とすることができる。胴部長さは
その直径の5.5〜6.5倍が好ましい。
MPa以上、比透磁率1.3以下で疲労強度と耐応力腐食性
に優れているため、材料保管や機械加工する際に結露を
防ぐようにしたり、発電機組み込み後も水分や塩分が入
り込まないようにする等の従来必要であった取り扱いに
関する特別の配慮が不要になる。
許容応力を高くとれるので、ロータウェッジ断面を小さ
くしたり、界磁コイルの量を増やすことができ、これに
より、ロータの電気装荷量を増す事ができるため、マシ
ンサイズの低減が可能となる。
kg/mm2 以上,50%破面遷移温度0℃以下,21kG
における磁化力が990AT/cm以下の優れた特性が得
られるので、発電機容量900MVA以上の大容量発電機或い
は回転数5000rpm 以上の同期電動機がコンパクトに
製造できる。これにより、設置面積の有効活用ができ、
特に発電においては石油,石炭,原子力のエネルギの多
様化に貢献できる。
生時間との関係図。
係図。
の関係図。
図。
係図。
晶粒度番号との関係図。
の関係図。
関係図。
図。
軸受ブラケット、5…固定子フレーム、6…軸受、7…
肩部コーナ、8…シャフト、9…リティニングリング、
10…クロス・スロット、11…磁極、12…ティー
ス、13…ロータウェッジ、14…エンドタンパリン
グ、15…カップリング、16…スロット、17…ファ
ン取付け用リング、18…センタリングリング、19…
中心孔、20…ファン、21…固定子コイル、22…ブ
ラシ(黒鉛)、23…スリップリング、24…削り込み
(幅方向)、25…削り込み(高さ方向)。
Claims (15)
- 【請求項1】重量で、炭素0.07〜0.4%,窒素0.
2〜1.0%,シリコン1%以下,マンガン12〜20
%,ニッケル0.3 〜5%及びクロム14〜25%を含
有するオーステナイト鋼からなることを特徴とする回転
電機用ロータウェッジ。 - 【請求項2】重量で、炭素0.07〜0.4%,窒素0.
2〜1.0%,シリコン1%以下,マンガン12〜20
%,ニッケル0.3 〜5%及びクロム14〜25%を含
有するオーステナイト鋼からなり、非金属介在物に係わ
る清浄度が0.3 %以下,オーステナイト結晶粒度番号
が2以上であることを特徴とする回転電機用ロータウェ
ッジ。 - 【請求項3】重量で、炭素0.07〜0.4%,窒素0.
2〜1.0%,シリコン1%以下,マンガン12〜20
%,ニッケル0.3 〜5%及びクロム14〜25%を含
有するオーステナイト鋼からなり、室温の0.2%耐力4
00MPa以上、比透磁率1.3以下であることを特徴とする
回転電機用ロータウェッジ。 - 【請求項4】重量で、炭素0.07〜0.4%,窒素0.
2〜1.0%,シリコン1%以下、マンガン12〜20
%,ニッケル0.3 〜5%及びクロム14〜25%を含
有するオーステナイト鋼からなり、ロータウェッジ肩部
コーナの曲率半径が0.5 〜5mmであることを特徴とす
る回転電機用ロータウェッジ。 - 【請求項5】重量で、炭素0.07〜0.4%,窒素0.
2〜1.0%,シリコン1%以下,マンガン12〜20
%,ニッケル0.3 〜5%及びクロム14〜25%を含
有するオーステナイト鋼からなり、非金属介在物に係わ
る清浄度が0.3 %以下、オーステナイト結晶粒度番号
が2以上、室温の0.2 %耐力400MPa以上、比透磁率
1.3 以下及びロータウェッジ肩部コーナの曲率半径が
0.5 〜5mmであることを特徴とする回転電機用ロータ
ウェッジ。 - 【請求項6】オーステナイト結晶粒度番号が2以上、室
温の耐力が400MPa以上及び曲率半径0.3mm ,20万回
での疲労強度が160MPa以上である高Mn非磁性鋼よりな
ることを特徴とする回転電機用ロータウェッジ。 - 【請求項7】35℃,3重量%NaCl水溶液の噴霧に
よる343MPaの負荷によって0.1mmの深さの亀裂が発生
するまでの時間が200時間以上及び曲率半径0.3mm
,20万回での疲労強度が160MPa以上である高Mn非
磁性鋼よりなることを特徴とする回転電機用ロータウェ
ッジ。 - 【請求項8】重量で、炭素0.1〜0.4%,窒素0.2
〜0.5%,シリコン1%以下,マンガン12〜20
%,ニッケル0.3 〜5%及びクロム14〜25%を含
有するオーステナイト鋼を熱間鍛造後、1100〜70
0℃で圧延加工を行うことを特徴とする回転電機用ロー
タウェッジの製造方法。 - 【請求項9】重量で、炭素0.1〜0.4%,窒素0.2
〜0.5%,シリコン1%以下、マンガン12〜18
%,ニッケル0.3 〜5%及びクロム14〜25%を含
有するオーステナイト鋼を熱間鍛造後、1100〜70
0℃で圧延加工を行い、その後800〜1050℃で溶
体化処理を行うことを特徴とする回転電機用ロータウェ
ッジの製造方法。 - 【請求項10】重量で、炭素0.1〜0.4%,窒素0.
2〜0.5%,シリコン1%以下、マンガン12〜20
%,ニッケル0.3 〜5%及びクロム14〜25%を含
有するオーステナイト鋼からなることを特徴とする回転
電機ロータウェッジ用非磁性鋼。 - 【請求項11】コイルが埋込まれた積層鉄心からなる固
定子,該固定子内を回転し、導体コイルが埋込まれた回
転子を備え、定格容量900MVA以上の大容量回転電機にお
いて、前記回転子用ロータシャフトは高強度Ni−Cr
−Mo−V低合金鋼よりなり、該胴部直径が1.15m
以上、該胴部長さが胴部直径の5.5〜6.5倍であり、
前記導体、コイルを保持するロータウェッジがオーステ
ナイト結晶粒度番号が2以上、室温の耐力が400MPa以上
及び曲率半径0.3mm ,20万回での疲労強度が160MPa
以上である高Mn非磁性鋼よりなることを特徴とする大
容量回転電機。 - 【請求項12】発電機定格容量900MVA以上、コイルが埋
込まれた積層鉄心を有する固定子電流が前記回転電機定
格容量1MVA当り19〜24A、前記固定子が直接水
冷、導体コイルが埋込まれた回転子が容量1MVA当り
0.003〜0.006kg/cm2・gの水素圧力にて冷却さ
れ、該回転子用ロータシャフトの胴部直径が1.0m 以
上である高強度Ni−Cr−Mo−V合金鋼よりなり、
前記導体コイルを保持するロータウェッジが35℃,3
重量%NaCl水溶液の噴霧による343MPaの負荷によっ
て0.1mm の深さの亀裂が発生するまでの時間が200
時間以上及び曲率半径0.3 mm,20万回での疲労強度が
160MPa以上である高Mn非磁性鋼よりなることを特徴と
する回転電機。 - 【請求項13】コイルが埋込まれた積層鉄心からなる固
定子,該固定子内を回転し、導体コイルが埋込まれた回
転子を備え、定格容量900MVA以上の大容量回転電機であ
って、前記回転子用ロータシャフトは、該胴部直径が
1.15m 以上、該胴部長さが胴部直径の5.5〜6.5
倍であり、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.1
%以下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.
0〜3.0%,Mo0.1〜1.0% ,V0.03〜0.3
5%を含有するベーナイト組織を有する低合金鋼よりな
り、前記導体コイルを保持するロータウェッジは重量で
C0.1〜0.3%,N0.2〜0.5%,Si1%以下,
Mn12〜18%,Ni0.5 〜5%及びCr14〜2
0%を含有する非磁性オーステナイト鋼よりなることを
特徴とする大容量回転電機。 - 【請求項14】発電機容量900MVA以上、固定子電流が前
記回転電機容量1MVA当り19〜24A、前記固定子
が直接水冷、導体コイルが埋込まれた回転子が容量1M
VA当り0.003〜0.006kg/cm2・gの水素圧力に
て冷却され、前記回転子用ロータシャフトはその胴部直
径が1.0m 以上で、重量で、C0.15〜0.30%,
Si0.1 %以下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0
%,Cr2.0〜3.0%,Mo0.1 〜1.0% 及びV
0.03〜0.35%を含むベーナイト組織を有する低合
金鋼よりなり、前記導体コイルを保持するロータウェッ
ジは重量でC0.07〜0.4%,N0.2〜1.0%,Si
1%以下,Mn12〜20%,Ni0.3〜5%及びC
r14〜25%を含有する非磁性オーステナイト鋼より
なることを特徴とする大容量回転電機。 - 【請求項15】コイルが埋込まれた積層鉄心からなる固
定子,該固定子内を回転し、導体コイルが埋込まれた回
転子を備え、定格容量が600MVA以上900MVA未満の回転電
機であって、前記回転子用ロータシャフトは、該胴部直
径が950〜1150mm、該胴部長さが胴部直径の5.
5〜6.5倍であり、重量で、C0.15〜0.30%,
Si0.1% 以下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0
%,Cr2.0〜3.0%,Mo0.1〜1.0%,V0.
03〜0.35%を含有するベーナイト組織を有する低
合金鋼よりなり、前記導体コイルを保持するロータウェ
ッジは重量でC0.1〜0.3%,N0.2〜0.5%,S
i1%以下,Mn12〜18%,Ni0.5〜5%及び
Cr14〜20%を含有する非磁性オーステナイト鋼よ
りなることを特徴とする回転電機。
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