JP2988109B2 - 回転電機用ロータシャフト及びそれを用いた回転電機 - Google Patents
回転電機用ロータシャフト及びそれを用いた回転電機Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な回転電機用ロータ
シャフト及びそれを用いた回転電機に関する。
シャフト及びそれを用いた回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】容量800MVAまでのタービン発電機
のロータシャフト材としては、ASTM規格材Ni−Cr−
Mo鋼(A469−88,Class 6〜8)が使用されて
いる。近年、エネルギ多様化の観点から石油代替エネル
ギである石炭火力への移行並びに電源立地面積の有効活
用の要求から、タービン発電機は大容量化の傾向にあ
る。
のロータシャフト材としては、ASTM規格材Ni−Cr−
Mo鋼(A469−88,Class 6〜8)が使用されて
いる。近年、エネルギ多様化の観点から石油代替エネル
ギである石炭火力への移行並びに電源立地面積の有効活
用の要求から、タービン発電機は大容量化の傾向にあ
る。
【0003】タービン発電機の大容量化に伴って、ロー
タシャフトの使用条件も厳しくなり、上記の現用AST
M規格材では強度不足になってきた。
タシャフトの使用条件も厳しくなり、上記の現用AST
M規格材では強度不足になってきた。
【0004】一般に、強度を高めれば靭性が低下する傾
向にあるので、現用材よりも高強度高靭性のロータシャ
フト材の出現が望まれている。
向にあるので、現用材よりも高強度高靭性のロータシャ
フト材の出現が望まれている。
【0005】ASTM規格クラス6〜8はC0.28%
以下,Mn0.60%以下,P0.015%以下,S0.01
5%以下,Si0.15〜0.30%,Ni3.25〜4.
00%,Cr1.25〜2.00%,Mo0.30〜0.6
0%,V0.05〜0.15%,残部が実質的にFeから
なり、クラス8が最も高い強度を有するもので、引張強
さ84kg/mm2 以上、0.02%耐力70.4kg/mm2 以
上,伸び率16%以上,絞り率45%以上,50%破面
遷移温度4℃以下等が規定されている。
以下,Mn0.60%以下,P0.015%以下,S0.01
5%以下,Si0.15〜0.30%,Ni3.25〜4.
00%,Cr1.25〜2.00%,Mo0.30〜0.6
0%,V0.05〜0.15%,残部が実質的にFeから
なり、クラス8が最も高い強度を有するもので、引張強
さ84kg/mm2 以上、0.02%耐力70.4kg/mm2 以
上,伸び率16%以上,絞り率45%以上,50%破面
遷移温度4℃以下等が規定されている。
【0006】特公昭47−25248 号公報には、C0.14
〜0.20%,Si0.05〜0.4%,Mn0.1〜0.
6%,Ni1.5〜2.8%,Cr0.75〜1.8%,M
o0.1〜0.5% ,V0.01〜0.12%及び残部Fe
からなる発電機ロータシャフト用低合金鋼が示されてい
る。
〜0.20%,Si0.05〜0.4%,Mn0.1〜0.
6%,Ni1.5〜2.8%,Cr0.75〜1.8%,M
o0.1〜0.5% ,V0.01〜0.12%及び残部Fe
からなる発電機ロータシャフト用低合金鋼が示されてい
る。
【0007】特公昭60−230965号公報には、C0.13
〜0.30%,Si0.10%以下 ,Mn0.60〜2.
00%,P0.010%以下 ,Cr0.40〜2.00
%,Ni0.20〜2.50%,Mo0.10〜0.50
%,V0.05〜0.15%,Al0.005〜0.04
%,N0.0050〜0.0150%,Ni+2Mn+2
Crが4〜8%、残部Feからなるタービン発電機軸用
低合金鋼が示されている。
〜0.30%,Si0.10%以下 ,Mn0.60〜2.
00%,P0.010%以下 ,Cr0.40〜2.00
%,Ni0.20〜2.50%,Mo0.10〜0.50
%,V0.05〜0.15%,Al0.005〜0.04
%,N0.0050〜0.0150%,Ni+2Mn+2
Crが4〜8%、残部Feからなるタービン発電機軸用
低合金鋼が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】容量900MVA以上
の発電機のロータシャフト材としては、引張強さ93kg
/mm2 以上,0.02% 耐力74kg/mm2 以上,破面遷
移温度(以下FATTと略称する)0℃以下の機械的性
質と21000ガウスにおける磁化力990AT/cm以
下の磁気特性が要求される。
の発電機のロータシャフト材としては、引張強さ93kg
/mm2 以上,0.02% 耐力74kg/mm2 以上,破面遷
移温度(以下FATTと略称する)0℃以下の機械的性
質と21000ガウスにおける磁化力990AT/cm以
下の磁気特性が要求される。
【0009】更に、1200MVA級発電機のロータシ
ャフト材としては、引張強さ100kg/mm2 以上130
0MVA級発電機のロータシャフト材としては、引張強
さ104kg/mm2 以上が要求される。
ャフト材としては、引張強さ100kg/mm2 以上130
0MVA級発電機のロータシャフト材としては、引張強
さ104kg/mm2 以上が要求される。
【0010】ASTM規格材(A469−Class 8)及
び従来技術で開示されたものでは、引張強さ≧84.1k
g/mm2,0.02%耐力 ≧70.4kg/mm2,FATT≦
4℃であり、900MVA以上の発電機用ロータシャフ
ト材としては強度及び靭性が不足であり、破壊に対する
安全性が確保できない。
び従来技術で開示されたものでは、引張強さ≧84.1k
g/mm2,0.02%耐力 ≧70.4kg/mm2,FATT≦
4℃であり、900MVA以上の発電機用ロータシャフ
ト材としては強度及び靭性が不足であり、破壊に対する
安全性が確保できない。
【0011】更に、従来強度を高めると靭性が低下し、
強度と靭性との両方を満足するものが得られなかった。
強度と靭性との両方を満足するものが得られなかった。
【0012】本発明の目的は、高強度,高靭性で高い磁
気特性を備えた回転電機用ロータシャフト及びそれを用
いた大容量回転電機を提供することにある。
気特性を備えた回転電機用ロータシャフト及びそれを用
いた大容量回転電機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、コイルを埋込
む軸方向スロットを有する胴部,動力の伝達を授受する
フランジ部及び軸受部を備えた回転電機用ロータシャフ
トにおいて、該シャフトは室温引張強さ100kg/mm2
以上,50%破面遷移温度−44℃以下及び21kGに
おける磁化力が500AT/cm以下及び好ましくは20
kGにおける磁化力が400AT/cm以下である低合金
鋼からなり、好ましくは前記胴部直径が1m以上及び前
記胴部長さが前記胴部直径の5.5〜6.5倍であること
を特徴とする。
む軸方向スロットを有する胴部,動力の伝達を授受する
フランジ部及び軸受部を備えた回転電機用ロータシャフ
トにおいて、該シャフトは室温引張強さ100kg/mm2
以上,50%破面遷移温度−44℃以下及び21kGに
おける磁化力が500AT/cm以下及び好ましくは20
kGにおける磁化力が400AT/cm以下である低合金
鋼からなり、好ましくは前記胴部直径が1m以上及び前
記胴部長さが前記胴部直径の5.5〜6.5倍であること
を特徴とする。
【0014】本発明の前述のシャフトは前記胴部直径が
1m以上、胴部長さが前記胴部直径の5.5〜6.5倍で
ある前述の高強度Ni−Cr−Mo−V合金鋼よりな
り、前記胴部直径D(mm)は電機容量1MVA当り0.
2mm に1000mmを加えた値以下及び前記発電機容量
1MVA当り0.2mm に900mmを加えた値以上とする
ことが好ましい。
1m以上、胴部長さが前記胴部直径の5.5〜6.5倍で
ある前述の高強度Ni−Cr−Mo−V合金鋼よりな
り、前記胴部直径D(mm)は電機容量1MVA当り0.
2mm に1000mmを加えた値以下及び前記発電機容量
1MVA当り0.2mm に900mmを加えた値以上とする
ことが好ましい。
【0015】本発明の前述のシャフトは前述の高強度N
i−Cr−Mo−V合金鋼よりなり、その前記胴部直径
D(mm)が1m以上、胴部長さが前記胴部直径の5.5〜
6.5倍が好ましく、該シャフトの回転数R(rpm)との
関係から求められる(D2×R2)の値が1.0×107〜
3.0×107となるように前記回転数に対して前記胴部
直径を設定するのが好ましい。
i−Cr−Mo−V合金鋼よりなり、その前記胴部直径
D(mm)が1m以上、胴部長さが前記胴部直径の5.5〜
6.5倍が好ましく、該シャフトの回転数R(rpm)との
関係から求められる(D2×R2)の値が1.0×107〜
3.0×107となるように前記回転数に対して前記胴部
直径を設定するのが好ましい。
【0016】本発明は、室温引張強さ100kg/mm2 以
上,50%破面遷移温度−44℃以下,21kGにおけ
る磁化力が500AT/cm以下,更に好ましくは20k
Gにおける磁化力400AT/cm以下を有する高強度高
靭性Ni−Cr−Mo−V合金鋼よりなり、一体中実シ
ャフトによって構成されるのが好ましい。
上,50%破面遷移温度−44℃以下,21kGにおけ
る磁化力が500AT/cm以下,更に好ましくは20k
Gにおける磁化力400AT/cm以下を有する高強度高
靭性Ni−Cr−Mo−V合金鋼よりなり、一体中実シ
ャフトによって構成されるのが好ましい。
【0017】本発明は、コイルが埋込まれた積層鉄心か
らなる固定子,該固定子内を回転する回転子を備え容量
900MVA以上の大容量回転電機であって、前記回転
子は室温の引張強さ100kg/mm2 以上,50%破面遷
移温度−44℃以下及び21kGにおける磁化力が50
0AT/cm以下である高強度Ni−Cr−Mo−V低合
金鋼よりなるシャフトによって構成され、該シャフト胴
部にコイルが埋込まれ、該胴部直径が1m以上、該胴部
長さが胴部直径の5.5〜6.5倍であり、3000rpm 又は
3600rpm の回転を受け、回転電機の床面積が前記電
機容量1MVA当りの0.08〜0.12m2 とするもの
が好ましいものである。
らなる固定子,該固定子内を回転する回転子を備え容量
900MVA以上の大容量回転電機であって、前記回転
子は室温の引張強さ100kg/mm2 以上,50%破面遷
移温度−44℃以下及び21kGにおける磁化力が50
0AT/cm以下である高強度Ni−Cr−Mo−V低合
金鋼よりなるシャフトによって構成され、該シャフト胴
部にコイルが埋込まれ、該胴部直径が1m以上、該胴部
長さが胴部直径の5.5〜6.5倍であり、3000rpm 又は
3600rpm の回転を受け、回転電機の床面積が前記電
機容量1MVA当りの0.08〜0.12m2 とするもの
が好ましいものである。
【0018】本発明は、電機容量900MVA以上,固
定子電流が前記電機容量1MVA当り19.0〜24
A、前記固定子が直接水冷、回転子が電機容量1MVA
当り0.003〜0.006kg/cm2 の水素圧力にて冷却
され、前記回転子は前述の低合金鋼よりなるシャフトに
よって構成され、該シャフトの胴部直径が1.0m 以上
である高強度Ni−Cr−Mo−V合金鋼よりなること
を特徴とする大容量回転電機にある。
定子電流が前記電機容量1MVA当り19.0〜24
A、前記固定子が直接水冷、回転子が電機容量1MVA
当り0.003〜0.006kg/cm2 の水素圧力にて冷却
され、前記回転子は前述の低合金鋼よりなるシャフトに
よって構成され、該シャフトの胴部直径が1.0m 以上
である高強度Ni−Cr−Mo−V合金鋼よりなること
を特徴とする大容量回転電機にある。
【0019】本発明は、定格容量1,120,000KVA であ
る発電機において、固定子を直接水冷,回転子を水素冷
却とし、回転子を前述の低合金鋼からなるシャフトによ
って構成し、その胴部直径を1.15〜1.35m と
し、胴部長さを胴部直径の5.5〜6.5倍であり、36
00rpmの回転を受けていることを特徴とするものであ
る。特に、マシンサイズとして9〜10m3 とするのが
好ましい。
る発電機において、固定子を直接水冷,回転子を水素冷
却とし、回転子を前述の低合金鋼からなるシャフトによ
って構成し、その胴部直径を1.15〜1.35m と
し、胴部長さを胴部直径の5.5〜6.5倍であり、36
00rpmの回転を受けていることを特徴とするものであ
る。特に、マシンサイズとして9〜10m3 とするのが
好ましい。
【0020】本発明に係る回転電機用ロータシャフト
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.1%以
下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.0〜
3.0%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35%
及び残部が実質的にFeからなる鋼が好ましい。
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.1%以
下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.0〜
3.0%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35%
及び残部が実質的にFeからなる鋼が好ましい。
【0021】本発明に係る回転電機用ロータシャフト
は、重量で、C0.15〜0.35%,Si0.1%以
下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr1.5〜
3.5%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35%
及び残部が実質的にFeであり、前記(Ni/Cr)比
が1.2〜2.0である鋼が好ましい。
は、重量で、C0.15〜0.35%,Si0.1%以
下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr1.5〜
3.5%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35%
及び残部が実質的にFeであり、前記(Ni/Cr)比
が1.2〜2.0である鋼が好ましい。
【0022】本発明に係る回転電機用ロータシャフト
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.3%以
下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.05〜
3.0%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35
%,A10.006% 以下及び残部が実質的にFeであ
る鋼が好ましい。
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.3%以
下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.05〜
3.0%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35
%,A10.006% 以下及び残部が実質的にFeであ
る鋼が好ましい。
【0023】本発明に係る前述したNi−Cr−Mo−
V鋼はその室温の引張強さ100kg/mm2 以上,50%
破面遷移温度−44℃以下、及び焼戻ベーナイト組織を
有するものが好ましい。
V鋼はその室温の引張強さ100kg/mm2 以上,50%
破面遷移温度−44℃以下、及び焼戻ベーナイト組織を
有するものが好ましい。
【0024】本発明は、前述の鋼にIIa族元素及びIII
a 族元素の少なくとも1つを0.001〜0.1% 含有する
ことが好ましい。
a 族元素の少なくとも1つを0.001〜0.1% 含有する
ことが好ましい。
【0025】本発明は、前述の鋼に更にIVa族元素,N
b,Ta及びWの少なくとも1つの元素を0.2%以下
含有することが好ましい。
b,Ta及びWの少なくとも1つの元素を0.2%以下
含有することが好ましい。
【0026】本発明に係る前述の鋼は、21kGにおけ
る磁化率500AT/cm以下及び焼戻ベーナイト組織を
有するものが好ましい。
る磁化率500AT/cm以下及び焼戻ベーナイト組織を
有するものが好ましい。
【0027】本発明に係る回転電機用ロータシャフト
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.1〜0.3
%以下,Mn0.5%以下,Ni3.25〜4.5%,C
r2.05〜2.60%,Mo0.25〜0.60%,V0.0
5〜0.20%,Al0.01%以下及び残部が実質的に
Feであり、焼戻ベーナイト組織を有する鋼が好まし
い。
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.1〜0.3
%以下,Mn0.5%以下,Ni3.25〜4.5%,C
r2.05〜2.60%,Mo0.25〜0.60%,V0.0
5〜0.20%,Al0.01%以下及び残部が実質的に
Feであり、焼戻ベーナイト組織を有する鋼が好まし
い。
【0028】本発明に係る回転電機用ロータシャフト
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.3%以
下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.0〜
3.0%,Mo0.1〜1.0%及びV0.03〜0.35
%を含有する合金鋼を大気中溶解した後、取鍋精錬,真
空脱ガス処理等を行い、次いで該溶湯を鋳型に注湯して
造塊後あるいはさらに大気溶解後エレクトロスラグ溶解
して造塊後熱間鍛造し、800〜900℃にて焼入れ後5
50〜650℃にて10時間以上保持する焼戻し処理を
行う製造法により製造するのが好ましい。
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.3%以
下,Mn1%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.0〜
3.0%,Mo0.1〜1.0%及びV0.03〜0.35
%を含有する合金鋼を大気中溶解した後、取鍋精錬,真
空脱ガス処理等を行い、次いで該溶湯を鋳型に注湯して
造塊後あるいはさらに大気溶解後エレクトロスラグ溶解
して造塊後熱間鍛造し、800〜900℃にて焼入れ後5
50〜650℃にて10時間以上保持する焼戻し処理を
行う製造法により製造するのが好ましい。
【0029】本発明に係る回転電機用ロータシャフト
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.3%以
下,Mn0.5%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.0
〜3.5%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35
%,Al0.006%以下、P,S,Sn,Sb及びAs
の総量0.025%以下、前記(Ni/Cr)比2.1以
下である低合金鋼が好ましい。
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.3%以
下,Mn0.5%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.0
〜3.5%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35
%,Al0.006%以下、P,S,Sn,Sb及びAs
の総量0.025%以下、前記(Ni/Cr)比2.1以
下である低合金鋼が好ましい。
【0030】本発明に係る回転電機用ロータシャフト
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.01〜0.
05%,Mn0.05〜0.5%,Ni3.0〜5.0%,
Cr2.0〜3.5%,Mo0.1〜1.0%,V0.03
〜0.35%,Al0.0005〜0.006% 、P,
S,Sn,Sb及びAsの総量0.001〜0.025
%、残部が実質的にFeである鋼が好ましい。
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.01〜0.
05%,Mn0.05〜0.5%,Ni3.0〜5.0%,
Cr2.0〜3.5%,Mo0.1〜1.0%,V0.03
〜0.35%,Al0.0005〜0.006% 、P,
S,Sn,Sb及びAsの総量0.001〜0.025
%、残部が実質的にFeである鋼が好ましい。
【0031】本発明に係る回転電機用ロータシャフト
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.3%以
下,Mn0.5%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.0
〜3.5%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35
%,Al0.010%以下、P,S,Sn,Sb及びAs
の総量0.025%以下、前記(Ni/Cr)比2.3以
下である低合金鋼が好ましい。
は、重量で、C0.15〜0.30%,Si0.3%以
下,Mn0.5%以下,Ni3.0〜5.0%,Cr2.0
〜3.5%,Mo0.1〜1.0%,V0.03〜0.35
%,Al0.010%以下、P,S,Sn,Sb及びAs
の総量0.025%以下、前記(Ni/Cr)比2.3以
下である低合金鋼が好ましい。
【0032】
【作用】Cは強度の向上になくてはならないもので、十
分な焼入性と、ロータ中心に軟らかいフェライト組織を
なくし、十分な引張強さ及び耐力を得るには0.15%
以上とし、靭性の低下を防ぐには0.15〜0.3%が好
ましい。(Ni/Cr)比を1.2〜2.0とすれば、
0.15〜0.35とすることができる。特に、Cは0.
20〜0.28%の範囲が好ましい。
分な焼入性と、ロータ中心に軟らかいフェライト組織を
なくし、十分な引張強さ及び耐力を得るには0.15%
以上とし、靭性の低下を防ぐには0.15〜0.3%が好
ましい。(Ni/Cr)比を1.2〜2.0とすれば、
0.15〜0.35とすることができる。特に、Cは0.
20〜0.28%の範囲が好ましい。
【0033】Si及びMnは従来、脱酸材として添加し
ていたが、真空取鍋精錬によるC脱酸法及びエレクトロ
スラグ再溶解法などの製鋼技術により、特に添加しなく
とも健全なロータが溶製可能である。焼もどし脆化防止
の点から、Si及びMnは低めが好ましく、それぞれ
0.1% 及び1.0% 以下が好ましい。特にSi≦0.05
%,Mn≦0.25% より0.20% 以下が好ましい。
Siは添加しないときでも不純物として0.019〜0.
1%含有される。Mnは若干加えた方が好ましく、0.
05%以上、より好ましくは0.1%以上である。
ていたが、真空取鍋精錬によるC脱酸法及びエレクトロ
スラグ再溶解法などの製鋼技術により、特に添加しなく
とも健全なロータが溶製可能である。焼もどし脆化防止
の点から、Si及びMnは低めが好ましく、それぞれ
0.1% 及び1.0% 以下が好ましい。特にSi≦0.05
%,Mn≦0.25% より0.20% 以下が好ましい。
Siは添加しないときでも不純物として0.019〜0.
1%含有される。Mnは若干加えた方が好ましく、0.
05%以上、より好ましくは0.1%以上である。
【0034】Niは焼入性を向上させ、靭性を向上させ
るのに不可欠の元素である。3.0%未満では靭性向上
効果には3%以上が好ましいが、多量添加は有害な残留
オーステナイト組織が出て、均一な焼もどしベーナイト
組織が得られにくいので、5%以下が好ましい。特に、
3.25%以上、より3.5%を越え4.5% までの範囲
が好ましい。
るのに不可欠の元素である。3.0%未満では靭性向上
効果には3%以上が好ましいが、多量添加は有害な残留
オーステナイト組織が出て、均一な焼もどしベーナイト
組織が得られにくいので、5%以下が好ましい。特に、
3.25%以上、より3.5%を越え4.5% までの範囲
が好ましい。
【0035】Crは焼入性を向上させ、靭性を顕著に向
上させる効果がある。また、耐食性も向上させる効果が
あり、1.5% 以上が好ましい。多量の添加は有害な残
留オーステナイト組織がでて、均一な焼もどしベーナイ
ト組織が得られにくいので3.0% 以下が好ましく、特
に2.05〜2.60%の範囲が好ましい。
上させる効果がある。また、耐食性も向上させる効果が
あり、1.5% 以上が好ましい。多量の添加は有害な残
留オーステナイト組織がでて、均一な焼もどしベーナイ
ト組織が得られにくいので3.0% 以下が好ましく、特
に2.05〜2.60%の範囲が好ましい。
【0036】Moは0.1〜1.0%焼もどし処理中に結
晶粒内に微細炭化物を析出させ、炭化物分散強化作用に
より、引張強さ及び0.02% 耐力を高める効果があ
る。また、焼もどし中に不純物元素が結晶粒界に偏析す
るのを抑制する作用があるので焼もどし脆化防止効果が
ある。特に、0.25〜0.6%、より0.35〜0.45
%が好ましい。
晶粒内に微細炭化物を析出させ、炭化物分散強化作用に
より、引張強さ及び0.02% 耐力を高める効果があ
る。また、焼もどし中に不純物元素が結晶粒界に偏析す
るのを抑制する作用があるので焼もどし脆化防止効果が
ある。特に、0.25〜0.6%、より0.35〜0.45
%が好ましい。
【0037】Vは0.03〜0.35%で焼もどし処理中
に結晶粒界に微細炭化物を析出させ、炭化物分散強化作
用により引張強さ及び0.02% 耐力を高める効果があ
る。特に、0.05〜0.2%、より0.10〜0.15%
の範囲が好ましい。
に結晶粒界に微細炭化物を析出させ、炭化物分散強化作
用により引張強さ及び0.02% 耐力を高める効果があ
る。特に、0.05〜0.2%、より0.10〜0.15%
の範囲が好ましい。
【0038】Alは靭性,磁気特性を低下させるので、
低めにすべきである。Alの低減は靭性、及び磁気特性
向上効果が大きい。Alは特に、靭性確保の点から0.
01%以下が好ましい。特に、0.005% 以下が好ま
しい。Alを全くなくすると逆に強度を低めることにも
なるので、製鋼上の限界の点からも0.0005% 以上
特に、0.001% 以上とすることがよい。
低めにすべきである。Alの低減は靭性、及び磁気特性
向上効果が大きい。Alは特に、靭性確保の点から0.
01%以下が好ましい。特に、0.005% 以下が好ま
しい。Alを全くなくすると逆に強度を低めることにも
なるので、製鋼上の限界の点からも0.0005% 以上
特に、0.001% 以上とすることがよい。
【0039】更に、不純物としてP,S,Sn,Sb及
びAsがあり、これらは靭性,磁気的特性を低下させる
ので、これらの元素を低める必要がある。特に、これら
の元素はSiとの相関があり、Si量とこれら元素の総
和とを乗算した値を30×10-4以下とするのが好まし
い。特に15×10-4以下が好ましい。また、Siを除
くこれらの元素の総和量を0.030%以下、より0.0
25%以下が好ましい。これらの不純物を皆無にするこ
とは困難であり、特に総量として0.001%以上、上
限として0.010%が好ましい。
びAsがあり、これらは靭性,磁気的特性を低下させる
ので、これらの元素を低める必要がある。特に、これら
の元素はSiとの相関があり、Si量とこれら元素の総
和とを乗算した値を30×10-4以下とするのが好まし
い。特に15×10-4以下が好ましい。また、Siを除
くこれらの元素の総和量を0.030%以下、より0.0
25%以下が好ましい。これらの不純物を皆無にするこ
とは困難であり、特に総量として0.001%以上、上
限として0.010%が好ましい。
【0040】(Ni/Cr)比は引張強さに関係し、そ
の値を2.1 以下とすることにより高い強度が得られ
る。その値が同じ場合にはNi量が高いほど強度が高
く、3%を越えるNi量ではより高い強度が得られる。
特に、3%以上のNi含有量に対して(Ni/Cr)比
を1.2〜2.0、より1.4〜1.9とすることが好まし
い。
の値を2.1 以下とすることにより高い強度が得られ
る。その値が同じ場合にはNi量が高いほど強度が高
く、3%を越えるNi量ではより高い強度が得られる。
特に、3%以上のNi含有量に対して(Ni/Cr)比
を1.2〜2.0、より1.4〜1.9とすることが好まし
い。
【0041】IIa族元素(Be,Mg,Ca),IIIa
族元素(Sc,Y,ランタノイド元素)の少なくとも1
種又は2種以上を0.1% 以下含有させることが好まし
い。これらの元素は強力な脱酸剤として作用し、靭性の
向上,磁気特性の向上に顕著な効果が得られる。特に、
0.001〜0.05%とするのが好ましい。これらは非
放射性元素であり、放射性元素は取扱い上好ましくな
い。
族元素(Sc,Y,ランタノイド元素)の少なくとも1
種又は2種以上を0.1% 以下含有させることが好まし
い。これらの元素は強力な脱酸剤として作用し、靭性の
向上,磁気特性の向上に顕著な効果が得られる。特に、
0.001〜0.05%とするのが好ましい。これらは非
放射性元素であり、放射性元素は取扱い上好ましくな
い。
【0042】IVa族元素(Ti,Zr,Hf),Nb,
Ta,Wの炭化物形成元素は少なくとも1つを0.2%
以下含有させることにより靭性を低めることなく強度を
高めるので好ましい。特に、0.02〜0.1%が好まし
い。WはMoと同等の作用をするので、Moの一部をW
で置換することができる。従って、Mo+W量を0.1〜
1.0%として、W量の上限を0.5%とし、Mo量の半
分以下とするのがよい。
Ta,Wの炭化物形成元素は少なくとも1つを0.2%
以下含有させることにより靭性を低めることなく強度を
高めるので好ましい。特に、0.02〜0.1%が好まし
い。WはMoと同等の作用をするので、Moの一部をW
で置換することができる。従って、Mo+W量を0.1〜
1.0%として、W量の上限を0.5%とし、Mo量の半
分以下とするのがよい。
【0043】本発明に係る低合金鋼は焼戻ベーナイト組
織を有するもので、5%以下のフェライトを含むことが
できるが、全ベーナイト組織とすることが強度及び靭性
の点で好ましい。
織を有するもので、5%以下のフェライトを含むことが
できるが、全ベーナイト組織とすることが強度及び靭性
の点で好ましい。
【0044】本発明に係る低合金鋼はSi不純物を顕著
に少なくすることによって強度,靭性を高めるとともに
磁気特性を高めることができるもので、そのために大気
溶解後エレクトロスラグ再溶解又は大気中溶解した後真
空取鍋精錬によって溶湯を形成するものである。溶湯は
金型にて鋳造され、熱間鍛造により所定の形状にされ
る。その後800〜900℃で焼入れが施され、次いで
550〜650℃にて10h以上の焼戻しを施すのが好
ましい。焼入温度は鋼のAc3 点より30〜70℃高い
温度で行われ、特に、Ac3 より50℃高い温度で行う
のが好ましい。焼戻は靭性を高めるもので、550〜6
50℃、特に、560〜600℃が好ましく、10〜6
0h保持するのが好ましい。焼戻後切削加工によって最
終形状となるが、その切削加工によって内部応力が発生
するので、応力除去焼純が焼戻温度より低い温度で行わ
れる。また、鍛造後均一化焼純が行われ、焼入温度より
約50℃高い温度で行い、除冷される。焼入時の冷却速
度はシャフト中心部で50〜150℃/hが好ましい。
これによってベーナイト組織が得られ、特に全ベーナイ
ト組織が得られる。
に少なくすることによって強度,靭性を高めるとともに
磁気特性を高めることができるもので、そのために大気
溶解後エレクトロスラグ再溶解又は大気中溶解した後真
空取鍋精錬によって溶湯を形成するものである。溶湯は
金型にて鋳造され、熱間鍛造により所定の形状にされ
る。その後800〜900℃で焼入れが施され、次いで
550〜650℃にて10h以上の焼戻しを施すのが好
ましい。焼入温度は鋼のAc3 点より30〜70℃高い
温度で行われ、特に、Ac3 より50℃高い温度で行う
のが好ましい。焼戻は靭性を高めるもので、550〜6
50℃、特に、560〜600℃が好ましく、10〜6
0h保持するのが好ましい。焼戻後切削加工によって最
終形状となるが、その切削加工によって内部応力が発生
するので、応力除去焼純が焼戻温度より低い温度で行わ
れる。また、鍛造後均一化焼純が行われ、焼入温度より
約50℃高い温度で行い、除冷される。焼入時の冷却速
度はシャフト中心部で50〜150℃/hが好ましい。
これによってベーナイト組織が得られ、特に全ベーナイ
ト組織が得られる。
【0045】また、Si量は前述のAl量を0.01%
以下にすることにより0.1〜0.3%とすることがで
き、更にP,S,Sn,Sb及びAs量を0.025%
以下にすることにより高Siでも良好な特性を得ること
ができる。
以下にすることにより0.1〜0.3%とすることがで
き、更にP,S,Sn,Sb及びAs量を0.025%
以下にすることにより高Siでも良好な特性を得ること
ができる。
【0046】前述の合金鋼を用いることにより回転電機
用ロータシャフトはコイルが埋込まれる胴部の直径を1
m以上とし、その胴部長さを直径の5.5〜6.5倍とす
ることにより装置全体をコンパクトにできる。5.5未
満及び6.5を越える比率にする回転子の振動感度上好
ましくない。特に、5.6〜6.0が好ましい。
用ロータシャフトはコイルが埋込まれる胴部の直径を1
m以上とし、その胴部長さを直径の5.5〜6.5倍とす
ることにより装置全体をコンパクトにできる。5.5未
満及び6.5を越える比率にする回転子の振動感度上好
ましくない。特に、5.6〜6.0が好ましい。
【0047】その胴部直径は発電機容量に応じて大きく
する必要があるが、容量1MVA当り0.2mmに100
0mmが加えた値以下とし、1MVA当り0.2mmに90
0mmを加えた値以上とすることが必要である。
する必要があるが、容量1MVA当り0.2mmに100
0mmが加えた値以下とし、1MVA当り0.2mmに90
0mmを加えた値以上とすることが必要である。
【0048】更に、胴部直径D(m)は回転子の回転数
R(rpm)とによっても設定されるべきもので、(D2×
R2)の値を1.0×107以上となるように設定すべき
である。特に、上限は3.0×107とするのが好まし
い。特に1.5〜2.2×107 が好ましく、1.8〜2.
0×107がよい。
R(rpm)とによっても設定されるべきもので、(D2×
R2)の値を1.0×107以上となるように設定すべき
である。特に、上限は3.0×107とするのが好まし
い。特に1.5〜2.2×107 が好ましく、1.8〜2.
0×107がよい。
【0049】発電機及び電動機は容量の増加により大型
化するのが、前述の如く高強度合金鋼を用いることによ
りコンパクトな装置とすることができ、特に床面積とし
て容量1MVA当り0.08〜0.12m2 とすることが
できる。そしてエネルギー損失が小さくできるので、効
率がより高められる。その固定子電流も容量当り小さく
できるので、電動機又は発電機容量1MVA当り19.
0〜24A とすることができ、特に容量の増大につれ
て単位容量当りの電流を小さくできる。容量2000MVA
に対しては約19.0〜20.0Aでできる。そのときの
回転子は水素によって冷却されるが、発電機出力に応じ
て水素圧力を高める必要があるが、その圧力を1MVA
当り0.003〜0.006kg/cm2 ・gとすることがで
きる。特に、0.004〜0.005kg/cm2 ・g が好
ましい。
化するのが、前述の如く高強度合金鋼を用いることによ
りコンパクトな装置とすることができ、特に床面積とし
て容量1MVA当り0.08〜0.12m2 とすることが
できる。そしてエネルギー損失が小さくできるので、効
率がより高められる。その固定子電流も容量当り小さく
できるので、電動機又は発電機容量1MVA当り19.
0〜24A とすることができ、特に容量の増大につれ
て単位容量当りの電流を小さくできる。容量2000MVA
に対しては約19.0〜20.0Aでできる。そのときの
回転子は水素によって冷却されるが、発電機出力に応じ
て水素圧力を高める必要があるが、その圧力を1MVA
当り0.003〜0.006kg/cm2 ・gとすることがで
きる。特に、0.004〜0.005kg/cm2 ・g が好
ましい。
【0050】本発明は、発電機及び電動機に適用される
が、電動機としては同期電動機,同期発電電動機,誘導
同期電動機がある。電動機及び発電機の構造はほぼ同じ
ものである。特に、電動機として5000〜6000rp
m の回転数を有する高速回転のモータにおいて好ましい
ものである。
が、電動機としては同期電動機,同期発電電動機,誘導
同期電動機がある。電動機及び発電機の構造はほぼ同じ
ものである。特に、電動機として5000〜6000rp
m の回転数を有する高速回転のモータにおいて好ましい
ものである。
【0051】本発明におけるロータシャフトの引張強さ
は100kg/mm2以上で、特に104kg/mm2 以上を得るよ
うに成分調整するのが好ましい。同時に、50%破面遷
移温度を−44℃以下,好ましくは−50℃以下とする
ものである。結晶粒の大きさはASTMの結晶粒度番号
で4以上とすることが好ましい。更に、磁気特性として
磁束密度21kGにおける磁化力500AT/cm以下と
すること、好ましくは20kGにおける磁化力を400
AT/cm以下とするものである。
は100kg/mm2以上で、特に104kg/mm2 以上を得るよ
うに成分調整するのが好ましい。同時に、50%破面遷
移温度を−44℃以下,好ましくは−50℃以下とする
ものである。結晶粒の大きさはASTMの結晶粒度番号
で4以上とすることが好ましい。更に、磁気特性として
磁束密度21kGにおける磁化力500AT/cm以下と
すること、好ましくは20kGにおける磁化力を400
AT/cm以下とするものである。
【0052】
【実施例】図12は本発明に係る固定子コイル直接水冷
却形タービン発電機の一例である。
却形タービン発電機の一例である。
【0053】(固定子) 固定子わくは溶接構造鋼板などでつくられ通風路を形成
し、鉄心を支えるとともに振動を防ぐように強固につく
られる。磁気吸引力により鉄心はだ円に変形し、回転子
の回転に伴い二倍周波数の振動が発生する。この振動は
大形機ほど大きくなるので、鉄心と固定子わくとをばね
を介して取り付ける弾性支持構造とする。
し、鉄心を支えるとともに振動を防ぐように強固につく
られる。磁気吸引力により鉄心はだ円に変形し、回転子
の回転に伴い二倍周波数の振動が発生する。この振動は
大形機ほど大きくなるので、鉄心と固定子わくとをばね
を介して取り付ける弾性支持構造とする。
【0054】固定子鉄心2には、0.35または0.5mm
厚のけい素鋼板が用いられ、方向性けい素鋼板が使用さ
れる。鉄心は軸方向に50〜60mm程度ずつ積層され、
間に通風ダクトを形成するようにI形鋼の間隔片を入れ
る。
厚のけい素鋼板が用いられ、方向性けい素鋼板が使用さ
れる。鉄心は軸方向に50〜60mm程度ずつ積層され、
間に通風ダクトを形成するようにI形鋼の間隔片を入れ
る。
【0055】固定子巻線7は通常2層巻が用いられる
が、2極機の場合、特に巻線端部が長くなるため強固に
保持しなければならない。漂遊負荷損が大きくなるの
で、端部の構造物には非磁性材を使用する。
が、2極機の場合、特に巻線端部が長くなるため強固に
保持しなければならない。漂遊負荷損が大きくなるの
で、端部の構造物には非磁性材を使用する。
【0056】(回転子) タービン発電機の大きな特徴は高速回転することであ
り、遠心力が大きくなるので回転子直径が制限される。
回転子構造材料に機械的強度を確保するとともに、危険
速度を避け振動を抑えるため一体鍛造され、図14に示
すスロット16を加工し、その中に界磁巻線がおさめら
れる。回転子1の形状を図13に示す。
り、遠心力が大きくなるので回転子直径が制限される。
回転子構造材料に機械的強度を確保するとともに、危険
速度を避け振動を抑えるため一体鍛造され、図14に示
すスロット16を加工し、その中に界磁巻線がおさめら
れる。回転子1の形状を図13に示す。
【0057】主軸の材料は本発明に係るNi−Cr−M
o−V鋼からなる。図中には示されていないが、フラン
ジ15とセンタリング18との間にファン20の取付け
用リング17が設けられる。
o−V鋼からなる。図中には示されていないが、フラン
ジ15とセンタリング18との間にファン20の取付け
用リング17が設けられる。
【0058】界磁巻線3は銅帯を平巻きに成形してティ
ース12間に形成された回転子鉄心スロット内に分布巻
きし、導体の1ターンごとに層間絶縁を注入する。巻線
の端部は保持環(リティニングリング)9で押える。コ
イルには通常の銅の代りにクリープ特性の良好な銀入銅
が使用される。
ース12間に形成された回転子鉄心スロット内に分布巻
きし、導体の1ターンごとに層間絶縁を注入する。巻線
の端部は保持環(リティニングリング)9で押える。コ
イルには通常の銅の代りにクリープ特性の良好な銀入銅
が使用される。
【0059】保持環9はC0.1% 以下,N0.4% 以
上,10〜25%Mn,15〜20%Crを含む非磁性
ステンレス鋼が用いられる。巻線3がスロット16に埋
込まれた後、スロット16の最も広い部分に超ジュラル
ミン合金によるウェッジ13がはめ込まれることによっ
て固定される。エンドダンパリング14には端部又は全
長ダンパが用いられ、端部Al合金,胴部銀入銅合金が
用いられる。8はシャフト、11は磁極、15はカップ
リングである。
上,10〜25%Mn,15〜20%Crを含む非磁性
ステンレス鋼が用いられる。巻線3がスロット16に埋
込まれた後、スロット16の最も広い部分に超ジュラル
ミン合金によるウェッジ13がはめ込まれることによっ
て固定される。エンドダンパリング14には端部又は全
長ダンパが用いられ、端部Al合金,胴部銀入銅合金が
用いられる。8はシャフト、11は磁極、15はカップ
リングである。
【0060】(通風方式) 1000MVA級以上の大形機で鉄心長が長くなると均
一に冷却することがむずかしいため、複式通風方式をと
る。
一に冷却することがむずかしいため、複式通風方式をと
る。
【0061】この方式では、鉄心背後の固定子わく内に
数区分の給気室および排気室が軸方向に交互に配列され
ており、冷却空気は発電機両端より固定子わく内の風胴
を経て各給気室に集められ、これより固定子鉄心を冷却
し、回転子内部を冷却した気体とともに外径側に流れ、
冷却器を経てファンの吸気側に至り循環する。
数区分の給気室および排気室が軸方向に交互に配列され
ており、冷却空気は発電機両端より固定子わく内の風胴
を経て各給気室に集められ、これより固定子鉄心を冷却
し、回転子内部を冷却した気体とともに外径側に流れ、
冷却器を経てファンの吸気側に至り循環する。
【0062】水素冷却のガス圧は間接水素冷却機で2at
g 、直接水素冷却機で2〜5atg が使用される。水素ガ
ス圧を上げた場合、熱伝達率が向上するとともにガスの
熱容量が密度に比例して増加するので、ガス自身の温度
上昇がガスの絶対圧力に逆比例して減少し、冷却効果が
増大する。同一寸法の機械の出力は一般に間接冷却形
0.05atgのときの出力を100とすれば1atg で11
5、2atg で125の出力となる。
g 、直接水素冷却機で2〜5atg が使用される。水素ガ
ス圧を上げた場合、熱伝達率が向上するとともにガスの
熱容量が密度に比例して増加するので、ガス自身の温度
上昇がガスの絶対圧力に逆比例して減少し、冷却効果が
増大する。同一寸法の機械の出力は一般に間接冷却形
0.05atgのときの出力を100とすれば1atg で11
5、2atg で125の出力となる。
【0063】水素冷却方式は、空気と混合した場合水素
の容積が10〜70%の範囲では爆発性になる。これを
防ぐため自動的に水素純度を約90%以上に維持するよ
うにしているが、このため機内水素ガスが軸に沿って機
外に漏れないように軸受の内側に油膜による密封装置を
備えている。軸の狭いすき間に機内の水素ガスより高い
圧力の油を流すことにより、機内からのガス漏れを防い
でいる。
の容積が10〜70%の範囲では爆発性になる。これを
防ぐため自動的に水素純度を約90%以上に維持するよ
うにしているが、このため機内水素ガスが軸に沿って機
外に漏れないように軸受の内側に油膜による密封装置を
備えている。軸の狭いすき間に機内の水素ガスより高い
圧力の油を流すことにより、機内からのガス漏れを防い
でいる。
【0064】水素冷却タービン発電機において固定子を
間接冷却とする場合でも、回転子は直接冷却とする場合
が多い。
間接冷却とする場合でも、回転子は直接冷却とする場合
が多い。
【0065】(直接冷却) 発電機コイルの導体最高温度が出力を制限する場合、そ
の温度上昇中に大きな割合を占める絶縁物内での温度差
を除くために、導体を直接冷却媒体で冷却する。
の温度上昇中に大きな割合を占める絶縁物内での温度差
を除くために、導体を直接冷却媒体で冷却する。
【0066】冷却媒体としては、水素ガスや油・水など
の液体がある。水は空気の場合の約50倍の熱伝達能力
を有し、冷却媒体として優れている。
の液体がある。水は空気の場合の約50倍の熱伝達能力
を有し、冷却媒体として優れている。
【0067】(1)水素ガス直接冷却固定子コイルの例
を示し、素線の間にはさんだ四角なベントチューブの内
部にガスを通して導体を直接冷却する。導体の発生熱量
の一部は熱抵抗の大きな主絶縁を通って鉄心に伝わり冷
却されるが、大部分は熱抵抗の小さな冷却管を通って水
素ガスが持ち去る。
を示し、素線の間にはさんだ四角なベントチューブの内
部にガスを通して導体を直接冷却する。導体の発生熱量
の一部は熱抵抗の大きな主絶縁を通って鉄心に伝わり冷
却されるが、大部分は熱抵抗の小さな冷却管を通って水
素ガスが持ち去る。
【0068】液体冷却には、比熱が大きく、かつ対流に
よる熱伝達率も非常に大きい純水が使用される。
よる熱伝達率も非常に大きい純水が使用される。
【0069】液体通路となる配管には、ステンレス鋼が
使用され、コイルおよびコイル端部のクリップなどには
無酸素銅または脱酸銅が使用される。絶縁接続管には機
械的強度が高く、たわみ性に富み、絶縁性の良いテフロ
ン管が普通使用される。固定子コイルの断面は素線を中
空とし、この中を液体が流れるようにしている。
使用され、コイルおよびコイル端部のクリップなどには
無酸素銅または脱酸銅が使用される。絶縁接続管には機
械的強度が高く、たわみ性に富み、絶縁性の良いテフロ
ン管が普通使用される。固定子コイルの断面は素線を中
空とし、この中を液体が流れるようにしている。
【0070】(2)回転子の冷却媒体としては水素ガス
又は水が使用され、次の方式がある。
又は水が使用され、次の方式がある。
【0071】エンドフィード方式には回転子端部より回
転子コイル内に押し込まれた水素ガスは、回転子中央部
にあけられた穴よりエアギャップに放出される。また、
回転子の一端よりコイル銅帯に入り他端より出る方式も
好ましい。
転子コイル内に押し込まれた水素ガスは、回転子中央部
にあけられた穴よりエアギャップに放出される。また、
回転子の一端よりコイル銅帯に入り他端より出る方式も
好ましい。
【0072】回転子コイルの断面形状は側路式と中空銅
帯式とのいずれでもよい。この方式をとった場合は、固
定子コイルにもガス直接冷却が採用し、高圧のブロワが
回転子の一端に取り付けられる。
帯式とのいずれでもよい。この方式をとった場合は、固
定子コイルにもガス直接冷却が採用し、高圧のブロワが
回転子の一端に取り付けられる。
【0073】エアギャップピックアップ方式においては
回転子表面に吸入および排出の穴部を交互に設けて、回
転による風速を利用して、エアギャップ部における水素
ガスをコイルウェッジ表面より吸入し、コイル銅帯内を
一定距離流して発生熱を奪い、排気穴を通ってエアギャ
ップ部に出る方式、或いは回転子の水冷却技術において
回転体中に水を通す方式がある。
回転子表面に吸入および排出の穴部を交互に設けて、回
転による風速を利用して、エアギャップ部における水素
ガスをコイルウェッジ表面より吸入し、コイル銅帯内を
一定距離流して発生熱を奪い、排気穴を通ってエアギャ
ップ部に出る方式、或いは回転子の水冷却技術において
回転体中に水を通す方式がある。
【0074】水冷却方式は、水素ガス冷却方式に比較し
て構造が複雑であるために、信頼性上は不利となるが、
発電機の重量が15〜25%程度軽くなり、また部分負
荷での効率を向上させることができる。
て構造が複雑であるために、信頼性上は不利となるが、
発電機の重量が15〜25%程度軽くなり、また部分負
荷での効率を向上させることができる。
【0075】図中、15はタービンに結合されるフラン
ジ、20はファン、21は固定子コイル、22はブラ
シ、23はスリップリングである。
ジ、20はファン、21は固定子コイル、22はブラ
シ、23はスリップリングである。
【0076】図1は本発明に係るタービン出力1000
MW級(発電機容量1120MVA級)以上の大型ター
ビン発電機用ロータシャフトの斜視図である。本発明に
係るロータシャフトを次の様に製造した。
MW級(発電機容量1120MVA級)以上の大型ター
ビン発電機用ロータシャフトの斜視図である。本発明に
係るロータシャフトを次の様に製造した。
【0077】表1に記載のNo.2 とほぼ同じ組成を目
標に大気溶解後真空取鍋精錬によって製造した約150
tの溶湯を金型に鋳造した。次いで、プレスによる熱間
鍛造を行い、据込み(鍛造比1/2U)後鍛伸(鍛造比
3S)を行った。更に、900℃で均一化焼純を行い、
所定の形状に切削加工した後、840℃で全体を20時
間たて型炉で加熱保持した後、水噴霧によって中心孔で
100℃/hの冷却速度で冷却する焼入をした。次いで
580℃で60h加熱保持後15℃/hの速度で冷却す
る焼戻処理を施した。その後、図1に示す最終形状に切
削加工を施した。本実施例は2極用で、11は磁極、1
2はティース、17はファン取付用リング、18はリテ
ィニングリング取付け用センタリングリング、19は中
心孔である。この部分で材料の機械的性質,電気的性
質,磁気的性質を検査するための試料を採取した。セン
タリングリング18はシャフト形成時一体となっている
が、リング状に切削された後リティニングリングが焼ば
めされる。
標に大気溶解後真空取鍋精錬によって製造した約150
tの溶湯を金型に鋳造した。次いで、プレスによる熱間
鍛造を行い、据込み(鍛造比1/2U)後鍛伸(鍛造比
3S)を行った。更に、900℃で均一化焼純を行い、
所定の形状に切削加工した後、840℃で全体を20時
間たて型炉で加熱保持した後、水噴霧によって中心孔で
100℃/hの冷却速度で冷却する焼入をした。次いで
580℃で60h加熱保持後15℃/hの速度で冷却す
る焼戻処理を施した。その後、図1に示す最終形状に切
削加工を施した。本実施例は2極用で、11は磁極、1
2はティース、17はファン取付用リング、18はリテ
ィニングリング取付け用センタリングリング、19は中
心孔である。この部分で材料の機械的性質,電気的性
質,磁気的性質を検査するための試料を採取した。セン
タリングリング18はシャフト形成時一体となっている
が、リング状に切削された後リティニングリングが焼ば
めされる。
【0078】本実施例では全長約15m,ティース12
が設けられる胴部直径が1.2m ,胴部長さが約7m
で、胴部直径約5.7倍 である。このもののマシンサイ
ズは約10m3 で、このようにすることにより回転子の
振動感度を低くし、同相アンバランス感度を低く押える
ことができるとともに、軸のフレキシビリティが低下し
軸受安定性が高いものが得られる。
が設けられる胴部直径が1.2m ,胴部長さが約7m
で、胴部直径約5.7倍 である。このもののマシンサイ
ズは約10m3 で、このようにすることにより回転子の
振動感度を低くし、同相アンバランス感度を低く押える
ことができるとともに、軸のフレキシビリティが低下し
軸受安定性が高いものが得られる。
【0079】マシンサイズは(回転子胴部外径)2×(回
転子胴長)で表わされる。
転子胴長)で表わされる。
【0080】本発明におけるロータシャフトのマシンサ
イズと発電機容量(MVA)との関係は次式数1と数2
の範囲内が好ましい。
イズと発電機容量(MVA)との関係は次式数1と数2
の範囲内が好ましい。
【0081】 マシンサイズ(m3)=4.7+3.2×10-3×発電機容量(MVA) …(1) マシンサイズ(m3)=4.5+5.7×10-3×発電機容量(MVA) …(2) 本実施例における機械的特性,磁気的特性及び電気的特
性は実施例1のNo.2の合金の値と同等のものであっ
た。
性は実施例1のNo.2の合金の値と同等のものであっ
た。
【0082】本実施例における仕様は次の通りである。
【0083】発電機容量:1120MVA,固定子電
流:発電機容量1MVA当り22A,力率:0.9,回
転数3600rpm,周波数60Hz,固定子:直接水冷
却,回転子:直接水素冷却(発電機容量1MVA当り
0.0047kg/cm2・g),ケーシング材:SM41
鋼,鉄心材:方向性ケイ素鋼板,コイル:電気銅,絶縁
材料,エポキシレジン及びマイカ,コイル埋込み部の胴
長/胴径=5.83 ,リティニング材:C0.1%以
下,N0.7以上,Si1%以下の18%Mn−18%
Cr鋼,全長ダンパ,回転子コイル:銀入銅,軸受:炭
素鋼鋳鋼,全体寸法:長さ16m,幅6m,床面積96
m2。
流:発電機容量1MVA当り22A,力率:0.9,回
転数3600rpm,周波数60Hz,固定子:直接水冷
却,回転子:直接水素冷却(発電機容量1MVA当り
0.0047kg/cm2・g),ケーシング材:SM41
鋼,鉄心材:方向性ケイ素鋼板,コイル:電気銅,絶縁
材料,エポキシレジン及びマイカ,コイル埋込み部の胴
長/胴径=5.83 ,リティニング材:C0.1%以
下,N0.7以上,Si1%以下の18%Mn−18%
Cr鋼,全長ダンパ,回転子コイル:銀入銅,軸受:炭
素鋼鋳鋼,全体寸法:長さ16m,幅6m,床面積96
m2。
【0084】以上の構造とすることにより、1000M
W級のタービン出力に対し、発電機容量1120MVA
が得られ、1MVA当りの発電機の床面積が0.086
m2であり、従来の700MW級タービンの発電機(容
量800MVA)の1MVA当りの床面積0.098m2
より約13%コンパクト化できる。この床面積は発電機
容量1MVA当り0.08〜0.09m2とすることがで
きる。
W級のタービン出力に対し、発電機容量1120MVA
が得られ、1MVA当りの発電機の床面積が0.086
m2であり、従来の700MW級タービンの発電機(容
量800MVA)の1MVA当りの床面積0.098m2
より約13%コンパクト化できる。この床面積は発電機
容量1MVA当り0.08〜0.09m2とすることがで
きる。
【0085】また、本実施例の低合金鋼によれば、胴部
直径は上限及び下限を前述のマシンサイズの値から求め
られる値とし、更に上限の直径D(mm)を次の数3によっ
て求められる値及び下限の直径を数4によって求められ
る値とすることが好ましい。胴部長さはその直径の5.
5〜6.5倍が好ましい。
直径は上限及び下限を前述のマシンサイズの値から求め
られる値とし、更に上限の直径D(mm)を次の数3によっ
て求められる値及び下限の直径を数4によって求められ
る値とすることが好ましい。胴部長さはその直径の5.
5〜6.5倍が好ましい。
【0086】 胴部直径D(mm)=0.2×発電機容量(MVA)+1000 …(3) 胴部直径D(mm)=0.2×発電機容量(MVA)+900 …(4) 以上の構造とすることにより回転子の振動感度が小さ
く、発電機全体をコンパクトにできる。
く、発電機全体をコンパクトにできる。
【0087】前述の発電機用ロータシャフト材として各
種組成について検討した。
種組成について検討した。
【0088】表1はその化学組成(重量%)を示す。試料
は高周波溶解炉で各20kg造塊し、温度850〜115
0℃厚さ30mm,幅90mmに熱間鍛造した。試料No.2
〜6及び15は本発明に係るロータシャフト材として好
適なものである。試料No.1は比較のために溶製したも
のである。No.1 は発電機ロータシャフト材のASTM規
格A469−88class 8相当材であり、No.5 は高
Al鋼である。これらの試料には、大容量発電機の大形
ロータシャフト中心部の条件をシミュレートした熱処理
を施した。まず、840℃まで加熱してオーステナイト
化後100℃/hの速度で冷却し焼入した。ついで、5
75〜590℃にて32時間加熱保持後15℃/hの速
度で冷却した。焼もどし処理は、引張強さが100〜1
05kg/mm2の範囲に入る温度を各試料ごとに選んで行
った。
は高周波溶解炉で各20kg造塊し、温度850〜115
0℃厚さ30mm,幅90mmに熱間鍛造した。試料No.2
〜6及び15は本発明に係るロータシャフト材として好
適なものである。試料No.1は比較のために溶製したも
のである。No.1 は発電機ロータシャフト材のASTM規
格A469−88class 8相当材であり、No.5 は高
Al鋼である。これらの試料には、大容量発電機の大形
ロータシャフト中心部の条件をシミュレートした熱処理
を施した。まず、840℃まで加熱してオーステナイト
化後100℃/hの速度で冷却し焼入した。ついで、5
75〜590℃にて32時間加熱保持後15℃/hの速
度で冷却した。焼もどし処理は、引張強さが100〜1
05kg/mm2の範囲に入る温度を各試料ごとに選んで行
った。
【0089】No.7〜12 は比較鋼で、820℃で1
6〜34時間加熱保持後同じく100℃/hの速度で焼入
した後、625〜635℃で40〜50時間加熱保持
後、15℃/hの速度の炉冷による焼戻し処理を行っ
た。
6〜34時間加熱保持後同じく100℃/hの速度で焼入
した後、625〜635℃で40〜50時間加熱保持
後、15℃/hの速度の炉冷による焼戻し処理を行っ
た。
【0090】No.13 及び14は比較鋼で、900℃
で2時間加熱後炉冷の均一化焼純を行い、次いで850
℃で2時間加熱後120℃/hの速度で冷却する焼入を
行い、更に575℃で60時間加熱保持後40℃/hの
速度で冷却する焼戻しを行った。
で2時間加熱後炉冷の均一化焼純を行い、次いで850
℃で2時間加熱後120℃/hの速度で冷却する焼入を
行い、更に575℃で60時間加熱保持後40℃/hの
速度で冷却する焼戻しを行った。
【0091】
【表1】
【0092】本発明に係るロータシャフト材として好適
なNi−Cr−Mo−V鋼のNo.2〜6及び15はいず
れも初析フェライトを含まず、均一な焼戻ベーナイト組
織を有していた。また、旧オーステナイト結晶粒度番号
がいずれも7番であった。他の合金のNo.1,5及び1
4も均一な焼戻ベーナイト組織であった。No.13には
5%程度の初析フェライトが見られる。
なNi−Cr−Mo−V鋼のNo.2〜6及び15はいず
れも初析フェライトを含まず、均一な焼戻ベーナイト組
織を有していた。また、旧オーステナイト結晶粒度番号
がいずれも7番であった。他の合金のNo.1,5及び1
4も均一な焼戻ベーナイト組織であった。No.13には
5%程度の初析フェライトが見られる。
【0093】表2は引張試験,衝撃試験,磁気特性,電
気特性結果を示すものである。表中、磁化力は20kG
及び21kGにおけるものを求めた。表に記載のものは
21kGにおけるものである。
気特性結果を示すものである。表中、磁化力は20kG
及び21kGにおけるものを求めた。表に記載のものは
21kGにおけるものである。
【0094】
【表2】
【0095】表に示すように、本発明に係るロータシャ
フト材として好適な低合金鋼No.2〜6及び15は引張
強さが100kg/mm2以上、0.02%耐力が78kg/mm
2 以上であり、更に50℃破面遷移温度が0℃以下をは
るかに低い−50℃以下であり、強度と靭性がともに高
いことがわかる。更に、磁化力は900MVA以上の発
電機用ロータシャフトに要求される21kGにおける磁
化力として500AT/cm以下を十分に満足するもので
あり、電気抵抗も高Cr含有する本発明に係るものが3
0μΩcm以上の高い値となり、900MVA以上の大容
量発電機ロータシャフト材として極めて有用である。
フト材として好適な低合金鋼No.2〜6及び15は引張
強さが100kg/mm2以上、0.02%耐力が78kg/mm
2 以上であり、更に50℃破面遷移温度が0℃以下をは
るかに低い−50℃以下であり、強度と靭性がともに高
いことがわかる。更に、磁化力は900MVA以上の発
電機用ロータシャフトに要求される21kGにおける磁
化力として500AT/cm以下を十分に満足するもので
あり、電気抵抗も高Cr含有する本発明に係るものが3
0μΩcm以上の高い値となり、900MVA以上の大容
量発電機ロータシャフト材として極めて有用である。
【0096】図2は引張強さに及ぼすCr含有量の影響
を示す線図である。図に示すようにNi量2.60〜4.
15%においてCr量の増加によって引張強さは高くな
る。特に、Cr量が1.4% を越えると急激に高くな
り、Crの効果が大きい。2.0%を越えると引張強さが
100kg/mm2 以上の高い値が得られる。
を示す線図である。図に示すようにNi量2.60〜4.
15%においてCr量の増加によって引張強さは高くな
る。特に、Cr量が1.4% を越えると急激に高くな
り、Crの効果が大きい。2.0%を越えると引張強さが
100kg/mm2 以上の高い値が得られる。
【0097】図3は同じく(Ni/Cr)比との関係を
示す線図である。図に示すように(Ni/Cr)比が大
きくなるほど引張強さが低下する。特に、(Ni/C
r)比が2.1 以下とすることにより高い強度が得られ
る。Ni量との関係もあり、3.50%以上の高Niと
することにより100kg/mm2以上の高強度のものが得
られる。
示す線図である。図に示すように(Ni/Cr)比が大
きくなるほど引張強さが低下する。特に、(Ni/C
r)比が2.1 以下とすることにより高い強度が得られ
る。Ni量との関係もあり、3.50%以上の高Niと
することにより100kg/mm2以上の高強度のものが得
られる。
【0098】図4は同じくSi量との関係を示すもの
で、Si量の増加によって強度が高められることがわか
る。Si量を0.17%以上にすれば93kg/mm2以上が
Cr1.3〜1.8%,Ni2.6〜3.5%で得られが、
Cr2%を越えるものでは0.1% 以下の低Siでは1
00kg/mm2以上が得られる。
で、Si量の増加によって強度が高められることがわか
る。Si量を0.17%以上にすれば93kg/mm2以上が
Cr1.3〜1.8%,Ni2.6〜3.5%で得られが、
Cr2%を越えるものでは0.1% 以下の低Siでは1
00kg/mm2以上が得られる。
【0099】図5は50%破面遷移温度に及ぼすNi又
はCr量の影響を示す線図である。図に示すようにNi
及びCrのいずれもその含有量の増加によってFATT
が低くなり、特に、低Siの0.1%以下ではCr量を
2.0%以上含有させれば−50℃以下のFATTが得ら
れる。特に0.1% を越えるSi量ではNi及びCrを
高めても0℃以下のFATTは得られにくい。
はCr量の影響を示す線図である。図に示すようにNi
及びCrのいずれもその含有量の増加によってFATT
が低くなり、特に、低Siの0.1%以下ではCr量を
2.0%以上含有させれば−50℃以下のFATTが得ら
れる。特に0.1% を越えるSi量ではNi及びCrを
高めても0℃以下のFATTは得られにくい。
【0100】図6は同じくFATTに及ぼすSi量の影
響を示す線図である。図に示す如く、Si量を下げるこ
とによってFATTは低くなり高靭性が得られる。特
に、Ni2.5〜3.0%及びCr1.3〜1.8%付近で
はSi量を0.08% 以下、Ni3.5〜4.0%及びC
r1.5〜2.2%付近では0.13% 以下とすることに
より0℃以下とすることができる。Cr2.2%を越
え、Ni3.5%以上のものでは0.05% 以下で−5
0℃以下とすることが可能である。
響を示す線図である。図に示す如く、Si量を下げるこ
とによってFATTは低くなり高靭性が得られる。特
に、Ni2.5〜3.0%及びCr1.3〜1.8%付近で
はSi量を0.08% 以下、Ni3.5〜4.0%及びC
r1.5〜2.2%付近では0.13% 以下とすることに
より0℃以下とすることができる。Cr2.2%を越
え、Ni3.5%以上のものでは0.05% 以下で−5
0℃以下とすることが可能である。
【0101】図7は同じくFATTとAl量との関係を
示す線図である。Alの含有もFATTを高める元素である
ので、Cr2.05〜2.2%及びNi3〜4%付近、及
びCr2.2〜2.5%及びNi3.5〜4.5%付近でい
ずれも0.005% 以下で−50℃以下とすることがで
きる。Cr1.65%付近ではNi量が3.5%と高くて
もAl量を下げても0℃以下は得られにくい。
示す線図である。Alの含有もFATTを高める元素である
ので、Cr2.05〜2.2%及びNi3〜4%付近、及
びCr2.2〜2.5%及びNi3.5〜4.5%付近でい
ずれも0.005% 以下で−50℃以下とすることがで
きる。Cr1.65%付近ではNi量が3.5%と高くて
もAl量を下げても0℃以下は得られにくい。
【0102】図8は磁化力とSi量との関係を示すもの
である。図に示すようにSi量の増加は磁化力を高める
ので、低い方がよい。特に、Cr1.5〜2.5%及びN
i2.5〜4.5%付近ではSi量を0.05% 以下とす
ることにより21kGにおける磁化力500AT/cm以
下とすることができる。
である。図に示すようにSi量の増加は磁化力を高める
ので、低い方がよい。特に、Cr1.5〜2.5%及びN
i2.5〜4.5%付近ではSi量を0.05% 以下とす
ることにより21kGにおける磁化力500AT/cm以
下とすることができる。
【0103】図9に同じく磁化力とP,S,Sn,S
b,Asの総量との関係を示す線図である。これらの不
純物は磁化力を高めるので好ましくなく、500AT/
cm以下にするにはNo.4の0.0217% 以下が好まし
い。
b,Asの総量との関係を示す線図である。これらの不
純物は磁化力を高めるので好ましくなく、500AT/
cm以下にするにはNo.4の0.0217% 以下が好まし
い。
【0104】図10は同じく磁化力とAl量との関係を
示すものである。図に示す如く、Alは磁化力を高める
ので好ましくないものである。前述のCr,Ni量及び
Si0.1%以下においてAl量は500AT/cm以下
の磁化力とするには0.005%以下がよい。
示すものである。図に示す如く、Alは磁化力を高める
ので好ましくないものである。前述のCr,Ni量及び
Si0.1%以下においてAl量は500AT/cm以下
の磁化力とするには0.005%以下がよい。
【0105】図11は同じく磁化力に及ぼすSiと
(P,S,Sn,Sb,Asの総量)と乗算した値の影
響を示すもので、この値の高いものほど磁化力を高める
のでまずい。好ましくはNo.4の8.68×10-4 以下
の値にすれば500AT/cm以下とすることができる。
(P,S,Sn,Sb,Asの総量)と乗算した値の影
響を示すもので、この値の高いものほど磁化力を高める
のでまずい。好ましくはNo.4の8.68×10-4 以下
の値にすれば500AT/cm以下とすることができる。
【0106】表3は、本発明に係るロータシャフト材と
して好適なNo.2 〜4,6を高強度化した(前述の焼
戻し温度よりも5℃低くした)試料の引張試験,衝撃試
験及び磁気特性試験結果を示す。
して好適なNo.2 〜4,6を高強度化した(前述の焼
戻し温度よりも5℃低くした)試料の引張試験,衝撃試
験及び磁気特性試験結果を示す。
【0107】表から明らかなようにNo.2 〜4,6
は、引張強さ105kg/mm2 以上,0.02%耐力82k
g/mm2以上,FATT−44℃以下,磁化力400AT
/cm以下で、1200MVA級及び1300MVA級発
電機ロータシャフト材に要求される機械的性質及び磁気
特性を十分満足する。従って、本発明材に係るロータシ
ャフト材として好適な材料を用いることにより1200
MVA以上の大容量発電機が達成できる極めて顕著な効
果が得られるものであると言える。
は、引張強さ105kg/mm2 以上,0.02%耐力82k
g/mm2以上,FATT−44℃以下,磁化力400AT
/cm以下で、1200MVA級及び1300MVA級発
電機ロータシャフト材に要求される機械的性質及び磁気
特性を十分満足する。従って、本発明材に係るロータシ
ャフト材として好適な材料を用いることにより1200
MVA以上の大容量発電機が達成できる極めて顕著な効
果が得られるものであると言える。
【0108】
【表3】
【0109】本実施例における回転電機は以下に適用さ
れる。
れる。
【0110】火力、または原子力によって駆動される交
流のタービン発電機は、通常2極または4極の円筒回転
界磁形同期発電機である。
流のタービン発電機は、通常2極または4極の円筒回転
界磁形同期発電機である。
【0111】火力用タービン発電機はほとんどが2極の
高速機であり、回転速度は50Hzで3,000rpm,6
0Hzで3,600rpmとなる。これは高速のほうがター
ビンの効率が良く小形となるためである。1軸で出力を
出すタンデムコンパウンド形がほとんどであるが、大容
量機では2軸で出力を出すクロスコンパウンド形も採用
される。
高速機であり、回転速度は50Hzで3,000rpm,6
0Hzで3,600rpmとなる。これは高速のほうがター
ビンの効率が良く小形となるためである。1軸で出力を
出すタンデムコンパウンド形がほとんどであるが、大容
量機では2軸で出力を出すクロスコンパウンド形も採用
される。
【0112】原子力用タービン発電機は通常4極で1,
500rpmまたは1,800rpmで使用される。原子炉の
発生蒸気が火力に比べて多量・低温・低圧で、タービン
が長翼・低回転速度となるためである。
500rpmまたは1,800rpmで使用される。原子炉の
発生蒸気が火力に比べて多量・低温・低圧で、タービン
が長翼・低回転速度となるためである。
【0113】尚、タービン発電機の冷却方式としては前
述したように間接冷却方式と直接冷却方式があり、冷却
媒体には、空気・水素・水が主として使用される。ま
た、水素冷却は大容量で用いられ、間接・直接両方式が
あり、すべてガス冷却器が発電機本体内に組み込まれた
防爆密閉構造となる。一方、水冷却の場合は直接冷却方
式となり、大容量機では固定子・回転子の両方を水冷却
方式とすることもある。
述したように間接冷却方式と直接冷却方式があり、冷却
媒体には、空気・水素・水が主として使用される。ま
た、水素冷却は大容量で用いられ、間接・直接両方式が
あり、すべてガス冷却器が発電機本体内に組み込まれた
防爆密閉構造となる。一方、水冷却の場合は直接冷却方
式となり、大容量機では固定子・回転子の両方を水冷却
方式とすることもある。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、室温引張強さ100kg
/mm2 以上,50%破面遷移温度−44℃以下,21kG
における磁化力が500AT/cm以下の特性が得られ、
発電機容量900MVA以上の大容量発電機或いは回転
数5000rpm 以上の同期電動機がコンパクトに製造で
きる。これにより、設置面積の有効活用ができ、特に発
電においては石油,石炭,原子力のエネルギの多様化に
貢献できる。
/mm2 以上,50%破面遷移温度−44℃以下,21kG
における磁化力が500AT/cm以下の特性が得られ、
発電機容量900MVA以上の大容量発電機或いは回転
数5000rpm 以上の同期電動機がコンパクトに製造で
きる。これにより、設置面積の有効活用ができ、特に発
電においては石油,石炭,原子力のエネルギの多様化に
貢献できる。
【図1】本発明に係る回転電機用ロータシャフトの斜視
図。
図。
【図2】引張強さとCrとの関係を示す図。
【図3】引張強さと(Ni/Cr)比との関係を示す
図。
図。
【図4】引張強さとSiとの関係を示す図。
【図5】FATTとNi又はCrとの関係を示す図。
【図6】FATTとSiとの関係を示す図。
【図7】FATTとAlとの関係を示す図。
【図8】磁化力とSiとの関係を示す図。
【図9】磁化力とP+S+Sn+Sb+Asとの関係を
示す図。
示す図。
【図10】磁化力とAlとの関係を示す図。
【図11】磁化力とSi×(P+S+Sn+Sb+A
s)との関係を示す図。
s)との関係を示す図。
【図12】タービン発電機の断面図。
【図13】タービン発電機用回転子の斜視図。
【図14】回転子のスロット断面図。
1…回転子、2…固定子、3…界磁巻線、4…軸受ブラ
ケット、5…固定子フレーム、6…軸受、8…シャフ
ト、9…リティニングリング、10…クロス・スロッ
ト、11…磁極、12…ティース、13…ウェッジ、1
4…エンドタンパリング、15…カップリング、16…
スロット、17…ファン取付け用リング、18…センタ
リングリング、19…中心孔、20…ファン、21…固
定子コイル、22…ブラシ(黒鉛)、23…スリップリ
ング。
ケット、5…固定子フレーム、6…軸受、8…シャフ
ト、9…リティニングリング、10…クロス・スロッ
ト、11…磁極、12…ティース、13…ウェッジ、1
4…エンドタンパリング、15…カップリング、16…
スロット、17…ファン取付け用リング、18…センタ
リングリング、19…中心孔、20…ファン、21…固
定子コイル、22…ブラシ(黒鉛)、23…スリップリ
ング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 寛 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 石塚 達郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 昭57−207159(JP,A) 特開 昭61−190049(JP,A) 特開 平2−34724(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/46 C21D 9/28 H02K 1/02
Claims (7)
- 【請求項1】コイルを埋込む軸方向のスロットを有する
胴部,動力の伝達を授受するフランジ部及び軸受部を備
えた回転電機用ロータシャフトにおいて、該シャフトは
室温の引張強さ100kg/mm2 以上,50%破面遷移温
度−44℃以下及び21kGにおける磁化力が500A
T/cm以下である低合金鋼からなることを特徴とする回
転電機用ロータシャフト。 - 【請求項2】請求項1において、前記シャフトは前記胴
部直径が1m以上及び胴部長さが前記胴部直径の5.5
〜6.5倍であることを特徴とする回転電機用ロータシ
ャフト。 - 【請求項3】請求項1又は2において、前記該シャフト
は胴部直径D(mm)と回転数R(rpm)との関係から求めら
れる(D2×R2)の値が1.0〜3.0×107 となるよ
うに前記回転数に対して前記胴部直径を設定してなるこ
とを特徴とする回転電機用ロータシャフト。 - 【請求項4】請求項1又は2において、前記胴部直径D
(mm)は発電機容量1MVA当り0.2mmに1000mm
を加えた値以下及び前記発電機容量1MVA当り0.2m
mに900mmを加えた値とすることを特徴とする回転電
機用ロータシャフト。 - 【請求項5】コイルが埋込まれた積層鉄心からなる固定
子,該固定子内を回転し、導体コイルが埋込まれた回転
子を備え、容量900MVA以上の大容量回転電機であ
って、前記回転子は室温の引張強さ100kg/mm2 以
上,50%破面遷移温度−44℃以下及び21kGにお
ける磁化力が500AT/cmである高強度Ni−Cr−
Mo−V低合金鋼よりなるシャフトによって構成され、
該シャフト胴部直径が1.15m 以上、該胴部長さが胴
部直径の5.5〜6.5倍であり、3000rpm又は36
00rpm の回転を受けることを特徴とする大容量回転電
機。 - 【請求項6】発電機容量900MVA以上、固定子電流
が前記回転電機容量1MVA当り19〜24A、前記固
定子が直接水冷、回転子が容量1MVA当り0.003
〜0.006kg/cm2・gの水素圧力にて冷却され、前記
回転子は室温の引張強さ100kg/mm2 以上,50%破
面遷移温度−44℃以下及び21kGにおける磁化力が
500AT/cm以下である高強度Ni−Cr−Mo−V
低合金鋼よりなるシャフトによって構成され、該シャフ
トの胴部直径が1.0m 以上であることを特徴とする大
容量回転電機。 - 【請求項7】発電機定格容量が1,120,000KVA であ
り、固定子と、該固定子内を回転し、導体コイルが埋込
まれた回転子を備えた発電機であって、前記固定子は直
接水冷され、前記回転子は水素ガス冷却され、該回転子
は室温の引張強さ100kg/mm2 以上,50%破面遷移
温度−44℃以下及び21kGにおける磁化力が500A
T/cm以下である高強度Ni−Cr−Mo−V低合金鋼
よりなるシャフトによって構成され、該シャフトの胴部
直径が1.15〜1.35m及び((胴部直径)2×(胴部長
さ))によって求められるマシンサイズが9〜10m3、
前記回転子が3600rpm の回転を受けることを特徴と
する大容量発電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4059919A JP2988109B2 (ja) | 1991-03-20 | 1992-03-17 | 回転電機用ロータシャフト及びそれを用いた回転電機 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5708791 | 1991-03-20 | ||
JP3-57087 | 1991-03-20 | ||
JP4059919A JP2988109B2 (ja) | 1991-03-20 | 1992-03-17 | 回転電機用ロータシャフト及びそれを用いた回転電機 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21161297A Division JP3245094B2 (ja) | 1991-03-20 | 1997-08-06 | 回転電機用ロータシャフトの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05112847A JPH05112847A (ja) | 1993-05-07 |
JP2988109B2 true JP2988109B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=26398099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4059919A Expired - Fee Related JP2988109B2 (ja) | 1991-03-20 | 1992-03-17 | 回転電機用ロータシャフト及びそれを用いた回転電機 |
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JP (1) | JP2988109B2 (ja) |
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KR101355737B1 (ko) * | 2011-09-28 | 2014-01-28 | 현대제철 주식회사 | 형강 및 그 제조 방법 |
JP6702915B2 (ja) * | 2017-06-27 | 2020-06-03 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 振動抑制治具、およびシャフトスロット加工方法 |
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JPS5795401U (ja) * | 1980-12-02 | 1982-06-11 | ||
JPS57207159A (en) * | 1981-06-17 | 1982-12-18 | Toshiba Corp | Low pressure rotor for steam turbine |
JPS59116360A (ja) * | 1982-12-24 | 1984-07-05 | Hitachi Ltd | 耐熱鋼 |
CA1235583A (en) * | 1983-06-20 | 1988-04-26 | Marius A. Paul | Processes of intensification of the thermoenergetical cycle and air jet propulsion engines |
JPS6029453A (ja) * | 1983-07-29 | 1985-02-14 | Hitachi Ltd | 蒸気タ−ビン動翼用Cr−Νi合金 |
JPS61190049A (ja) * | 1985-02-18 | 1986-08-23 | Hitachi Ltd | 低合金鋼 |
JPH0234724A (ja) * | 1988-07-22 | 1990-02-05 | Toshiba Corp | タービンロータの製造方法 |
JPH02238129A (ja) * | 1989-03-13 | 1990-09-20 | Hitachi Ltd | 高温ガスタービン |
-
1992
- 1992-03-17 JP JP4059919A patent/JP2988109B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05112847A (ja) | 1993-05-07 |
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