JPH09322292A - スピーカ及びその製造方法 - Google Patents

スピーカ及びその製造方法

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JPH09322292A
JPH09322292A JP16050596A JP16050596A JPH09322292A JP H09322292 A JPH09322292 A JP H09322292A JP 16050596 A JP16050596 A JP 16050596A JP 16050596 A JP16050596 A JP 16050596A JP H09322292 A JPH09322292 A JP H09322292A
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JP
Japan
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damper
conductive damper
conductive
voice coil
speaker
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JP16050596A
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English (en)
Inventor
Yoshio Sakamoto
良雄 坂本
Itsuki Kawabata
五樹 川畑
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NIPPON ONKEN KK
Kenwood KK
Original Assignee
NIPPON ONKEN KK
Kenwood KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】組立てリング方式のスピーカ及びその製造方法
において、ボイスコイルの放熱効果を改良すると共に製
造時におけるセット治具が1個で済むようにしたスピー
カとその製造方法を提供することにある。 【解決手段】ダンパのコルゲーションに沿って平編錦糸
線による導電部を設けた導電ダンパを備えたスピーカの
製造方法において、導電ダンパ1外周部の貼り代部に絶
縁材からなる端子リング3を装着すると共に該端子リン
グに端子ラグを取り付け、前記導電ダンパの内周部にボ
イスコイル5を配置すると共に該ボイスコイルのコイル
ボビンの外周部に設けた電極部と前記導電ダンパの内周
部に及んだ平編錦糸線端部とを少なくとも3か所以上、
好ましくは4箇所で半田付けsしてボイスコイルと導電
ダンパとを仮固定し、ボイスコイルのコイルボビンと導
電ダンパの接合部を接着する工程に移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電ダンパを備え
たスピーカとその製造方法に係り、特にダンパのコルゲ
ーションに沿って平編錦糸線を装着することにより導電
部を設けた導電ダンパを組み込んでなるスピーカとその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】我々は先に、ダンパのコルゲーションに
沿って平編錦糸線を装着することにより導電部を設けた
導電ダンパを組み込んでなるスピーカやその製造方法等
を各種提案し、現実に実施している。
【0003】また、この場合、導電ダンパの導電部と外
部入力端子やボイスコイルとの接続配線を容易にすると
共に組立の容易化を図るために、ボイスコイル、導電ダ
ンパ、端子リング等を装着することにより組立てリング
としてユニット化したものも別に提案した(例えば、特
願平7−110298号)。
【0004】先に提案した組立てリング方式のスピーカ
及びその製造方法を図5〜図12にて説明すると、導電
ダンパ1の基布は、フェノール樹脂をメタノールで希釈
した溶液に織布をデッピングし、該織布にフェノール樹
脂を含浸させ、更に溶剤を揮発させて樹脂のタック性を
取り除いた後、所定の巾に切断してダンパ基布を得る。
【0005】次に、繊維に銅線箔を巻き付けてなる通称
錦糸線と称される導電線を任意の本数で平編状に編んだ
平編錦糸線2を得、該平編錦糸線2を前記ダンパ用基布
の切断巾の中心線から任意の寸法幅に振り分けた位置に
2本平行に糸にて縫着し、この状態で熱圧成型してコル
ゲーション11を成型する。これにより前記平編錦糸線
2がコルゲーション11に沿った形態で装着され、これ
を抜きプレスにて不要な部分を取り去って外形形状を整
へ、導電ダンパ1を得る。
【0006】従って、導電ダンパ1は2本の平編錦糸線
2が平行に縫い付けられているが、抜き工程後はダンパ
の内周部13を切断することにより、該内周部に及んだ
平編錦糸線2も切断され、2本ずつ内周部13から振り
分けられて合計4本の平編錦糸線2が平行状態で配置さ
れ、図5に示す舌辺状の凸部14側に及んだ平編錦糸線
を入力線21として使用し、反対側の平編錦糸線はダミ
ー線22として、該導電ダンパ1のコンプライアンスを
均衡させるためのバランサの役目を果たす。
【0007】また、端子リング3は基本的に任意の寸法
に設定した内径及び外径を有した所定の厚さのリング形
状のガラス繊維入りABS樹脂製であり、リング外周部
には図5〜図7に示すような舌辺状の凸部31が設けら
れると共に該舌辺部31には導電ダンパ1の外周部に及
ぶ平編錦糸線端部21bの位置に対応して端子ラグ4
a,4bを取り付けるための角穴32a,32bが設け
られている。
【0008】端子リング3の内周部に図5のように接着
剤hを所定量塗布し、所定時間乾燥させて接着材の溶剤
を揮発させた後、前記導電ダンパ1の貼り代部12と前
記端子リング3とを前記凸部14と凸部31が合致する
ようにして配置し、ダンパの貼り代部12の上部から熱
プレスして接着剤hを熱再活性させ、該貼り代部12と
端子リング3を貼り合わせる。
【0009】次に、図6のように、導電ダンパ1と端子
リング3を貼り合わせた後、端子ラグ4a,4bのカシ
メ部を前記端子リング3の穴32a,32bに挿入して
カシメる。これにより図7に示すように端子ラグ4a,
4bの一部が入力線端部21bの表側に圧接されつつリ
ング3に装着される。
【0010】ボイスコイル5は、図7のように、ボビン
51の外周部に短冊状の銅箔を前記入力線21に対応し
た位置に2カ所貼り付けてある。図示しないが、該銅箔
の下端部にコイル線の端部が接続配線されていてこの銅
箔が入力用の銅箔電極52となっており、更に該銅箔電
極52の表面はバンド紙で覆われている。このバンド紙
には図7のように所定の角穴があり、銅箔電極52の表
面の一部がその角穴から露出する構造になっている。な
お、実際の銅箔電極52の大きさは破線で示されてい
る。
【0011】前記コイルボビン51の外周部に導電ダン
パ1の内径部13を挿入して組み立てるが、導電ダンパ
1に対するボイスコイル5の垂直度の精度を確保するた
め、図7に示すようなセット治具Jが使用され、前記ボ
イスコイル5の内周部をセット治具Jの所定の位置、図
7に示すところのコイル設置部J1に挿入し、次に端子
リング3が装着されている導電ダンパ1をセット治具J
の所定の位置、図7に示すところのリング設置部J2に
設置する。このとき、導電ダンパ1の内径部13がコイ
ルボビン51の外周部に挿入されるから、コイルボビン
51の前記銅箔電極52と導電ダンパ1の内径部に及ん
だ入力線端部21aとを合わせつつ挿入する。
【0012】従って、セット治具Jに配置されたボイス
コイル5と導電ダンパ1の状態は、コイルボビン51の
外周部にダンパ内周部が接触していると共にコイルボビ
ン51の外周部の銅箔露呈部(52)と導電ダンパ1の
内周部13に及んだ入力線端部21aとが接触している
から、該接触部を図8のように半田付け(s)して固着
し、接続配線を完了する。
【0013】この状態で端子ラグ4a,4bを介して断
線の有無とコイルの抵抗値等を検査した後、コイルボビ
ン51の外周部とダンパの内径部13との接触部全周に
図9に示すように接着剤hを塗布し、所定の強度に達す
るまで接着剤hを乾燥させた後にセット治具Jから抜き
取って図10に示すような組立てリング6として完成す
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前記のような組立てリ
ング方式によるスピーカの製造方法においては配線及び
組み立てを極めて容易化することができたが、前記のよ
うに接着剤hが所定の強度、すなわちボイスコイル5が
導電ダンパ1に対して正常な垂直度を保持するために必
要な強度に達するまでの間、セット治具Jに設置した状
態で待機しなければならない。
【0015】例えば、実験的に、接着剤hを塗布した直
後、すなわち接着剤未硬化の状態の組立てリング6をセ
ット治具Jから抜き取って放置待機してみると、ほぼ1
00%の確率で導電ダンパ1とボイスコイル5が相対的
に傾斜する。すなわち、ボイスコイル5の底面を水平面
におくと導電ダンパ1が傾斜する。特に半田付けしない
ダミー錦糸線端部22a側のダンパ内径部13が、本来
接着されるべきコイルボビン51の外周部の所定位置か
ら位置ずれし、正常位置から下がった状態のまま接着剤
hが硬化するために結果的に導電ダンパ1に対してボイ
スコイル5が傾斜した装着状態となり不良品となる。
【0016】従って、組立てリング方式によるスピーカ
の製造方法においては、セット治具Jは必要不可欠のも
のであって、接着剤hが硬化するまでの待機時間分だけ
必要となり、一般的なスピーカの生産ピッチ(標準的に
は6秒前後)を前提にすると膨大な治具が必要となる。
これによって治具作製費が多くなり、機種が増えた場合
には、該治具の保管場所の確保、或いはメンテナンス等
の管理業務が繁雑となり、結果的にコストアップにな
る。
【0017】我々が先に提案した前記組立てリング方式
によるスピーカは、その一例として図11に示すような
端子リング3に配線用パターン3Pを設け、該配線パタ
ーン3Pと導電ダンパ1の外側に及んだ前記入力線端部
21a、或いは該パターン3Pと入力用端子ラグ41等
とが接続配線され、しかもボイスコイルボビン51に配
置された銅箔52の寸法を変更して、導電ダンパ1にお
ける入力端子ラグ41を配置した反対側の内周部に及ん
でいるダミー線端部22aにも接触可能なようにし、前
記銅箔電極52と入力線端部21a及びダミー線端部2
2aとの接触部を半田部sのように半田付けし、通常に
使用される入力線21の反対側に配置されたダミー線2
2を接続配線し、コンプライアンスの均衡機能しか果た
していなかったダミー線22の本来の機能である導通機
能を活用ならしめ、結果的に錦糸線の本数を増加せし
め、導電ダンパ1のコンプライアンスを変えることなく
平編錦糸線2の耐入力容量を倍増させるようにした組立
てリング6を使用したものである。
【0018】更に、通常のボイスコイルの外側に更にコ
イル線を巻き付けてなる通称ダブルボイスコイルと称さ
れるボイスコイルを使用し、図12に示すように、従来
の入力端子ラグ4a,4b以外に反対側(ダミー線22
側)にも入力端子ラグ4a,4bを配置し、これを前記
ダミー線22に接続配線して前記ダミー線22も入力線
として使用するようにし、ボイスコイル5側には、増加
されたコイル分の銅箔電極52をコイルボビン51上に
配置し、該銅箔電極52とダンパ内周部13に及んだ平
編錦糸線端部22aとを半田付けして組立てリング6を
構成したスピーカも別に提案し、実際に量産試験を行っ
た。
【0019】前記の構造のスピーカの特徴は、通常に使
用される入力線21の反対側に配置されたダミー線22
も入力線として接続配線され、コンプライアンスの均衡
機能しか果たしていなかったダミー線22を本来の機能
である導通機能を活用する点にある。
【0020】従って、コイルボビン51の銅箔電極52
と導電ダンパ1の内周部13側との半田付け箇所は、入
力線端部21aが2箇所、ダミー線端部22aが2箇所
で計4箇所で半田付けされていることとなり、しかもこ
の形態を平面側から見るとコイルボビン51の円周をほ
ぼ4分周した位置で固着される状態となる。
【0021】この形態を入力線21側だけの2箇所で半
田付けしたものと比較すると、半田付けのみを施した状
態、すなわち接着固定の前の状態でも充分な仮止め効果
があり、特に大きな外圧を掛けない限りボイスコイル5
は所定の位置に保持されていることが確認された。
【0022】従って、量産時において、ボイスコイル5
及び端子リング付き導電ダンパ1をセット治具Jに設置
した後、入力線21,22と銅箔電極52とを4箇所で
半田付けし、接着剤hを塗布した直後にセット治具Jか
ら抜き取り、接着剤hが硬化するまで放置待機しても、
導電ダンパ1に対するボイスコイル5の垂直度は保持さ
れ、実際上、ボイスコイル5の垂直度を測定しても実用
上問題がないことが判明した。従って、セット治具Jは
ボイスコイル5と導電ダンパ1の組立て用の1個だけで
量産が可能である。
【0023】そこで本発明の目的は、従来のように、入
力線端部だけ半田付けしてなる組立てリング、すなわ
ち、入力用の2カ所の半田付けだけで、コンプライアン
スの均衡機能のために配置された反対側のダミー線は半
田付けしない構造の組立てリングにも4カ所半田付けす
る手段を応用し、セット治具はボイスコイルと導電ダン
パの組立て用の1個のみで量産可能ならしめるようにし
たスピーカとその製造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】そこで本発明のスピーカ
は、ダンパのコルゲーションに沿って2本の平編錦糸線
をほぼ平行に装着して導電部を設けた導電ダンパを備
え、一対の平編錦糸線が音声信号入力用の導通機能を有
すると共に他方の一対の平編錦糸線が導通機能を有さず
にコンプライアンス均衡機能を有しているスピーカであ
って、導電ダンパの内周部に及んだ平編錦糸線の端部と
コイルボビンの外周部に設けた銅箔電極部とを少なくと
も3か所以上、好ましくは4箇所で半田付したものであ
る。
【0025】また、本発明のスピーカの製造方法は、ダ
ンパのコルゲーションに沿って平編錦糸線を装着するこ
とにより導電部を設けた導電ダンパを備えたスピーカの
製造方法において、導電ダンパの外周部に設けられた貼
り代部に樹脂等の絶縁材からなる端子リングを装着する
と共に該端子リングに端子ラグを取り付け、前記導電ダ
ンパの内周部にボイスコイルを配置すると共に該ボイス
コイルのコイルボビンの外周部に設けた銅箔等からなる
入力用の電極部と前記導電ダンパの内周部に及んだ平編
錦糸線端部とを少なくとも3か所以上、好ましくは4箇
所で半田付けしてボイスコイルと導電ダンパとを仮固定
し、前記導電ダンパの外周部に及んだ平編錦糸線端部と
端子ラグとを配線接続した後、ボイスコイルのコイルボ
ビンと導電ダンパの接合部を接着する工程に移行するこ
とを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の態様】本発明のスピーカ及びその製造方
法の実施例を図1〜図4に基づいて説明するが、図5〜
図12に基づいて説明した我々提案の先のスピーカと同
一構成部分については同一符号を付した。
【0027】導電ダンパ1の基布は従来のもの基本的に
同様であり、フェノールとメタノールの割合が約1:
4.5の割合で希釈した溶液に通称コーネックスと呼ば
れている繊維からなる織布をデッピングし、更に該織布
にフェノール樹脂を含浸させ、溶剤を揮発させて樹脂の
タック性を取り除いた後、所定の巾に切断してダンパ基
布とした。
【0028】一方、錦糸線は母線径0.1mmの錫合金
銅線を巾0.32mm、厚さ0.027mmの箔に加工
し、太さ200デニールのパラ系アラミド繊維に22±
2回/cmで1層にて巻き付けた錦糸線とし、この錦糸
線を13本組にして編組ピッチ27.45±0.82m
m/回にて平編状に編み、巾約2.2mm、厚さ0.4
4mm、電気抵抗0.48Ω/Mの平編錦糸線2を得
た。
【0029】この平編錦糸線2を前記ダンパ用基布の切
断巾の中心線から10.5mm、(ピッチ約21mm)
に振り分けた位置に2本平行にコーネックス#40と称
される糸にて縫い付け、これを図5で既に説明したよう
に熱圧成型して同芯円状のコルゲーション11を一体成
型した。これにより平編錦糸線2はコルゲーション11
に沿って装着された形態となる。
【0030】次に、抜きプレスにて不要な部分を取り去
って外形形状を整へ、平編錦糸線2をコルゲーション1
1に沿った状態で装着した導電ダンパ1を得た。このと
きの形状寸法は、外直径が78mm、コイルボビン51
との接合部たる内径部13の直径が26.3mmで、コ
ルゲーション11は深さ約2.4mmのものを前記内径
13近傍より約2.8mmピッチで7個配置され、外周
部には約8.5mmの貼り代部12が設けられており、
更に貼り代部12の外側に該ダンパの中心から42.5
mmで幅28mmの舌辺状凸部14を設け該凸部14に
入力線21が及び反対側にダミー線22が及んでいる。
【0031】また、端子リング3は、内径69.6m
m、外径79、2mmのリングで外周部に図5で説明し
たように、幅29mm、長さ7.7mmの舌辺状の凸部
31を設けてある。この端子リング3の厚さは本実施例
では2mmであり、材質はガラス繊維入りのABS樹脂
にて作製した。
【0032】前記舌辺部31には該端子リング3の中心
線に直交する舌辺部31の中心線上に、該端子リング3
の中心線から振り分け、前記導電ダンパ1に装着した平
編錦糸線2の取付けピッチと同寸法の21mmの位置
に、2mm角と2.5mm角の入力端子ラグ取付け用の
角穴32a,32bを図5のように設け、2mm角の角
穴32aはプラス側端子ラグ4a用とし、2.5mm角
の角穴32bはマイナス側端子ラグ4b用とした。
【0033】端子リング3の内周部に、図5で説明した
ように、ゴム系の接着剤hを所定量塗布し、所定時間乾
燥させて接着材の溶剤を揮発させた後、前記導電ダンパ
1の貼り代部12に、前記凸部14と凸部31とが合致
するようにして配置し、ダンパの貼り代部12の上部か
ら熱プレスして接着剤hを熱再活性させ、貼り代部12
と端子リング3を貼り合わせる。
【0034】更に、図6で説明したように、端子ラグ4
1a,41bのカシメ部を端子リング3の穴32a,3
2bに挿入した後、カシメると図1〜図3に示すように
端子ラグ4a,4bの一部が導電ダンパの凸部14に及
んだ入力線端部21の表側に圧接されつつ端子リング3
に装着される。
【0035】ボイスコイル5はコイルボビン51に設け
た銅箔電極52が厚さ約8μで寸法は従来のものよりも
若干異なる以外は基本的に従来のものと全く同様のもの
である。すなわち、従来のものは長さ11mm、幅10
mmに対して長さ23mm、幅10mmとサイズアップ
されており、この一対の銅箔電極52を図1のように導
電ダンパ1の内周部13に及んでいる入力線端部21a
とダミー線端部22aに対応し、接触可能な位置に貼り
付けてある。
【0036】組み立て方法は従来と同様であり、図1に
示すセット治具Jが使用され、このコイル設置部J1に
ボイスコイル5を挿入し、次に端子リング付き導電ダン
パ1をリング設置部J2に設置する。このとき、導電ダ
ンパ1の内径部13がコイルボビン51の外周部に挿入
されるから、コイルボビン51の外周部に設けた銅箔電
極52と、導電ダンパ1の内周部13に及んでいる入力
線端部21a及びダミー線端部22aとを合わせつつ挿
入する。
【0037】前記のように、銅箔電極52の寸法が入力
線21と反対側の内径部13に及んでいるダミー線端部
22bも接触可能なようにサイズアップされているた
め、銅箔電極52の表面に入力線端部22aとダミー線
端部22bが接触する。従って、該接触部を図2の半田
付け部sで示すように半田付けする。この形態は4カ所
が半田付けされた構造となり、しかもコイルボビン51
の外周部を略四等分した位置、すなわち図3の平面図に
示すような位置で導電ダンパ1の内周部13を固着する
状態となる。
【0038】この状態で前記端子ラグ4a,4bにテス
タのプローブを接触させ、断線の有無とコイルの抵抗値
等を検査した後、組立てリング6をセット治具Jから抜
き出し、接着剤自動塗布機の塗布治具に設置して図4に
示すようにコイルボビン51の外周部と導電ダンパ1の
内径部13との接触部全周に接着剤hを塗布し、これに
より前記接触部を接着すると同時にコイルボビン51の
外周部の前記半田付け部sをも覆う。接着剤の塗布量は
0.25g±2%であって、接着剤hは商品名がハード
ロックG53と称され、スピーカ製造では一般的に多用
されているアクリル系2液混合タイプの接着剤である。
【0039】この状態で接着剤未硬化状態の組立てリン
グ6をセット治具Jから抜き出し、接着剤硬化工程に移
行するが、本実施例の場合、ベルト幅が約150mmで
長さ約3000mmのコンベアを設置し、該コンベアの
ベルト表面を高さ約100mm、幅約200mm、長さ
約2000mmのフードで覆い、該フードの先端部に温
風装置を設置し、該温風装置より流出される約40℃〜
60℃の温風を前記フード入口より導入し、該フードの
入口から出口に達するベルト表面近傍の雰囲気温度を約
50℃〜40℃に設定せしめ、ベルトスピードを約1
3.5mm/秒に設定した温風ベルトコンベアを使用し
た。
【0040】塗布治具より取り出した接着剤未硬化状態
の組立てリング6を、約6秒間隔(約81mmピッチ)
にて前記温風ベルトコンベア上の先端部近傍に移載する
と、約3分40秒程でベルトコンベア後端部までボイス
コイル5を傾けることなく移動し、その間の約2分30
秒程を前記温風フード内を通過することとなる。従っ
て、前記接着剤hは導電ダンパ1に対して所定の垂直度
を保ちつつ極めて良好な状態で硬化し、図4に示すよう
な接着剤が完全に硬化した組立てリング6が得られた。
【0041】なお、本実施例においては、前記のような
温風ベルトコンベアを使用したが、生産方法は自由であ
り、バッジ方式を採用しても所期の目的を達することが
でき、製造用スペースがあれば温風炉を使用しないで実
施することができるのは勿論である。
【0042】前記のような構成の組立てリング6をスピ
ーカフレーム(図示しない)に取り付けると共に振動板
を取り付けてスピーカユニットが製造される。一般に、
ボイスコイルにパワーが加えられるとボイスコイルが発
熱し、この熱がコイル線の有する耐熱温度を越えると、
コイル線の表面にコートした絶縁層及び接着層を破壊し
ショートして断線するが、前記のような構造にすると、
コイルボビン51表面のかなりの部分に銅箔電極52が
設けられ、しかもこの銅箔電極52にダミー線端部22
aが半田付けされていることにより、コイルボビン51
に対して放熱器を設けた構造になり、ボイスコイル5か
らの発熱を効率よくボイスコイル5から逃がすことがで
き、耐入力性が向上する。
【0043】すなわち、ボイスコイル5からの熱がコイ
ルボビン51に伝わり、更に該熱が銅箔電極52及びダ
ミー線22に伝わって最終的に大気中に放熱する。しか
も銅箔電極52及びダミー線22は熱伝導性が極めて良
好な銅製であり、入力線21と異なって全く導通機能を
果たしておらず、発熱源である電気が流れていないため
放熱効果は極めて大きい。
【0044】しかも、平編錦糸線2からなるダミー線2
2は前記のようにダンパコルゲーション11の表面を沿
った状態で装着されているので、このダミー線22もコ
ルゲーション形状を有し、且つ幅約3ミリ程の帯状にて
装着されているため、ダミー線22の表面と大気の接触
面積は、通常一般的に使用されている直線紐状の錦糸線
よりも大きく、また、ダンパコルゲーション11に密着
しているダミー線22は熱を導電ダンパ1に伝えるため
導電ダンパ1が放熱板となり、極めて大きな放熱効果
(特に大振幅時において)を発揮し、更にダミー線端部
22aと銅箔電極52を半田付けすることで、従来熱伝
導性の悪い接着剤hで繋がれていたダミー線端部22a
と銅箔電極部52が熱伝導性が良好な金属で繋がれ、銅
箔電極52からの熱が極めて良好にダミー線22に伝わ
り、放熱性が一層良好となって耐入力性が向上すること
が判明した。
【0045】なお、実施例においては、組立てリング6
を使用したスピーカの例で説明したが、組立てリング6
を使用しない場合も同様である。すなわち一般的な導電
ダンパ1を使用したスピーカ等においても同様であり、
通常の入力線端部と銅箔電極の半田付け以外に、ダミー
線端部22aと銅箔電極52を半田付け(4箇所の半田
付け)することにより、更に放熱性が良好となり、耐入
力性が向上する効果がある。また、前記構成例では半田
付けを4箇所としたが、3箇所であっても実施が可能で
ある。
【0046】
【発明の効果】本発明に係るスピーカの製造方法によれ
ば、入力線端部の2箇所の半田付けとコンプライアンス
の均衡機能のために配置された反対側のダミー線端部の
半田付けの合計4箇所が半田付けされて仮固定されるか
ら、導電ダンパの内径部とボイスコイルとの接合部を接
合するための接着剤塗布工程に移行するに際し、導電ダ
ンパの内周部がコイルボビンの外周部の所定位置から位
置ずれしたりすることはなく、セット治具はボイスコイ
ルと導電ダンパの組み立て用の1個だけで量産が可能と
なる。
【0047】本発明のスピーカによれば、ボイスコイル
自体の放熱効果及び導電ダンパの放熱効果を期待するこ
とができ、放熱性が一層良好となって耐入力性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカにおける導電ダンパ、ボイス
コイル及び端子リングの組立て前の形態を示す分解斜視
図。
【図2】導電ダンパ、ボイスコイル及び端子リングをセ
ット治具にセットして組み立てた状態を示す斜視図。
【図3】組立てリングにおける導電ダンパとボイスコイ
ルの半田付け位置を示す平面図。
【図4】組立てリングの斜視図。
【図5】従来例として示す我々の先の提案に係る組立て
リングの組立て前の斜視図。
【図6】従来例における組立てリングの端子ラグ取付け
状態を示す斜視図。
【図7】従来例における導電ダンパ、ボイスコイル及び
端子リングのセット治具へのセット状態を示す分解斜視
図。
【図8】従来例における組立てリングの組立て状態を示
す斜視図。
【図9】従来例における接着剤塗布状態を示す斜視図。
【図10】従来例における組立てリングの斜視図。
【図11】従来例における組立てリングの他の構成例を
示す斜視図。
【図12】従来例における組立てリングの更に他の構成
例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 導電ダンパ 11 ダンパコルゲーション 12 ダンパ貼り代部 13 ダンパ内周部 14 ダンパの舌辺状凸部 2 平編錦糸線 21 入力線 21a 入力線端部(内周部側) 21b 入力線端部(凸部側) 22 ダミー線 22b ダミー線端部(内周部側) 3 端子リング 31 端子リングの舌辺状凸部 32a 入力端子ラグ取り付け用穴(プラス側) 32b 入力端子ラグ取り付け用穴(マイナス側) 4a 入力端子ラグ(プラス側) 4b 入力端子ラグ(マイナス側) 5 ボイスコイル 51 コイルボビン 52 銅箔電極 6 組み立てリング J セット治具 J1 セット治具コイル挿入部 J2 セット治具端子リング設置部 h 接着剤 s 半田付け部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダンパのコルゲーションに沿って2本の
    平編錦糸線をほぼ平行に装着して導電部を設けた導電ダ
    ンパを備え、一対の平編錦糸線が音声信号入力用の導通
    機能を有すると共に他方の一対の平編錦糸線が導通機能
    を有さずにコンプライアンス均衡機能を有しているスピ
    ーカであって、導電ダンパの内周部に及んだ平編錦糸線
    の端部とコイルボビンの外周部に設けた銅箔電極部とが
    少なくとも3か所以上、好ましくは4箇所で半田付けさ
    れていることを特徴とするスピーカ。
  2. 【請求項2】 ダンパのコルゲーションに沿って平編錦
    糸線を装着することにより導電部を設けた導電ダンパを
    備えたスピーカの製造方法において、導電ダンパの外周
    部に設けられた貼り代部に樹脂等の絶縁材からなる端子
    リングを装着すると共に該端子リングに端子ラグを取り
    付け、前記導電ダンパの内周部にボイスコイルを配置す
    ると共に該ボイスコイルのコイルボビンの外周部に設け
    た銅箔等からなる入力用の電極部と前記導電ダンパの内
    周部に及んだ平編錦糸線端部とを少なくとも3か所以
    上、好ましくは4箇所で半田付けしてボイスコイルと導
    電ダンパとを仮固定し、前記導電ダンパの外周部に及ん
    だ平編錦糸線端部と端子ラグとを配線接続した後、ボイ
    スコイルのコイルボビンと導電ダンパの接合部を接着す
    る工程に移行することを特徴とするスピーカの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009044346A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Kenwood Corp スピーカユニット組立て治具、及び組立て方法
KR20210018657A (ko) * 2019-08-08 2021-02-18 주식회사 이엠텍 음향 발생 액츄에이터

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