JPH09317675A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、部品点数を増加することなく、簡
単な構成により、冷媒ガス中のオイルを効果的に分離で
き、オイル吐出量の少ない高性能なスクロール圧縮機を
提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、密閉容器１内に電動要素１０と
スクロール圧縮要素２０とを収納してなり、前記密閉容
器１に該容器内へガスを導入する吸入管８Ａを装着して
いるスクロール圧縮機において、前記吸入管８Ａの容器
内への開口８Ｂは、前記電動要素１０のローター１２の
端面１２ａと対向して配置されている構成としたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は空気調和機や冷凍
機に使用され、オイル吐出量の低減を可能としたスクロ
ール圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のスクロール圧縮機は、密
閉容器内に、電動要素とこの電動要素により駆動される
スクロール圧縮要素とを収納してなり、前記スクロール
圧縮要素は、鏡板に渦巻き状のラップを立設させた第１
のスクロールと、この第１のスクロールに対向してかみ
合う鏡板に渦巻き状のラップを立設させた第２のスクロ
ールと、この両スクロールで形成される複数の圧縮空間
を外方から内方に向かって次第に縮小させて圧縮を行う
ように前記スクロールを駆動させるオルダムリング及び
回転軸とから構成されている。

【０００３】ここで、前記密閉容器には、該容器内へ冷
媒ガスを導入するための吸入管が装着されている。ま
た、密閉容器内の底部にはスクロール圧縮要素の各摺動
部を潤滑するオイルが貯留されている。

【０００４】そして、前記吸入管から密閉容器内へ導入
された冷媒ガスは、該容器内の空間へ拡散した後、スク
ロール圧縮要素の吸入部へ導かれ圧縮される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来構造のスクロール圧縮機は、吸入管を介して密閉
容器内へ導入された冷媒ガスが該容器内へ拡散する構造
であるため、冷媒ガス中に含まれているオイルが十分に
分離できない状態でスクロール圧縮要素に吸入され吐出
されてしまうため、オイル吐出量が増加し、潤滑不良を
来招するという問題があった。

【０００６】この問題に対処するために、密閉容器内へ
導入されたガスの流れを下向きに設定したり、ガスの流
路を長く設けたりしてオイルの分離作用を促進させた構
造が種々提案されているが、十分なものではなかった。

【０００７】この発明は、部品点数を増加することな
く、簡単な構成により、冷媒ガス中のオイルを効果的に
分離でき、オイル吐出量の少ない高性能なスクロール圧
縮機を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、密閉容器内
に電動要素とスクロール圧縮要素とを収納してなり、前
記密閉容器に該容器内へガスを導入する吸入管を装着し
ているスクロール圧縮機において、前記吸入管の容器内
への開口は、吸入されるガスの流れと前記電動要素のロ
ーターの端面にローターの回転に依って発生する、ロー
ターまわりのガスの流れが互いに減速するように対向し
て配置されている構成としたものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を図面
に基づいて詳細に説明すると、図１はこの発明に係る横
型スクロール圧縮機の全体構成を示すものである。

【００１０】密閉容器１は、円筒状ケース２と、このケ
ース２の左右両端部に被冠された上下両エンドキャップ
３，４とで形成される。前記円筒状ケース２の左右両端
部側には、主軸受部材となるメインフレーム６と副軸受
部材となる軸支部材７とがシール状態にて固着されてい
る。この軸支部材７とエンドキャップ４との間には低圧
室１Ａと高圧室１Ｃを形成しており、軸支部材７とエン
ドキャップ３との間にはオイル溜室１Ｂを形成してい
る。そして、前記低圧室１Ａ内の前記メインフレーム６
と軸支部材７との間には電動要素１０が、メインフレー
ム６とエンドキャップ４との間には電動要素１０によっ
て駆動されるスクロール圧縮要素２０が各々収納されて
いる。

【００１１】前記電動要素１０は、固定子１１と、この
固定子１１に回転自在に挿嵌される回転子１２と、この
回転子１２の中心軸を形成する回転軸１３とから構成さ
れていて、この回転軸１３の左右両端部１３ａ，１３ｂ
側は、前記メインフレーム６及び軸支部材７に軸受部材
を介して回転自在に軸支されている。

【００１２】また、前記スクロール圧縮要素２０は、左
右に相対向する固定スクロール２１と揺動スクロール３
１とからなり、この固定スクロール２１の鏡板２２に形
成したインボリュート歯２３を、前記揺動スクロール３
１の鏡板３２に形成したインボリュート歯３３とを互い
に噛み合わせることにより、複数の圧縮空間が外方から
内方に向かって次第に縮小するような圧縮室Ｐを形成し
ている。

【００１３】そして、前記揺動スクロール３１は、前記
電動要素１０の駆動軸１３の偏心端部１３ａと連動させ
て、前記メインフレーム６に偏心回転自在に軸支され、
オルダム継手２０Ａによって、前記揺動スクロール３１
を前記固定スクロール２１に対して自転しないよう公転
させて偏心運動させている。

【００１４】８Ａはエンドキャップ３に固定された吸入
管であり、前記軸支部材７の穴７Ａを貫通して低圧室１
Ａに臨んでいる。

【００１５】そして、低圧室１Ａ内に吸入管８Ａから直
接導入される低圧な冷媒ガスは、スクロール圧縮要素２
０に設けた吸込口２１ａを通って前記圧縮室Ｐ内に導入
されて圧縮され、この圧縮された高圧な冷媒ガスは前記
固定スクロール２１に設けた吐出ポート２４から前記吐
出室１Ｃに吐出され、さらに、前記エンドキャップ４に
設けた吐出管１８から前記密閉容器１の外部に吐出させ
るようになっている。

【００１６】即ち、前記スクロール圧縮要素２０におけ
る固定スクロール２１の吐出ポート２４の吐出側面に
は、前記エンドキャップ４に被われて吐出室１Ｃが形成
されており、この吐出室１Ｃを介して前記吐出ポート２
４から吐出する高圧な冷媒ガスを吐出管１８から吐出さ
せるようになっている。

【００１７】前記オイル溜室１Ｂに収容されたオイル
は、前記電動要素１０の回転軸１３の他端の偏心部１３
ｂを軸支する軸支部材７の軸支部位に設けたオイルポン
プ４２の吸込管４３から吸い込まれて各軸受摺動部位に
給油されるようになっている。

【００１８】前記吸入管８Ａの開口８Ｂは、前記電動要
素１０のローター１２の端面１２ａにローターの回転に
依って発生するローターまわりのガスの流れと対向して
配置されている。

【００１９】このように構成されたスクロール圧縮機に
おいて、前記吸入管８Ａの開口８Ｂは、前記電動要素１
０のローター１２の端面１２ａにローターの回転に依っ
て発生するローターまわりのガスの流れと対向して配置
されているため、ローターまわりのガスの流れと吸入ガ
スの流れの速度が互いに減速しローターまわりのガス中
に飛散しているオイルと吸入されるガス中のオイルを効
果的に分離でき、オイル吐出量を低減できる。

【００２０】また、図２は他の実施例を示したものであ
り、圧縮機の全体構成は図１に示した実施例と同様であ
るため同符号を付して説明を省略するが、異なる構成
は、前記吸入管８Ｃを容器２に低圧室１Ａに延びるよう
に設けると共に、その開口８Ｄを、図１の実施例と逆側
となるローター１２の端面１２ｂにローターの回転に依
って発生するガスの流れと対向して配置したものであ
る。

【００２１】この場合もローター１２の端面１２ｂ側か
ら飛散するオイルを効果的に分離できる。

【００２２】

【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
は吸入管の開口が、電動要素のローターの回転に依って
発生する、ローターまわりのガスの流れに対向して配置
されているため、ローターまわりのガスの速度と吸入ガ
スの速度が互いに減速し、吸入ガス及びローターまわり
のガス中のオイルを効果的に分離でき、オイル吐出量を
低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明に係るスクロール圧縮機の全体構成
を示す縦断側面図である。

【図２】 他の実施例を示すスクロール圧縮機の全体構
成を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 密閉容器 ６ メインフレーム ７ 軸支部材 １０ 電動要素 １２ ローター １２ａ、１２ｂ 端面 １３ 回転軸 ２０ スクロール圧縮要素 ２１ 固定スクロール ２３ インボリュート歯 ３１ 揺動スクロール ３３ インボリュート歯 Ｐ 圧縮室

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 勝毅 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】密閉容器内に電動要素とスクロール圧縮要
   素とを収納してなり、前記密閉容器に該容器内へガスを
   導入する吸入管を装着しているスクロール圧縮機におい
   て、前記吸入管の容器内への開口は、前記電動要素のロ
   ーターの端面と対向して配置されていることを特徴とす
   るスクロール圧縮機。