JPH0931739A - 多錘溶融混合紡糸方法及び多錘溶融混合紡糸装置 - Google Patents

多錘溶融混合紡糸方法及び多錘溶融混合紡糸装置

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JPH0931739A
JPH0931739A JP18517595A JP18517595A JPH0931739A JP H0931739 A JPH0931739 A JP H0931739A JP 18517595 A JP18517595 A JP 18517595A JP 18517595 A JP18517595 A JP 18517595A JP H0931739 A JPH0931739 A JP H0931739A
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JP
Japan
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flow
melt
spinning
mixing
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JP18517595A
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English (en)
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Takashi Akita
隆 秋田
Hideo Sakakura
秀夫 坂倉
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】改質剤成分を混合して溶融紡糸する際、均一に
混合することが困難であり、その混合斑に起因する染色
斑が生じる。本発明はかかる課題を解決することを目的
としている。 【解決手段】主成分ポリマー流を主押出機(1) から供給
して、二軸押出機(2)から第2の計量ポンプ(6) を介し
て供給される50トール以下に減圧された280℃、剪
断速度100〜1,000sec -1における溶融粘度が4
00〜100,000ポイズである溶融改質剤成分流を
合流させて複合流となした直後に、第1静止型混合攪拌
素子(8) を通過させ、次いで2流路以上に順次分岐させ
て最終的な各流路末端部に設置された第2の静止型混合
攪拌素子(10)を通過させ、その通過後に各流路末端に配
設された第1の各計量ポンプ(11)によって複合流を計量
し、紡糸口金を装備した各紡糸パック(12)を経て繊維を
紡出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ポリマーと改質剤
とを溶融して混合する際の、多錘溶融混合紡糸方法及び
その紡糸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性ポリマーに各種の改
質剤を添加することにより、繊維性能の改良、繊維への
特殊機能の付与、繊維製品の風合、染色性の改良などの
多様な試みがなされてきた。
【0003】この場合の改質剤の添加方法としては、次
の3通りに大別できる。 熱可塑性ポリマーの重合時又はチップ化前に添加す
る方法。 改質剤を高濃度に含むマスターバッチを予め作成し
ておき、紡糸時にベースポリマーとブレンドする方法。 溶融紡糸時に、押出機を出た後のポリマー流中に改
質剤成分流を注入する方法。
【0004】これらのうち、多品種生産体制に適した最
も効率のよい方法としてはを挙げることができる。ま
た、このの方法は、改質剤が受ける熱履歴も最も少な
いために、改質剤の熱劣化を防ぐ意味でも好ましい方法
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、の方法によれ
ば、2種類のポリマーを溶融混合する場合とは異なり、
一般的に改質剤成分流の方がポリマー流に較べて溶融粘
度がかなり低く、更には一般的に改質剤自身のポリマー
への添加量が少ないために、両者を均一に混合して、斑
のない繊維を安定に紡糸することが難しいという問題が
ある。
【0006】特に、熱可塑性ポリマーが押出機を出た後
のポリマー配管中に改質剤成分流を注入し、その後ポリ
マー流路を多段に分岐させていくような多錘溶融混合紡
糸方法においては、最終的な流路末端数、即ち紡糸パッ
ク数が多いため、全紡糸錘にわたって均一で混合斑のな
い繊維を安定して製造するということは困難な状態にあ
った。
【0007】殊に、通常のマルチフィラメントを紡糸す
る場合には、形成された繊維に、紡糸錘毎の染色斑が生
じるという致命的な問題点があった。
【0008】本発明は上述の問題点を解決するためにな
されたものであり、特に、押出機を出た後の熱可塑性ポ
リマー流中に少量の改質剤成分流を注入し、その後に流
路を分岐させていく多錘溶融混合紡糸において、全紡糸
錘にわたって改質剤の混合斑がなく、従って染色斑も生
じない高品質のマルチフィラメントを安定して製造する
ことを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本件方法の発明は、上述
した課題を解決するために次のような構成を採用してい
る。即ち、多錘溶融混合紡糸方法であって、主成分ポリ
マー流を主押出機から供給すること、280℃、剪断速
度100〜1,000sec -1における溶融粘度が400
〜100,000ポイズである溶融改質剤成分流を、5
0トール以下まで減圧可能な脱気孔を有する二軸押出機
から第2の計量ポンプを介して供給すること、主押出機
から供給される主成分ポリマー流と二軸押出機から供給
される溶融改質剤成分流とを合流させてひとつの複合流
となした直後に、第1静止型混合攪拌素子を通過させる
こと、該複合流を2流路以上に順次分岐させて最終的な
各流路末端部に設置された第2の静止型混合攪拌素子を
通過させること、その通過後に各流路末端に配設された
第1の各計量ポンプによって複合流を計量し、紡糸口金
を装備した各紡糸パックを経て改質剤が混合された繊維
を紡出することを含んでなることを特徴としている。
【0010】本発明においては、前記紡出糸条を500
0m/分以下の速度で、未延伸糸として巻き取り、巻き
取った未延伸糸を通常の延伸工程により、延伸糸とする
ことができる。また、紡出された糸条を主成分ポリマー
のガラス転移点以下の温度に一旦冷却し、引き続き該糸
条をガラス転移温度以上で且つ融解温度未満に加熱した
帯域中を非接触で走行させて延伸し、3,000m/分
以上の速度で巻取ることにより、延伸糸を一段階で得る
こともできる。加工コストの観点から一段階で延伸糸を
得る方法がより好ましい。
【0011】また、本件の多錘溶融混合紡糸装置に係る
発明は、主成分ポリマーを押し出す主押出機と、280
℃、剪断速度100〜1,000sec -1における溶融粘
度が400〜100,000ポイズである溶融改質剤成
分を押し出す50トール以下まで減圧可能な脱気孔を有
する二軸押出機と、同二軸押出機から押し出される溶融
改質剤成分流を計量する第2の計量ポンプと、同第2の
計量ポンプを介して供給される溶融改質剤成分流を前記
主押出機から供給される主成分ポリマー流に合流させる
合流部と、同合流部に隣接する下流側流路に介装される
第1静止型混合攪拌素子と、同第1静止型混合攪拌素子
の下流側流路を2流路以上に多段に分岐した多数の複合
流分岐流路と、各分岐流路の流路末端部のそれぞれに順
次配設された第2の静止型混合攪拌素子及び第1の計量
ポンプと、第1の各計量ポンプによって計量された多数
の複合流を紡出する紡糸口金を装備した多数の紡糸パッ
クとを備えてなることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の代表的な実施の形
態を図面に基づき作用と共に更に具体的に説明する。図
1は本発明の多錘溶融混合紡糸装置の一実施形態を示す
概略図である。
【0013】主押出機1より供給される主成分ポリマー
流に対して、スクリューフィーダ2と振動フィーダ3を
介して二軸押出機4より供給される溶融改質剤成分流を
第2計量ポンプ6を経て合流点7において合流させて複
合流とする。この際、改質剤は、二軸押出機4において
2つのスクリューにより溶融混練される間に、50メー
トル以下まで減圧され、脱気孔5より脱気される。
【0014】該複合流は第1の静止型混合攪拌素子8を
通過し、第1の計量ポンプ11の数と同数になるまで流
路が分岐される。そして、該複合流が第1の計量ポンプ
11を通過する直前に、第2の静止型混合攪拌素子10
を通過して、更に各紡糸パック12に供給され、改質剤
が混合された繊維が紡出される。
【0015】2種類のポリマーを溶融混合する場合とは
異なり、一般的に改質剤成分流の流量が少ないために、
両者を均一に混合するためには、主成分ポリマー流及び
改質剤成分流の合流点7と第1の静止型混合攪拌素子8
の流入口との間の距離は出来るだけ短くした方が好まし
い。実際には50cm以内であることが好ましく、30
cm以内とすることがより好ましい。
【0016】改質剤は、一般的には熱可塑性ポリマーと
非相溶性であることが多いために、一旦静止型混合攪拌
素子8を通過させて両者を混練してからポリマー中に均
一に分散させても、配管中を流れる間に改質剤が再凝集
する傾向にあり、その不均一分散の結果、紡出された糸
条が紡糸錘毎に染色性等の異なる場合がある。従って、
多錘紡糸の場合には、最終的な流路末端に第2の静止型
混合攪拌素子10が必要となる。この場合の、第2の静
止型混合攪拌素子10の位置も、前述したような理由か
ら、同静止型攪拌素子10の流出口から第1の計量ポン
プ11の流入口までの距離を50cm以内とすることが
好ましく、30cm以内とすることが更に好ましい。
【0017】また、改質剤は一般的に熱可塑性ポリマー
とは異なり、曳糸性に乏しいので、ポリマー中に多量に
混合すると、紡糸安定性を損なうおそれがある。主成分
ポリマーに対する改質剤の混合割合は0.5乃至10重
量%が好ましい。
【0018】また、本発明においては、減圧可能な二軸
押出機を改質剤のサイドフィードプロセスとして用いて
いることにより、従来使用困難であった高粘度の改質剤
を主成分ポリマー流に溶融添加することが可能となる。
本発明によれば、主成分ポリマー流と改質剤とが均一に
混合された斑のない繊維を安定に溶融紡糸することが可
能となる。
【0019】高溶融粘度型の改質剤の一例を挙げれば、
ポリアルキレンオキサイド、イソフタル酸、アジピン
酸、5−ナトリウムイソフタル酸等を共重合の非重合ポ
リエステル、イソフタル酸、ビス(3−メチル−4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、ω−ラウロラクタム等を
非重合の非晶性ポリアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリカーボネート等の高溶融粘度の高分子量の
ポリマーを改質剤として適用することも可能である。
【0020】ただし、本発明においては、二軸押出機に
より溶融供給する溶融改質剤成分流の280℃における
溶融粘度を、剪断速度100〜1,000sec-1にお
いて400〜100,000ポイズとする必要がある。
溶融粘度が400ポイズ未満或いは100,000ポイ
ズを越えると、紡糸時の安定性が著しく不良になるだけ
でなく、混合斑も生ずる。
【0021】本発明において用いられる静止型混合攪拌
素子は、駆動部分を全くもたない混合装置であり、流路
内に静置された流路交換素子により、流体の流れを分
割、反転、変換させる作用を繰り返して、流体同士の混
合を行うものである。
【0022】流れの分割、反転、転換を何段も繰り返す
ことによって、流れの分割数は指数関数的に増加してゆ
き、混練度を高めてゆく。静止型混合攪拌素子の1段あ
たりの分割数をD、総段数をnとすると、このときの流
れの総分割数SはS=Dn で表すことができる。このよ
うな作用をする静止型混合攪拌素子であれば、公知のも
のがいずれも本発明に適用可能であるが、高粘性の改質
剤を主成分ポリマー中に高度に分散させるためには、流
体総分割数S=Dn が16,000以上であることが好
ましく、65,000以上であることが更に好ましい。
流体総分割数が小さい場合には、改質剤の分散状態が粗
くなり、紡糸時の安定性が低下したり、また、得られた
繊維に染色斑が発生したりする場合がある。
【0023】また、例えばポリエステル繊維の延伸糸を
一段階で製造する場合には、図2において前記紡糸口金
13から溶融紡出されたポリエステル糸条は、冷却域1
4で一旦ガラス転移温度以下まで冷却された後、直ちに
加熱筒15に導かれ加熱延伸される。加熱筒15を出た
糸条は、油剤付与装置16で油剤を付与された後、第1
引取ローラー17及び第2引取ローラー20の間で交絡
処理装置18及び緩和熱処理装置19を通過し巻き取ら
れてパッケージ21となる。
【0024】本発明において、紡糸口金13から溶融吐
出されたポリエステル糸条を一旦冷却域14でガラス転
移温度以下に冷却固化させることは、次の加熱筒15中
において延伸を十分に行い、繊維物性を実用上充分なも
のとするために不可欠な条件である。引き続いて行う加
熱帯域中での加熱延伸は繊維のガラス転移温度以上の温
度で実施されるが、繊維物性を実用上充分なものとする
ためには100℃以上の温度を用いることが好ましい。
加熱帯域の上限温度は、実質上加熱筒15中で単繊維間
の融着や糸切れ等をもたらせない温度であれば、繊維の
融点以上のいかに高温であっても差し支えない。巻取速
度は、繊維物性、糸斑、染色性等の点から3,000m
/分以上であることが好ましい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例における特性は、下記の方法により測
定し評価した。
【0026】極限粘度:試料をフェノール/テトラクロ
ルエタン(50/50重量比)混合溶媒に溶解し、ウベ
ローデ粘度計により25℃にて測定した。 溶融粘度:試料を所定時間乾燥後、キャピログラフ(東
洋精機(株)製、CAPIROGRAPH 1B)によ
り、バレルの長さ250mm、直径9.55mm、ダイ
スの長さ10mm、直径1.0mm、流体入射角90°
のものを使用して測定した。
【0027】ノズル面ニーリング状態:ひとつの紡糸口
金より紡出されている24本の単繊維中でニーリングし
ている単繊維の本数を算出し、以下のように評価した。 錘平均ニーリング単繊維本数が 0本……………◎ 〃 1〜2本……………○ 〃 3〜7本……………△ 〃 8本以上……………× として、その結果を表1及び表2に示した。
【0028】繊度斑:紡出された24フィラメントの糸
条の各単繊維のデニールをサーチ(株)製繊度測定器
「デニールコンピューター、DC−11A型」により測定
し、繊度の変動率(%)を、 変動率(%)=(繊度の分散/繊度の平均値)×100 として算出し、紡糸錘毎の平均の繊度変動率を求め、以
下のように評価した。
【0029】なお、繊度測定は試料長2cm、試料張力
0.4gで行った。 として、その結果を表1及び表2に示した。
【0030】錘間染色差:得られた繊維を、各錘毎に順
番に3cm間隔で経糸として用い製織し、通常のポリエ
ステルの高圧染色工程を通過させて分散染料により染色
した後、錘間における染色差の有無を目視判定し、以下
のように評価した。 として、その結果を表1及び表2に示した。
【0031】繊維の制電性能:得られた原糸を、次の条
件 経糸:ポリエチレンテレフタレート糸条(50デニール
/18フィラメント) 緯糸:本実施例により得られた糸条(50デニール/2
4フィラメント) 経糸密度:40本/cm 緯糸密度:36本/cm で製織した後、JIS L 1094(1988年)参考法で
ある摩擦帯電放電曲線測定法に従って制電性能の評価を
実施した。
【0032】用いた装置はカネボウエンジニアリング株
式会社製、摩擦帯電圧測定装置 EST−3であり、測定
は、温度20±1℃、相対温度30±2%の状態の試験
室中で実施した。試料の洗濯処理、摩擦布の湯洗い、試
料及び摩擦布の調整等はJIS L 1094(1988年)
に従った。摩擦布には毛を用いた。
【0033】各々の試料につき、各5回ずつ測定して得
られた摩擦帯電放電曲線から、30秒後の帯電圧を各々
5回の平均値として求め、この操作を更に各試料につき
5回ずつ実施し、最終的な30秒後の帯電圧の平均値を
求めた。得られた帯電圧の平均値から更に錘毎の平均値
を求め、以下のように評価した。
【0034】 錘平均帯電圧が 3000ボルト以下…………◎ 〃 3000〜6000ボルト…………〇 〃 6000〜10000ボルト…………△ 〃 10000ボルト以上…………× として、その結果を表1及び表2に示した。
【0035】防汚性能:試料の糸より製編した7cm×
7cmの編地を、下記の2種の方法により評価した。
【0036】試験片にごま油を0.4cc付着させ、
24時間室温にて乾燥した後、市販洗剤25g/水40
リットルの浴で10分間洗濯、7分間水すすぎを行い、
汚れ落ちを目視にて判定した。
【0037】試験片を泥水中に30秒間かき混ぜた後
取り出し、そのまま乾燥し、汚れの付着しにくさを目視
にて判定した。
【0038】 極めて良好…………◎ 良好 …………〇 やや良好 …………△ 不良 …………× として、その結果を表1及び表2に示した。
【0039】(実施例1)第1図に示した多錘溶融混合
紡糸方装置を用いて、主押出機1から酸化チタン0.5
重量%を含有する極限粘度0.71のポリエチレンテレ
フタートを290℃で溶融押出し、他方、脱気孔付同方
向回転二軸押出機4から分子量が15万〜40万であ
り、280℃、剪断速度100〜1,000sec-1
おける溶融粘度が1000〜4000ポイズであるポリ
エチレンオキサイドを200℃で約15トールまで減圧
しながら溶融押出し、第2計量ポンプ6でポリエチレン
テレフタ−トに対するポリエチレンオキサイドの添加量
が4.0重量%となるように、溶融ポリエチレンオキサ
イド流を溶融ポリエチレンテレフタート流と合流させ、
複合流とした。
【0040】この後、直ちに、合流点から10cmの距
離に流入口がくるように設置された、1段当り2分割の
素子を13段有する第1の静止型混合攪拌素子8を通過
させ、次いで、第1の計量ポンプ11の数と同数に分岐
された複合流を、第1の計量ポンプ11の流入口から手
前5mmの距離に設置された1段あたり2分割の素子を
15段有する第2の静止型混合攪拌素子10を通過さ
せ、各紡糸パック12に導いた。
【0041】その後、孔径0.25mmの円形紡糸孔を
24個有する紡糸口金を通して、278℃にて紡出し、
吐出糸条を冷却空気にて冷却固化した後、油剤を付与
し、1600m/分の巻取速度で巻き取った。
【0042】次いで、この未延伸糸を常法に従って延
伸、熱処理し、50デニール/24フイラメントのマル
チフィラメントを得た。紡糸時の安定性、及び得られた
繊維の特性を表1に示した。
【0043】(実施例2、3、比較例1、2)第1及び
第2の静止型混合攪拌素子の段数を表1に示したように
変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0044】(実施例4、比較例3)改質剤を、280
℃、剪断速度100〜1000sec-1における溶融粘
度が5000〜20000ポイズである非晶製ポリアミ
ド(EMS社製、TR55、NATUR)に変更し、添
加量を3.0重量%とした。また、第1及び第2の静止
型混合攪拌素子の段数を表1に示したように変更し、紡
糸温度は281℃とした。
【0045】(実施例5、比較例4)改質剤を、280
℃、剪断速度100〜1000sec-1における溶融粘
度が2000〜5000ポイズであるポリメタクリル酸
メチル(三菱レイヨン(株)社製アクリペットVH)に
変更し、添加量を2.0重量%とした。また、第1及び
第2の静止型混合攪拌素子の延伸を表1に示するように
変更し、紡糸温度を290℃とした。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例6)第1図及び第2図に示した多
錘溶融混合紡糸装置を用い、主押出機1から、酸化チタ
ン0.5重量%を含有する極限粘度0.71のポリエチ
レンテレフタレートを290℃で溶融押出し、他方、脱
気孔付同方向回転二軸押出機4から分子量が15万〜4
0万であり、280℃、剪断速度100〜1,000s
ec-1における溶融粘度が1,000〜4,000ポイ
ズであるポリエチレンオキサイド(PEO)と、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸を30モル%ポリエチレン
テレフタレートに共重合した、280℃、剪断速度10
0〜1,000sec-1における溶融粘度が800〜
1,000ポイズの共重合ポリエステル(SIP)との
1:1混合物(重量比)を215℃で約15トールまで
減圧しながら溶融押出し、第2計量ポンプ6で、ポリエ
チレンテレフタレートに対するPEO/SIP混合物の
添加量が4.0重量%となるように、溶融混合改質剤流
を溶融ポリエチレンテレフタレート流と合流させて複合
流とした。
【0048】この後、直ちに、合流点から10cmの距
離に流入口がくるように設置された、1段当り2分割の
素子を13段有する第1の静止型混合攪拌素子8を通過
させ、次いで、第1の計量ポンプ11の数と同数に分岐
された複合流を第1の計量ポンプ11の流入口から手前
5cmの距離に設置された1段あたり2分割の素子を1
5段有する第2の静止型混合攪拌素子10を通過させ、
各紡糸パック12に導いた。
【0049】その後、孔径0.4mmの円形紡糸孔を2
4個有する紡糸口金を通して278℃にて紡出し、吐出
糸条を冷却空気にて冷却固化した後、200℃に設定さ
れた円筒型間接加熱筒15中を走行させ、引き続いて油
剤を付与し、更に第1引取ローラー17と第2引取ロー
ラー20との間に設けた流体交絡処理装置18、及び3
00℃に設定された緩和熱処理装置19を通過させ、
4,000m/分の巻取速度で巻取り、50デニール/
24フィラメントの延伸糸を得た。紡糸時の安定性及び
得られた繊維の性能を表2に示した。
【0050】(実施例7〜12、比較例5〜7)PEO
/SIP混合比率及び添加量、また、第1及び第2の静
止型混合攪拌素子の段数を表2に記載した以外は実施例
1と同様に実施した。結果を表2に示した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、少量の改質剤成分流
を、押出機を出た後の熱可逆性ポリマー中に注入し、そ
の後に流路を分岐させていく多錘溶融混合紡糸におい
て、全紡糸錘にわたって均一で、改質剤の混合斑が無
く、また染色班も生じない高品質のマルチフィラメント
を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多錘溶融混合高速紡糸方法の紡糸部ま
での一構成例を示す概略図である。
【図2】本発明の多錘溶融混合高速紡糸方法の紡糸部か
ら延伸、巻取部までの一構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 主押出機 2 スクリューフィーダー 3 振動フィーダー 4 二軸押出機 5 脱気孔 6 第2計量ポンプ 7 合流点 8 第1静止型混合攪拌素子 9 複合流路 10 第2静止型混合攪拌素子 11 第1計量ポンプ 12 紡糸パック 13 紡糸口金 14 冷却域 15 加熱筒 16 油剤付与装置 17 第1引取ローラー 18 交絡処理装置 19 緩和熱処理装置 20 第2引取ローラー 21 パッケージ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分ポリマー流を主押出機から供給す
    ること、 280℃、剪断速度100〜1,000sec -1における
    溶融粘度が400〜100,000ポイズである溶融改
    質剤成分流を、50トール以下まで減圧可能な脱気孔を
    有する二軸押出機から第2の計量ポンプを介して供給す
    ること、 主押出機から供給される主成分ポリマー流と二軸押出機
    から供給される溶融改質剤成分流とを合流させてひとつ
    の複合流となした直後に、第1静止型混合攪拌素子を通
    過させること、 該複合流を2流路以上に順次分岐させて最終的な各流路
    末端部に設置された第2の静止型混合攪拌素子を通過さ
    せること、 その通過後に各流路末端に配設された第1の各計量ポン
    プによって複合流を計量し、紡糸口金を装備した各紡糸
    パックを経て改質剤が混合された繊維を紡出することを
    含んでなることを特徴とする多錘溶融混合紡糸方法。
  2. 【請求項2】 紡出された前記糸条を主成分ポリマーの
    ガラス転移点以下の温度に一旦冷却させ、引き続き該糸
    条をガラス転移温度以上で且つ融解温度未満に加熱した
    帯域中を非接触で走行させて延伸し、3,000m/分
    以上の速度で巻取る請求項1記載の多錘溶融混合紡糸方
    法。
  3. 【請求項3】 主成分ポリマーに対する改質剤の混合割
    合が0.5乃至10重量%である請求項1記載の多錘溶
    融混合紡糸方法。
  4. 【請求項4】 静止型混合攪拌素子の1段あたりの分割
    数をD、総段数をnとしたときの流れの総分割数S=D
    n が16,000以上である請求項1記載の多錘溶融混
    合紡糸方法。
  5. 【請求項5】 主成分ポリマーを押し出す主押出機と、 280℃、剪断速度100〜1,000sec -1における
    溶融粘度が400〜100,000ポイズである溶融改
    質剤成分を押し出す50トール以下まで減圧可能な脱気
    孔を有する二軸押出機と、 同二軸押出機から押し出される溶融改質剤成分流を計量
    する第2の計量ポンプと、 同第2の計量ポンプを介して供給される溶融改質剤成分
    流を前記主押出機から供給される主成分ポリマー流に合
    流させる合流部と、 同合流部に隣接する下流側流路に介装される第1静止型
    混合攪拌素子と、 同第1静止型混合攪拌素子の下流側流路を2流路以上に
    多段に分岐した多数の複合流分岐流路と、 各分岐流路の流路末端部のそれぞれに順次配設された第
    2の静止型混合攪拌素子及び第1の計量ポンプと、 第1の各計量ポンプによって計量された多数の複合流を
    紡出する紡糸口金を装備した多数の紡糸パックと、を備
    えてなることを特徴とする多錘溶融混合紡糸装置。
  6. 【請求項6】 主成分ポリマー流及び改質剤成分流の合
    流部と第1の静止型混合攪拌素子の流入口との間の距離
    が50cm以内である請求項5記載の多錘溶融混合紡糸
    装置。
  7. 【請求項7】 第2静止型攪拌素子の流出口と第1の計
    量ポンプの流入口との距離が50cm以内である請求項
    5記載の多錘溶融混合紡糸装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999057348A1 (de) * 1998-04-30 1999-11-11 Ems-Inventa Ag Polyesterfasern und -filamente und verfahren zu deren herstellung
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