JPH09316763A - 繊維成形体の製造方法 - Google Patents

繊維成形体の製造方法

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JPH09316763A
JPH09316763A JP8137173A JP13717396A JPH09316763A JP H09316763 A JPH09316763 A JP H09316763A JP 8137173 A JP8137173 A JP 8137173A JP 13717396 A JP13717396 A JP 13717396A JP H09316763 A JPH09316763 A JP H09316763A
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binder
phenol resin
weight
resin
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JP8137173A
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Yasuhisa Nagatani
泰久 永谷
Hisashi Katayama
久史 片山
Toru Saito
亨 斎藤
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 粉末状フェノール樹脂系バインダーの実用性
を損なうことがなく、機械的強度が向上し、あるいはそ
れと共に、成形加工の際、不良率を低減する繊維成形
体。 【解決手段】 パラトルエンスルホンアミド、ジシクロ
ヘキシルフタレート及びトリフェニルホスフェートから
選ばれる可塑剤を1〜20重量%配合した粉末状フェノ
ール樹脂系バインダーを、繊維材料に5〜40重量%混
合したのち、開繊混合機でフリースを形成し、必要によ
りニードリング又は加熱してバインダーを繊維に融着さ
せて嵩高マットを製造し、次いで所定の形状にプレス成
形する。上記バインダーに、更に150℃における溶融
粘度が1ポイズ未満で150℃におけるフェノール樹脂
との相溶性が5%以下のワックス0.1〜5重量%及び
/又は150℃における溶融粘度が1〜1000ポイズ
で150℃におけるフェノール樹脂との相溶性が20%
以下の熱可塑性樹脂1〜20重量%を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車内装材用芯材、
家具や電気製品のキャビネット用芯材等に使用される繊
維成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維材料と粉末状フェノール樹脂系バイ
ンダーを混合した材料を、加熱金型を使用して成形する
ことは、自動車内装材用ボード芯材の製造等で行われて
いる。これらの製造では、不良率の低減、作業性改善、
コストダウンの観点から、繊維材料とフェノール樹脂系
バインダーの均質混合性、混合時の原材料歩留、嵩高マ
ットの目付重量安定性等を改良する試みが行われてい
る。
【0003】機械的強度を改良する方法としては、フェ
ノール樹脂を低分子量化して流れを良くする方法、シラ
ンカップリング剤、アマイド系ワックス等の添加剤を配
合する方法などがある。しかしながら、フェノール樹脂
を低分子量化して流れを良くする方法は、フェノール樹
脂を固形、特に粉末状で使用する場合、固結等の実用性
の問題から低分子量化に限界がある。また、シランカッ
プリング剤、アマイド系ワックス等の添加剤を配合する
方法は、ある程度の強度向上効果はあるものの添加量に
正比例せず、あるところから効果が飽和してくる。ま
た、両者を併用する方法もあるが、飛躍的に機械的強度
を向上させるには、十分なものとはいえない。
【0004】上記の方法以外にも、フェノール樹脂に各
種の可塑剤を配合して、成形品の強度を向上させようと
する試みが行われてきた。これらの方法は、主として液
状の可塑剤を配合することにより、フェノール樹脂の溶
融時の流動性を向上させることが特徴になっているが、
固形、特に粉末状で使用する場合、固結等の実用性の問
題から配合量に限度がある。また、繊維成形体用のバイ
ンダーとして使用した場合、有意なレベルで機械的強度
が向上するものではない。
【0005】一方、成形時の離型性を改良する方法とし
ては、金型にシリコン系、フッ素系等の離型剤を塗布又
は噴霧する方法、バインダーに脂肪酸やその金属塩を添
加する方法などが知られているが、前者においては、離
型性を確保するため頻繁に離型剤の塗布又は噴霧が必要
であり、金型汚れの問題がある。後者においては、実用
性の問題から配合量が限界がある。また、両者を併用す
る方法もあるが、これも十分効果があるとは言い難い。
さらに、機械的強度の向上と成形加工時の離型性の向上
を両立させた繊維成形体の製造技術は見あたらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、繊維材料をフェノール樹脂系バインダーで結
合、硬化させて繊維成形体を製造する方法において、粉
末状フェノール樹脂系バインダーの実用性を損なうこと
なく、機械的強度が有意なレベルで向上し、あるいはそ
れと共に、繊維成形体の成形加工の際、不良率を低減す
る繊維成形体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、繊
維材料をフェノール樹脂系バインダーで結合、硬化させ
て繊維成形体を製造するにあたり、パラトルエンスルホ
ンアミド、ジシクロヘキシルフタレート及びトリフェニ
ルホスフェートから選ばれる可塑剤の1種又は2種以上
を1〜20重量%配合した粉末状フェノール樹脂系バイ
ンダーを、繊維材料に5〜40重量%混合したのち、開
繊混合機でフリースを形成し、必要によりニードリング
又は加熱してバインダーを繊維に融着させて嵩高マット
を製造し、次いで所定の形状にプレス成形することを特
徴とする繊維成形体の製造方法である。
【0008】また、本発明は、繊維材料をフェノール樹
脂系バインダーで結合、硬化させて繊維成形体を製造す
るにあたり、パラトルエンスルホンアミド、ジシクロヘ
キシルフタレート及びトリフェニルホスフェートから選
ばれる可塑剤の1種又は2種以上の1〜20重量%と、
150℃における溶融粘度が1ポイズ未満で150℃に
おけるフェノール樹脂との相溶性が5%以下のワックス
0.1〜5重量%及び/又は150℃における溶融粘度
が1〜1000ポイズで150℃におけるフェノール樹
脂との相溶性が20%以下の熱可塑性樹脂1〜20重量
%とを配合した粉末状フェノール樹脂系バインダーを、
繊維材料に5〜40重量%混合したのち、開繊混合機で
フリースを形成し、必要によりニードリング又は加熱し
てバインダーを繊維に融着させて嵩高マットを製造し、
次いで所定の形状にプレス成形することを特徴とする繊
維成形体の製造方法である。
【0009】
【発明の実施態様】本発明において使用する繊維材料
は、例えば、反毛、落綿、ぼろきれ、木綿、麻、羊毛、
木質繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミ
ド繊維等の動植物性天然繊維や種々の合成繊維でよく、
これらはその1種のみを使用してもよく、2種以上を混
合して使用してもよい。また、必要によりガラス繊維、
ロックウール、カーボン繊維等を混合しても差し支えな
い。また、これらは事前に部分的又は完全に解繊してお
くことが好ましい。
【0010】本発明において使用するフェノール樹脂系
バインダー成分を構成するフェノール樹脂は、固形のも
のであれば制限はなく、フェノール、クレゾール、キシ
レノール等のフェノール類と、ホルムアルデヒドとを触
媒の存在下で反応させて得られるものであり、例えば、
ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹
脂及びこれらの変成フェノール樹脂又はこれらの樹脂混
合物が挙げられる。これらのフェノール樹脂は、硬化剤
の存在下又は非存在下で固形状として使用される。
【0011】本発明のフェノール樹脂系バインダーに
は、上記のフェノール樹脂に、パラトルエンスルホンア
ミド、ジシクロヘキシルフタレート及びトリフェニルホ
スフェートから選ばれる可塑剤の1種又は2種以上を配
合する。これ以外の可塑剤では本発明の効果が十分には
生じない。フェノール樹脂系バインダー中の可塑剤の配
合割合は、繊維成形体の強度の観点から決められるが、
1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%である。な
お、2種以上の可塑剤を配合する場合は合計量である。
可塑剤の配合割合が1重量%よりも少ないと繊維成形体
の強度向上効果が顕著ではなく、20重量%を超えると
単なる増量剤としての効果しか期待できない。
【0012】さらに、本発明のフェノール樹脂系バイン
ダーには、離型性を改善するため、フェノール樹脂と可
塑剤に加えて、150℃における溶融粘度が1ポイズ未
満で150℃におけるフェノール樹脂との相溶性が5%
以下のワックス若しくは150℃における溶融粘度が1
〜1000ポイズで150℃におけるフェノール樹脂と
の相溶性が20%以下の熱可塑性樹脂又はその両者を配
合してもよい。
【0013】本発明において使用するワックスとして
は、150℃における溶融粘度が1ポイズ未満で150
℃におけるフェノール樹脂との相溶性が5%以下のワッ
クスであれば、任意のワックスを使用できる。このよう
なワックスとしては、例えば、動植物ワックス、鉱物ワ
ックス、石油ワックス等の天然ワックスや、例えば、ポ
リエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワック
ス等の合成ワックス等が挙げられる。これらは1種のみ
でもよいが、2種以上を併用してもよい。
【0014】また、本発明において使用する熱可塑性樹
脂としては、150℃における溶融粘度が1〜1000
ポイズ、好ましくは1〜100ポイズであって、150
℃におけるフェノール樹脂との相溶性が20%以下、好
ましくはフェノール樹脂と非相溶ないし部分相溶の熱可
塑性樹脂である。このような熱可塑性樹脂としては、例
えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、低分子量ポリスチレンや、例えば、クマロン−イン
デン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素系オリ
ゴマー又はこれらの水素化物などが挙げられる。これら
の内、特に、クマロン−インデン樹脂、石油樹脂、テル
ペン樹脂等の芳香族炭化水素オリゴマーが好ましい。こ
れらは1種のみでもよいが、2種以上を併用してもよ
い。
【0015】なお、ワックス又は熱可塑性樹脂の150
℃における溶融粘度は、コーンプレート粘度計により測
定することができる。また、ワックス又は熱可塑性樹脂
の150℃におけるフェノール樹脂との相溶性は、フェ
ノール樹脂とワックス又は熱可塑性樹脂との等量混合物
を20ccのガラス容器に入れ、150℃で溶融混合
し、この温度で120分間静置したのち、相の状態を観
察することにより測定することができる。すなわち、相
が1つになって透明なときが完全相溶(100%)であ
り、相が3つ存在するときが部分相溶であって式〔(中
間相の容積/全体の容積)×100〕の値が相溶性の程
度を示す百分率(%)、相が2つのまま存在し又は相が
1つで懸濁しているときを非相溶(0%)とする。
【0016】本発明において使用するワックス又は熱可
塑性樹脂は、それぞれ1種又は2種以上を用いてもよい
が、2種以上の場合は合計の量である。フェノール樹脂
系バインダー中のワックス又は熱可塑性樹脂の配合割合
は、繊維成形体を成形加工する際の離型性の観点から決
められるが、ワックスで0.1〜5重量%、熱可塑性樹
脂で1〜20重量%である。ワックス又は熱可塑性樹脂
を配合しなかったり、配合割合が上記より少ないと離型
性改善効果が十分に発揮されず、反対に多すぎると硬化
が遅延したり、強度向上効果が阻害される。
【0017】フェノール樹脂と可塑剤、ワックス又は熱
可塑性樹脂との混合方法は、任意であるが、それぞれ粉
状にして粉末混合する方法、フェノール樹脂と共に粉砕
して混合する方法、溶融混合する方法、フェノール樹脂
の反応又は脱水工程で添加する方法などがあるが、これ
らに限定するものではない。少ない配合割合で強度の向
上効果を引き出すには、均一に混合することが好まし
く、この点からこれらを溶融混合する方法がより効果的
である。
【0018】本発明のフェノール樹脂系バインダーに
は、可塑剤、ワックス又は熱可塑性樹脂の他に、必要に
応じて、各種添加剤、例えば硬化促進剤、シランカップ
リング剤、滑剤等を配合することができる。また、ノボ
ラック樹脂の場合は、ヘキサメチレンテトラミンを配合
することができる。
【0019】次に、本発明の繊維成形体の製造方法の具
体例について説明する。例えば、開繊状態とした不連続
繊維材料に、常温からフェノール樹脂系バインダーの融
点以上の温度で、上記フェノール樹脂系バインダーを5
〜40重量%、好ましくは10〜30重量%添加し、開
繊混合機によりよく混合し、所望の厚み、例えば5〜2
00mm、好ましくは10〜150mmのフリースを形
成し、必要によりニードリングし、次いで100〜30
0℃、好ましくは150〜250℃に加熱してバインダ
ーを繊維に融着させて嵩高マットを製造し、更に所定の
形状にプレス成形することにより製造することができ
る。また、嵩高マットを製造することなく、フリースを
直接所定の形状にプレス成形して製造してもよい。
【0020】上記のプレス成形は、フェノール樹脂系バ
インダーが溶融して硬化する条件で行う。具体的には、
加熱温度100〜300℃、好ましくは150〜250
℃、圧力1〜40kg/cm2 、好ましくは3〜30k
g/cm2 の条件で行うことができる。この際、必要に
より各種のプラスチックや天然繊維製等の化粧表皮を同
時に接合し、また成形することができる。
【0021】このようにして製造された繊維成形体は、
機械的強度が高く、加工性も良好であり、例えば、自動
車内装材用芯材、家具や電気製品のキャビネット用芯材
等として広く利用できる。
【0022】なお、本発明でいう機械的強度が向上した
とは、フェノール樹脂に可塑剤、ワックス又は熱可塑性
樹脂を配合しないときの強度を標準とし、これより有意
なレベルで向上することをいう。さらに、本発明でいう
離型性が向上したとは、フェノール樹脂に可塑剤又は熱
可塑性樹脂を配合しないときの離型性を標準とし、これ
より向上することをいう。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を説明する。なお、繊維成形体の製造、フェノール樹脂
系バインダーの固結性の評価、繊維成形体の強度評価及
び離型性の評価については、次の方法によった。
【0024】1.繊維成形体の製造 反毛75重量%とフェノール樹脂系バインダー25重量
%とを開繊混合機を用いて混合し、目付重量1.4kg
/m2 のフリースを製造し、160℃に温調したセミキ
ュアー炉の中を通して、フェノール樹脂系バインダーを
繊維に融着させて嵩高マットを製造し、次いで220℃
に温調したプレス成形機を用いて圧力5kg/cm2
40秒間加圧し、厚さ2.5mmの反毛フェルト系繊維
成形体(約50cm角)を製造した。
【0025】2.フェノール樹脂系バインダーの実用性
の評価 フェノール樹脂系バインダー10gをアルミカップに計
量し、これを60℃に温調した熱風循環式オーブンの中
に1時間入れて加熱処理する。次に、室温まで冷却した
後、16メッシュ(約1mm)の篩にのせて1分間振動
させて篩の上に残った量を計量し、固結率(%)を算出
し、実用性を評価した。
【0026】3.繊維成形体の強度評価 上記1で製造した反毛フェルト系繊維成形体(約50c
m角)から寸法15cm×5cmの試験片を切り出し、
密度が0.55g±0.02g/cm3 の試験片15個
について、スパン10cm及び荷重速度5cm/分の測
定条件で常態曲げ強度を測定し、平均値を求めた。
【0027】4.成形時の離型性評価 プレス成形機の金型の上盤と下盤を予めよく掃除してお
き、初回のみフッ素系離型剤の一定量を金型に噴霧し、
次いで上記1と同様にしてプレス成形を行い、2回目以
降は離型剤を噴霧しないで成形を繰り返し、金型面から
の離型の状態を観察した。連続的に成形できる回数を下
記の離型の状態毎に求め、20回まで評価した。なお、
2回続けて離型の悪い状態が発生した場合には、そこで
評価を中止した。離型性の評価は、◎:上下両面とも離
型性十分、○:上下両面とも離型抵抗なし、△:片面に
若干の離型抵抗あり、×:離型性悪いの4段階基準で行
った。また、離型性(回)の数字は、最初からの成形回
数を示す。
【0028】実施例1〜5及び比較例1〜5 融点80℃のノボラック型フェノール樹脂(新日鐵化学
(株)製エスフェノールNKー8000)と表1に示す
可塑剤の所定量とを150℃で溶融混合した後、固形化
した。固形化した混合物100重量部に対し、硬化剤と
してヘキサメチレンテトラミンを9重量部、滑剤として
炭酸カルシウムを1重量部添加した後、粉砕して、フェ
ノール樹脂系バインダーを製造した。製造したフェノー
ル樹脂系バインダーを用いて、上記1〜3の方法に従
い、評価した。
【0029】これら実施例1〜5及び比較例1〜5で用
い可塑剤及び添加剤の種類とフェノール樹脂系バインダ
ー中の配合割合並びに評価結果を表1に示す。なお、表
1において、繊維成形体の曲げ強度の欄の( )内は標
準偏差を示し、強度比は比較例1を100としたときの
強度比を示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例6〜10及び比較例6〜9 融点80℃のノボラック型フェノール樹脂(新日鐵化学
(株)製エスフェノールNKー8000)と表2に示す
可塑剤の所定量とを150℃で溶融混合した後、固形化
した。固形化した混合物100重量部に対し、表2に示
すワックス又は熱可塑性樹脂の所定量、硬化剤としてヘ
キサメチレンテトラミンを9重量部、滑剤として炭酸カ
ルシウムを1重量部添加した後、粉砕してフェノール樹
脂系バインダーを製造した。製造したフェノール樹脂系
バインダーを用いて、上記1〜4の方法に従い、評価し
た。
【0032】これら実施例6〜10及び比較例6〜9で
用いた可塑剤、ワックス又は熱可塑性樹脂の種類とフェ
ノール樹脂系バインダー中の配合割合を表2に、その評
価結果を表3に示す。なお、表3において、繊維成形体
の曲げ強度の欄の( )内は標準偏差を示し、強度比は
比較例6を100としたときの強度比を示す。
【0033】実施例6〜10及び比較例6〜9で用いた
可塑剤、ワックス又は熱可塑性樹脂の150℃における
溶融粘度、150℃におけるフェノール樹脂との相溶
性、融点又は軟化点は、以下のとおりである。 溶融粘度 相溶性 融 点 軟化点 A:カルナウバワックス 0.1ポイズ以下 0% 83℃ − B:パラフィンワックス 0.1ポイズ以下 0% 69℃ − a:クマロン−インデン樹脂 12ポイズ 5% − 100℃ b:C5 系石油樹脂 90ポイズ 0% − 110℃ c:低分子量ポリスチレン 24ポイズ 0% − 95℃ d:C5 系石油樹脂 26ポイズ 100% − 100℃
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明の繊維成形体の製造方法により、
従来技術による製造方法に比べ、フェノール樹脂系バイ
ンダーの実用性を損なうことなく、機械的強度が有意な
レベルで顕著に向上する。また、更にバインダー中にワ
ックス等を配合したものは、成形加工の際に優れた離型
性を発揮する。すなわち、離型剤を金型に塗布又は噴霧
しなくても又はこの回数を大幅に減らしても容易に取り
出すことができる。それゆえ、繊維成形体の製造におい
て、不良率を低減し、コストダウンに寄与するものであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維材料をフェノール樹脂系バインダー
    で結合、硬化させて繊維成形体を製造するにあたり、パ
    ラトルエンスルホンアミド、ジシクロヘキシルフタレー
    ト及びトリフェニルホスフェートから選ばれる可塑剤の
    1種又は2種以上を1〜20重量%配合した粉末状フェ
    ノール樹脂系バインダーを、繊維材料に5〜40重量%
    混合したのち、開繊混合機でフリースを形成し、必要に
    よりニードリング又は加熱してバインダーを繊維に融着
    させて嵩高マットを製造し、次いで所定の形状にプレス
    成形することを特徴とする繊維成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 繊維材料をフェノール樹脂系バインダー
    で結合、硬化させて繊維成形体を製造するにあたり、パ
    ラトルエンスルホンアミド、ジシクロヘキシルフタレー
    ト及びトリフェニルホスフェートから選ばれる可塑剤の
    1種又は2種以上の1〜20重量%と、150℃におけ
    る溶融粘度が1ポイズ未満で150℃におけるフェノー
    ル樹脂との相溶性が5%以下のワックス0.1〜5重量
    %及び/又は150℃における溶融粘度が1〜1000
    ポイズで150℃におけるフェノール樹脂との相溶性が
    20%以下の熱可塑性樹脂1〜20重量%とを配合した
    粉末状フェノール樹脂系バインダーを、繊維材料に5〜
    40重量%混合したのち、開繊混合機でフリースを形成
    し、必要によりニードリング又は加熱してバインダーを
    繊維に融着させて嵩高マットを製造し、次いで所定の形
    状にプレス成形することを特徴とする繊維成形体の製造
    方法。
JP8137173A 1996-05-30 1996-05-30 繊維成形体の製造方法 Withdrawn JPH09316763A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101478032B1 (ko) * 2014-09-16 2015-01-02 (주)성문퓨리테크 유리섬유 단열재 제조방법
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US11993688B2 (en) 2019-03-28 2024-05-28 Toray Industries, Inc. Molded article of carbon fiber composite material and production method for molded article of carbon fiber composite material

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