JPH09316735A - ロータ式オープンエンド精紡機のロータ駆動装置 - Google Patents

ロータ式オープンエンド精紡機のロータ駆動装置

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JPH09316735A
JPH09316735A JP13892496A JP13892496A JPH09316735A JP H09316735 A JPH09316735 A JP H09316735A JP 13892496 A JP13892496 A JP 13892496A JP 13892496 A JP13892496 A JP 13892496A JP H09316735 A JPH09316735 A JP H09316735A
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rotor
outer rotor
rotation speed
shaft
magnetic sensor
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Yutaka Shinozaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウタロータ及びインナロータを各錘毎に高
精度で同期駆動する。 【解決手段】 アウターロータは全錘共通の駆動ベルト
で駆動され、インナロータは各錘毎にサーボモータ11に
より駆動される。アウタロータの回転速度を検出する磁
気センサ33及びテイクアップローラの回転速度を検出す
るロータリエンコーダ36の出力パルス信号が、分周回路
43,44で分周された後、第1のカウンタ41及び第2のカ
ウンタ42にそれぞれ入力される。各カウンタ41,42は分
周回路43,44で分周された後のパルス信号の1パルス間
に基準クロック発振器45から出力されるパルス数をカウ
ントする。CPU38は各カウンタ41,42のカウント値に
基づいてアウタロータ及びテイクアップローラの回転速
度を演算し、それに対応する適正なインナロータの回転
速度を各錘毎に演算する。そして、演算された回転速度
でインナロータが回転するようにサーボモータ11を制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維集束部を有する
アウタロータ内に、前記繊維集束部から引き出された糸
を糸引出し通路の端部へ案内するインナロータを前記ア
ウタロータと同軸線上に設けるとともに、該アウタロー
タと独立して積極駆動可能にしたロータ式オープンエン
ド精紡機のロータ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にロータ式オープンエンド精紡機に
おいては、供給スライバがコーミングローラにより開繊
されて不純物が分離され、ばらばらに開繊された繊維が
高速回転するロータ内の負圧に基づいて繊維輸送通路
(繊維輸送チャンネル)内に生じる気流によってロータ
内に輸送される。そして、ロータ内へ輸送された繊維は
ロータの最大内径部である繊維集束部に集束され、ネー
ブルの中心に設けられたガイド孔(糸引出し通路)から
糸引出しローラの作用により引き出され、同時にロータ
の回転により加撚されて糸となり、ボビンにパッケージ
として巻取られるようになっている。
【0003】オープンエンド精紡機はリング精紡機に比
較して生産性が良い。ところが、繊維集束部に集束され
た繊維束はロータの回転に伴う遠心力の作用で繊維集束
部の内壁面に付着しているだけである。従って、ガイド
孔に沿って引き出される繊維束に加えられる撚が繊維集
束部に集束された繊維束のはぎ取り点より上流の繊維束
にもある程度伝わっている。その結果、撚りかけ時に十
分な張力が得られずに繊維が十分に伸ばされない状態で
撚が加えられるため、繊維が真っ直ぐに撚り込まれず、
糸強力が上がらないという問題があった。
【0004】従来のオープンエンド糸の欠点を解消する
装置として、繊維集束部を有するアウタロータの内側
に、繊維集束部に集束された繊維束を引き出すための糸
道を備えるとともにアウタロータと独立して積極駆動さ
れるインナロータを設けた装置(以下、ダブルロータ式
オープンエンド精紡機と称す)が提案されている(例え
ば、特開平5−44119号公報)。ダブルロータ式オ
ープンエンド精紡機では品質の良い紡出糸を得るには、
アウタロータとインナロータとの回転速度(回転数)が
所定の関係で運転されることが必要となる。特開平5−
44119号公報では、繊維集束部の径をD、アウタロ
ータの回転数をR1、インナロータの回転数をR2とす
るとき、紡出速度Vが次式を満たすことが望ましいとし
ている。
【0005】 πDR1+0.8V≦πDR2≦πDR1+V ・・・(1) 両ロータの駆動装置として、アウタロータのシャフトは
複数錘共通のベルトで駆動し、インナロータのシャフト
は個別のモータで駆動する装置が提案されている。即
ち、図8に示すように、アウタロータ61は筒状のロー
タシャフト62の第1端部に支持されている。シャフト
63はロータシャフト62を貫通する状態でベアリング
64を介してロータシャフト62に対して相対回転可能
かつ軸方向への相対移動不能に支持され、シャフト63
の第1端部にインナロータ65が一体回転可能に支持さ
れている。ロータシャフト62は2組の支持円板66の
外周面に圧接され、回転時にその第2端部側へのスラス
ト力を支持円板66から受ける状態で支承されている。
ロータシャフト62は軸方向と直交する方向に走行する
複数錘共通の駆動ベルト67により駆動可能となってい
る。
【0006】シャフト63は第2端部がスラスト軸受6
8のボール69に当接するとともに、シャフト63の途
中にモータ70が組付けられている。即ち、シャフト6
3に回転子71が一体回転可能に固定され、その周囲に
コイル72を内蔵したケーシング73が配設されてモー
タ70が構成されている。コイル72にはインバータ7
4を介して目的の回転速度に対応する所定周波数の電圧
が供給されシャフト63が駆動される。制御装置75は
回転検知センサ76の出力信号に基づいてアウタロータ
61の回転数を演算するとともに、その回転数に対応す
るインナロータ65の回転数を演算する。そして、その
値に対応する周波数の電圧をインバータ74に指示して
モータ70を駆動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記(1)式を書き直
すと、次式となる。 R1+0.8V/(πD)≦R2≦R1+V/(πD) ・・・(2) 例えば、アウタロータの回転数R1=60000rp
m、糸番手Ne=20、撚り係数k=4.0、繊維集束
部の径D=36mmの場合、紡出速度Vは次のようにな
る。
【0008】V=60000×0.0254/{k√
(Ne)}≒85m/min その結果、インナロータの回転数R2 は次のようにな
る。 60000+601≦R2≦60000+751 従って、アウタロータの回転数に対するインナロータの
回転数の値のバラツキは150rpmしか許容されな
い。この許容範囲はアウタロータの回転数の僅か0.2
5%であり、撚り数を大きくした紡出運転や細番手の糸
の紡出運転で巻取速度が遅くなると、前記許容範囲はさ
らに狭くなる。そして、糸継ぎ作業時にアウタロータ及
びインナロータが正確に同期駆動されないと、糸継ぎ成
功率が低下する。
【0009】その結果、ダブルロータ式オープンエンド
精紡機ではアウタロータ及びインナロータを正確に同期
駆動する必要がある。ところが、アウタロータ61をロ
ータシャフト62の周面に摩擦接触する駆動ベルト67
で駆動する構成では、駆動ベルト67とロータシャフト
62との間に発生するスリップ、駆動ベルト67のロー
タシャフト62に対する接圧のばらつき、あるいは負荷
の違い等により、各錘毎にアウタロータ61の回転数が
変動する。従って、各錘毎にアウタロータの回転速度を
検出しその値に基づいた高精度の同期制御が必要とな
る。
【0010】しかし、前記特開平5−44119号公報
に開示された装置では、ロータシャフト62を回転可能
に支承する支持円板66の回転速度(回転数)を検出し
てアウタロータ61の回転速度を演算しているため、正
確な同期制御を行うことが難しい。なぜならば、支持円
板66とロータシャフト62との間に滑りが生じる場合
があり、必ずしも支持円板66にロータシャフト62の
回転が正確に伝達されるとは限らない。従って、支持円
板66の回転速度に基づいてインナロータの回転速度を
設定するのは、精度の高い制御を行う際に問題となる。
【0011】インナロータを備えない一般のロータ式オ
ープンエンド精紡機において、ロータの回転数を検出す
る装置として、ロータの外周面に所定間隔でマーキング
を施し、ロータの近傍に光電パルス検知器を配設したも
のが開示されている(特開昭51−105432号公
報)。この方法をダブルロータ式オープンエンド精紡機
のアウタロータの回転速度検出に適用することが考えら
れる。
【0012】特開昭51−105432号公報に開示さ
れた方法を適用する場合は、アウタロータの外周面にマ
ーキングを施し、アウタロータの近傍に反射式光センサ
を設ける。センサはアウタロータを収容するケーシング
の開放側端部と当接して開口を閉鎖するハウジングに取
り付けられる。そして、アウタロータからの反射光に基
づいてアウタロータの回転数に比例するパルス信号を出
力する。しかし、前記センサの収容空間にはアウタロー
タに供給された開繊繊維の一部が浮遊しているため、長
期間放置するとセンサに開繊繊維が堆積し、センサから
の出力光やアウタロータからの反射光が遮られる虞があ
る。従って、定期的に清掃を行う必要があり、手間がか
かるとともにその間紡出が中断されて生産性が低下する
という問題がある。
【0013】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はアウタロータ及びインナロータ
を各錘毎に高精度で同期駆動することができるロータ式
オープンエンド精紡機のロータ駆動装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、繊維が集束する繊維集
束部を有するアウタロータ内に、前記繊維集束部から引
き出された糸を糸引出し通路の端部へ案内するインナロ
ータを前記アウタロータと同軸線上に設けるとともに、
前記インナロータを前記アウタロータと独立して積極駆
動可能にしたロータ式オープンエンド精紡機において、
前記インナロータを各錘毎に回転駆動するサーボモータ
と、前記アウタロータ又はアウタロータと一体に回転す
る回転軸に設けられた磁化された被検知部を検知してア
ウタロータの回転速度を検出する磁気センサと、糸引出
しローラの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前
記磁気センサ及び回転速度検出手段の検出信号に基づい
て前記アウタロータ及び糸引出しローラの回転速度に対
応する適正な前記インナロータの回転速度を演算する演
算手段と、前記演算された回転速度で前記インナロータ
が回転するように前記サーボモータを制御する制御手段
とを備えた。
【0015】請求項2に記載の発明では、前記インナロ
ータの回転軸の端部が前記サーボモータの回転子に一体
回転可能に組み付けられている。請求項3に記載の発明
では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前
記磁気センサ及び回転速度検出手段はアウタロータ及び
糸引出しローラの回転数にそれぞれ対応したパルス信号
を出力し、前記演算手段は磁気センサ及び回転速度検出
手段から所定数のパルス信号が出力される間に基準発振
器から出力されるパルス数のカウント値に基づいて前記
アウタロータ及び糸引出しローラの回転速度を演算す
る。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記演算手段は前記磁気センサ及び
回転速度検出手段の出力パルス信号を分周し、分周後の
パルス信号の1パルス間に前記基準発振器から出力され
るパルス数をそれぞれカウントするカウンタのカウント
値に基づいて前記アウタロータ及び糸引出しローラの回
転速度を演算する。
【0017】請求項5に記載の発明では、請求項3又は
請求項4に記載の発明において、前記演算手段はマイク
ロプロセッサにより構成され、前記基準発振器はマイク
ロプロセッサの基準クロック発振器である。
【0018】請求項1〜請求項4に記載の発明では、開
繊された状態で供給された繊維がアウタロータの繊維集
束部に集束される。繊維集束部に集束された繊維束は繊
維集束部からはぎ取られ、加撚されながらインナロータ
を経て糸引出し通路の端部へ案内される。インナロータ
は各錘毎にサーボモータによりアウタロータと同軸線上
で回転される。アウタロータの回転速度はアウタロータ
又はアウタロータと一体に回転する回転軸に設けられた
磁化された被検知部を検知する磁気センサにより検出さ
れる。磁気センサはアウタロータの回転速度(回転数)
に対応したパルス信号を出力する。糸引出しローラの回
転速度は回転速度検出手段により検出される。演算手段
は磁気センサ及び回転速度検出手段の検出信号に基づい
てアウタロータ及び糸引出しローラの回転速度に対応す
るインナロータの適正な回転速度を演算する。制御手段
は演算手段により演算された適正な回転速度でインナロ
ータが回転するように前記サーボモータを制御する。
【0019】請求項2に記載の発明では、インナロータ
の回転軸の端部がサーボモータの回転子に一体回転可能
に組み付けられているため、装置がコンパクトになる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記
載の発明において、磁気センサ及び回転速度検出手段は
アウタロータ及び糸引出しローラの回転数にそれぞれ対
応したパルス信号を出力する。演算手段には磁気セン
サ、回転速度検出手段及び基準発振器から出力されるパ
ルス信号が入力される。磁気センサ及び回転速度検出手
段から所定数のパルス信号が出力される間に基準発振器
から出力されるパルス数に基づいて前記アウタロータ及
び糸引出しローラの回転速度が演算手段により演算され
る。
【0020】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記磁気センサ及び回転速度検出手
段の出力パルス信号は分周された後、それぞれカウンタ
に入力される。分周された後の前記磁気センサ及び回転
速度検出手段の出力パルス信号の1パルス間にカウンタ
によりそれぞれカウントされた基準発振器の出力パルス
数に基づいて、前記アウタロータ及び糸引出しローラの
回転速度が前記演算手段により演算される。
【0021】請求項5に記載の発明では、請求項3又は
請求項4に記載の発明において、前記演算手段はマイク
ロプロセッサにより構成され、前記基準発振器としてマ
イクロプロセッサの基準クロック発振器が使用される。
従って、演算手段がマイクロプロセッサである場合、新
たにカウンタ用の基準発振器を設ける必要がない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図5に従って説明する。図1及び図2
(a)に示すように、軸受1を介して互いに平行に配設
された一対の回転軸2の両端に支持円板3がそれぞれ一
体回転可能に支持されている。図2(a)に示すよう
に、隣接する各1対の支持円板3により楔状凹部4が形
成されている。楔状凹部4には回転軸としての円筒状の
ロータシャフト5が、その外周面が各支持円板3の周面
に接触する状態で支承され、ロータシャフト5の第1端
部にアウタロータ6が一体回転可能に支持されている。
2対の支持円板3は回転時にロータシャフト5に対して
第2端部側へ向かうスラスト荷重を作用させるように、
回転軸2に対して若干傾斜した状態で固定されている。
【0023】2対の支持円板3間には複数錘共通の駆動
ベルト7がロータシャフト5を支持円板3に圧接する状
態でロータシャフト5と直交する方向に走行するように
配設されている。そして、図示しない駆動モータにより
駆動ベルト7が駆動され、駆動ベルト7の走行によりロ
ータシャフト5が回転駆動されるようになっている。な
お、駆動ベルト7は、駆動ベルト7に沿って所定間隔で
配設された押圧ローラ(図示せず)によりロータシャフ
ト5側へ付勢されている。
【0024】ロータシャフト5にはその内側両端にベア
リング8が嵌着固定され、ロータシャフト5を貫通する
シャフト9がベアリング8を介してロータシャフト5に
対して相対回転可能かつ軸方向への相対移動不能に支持
されている。シャフト9の第1端部にはインナロータ1
0がアウタロータ6内において一体回転可能に固定され
ている。
【0025】シャフト9の第2端部側にはブラシレスD
Cサーボモータ(以下、単にサーボモータと称す)11
が配設されている。シャフト9の第2端部は、サーボモ
ータ11を構成する永久磁石製の回転子(ロータ)12
に一体回転可能に固定され、シャフト9は回転子12と
ともに固定子(ステータ)を構成するモータハウジング
13から離脱可能に構成されている。回転子12の外径
はロータシャフト5の外径と同じに形成されている。モ
ータハウジング13には所定位置にコイル14が配設さ
れ、シャフト9は回転子12がコイル14と対向する所
定位置に配置された状態において、その第2端部がモー
タハウジング13から突出してスラスト軸受15に支承
されるようになっている。また、サーボモータ11には
回転子12の角度位置を形状する位置センサとしてホー
ル素子(図示せず)が組み込まれている。
【0026】スラスト軸受15は潤滑油が収容されたケ
ース16と、フェルト製のオイル供給部材17に支承さ
れたボール18と、ボール18にシャフト9の反対側か
ら当接する調整ネジ19とを備えている。そして、支持
円板3が回転する際、ロータシャフト5に対して作用す
るスラスト荷重がベアリング8を介してシャフト9に伝
達され、スラスト軸受15で担われる。
【0027】図2(a),(b)に示すように、インナ
ロータ10は円盤状に形成され、中央部にネーブル20
の最大外径より大きな径の凹部21が形成されている。
インナロータ10にはアウタロータ6に形成された繊維
集束部6aと対応する位置から凹部21に至る糸道22
を構成する溝が、アウタロータ6の開口部と同じ側が開
放された状態で形成されている。糸道22の入口部には
インナロータ10の回転方向(図2(a)の時計回り方
向)前側にガイド部材23が配設されている。ガイド部
材23は糸Yの径に比較して大きな径の軸部23aと、
その先端に形成されるとともに先端側に向かって拡径と
なるテーパ面23bとを備え、その先端面がインナロー
タ10の端面より突出するように配設されている。
【0028】アウタロータ6の開放側と対向する位置に
配設されたハウジング24には、ボス部25がアウタロ
ータ6内に突出する状態に形成されている。ボス部25
の周面にはコーミングローラ(図示せず)により開繊さ
れた繊維を、アウタロータ6内に案内する繊維輸送通路
26の一端が開口されている。ボス部25の中央にはネ
ーブル20が固定され、ネーブル20の中心には紡出糸
Yを巻取装置へ導くための糸引出し通路27の一端が開
口されている。糸引出し通路27の一部を構成するヤー
ンパイプ28はネーブル20の中心線と交差する状態で
配設されている。
【0029】また、ハウジング24と対向する位置には
アウタロータ6を覆うケーシング29がハウジング24
の端面にOリング30を介して当接される状態で配設さ
れている。ケーシング29はパイプ31を介して負圧源
(図示せず)に接続されている。ハウジング24は図示
しない支軸を中心に回動され、ケーシング29と対向す
る面が図1の時計方向に回動され、アウタロータ6を軸
方向に移動可能な状態にケーシング29が開放されるよ
うになっている。
【0030】ロータシャフト5の第2の端部には被検知
部32が設けられている。図3に示すように、被検知部
32は大径部32a及び小径部32bからなる円筒状の
磁性体により形成され、大径部32aはその周方向に沿
ってS極及びN極が1箇所ずつ存在するように着磁され
ている。小径部32bの外径はロータシャフト5の内径
と同じに形成されている。そして、被検知部32はシャ
フト9に遊挿された状態で、ロータシャフト5に一体回
転可能に嵌着されている。従って、磁気センサ30はロ
ータシャフト5即ちアウタロータ6が1回転する毎に1
パルスの出力信号を出力するようになっている。
【0031】図1に示すように、被検知部32と対応す
る所定位置に磁気センサ33が配設されている。磁気セ
ンサ33は制御手段としての制御装置34に電気的に接
続され、被検知部32の回転に伴ってロータシャフト5
の回転数に比例するパルス信号を制御装置34に出力す
るようになっている。磁気センサ33としては例えばホ
ール素子が使用される。ヤーンパイプ28から糸Yを引
き出す糸引出しローラとしての全錘共通のテイクアップ
ローラ35の端部には、回転速度検出手段としてのロー
タリエンコーダ36が配設されている。ロータリエンコ
ーダ36はテイクアップローラ35の回転数に比例した
パルス信号を出力する。この実施の形態ではロータリエ
ンコーダ36としてテイクアップローラ35の1回転あ
たり100パルス出力するものが使用されている。サー
ボモータ11はサーボアンプ37を介して制御装置34
に接続されている。なお、図1においては便宜上ロータ
シャフト5及びテイクアップローラ35が平行に延びる
ように描かれているが、実際はロータシャフト5はテイ
クアップローラ35と直交する方向に延びる状態に配設
されている。
【0032】図4に示すように、制御装置34は演算手
段としてのマイクロプロセッサ(この実施の形態ではC
PU)38、記憶手段としてのプログラムメモリ39、
作業用メモリ40、第1及び第2のカウンタ41,4
2、分周回路43、44、基準クロック発振器45、入
力インタフェース46、出力インタフェース47、D/
Aコンバータ48及び入力装置49を備えている。CP
U38は制御手段としても機能する。CPU38は出力
インタフェース47及びD/Aコンバータ48を介して
サーボアンプ37に接続されている。また、CPU38
は図示しないモータ駆動回路を介してアウタロータ駆動
用のモータ及び巻取り駆動系駆動用のモータ(いずれも
図示せず)を駆動制御するようになっている。
【0033】CPU38はプログラムメモリ39に記憶
された所定のプログラムデータに基づいて動作する。プ
ログラムメモリ39は読出し専用メモリ(ROM)より
なり、プログラムメモリ39には前記プログラムデータ
と、その実行に必要な各種データとが記憶されている。
各種データとしては種々の繊維種、紡出糸番手等の紡出
条件と定常紡出速度との対応データ等がある。また、プ
ログラムメモリ39にはアウタロータ6の回転速度R
1、インナロータ11の回転速度R2及びテイクアップ
ローラ35の回転速度R3 との関係を示す(3)式が記
憶されている。
【0034】 R2=R1+k(Dt /D)R3 ・・・(3) 但し、Dは繊維集束部6aの直径、Dt はテイクアップ
ローラ35の径、kは0.8〜1の係数である。(3)
式は(1)式から導かれる。
【0035】 πDR1+0.8V≦πDR2≦πDR1+V ・・・(1) 即ち、紡出速度VはV=πDt R3 であるから、(1)
式は次式となる。 R1+0.8(Dt R3)/D≦R2≦R1+(Dt R3)
/D 従って、この式からインナロータ10の回転速度R2 は
(3)式で表される。
【0036】作業用メモリ40は読出し及び書替え可能
なメモリ(RAM)よりなり、入力装置49により入力
されたデータやCPU38における演算処理結果等を一
時記憶する。作業用メモリ40はバックアップ電源を備
えている。入力装置49は繊維種、紡出糸番手、紡出運
転時のアウタロータ回転数、紡出速度等の紡出条件デー
タを入力する。
【0037】磁気センサ33は入力インタフェース46
を介して分周回路43に接続されている。第1のカウン
タ41は磁気センサ33から出力されて分周回路43で
分周された後のパルス信号と、基準クロック発振器45
の出力パルス信号とを入力する。そして、分周回路43
から出力されるパルス信号の立ち上がりから次の立ち上
がりまでの間、即ち1パルス間に入力される基準クロッ
ク発振器45の出力パルス数をカウントする。
【0038】ロータリエンコーダ36は入力インタフェ
ース46を介して分周回路44に接続されている。第2
のカウンタ42はロータリエンコーダ36から出力され
て分周回路44で分周された後のパルス信号と、基準ク
ロック発振器45の出力パルス信号とを入力する。そし
て、分周回路44から出力されるパルス信号の立ち上が
りから次の立ち上がりまでの間、即ち1パルス間に入力
される基準クロック発振器45の出力パルス数をカウン
トする。
【0039】前記両カウンタ41,42は32ビットの
幅を持ち、ダブルバッファ方式をとっている。即ち、カ
ウント用バッファをそれぞれ2個ずつ備え、分周回路4
3,44からの出力パルス信号の立ち上がりから次の立
ち上がりまでの間における基準クロック発振器45の出
力パルス数を、バッファを交互に切り換えることにより
連続的にカウント可能になっている。
【0040】D/Aコンバータ48はその分解能が20
ビットであり、フルビットで10万rpmの速度指示と
なるように出力電圧が調整されている。CPU38はア
ウタロータ駆動用及び巻取り駆動系駆動用のモータを入
力装置49により入力された紡出条件に対応した所定回
転数となるように駆動制御する。また、CPU38は両
カウンタ41,42のカウント値に基づいて前記(3)
式の関係を満足するインナロータ10の回転速度R2を
リアルタイムで演算し、インナロータ10の回転速度が
演算された所定の回転速度R2 となるようにD/Aコン
バータ48を介してサーボアンプ37に制御信号を出力
する。サーボアンプ37はCPU38の指令信号と、サ
ーボモータ11のホール素子からのフィードバック信号
とに基づいてサーボモータ11を駆動制御する。
【0041】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。各錘のアウタロータ6は全錘共通の駆動ベル
ト7を介して駆動され、テイクアップローラ35を含む
巻取り駆動系も1台のモータで駆動される。インナロー
タ10は、アウタロータ6の回転速度及びテイクアップ
ローラ35の回転速度に基づいて各錘毎に演算された所
定速度となるように、各サーボモータ11により駆動さ
れる。インナロータ10はアウタロータ6と同方向に所
定の回転速度で回転駆動される。インナロータ10は繊
維集束部6aからの繊維束のはぎ取り速度(アウタロー
タ6の回転速度より若干速い)で回転される。この状態
でコーミングローラの作用により開繊された開繊繊維が
繊維輸送通路26からアウタロータ6内に送り込まれ、
アウタロータ6の内壁面に付着するとともに内壁面に沿
って滑動して最大内径部である繊維集束部6aに集束さ
れる。繊維集束部6aに集束された繊維束はテイクアッ
プローラ35によりヤーンパイプ28を経て引出される
糸Yと繋がっており、糸Yの引出しに伴って繊維集束部
6aからはぎ取られ、加撚されながら糸Yとして引出さ
れる。糸Y及び繊維束に加わる撚りはヤーンパイプ28
の端部を始点として繊維集束部6aまで伝わる。
【0042】この状態では繊維集束部6aからはぎ取ら
れた繊維束は、ガイド部材23の軸部23aに接触する
状態で糸道22を経て糸引出し通路27へと導かれる。
従って、はぎ取り点(撚り掛かり点)付近における繊維
束の引き出し方向と、繊維集束部6aに集束している繊
維束との成す角度、即ち撚り掛け角度が鈍角となる。そ
して、繊維集束部6aからはぎ取られつつ撚り掛けを受
ける繊維束は内側と外側との経路差が少なくなり、繊維
が真っ直ぐに伸びた状態で全体にほぼ均等な力で繊維束
に撚りが加わる。その結果、引き出された糸Yは外周部
に凹凸が表れ難くなり、布にした時の風合いが良くな
る。
【0043】CPU38は各錘毎のアウタロータ6の回
転速度R1と、紡出速度Vに対応するテイクアップロー
ラ35の回転速度R3 とを演算するとともに、(3)式
を満たすインナロータ11の回転速度R2を各錘毎に演
算する。
【0044】 R2=R1+k(Dt /D)R3 ・・・(3) テイクアップローラ35の径Dt は機台により決まって
おり、係数kは紡出条件により予め設定されている。C
PU38はアウタロータ6の回転速度R1及びテイクア
ップローラ35の回転速度R3 を両カウンタ41,42
のカウント値に基づいて演算した後、インナロータ10
の回転速度R2を演算する。そして、演算された回転速
度R2に基づいた指令信号をD/Aコンバータ48に出
力する。
【0045】D/Aコンバータ48はフルビットで10
万rpmの速度指示となるように電圧調整されているた
め、CPU38は求められた回転速度R2を10万rp
mとの相対値として出力する。D/Aコンバータはその
分解能が20ビットであるため、D/Aコンバータコー
ドSR2 は次式のようになる。なお、FFFFF16は1
6進数表示である。
【0046】 SR2 =FFFFF16×R2/100000 そして、D/Aコンバータ48からCPU38の指令信
号に対応する電圧がサーボアンプ37に出力され、イン
ナロータ10が所定の回転速度R2でサーボモータ11
により回転駆動される。サーボアンプ37は指示された
回転数となるようにサーボモータ11をフィードバック
制御し、高精度に指示回転数に追従する。
【0047】次にアウタロータ6の回転速度R1 の演算
方法について説明する。回転速度の演算はパルス周期測
定により行われる。磁気センサ33の出力パルス信号は
分周回路43で分周された後、第1のカウンタ41に入
力される。また、第1のカウンタ41には基準クロック
発振器45の基準クロックが入力される。そして、第1
のカウンタ41は分周回路43の出力パルスと同期化さ
れ、図5に示すように、分周後のパルス信号の立ち上が
りから次の立ち上がりまでの間、即ち1パルス間(1周
期T1間)に入力される基準クロック発振器45の出力
パルス数をカウントする。
【0048】第1のカウンタ41に2個装備されたカウ
ント用バッファのうちの第1のバッファがまず1パルス
間の基準クロックの数をカウントし、その値をラッチす
る。次に第2のバッファが次の1パルス間の基準クロッ
クの数をカウントし、その値をラッチする。第2のバッ
ファが1パルス間の基準クロックの数をカウントしてい
る間に、第1のバッファにラッチされたデータ(カウン
ト値)がCPU38に出力され、第2のバッファによる
1パルス間の基準クロックの数のカウントが終了する
と、第1のバッファが次のパルス間の基準クロックの数
のカウントを開始する。そして、第1のバッファが1パ
ルス間の基準クロックの数をカウントしている間に、第
2のバッファにラッチされたデータ(カウント値)がC
PU38に出力される。以下、同様にして第1及び第2
のバッファにラッチされたデータが交互にCPU38に
出力され、基準クロックが連続的に計測される。
【0049】CPU38は第1のカウンタ41のカウン
ト値N1と、基準クロックの周期Tcとの積により、分
周回路43の出力パルスの周期T1 を演算する。次に周
期T1 の逆数と分周比の逆数との積によりアウタロータ
6回転速度R1を算出する。例えば、分周比が1/sで
あれば、R1=(1/T1 )sとなる。
【0050】同様にして第2のカウンタ42により分周
回路44の出力パルスの1パルス間に入力される基準ク
ロックの数が連続的に計測される。CPU38は第2の
カウンタ42のカウント値N2と、基準クロックの周期
Tcとの積により、分周回路44の出力パルスの周期T
2を演算し、周期T2の逆数と分周比の逆数との積によ
りテイクアップローラ35の回転速度R3を算出する。
【0051】基準クロックを1MHz、分周比を1/1
6とすると、アウタロータ6の回転速度が90000r
pmでの精度は、(1/106 )/[{1/(9000
0/60)}16]=0.000093で、ほぼ0.0
1%となる。
【0052】また、カウンタ41、42は32ビット幅
のため、計測可能な低速回転数は、(106 ×60×1
6)/232≒0.22rpmとなる。この実施の形態で
は次の効果を有する。
【0053】(イ) アウタロータ6の回転速度R1 を
各錘毎に磁気センサ33で直接的に検出し、磁気センサ
33の検出信号と、テイクアップローラ35の回転速度
R3を検出するロータリエンコーダ36の検出信号に基
づいて適正なインナロータ10の回転速度R2を演算
し、その回転速度R2となるように各錘毎にサーボモー
タ11を制御する。従って、アウタロータ6及びインナ
ロータ10を各錘毎に高精度で同期駆動することができ
る。
【0054】(ロ) インナロータ10のシャフト(回
転軸)9の端部がサーボモータ11の回転子12に一体
回転可能に組み付けられているため、装置がコンパクト
になる。また、独立したサーボモータ11の出力軸にイ
ンナロータ10のシャフト9を連結する場合に比較して
芯出しの手間が簡単になる。
【0055】(ハ) アウタロータ6及びテイクアップ
ローラ35の回転速度の演算が、磁気センサ6及びロー
タリエンコーダ36から所定数のパルス信号が出力され
る間に基準発振器から出力されるパルス数のカウント値
に基づいてなされる。従って、基準発振器の出力パルス
の周期を小さく(周波数を高く)することにより、簡単
に前記回転速度の検出精度を高めることができる。その
結果、インナロータ10を高精度でアウタロータ6と同
期駆動できる。
【0056】(ニ) CPU38は分周された後の磁気
センサ33及びロータリエンコーダ36の出力パルス信
号の1パルス間にカウンタ41、42によりカウントさ
れた基準発振器の出力パルス数に基づいて、アウタロー
タ6及びテイクアップローラ35の回転速度を演算す
る。従って、分周比を各錘の制御周期に対応して設定す
ることにより、CPU38による各錘のインナロータ1
0の回転速度の演算時に必要なデータ(各カウンタ4
1,42のカウント値)を直ちに得ることができ、効率
良く演算できる。
【0057】(ホ) 各カウンタ41、42がダブルバ
ッファ方式のため、連続した計測が可能となり、CPU
38がカウント値を必要とする際にいつでもデータを得
ることができる。
【0058】(ヘ) 基準発振器としてCPU38の作
動に必須のコンピュータの基準クロック発振器が使用さ
れる。従って、新たに各カウンタ41、42用の基準発
振器を設ける必要がない。
【0059】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば、次のように具体化してもよ
い。 (1) 図6に示すように、アウタロータ6の開放側と
反対側に永久磁石製の2個の被検知部50を対称に固着
する。そして、ケーシング29には被検知部50の回転
軌跡と対向する箇所に磁気センサ33を配設する。この
場合はアウタロータ6の1回転毎に磁気センサ33から
2パルスが出力される。ロータシャフト5及びシャフト
9の長さが長いと、ロータユニットの共振点を使用回転
数より大きくするのが難しくなるため、ロータシャフト
5及びシャフト9はできるだけ短くしたい。ロータシャ
フト5及びシャフト9を短くすると、磁気センサ33を
ロータシャフト5の第2端部に設けられた被検知部32
を検知可能な位置に配設するのが難しくなる。しかし、
この構成ではロータシャフト5及びシャフト9の長さが
短くなっても磁気センサ33の配設位置の確保が容易と
なる。被検知部50の数は2個に限らず、1個あるいは
3個以上であってもよい。
【0060】(2) 図7に示すように、サーボモータ
11とスラスト軸受とを一体化した構成とする。即ち、
モータハウジング51の後部(図7における左側)には
ボール18及びオイル供給部材17を収容する収容部5
2が形成され、収容部52の下側にオイルを貯留するオ
イルケース53が取り外し可能に固定されている。オイ
ルケース53はその上部内面に形成された雌ねじ部(図
示せず)においてモータハウジング51に螺合されてい
る。
【0061】ボール18は収容部52の壁面を貫通して
収容部52内に突出したシャフト9の第2端部と、調整
ネジ19の先端との間に支承されている。調整ネジ19
の先端はボール18の曲率とほぼ同じ曲率に湾曲して形
成されている。オイル供給部材17はフェルトやひもで
構成され、一部がオイル内に浸漬され一部がボール18
に接触している。そして、ボール18はオイル供給部材
17を介して供給されるオイルケース53内のオイルで
潤滑される。シャフト9のスラスト力を受けるボール1
8が磨耗してきた場合は、調整ネジ17を締めてボール
18の位置をシャフト9側へ移動させてシャフト9とボ
ール18との当接状態を調整する。また、潤滑用オイル
の交換は、オイルケース53をモータハウジング51か
ら取り外して中のオイルを入れ換える。
【0062】アウタロータ6及びインナロータ10を高
速で回転する場合、ロータユニットの共振点を使用回転
数より大きくする必要がある。そのためには、前記のよ
うにるロータシャフト5及びシャフト9をできるだけ短
くする必要がある。スラスト軸受をサーボモータ11と
一体化したこの構成の場合は、スラスト軸受15とサー
ボモータ11とを別体にした場合に比較してロータシャ
フト5及びシャフト9を短くできる。その結果、使用回
転速度をより高速にできる。
【0063】また、スラスト軸受15とサーボモータ1
1とを別体にした場合は、シャフト9に対してモータの
芯出しと、スラスト軸受15のボール18との芯出しと
の2回の芯出し作業が必要となる。しかし、この構成で
は芯出し作業が1回で済み、工数が減少する。
【0064】(3) 被検知部32に形成するN極及び
S極の組数を2個以上としてもよい。ロータシャフト5
の1回転毎に磁気センサ33から出力されるパルス数は
前記組数と同じとなり、2組あれば2個、3組あれば3
個出力される。
【0065】(4) 第1及び第2のカウンタ41,4
2用の基準発振器としてコンピュータの基準クロック発
振器45を共用せずにカウンタ41、42専用の基準発
振器を設けても良い。この場合、コンピュータの能力に
関係なく基準発振器の周波数を高くでき、回転速度の測
定を高精度でできる。
【0066】(5) インナロータ10のシャフト9の
端部がサーボモータ11の回転子12に一体回転可能に
組み付けられた構成に代えて、インナロータ10を駆動
するサーボモータとして独立のサーボモータを使用して
もよい。
【0067】(6) D/Aコンバータ48の分解能や
カウンタ41、42のビット幅あるいは分周回路43、
44の分周比を、所望の精度に対応して前記実施の形態
以外のものに変更してもよい。
【0068】(7) カウンタ41、42としてダブル
バッファ式以外のものを採用してもよい。 (8) スラスト軸受として接触型のスラスト軸受に代
えて、非接触型のスラスト軸受、例えば磁石の反発力を
利用したものや、圧縮空気の作用を利用したものを使用
してもよい。
【0069】(9) インナロータ10の形状は円盤状
に限らず、回転時の動バランスが保てる形状であればよ
い。また、糸道22の形状やガイド部材23の形状を適
宜変更してもよい。前記実施の形態及び変更例から把握
できる請求項記載以外の発明について、以下にその効果
とともに記載する。
【0070】(1) 請求項4又は請求項5に記載の発
明において、前記カウンタをダブルバッファ式とする。
この場合、アウターロータ及び糸引出しローラの回転速
度に対応するパルス数を連続的に計測できる。
【0071】(2) ダブルロータ式オープンエンド精
紡機において、各錘毎に設けられたインナロータ駆動用
のモータのハウジングに、インナーロータのシャフトの
スラスト力を受けるスラストボール軸受を一体的に形成
する。この場合、スラスト軸受とインナロータ駆動用の
モータとを別体にした場合に比較してシャフトを短くで
き、使用回転速度をより高速にできる。
【0072】(3) (2)のスラストボール軸受はオ
イル供給部材を介してボールに供給するオイルを貯留す
るオイルケースが前記ハウジングに着脱可能に固定され
ている。この場合、潤滑用オイルの交換が容易となる。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項4
に記載の発明によれば、アウタロータ及びインナロータ
を各錘毎に高精度で同期駆動することができる。
【0074】請求項2に記載の発明では、インナロータ
の回転軸の端部がサーボモータの回転子に一体回転可能
に組み付けられているため、装置がコンパクトになる。
また、独立したサーボモータの出力軸にインナロータの
回転軸を連結する場合に比較して芯出しの手間が簡単に
なる。
【0075】請求項3に記載の発明では、基準発振器の
出力パルスの周期を小さく(周波数を高く)することに
より、アウターロータ及び糸引出しローラの回転速度の
検出精度を簡単に高めることができ、インナロータを高
精度でアウタロータと同期駆動できる。
【0076】請求項4に記載の発明では、分周比を各錘
の制御周期に対応して設定することにより、アウターロ
ータ及び糸引出しローラの回転速度を効率良く演算でき
る。請求項5に記載の発明では、演算手段を構成するマ
イクロプロセッサの基準クロック発振器がカウンタ用の
基準発振器として使用されるため、新たに各カウンタ用
の基準発振器を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態のオープンエンド精紡機の概略断
面図。
【図2】 (a)はアウタロータの開口側から見た部分
断面図、(b)はインナロータの断面図。
【図3】 被検知部の概略斜視図。
【図4】 電気的構成を示すブロック図。
【図5】 基準クロック、分周回路の出力パルスを示す
線図。
【図6】 変更例の部分断面図。
【図7】 別の変更例の部分断面図。
【図8】 従来装置の概略断面図。
【符号の説明】
5…回転軸としてのロータシャフト、6…アウタロー
タ、6a…繊維集束部、7…駆動ベルト、9…シャフ
ト、10…インナロータ、11…サーボモータ、12…
回転子、27…糸引出し通路、32,50…被検知部、
33…磁気センサ、34…制御手段としての制御装置、
35…糸引出しローラとしてのテイクアップローラ、3
6…回転速度検出手段としてのロータリエンコーダ、3
8…演算手段及びマイクロプロセッサとしてのCPU、
41…第1のカウンタ、42…第2のカウンタ、45…
基準発振器としての基準クロック発振器、Y…糸。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維が集束する繊維集束部を有するアウ
    タロータ内に、前記繊維集束部から引き出された糸を糸
    引出し通路の端部へ案内するインナロータを前記アウタ
    ロータと同軸線上に設けるとともに、前記インナロータ
    を前記アウタロータと独立して積極駆動可能にしたロー
    タ式オープンエンド精紡機において、 前記インナロータを各錘毎に回転駆動するサーボモータ
    と、 前記アウタロータ又はアウタロータと一体に回転する回
    転軸に設けられた磁化された被検知部を検知してアウタ
    ロータの回転速度を検出する磁気センサと、 糸引出しローラの回転速度を検出する回転速度検出手段
    と、 前記磁気センサ及び回転速度検出手段の検出信号に基づ
    いて前記アウタロータ及び糸引出しローラの回転速度に
    対応する適正な前記インナロータの回転速度を演算する
    演算手段と、 前記演算された回転速度で前記インナロータが回転する
    ように前記サーボモータを制御する制御手段とを備えた
    ロータ式オープンエンド精紡機のロータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記インナロータの回転軸の端部が前記
    サーボモータの回転子に一体回転可能に組み付けられて
    いる請求項1に記載のロータ式オープンエンド精紡機の
    ロータ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気センサ及び回転速度検出手段は
    アウタロータ及び糸引出しローラの回転数にそれぞれ対
    応したパルス信号を出力し、前記演算手段は磁気センサ
    及び回転速度検出手段から所定数のパルス信号が出力さ
    れる間に基準発振器から出力されるパルス数のカウント
    値に基づいて前記アウタロータ及び糸引出しローラの回
    転速度を演算する請求項1又は請求項2に記載のロータ
    式オープンエンド精紡機のロータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記演算手段は前記磁気センサ及び回転
    速度検出手段の出力パルス信号を分周し、分周後のパル
    ス信号の1パルス間に前記基準発振器から出力されるパ
    ルス数をそれぞれカウントするカウンタのカウント値に
    基づいて前記アウタロータ及び糸引出しローラの回転速
    度を演算する請求項3に記載のロータ式オープンエンド
    精紡機のロータ駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記演算手段はマイクロプロセッサによ
    り構成され、前記基準発振器はマイクロプロセッサの基
    準クロック発振器である請求項3又は請求項4に記載の
    ロータ式オープンエンド精紡機のロータ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111122897A (zh) * 2019-12-23 2020-05-08 无锡物联网创新中心有限公司 磁电式单锭检测系统中锭子转速的捕获方法及相关装置

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