JPH09268445A - ロータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装置 - Google Patents
ロータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装置Info
- Publication number
- JPH09268445A JPH09268445A JP7034096A JP7034096A JPH09268445A JP H09268445 A JPH09268445 A JP H09268445A JP 7034096 A JP7034096 A JP 7034096A JP 7034096 A JP7034096 A JP 7034096A JP H09268445 A JPH09268445 A JP H09268445A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotor
- shaft
- rotor shaft
- outer rotor
- detected
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 アウターロータの回転速度を精度良く検出で
き、開繊繊維や風綿の堆積の影響をほとんど受けず、動
力消費の増大を招かないようにする。 【解決手段】 第1端部にアウターロータ6が一体回転
可能に支持されたロータシャフト5の内側に、シャフト
9がベアリング8を介して相対回転可能かつ軸方向への
相対移動不能に支持されている。シャフト9の第1端部
にはインナーロータ10が一体回転可能に支持されてい
る。ロータシャフト5の第2端部には被検知部28として
の磁性体29の小径部が嵌合され、ロータシャフト5に一
体回転可能に固定されている。大径部にはその周方向に
沿って2極(N極及びS極)が交互に多数着磁されてい
る。磁性体29の大径部と対応する所定位置に磁気センサ
30が配設されている。磁気センサ30は制御装置31に接続
され、ロータシャフト5の回転数に比例するパルス信号
を制御装置31に出力する。
き、開繊繊維や風綿の堆積の影響をほとんど受けず、動
力消費の増大を招かないようにする。 【解決手段】 第1端部にアウターロータ6が一体回転
可能に支持されたロータシャフト5の内側に、シャフト
9がベアリング8を介して相対回転可能かつ軸方向への
相対移動不能に支持されている。シャフト9の第1端部
にはインナーロータ10が一体回転可能に支持されてい
る。ロータシャフト5の第2端部には被検知部28として
の磁性体29の小径部が嵌合され、ロータシャフト5に一
体回転可能に固定されている。大径部にはその周方向に
沿って2極(N極及びS極)が交互に多数着磁されてい
る。磁性体29の大径部と対応する所定位置に磁気センサ
30が配設されている。磁気センサ30は制御装置31に接続
され、ロータシャフト5の回転数に比例するパルス信号
を制御装置31に出力する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維集束部を有する
アウターロータ内に該繊維集束部から引き出された糸を
糸引出し通路の端部へ案内するインナーロータを前記ア
ウターロータと同軸線上に設け、前記インナーロータを
前記アウターロータと独立して積極駆動可能にするとと
もに該アウターロータの回転速度に基づいて駆動制御す
るロータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装
置に関するものである。
アウターロータ内に該繊維集束部から引き出された糸を
糸引出し通路の端部へ案内するインナーロータを前記ア
ウターロータと同軸線上に設け、前記インナーロータを
前記アウターロータと独立して積極駆動可能にするとと
もに該アウターロータの回転速度に基づいて駆動制御す
るロータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にロータ式オープンエンド精紡機に
おいては、供給スライバがコーミングローラにより開繊
されて不純物が分離され、ばらばらに開繊された繊維が
高速回転するロータ内の負圧に基づいて繊維輸送通路
(繊維輸送チャンネル)内に生じる気流によってロータ
内に輸送される。そして、ロータ内へ輸送された繊維は
ロータの最大内径部である繊維集束部に集束され、ネー
ブルの中心に設けられたガイド孔(糸引出し通路)から
引出しローラの作用により引き出され、同時にロータの
回転により加撚されて糸となり、ボビンにパッケージと
して巻取られるようになっている。
おいては、供給スライバがコーミングローラにより開繊
されて不純物が分離され、ばらばらに開繊された繊維が
高速回転するロータ内の負圧に基づいて繊維輸送通路
(繊維輸送チャンネル)内に生じる気流によってロータ
内に輸送される。そして、ロータ内へ輸送された繊維は
ロータの最大内径部である繊維集束部に集束され、ネー
ブルの中心に設けられたガイド孔(糸引出し通路)から
引出しローラの作用により引き出され、同時にロータの
回転により加撚されて糸となり、ボビンにパッケージと
して巻取られるようになっている。
【0003】オープンエンド精紡機はリング精紡機に比
較して生産性が良い。ところが、繊維集束部に集束され
た繊維束はロータの回転に伴う遠心力の作用で繊維集束
部の内壁面に付着しているだけである。従って、ガイド
孔に沿って引き出される繊維束に加えられる撚が繊維集
束部に集束された繊維束のはぎ取り点より上流の繊維束
にもある程度伝わっている。その結果、撚りかけ時に十
分な張力が得られずに繊維が十分に伸ばされない状態で
撚が加えられるため、繊維が真っ直ぐに撚り込まれず、
糸強力が上がらないという問題があった。
較して生産性が良い。ところが、繊維集束部に集束され
た繊維束はロータの回転に伴う遠心力の作用で繊維集束
部の内壁面に付着しているだけである。従って、ガイド
孔に沿って引き出される繊維束に加えられる撚が繊維集
束部に集束された繊維束のはぎ取り点より上流の繊維束
にもある程度伝わっている。その結果、撚りかけ時に十
分な張力が得られずに繊維が十分に伸ばされない状態で
撚が加えられるため、繊維が真っ直ぐに撚り込まれず、
糸強力が上がらないという問題があった。
【0004】従来のオープンエンド糸の欠点を解消する
装置として、繊維集束部を有するアウターロータの内側
に、繊維集束部に集束された繊維束を引き出すための糸
道を備えるとともにアウターロータと独立して積極駆動
されるインナーロータを設けた装置(以下、ダブルロー
タ式オープンエンド精紡機と称す)が提案されている
(例えば、特開平5−44119号公報)。ダブルロー
タ式オープンエンド精紡機では品質の良い紡出糸を得る
には、アウターロータとインナーロータとの回転速度
(回転数)が所定の関係で運転されることが必要とな
る。特開平5−44119号公報では、繊維集束部の径
をD、アウターロータの回転数をR1 、インナーロータ
の回転数をR2 とするとき、紡出速度Vが次式を満たす
ことが望ましいとしている。
装置として、繊維集束部を有するアウターロータの内側
に、繊維集束部に集束された繊維束を引き出すための糸
道を備えるとともにアウターロータと独立して積極駆動
されるインナーロータを設けた装置(以下、ダブルロー
タ式オープンエンド精紡機と称す)が提案されている
(例えば、特開平5−44119号公報)。ダブルロー
タ式オープンエンド精紡機では品質の良い紡出糸を得る
には、アウターロータとインナーロータとの回転速度
(回転数)が所定の関係で運転されることが必要とな
る。特開平5−44119号公報では、繊維集束部の径
をD、アウターロータの回転数をR1 、インナーロータ
の回転数をR2 とするとき、紡出速度Vが次式を満たす
ことが望ましいとしている。
【0005】 πDR1 +0.8V≦πDR2 ≦πDR1 +V ・・・(1) (1)式を書き直すと、次式となる。 R1 +0.8V/(πD)≦R2 ≦R1 +V/(πD) ・・・(2) 例えば、アウターロータの回転数R1 =60000rp
m、糸番手Ne=20、撚り係数k=4.0、繊維集束
部の径D=36mmの場合、紡出速度Vは次のようにな
る。
m、糸番手Ne=20、撚り係数k=4.0、繊維集束
部の径D=36mmの場合、紡出速度Vは次のようにな
る。
【0006】V=60000×0.0254/{k√
(Ne)}≒85m/min その結果、インナーロータの回転数R2 は次のようにな
る。 60000+601≦R2 ≦60000+751 従って、アウターロータの回転数に対するインナーロー
タの回転数の値のバラツキは150rpmしか許容され
ない。この許容範囲はアウターロータの回転数の僅か
0.25%であり、撚り数を大きくした紡出運転や細番
手の糸の紡出運転で巻取速度が遅くなると、前記許容範
囲はさらに狭くなる。
(Ne)}≒85m/min その結果、インナーロータの回転数R2 は次のようにな
る。 60000+601≦R2 ≦60000+751 従って、アウターロータの回転数に対するインナーロー
タの回転数の値のバラツキは150rpmしか許容され
ない。この許容範囲はアウターロータの回転数の僅か
0.25%であり、撚り数を大きくした紡出運転や細番
手の糸の紡出運転で巻取速度が遅くなると、前記許容範
囲はさらに狭くなる。
【0007】従って、ダブルロータ式オープンエンド精
紡機ではアウターロータの回転速度を各錘毎に検出し
て、その回転速度に基づいてインナーロータを対応する
所定の回転速度で駆動する必要がある。前記特開平5−
44119号公報には、アウターロータを支持する筒状
のロータシャフトは複数錘共通のベルトで駆動し、イン
ナーロータのシャフトは個別のモータで駆動する装置が
提案されている。そして、前記ロータシャフトを回転可
能に支承する支持円板の回転速度(回転数)を検出して
アウターロータの回転速度を演算し、その回転速度に基
づいてインナーロータの回転速度を設定するようにして
いる。
紡機ではアウターロータの回転速度を各錘毎に検出し
て、その回転速度に基づいてインナーロータを対応する
所定の回転速度で駆動する必要がある。前記特開平5−
44119号公報には、アウターロータを支持する筒状
のロータシャフトは複数錘共通のベルトで駆動し、イン
ナーロータのシャフトは個別のモータで駆動する装置が
提案されている。そして、前記ロータシャフトを回転可
能に支承する支持円板の回転速度(回転数)を検出して
アウターロータの回転速度を演算し、その回転速度に基
づいてインナーロータの回転速度を設定するようにして
いる。
【0008】しかし、前記支持円板とロータシャフトと
の間に滑りが生じる場合があり、必ずしも支持円板にロ
ータシャフトの回転が正確に伝達されるとは限らない。
従って、支持円板の回転速度に基づいてインナーロータ
の回転速度を設定するのは、精度の高い制御を行う際に
問題となる。
の間に滑りが生じる場合があり、必ずしも支持円板にロ
ータシャフトの回転が正確に伝達されるとは限らない。
従って、支持円板の回転速度に基づいてインナーロータ
の回転速度を設定するのは、精度の高い制御を行う際に
問題となる。
【0009】特開昭51−105432号公報には、イ
ンナーロータを備えない一般のロータ式オープンエンド
精紡機においてロータの回転数を検出する装置として、
ロータの外周面に所定間隔でマーキングを施し、ロータ
の近傍に光電パルス検知器を配設したものが開示されて
いる。光電パルス検知器は光ビームを放射し、マーキン
グが施された部分と施されていない部分との光ビームの
反射量の違いに基づいてロータの回転数に比例したパル
ス信号を出力する。
ンナーロータを備えない一般のロータ式オープンエンド
精紡機においてロータの回転数を検出する装置として、
ロータの外周面に所定間隔でマーキングを施し、ロータ
の近傍に光電パルス検知器を配設したものが開示されて
いる。光電パルス検知器は光ビームを放射し、マーキン
グが施された部分と施されていない部分との光ビームの
反射量の違いに基づいてロータの回転数に比例したパル
ス信号を出力する。
【0010】また、特開昭52−42932号公報に
は、一般のロータ式オープンエンド精紡機におけるロー
タの回転数検出装置として、ロータのシャフトの中間部
に刻み目を設け、刻み目と対向する近傍に巻線を備えた
測定探針を配設し、測定探針をパルス発生器と電気的に
結合したものが開示されている。この装置はシャフトの
回転時に、測定探針の先端とシャフトとの距離の変化、
即ち刻み目が測定探針と対向する位置を通過する毎にパ
ルス発生器からパルスが出力される。
は、一般のロータ式オープンエンド精紡機におけるロー
タの回転数検出装置として、ロータのシャフトの中間部
に刻み目を設け、刻み目と対向する近傍に巻線を備えた
測定探針を配設し、測定探針をパルス発生器と電気的に
結合したものが開示されている。この装置はシャフトの
回転時に、測定探針の先端とシャフトとの距離の変化、
即ち刻み目が測定探針と対向する位置を通過する毎にパ
ルス発生器からパルスが出力される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−44119
号公報に開示されたダブルロータ式オープンエンド精紡
機におけるアウターロータの回転速度検出方法の問題点
を解消するため、特開昭51−105432号公報ある
いは特開昭52−42932号公報に開示されたロータ
の回転速度検出方法を適用することが考えられる。
号公報に開示されたダブルロータ式オープンエンド精紡
機におけるアウターロータの回転速度検出方法の問題点
を解消するため、特開昭51−105432号公報ある
いは特開昭52−42932号公報に開示されたロータ
の回転速度検出方法を適用することが考えられる。
【0012】特開昭51−105432号公報に開示さ
れた方法を適用する場合は、アウターロータの外周面に
マーキングを施し、アウターロータの近傍に反射式光セ
ンサを設ける。センサはアウターロータを収容するケー
シングの開放側端部と当接しして開口を閉鎖するハウジ
ングに取り付けられる。そして、アウターロータからの
反射光に基づいてアウターロータの回転数に比例するパ
ルス信号を出力する。しかし、前記センサの収容空間に
はアウターロータに供給された開繊繊維の一部が浮遊し
ているため、長期間放置するとセンサに開繊繊維が堆積
し、センサからの出力光やアウターロータからの反射光
が遮られる虞がある。従って、定期的に清掃を行う必要
があり、手間がかかるとともにその間紡出が中断されて
生産性が低下するという問題がある。
れた方法を適用する場合は、アウターロータの外周面に
マーキングを施し、アウターロータの近傍に反射式光セ
ンサを設ける。センサはアウターロータを収容するケー
シングの開放側端部と当接しして開口を閉鎖するハウジ
ングに取り付けられる。そして、アウターロータからの
反射光に基づいてアウターロータの回転数に比例するパ
ルス信号を出力する。しかし、前記センサの収容空間に
はアウターロータに供給された開繊繊維の一部が浮遊し
ているため、長期間放置するとセンサに開繊繊維が堆積
し、センサからの出力光やアウターロータからの反射光
が遮られる虞がある。従って、定期的に清掃を行う必要
があり、手間がかかるとともにその間紡出が中断されて
生産性が低下するという問題がある。
【0013】また、アウターロータは数万〜十万rpm
と高速で回転するためマーキング材に大きな遠心力が作
用する。従って、マーキングを施す場合、テープを接着
材で貼り付けたり、簡単なメッキ等の簡便な方法では剥
がれ易く、マーキングに手間がかかる。アウターロータ
は繊維との摩擦により摩耗し、繊維集束部が所定量以上
摩耗した場合、アウターロータを新しいものと交換する
必要がある。そして、新しいアウターロータにもマーキ
ングを施す必要があり手間がかかる。また、ハウジング
は糸継ぎ作業時等にケーシングから離間する開放位置に
回動配置されるため、センサに繋がる配線はハウジング
の回動を許容する分、長くしなければならないという問
題もある。
と高速で回転するためマーキング材に大きな遠心力が作
用する。従って、マーキングを施す場合、テープを接着
材で貼り付けたり、簡単なメッキ等の簡便な方法では剥
がれ易く、マーキングに手間がかかる。アウターロータ
は繊維との摩擦により摩耗し、繊維集束部が所定量以上
摩耗した場合、アウターロータを新しいものと交換する
必要がある。そして、新しいアウターロータにもマーキ
ングを施す必要があり手間がかかる。また、ハウジング
は糸継ぎ作業時等にケーシングから離間する開放位置に
回動配置されるため、センサに繋がる配線はハウジング
の回動を許容する分、長くしなければならないという問
題もある。
【0014】一方、特開昭52−42932号公報に開
示された方法を適用する場合は、アウターロータを支持
するロータシャフトの中間部に被検知部として刻み目
(凹凸)を設け、被検知部と対応する部分に磁気センサ
を設ける。この場合は被検知部がロータシャフトに形成
された刻み目のため、マーキングを施す場合と異なり、
遠心力の悪影響は受けない。しかも、磁気センサは糸継
ぎ作業時等に回動されるハウジングと独立した所定の位
置に配設されるため、前記の不都合はない。
示された方法を適用する場合は、アウターロータを支持
するロータシャフトの中間部に被検知部として刻み目
(凹凸)を設け、被検知部と対応する部分に磁気センサ
を設ける。この場合は被検知部がロータシャフトに形成
された刻み目のため、マーキングを施す場合と異なり、
遠心力の悪影響は受けない。しかも、磁気センサは糸継
ぎ作業時等に回動されるハウジングと独立した所定の位
置に配設されるため、前記の不都合はない。
【0015】しかし、ロータシャフトの被検知部が設け
られた部分に凹凸が形成されるため、ロータシャフトが
高速回転する際に抵抗が大きくなり、アウターロータを
駆動する動力消費が増大するという問題がある。また、
検出精度を高めるためには磁気センサをロータシャフト
の近傍に配設する必要があるが、周面に凹凸が形成され
ているため運転停止中に風綿が被検知部に堆積し易くな
り、堆積風綿が運転開始時に磁気センサとロータシャフ
トとの隙間に食い込む虞があるという問題もある。回転
速度検出の分解能を高めるために凹凸の数を増やすと、
前記の問題がより顕著となる。
られた部分に凹凸が形成されるため、ロータシャフトが
高速回転する際に抵抗が大きくなり、アウターロータを
駆動する動力消費が増大するという問題がある。また、
検出精度を高めるためには磁気センサをロータシャフト
の近傍に配設する必要があるが、周面に凹凸が形成され
ているため運転停止中に風綿が被検知部に堆積し易くな
り、堆積風綿が運転開始時に磁気センサとロータシャフ
トとの隙間に食い込む虞があるという問題もある。回転
速度検出の分解能を高めるために凹凸の数を増やすと、
前記の問題がより顕著となる。
【0016】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はアウターロータの回転速度を精
度良く検出でき、開繊繊維や風綿の堆積の影響をほとん
ど受けず、動力消費の増大を招かないロータ式オープン
エンド精紡機のロータ回転速度検出装置を提供すること
にある。
のであって、その目的はアウターロータの回転速度を精
度良く検出でき、開繊繊維や風綿の堆積の影響をほとん
ど受けず、動力消費の増大を招かないロータ式オープン
エンド精紡機のロータ回転速度検出装置を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、繊維集束部を有するア
ウターロータ内に該繊維集束部から引き出された糸を糸
引出し通路の端部へ案内するインナーロータを前記アウ
ターロータと同軸線上に設け、前記インナーロータを前
記アウターロータと独立して積極駆動可能にするととも
に該アウターロータの回転速度に基づいて駆動制御する
ロータ式オープンエンド精紡機において、前記アウター
ロータが第1端部に一体回転可能に支持された回転筒
に、その周方向に連続する外面が平滑でかつ外側へ向か
う磁束の状態が異なる部分が存在するように少なくとも
一部が磁化された被検知部を設け、該被検知部と対応す
る位置に磁気センサを設けた。
め、請求項1に記載の発明では、繊維集束部を有するア
ウターロータ内に該繊維集束部から引き出された糸を糸
引出し通路の端部へ案内するインナーロータを前記アウ
ターロータと同軸線上に設け、前記インナーロータを前
記アウターロータと独立して積極駆動可能にするととも
に該アウターロータの回転速度に基づいて駆動制御する
ロータ式オープンエンド精紡機において、前記アウター
ロータが第1端部に一体回転可能に支持された回転筒
に、その周方向に連続する外面が平滑でかつ外側へ向か
う磁束の状態が異なる部分が存在するように少なくとも
一部が磁化された被検知部を設け、該被検知部と対応す
る位置に磁気センサを設けた。
【0018】請求項2に記載の発明では、前記被検知部
は前記回転筒の第2端部に設けられている。請求項3に
記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明に
おいて、前記被検知部はその周方向に沿って2極が交互
に着磁された円筒状の磁性体により形成されている。
は前記回転筒の第2端部に設けられている。請求項3に
記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明に
おいて、前記被検知部はその周方向に沿って2極が交互
に着磁された円筒状の磁性体により形成されている。
【0019】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記被検
知部は回転筒の周方向に沿ってN極及びS極が並ぶよう
に磁化された構造とした。
求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記被検
知部は回転筒の周方向に沿ってN極及びS極が並ぶよう
に磁化された構造とした。
【0020】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記被検
知部の外径をロータシャフトの他の箇所の外径以下に形
成した。
求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記被検
知部の外径をロータシャフトの他の箇所の外径以下に形
成した。
【0021】請求項6に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、ロータシャフトの一部
を直接磁化して前記被検知部を形成した。請求項1〜請
求項6に記載の発明では、開繊された状態で供給された
繊維がアウターロータの繊維集束部に集束される。繊維
集束部に集束された繊維束は繊維集束部からはぎ取ら
れ、加撚されながらアウターロータ内にアウターロータ
と同軸線上に設けられたインナーロータを経て糸引出し
通路の端部へ案内される。アウターロータは回転筒と一
体に回転する。回転筒に設けられた被検知部は、外側へ
向かう磁束の状態が異なる部分が存在するため、回転筒
が回転すると磁気センサは磁束の変化に基づいてパルス
信号を出力する。そして、磁気センサから回転筒の回転
数、即ちアウターロータの回転数に比例したパルス信号
が出力される。被検知部は外周面が平滑なため、回転時
の抵抗が小さく動力消費の増加を招かない。
請求項2に記載の発明において、ロータシャフトの一部
を直接磁化して前記被検知部を形成した。請求項1〜請
求項6に記載の発明では、開繊された状態で供給された
繊維がアウターロータの繊維集束部に集束される。繊維
集束部に集束された繊維束は繊維集束部からはぎ取ら
れ、加撚されながらアウターロータ内にアウターロータ
と同軸線上に設けられたインナーロータを経て糸引出し
通路の端部へ案内される。アウターロータは回転筒と一
体に回転する。回転筒に設けられた被検知部は、外側へ
向かう磁束の状態が異なる部分が存在するため、回転筒
が回転すると磁気センサは磁束の変化に基づいてパルス
信号を出力する。そして、磁気センサから回転筒の回転
数、即ちアウターロータの回転数に比例したパルス信号
が出力される。被検知部は外周面が平滑なため、回転時
の抵抗が小さく動力消費の増加を招かない。
【0022】請求項2に記載の発明では、被検知部が前
記回転筒の第2端部に設けられている。従って、磁気セ
ンサの配設位置が回転筒を回転可能に支承する支承部材
より回転筒の第2端部側になり、磁気センサの配設スペ
ースを確保し易い。
記回転筒の第2端部に設けられている。従って、磁気セ
ンサの配設位置が回転筒を回転可能に支承する支承部材
より回転筒の第2端部側になり、磁気センサの配設スペ
ースを確保し易い。
【0023】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、被検知部はその周方向
に沿ってN極及びS極が交互に配列された状態に着磁さ
れた円筒状の磁性体により形成されている。従って、回
転筒に簡単に装着できる。
請求項2に記載の発明において、被検知部はその周方向
に沿ってN極及びS極が交互に配列された状態に着磁さ
れた円筒状の磁性体により形成されている。従って、回
転筒に簡単に装着できる。
【0024】請求項4に記載の発明では、被検知部は回
転筒の周方向に沿ってN極及びS極が並ぶように磁化さ
れた構造となっている。従って、2極の数を増やすこと
により、容易に回転速度検出の分解能が高められる。
転筒の周方向に沿ってN極及びS極が並ぶように磁化さ
れた構造となっている。従って、2極の数を増やすこと
により、容易に回転速度検出の分解能が高められる。
【0025】請求項5に記載の発明では、被検知部の外
径がロータシャフトの他の箇所の外径以下に形成されて
いる。従って、機台の所定位置へのロータシャフトの配
設及び所定位置からのロータシャフトの取り外しの際
に、被検知部が他の部材と干渉せずに作業が容易とな
る。
径がロータシャフトの他の箇所の外径以下に形成されて
いる。従って、機台の所定位置へのロータシャフトの配
設及び所定位置からのロータシャフトの取り外しの際
に、被検知部が他の部材と干渉せずに作業が容易とな
る。
【0026】請求項6に記載の発明では、ロータシャフ
トの一部を直接磁化して被検知部が形成されている。従
って、磁化された筒状の磁性体や磁石を回転筒に取り付
ける作業や取付け部を形成する手間がなくなる。
トの一部を直接磁化して被検知部が形成されている。従
って、磁化された筒状の磁性体や磁石を回転筒に取り付
ける作業や取付け部を形成する手間がなくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態を図1〜図4に従って説明する。図1及び図2
(a)に示すように、軸受1を介して互いに平行に配設
された一対の回転軸2の両端に支承部材としての支持円
板3がそれぞれ一体回転可能に支持されている。図2
(a)に示すように、隣接する各1対の支持円板3によ
り楔状凹部4が形成されている。楔状凹部4には回転筒
としてのロータシャフト5が、その外周面が各支持円板
3の周面に接触する状態で支承され、ロータシャフト5
の第1端部にアウターロータ6が一体回転可能に支持さ
れている。2対の支持円板3は回転時にロータシャフト
5に対して第2端部側へ向かうスラスト荷重を作用させ
るように、回転軸2に対して若干傾斜した状態で固定さ
れている。2対の支持円板3間には複数錘共通の駆動ベ
ルト7がロータシャフト5を支持円板3に圧接する状態
でロータシャフト5と直交する方向に走行するように配
設されている。そして、図示しない駆動モータにより駆
動ベルト7が駆動され、駆動ベルト7の走行によりロー
タシャフト5が回転駆動されるようになっている。な
お、駆動ベルト7は、駆動ベルト7に沿って所定間隔で
配設された押圧ローラ(図示せず)によりロータシャフ
ト5側へ付勢されている。
形態を図1〜図4に従って説明する。図1及び図2
(a)に示すように、軸受1を介して互いに平行に配設
された一対の回転軸2の両端に支承部材としての支持円
板3がそれぞれ一体回転可能に支持されている。図2
(a)に示すように、隣接する各1対の支持円板3によ
り楔状凹部4が形成されている。楔状凹部4には回転筒
としてのロータシャフト5が、その外周面が各支持円板
3の周面に接触する状態で支承され、ロータシャフト5
の第1端部にアウターロータ6が一体回転可能に支持さ
れている。2対の支持円板3は回転時にロータシャフト
5に対して第2端部側へ向かうスラスト荷重を作用させ
るように、回転軸2に対して若干傾斜した状態で固定さ
れている。2対の支持円板3間には複数錘共通の駆動ベ
ルト7がロータシャフト5を支持円板3に圧接する状態
でロータシャフト5と直交する方向に走行するように配
設されている。そして、図示しない駆動モータにより駆
動ベルト7が駆動され、駆動ベルト7の走行によりロー
タシャフト5が回転駆動されるようになっている。な
お、駆動ベルト7は、駆動ベルト7に沿って所定間隔で
配設された押圧ローラ(図示せず)によりロータシャフ
ト5側へ付勢されている。
【0028】ロータシャフト5にはその内側両端にベア
リング8が嵌着固定され、ロータシャフト5を貫通する
シャフト9がベアリング8を介してロータシャフト5に
対して相対回転可能かつ軸方向への相対移動不能に支持
されている。シャフト9の第1端部にはインナーロータ
10がアウターロータ6内において一体回転可能に固定
されている。
リング8が嵌着固定され、ロータシャフト5を貫通する
シャフト9がベアリング8を介してロータシャフト5に
対して相対回転可能かつ軸方向への相対移動不能に支持
されている。シャフト9の第1端部にはインナーロータ
10がアウターロータ6内において一体回転可能に固定
されている。
【0029】シャフト9の第2端部側にはモータ11が
配設されている。シャフト9にはモータ11の一部を構
成する永久磁石製の回転子12が一体回転可能に固定さ
れ、シャフト9は回転子12とともにモータハウジング
13から離脱可能となっている。回転子12の外径はロ
ータシャフト5の外径と同じに形成されている。シャフ
ト9は回転子12がコイル14と対向する所定位置に配
置された状態において、その第2端部がモータハウジン
グ13から突出してスラスト軸受15のボール15aと
当接するようになっている。スラスト軸受15は特開平
5−44119号公報に開示されたものと同じ構成であ
る。
配設されている。シャフト9にはモータ11の一部を構
成する永久磁石製の回転子12が一体回転可能に固定さ
れ、シャフト9は回転子12とともにモータハウジング
13から離脱可能となっている。回転子12の外径はロ
ータシャフト5の外径と同じに形成されている。シャフ
ト9は回転子12がコイル14と対向する所定位置に配
置された状態において、その第2端部がモータハウジン
グ13から突出してスラスト軸受15のボール15aと
当接するようになっている。スラスト軸受15は特開平
5−44119号公報に開示されたものと同じ構成であ
る。
【0030】図2(a),(b)に示すように、インナ
ーロータ10は円盤状に形成され、中央部にネーブル1
6の最大外径より大きな径の凹部17が形成されてい
る。インナーロータ10にはアウターロータ6に形成さ
れた繊維集束部6aと対応する位置から凹部17に至る
糸道18を構成する溝が、アウターロータ6の開口部と
同じ側が開放された状態で形成されている。糸道18の
入口部にはインナーロータ10の回転方向(図2(a)
の時計回り方向)前側にガイド部材19が配設されてい
る。ガイド部材19は糸Yの径に比較して大きな径の軸
部19aと、その先端に形成された先端側に向かって拡
径となるテーパ面19bとを備え、ガイド部材19の先
端面がインナーロータ10の端面より突出するように配
設されている。
ーロータ10は円盤状に形成され、中央部にネーブル1
6の最大外径より大きな径の凹部17が形成されてい
る。インナーロータ10にはアウターロータ6に形成さ
れた繊維集束部6aと対応する位置から凹部17に至る
糸道18を構成する溝が、アウターロータ6の開口部と
同じ側が開放された状態で形成されている。糸道18の
入口部にはインナーロータ10の回転方向(図2(a)
の時計回り方向)前側にガイド部材19が配設されてい
る。ガイド部材19は糸Yの径に比較して大きな径の軸
部19aと、その先端に形成された先端側に向かって拡
径となるテーパ面19bとを備え、ガイド部材19の先
端面がインナーロータ10の端面より突出するように配
設されている。
【0031】アウターロータ6の開放側と対向する位置
に配設されたハウジング20には、ボス部21がアウタ
ーロータ6内に突出する状態に形成されている。ボス部
21の周面にはコーミングローラ(図示せず)により開
繊された繊維を、アウターロータ6内に案内する繊維輸
送通路22の一端が開口されている。ボス部21の中央
にはネーブル16が固定され、ネーブル16の中心には
紡出糸Yを巻取装置(図示せず)へ導くための糸引出し
通路23の一端が開口されている。糸引出し通路23の
一部を構成するヤーンパイプ24はネーブル16の中心
線と交差する状態で配設されている。また、ハウジング
20と対向する位置にはアウターロータ6を覆うケーシ
ング25がハウジング20の端面にOリング26を介し
て当接される状態で配設されている。ケーシング25は
パイプ27を介して負圧源(図示せず)に接続されてい
る。ハウジング20は図示しない支軸を中心に回動さ
れ、ケーシング25と対向する面が図1の時計方向に回
動され、アウターロータ6を軸方向に移動可能な状態に
ケーシング25が開放されるようになっている。
に配設されたハウジング20には、ボス部21がアウタ
ーロータ6内に突出する状態に形成されている。ボス部
21の周面にはコーミングローラ(図示せず)により開
繊された繊維を、アウターロータ6内に案内する繊維輸
送通路22の一端が開口されている。ボス部21の中央
にはネーブル16が固定され、ネーブル16の中心には
紡出糸Yを巻取装置(図示せず)へ導くための糸引出し
通路23の一端が開口されている。糸引出し通路23の
一部を構成するヤーンパイプ24はネーブル16の中心
線と交差する状態で配設されている。また、ハウジング
20と対向する位置にはアウターロータ6を覆うケーシ
ング25がハウジング20の端面にOリング26を介し
て当接される状態で配設されている。ケーシング25は
パイプ27を介して負圧源(図示せず)に接続されてい
る。ハウジング20は図示しない支軸を中心に回動さ
れ、ケーシング25と対向する面が図1の時計方向に回
動され、アウターロータ6を軸方向に移動可能な状態に
ケーシング25が開放されるようになっている。
【0032】ロータシャフト5の第2端部には被検知部
28が設けられている。図3に示すように、被検知部2
8は大径部29a及び取付け部としての小径部29bか
らなる円筒状の磁性体29により形成され、大径部29
aはその周方向に沿って2極(N極及びS極)が交互に
多数着磁されている。即ち、被検知部28は外側へ向か
う磁束の状態が異なる部分が存在するように形成されて
いる。小径部29bの外径はロータシャフト5の内径と
同じに形成され、大径部29aの外径はロータシャフト
5の外径と同じに形成されている。磁性体29の内径は
シャフト9の外径より大きく形成され、磁性体29はシ
ャフト9に遊挿され、小径部29bがロータシャフト5
の第2端部に嵌合された状態でロータシャフト5に一体
回転可能に固定されている。
28が設けられている。図3に示すように、被検知部2
8は大径部29a及び取付け部としての小径部29bか
らなる円筒状の磁性体29により形成され、大径部29
aはその周方向に沿って2極(N極及びS極)が交互に
多数着磁されている。即ち、被検知部28は外側へ向か
う磁束の状態が異なる部分が存在するように形成されて
いる。小径部29bの外径はロータシャフト5の内径と
同じに形成され、大径部29aの外径はロータシャフト
5の外径と同じに形成されている。磁性体29の内径は
シャフト9の外径より大きく形成され、磁性体29はシ
ャフト9に遊挿され、小径部29bがロータシャフト5
の第2端部に嵌合された状態でロータシャフト5に一体
回転可能に固定されている。
【0033】磁性体29と対応する所定位置に磁気セン
サ30が配設されている。磁気センサ30は演算手段及
び制御手段としての制御装置31に電気的に接続され、
磁性体29の回転に伴いロータシャフト5の回転数に比
例するパルス信号を制御装置31に出力するようになっ
ている。磁気センサ30としては例えばホール素子が使
用される。モータ11はインバータ32を介して制御装
置31に接続されている。モータ11を制御する制御装
置31は、磁気センサ30からの出力信号に基づいて、
アウターロータ6の回転速度を演算し、その回転速度に
基づいて、インバータ32に制御信号を出力する。コイ
ル14にはインバータ32を介して目的の回転速度に対
応する所定周波数の電圧が供給される。
サ30が配設されている。磁気センサ30は演算手段及
び制御手段としての制御装置31に電気的に接続され、
磁性体29の回転に伴いロータシャフト5の回転数に比
例するパルス信号を制御装置31に出力するようになっ
ている。磁気センサ30としては例えばホール素子が使
用される。モータ11はインバータ32を介して制御装
置31に接続されている。モータ11を制御する制御装
置31は、磁気センサ30からの出力信号に基づいて、
アウターロータ6の回転速度を演算し、その回転速度に
基づいて、インバータ32に制御信号を出力する。コイ
ル14にはインバータ32を介して目的の回転速度に対
応する所定周波数の電圧が供給される。
【0034】制御装置31は次式の関係を満足するとと
もに入力装置(図示せず)により入力された紡出条件に
対応した所定回転数R1 ,R2 となるようにインバータ
32を介してモータ11を駆動制御する。
もに入力装置(図示せず)により入力された紡出条件に
対応した所定回転数R1 ,R2 となるようにインバータ
32を介してモータ11を駆動制御する。
【0035】 πDR1 +0.8V≦πDR2 ≦πDR1 +V ・・・(1) (但しDは繊維集束部6aの直径、Vは紡出速度) 次に前記のように構成された装置の作用を説明する。紡
出運転時には駆動ベルト7を介して各錘のアウターロー
タ6が駆動され、アウターロータ6の回転速度に基づい
てモータ11が所定速度で駆動され、インナーロータ1
0がアウターロータ6と同方向に所定の回転速度で回転
駆動される。インナーロータ10はアウターロータ6の
回転速度とは異なり、繊維集束部6aからの繊維束のは
ぎ取り速度(アウターロータ6の回転速度より若干速
い)で回転する。この状態でコーミングローラの作用に
より開繊された開繊繊維が繊維輸送通路22からアウタ
ーロータ6内に送り込まれ、アウターロータ6の内壁面
に付着するとともに内壁面に沿って滑動して最大内径部
である繊維集束部6aに集束される。繊維集束部6aに
集束された繊維束は引出しローラ(図示せず)によりヤ
ーンパイプ24を経て引出される糸Yと繋がっており、
糸Yの引出しに伴い繊維集束部6aからはぎ取られ、加
撚されながら糸Yとして引出される。糸Y及び繊維束に
加わる撚りはヤーンパイプ24の端部を始点として繊維
集束部6aまで伝わる。
出運転時には駆動ベルト7を介して各錘のアウターロー
タ6が駆動され、アウターロータ6の回転速度に基づい
てモータ11が所定速度で駆動され、インナーロータ1
0がアウターロータ6と同方向に所定の回転速度で回転
駆動される。インナーロータ10はアウターロータ6の
回転速度とは異なり、繊維集束部6aからの繊維束のは
ぎ取り速度(アウターロータ6の回転速度より若干速
い)で回転する。この状態でコーミングローラの作用に
より開繊された開繊繊維が繊維輸送通路22からアウタ
ーロータ6内に送り込まれ、アウターロータ6の内壁面
に付着するとともに内壁面に沿って滑動して最大内径部
である繊維集束部6aに集束される。繊維集束部6aに
集束された繊維束は引出しローラ(図示せず)によりヤ
ーンパイプ24を経て引出される糸Yと繋がっており、
糸Yの引出しに伴い繊維集束部6aからはぎ取られ、加
撚されながら糸Yとして引出される。糸Y及び繊維束に
加わる撚りはヤーンパイプ24の端部を始点として繊維
集束部6aまで伝わる。
【0036】この状態では繊維集束部6aからはぎ取ら
れた繊維束は、ガイド部材19の軸部19aに接触する
状態で糸道18を経て糸引出し通路23へと導かれる。
従って、はぎ取り点(撚り掛かり点)付近における繊維
束の引き出し方向と、繊維集束部6aに集束している繊
維束との成す角度、即ち撚り掛け角度が鈍角となる。そ
して、繊維集束部6aからはぎ取られつつ撚り掛けを受
ける繊維束は内側と外側との経路差が少なくなり、繊維
が真っ直ぐに伸びた状態で全体にほぼ均等な力で繊維束
に撚りが加わる。その結果、引き出された糸Yは外周部
に凹凸が表れ難くなり、布にした時の風合いが良くな
る。
れた繊維束は、ガイド部材19の軸部19aに接触する
状態で糸道18を経て糸引出し通路23へと導かれる。
従って、はぎ取り点(撚り掛かり点)付近における繊維
束の引き出し方向と、繊維集束部6aに集束している繊
維束との成す角度、即ち撚り掛け角度が鈍角となる。そ
して、繊維集束部6aからはぎ取られつつ撚り掛けを受
ける繊維束は内側と外側との経路差が少なくなり、繊維
が真っ直ぐに伸びた状態で全体にほぼ均等な力で繊維束
に撚りが加わる。その結果、引き出された糸Yは外周部
に凹凸が表れ難くなり、布にした時の風合いが良くな
る。
【0037】被検知部28がロータシャフト5と一体に
回転し、磁気センサ30と対向する位置をN極及びS極
が交互に通過する。磁気センサ30はN極及びS極が対
向する位置を通過する際の磁束密度の変化を検出し、そ
れに基づいてパルス信号を出力する。磁気センサ30は
図4に示すようなパルス信号を出力し、ロータシャフト
5が1回転する間にN極あるいはS極と対応する数のパ
ルス信号を出力する。制御装置31は磁気センサ30の
出力信号に基づいて各錘のアウターロータ6の回転速度
を演算し、その回転速度に対応するインナーロータ10
の回転速度を演算する。そして、その回転速度でインナ
ーロータ10を回転させるための指令信号をインバータ
32に出力する。インバータ32は制御装置31からの
指令信号に従ってモータ11を駆動する。モータ11が
駆動されると、シャフト9が回転子12と一体に回転さ
れ、インナーロータ10が所定の回転速度で駆動され
る。
回転し、磁気センサ30と対向する位置をN極及びS極
が交互に通過する。磁気センサ30はN極及びS極が対
向する位置を通過する際の磁束密度の変化を検出し、そ
れに基づいてパルス信号を出力する。磁気センサ30は
図4に示すようなパルス信号を出力し、ロータシャフト
5が1回転する間にN極あるいはS極と対応する数のパ
ルス信号を出力する。制御装置31は磁気センサ30の
出力信号に基づいて各錘のアウターロータ6の回転速度
を演算し、その回転速度に対応するインナーロータ10
の回転速度を演算する。そして、その回転速度でインナ
ーロータ10を回転させるための指令信号をインバータ
32に出力する。インバータ32は制御装置31からの
指令信号に従ってモータ11を駆動する。モータ11が
駆動されると、シャフト9が回転子12と一体に回転さ
れ、インナーロータ10が所定の回転速度で駆動され
る。
【0038】紡出条件の変更によりアウターロータ6の
繊維集束部6aの形状が原料繊維や糸番手に対応しない
場合には、対応した繊維集束部6aを有するアウターロ
ータ6と交換する。この場合、アウターロータ6のみを
交換するのではなく、インナーロータ10が固定された
シャフト9をロータシャフト5に組み付けたロータユニ
ットとして交換する。交換作業は先ず交換を行う紡績ユ
ニットのハウジング20を開放位置に配置してケーシン
グ25を開放する。次に駆動ベルト7をロータシャフト
5から離間する位置へ移動させ、ロータシャフト5が支
持円板3に当接する状態でアウターロータ6を手前(図
1の右側)へ引き出す。
繊維集束部6aの形状が原料繊維や糸番手に対応しない
場合には、対応した繊維集束部6aを有するアウターロ
ータ6と交換する。この場合、アウターロータ6のみを
交換するのではなく、インナーロータ10が固定された
シャフト9をロータシャフト5に組み付けたロータユニ
ットとして交換する。交換作業は先ず交換を行う紡績ユ
ニットのハウジング20を開放位置に配置してケーシン
グ25を開放する。次に駆動ベルト7をロータシャフト
5から離間する位置へ移動させ、ロータシャフト5が支
持円板3に当接する状態でアウターロータ6を手前(図
1の右側)へ引き出す。
【0039】シャフト9はベアリング8を介してロータ
シャフト5に対して軸方向への相対移動不能に支持され
ているため、アウターロータ6を手前に引き出すことに
よりインナーロータ10及びシャフト9も同時に取り外
せる。磁性体29の大径部29a及び回転子12の外径
がロータシャフト5の外径と同じに形成されているた
め、ロータユニットを支持円板3及び駆動ベルト7と干
渉せずに簡単に取り外せる。また、ロータユニットを所
定位置に配設する場合も、シャフト9の第2端部側から
支持円板3及び駆動ベルト7の間を通して、モータ11
側へ押し込むことにより簡単に所定位置に配置される。
シャフト5に対して軸方向への相対移動不能に支持され
ているため、アウターロータ6を手前に引き出すことに
よりインナーロータ10及びシャフト9も同時に取り外
せる。磁性体29の大径部29a及び回転子12の外径
がロータシャフト5の外径と同じに形成されているた
め、ロータユニットを支持円板3及び駆動ベルト7と干
渉せずに簡単に取り外せる。また、ロータユニットを所
定位置に配設する場合も、シャフト9の第2端部側から
支持円板3及び駆動ベルト7の間を通して、モータ11
側へ押し込むことにより簡単に所定位置に配置される。
【0040】この実施の形態は以下の効果を有する。 (イ) アウターロータ6の回転速度をアウターロータ
6と一体回転するロータシャフト5に一体回転可能に設
けられた被検知部28の回転に基づいて検出するため、
回転速度を精度良く検出できる。その結果、インナーロ
ータ10をアウターロータ6の回転速度に対応した所定
速度で精度良く回転駆動できる。
6と一体回転するロータシャフト5に一体回転可能に設
けられた被検知部28の回転に基づいて検出するため、
回転速度を精度良く検出できる。その結果、インナーロ
ータ10をアウターロータ6の回転速度に対応した所定
速度で精度良く回転駆動できる。
【0041】(ロ) 被検知部28は外周面が平滑に形
成されているため、ロータシャフト5と一体に回転する
際の抵抗が被検知部28の表面に凹凸を形成した場合に
比較して小さく、動力消費の増大を招かない。
成されているため、ロータシャフト5と一体に回転する
際の抵抗が被検知部28の表面に凹凸を形成した場合に
比較して小さく、動力消費の増大を招かない。
【0042】(ハ) 被検知部28は外側へ向かう磁束
の状態が異なる部分が存在するように磁化され、磁気セ
ンサ30は磁束密度の変化に基づいてパルス信号を出力
する。従って、前記特開昭52−42932号公報に開
示された装置のように被検知部と測定探針(磁気セン
サ)との隙間の変化に基づいて検出信号を出力する構成
と異なり、被検知部28と磁気センサ30との隙間を余
り小さくしなくても検出精度が高くなる。その結果、被
検知部28の外周面が平滑であることと相俟って、運転
停止中に風綿が被検知部28に堆積しても、運転開始時
に堆積風綿が磁気センサ30と被検知部28との隙間に
食い込むことを防止できる。即ち、回転速度の検出時に
開繊繊維や風綿の堆積の影響をほとんど受けない。
の状態が異なる部分が存在するように磁化され、磁気セ
ンサ30は磁束密度の変化に基づいてパルス信号を出力
する。従って、前記特開昭52−42932号公報に開
示された装置のように被検知部と測定探針(磁気セン
サ)との隙間の変化に基づいて検出信号を出力する構成
と異なり、被検知部28と磁気センサ30との隙間を余
り小さくしなくても検出精度が高くなる。その結果、被
検知部28の外周面が平滑であることと相俟って、運転
停止中に風綿が被検知部28に堆積しても、運転開始時
に堆積風綿が磁気センサ30と被検知部28との隙間に
食い込むことを防止できる。即ち、回転速度の検出時に
開繊繊維や風綿の堆積の影響をほとんど受けない。
【0043】(ニ) 被検知部28はその周方向にN極
及びS極が並ぶように磁化され、磁気センサ30はN極
あるいはS極と対応する数のパルスを出力するため、2
極の数を増やすことにより、容易に回転速度検出の分解
能を高めることができる。
及びS極が並ぶように磁化され、磁気センサ30はN極
あるいはS極と対応する数のパルスを出力するため、2
極の数を増やすことにより、容易に回転速度検出の分解
能を高めることができる。
【0044】(ホ) 被検知部28はロータシャフト5
の第2端部に設けられているため、磁気センサ30の配
設位置がロータシャフト5を回転可能に支承する支持円
板3よりロータシャフト5の第2端部側になり、磁気セ
ンサ30の配設スペースを確保し易い。また、磁気セン
サ30と制御装置31とを接続する配線の取り回しの自
由度も増す。
の第2端部に設けられているため、磁気センサ30の配
設位置がロータシャフト5を回転可能に支承する支持円
板3よりロータシャフト5の第2端部側になり、磁気セ
ンサ30の配設スペースを確保し易い。また、磁気セン
サ30と制御装置31とを接続する配線の取り回しの自
由度も増す。
【0045】(ヘ) 被検知部28がロータシャフト5
に設けられているため、アウターロータ6の内面の摩耗
によりアウターロータを新しいものと交換した場合、特
開昭51−105432号公報に開示された装置と異な
り新たに被検知部(マーキング)を設ける必要がない。
に設けられているため、アウターロータ6の内面の摩耗
によりアウターロータを新しいものと交換した場合、特
開昭51−105432号公報に開示された装置と異な
り新たに被検知部(マーキング)を設ける必要がない。
【0046】(ト) 被検知部28はその周方向に沿っ
て2極が交互に着磁された円筒状の磁性体29により形
成され、小径部29bをロータシャフト5の第2端部に
嵌合することによりロータシャフト5に一体回転可能に
簡単に装着できる。従って、別の方法でアウターロータ
の回転数(回転速度)を検出する構成を採用していたダ
ブルロータ式オープンエンド精紡機に簡単に適用でき
る。
て2極が交互に着磁された円筒状の磁性体29により形
成され、小径部29bをロータシャフト5の第2端部に
嵌合することによりロータシャフト5に一体回転可能に
簡単に装着できる。従って、別の方法でアウターロータ
の回転数(回転速度)を検出する構成を採用していたダ
ブルロータ式オープンエンド精紡機に簡単に適用でき
る。
【0047】(チ) 磁性体29の大径部29aの外径
がロータシャフト5の外径と同じに形成されているた
め、アウターロータ6をロータシャフト5ごと所定位置
から取り外すとき、磁性体29が支持円板3と干渉せず
に簡単に取り外せる。従って、糸の品種(番手)、原料
繊維の種類(例えば綿と合成繊維の違いや、同じ綿でも
葉カス、実カスなどのゴミの多少の違い)等の紡出条件
の変更に対応して適正なアウターロータ6に交換する
際、交換作業が容易となる。
がロータシャフト5の外径と同じに形成されているた
め、アウターロータ6をロータシャフト5ごと所定位置
から取り外すとき、磁性体29が支持円板3と干渉せず
に簡単に取り外せる。従って、糸の品種(番手)、原料
繊維の種類(例えば綿と合成繊維の違いや、同じ綿でも
葉カス、実カスなどのゴミの多少の違い)等の紡出条件
の変更に対応して適正なアウターロータ6に交換する
際、交換作業が容易となる。
【0048】(リ) シャフト9に固定された回転子1
2の外径がロータシャフト5の外径と同じに形成されて
いるため、ロータシャフト5とともにシャフト9を所定
位置から取り外すとき、回転子12が支持円板3と干渉
せずに簡単に取り外せる。
2の外径がロータシャフト5の外径と同じに形成されて
いるため、ロータシャフト5とともにシャフト9を所定
位置から取り外すとき、回転子12が支持円板3と干渉
せずに簡単に取り外せる。
【0049】なお、本発明は前記の実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば、次のように具体化してもよ
い。 (1) 図5に示すように、ロータシャフト5の第2端
部に小径部5aを形成する。そして、段差部のない円筒
状に形成した磁性体29を小径部5aに一体回転可能に
嵌着して被検知部28を構成してもよい。磁性体29は
前記実施の形態の大径部29aと同様に、その周方向に
沿って2極が交互に多数着磁されている。この場合、磁
性体29の製造が前記実施の形態の場合より簡単にな
る。
れるものではなく、例えば、次のように具体化してもよ
い。 (1) 図5に示すように、ロータシャフト5の第2端
部に小径部5aを形成する。そして、段差部のない円筒
状に形成した磁性体29を小径部5aに一体回転可能に
嵌着して被検知部28を構成してもよい。磁性体29は
前記実施の形態の大径部29aと同様に、その周方向に
沿って2極が交互に多数着磁されている。この場合、磁
性体29の製造が前記実施の形態の場合より簡単にな
る。
【0050】(2) 磁性体29の最大外径はロータシ
ャフト5の外径と同じに限らず、ロータシャフト5の外
径より大きくても小さくてもよい。しかし、ロータシャ
フト5の外径以下の方がアウターロータ6の交換のため
に、ロータシャフト5を所定位置から取り外す場合に磁
性体29が支持円板3と干渉せず、作業が容易となる。
ャフト5の外径と同じに限らず、ロータシャフト5の外
径より大きくても小さくてもよい。しかし、ロータシャ
フト5の外径以下の方がアウターロータ6の交換のため
に、ロータシャフト5を所定位置から取り外す場合に磁
性体29が支持円板3と干渉せず、作業が容易となる。
【0051】(3) 磁性体29は円筒状に限らず、外
周面が平滑であれば場所によって外周面の曲率が多少異
なる楕円筒状でもよい。 (4) 被検知部28を筒状の磁性体29に代えて、図
6(a),(b)に示すように、ロータシャフト5の第
2端部にその軸方向に延びる取付け部としてのあり溝5
bを形成し、そのあり溝5bに磁石33を嵌合固定して
形成する。磁石33はロータシャフト5の外周面と連続
する面がロータシャフト5の外面と同じ曲率となるよう
に形成されている。磁石33は図6(a)に示すように
N極及びS極がロータシャフト5の周方向に沿って並ぶ
ように磁化されたものを使用しても、図6(b)に示す
ようにN極及びS極がロータシャフト5の半径方向に並
ぶように磁化されたものを使用してもよい。N極及びS
極がロータシャフト5の半径方向に並ぶように磁化され
た磁石を使用する場合は、図6(b)に示すように、ロ
ータシャフト5の外周面と対応する側にN極及びS極が
交互に位置するように配置しても、一方の磁極(例えば
N極)のみがロータシャフト5の外周面と対応する側に
位置するように配置してもよい。磁石33はあり溝5b
と嵌合しているため、遠心力が作用しても外れない。
周面が平滑であれば場所によって外周面の曲率が多少異
なる楕円筒状でもよい。 (4) 被検知部28を筒状の磁性体29に代えて、図
6(a),(b)に示すように、ロータシャフト5の第
2端部にその軸方向に延びる取付け部としてのあり溝5
bを形成し、そのあり溝5bに磁石33を嵌合固定して
形成する。磁石33はロータシャフト5の外周面と連続
する面がロータシャフト5の外面と同じ曲率となるよう
に形成されている。磁石33は図6(a)に示すように
N極及びS極がロータシャフト5の周方向に沿って並ぶ
ように磁化されたものを使用しても、図6(b)に示す
ようにN極及びS極がロータシャフト5の半径方向に並
ぶように磁化されたものを使用してもよい。N極及びS
極がロータシャフト5の半径方向に並ぶように磁化され
た磁石を使用する場合は、図6(b)に示すように、ロ
ータシャフト5の外周面と対応する側にN極及びS極が
交互に位置するように配置しても、一方の磁極(例えば
N極)のみがロータシャフト5の外周面と対応する側に
位置するように配置してもよい。磁石33はあり溝5b
と嵌合しているため、遠心力が作用しても外れない。
【0052】(5) 磁化された筒状の磁性体29をロ
ータシャフト5に嵌合して被検知部28を形成する場
合、ロータシャフト5及び磁性体29の所定位置にキー
溝を設けるとともに、そのキー溝にキーを嵌合させる。
この場合、ロータシャフト5と磁性体29との間に隙間
があってもロータシャフト5と磁性体29との相対回転
を防止でき、磁性体29の加工精度が悪くても磁性体2
9がロータシャフト5と確実に一体回転する。
ータシャフト5に嵌合して被検知部28を形成する場
合、ロータシャフト5及び磁性体29の所定位置にキー
溝を設けるとともに、そのキー溝にキーを嵌合させる。
この場合、ロータシャフト5と磁性体29との間に隙間
があってもロータシャフト5と磁性体29との相対回転
を防止でき、磁性体29の加工精度が悪くても磁性体2
9がロータシャフト5と確実に一体回転する。
【0053】(6) 被検知部28をロータシャフト5
に磁性体29あるいは磁石33を嵌合して構成する代わ
りに、図7に示すように、ロータシャフト5の一部を直
接磁化して形成する。例えば、ロータシャフト5の被検
知部28を設ける箇所に化学蒸着法やイオンプレーティ
ング法で磁性材料の膜をリング状に形成し、その膜を磁
化する。あるいは、ロータシャフト5を磁性材料で形成
し、その一部を磁化して被検知部28を形成する。この
場合、実施の形態の(イ)〜(ヘ)及び(チ)の効果を
発揮する。図7に示すように、N極及びS極がそれぞれ
周方向に沿って連続するように多数の磁極を設けず、1
個のN極及びS極がロータシャフト5の1ヵ所に半径方
向に並んで位置するように形成してもよい。
に磁性体29あるいは磁石33を嵌合して構成する代わ
りに、図7に示すように、ロータシャフト5の一部を直
接磁化して形成する。例えば、ロータシャフト5の被検
知部28を設ける箇所に化学蒸着法やイオンプレーティ
ング法で磁性材料の膜をリング状に形成し、その膜を磁
化する。あるいは、ロータシャフト5を磁性材料で形成
し、その一部を磁化して被検知部28を形成する。この
場合、実施の形態の(イ)〜(ヘ)及び(チ)の効果を
発揮する。図7に示すように、N極及びS極がそれぞれ
周方向に沿って連続するように多数の磁極を設けず、1
個のN極及びS極がロータシャフト5の1ヵ所に半径方
向に並んで位置するように形成してもよい。
【0054】(7) 被検知部28を設ける位置は、ロ
ータシャフト5の第2端部に限らず、磁気センサ30を
被検知部28と対向する位置に配置可能なスペースが確
保できる位置であればよい。また、被検知部28はその
周方向に連続する外面が平滑でかつ外側へ向かう磁束の
状態が異なる部分が存在するように少なくとも一部が磁
化されていれば良く、磁性体29の1ヵ所のみを磁化し
たり、(4)において磁石33を1個のみ設けてもよ
い。
ータシャフト5の第2端部に限らず、磁気センサ30を
被検知部28と対向する位置に配置可能なスペースが確
保できる位置であればよい。また、被検知部28はその
周方向に連続する外面が平滑でかつ外側へ向かう磁束の
状態が異なる部分が存在するように少なくとも一部が磁
化されていれば良く、磁性体29の1ヵ所のみを磁化し
たり、(4)において磁石33を1個のみ設けてもよ
い。
【0055】(8) 磁気センサ30としてはホール素
子に限らず、磁気抵抗素子を備えたものを使用してもよ
い。 (9) シャフト9を駆動するモータ11は、回転子1
2がシャフト9と一体にモータハウジング13から離脱
可能に構成されたものに限らず、通常の駆動軸を有する
モータを使用する。そして、シャフト9の第2端部をモ
ータの駆動軸にカップリングを介して一体回転可能、か
つカップリングと駆動軸の切離し可能に連結してもよ
い。この場合もアウターロータ6を交換する際、シャフ
ト9をロータシャフト5と一緒に取り外すことができ
る。また、特開平5−44119号公報に開示されたオ
ープンエンド精紡機のように、シャフト9をモータから
取り外し不能に構成してもよい。
子に限らず、磁気抵抗素子を備えたものを使用してもよ
い。 (9) シャフト9を駆動するモータ11は、回転子1
2がシャフト9と一体にモータハウジング13から離脱
可能に構成されたものに限らず、通常の駆動軸を有する
モータを使用する。そして、シャフト9の第2端部をモ
ータの駆動軸にカップリングを介して一体回転可能、か
つカップリングと駆動軸の切離し可能に連結してもよ
い。この場合もアウターロータ6を交換する際、シャフ
ト9をロータシャフト5と一緒に取り外すことができ
る。また、特開平5−44119号公報に開示されたオ
ープンエンド精紡機のように、シャフト9をモータから
取り外し不能に構成してもよい。
【0056】(10) スラスト軸受として接触型のス
ラスト軸受15に代えて、非接触型のスラスト軸受を使
用する。例えば、アウターロータ6の端面にリング状の
第1の永久磁石を固定し、ケーシング25にリング状の
第2の永久磁石を互いに同じ磁極が対向する状態で固定
する。この場合、接触型のスラスト軸受と異なり、摩耗
がなくスラスト軸受の寿命が長くなる。
ラスト軸受15に代えて、非接触型のスラスト軸受を使
用する。例えば、アウターロータ6の端面にリング状の
第1の永久磁石を固定し、ケーシング25にリング状の
第2の永久磁石を互いに同じ磁極が対向する状態で固定
する。この場合、接触型のスラスト軸受と異なり、摩耗
がなくスラスト軸受の寿命が長くなる。
【0057】(11) インナーロータ10の形状は円
盤状に限らず、回転時の動バランスが保てる形状であれ
ばよい。また、糸道18の形状やガイド部材19の形状
を適宜変更してもよい。
盤状に限らず、回転時の動バランスが保てる形状であれ
ばよい。また、糸道18の形状やガイド部材19の形状
を適宜変更してもよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項6
に記載の発明によれば、アウターロータの回転速度を精
度良く検出でき、開繊繊維や風綿の堆積の影響をほとん
ど受けず、動力消費の増大を招かない。
に記載の発明によれば、アウターロータの回転速度を精
度良く検出でき、開繊繊維や風綿の堆積の影響をほとん
ど受けず、動力消費の増大を招かない。
【0059】請求項2に記載の発明では、磁気センサの
配設位置が回転筒を回転可能に支承する支承部材より回
転筒の第2端部側になり、磁気センサの配設スペースを
確保し易い。
配設位置が回転筒を回転可能に支承する支承部材より回
転筒の第2端部側になり、磁気センサの配設スペースを
確保し易い。
【0060】請求項3に記載の発明では、被検知部はそ
の周方向に沿ってN極及びS極が交互に配列された状態
に着磁された円筒状の磁性体により形成されている。従
って、回転筒に簡単に装着でき、別の方法でアウターロ
ータの回転数(回転速度)を検出する構成を採用してい
たダブルロータ式オープンエンド精紡機に簡単に適用で
きる。
の周方向に沿ってN極及びS極が交互に配列された状態
に着磁された円筒状の磁性体により形成されている。従
って、回転筒に簡単に装着でき、別の方法でアウターロ
ータの回転数(回転速度)を検出する構成を採用してい
たダブルロータ式オープンエンド精紡機に簡単に適用で
きる。
【0061】請求項4に記載の発明では、2極の数を増
やすことにより、容易に回転速度検出の分解能を高める
ことができる。請求項5に記載の発明では、機台の所定
位置へのロータシャフトの配設及び所定位置からのロー
タシャフトの取り外しの際に、被検知部が他の部材と干
渉せずに作業が容易となる。
やすことにより、容易に回転速度検出の分解能を高める
ことができる。請求項5に記載の発明では、機台の所定
位置へのロータシャフトの配設及び所定位置からのロー
タシャフトの取り外しの際に、被検知部が他の部材と干
渉せずに作業が容易となる。
【0062】請求項6に記載の発明では、磁化された筒
状の磁性体や磁石を回転筒に取り付ける作業や取付け部
を形成する手間がなくなる。
状の磁性体や磁石を回転筒に取り付ける作業や取付け部
を形成する手間がなくなる。
【図1】 実施の形態のオープンエンド精紡機の概略断
面図。
面図。
【図2】 (a)はアウターロータの開口側から見た部
分断面図、(b)はインナーロータの断面図。
分断面図、(b)はインナーロータの断面図。
【図3】 磁性体の斜視図。
【図4】 磁気センサの出力パルスを示す線図。
【図5】 変更例の部分断面図。
【図6】 別の変更例の部分斜視図。
【図7】 別の変更例の部分斜視図。
5…回転筒としてのロータシャフト、6…アウターロー
タ、6a…繊維集束部、10…インナーロータ、23…
糸引出し通路、28…被検知部、29…磁性体、30…
磁気センサ、Y…糸。
タ、6a…繊維集束部、10…インナーロータ、23…
糸引出し通路、28…被検知部、29…磁性体、30…
磁気センサ、Y…糸。
Claims (6)
- 【請求項1】 繊維集束部を有するアウターロータ内に
該繊維集束部から引き出された糸を糸引出し通路の端部
へ案内するインナーロータを前記アウターロータと同軸
線上に設け、前記インナーロータを前記アウターロータ
と独立して積極駆動可能にするとともに該アウターロー
タの回転速度に基づいて駆動制御するロータ式オープン
エンド精紡機において、 前記アウターロータが第1端部に一体回転可能に支持さ
れた回転筒に、その周方向に連続する外面が平滑でかつ
外側へ向かう磁束の状態が異なる部分が存在するように
少なくとも一部が磁化された被検知部を設け、該被検知
部と対応する位置に磁気センサを設けたロータ式オープ
ンエンド精紡機のロータ回転数検出装置。 - 【請求項2】 前記被検知部は前記回転筒の第2端部に
設けられている請求項1に記載のロータ式オープンエン
ド精紡機のロータ回転数検出装置。 - 【請求項3】 前記被検知部はその周方向に沿って2極
が交互に着磁された円筒状の磁性体により形成されてい
る請求項1又は請求項2に記載のロータ式オープンエン
ド精紡機のロータ回転数検出装置。 - 【請求項4】 前記被検知部は回転筒の周方向に沿って
N極及びS極が並ぶように磁化された構造とした請求項
1〜請求項3のいずれか1項に記載のロータ式オープン
エンド精紡機のロータ回転数検出装置。 - 【請求項5】 前記被検知部の外径をロータシャフトの
他の箇所の外径以下に形成した請求項1〜請求項3のい
ずれか1項に記載のロータ式オープンエンド精紡機のロ
ータ回転数検出装置。 - 【請求項6】 ロータシャフトの一部を直接磁化して前
記被検知部を形成した請求項1又は請求項2に記載のロ
ータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7034096A JPH09268445A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | ロータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7034096A JPH09268445A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | ロータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09268445A true JPH09268445A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=13428597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7034096A Pending JPH09268445A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | ロータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09268445A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100368809C (zh) * | 2006-02-27 | 2008-02-13 | 朱捷 | 风机转子转速检测仪 |
CN102506079A (zh) * | 2011-10-28 | 2012-06-20 | 常熟长城轴承有限公司 | 一种用于化纤高速纺卷绕头卡盘的轴用连轴轴承 |
CN104862834A (zh) * | 2015-04-08 | 2015-08-26 | 浙江日发纺织机械股份有限公司 | 转杯纺纱机转杯测速装置 |
-
1996
- 1996-03-26 JP JP7034096A patent/JPH09268445A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100368809C (zh) * | 2006-02-27 | 2008-02-13 | 朱捷 | 风机转子转速检测仪 |
CN102506079A (zh) * | 2011-10-28 | 2012-06-20 | 常熟长城轴承有限公司 | 一种用于化纤高速纺卷绕头卡盘的轴用连轴轴承 |
CN104862834A (zh) * | 2015-04-08 | 2015-08-26 | 浙江日发纺织机械股份有限公司 | 转杯纺纱机转杯测速装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9403656B2 (en) | Drum inter-storage of yarn at an operating unit of a textile machine and method of control for | |
CN101509756B (zh) | 纱线品质测量器以及绕线机 | |
CN101713112B (zh) | 纺纱机 | |
JPS6120652B2 (ja) | ||
EP2336064A2 (en) | Yarn winding machine | |
ITMI941850A1 (it) | Dispositivo per avvolgere corpi di filato | |
EP0277717B1 (en) | Yarn winding device | |
JP3515574B2 (ja) | 精紡機並びにその制御および調整装置 | |
JPH09268445A (ja) | ロータ式オープンエンド精紡機のロータ回転数検出装置 | |
JPS63256731A (ja) | 繊維機械における生産と品質のオンライン管理をする方法と装置 | |
EP2453044B1 (en) | Spinning method by using air spinning device and air spinning device | |
JP5997174B2 (ja) | 織機用ウェフトフィーダー | |
EP3702791A1 (en) | Winding roller with speed measuring unit and textile machine using the same | |
CN210104152U (zh) | 纺纱机械 | |
JP2000136445A (ja) | スライバを開繊分離する装置 | |
EP0837164B1 (en) | Yarn false twisting device | |
EP3026152B1 (en) | Fiber collecting device, drafting device, and spinning machine | |
JP3304762B2 (ja) | ロータ式オープンエンド精紡機のロータ駆動装置 | |
JPH09195130A (ja) | ロータ式オープンエンド精紡機のロータ駆動装置 | |
JP2018080059A (ja) | クロス捲きパッケージを生産する繊維機械のワークステーションにおける綾振り三角形領域に配置された機械式糸貯留装置用糸ガイドプーリー | |
EP3703225A1 (en) | Stator fixing structure of winding roller motor and textile machine using the motor | |
JP2008063070A (ja) | 毛羽立ち度測定装置 | |
JP2007254157A (ja) | ベルトガイドを監視するための装置 | |
EP3186419A2 (en) | Device for producing cladded yarn | |
CN105568453A (zh) | 导纱器、芯纱供给装置及纺纱机械 |