JPH09316519A - 製錬スラグの改質方法 - Google Patents

製錬スラグの改質方法

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JPH09316519A
JPH09316519A JP12848496A JP12848496A JPH09316519A JP H09316519 A JPH09316519 A JP H09316519A JP 12848496 A JP12848496 A JP 12848496A JP 12848496 A JP12848496 A JP 12848496A JP H09316519 A JPH09316519 A JP H09316519A
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JP
Japan
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slag
smelting slag
carbonaceous material
smelting
oxygen
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JP12848496A
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Masahito Tsuda
誠仁 津田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Iron (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】P2O5含有製錬スラグの改質方法を提供する。 【解決手段】P2O5含有の溶融又は半溶融状態の製錬スラ
グに炭材を添加し、次いで減圧下において、O2を上吹き
し、炭材を燃焼させて製錬スラグを昇温し、炭材中の炭
素により製錬スラグ中のP2O5を還元しながら、還元され
たPを気化脱PすることによりPを除去する方法。上記
昇温では、炭材の添加前に上吹き又は浸漬法により酸素
を吹込んでもよい。昇温のための発熱材として金属を用
いてもよい。 【効果】高効率でP2O5を還元し、還元されたPを気化脱
Pして製錬スラグを改質することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱燐スラグ、転炉
スラグなどの製錬スラグを再生・利用し、または廃棄量
を減少する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、日本国内の鉄鋼生産においては年
間数1000万トンの製錬スラグが発生している。これ
は、その発生過程によって高炉スラグ、溶銑予備処理ス
ラグ、転炉スラグ、造塊スラグおよびその他に分類され
る。その中には高炉スラグのように路盤材、セメント原
料などにうまく再利用されているものもあるが、その他
の大部分は埋立によって処分されている。こうして無駄
に捨てられるスラグ量を減らすことは製鋼コストの低減
につながることは勿論であるが、資源および地球環境の
保護の面からも重要な課題である。
【0003】こうした状況から、製錬スラグの発生量低
減および有効利用のための用途開発と並んで、製錬スラ
グを再生し、製錬工程で繰り返し利用する技術が検討さ
れている。
【0004】鉄鋼製造における製錬スラグの最大の役目
は、不純物元素〔燐(以下、Pと記す)S、Siなど〕
をその中に吸収することにより、溶銑および溶鋼から除
去することにある。Pは、酸化物すなわち酸化燐の形態
で製錬スラグ中に含まれるが、酸素との親和力が比較的
弱いので容易に還元し、単体のPの形態に戻すことがで
きる。
【0005】一般的に酸化Pを含有する製錬スラグの改
質は、このような還元によってPを除去する方法が用い
られている。
【0006】このような還元改質の際、Pは、大気圧下
では製錬スラグ中の酸化鉄から還元された鉄分または製
錬スラグ中の粒鉄によって捕捉され、鉄−P合金とな
る。この鉄−P合金粒は一般的にスラグよりも比重が大
きいため、サイズの大きなものは改質スラグの底部に沈
降する。しかし、サイズが小さなものでは沈降速度が遅
く、改質スラグ中に浮遊したまま残る。したがって、こ
の改質スラグを製錬工程にリサイクルする際には改質ス
ラグを破砕し、残存する鉄−P合金粒を分別・除去する
前処理が必要となる。
【0007】一方、Pは蒸気圧が高いため、減圧下で製
錬スラグを改質する場合には、還元により生じたPはP
2 ガスとして蒸発する割合が高くなり、鉄−P合金とな
る量が減少する。したがって、改質スラグの製錬工程へ
のリサイクルの際に、上記の前処理を軽減することがで
きる。
【0008】こうした技術の例として、特開昭61−1
97451号公報のスラグ改質法が挙げられる。これ
は、溶融または半溶融の製錬スラグに減圧下で炭素など
の還元剤を添加することにより、製錬スラグ中の酸化P
を還元、気化して改質スラグとした後、これを製錬工程
にリサイクル使用するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】製錬スラグ中の酸化P
を炭素で還元する反応は吸熱反応であるため、前記公報
の方法では酸化Pの還元に伴ってスラグの温度が低下
し、スラグを溶融または半溶融状態に保つことは難し
い。したがって、このスラグを加熱するため、バーナ、
アーク、プラズマなどの熱源を用いている。しかし、こ
れらの加熱方法では設備が大がかりになる。
【0010】改質スラグ中には粒鉄または製錬スラグ中
の酸化鉄の還元によって発生した金属鉄が含まれている
が、前記公報の方法では還元されたPが金属鉄に吸収さ
れて改質スラグ中に留まり、十分に気化しない場合があ
る。このため、改質スラグの製錬工程へのリサイクルに
当たっては、前記前処理の負荷は軽減されるものの、こ
の前処理自体を省略することはできない。また、この前
処理を省略する際には、改質スラグのリサイクル先を十
分に吟味しなければならない。
【0011】本発明の目的は、スラグを容易に溶融また
は半溶融状態に保ち、かつ気化脱P率を向上させること
ができる製錬スラグの改質方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の (1)
〜(3) の製錬スラグの改質方法にある。
【0013】(1)酸化燐を含有する溶融または半溶融状
態の製錬スラグに炭材を添加し、次いで減圧下におい
て、酸素を上吹きし、炭材を燃焼させて製錬スラグを昇
温し、炭材中の炭素により製錬スラグ中の酸化燐を還元
しながら、還元された燐を気化脱燐することにより、製
錬スラグ中の燐を除去することを特徴とする製錬スラグ
の改質方法。以下、本発明の第1方法という。
【0014】(2)酸化燐を含有する溶融または半溶融状
態の製錬スラグに上吹きまたは浸漬法を用いて酸素を吹
き込んで製錬スラグ中の鉄を燃焼させて製錬スラグを昇
温した後、炭材を添加し、次いで減圧下において、酸素
を上吹きし、炭材を燃焼させるとともに炭材中の炭素に
より製錬スラグ中の酸化燐を還元しながら、還元された
燐を気化脱燐することにより、製錬スラグ中の燐を除去
することを特徴とする製錬スラグの改質方法。以下、本
発明の第2方法という。
【0015】(3)酸化燐を含有する溶融または半溶融状
態の製錬スラグに金属発熱材を添加し、製錬スラグに上
吹きまたは浸漬法を用いて酸素を吹き込んで金属発熱材
を燃焼させて製錬スラグを昇温した後、炭材を添加し、
次いで減圧下において、酸素を上吹きし、炭材を燃焼さ
せるとともに炭材中の炭素により製錬スラグ中の酸化燐
を還元しながら、還元された燐を気化脱燐することによ
り、製錬スラグ中の燐を除去することを特徴とする製錬
スラグの改質方法。以下、本発明の第3方法という。
【0016】望ましい炭材は、コークスおよび/または
石炭などである。
【0017】望ましい金属発熱材は、Fe−Si、Fe
−Alおよび金属Alのいずれか1種または2種以上で
あり、その他にCa、Ca−SiおよびCa−Alなど
の酸化発熱性金属も単独または複合で添加することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に基づいて、本発明方法を実
施するために用いるのに好適な装置の構成例を説明す
る。
【0019】図1は、本発明方法を実施する装置の構成
例を説明する概略縦断面図である。
【0020】図1の装置は、少なくとも取鍋1、真空槽
2、真空蓋3、上吹きおよび浸漬両用のランス4、真空
ダクト5および材料投入手段6を備えている。
【0021】本発明の第1方法では、図1に示すような
構成の装置を用いて、酸化Pを含有する溶融または半溶
融状態の製錬スラグ7を取鍋1に装入し、取鍋1を真空
槽2内に収納した後、真空蓋3を取りつける。次いで、
材料投入手段6から炭材8を添加し、真空ダクト5から
排気して真空槽2内を減圧し、上吹き法によりランス4
から酸素9を吹き込んで製錬スラグ7中で炭材8を燃焼
させ、製錬スラグ7を昇温する。また、炭材8を燃焼さ
せることにより、COガスを発生させるとともに炭材8
中の炭素により製錬スラグ7中の酸化Pを還元しなが
ら、還元されたPを気化脱Pして製錬スラグ7中のPを
除去する。
【0022】炭材8の添加は上記の方法に限られず、製
錬スラグ7を取鍋1に装入した後、別の場所、例えば転
炉などの近傍で行ってもよい。
【0023】本発明の第2方法では、図示は省略する
が、図1に示すような構成の装置を用いて、まず、酸化
Pを含有する溶融または半溶融状態の製錬スラグ内にラ
ンスを浸漬させる浸漬法、または図1の場合と同様に上
吹き法により、このランスから酸素を吹き込んで製錬ス
ラグ中の鉄を燃焼して発熱させ、製錬スラグの昇温を行
う。
【0024】次いで本発明の第1方法と同様に、炭材を
添加し、減圧下におく。その後、上吹き法によりランス
から酸素を吹き込み、炭材の燃焼、COガスの発生なら
びに炭材中の炭素による酸化Pの還元および気化脱Pを
行い、製錬スラグ中のPを除去する。
【0025】本発明の第3方法では、本発明の第2方法
のように製錬スラグに上吹きまたは浸漬法により酸素を
吹き込んで製錬スラグの昇温を行う際に、金属発熱材を
添加して、これらの金属の酸化反応熱により昇温を確実
に行い、その後は本発明の第2方法と同様に、炭材の添
加、減圧、酸素上吹き、炭材の燃焼、COガスの発生な
らびに炭材中の炭素による酸化Pの還元および気化脱P
を行う。
【0026】炭材として望ましいのは、コークスおよび
/または石炭などである。炭材の添加量は、製錬スラグ
の温度、酸化Pおよび酸化鉄の含有量などによって決定
され、発熱材および還元材としての望ましい炭材添加合
計量の範囲は、製錬スラグ1トンあたり150〜500
kg程度である。
【0027】金属発熱材として望ましいのは、Fe−S
i、Fe−Alおよび金属Alのいずれか1種または2
種以上である。その他にCa、Ca−SiおよびCa−
Alなどの酸化発熱性金属も単独または複合で添加する
ことができる。上記の金属発熱材およびそれらの組合せ
の選択は自由であり、昇温の程度、経済性および改質ス
ラグの用途などから決定すればよい。
【0028】上記の各添加材の粒径は限定されないが、
3〜10mm程度の塊状物を用いるのが望ましい。
【0029】還元および気化脱P処理時の真空槽内圧力
の望ましい範囲は、0.1〜200Torr程度である。
【0030】還元されたPは気化脱Pによってスラグか
ら除去されるため、気化脱P率を支配する因子として真
空槽内の圧力がある。できるだけ高真空雰囲気にするこ
とによって、より多くのPが気化するであろうことは容
易に想像できる。
【0031】しかしスラグ中で還元されたPは、先ずス
ラグ相の表面に移動し、スラグ相の表面から真空または
減圧下の雰囲気中に蒸発して行かねばならない。したが
って、Pがスラグ相内を移動する速度が遅く、スラグ表
面に容易にたどり着くことができなければ、高真空雰囲
気にしてもPの蒸発率は向上しない。
【0032】本発明方法では、スラグ相の表面にたどり
着くPの量を増やすため、減圧に加え、製錬スラグ中で
炭材を燃焼させ、多量のCOガス気泡を発生させる。ス
ラグ相とCOガス気泡との界面積は莫大であり、Pがス
ラグ相内をこの界面に移動することは容易である。しか
も、発生したばかりのCO気泡内のP2 分圧は0(ゼ
ロ)であるため、このCO気泡は、P2 の蒸発に対して
は真空と同等の効果を持つ。このため、CO気泡中にP
2 ガスが蒸発し、CO−P2 混合ガスとしてスラグ相内
を上昇し気相に抜けることによって、気化脱Pが促進さ
れる。前述の先行発明の方法においても還元材として炭
材を使用するため、CO気泡は発生する。
【0033】しかし、その発生量はわずかであり、気化
脱P促進の効果も小さい。
【0034】本発明方法において、減圧下における還元
および気化脱Pの際の酸素吹き込み方法を上吹きに限定
したのは、次の理由による。
【0035】前記の気化脱P機構からみると、減圧下で
浸漬ランスから酸素を吹き込めば、気化脱Pの促進に対
しては最大の効果を得ることができる。しかし、減圧下
では浸漬ランスから吹き込んだ酸素は製錬スラグの内部
で著しく膨張して製錬スラグ全体を発泡させ、場合によ
ってはこのスラグを飛散させるため、安全上の問題が生
ずる。したがって、減圧下での酸素吹き込み方法は上吹
きのみとし、上記のスラグ発泡や飛散を防止しながら、
製錬スラグの表面近くでのみ、炭材の燃焼反応、CO気
泡の発生および炭材中の炭素による酸化Pの還元反応な
らびに気化脱P反応を発生させる。
【0036】上記理由により、本発明方法では前記の適
正な減圧下で炭材を燃焼させなければならない。しか
し、処理開始前の製錬スラグの初期温度が1000℃以
上のときは、比較的容易に炭材が着火するが、温度が1
000℃から下がるにつれて着火しにくくなる。そのた
め本発明方法では、次のおよびの二つの方法により
製錬スラグを予め昇温しておく必要がある。還元および
気化脱P処理前の製錬スラグの初期温度の望ましい範囲
は1000〜1400℃程度である。
【0037】炭材の添加前において、製錬スラグに酸
素を上吹きするか、または製錬スラグ内にランスを浸漬
して直接酸素を吹き込む。これにより、製錬スラグ中の
粒鉄または酸化鉄(FeO)がさらに酸化されてFe2
3 となる。この酸化反応は発熱反応であるため、製錬
スラグの温度が上昇する。浸漬法による酸素吹き込みの
場合には、鉄分の酸化反応効率が向上するとともに製錬
スラグが攪拌され、その温度がより均一になるいう効果
が得られる。
【0038】製錬スラグが半溶融状態で初期温度が低
い、または製錬スラグ中の粒鉄および酸化鉄分が少な
く、上記の方法でも十分な温度が確保できない場合に
は、望ましくはFe−Si、Fe−Al、金属Alの内
いずれか1種または2種以上を添加して、上吹きまたは
浸漬法により酸素を吹き込む。これにより、スラグ中の
粒鉄、酸化鉄、添加したSi、AlおよびFeが酸化す
る。これらの酸化反応はいずれも発熱反応であるため、
製錬スラグの温度が上昇する。
【0039】このとき発生する熱によって、製錬スラグ
を溶融または半溶融状態に保つ効果を得ることができ、
本発明方法では特別なスラグ加熱装置は必要としない。
【0040】
【実施例】
(本発明例1)図1に示す構成の装置を用い、鋳込み終
了後の取鍋内の転炉スラグを対象として、本発明の第1
方法によりスラグの改質試験を行い、スラグ中の酸化P
(以下、P2 5 と記す)濃度の推移および改質後スラ
グ中の粒鉄中のP濃度を調査した。処理条件は下記のと
おりとした。
【0041】転炉スラグ重量:20トン 転炉スラグの初期温度(取鍋内):約1100℃ 炭材:コークス コークス添加量:4トン 真空槽内圧力(処理中):0.1〜100Torr 上吹き酸素流量:1500Nm3/hr 上記条件で全体で約20分間の還元および気化脱P処理
を実施した。この結果、スラグ温度は約20分後に13
00〜1600℃に上昇した。結果の例を図2に示す。
【0042】図2は、本発明例1における、スラグ中の
2 5 濃度の推移および改質後スラグ中の粒鉄中のP
濃度を示す図である。
【0043】図2に示すように、10分間の改質処理で
90%のPが除去された。改質後スラグ中の粒鉄中のP
濃度は0.01%以下で、溶鋼と同じレベルであり、還
元されたPを捕捉した形跡はなかった。
【0044】さらに、この改質スラグを焼結鉱の媒溶剤
としてリサイクルしたが、高炉溶銑中のP濃度は上昇し
なかった。
【0045】(本発明例2)図1に示す構成の装置を用
い、出鋼終了後の転炉内スラグを取鍋に排滓したものを
対象として、本発明の第2方法によりスラグの改質試験
を行い、本発明1の場合と同様の調査を実施した。
【0046】昇温処理条件は下記のとおりとした。
【0047】転炉スラグ重量:15トン 転炉スラグの初期温度(取鍋内):約950℃ 酸素吹き込み:浸漬法 酸素流量:3000Nm3/hr 上記条件でスラグの昇温を行った結果、スラグ温度は約
5分後に1200℃に上昇した。次いで、下記条件で炭
材の添加、減圧、上吹き法による酸素の吹き込みを約2
0分間行い、還元および気化脱P処理した。
【0048】炭材:コークス コークス添加量:2.5トン 真空槽内圧力(処理中):0.1〜100Torr 上吹き酸素流量:1000〜1500Nm3/hr 処理中のスラグ温度制御範囲:1400〜1500℃ (上吹き酸素流量により制御) 図3は、本発明例2における、スラグ中のP2 5 濃度
の推移および改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度を示す図
である。
【0049】図3に示すように、90%以上のPが除去
された。改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度は、本発明例
1の場合と同程度であり、還元されたPを捕捉した形跡
はなかった。
【0050】さらに、この改質スラグを焼結鉱の媒溶剤
としてリサイクルしたが、高炉溶銑中のP濃度は上昇し
なかった。
【0051】(本発明例3)図1に示す構成の装置を用
い、転炉で溶銑脱P処理を行って出銑を終了した後、炉
内に残留したスラグを取鍋に排滓したものを対象とし
て、本発明の第3方法によりスラグの改質試験を行い、
本発明1および2の場合と同様の調査を実施した。
【0052】昇温処理条件は下記のとおりとした。
【0053】脱P処理後スラグ重量:15トン 脱P処理後スラグの初期温度(取鍋内):800℃ 発熱材:Al 発熱材添加量:300kg 酸素吹き込み:浸漬法 酸素流量:3000Nm3/hr 上記条件でスラグの昇温を行った結果、スラグ温度は約
4分後に1150℃に上昇した。次いで、下記条件で炭
材の添加、減圧、上吹き法による酸素の吹き込みを約2
0分間行い、還元および気化脱P処理した。
【0054】炭材:コークス コークス添加量:2.5トン 真空槽内圧力(処理中):0.1〜100Torr 上吹き酸素流量:1000〜1500Nm3/hr 処理中のスラグ温度制御範囲:1400〜1500℃ (上吹き酸素流量により制御) 図4は、本発明例3における、スラグ中のP2 5 濃度
の推移および改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度を示す図
である。
【0055】図4に示すように、90%以上のPが除去
された。改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度は、本発明例
1および2の場合と同程度であり、還元されたPを捕捉
した形跡はなかった。
【0056】さらに、この改質スラグを焼結鉱の媒溶剤
としてリサイクルしたが、高炉溶銑中のP濃度は上昇し
なかった。
【0057】(比較例)ランスに替えてプラズマトーチ
を備え、その他は図1に示す構成の装置を用いる改質処
理試験を行った。すなわち、本発明例3と同様の溶銑脱
P処理後スラグにコークス750kgを添加し、真空槽内
の圧力は0.1〜100Torrとし、プラズマトーチ加熱
のみにより処理中のスラグ温度を1400〜1500℃
に調整しながら改質処理を行い、本発明例の場合と同様
の調査を実施した。結果を図5に示す。
【0058】図5は、比較例における、スラグ中のP2
5 濃度の推移および改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度
を示す図である。
【0059】図5に示すとおり、90%以上の脱P率を
得ることができたが、改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度
は、P濃度は0.12%と溶鋼レベルより1桁高く、還
元されたPを捕捉していた。
【0060】さらに、この改質スラグを、粒鉄を除去せ
ずにそのまま溶銑脱Pの媒溶剤としてリサイクルした
が、通常80%以上の脱P率が得られるのに対し、60
%の脱P率に留まった。
【0061】
【発明の効果】本発明方法によれば、P2 5 を含有す
る製錬スラグから簡単に高効率でP25 を還元し、還
元されたPを気化脱Pして製錬スラグを改質することが
でき、このスラグを再利用することが可能になる。ま
た、製鉄工程で使用する媒溶剤原単位が削減できるのみ
でなく、スラグの埋立処理量が減少し、環境への負荷を
軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置の構成例を説明する
概略縦断面図である。
【図2】本発明例1における、スラグ中のP2 5 濃度
の推移および改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度を示す図
である。
【図3】本発明例2における、スラグ中のP2 5 濃度
の推移および改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度を示す図
である。
【図4】本発明例3における、スラグ中のP2 5 濃度
の推移および改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度を示す図
である。
【図5】比較例における、スラグ中のP2 5 濃度の推
移および改質後スラグ中の粒鉄中のP濃度を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:取鍋、 2:真空槽、3:真空蓋、4:上吹き
および浸漬両用ランス、5:真空ダクト、6:材料投入
手段、7:製錬スラグ、8:炭材、9:酸素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21C 1/02 C21C 7/00 J 7/00 B09B 3/00 304A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化燐を含有する溶融または半溶融状態の
    製錬スラグに炭材を添加し、次いで減圧下において、酸
    素を上吹きし、炭材を燃焼させて製錬スラグを昇温し、
    炭材中の炭素により製錬スラグ中の酸化燐を還元しなが
    ら、還元された燐を気化脱燐することにより、製錬スラ
    グ中の燐を除去することを特徴とする製錬スラグの改質
    方法。
  2. 【請求項2】酸化燐を含有する溶融または半溶融状態の
    製錬スラグに上吹きまたは浸漬法を用いて酸素を吹き込
    んで製錬スラグ中の鉄を燃焼させて製錬スラグを昇温し
    た後、炭材を添加し、次いで減圧下において、酸素を上
    吹きし、炭材を燃焼させるとともに炭材中の炭素により
    製錬スラグ中の酸化燐を還元しながら、還元された燐を
    気化脱燐することにより、製錬スラグ中の燐を除去する
    ことを特徴とする製錬スラグの改質方法。
  3. 【請求項3】酸化燐を含有する溶融または半溶融状態の
    製錬スラグに金属発熱材を添加し、製錬スラグに上吹き
    または浸漬法を用いて酸素を吹き込んで金属発熱材を燃
    焼させて製錬スラグを昇温した後、炭材を添加し、次い
    で減圧下において、酸素を上吹きし、炭材を燃焼させる
    とともに炭材中の炭素により製錬スラグ中の酸化燐を還
    元しながら、還元された燐を気化脱燐することにより、
    製錬スラグ中の燐を除去することを特徴とする製錬スラ
    グの改質方法。
JP12848496A 1996-05-23 1996-05-23 製錬スラグの改質方法 Pending JPH09316519A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100351401C (zh) * 2006-03-24 2007-11-28 河北理工大学 转炉溅渣护炉过程中气化脱除熔渣中磷的方法
CN105624359A (zh) * 2015-12-30 2016-06-01 钢铁研究总院 一种利用煤气还原转炉渣及炉渣循环利用的方法
JP2021004383A (ja) * 2019-06-25 2021-01-14 Jfeスチール株式会社 リン含有物質からのリン除去方法、および、鋼の製造方法

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