JP2807900B2 - 溶銑予備処理における熱補償方法 - Google Patents

溶銑予備処理における熱補償方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶銑予備処理における熱補償方法に係り、特
に混銑車容器に収容された溶銑の予備処理における効率
のすぐれた熱補償方法に関し、製鉄、製鋼分野に広く利
用される。
〔従来の技術〕
近年転炉操業方法としては、主として上底吹きの複合
吹錬法が実施されるに至り、溶銑予備処理としては脱
硫、脱珪、脱りんの各処理が必要とされ、それぞれ別個
の予備処理が行われるようになつた。これは脱硫処理は
還元反応であるのに対し、脱珪、脱りん処理は酸化反応
であることにより同時に処理できないことによる。
従つて脱りん処理は、通常酸化性雰囲気のもとで酸性
スラグによる脱珪処理の終了した溶銑について、特定の
精錬剤によつて溶銑中のPを酸化除去する処理方法が一
般に行われている。
かくの如き溶銑の予備処理に最も重要なことは次の2
点である。
(イ) 転炉における熱エネルギー源となるCを多く残
留させるため脱炭反応を抑制すること。
(ロ) 溶銑の温度低下を最小限に抑制すること。
従来、溶銑の脱りん方法としては多くの研究がなされ
ており、また溶銑の温度低下を防止する熱補償技術とし
ても通常次の2方法が行われている。
第1の方法は、特開昭63−180345に開示されている如
く、酸素ガスを溶銑表面に上吹きし溶銑内に吹込まれた
精錬剤と溶銑の反応によつて発生する容器内のCOガスの
2次燃焼により、この火炎の熱エネルギーで溶銑温度を
上昇せしめる方法である。
第1の方法は、本出願人が特開昭63−180345にて先に
開示した方法である。その要旨とするところは次の如く
である。すなわち、「混銑車等容器に収容された溶銑に
ランスを介して脱りん剤とガスとを同時に吹込み脱りん
処理する溶銑の脱りん方法において、前記ランスの少く
とも1本を前記溶銑中に浸漬せしめて前記脱りん剤とガ
スとを同時に吹込むとともに、他の少くとも1本を前記
溶銑上に浮遊するスラグ表面を指向して試溶銑の裸面を
露出しない範囲に吹付け圧力を抑制して気体酸素のみを
吹付けつつ脱りん処理することを特徴とする溶銑の脱り
ん方法。」である。
この方法は、上記の如く酸化鉄を含む脱りん剤をキヤ
リヤガスと共に吹込み、溶銑との反応によつて発生した
COを容器内で2次燃焼させることによつて、溶銑に着熱
させる方法である。しかし、この技術を利用して温度補
償する場合、必要な温度補償量を得ようとして容器内溶
銑表面への酸素量を増加しても、温度補償量はある程度
以上に増加しない。この事実は本発明者が実験で確認し
たもので第5図に示す溶銑Ton当り酸素流量と2次燃焼
による温度補償量との関係図のとおりである。すなわ
ち、酸素流量0.05〜0.1Nm3/minて頭打ちとなり、温度補
償に限界がある。
この問題は如何なる理由によるものであるかを究明す
るために本発明者が実験を重ねた結果、2次燃焼による
温度補償量は容器内容積率と密接なる関係があることを
見出した。すなわち、第4図に示す如く、容器内容積率
が増加すれば2次燃焼による温度補償量が次第に低下す
る。
ここで容器内容積率とは次式によって規定されるもの
でる。
容器内容積率(%)={(容器内溶融金属積)/(容器最大容積)}×100 従つて、第4図、第5図から2次燃焼によつて温度補
償する場合には、容器内容積率を小さくする必要がある
が、このことは1回当りの予備処理要銑量を少くする必
要があることであつて、生産性からは得策ではない。
かくの如く、容器内で発生したCOを2次燃焼させて温
度補償する方法は、雰囲気中のCOガスを有効に利用する
すぐれた方法であるが、限られた燃焼空間での燃焼であ
り、温度補償量に限界があることが判明した。
次に第2の方法は、特開昭58−16008に開示された方
法であつて、その要旨とするところは次の如くである。
すなわち、「Si含有率が0.3%以下である溶銑の脱硫を
行なつた後、生成スラグを強制的に除去することなく、
該溶銑内にCaO、酸化鉄及び媒溶剤或いはこれらと反応
促進剤よりなる脱りん用フラツクスをキヤリヤガスと共
に吹き込むほか、酸素ガスを溶銑表面に上吹きして脱り
んを行なうことを特徴とする溶銑の連続脱硫、脱りん方
法。」である。
すなわち、この方法多はキヤリヤガスと共に溶銑中に
吹込まれる精錬剤の酸素源としてのミルスケース、酸化
鉄等の固体酸素を100%気体酸素に替えて固体酸素の顕
熱に相当する熱量を節約し利用する方法である。
本発明者は上記従来技術についても検討し、脱りん剤
中に含まれている固体酸素を100%気体酸素に替えて溶
銑中に吹込むと共に、容器内溶銑表面に気体酸素を吹込
んで2次燃焼させた場合の温度補償量を調査した。この
実験結果は第6図に示す気体酸素を使用した場合の溶銑
Ton当り酸素流量と温度補償との関係の如く、酸素流量
が増加するに従つて温度補償量も比例して上昇し、しか
もその温度補償量は非常に大きいことが判明した。
一方、酸素源としてミルスケール、鉄鉱石等の固体酸
素を使用すると溶銑中のPと反応した後のFeが鉄源とし
て回収できる。従つて、酸素源としての固体酸素を100
%気体酸素に替えて脱りん処理の熱補償をする場合は、
幅広い熱補償が可能であるという利点はあるが、鉄源回
収量が減少するという欠点がある。
上記の如く、現在の脱りん処理における熱補償の方法
にはそれぞれ一長一短があるのが現状である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、溶
銑の予備処理における温度低下を本発明者の予備実験に
よつて得た知見をもとに、上記従来方法の長所のみを引
出して適時適切な熱補償を行う熱補償方法を提供するに
ある。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明の要旨とするところは次の如くである。すなわ
ち、混銑車等容器に収容された溶銑に酸素単独もしくは
予備処理剤と共に吹込み該溶銑の昇熱を図ると共に脱り
ん処理する溶銑の予備処理方法において、前記容器内に
おける前記溶銑の占める容器内容積率から気体酸素吹込
みによる前記容器内で発生するCOガスの2次燃焼による
可能温度補償量を算定する段階と、前記溶銑予備処理に
要する必要温度補償量を算定する段階とを有し、 (イ) 前記可能温度補償量≧前記必要温度補償量の場
合には、気体酸素を前記溶銑表面に上吹きし前記容器内
のCOガスの2次燃焼により温度補償し、 (ロ) 前記可能温度補償量<前記必要温度補償量の場
合には、前記COガスの2次燃焼による温度補償をしたほ
かに、更に不足量を溶銑中に吹込む酸化鉄等の固体酸素
を100%気体酸素に代替して温度補償する段階を有して
成ることを特徴とする溶銑予備処理における熱補償方法
である。
本発明は前記(イ)、(ロ)の技術のそれぞれの長所
を最大限に生かすものである。第1図のフローチヤート
により本発明を説明する。2次燃焼による可能補償温度
は前記の如く容器内容積率により決定される。従つて、
まず容器内容積率を調査し2次燃焼による可能温度補償
量を推定する。次に2次燃焼による可能温度補償量と脱
りん処理における必要温度補償量を比較し、前者が後者
より大きいか等しい場合には、第1図の如く2次燃焼単
独により脱りん処理中の温度補償を行う。前者が後者よ
り小なる場合は、固体酸素吹込みによる2次燃焼による
温度補償を行うと共に、更に不足量を酸化鉄等の固体酸
素を100%気体酸素に代替し気体酸素として溶銑中に吹
込み、固体酸素の顕熱に相当する熱量分だけ溶銑温度を
補償する。
すなわち、第2図に上記各方法について溶銑Ton当り
の酸素流量と温度補償量との関係を示した。第2図にお
いて、A領域は2次燃焼単独の場合を示し温度補償量は
少ない。B領域は上記2次燃焼と、固体酸素に更に気体
酸素を混入した2つの温度補償法を併用した場合を示
し、A領域より温度補償量は多い。
先に従来の温度補償技術の長所および短所を説明した
が、例えば容量が200tの混銑車の容器内容積率を80%と
した場合において、2次燃焼および固体酸素を全量気体
酸素に代替した場合のそれぞれの温度補償方法につい
て、温度補償によるメリツト、鉄源回収によるメリツ
ト、固体酸素を全量気体酸素への代替による物品費高騰
のデメリツト等を総合し、これをトータルメリツトイデ
ツクスとして縦軸に、温度補償量を横軸として第3図に
示した。第3図において温度補償量20℃のC点が損益分
岐点になつているが、本発明においては、第4図による
温度補償限界までは2次燃焼によつて温度補償を行い、
これを越す場合は更に気体酸素を吹込んで温度補償を行
うので、常に最も利点の多い方法で温度補償をすること
ができる。
〔実施例〕
混銑車容量200t、容器内容積率80%、溶銑温度、溶銑
成分等を同一条件として、下記第1表に示す3方法で熱
補償をしながら脱りん処理を行い、その結果を第1表に
示した。
上記第1表の示す如く、本発明は従来法の長所のみを
抽出して、溶銑予備処理において十分の温度補償が可能
のほか、少なからざるFe源をも回収することができた。
〔発明の効果〕
本発明は上記実施例からも明らかな如く、脱りん処理
において、本発明者の実験によつて得た知見をもとに、
従来方法の長所のみを抽出して適時適切な熱補償をする
ことができ、これによつて効率的な溶銑予備処理が可能
となつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明法を示すフローチヤート、第2図は本
発明における溶銑t当り酸素流量と温度補償量との関係
を示す相関図、第3図は温度補償方法の温度補償量とト
ータルメリツトインデツクスとの関係を示す線図、第4
図は本発明者の実験による容器内容積率と2次燃焼によ
る温度補償量との関係を示す相関図、第5図は同様本発
明者による溶銑Ton当り酸素流量と2次燃焼による温度
補償量との関係を示す相関図、第6図は同様本発明者に
よる気体酸素を溶銑に吹込んだ場合の溶銑Ton当り酸素
流量と温度補償量との関係を示す相関図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】混銑車等容器に収容された溶銑に酸素単独
    もしくは予備処理剤と共に吹込み該溶銑の昇熱を図ると
    共に脱りん処理する溶銑の予備処理方法において、前記
    容器内における前記溶銑の占める容器内容積率から気体
    酸素吹込みによる前記容器内で発生するCOガスの2次燃
    焼による可能温度補償量を算定する段階と、前記溶銑予
    備処理に要する必要温度補償量を算定する段階とを有
    し、 (イ)前記可能温度補償量≧前記必要温度補償量の場合
    には、気体酸素を前記溶銑表面に上吹きし前記容器内の
    COガスの2次燃焼により温度補償し、 (ロ)前記可能温度補償量<前記必要温度補償量の場合
    には、前記COガスの2次燃焼による温度補償をしたほか
    に、更に不足分を溶銑中に吹込む酸化鉄等の固体酸素を
    100%気体酸素に代替して温度補償する段階を有して成
    ることを特徴とする溶銑予備処理における熱補償方法。
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