JPH07316621A - 精錬スラグの処理方法 - Google Patents

精錬スラグの処理方法

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JPH07316621A
JPH07316621A JP10413294A JP10413294A JPH07316621A JP H07316621 A JPH07316621 A JP H07316621A JP 10413294 A JP10413294 A JP 10413294A JP 10413294 A JP10413294 A JP 10413294A JP H07316621 A JPH07316621 A JP H07316621A
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JP
Japan
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slag
iron bath
phosphorus
refining
bath
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JP10413294A
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English (en)
Inventor
Masaharu Anezaki
正治 姉崎
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱源として電力を用いず、十分な攪拌を行っ
て反応速度を高めた燐含有精錬スラグの処理方法を提供
する。 【構成】 スラグ回生炉で精錬スラグ中の燐を溶融鉄浴
中に還元抽出し、燐抽出後のスラグを回収して鉄鋼精錬
用のフラックスとして再使用し、一方、燐濃度を高めた
溶融鉄浴は、再び酸化脱燐して高濃度の燐を含有するス
ラグを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精錬スラグ、特に溶銑
脱燐後の含P2O5精錬スラグ、あるいは含P2O5でかつ含Ca
F2精錬スラグの資源化のための処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鉄脱燐処理が一般化してほぼ10年たっ
た。その結果、一工場の全溶銑について脱燐処理が行わ
れるようになった。一貫製鉄法の最も重要な精錬は鉱石
やコークスから入る燐(P) をいかに効率的に系外に除去
するかである。現在一般的に行われている溶銑脱燐法で
は主にライム系フラックス(CaO−Fe2O3/02−CaF2系) を
溶銑に添加して燐を酸化除去する。従って、溶銑中のP
はスラグ中にP2O5として抽出され、その濃度は数% (2
〜7%) になる。またスラグ発生量は20〜50kg/t・pig
になり、これはP2O5やCaF2を含んでいるため製鉄系への
資源としてのリサイクルは不可能である。
【0003】一方、製鉄の用途外、例えばりん鉱石の代
替品としては、P2O5が低くすぎ (りん鉱石は30〜35%P2
O5またはりん肥料では15%以上必要) 、路盤材にするに
は未滓化石灰の水和崩壊現象があるため、例えば、蒸気
エージングのような何らかの事前処理が必要である。し
かし、これらの従来法は完全ではなく、現在のところ、
精錬スラグは主に土地造成用の埋立てに供されている。
【0004】これを有効資源化するためには、少なくと
も (P2O5) を15%以上に富化することが必要であるが、
溶銑脱りん工程だけで高めることは溶銑中[P] が0.1 %
前後ではスラグの分配比(P)/[P] を上げても原理的に不
可能である。また、路盤材化のためには別にスラグ改質
炉が必要である。もしできたとしても両方共CaF2が含ま
れると前者では湿式精錬の弊害になるし、後者ではF分
が多量に含まれる場合には、その溶出が環境上問題にな
る。
【0005】そこで視点を変えて、脱りんスラグを還元
精錬してスラグ中のP分を分離し、併せて優秀なフラッ
クス原料である蛍石を任意に使えるプロセスが考え出さ
れた。
【0006】そのための一つの方法は、電気炉内でスラ
グに還元材を添加してPを還元し同時に還元される鉄浴
中にりんも含めて、スラグ内に存在した鉄分とPやMn等
還元しやすい金属からなる溶鉄をつくり分離、脱りんさ
れたスラグを成分調整してセメント原料とする方法 [例
えば「鉄と鋼」(1978), S179、「鉄と鋼」(1978),S600]
である。
【0007】もう一つの方法は前もってある量の溶鉄を
保有する鉄浴に上記スラグを乗せ、電力で熱供給しなが
らP2O5を鉄浴中Cで還元し、鉄浴中へPを吸収分離し、
消費したC分をコークスで補給して、一定に保持し、一
方脱燐されたスラグは再び製鉄系へリサイクルする方法
(例えば、CAMP-ISIJ vol.7(1994)-32) である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術である前述の文献中には攪拌の必要性は何ら言及され
ていない。実際にスラグ−メタル間の反応と伝熱は、ス
ラグの伝熱性が低いことおよび粘性が高いことから非常
に遅いため、スラグの供給源である鋼精錬炉との操業タ
イミングを完全に一致させて多数回処理することはでき
ない。従って、それを行うためには、充分な相互攪拌が
必要である。
【0009】また、従来技術にあっては、鉄浴、非鉄浴
にかかわらず熱源として電力を使うためスラグ浴に攪拌
がないか、あっても非常に小さい。スラグは熱伝導性が
悪いので静的な伝熱では溶解を保持することはできな
い。しかも、メタル−スラグの界面だけでの反応では反
応速度も小さく鋼精錬のタイミングに合わせたスラグ処
理はできない。
【0010】かくして、本発明の目的は、熱源として電
力を用いることなく、十分な攪拌を生じさせることによ
って反応速度を高めた精錬スラグの処理方法を提供する
ことである。
【0011】さらに本発明の具体的目的は、P2O5含有量
が5〜6%の脱燐スラグである精錬スラグからP2O5含有
量が15%以上の高P2O5含有スラグを回収する方法を提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達成すべく、種々検討を重ね、次の点を見いだし本発
明を完成した。 鉄浴式においては底吹攪拌ガス流量を、例えば、後述
するスラグないしメタルがパーティクルになる条件以上
に吹込むことで、反応と伝熱を飛躍的に改善し、鋼精錬
のタイミングを完全に一致させることができること。
【0013】精錬スラグを鉄浴式還元炉で主に炭材を
熱源として強攪拌しながらスラグ中のP2O5を還元して鉄
浴中に[P] として抽出し、同時に還元されやすい酸化鉄
やマンガンも鉄浴中に吸収し、残ったスラグはこれに酸
化鉄と塩基度調整用石灰を加えて再び溶鉄脱りんフラッ
クスとして繰り返し使用できること。これを精錬炉とタ
イミングを完全に一致させて多数回繰り返すには、スラ
グ回生炉の強攪拌が必要で、そのための底吹ガス流量に
ついて、水モデル実験と理論計算から検討を行い、最低
条件を見い出した。
【0014】一方、[P] を吸収した鉄浴は、酸化精錬
で高P2O5スラグ化して製鉄系外にりん鉱石代替品として
提供できること。 上述のおよびを繰り返すことによって、精錬スラ
グの完全な資源化を図ることができること。
【0015】よって、本発明の要旨とするところは、例
えば5〜6%P2O5である燐を含有する精錬スラグの処理
方法であって、溶融鉄浴および精錬スラグを収容した容
器内に、炭材および酸化性ガスを供給して該溶融鉄浴中
および/または溶融鉄浴表面にて前記炭材を燃焼させて
前記精錬スラグを溶融するとともに、該スラグ中の燐を
溶融鉄浴中に還元抽出し、発生するCOガスおよび/また
は吹込まれた攪拌用ガスにより、前記鉄浴およびスラグ
を攪拌することを特徴とする精錬スラグ中の燐の抽出方
法である。この際、攪拌用の底吹ガス流量は最低限、次
式から算出される量以上が必要である。
【0016】 0.758= (0.24hm+0.40)・9.8・Qg)1/3 ・・・ (1) hm : 鉄浴深さ (m) Qg : 底吹攪拌の最低必要ガス量 (Nm3/s) この量はスラグまたはメタルがそのガス攪拌によってパ
ーティクルを生じ、相互の相に懸濁するための最低必要
ガス量を与えるものである。これ以上の流量であれば、
メタルとスラグのパーティクルの混合がより多く進み、
Pの抽出反応および伝熱は良好となる。
【0017】しかし、底吹ガス流量が上記の最低必要ガ
ス量 (Qg) の約10倍以上になると、吹き抜けや、スプラ
ッシュロスが激しくなり、全体として攪拌効果の増加度
合いは鈍る。従って、望ましい底吹ガス量の範囲は、
(1) 式により求められるQgの値以上で、かつその10倍以
下となる。もちろん、ガスコストを考慮しなければ、ガ
ス流量が多い方が攪拌の効果は大きく、Qgの10倍以上で
あっても差し支えないし、反応性の悪いスラグを対象と
する場合は、それなりに強攪拌が必要となる。
【0018】上述のようにして得られた、燐抽出後のス
ラグを回収して鉄鋼精錬用のフラックス、好ましくは塩
基度調整用石灰を加えて脱りんフラックスとして再使用
してもよい。
【0019】また、別の面からは、本発明の要旨とする
ところは、例えば、5〜6%P2O5である燐を有する精錬
スラグの処理に際して、溶融鉄浴および精錬スラグを収
容した容器内に、炭材および酸化性ガスを供給して該溶
融鉄浴中および/または溶融鉄浴表面にて前記炭材を燃
焼させて前記精錬スラグを溶融するとともに、スラグ中
の燐を溶融鉄浴中に還元抽出し、そして燐抽出後のスラ
グを回収する一連の工程を複数回繰り返して、例えばP2
O5 15 %以上というように前記溶融鉄浴中の燐濃度を高
め、次いで、このようにして燐濃度を高めた溶融鉄浴を
酸化脱燐して高濃度の燐を含有するスラグを得ることを
特徴とする精錬スラグの燐分の富化法である。
【0020】
【作用】次に、本発明の作用について説明する。本発明
によれば、鉄浴式スラグ回生炉の熱源および還元用Cの
補給として炭材(石炭、コークス、廃棄プラスチック等)
を用い、特にそれらの粉末を上吹ランスから例えばO2
等の酸化性ガスと同時に浴中へ吹込む。なお、かかるガ
スおよび粉末の吹込み技術はすでに鉄浴式石炭ガス化法
として確立されている内容であり、それを本発明におい
ても利用すればよく、技術的に特に問題はない。あるい
は別法として、それらのガスおよび粉末を鉄浴の底や横
から羽口を通して吹込んでもよい。
【0021】図1(a) は底吹式の場合を、図1(b) は上
吹式の場合をそれぞれ示す。すなわち、図1(a) におい
て鉄浴式スラグ回生炉10に収容された鉄浴12の上には回
生用の精錬スラグ14が投入されており、一方炉底部の羽
口16からは不活性ガス (例:N2) をキャリアガスとして
炭材が酸化性ガス (例:O2) と共に鉄浴中に吹込まれ
る。溶湯中において後述する式(1) 〜(4) の反応が起こ
り、スラグ中のPの鉄浴中への還元抽出が行われる。こ
の場合の攪拌用底吹ガス流量は、炭材燃焼用O2ガス底吹
きであるから、両者を合わせた流量が(1) 式の最低ガス
流量以上であることが望ましい。
【0022】図1(b) は上吹式の例を示すが、この場合
には上吹きランス18から酸化性ガスおよび炭材が供給さ
れ、一方、炉底部からは攪拌用ガス (例:N2) が吹込ま
れる点を除いて図1(a) の場合に同じである。
【0023】この場合の攪拌用底吹ガス流量の条件は
(1) 式で与えられるが、図1(a) のように、底吹式の炭
材と酸化性ガスを吹込む場合は少なくとも、O2流量と攪
拌ガス流量との和が(1) 式のガス流量以上であればよ
い。図1(b) の場合における代表的な吹込量は次の通り
である。
【0024】O2ガス:0.2 〜4 Nm3/min・ton −鉄浴 N2ガス:0.01〜0.20 Nm3/min・ton −鉄浴 石炭吹込み: 0.4〜4 kg/min・ton −鉄浴 かくして、浴中または浴上ではO2を燃焼せしめ、熱源と
加炭源と、更には強力なメタル−スラグの攪拌力源とし
ての反応を飛躍的に促進せしめ、スラグ中のP2O5を鉄浴
中へ吸収すると共に、炭材から生成するCO (またはH2
含む) 燃料ガスを回収することができる。
【0025】脱りんされたスラグは必要により石灰を加
え再び溶銑脱りんフラックス材として何度も利用され
る。この場合、CaF2を含んでいてもよく、CaF2を溶銑脱
燐フラックス原料として任意に使用できる完全リサイク
ルプロセスが実現される。
【0026】一方、Pを吸収した鉄浴は何回かの精錬ス
ラグの処理で[P] を高めてから、次いで酸化精錬して高
P2O5含有スラグとして系外へりん鉱石代替品として供す
ることができる。
【0027】かくして、本発明によれば、精錬スラグを
完全に資源化することができる。ところで、本発明にあ
って炭材を熱源とする鉄浴式回生炉は、次の理由からス
ラグ回生炉として必須である。
【0028】(I) 溶銑脱燐処理炉などの精錬炉より排
出される精錬スラグは排出された時点ですでに半溶融状
態か、または固相と液相の混層状態であり、これをスラ
グ回生炉で再溶融する必要があるが、スラグは一般に熱
伝導性が悪く、かつ流動性も良くない。
【0029】これを完全溶融状態にするためには、鉄浴
という大きな熱媒体があれば有利だし、スラグを細粒化
して鉄浴と混合することで本来悪い熱伝導性が大幅に改
善される。
【0030】一方、熱の供給と攪拌を同時に行わせるに
は鉄浴中に炭材と酸化性ガス (酸素または空気) を吹き
込めば浴中でC→CO反応による発熱とCO気泡による攪拌
を同時に行わせることができる。
【0031】このときの炭材と酸化性ガスの吹き込み方
法としては、上吹ランスによる浴面上からの吹き込みと
炉底や炉側壁から羽口を通して浴中へ吹き込む方法とが
あり、いづれでも上記の目的を達することができる。
【0032】(II) 上記の鉄浴と精錬スラグとが良好に
混合されると、反応界面の面積も飛躍的に増加し、式
(1) で示すスラグ中の (P2O5) と鉄浴中[C] との反応が
非常に速く進む。
【0033】 (P2O5) +5[C] =5CO↑+2[P] ・・・ (1) 一方、同時に式(2) ないし(4) に示すようにスラグ中の
Fe2O3 、FeO 、MnO も浴中の[C] で還元されて鉄浴中に
抽出される。
【0034】 (Fe2O3)+3[C] →3CO↑+2[Fe] ・・・ (2) (FeO) +[C] → CO↑+[Fe] ・・・ (3) (MnO) +[C] → CO↑+[Mn] ・・・ (4) ここで発生する莫大な量のCOガスも攪拌力の強化に寄与
し、かつFeやMnといった有効成分が鉄浴中に回収され、
後の処理によって再び有効利用される。
【0035】また、式(1) 〜(4) の反応は吸熱反応であ
るので、すでに述べたように炭材と酸素の燃焼熱でそれ
を補給し、かつ式(1) 〜(4) の反応で減少する浴中[C]
を余剰の炭材で浴中へ補給することで全体のバランスを
維持する。
【0036】(III)反応後のスラグには製鉄に有害なP
が含まれないので再び精錬プロセスで例えば脱りんフラ
ックス材として使用できる。この際、熱源として使う炭
材によっては、例えばSiO2の高いものもあり、それらを
使う場合はスラグ回生中にそれらを中和するだけの石灰
の添加も行って再使用フラックスの有効性を同時に高め
ることもできる。
【0037】一般に溶銑脱燐スラグなどの精錬スラグに
は、その滓化性保持のために大量の蛍石成分(CaF2)が使
用されるが、この成分は上記スラグ回生炉では何ら変化
しないので再使用フラックスの有効成分として温存され
る。この点がこのプロセスの1つの大きな特長でもあ
る。
【0038】このように本発明によれば、この鉄浴式ス
ラグ回生炉を用いることで、精錬スラグの完全なリサイ
クルと有効成分の資源化が実現できるが、これをまとめ
ると次の通りである。
【0039】(i) P分を抽出した後のスラグ中の組成
はほとんど CaO−SiO2−CaF2系となり、これに精錬の目
的にあった成分を添加すれば新たな精錬用フラックスに
なる。例えば、酸化鉄成分(Fe2O3、Fe2O4 、FeO 等) ま
たは酸素源 (O2や空気) を添加ないしは同時使用すれ
ば、溶銑脱りん材として使用できるし、アルミナ(Al
2O3) を添加すれば溶鋼脱酸用あるいは脱硫用フラック
スになる。いづれにしても製鉄精錬系の中で完全なリサ
イクル使用が、しかも溶銑脱りんの場合は繰り返し使用
が可能となるプロセスになる。
【0040】(ii) 一方、Pを抽出した後の鉄浴は、何
回かこの操作の繰り返しを経ることで[P] 濃度を非常に
高めることができる。そして、所定濃度まで[P] を高め
た後、例えばCaF2を含まないフラックスで酸化精錬して
[P] を逆にP2O5にしてスラグ中に逆抽出し、P2O5として
15%以上の高濃度P2O5含有スラグを得ることができる。
これはわが国が輸入で頼っているりん鉱石の代替資源に
なり、有効資源として100 %使用できる。
【0041】(iii)酸化精錬後の鉄浴は再びスラグ回生
炉の鉄浴として使用できるし、また必要によってはその
まま製鋼用銑として鋼まで精錬することもできる。次
に、鉄浴式回生炉の炉の規模に関して説明するが、基本
的にはそれは特に制限ない。しかし、回生炉の大きさ如
何によっては全体プロセスにおける回生炉の意義が異な
るため、以下、これについて説明する。炉の大きさに関
する考えとして次の3つがあるが、いづれの場合もその
目的に応じて取り得る。
【0042】(a) 鋼精錬炉の炉容とほぼ同じにする。こ
の場合遊休製鋼炉を使うことができ設備費を抑制でき
る。また、Pを抽出した後の鉄浴の酸化精錬も、通常の
鋼精錬の場合と同じ操業基準で行うことができる。 (α
≒1の考え)(図2(a))
【0043】
【数1】
【0044】すなわち、図2(a) に示すように、この場
合の1つの具体例を挙げれば、転炉No.1〜3をそれぞれ
スラグ回生炉、溶銑脱燐炉そして脱炭炉として利用する
ものである。スラグ回生炉ではこれまで説明してきたス
ラグ回生処理を行い、再生された脱りんフラックスは溶
鉄脱燐炉に送られ再使用され、脱燐後は再び回生炉に戻
される。脱炭炉からの脱炭後スラグは例えば、蛍石 (Ca
F2) を含まないものにすれば焼結鉱の石灰、鉄源原料と
して100 %リサイクルできるものである。
【0045】(b) 鉄浴のP吸収能は非常に大きい (溶鉄
中にPは数10%溶け込む) ので鉄浴を伝熱と攪拌とから
適正に小さくすることができる。例えば、スラグの容積
(50kg/t)と同じ位の鉄浴としては (スラグの比重を3.0
とすると) 7/3 ≒2.3 倍の鉄浴であれば良い。すなわ
ち、下記式にその考え方を示すように、実際の製鋼炉が
100t/ch なら12t位の鉄浴になる。 (α≒0.1 の考え)
(図2(b))
【0046】
【数2】
【0047】すなわち、図2(b) に示すように、スラグ
回生炉の鉄浴が溶銑脱燐炉および脱炭炉の溶湯量に比較
して大幅に小さいものとすることもでき、この場合に
は、新設設備費を抑制できるし、また、より小型の転炉
の有効活性ができる等の利点がある。
【0048】(c) 一つの製鉄所ないしは近隣の製鉄所か
ら発生するスラグを一括処理する場合には、固体スラグ
の処理も行う必要があり、熱源としての鉄浴は大きい方
が良い。 (α≒2の考え)
【0049】
【実施例】
(実施例1)本例では、α≒1の例を示す。図2(a) に示
すように、250 t転炉3基を用い、その内、No.1転炉を
スラグ回生炉、No.2転炉を溶銑脱P炉、No.3転炉を脱炭
炉としてそれぞれ用い、精錬スラグの活用を図った。結
果は表1にまとめて示す。なお、鉄浴の深さ:2m 、O2
ガス吹込量:150 Nm3/min、石炭粉吹込量:200 kg/min
としてN2ガス吹込量:50 Nm3/minである。また、1回の
回生処理は約10分で終了した。
【0050】
【表1】
【0051】10回の回生処理で精錬用フラックスとして
は未だ有効であり、必要に応じてCaO を添加すればほぼ
無限に使用可能である。今10回終了後の鉄浴 ([P] 1.05
%) を分配比 (P)/[P]=500 のフラックスを使って酸化
精錬すると[P] を0.02%に落とした時点で、P2O5≒23%
になった。これはりん鉱石代替品としてトーマスりん肥
やりん酸原料に供給できる。また精錬後の鉄浴は低P銑
なので鋼精錬して一般鋼として製品化した。
【0052】(実施例2)本例では、α=0.1 の例を示
す。図2(b) に示すように、150 t転炉で溶銑脱燐した
精錬スラグ (50kg/t発生 P2O5 6.0 %) を15tの鉄浴式
スラグ回生炉で処理し、表2にまとめて示す結果を得
た。なお、鉄浴の深さ:0.5m、スラグ層の深さ:0.6m、
酸素ガス吹込量:60 Nm3/min、石炭粉吹込量:100 kg/m
in、攪拌用N2吹込量:50 Nm3/minであった。
【0053】
【表2】
【0054】スラグ側はCaO 調整でさらに脱りんフラッ
クスとして使用可能だが、いづれ(P2O5)濃度が高くなる
ので徹底的な回生処理も行う必要がある。一方鉄浴の方
は[P] の濃化が早いので3回のスラグ回生で酸化精錬を
行い、スラグ中(P2O5)≒30%を得た。この場合、鉄浴中
には未だ[P] は0.6 %前後あるのでスラグ回生用鉄浴と
して再使用した。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が得られる。 (1) 溶銑脱りん用フラックスが完全リサイクルできるた
め主原料であるCaO の節減ができる一方、従来資源化が
困難であったために大量埋立てをしていたが、その必要
が無くなり、処理費の大幅低減と埋立地不要による固定
費節減ができる。 (2) 鉄浴に吸収して後、得られた高P2O5濃度のスラグは
りん鉱石代替資源として完全におきかえることができ
る。このことは年間約 200万t輸入しているりん鉱石の
大部分を補うことに相当する新たなりん資源となること
を意味する。 (3) 鉄浴式炭材熱源型スラグ回生炉から発生する排ガス
はCOやH2からなり、燃料ガスとして回収使用されるた
め、ガス化炉併用としても有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において利用できる鉄浴式炭材熱源型回
生炉の概略説明図であって、図1(a) は底吹式、図1
(b) は上吹式の場合の回生炉をそれぞれ示す。
【図2】本発明にかかる方法の全体プロセス図であっ
て、図2(a) は、α=1 の場合、図2(b) は、α=0.1
の場合のそれぞれを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐を含有する精錬スラグの処理方法であ
    って、溶融鉄浴および精錬スラグを収容した容器内に、
    炭材および酸化性ガスを供給して該溶融鉄浴中および/
    または溶融鉄浴表面にて前記炭材を燃焼させて前記精錬
    スラグを溶融するとともに、該スラグ中の燐を溶融鉄浴
    中に還元抽出し、発生するCOガスおよび/または吹込ま
    れた攪拌用ガスにより、前記鉄浴およびスラグを攪拌す
    ることを特徴とする精錬スラグ中の燐の抽出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法にて得られた、燐抽
    出後のスラグを回収して鉄鋼精錬用のフラックスとして
    再使用することを特徴とする精錬スラグの処理方法。
  3. 【請求項3】 溶融鉄浴および精錬スラグを収容した容
    器内に、炭材および酸化性ガスを供給して該溶融鉄浴中
    および/または溶融鉄浴表面にて前記炭材を燃焼させて
    前記精錬スラグを溶融するとともに、スラグ中の燐を溶
    融鉄浴中に還元抽出し、そして燐抽出後の低燐スラグを
    精錬用スラグとして回収する一連の工程を少なくとも1
    回もしくは2回以上繰り返して、前記溶融鉄浴中の燐濃
    度を高め、次いで、このようにして燐濃度を高めた溶融
    鉄浴を酸化脱燐して高濃度の燐を含有するスラグを得る
    ことを特徴とする燐富化スラグの製造方法。
JP10413294A 1994-05-18 1994-05-18 精錬スラグの処理方法 Pending JPH07316621A (ja)

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