JPH09316333A - オルガノポリシロキサン組成物および繊維処理剤 - Google Patents

オルガノポリシロキサン組成物および繊維処理剤

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JPH09316333A
JPH09316333A JP15884696A JP15884696A JPH09316333A JP H09316333 A JPH09316333 A JP H09316333A JP 15884696 A JP15884696 A JP 15884696A JP 15884696 A JP15884696 A JP 15884696A JP H09316333 A JPH09316333 A JP H09316333A
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organopolysiloxane
containing organic
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Application number
JP15884696A
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English (en)
Inventor
Hironori Ishikawa
裕規 石川
Tsutomu Osanawa
努 長縄
Isao Ona
功 小名
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DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種材料、特に繊維材料に耐久性のある帯電
防止性,吸湿性,吸汗性,柔軟性を付与することのでき
るオルガノポリシロキサン組成物および繊維処理剤を提
供する。 【解決手段】 (A)一分子中に、ケイ素原子に結合し
たエポキシ基含有有機基と、ケイ素原子に結合したカル
ボキシル基含有有機基とを、それぞれ少なくとも1個有
するオルガノポリシロキサン、(B)一分子中に、ケイ
素原子に結合したアミノ基含有有機基と、ケイ素原子に
結合したポリオキシアルキレン基含有有機基とを、それ
ぞれ少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンから
なるオルガノポリシロキサン組成物、および該オルガノ
ポリシロキサン組成物からなる繊維処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオルガノポリシロキサン
組成物および繊維処理剤に関し、詳しくは各種材料、特
には繊維材料に耐久性のある帯電防止性,吸湿性,吸汗
性,柔軟性を付与することのできるオルガノポリシロキ
サン組成物および繊維処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種繊維材料に帯電防止性,吸湿
性,吸汗性を付与する目的で、オルガノポリシロキサン
を主剤とする繊維処理剤が使用されている。このような
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、ポリオキシ
アルキレン基含有オルガノポリシロキサン,一分子中に
アミノ基とポリオキシアルキレン基を有するオルガノポ
リシロキサン,一分子中にエポキシ基とポリオキシアル
キレン基を有するオルガノポリシロキサン,一分子中に
カルボキシル基とポリオキシアルキレン基を有するオル
ガノポリシロキサンが知られている。しかしこれらのオ
ルガノポリシロキサンを使用しても繊維に十分な柔軟性
や風合を付与することができず、また帯電防止性,吸湿
性,吸汗性の効果が長期間維持されないという欠点があ
った。このため、カルボキシル基含有オルガノポリシロ
キサンと、一分子中にアミノ基とポリオキシアルキレン
基を有するオルガノポリシロキサンからなる繊維処理剤
(特公昭60−37228号公報参照)や、エポキシ基
含有オルガノポリシロキサンと、一分子中にアミノ基と
ポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサ
ンからなる繊維処理剤(特公昭62−23106号公報
参照)が提案されている。しかしこれらの繊維処理剤を
用いても、処理後の繊維の柔軟性,風合,吸湿性,吸汗
性は決して十分と言えるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記欠点
を解消すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即
ち、本発明は各種材料、特には繊維材料に耐久性のある
帯電防止性,吸湿性,吸汗性,柔軟性を付与することの
できるオルガノポリシロキサン組成物および繊維処理剤
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、(A)一分子中に、ケイ素原子に結合した式:
【化3】 (式中、R1は二価炭化水素基である。)で示されるエ
ポキシ基含有有機基もしくは式:
【化4】 (式中、R2は二価炭化水素基である。)で示されるエ
ポキシ基含有有機基と、ケイ素原子に結合した式:−R
3−COOR4[式中、R3は二価炭化水素基であり、R4
は水素原子,一価炭化水素基および式:−SiR5 3(式
中、R5は同一もしくは異種の一価炭化水素基であ
る。)で示されるシリル基からなる群から選択される基
である。]で示されるカルボキシル基含有有機基とを、
それぞれ少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン
100重量部、 (B)一分子中に、ケイ素原子に結合した式:−R6
(NHCH2CH2a−NHR7(式中、R6は二価炭化
水素基であり、R7は水素原子または一価炭化水素基で
あり、aは0〜10の数である。)で示されるアミノ基
含有有機基と、ケイ素原子に結合した式:−(R8b
O−(C24O)c(C36O)d−R9[式中、R8は二
価炭化水素基,式:−R10−CO−(式中、R10はアル
キレン基である。)で示される基および式:−R10−N
HCO−R10−(式中、R10は前記と同じである。)で
示される基からなる群から選択される基であり、R9
水素原子,一価炭化水素基,アシル基および炭酸モノエ
ステル基からなる群から選択される基である。bは0ま
たは1であり、cおよびdは0〜50の数であり、(c
+d)は1〜100の数である。]で示されるポリオキ
シアルキレン基含有有機基とを、それぞれ少なくとも1
個有するオルガノポリシロキサン1〜10,000重量
部 からなるオルガノポリシロキサン組成物および該オルガ
ノポリシロキサン組成物からなる繊維処理剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明組成物に使用される(A)
成分のオルガノポリシロキサンは、一分子中に、ケイ素
原子に結合した式:
【化5】 で示されるエポキシ基含有有機基もしくは式:
【化6】 で示されるエポキシ基含有有機基と、ケイ素原子に結合
した式:−R3−COOR4で示されるカルボキシル基含
有有機基とを、それぞれ少なくとも1個有する。上式
中、R1およびR2は二価炭化水素基であり、エチレン
基,n−プロピレン基,イソプロピレン基,n−ブチレ
ン基等のアルキレン基が例示される。このようなエポキ
シ基含有有機基としては、式:
【化7】 で示される基,式:
【化8】 で示される基が例示される。R3は二価炭化水素基であ
り、エチレン基,n−プロピレン基,n−ブチレン基の
ようなアルキレン基;式:−(CH22−C64−で示
されるようなアルキレンアリーレン基が例示される。R
4は水素原子,一価炭化水素基および式:−SiR
5 3(式中、R5は同一もしくは異種の一価炭化水素基で
ある。)で示されるシリル基からなる群から選択される
基である。R4およびR5の一価炭化水素基としては、メ
チル基,エチル基,プロピル基,オクチル基のようなア
ルキル基;2−フェニルエチル基,2−フェニルプロピ
ル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基のような置換
アルキル基;フェニル基,トリル基のようなアリール基
もしくは置換アリール基が例示される。これらの中でも
メチル基もしくはエチル基が好ましい。このようなカル
ボキシル基含有有機基としては、式:−(CH210
OOHで示される基,式:−(CH22COOCH3
示される基,式:−(CH210COOSi(CH33
で示される基、式:−CH2CH(CH3)COOCH3
で示される基が例示される。このエポキシ基含有有機基
およびカルボキシル基含有有機基は、(B)成分中のア
ミノ基含有有機基と架橋反応して各種材料、特には繊維
材料に耐久性のある吸湿性,吸汗性,柔軟性および十分
な風合を付与する作用を有する。本成分のオルガノポリ
シロキサン中のエポキシ基含有有機基およびカルボキシ
ル基含有有機基の含有割合は、それぞれ0.1〜5モル
%の範囲であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜
2モル%の範囲である。尚、ここで言うモル%は下式に
従って計算した値である。
【式1】 またこれらの有機基の結合位置は限定されない。
【0006】本成分のオルガノポリシロキサン中、上記
エポキシ基含有有機基およびカルボキシル基含有有機基
以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基,エ
チル基,プロピル基,オクチル基のようなアルキル基;
2−フェニルエチル基,2−フェニルプロピル基,3,
3,3−トリフルオロプロピル基のような置換アルキル
基;フェニル基,トリル基のようなアリール基もしくは
置換アリール基等の一価炭化水素基が挙げられる。これ
らの中でもメチル基が好ましい。本成分の分子構造とし
ては、直鎖状,一部に分岐を有する直鎖状,環状,3次
元状が挙げられる。中でも直鎖状もしくは一部に分岐を
有する直鎖状であるのが好ましく、直鎖状である場合に
は、一般式:
【化9】 で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。式
中、Rは前記したような一価炭化水素基であり、Bは上
記エポキシ基含有有機基であり、Cは上記カルボキシル
基含有有機基であり、AはR,BおよびCで示される基
からなる群から選択される基である。lは正数であり、
mは0または正数であり、nは0または正数である。m
またはnが0である場合には、Aがエポキシ基含有有機
基またはカルボキシル基含有有機基である。(l+m+
n)の値は50〜1,000の範囲であるのが好まし
い。また25℃における粘度は10〜1,000,000
センチストークスの範囲であるのが好ましく、より好ま
しくは100〜10,000センチストークスの範囲で
ある。
【0007】本成分としては、下記式で示されるような
オルガノポリシロキサンが例示される。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0008】本成分のオルガノポリシロキサンは、例え
ば、式:
【化14】 (式中、eおよびfは正数である。)で示される側鎖に
ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサ
ンに、10〜20ppmの塩化白金酸等の付加反応用触
媒を用いて、式:
【化15】 で示されるような不飽和結合含有エポキシ化合物と、
式:CH2=CH(CH28COOSi(CH33で示
されるようなカルボキシル基がトリメチルシリル基で封
鎖された不飽和結合含有カルボキシル化合物とを、所望
の比率で同時に付加反応させた後、アルコールまたはア
ルコールと水の混合液を少量添加してトリメチルシリル
基を外すことにより製造することができる。
【0009】本発明組成物に使用される(B)成分のオ
ルガノポリシロキサンは、一分子中に、ケイ素原子に結
合した式:−R6−(NHCH2CH2a−NHR7で示
されるアミノ基含有有機基と、ケイ素原子に結合した
式:−(R8b−O−(C24O)c(C36O)d−R
9で示されるポリオキシアルキレン基含有有機基とを、
それぞれ少なくとも1個有する。上式中、R6は二価炭
化水素基であり、エチレン基,n−プロピレン基,n−
ブチレン基のようなアルキレン基;式:−(CH22
64−で示されるようなアルキレンアリーレン基が例
示されるが、これらの中でもアルキレン基が一般的であ
る。R7は水素原子または一価炭化水素基であり、一価
炭化水素基としてはメチル基,エチル基,プロピル基,
ヘキシル基,シクロヘキシル基のようなアルキル基;フ
ェニル基,トリル基のようなアリール基が例示される。
aは0〜10の数であり、好ましくは0〜2の数であ
る。このようなアミノ基含有有機基としては、式:−C
36−NH−C24−NH2で示される基,式:−C3
6NH2で示される基,式:
【化16】 で示される基が例示される。R8は二価炭化水素基,
式:−R10−CO−で示される基および式:−R10−N
HCO−R10−で示される基からなる群から選択される
基である。上式中、R10はアルキレン基であり、エチレ
ン基,プロピレン基,ブチレン基が例示される。二価炭
化水素基としては、エチレン基,プロピレン基,ブチレ
ン基のようなアルキレン基;式:−(CH22−C64
−で示されるようなアルキレンアリーレン基が例示され
る。R9は水素原子,一価炭化水素基,アシル基および
炭酸モノエステル基からなる群から選択される基であ
る。一価炭化水素基としては、メチル基,エチル基,プ
ロピル基,ドデシル基,ヘキシル基,シクロヘキシル基
のようなアルキル基;フェニル基,トリル基のようなア
リール基が例示される。アシル基としてはアセチル基,
プロピロニル基,ベンゾイル基が例示される。炭酸モノ
エステル基としては、炭酸モノメチルエステル基,炭酸
モノエチルエステル基が例示される。bは0または1で
あり、cおよびdは0〜50の数である。(c+d)は
1〜100の数であり、好ましくは5〜50の範囲であ
る。これは100を越えると、本成分のオルガノポリシ
ロキサンの製造時にポリオキシアルキレン基が分岐する
おそれがあるためである。このようなポリオキシアルキ
レン基含有有機基としては、式:−C36O(C2
4O)12Hで示される基,式:−C36O(C24O)7
COCH3で示される基,式:−C36O(C24O)
12(C36O)12CH3で示される基,式:−C36
HCOCH2O(C24O)10CH3で示される基が例示
される。本成分中のアミノ基含有有機基は、前述したよ
うに(A)成分中のカルボキシル基含有有機基およびエ
ポキシ基含有有機基と架橋反応して各種材料、特には繊
維材料に耐久性のある吸湿性,吸汗性,柔軟性を付与す
る作用を有し、ポリオキシアルキレン基含有有機基はさ
らに優れた吸湿性,吸汗性を付与する作用を有する。ア
ミノ基含有有機基の含有割合は0.1〜5モル%の範囲
であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜2モル%
の範囲である。ポリオキシアルキレン基含有有機基の配
合割合は0.1〜15モル%の範囲であるのが好まし
く、より好ましくは1〜10モル%の範囲である。また
これらの有機基の結合位置は限定されない。
【0010】本成分のオルガノポリシロキサン中、上記
アミノ基含有有機基およびポリオキシアルキレン基含有
有機基以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル
基,エチル基,プロピル基,オクチル基のようなアルキ
ル基;2−フェニルエチル基,2−フェニルプロピル
基,3,3,3−トリフルオロプロピル基のような置換ア
ルキル基;フェニル基,トリル基のようなアリール基も
しくは置換アリール基等の一価炭化水素基が挙げられ
る。これらの中でもメチル基が好ましい。本成分の分子
構造としては、直鎖状,一部に分岐を有する直鎖状,環
状,3次元状が挙げられる。中でも直鎖状もしくは一部
に分岐を有する直鎖状であるのが好ましく、直鎖状であ
る場合には、一般式:
【化17】 で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。式
中、Rは前記したような一価炭化水素基であり、Eは上
記アミノ基含有有機基であり、Fは上記ポリオキシアル
キレン基含有有機基であり、DはR,EおよびFで示さ
れる基からなる群から選択される基である。xは正数で
あり、yは0または正数であり、zは0または正数であ
る。yまたはzが0である場合には、Dがアミノ基含有
有機基またはポリオキシアルキレン基含有有機基であ
る。(x+y+z)の値は10〜1,000の範囲であ
るのが好ましい。また25℃における粘度は10〜1,
000,000センチストークスの範囲であるのが好ま
しく、より好ましくは100〜10,000センチスト
ークスの範囲である。
【0011】本成分としては、下記式で示されるような
オルガノポリシロキサンが例示される。
【化18】
【化19】
【化20】
【0012】本成分のオルガノポリシロキサンは、例え
ば、式:
【化21】 (式中、eおよびfは正数である。)で示される側鎖に
ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサ
ンに、塩化白金酸等の付加反応用触媒を用いて、式:C
2=CHCH2O(C24O)g(C36O)hCH
3(式中、gおよびhは正数である。)で示されるよう
な不飽和結合含有ポリオキシアルキレン化合物を付加反
応させて、
【化22】 で示されるオルガノポリシロキサンを得る。次いでこれ
に、式:CH3Si(OCH3236NH2で示される
アミノシランに水を加えて得た加水分解物を添加し、水
酸化カリウム等の平衡反応用重合触媒を用いて120〜
140℃の条件下で6〜10時間反応させて、式:
【化23】 (式中、e,f,g,hおよびiは正数である。)で示
されるオルガノポリシロキサンを製造することができ
る。本成分の配合量は、(A)成分100重量部に対し
て1〜10,000重量部の範囲であり、好ましくは1
0〜1,000重量部の範囲である。
【0013】本発明組成物は上記(A)成分および
(B)成分からなるものであるが、これを使用する際に
は、これらの成分を有機溶剤に溶解して溶液の形態とし
たり、または自己乳化させたり、乳化剤を用いて水によ
り乳化したりしてエマルジョンの形態にしてから使用す
るのが好ましい。このとき、(A)成分または(B)成
分の溶液またはエマルジョンをそれぞれ別々に調製して
から混合してもよい。使用される有機溶剤としては、例
えば、トルエン,キシレン,ベンゼン,n−ヘキサン,
ヘプタン,アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソ
ブチルケトン,酢酸エチル,酢酸ブチル,ミネラルター
ペンが挙げられる。乳化剤としては、例えば、高級アル
コールの硫酸エステル塩,アルキルベンゼンスルホン酸
塩,高級アルコールポリオキシアルキレン付加物,高級
脂肪酸ポリオキシアルキレン付加物,アルキルフェノー
ルポリオキシアルキレン付加物,高級脂肪酸ソルビタン
エステルが挙げられる。この乳化剤の配合量は特に限定
されないが、一般に、(A)成分および(B)成分のオ
ルガノポリシロキサンの合計100重量部に対して3〜
20重量部の範囲であり、好ましくは6〜10重量部の
範囲である。
【0014】このような本発明組成物は各種材料、特に
は繊維材料に耐久性のある帯電防止性、吸湿性、吸汗
性、柔軟性を付与することができるので、各種材料の表
面処理剤、特には繊維処理剤として好適に使用される。
繊維を処理する際には、通常、本発明組成物を前記した
ような形態とした後、スプレー,ローラー,浸漬等の方
法により繊維材料に付着させる。また、一方の成分の溶
液もしくはエマルジョンを繊維材料に付着させた後、次
いでもう一方の成分の溶液もしくはエマルジョンを繊維
材料に付着させる方法も挙げられるが、処理効果の均一
性という点から両成分を予め混合しておくのが好まし
い。本発明組成物の繊維材料に対する付着量は、オルガ
ノポリシロキサン換算で0.1〜4.0重量%の範囲とな
るような量であるのが好ましい。付着後は、常温放置,
熱風吹付,加熱などの方法により有機溶剤もしくは水を
除去した後、さらに加熱することにより処理が完結す
る。尚、作業効率および耐久性の向上の点から、熱風吹
付または加熱により有機溶剤もしくは水を除去するのが
好ましい。このとき必要に応じて適当な硬化触媒,帯電
防止剤,柔軟剤,防しわ剤,耐熱剤,難燃剤等を添加配
合してもよい。
【0015】以上のような本発明組成物を繊維処理剤と
して使用する場合に適用可能な繊維材料としては、材質
的には羊毛,絹,麻,木綿,アスベストのような天然繊
維;レーヨン,ベンベルグのような再生繊維;アセテー
トのような半合成繊維;ポリエステル,ポリアミド,ビ
ニロン,ポリアクリロニトリル,ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,スパンデックスのような合成繊維;ガラス繊
維,カーボン繊維,シリコンカーバイド繊維のような無
機繊維が例示される。形状的には、ステープル,フィラ
メント,トゥ,トップ,糸が例示される。形態的には、
編物,織物,不織布,紙が例示される。
【0016】本発明組成物が適用される繊維以外の各種
材料としては、紙,木材,合板,プラスチックフィル
ム,無機粉体,有機粉体,皮革,ゴムが例示される。こ
のような各種材料を処理する方法としては、繊維材料を
処理するのと同様な方法が挙げられる。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。実施例
中、部とあるのは重量部を意味し、粘度は25℃におけ
る測定値である。なお、オルガノポリシロキサン組成物
を用いて処理した編地の風合,帯電防止性,吸水性およ
び洗濯によるシリコーンの残存率(%)は以下の方法に
したがって測定した。
【0018】○風合 処理後の編地の風合を指触により測定し、次のように評
価した。 5:非常に良好であった 4:良好であった 3:やや良好であった 2:やや悪かった 1:非常に悪かった
【0019】○帯電防止性 処理後の編地を温度20℃,相対湿度65%の条件下に
て一夜放置した後、京大化研式ロータリースタチックテ
スターにより、摩擦対象布として綿布(カナキン3号)
を用いて、800回転/分の回転で60秒間帯電させ、
その摩擦帯電圧(V)を測定した。
【0020】○吸水性 処理後の編地を平らな机の上に広げて水1滴を落とし、
水滴が編地に吸収されて消失するまでの時間(秒)を測
定した。
【0021】○洗濯によるシリコーンの残存率(%) 処理後の編地のSi強度(kcps:キロカウント毎秒)を
蛍光X線分析装置[理学機械社製]により測定した後、
電気洗濯機を用いて40℃の条件下で50分洗濯および
3回すすぎを1サイクルとして、計3サイクルの洗濯を
おこなった。このとき洗剤は、無リン洗剤[ニッサン石
鹸(株)製;商品名:ラブ]の0.5%水溶液を使用し
た。洗濯した編地を室温で一夜吊るして乾燥させた後、
そのSi強度を上記と同様にして測定し、シリコーン残
存率(%)を次式にしたがって算出した。
【式2】
【0022】
【実施例1】 平均組成式:
【化24】 で表される粘度4,520センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(A)1部および平均組成式:
【化25】 で表される粘度4,000センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(B)0.5部をトルエン98.5部に溶
解して、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。得
られたオルガノポリシロキサン組成物に、ポリエステル
/綿(ポリエステル65%,綿35%)の白地のローン
地を浸漬し、次いでこの編地を絞りローラーを用いて絞
り率100%で絞った後、25℃で一夜放置した。放置
後、120℃の熱風乾燥機中で5分間熱処理をした。こ
のようにして得られた編地の風合,帯電防止性,吸水性
および洗濯によるシリコーンの残存率(%)を測定し
た。さらに洗濯後の帯電防止性および吸水性も測定し
た。これらの結果を表1に示した。
【0023】
【比較例1】 平均組成式:
【化26】 で表される粘度4,520センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(A)1.5部をトルエン98.5部に溶
解して、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。得
られたオルガノポリシロキサン組成物を用いて実施例1
と同様にして、ポリエステル/綿(ポリエステル65
%,綿35%)の白地のローン地を処理した。得られた
編地の風合,帯電防止性(洗濯前,洗濯後),吸水性
(洗濯前,洗濯後)および洗濯によるシリコーンの残存
率(%)を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0024】
【比較例2】 平均組成式:
【化27】 で表される粘度4,000センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(B)1.5部をトルエン98.5部に溶
解して、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。得
られたオルガノポリシロキサン組成物を用いて実施例1
と同様にして、ポリエステル/綿(ポリエステル65
%,綿35%)の白地のローン地を処理した。得られた
編地の風合,帯電防止性(洗濯前,洗濯後),吸水性
(洗濯前,洗濯後)および洗濯によるシリコーンの残存
率(%)を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0025】
【比較例3】 平均組成式:
【化28】 で表される粘度3,300センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(C)1部および平均組成式:
【化29】 で表される粘度4,000センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(B)0.5部をトルエン98.5部に溶
解して、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。得
られたオルガノポリシロキサン組成物を用いて実施例1
と同様にして、ポリエステル/綿(ポリエステル65
%,綿35%)の白地のローン地を処理した。得られた
編地の風合,帯電防止性(洗濯前,洗濯後),吸水性
(洗濯前,洗濯後)および洗濯によるシリコーンの残存
率(%)を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0026】
【比較例4】 平均組成式:
【化30】 で表される粘度1,610センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(D)1部および平均組成式:
【化31】 で表される粘度4,000センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(B)0.5部をトルエン98.5部に溶
解して、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。得
られたオルガノポリシロキサン組成物を用いて実施例1
と同様にして、ポリエステル/綿(ポリエステル65
%,綿35%)の白地のローン地を処理した。得られた
編地の風合,帯電防止性(洗濯前,洗濯後),吸水性
(洗濯前,洗濯後)および洗濯によるシリコーンの残存
率(%)を測定した。これらの結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【実施例2】 平均組成式:
【化32】 で表される粘度4,520センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(A)400部に、式:C1327O(C
2CH2O)5H,式:C1327O(CH2CH2O)12
H,式:C1327O(CH2CH2O)21Hで示される3
種類のノニオン系界面活性剤の1:1:1(重量比)の
混合物35部および水565部を加えて、コンビミキサ
ー(回転数2000rpm)を用いて乳化し、濃度40
%のエマルジョンを調製した。得られたエマルジョン
2.5部を水97部で希釈した後、平均組成式:
【化33】 で表される粘度4,000センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(B)0.5部を加えて完全に溶解する
まで攪拌してオルガノポリシロキサン組成物を得た。得
られたオルガノポリシロキサン組成物に、25cm×2
5cmの綿100%編地(米国TEST FABRIC INC.社製、
商品名:Inter Lock Knit)を浸漬し、次いでこの編地
を絞りローラーを用いて絞り率100%で絞った後、2
5℃で一夜放置した。放置後、120℃の熱風乾燥機中
で5分間熱処理をした。このようにして得られた編地の
風合,吸水性および洗濯によるシリコーンの残存率
(%)を実施例1と同様にして測定した。さらに洗濯後
の風合および吸水性も測定した。これらの結果を表2に
示した。
【0029】
【比較例5】実施例2においてオルガノポリシロキサン
(A)を、平均組成式:
【化34】 で表される粘度3,300センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(C)に代えた以外は実施例2と同様に
して、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。得ら
れたオルガノポリシロキサン組成物を用いて実施例2と
同様にして、25cm×25cmの綿100%編地(米
国TEST FABRIC INC.社製、商品名:InterLock Knit)を
処理した。得られた編地の風合(洗濯前,洗濯後),吸
水性(洗濯前,洗濯後)および洗濯によるシリコーンの
残存率(%)を測定した。これらの結果を表2に示し
た。
【0030】
【比較例6】実施例2においてオルガノポリシロキサン
(A)を、平均組成式:
【化35】 で表される粘度1,610センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(D)に代えた以外は実施例2と同様に
して、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。得ら
れたオルガノポリシロキサン組成物を用いて実施例2と
同様にして、25cm×25cmの綿100%編地(米
国TEST FABRIC INC.社製、商品名:InterLock Knit)を
処理した。得られた編地の風合(洗濯前,洗濯後),吸
水性(洗濯前,洗濯後)および洗濯によるシリコーンの
残存率(%)を測定した。これらの結果を表2に示し
た。
【0031】
【表2】
【0032】
【実施例3】 平均組成式:
【化36】 で表される粘度4,520センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(A)3部,平均組成式:
【化37】 で表される粘度4,000センチストークスのオルガノ
ポリシロキサン(B)2部,プロピレングライコール1
0部およびトルエンとイソプロピルアルコールの混合溶
剤(トルエンとイソプロピルアルコールの混合比率は
1:1である。)985部を混合して、オルガノポリシ
ロキサン組成物を調製した。得られたオルガノポリシロ
キサン組成物に、2枚重ねのテッシュペーパーを5枚重
ねたまま浸積した。浸積後、絞りローラを用いて絞り
(絞り率100%)、これを室温で乾燥させた。このよ
うにして得られたテッシュペーパーに対するオルガノポ
リシロキサン組成物の付着量は1.5重量%であった。
このテッシュペーパーの風合いを指触にて測定したとこ
ろ、柔軟性と平滑性が非常に良好であり、しっとりとし
ていた。
【0033】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサン組成物
は、上記(A)成分および(B)成分からなり、特に
(A)成分としてエポキシ基含有有機基とカルボキシル
基含有有機基とを有するオルガノポリシロキサンを使用
するので各種材料、特には繊維材料に耐久性のある帯電
防止性,吸湿性,吸汗性,柔軟性を付与することができ
るという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小名 功 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一分子中に、ケイ素原子に結合し
    た式: 【化1】 (式中、R1は二価炭化水素基である。)で示されるエ
    ポキシ基含有有機基もしくは式: 【化2】 (式中、R2は二価炭化水素基である。)で示されるエ
    ポキシ基含有有機基と、ケイ素原子に結合した式:−R
    3−COOR4[式中、R3は二価炭化水素基であり、R4
    は水素原子,一価炭化水素基および式:−SiR5 3(式
    中、R5は同一もしくは異種の一価炭化水素基であ
    る。)で示されるシリル基からなる群から選択される基
    である。]で示されるカルボキシル基含有有機基とを、
    それぞれ少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン
    100重量部および (B)一分子中に、ケイ素原子に結合した式:−R6
    (NHCH2CH2a−NHR7(式中、R6は二価炭化
    水素基であり、R7は水素原子または一価炭化水素基で
    あり、aは0〜10の数である。)で示されるアミノ基
    含有有機基と、ケイ素原子に結合した式:−(R8b
    O−(C24O)c(C36O)d−R9[式中、R8は二
    価炭化水素基,式:−R10−CO−(式中、R10はアル
    キレン基である。)で示される基および式:−R10−N
    HCO−R10−(式中、R10は前記と同じである。)で
    示される基からなる群から選択される基であり、R9
    水素原子,一価炭化水素基,アシル基および炭酸モノエ
    ステル基からなる群から選択される基である。bは0ま
    たは1であり、cおよびdは0〜50の数であり、(c
    +d)は1〜100の数である。]で示されるポリオキ
    シアルキレン基含有有機基とを、それぞれ少なくとも1
    個有するオルガノポリシロキサン1〜10,000重量
    部 からなるオルガノポリシロキサン組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオルガノポリシロキサン
    組成物からなる繊維処理剤。
JP15884696A 1996-05-30 1996-05-30 オルガノポリシロキサン組成物および繊維処理剤 Pending JPH09316333A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010100697A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Dow Corning Toray Co Ltd 非硬化型コーティング用組成物
JP2014043665A (ja) * 2012-07-30 2014-03-13 Asahi Kasei Fibers Corp セルロース繊維わた及び処理方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010100697A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Dow Corning Toray Co Ltd 非硬化型コーティング用組成物
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