JPH09315567A - 基板搬送部材とこの基板搬送部材を用いたレジスト塗布装置 - Google Patents

基板搬送部材とこの基板搬送部材を用いたレジスト塗布装置

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JPH09315567A
JPH09315567A JP12843896A JP12843896A JPH09315567A JP H09315567 A JPH09315567 A JP H09315567A JP 12843896 A JP12843896 A JP 12843896A JP 12843896 A JP12843896 A JP 12843896A JP H09315567 A JPH09315567 A JP H09315567A
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JP
Japan
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substrate
roll bar
nip roller
resist
glass substrate
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Application number
JP12843896A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Shiba
光明 柴
Junichi Namiki
淳一 並木
裕康 ▲やな▼瀬
Hiroyasu Yanase
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄板の平面性を保持して搬送できるようにした
基板搬送装置とこの基板搬送装置を用いたレジスト塗布
装置を提供する。 【解決手段】撓み性基板の吸着面の幅方向両端面の移送
方向全域に沿って回転移送ローラへの載置領域を有する
と共に、少なくとも吸着面5bを平坦面とした剛性材か
らなるベース板と、吸着面5bの複数箇所に形成した吸
着穴5dと、吸着穴5dに連通してベース板の吸着面を
除いた一部に設けた真空ポート5fとから構成した基板
搬送部材5を用いて撓み性基板の幅方向両端縁を複数対
の回転移送ローラにより保持して水平に移送し、レジス
トを塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板搬送部材とこ
の基板搬送部材を用いたレジスト塗布装置に係り、特に
ガラス基板等の撓み性を有する薄板を、その水平の姿勢
でかつ表面を平坦な状態に維持して搬送するための基板
搬送部材およびこの基板搬送部材を用いたレジスト塗布
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、液晶表示装置を構成する液晶パ
ネルの製造では、大判サイズあるいは薄肉のガラス基板
を洗浄し、レジストの塗布、パターン露光と現像、ベー
キング、その他の処理を施すための処理ステーションに
当該ガラス基板を撓みなく搬入し搬出する必要がある。
【0003】ガラス板等の薄い撓み性基板を、その両端
のみを支持して搬送する場合には、当該基板の自重によ
り中央部が下方に撓んでしまい、表面を平坦な状態で搬
送することは困難である。
【0004】例えば、液晶表示装置を構成するガラス基
板にカラーフィルタを形成する工程において、当該カラ
ーフィルタのフォトリソエッチング処理等の前段階とし
てガラス基板に所定のレジストを一様な厚さで塗布する
必要がある。
【0005】従来のこの種のレジスト塗布は、溝付きゴ
ムローラによってレジスト溶液を塗布するロールコート
法、あるいはガラス基板を回転させながらレジスト溶液
を遠心力で引延して塗布するスピンコート法、その他種
々の方法があるが、前者では塗膜の平滑性に限界があ
り、また、後者ではレジスト溶液の利用率が極めて低
く、多数のガラス基板を効率よく処理することが困難で
あるという問題がある。
【0006】これに対して、例えば特開平2−2580
81号公報、特開平4−270346号公報に開示され
たようなワイヤー巻回ロッド(以下、ロールバーと称す
る)を用いて平面搬送されるガラス基板の下面からレジ
スト溶液を塗布する、所謂ロッドコート法を用いること
で、連続して搬送される多数のガラス基板に均一なレジ
ストの塗膜を形成することができる。
【0007】図12はガラス板等の薄い平板部材の搬送
装置の一例としてのレジスト塗布装置の構成を説明する
要部模式図であって、1はガラス基板、2は回転搬送ロ
ーラ、3aはロールバー、3bはニップロール、3cは
受け皿、3dはロールバー支持部材、3eはレジストで
ある。
【0008】同図において、このレジスト塗布装置は、
液晶パネル用のガラス基板の面にカラーフィルタ用のレ
ジストを塗布するものであって、厚さが0.7mm、あ
るいは1.1mm程度の薄いガラス基板1の両端を回転
搬送ローラ2で支持して同図の左方向から右方向に移送
しながら、その下面に上記ロールバーとニップローラの
対向部をもつレジストの塗布部で均一にレジストを塗布
する装置である。
【0009】レジストの塗布部はニップロール3b、ロ
ールバー3a、レジスト3eを貯留する受け皿3c、ロ
ールバー支持部材3dとから構成され、ロールバー3a
とこのロールバー3aを押圧するごとく配置されたニッ
プロール3bの対向部に図示矢印A方向からガラス基板
1が搬入され、その移動に伴ってロールバー3aで汲み
上げられたレジスト3eが当該ガラス基板1の下面に塗
布される。
【0010】レジストが塗布されたガラス基板1は、同
図の右側に設置された基板送り出し搬送機構の回転搬送
ローラ2により搬送方向両端縁を支持されてさらに移送
され、次段の乾燥ステージ等に送り込まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような撓み性基
板を、その移送方向と平行な両端部のみを支持して搬送
する形式の基板搬送装置においては、その中央領域(中
央部)が自重によって下方に撓む。
【0012】例えば、移送方向と直角方向の幅が300
mmで、厚さ0.7mmのガラス基板を、その幅方向の
両端部で支持した場合、その中央の撓み量は約1.5m
mに達する。
【0013】図13は図12の基板搬送装置で移送され
るガラス基板を移送方向からみた撓み発生状態の説明図
である。
【0014】同図において、ガラス基板1の両端は回転
搬送ローラ2で支持され、中央が下方に垂下するごとく
撓んでいる様子を示している。
【0015】図14は図13のY−Y’線に沿ったガラ
ス基板の中央部がロールバーとニップロールの対向部に
進入した状態を説明する要部模式図である。
【0016】同図に示したように、ガラス基板1に撓み
がなければ当該ガラス基板は、その先端縁の全域がロー
ルバー3aとニップロール3bの対向部にスムーズに進
入する。しかし、ガラス基板1の中央には図13に示し
たような撓みがあるため、当該中央部は同図にBで示し
たように両端領域よりも先にロールバー3aに接触し、
さらに当該中央部がロールバー3aに衝突することがあ
る。
【0017】この撓みはガラス基板1のサイズが大型化
する程大きくなり、極端な場合はガラス基板がレジスト
3aを貯留するための堰3fに衝突し、ロールバー3a
とニップロール3bの対向部に進入できなくなる。
【0018】図15は中央に撓みのあるガラス基板がロ
ールバーとニップローラの対向部に進入した際のレジス
トの付着状態を説明する模式図であって、(a)は正面
図、(b)は(a)のY−Y’線に沿った断面図であ
る。なお、同図(a)ではロールバー支持部材3dは図
示を省略してある。
【0019】同図に示したように、中央に撓みを持つガ
ラス基板1が進入すると、ロールバー3aで汲み上げら
れているレジスト3eはガラス基板1の垂下した撓み部
分に先に付着する。その後、ニップローラ3bとの挟持
でガラス基板1が搬送されるため、ガラス基板1の後続
する領域はロールバー3aで汲み上げられたレジストと
略ゝ均一に接触する。
【0020】したがって、レジスト塗布後のガラス基板
の当該先端部のレジスト膜厚が大となる。
【0021】図16は従来の基板搬送装置を用いてレジ
スト塗布部にガラス基板を通した場合に発生する基板先
端領域における塗布ムラの状態の説明図である。
【0022】図示されたように、レジスト塗布後のガラ
ス基板を凸レンズで観察すると、ガラス基板1の先端領
域に図示したようなニュートンリングが見られる。
【0023】前記した構成の基板搬送装置を用いて実際
にレジストの塗布を行ったところ、幅方向が300mm
サイズのガラス基板の上記先端部分のレジストの塗布膜
厚は、他の部分に比べて5〜10%増加していた。
【0024】図17はガラス基板を両端支持で搬送する
際の中央部の撓みを補正する従来の一手段の説明図であ
って、4は補助ローラである。
【0025】この構成では、ガラス基板の下面に当接し
て回転する二個の補助ローラ4を設けて垂下する部分を
持ち上げながら搬送するものである。
【0026】これにより、前記した基板先端部での膜厚
増加を抑制することはできるが、ガラス基板1の下面に
不純物を付着させたり、また当該表面にパターンが形成
されている場合には、そのパターンにダメージを与える
ことがあり、好ましい対策ではない。
【0027】本発明の第1の目的は、上記従来技術の問
題を解消し、搬送方向と平行な両端縁を支持して搬送さ
れる薄板の下面に機械的な支持手段を当接することなし
に撓み補正を施す手段を設けて、当該薄板の平面性を保
持して搬送できるようにした基板搬送装置を提供するこ
とにある。
【0028】また、液晶パネルのカラーフィルタを形成
する場合、所定の色の顔料で着色したレジスト(顔料レ
ジスト)をガラス基板に所要の膜厚でむら無く塗布する
ためには、塗布の開始時から塗布終了時までに一定量の
レジスト溶液をロールバーとガラス基板の接触部分に供
給して、塗布開始から終了まで同一条件(受け皿に貯留
したレジスト溶液の高さ、ロールバーとニップローラの
回転速度および同一押圧力、ロールバーとガラス基板が
会合する部分に形成されるレジスト液溜まりの大きさ、
等)で塗布する必要がある。
【0029】図18はガラス基板等の撓み性基板の下面
にレジスト溶液が塗布される様子を説明する模式図であ
って、図14と同一符号は同一部分に対応し、3gはレ
ジスト液溜まりを示す。
【0030】図示したように、受け皿3cからロールバ
ー3aで汲み上げられたレジスト溶液は、撓み性基板で
あるガラス基板1が進入してロールバー3aと会合する
部分に形成されるレジスト液溜まりを形成する。このレ
ジスト液溜まりをガラス基板1の幅方向全域にわたって
均一に保つことができれば、膜厚分布が均一なレジスト
塗布膜3hが得られる。
【0031】しかし、この種の撓み性基板を両端縁で支
持して移送させると、上記したように自重によって中央
部が垂下する撓みが生じ、ロールバー3aとの接触角度
は一定にならない。そのため、レジスト溜まりが均一に
ならず、前記図16で説明したような膜厚の不均一を招
く。
【0032】したがって本発明の第2の目的はガラス基
板等の撓み性基板を水平な姿勢でロールバーとニップロ
ールの対向間に搬入することでロールバー3aとの接触
角度を一定にし塗布むらのない均一なレジスト膜を形成
するレジスト塗布装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
ため、請求項1に記載の第1の発明は、撓み性基板の幅
方向両端縁を複数対の回転移送ローラにより保持して水
平に移送するための基板搬送部材において、基板搬送部
材を、撓み性基板の吸着面の幅方向両端面の移送方向全
域に沿って回転移送ローラへの載置領域を有すると共
に、少なくとも吸着面を平坦面とした剛性材からなるベ
ース板と、吸着面の複数箇所に形成した吸着穴と、吸着
穴に連通してベース板の吸着面を除いた一部に設けた真
空ポートとから構成したことを特徴とする。
【0034】この構成において、吸着面の載置領域の内
側に撓み性基板を真空吸着して載置領域を回転移送ロー
ラに載置することにより、撓み性基板を平坦に、かつ回
転移送ローラに対して非接触で移送することが可能とな
る。
【0035】また、請求項2に記載の第2の発明は、前
記吸着面の複数箇所に形成した複数の吸着穴が、吸着面
の中央領域から周辺領域にかけて複数の独立した区画で
形成したことを特徴とする。
【0036】この構成により、サイズの異なる多種類の
撓み性基板の取り扱いが可能となる。
【0037】さらに、請求項3に記載の第3の発明は、
前記吸着面に導電性の緩衝材を備えたことを特徴とす
る。
【0038】この構成としたことで、撓み性基板の吸着
効果を向上できると共に、ガラスのような硬質材料でな
る場合の破損を回避できる。
【0039】上記第2の目的を達成するために、請求項
4に記載の第4の発明は、レジスト溶液を貯留する受け
皿と、少なくとも周面の一部をレジスト溶液に没設して
回転するロールバーと、受け皿に取付けてロールバーを
回転可能に保持するロールバー保持部材と、ロールバー
に対して上方から対接して押圧するニップローラとの対
向間に撓み性基板を所定の速度で移送しながら撓み性基
板の下面にロールバーで汲み上げたレジスト溶液を接触
させると共に、余剰のレジスト溶液を掻き取ることによ
り、所定の厚さのレジスト膜を形成するレジスト塗布装
置において、撓み性基板を下面に吸着して平坦に、かつ
水平に支持する基板搬送部材と、ロールバーとニップロ
ーラの対向部の上流に設置して基板搬送部材に撓み性基
板を吸着する基板装着装置と、基板搬送部材に吸着した
撓み性基板をロールバーとニップローラの対向間を通し
て移送させる回転移送ローラと、ロールバーとニップロ
ーラの対向部の下流に設置して基板搬送部材から撓み性
基板を解放する基板解放装置とを備えたことを特徴とす
る。
【0040】この構成により、撓み性基板を平坦な姿勢
でレジスト塗布部に搬入することが可能となり、均一な
厚さのレジスト膜を形成できる。
【0041】また、請求項5に記載の第5の発明は、前
記基板搬送部材を、撓み性基板の吸着面の幅方向両端面
の移送方向全域に沿って回転移送ローラへの載置領域を
有すると共に、少なくとも吸着面を平坦面とした剛性材
からなるベース板と、吸着面の複数箇所に形成した吸着
穴と、吸着穴に連通してベース板の吸着面を除いた一部
に設けた真空ポートとから構成したことを特徴とする。
【0042】この構成により、吸着面の載置領域の内側
に撓み性基板を真空吸着して載置領域を回転ローラに載
置でき、撓み性基板を平坦に、かつ回転ローラに対して
非接触で移送することが可能となる。
【0043】また、第5の発明において、前記基板搬送
部材の吸着面の複数箇所に形成した複数の吸着穴が、吸
着面の中央領域から周辺領域にかけて複数の独立した区
画で形成することにより、サイズの異なる多種類の撓み
性基板へのレジスト溶液の塗布を同一の装置で実行でき
る。
【0044】さらに、第5の発明において、前記吸着面
に導電性の緩衝材を備えることで、撓み性基板の吸着効
果を向上できると共に、ガラスのような硬質材料でなる
場合の破損を回避しつつレジスト溶液を塗布できる。
【0045】さらに、請求項6に記載の第6の発明は、
第4の発明において、基板解放装置で撓み性基板を解放
した基板搬送部材を基板装着装置に戻す基板搬送部材戻
し装置を備えたことを特徴とする。
【0046】この構成により、基板搬送部材を最小限の
個数で効率よく使用できる。
【0047】さらに、請求項7に記載の第7の発明は、
第4の発明におけるロールバーとニップローラの対向部
の上流と下流に撓み性基板を吸着した基板搬送部材を表
裏反転する反転装置を設置したことを特徴とする。
【0048】この構成により、前段の処理ステーション
から処理面を上にして搬入された撓み性基板に非接触で
レジスト塗布部に搬入し、塗布後にも非接触で後段のス
テーションに搬出できる。
【0049】さらに、請求項8に記載の第8の発明は、
第4の発明における前記ロールバーに対するニップロー
ラの押圧力を補正するためのニップローラ上下移動装置
と、前記ロールバーとニップローラの対向部の上流に設
置して基板搬送部材の厚みを測定する基板搬送部材厚測
定装置と、基板搬送部材厚測定装置により測定された基
板搬送部材の厚みに対応したロールバーに対するニップ
ローラの押圧力の補正量を演算してニップローラ上下移
動量に換算する移動量演算装置とを備えたことを特徴と
する。
【0050】この構成において、移動量演算装置の演算
データを用いてニップローラ上下移動装置を制御するこ
とにより、ロールバーとニップローラの間を移送される
撓み性基板を吸着した基板搬送部材に一定の押圧力を与
えることができる。
【0051】さらに、請求項9に記載の第9の発明は、
第4の発明における前記ロールバーに対するニップロー
ラの押圧力を補正するためのニップローラ上下移動装置
と、前記基板搬送部材の一部に認識番号を付与すると共
に、前記ロールバーとニップローラの対向部の上流に設
置して前記基板搬送部材の認識番号を読み取る読み取り
装置と、予め測定した基板搬送部材の厚みデータを認識
番号と対応させて格納した補正テーブルを備えたことを
特徴とする。
【0052】この構成により、読み取り装置で読み取っ
た認識番号に基づいて補正テーブルから取り出した厚み
データを用いてニップローラ上下移動装置を制御するこ
とにより、ロールバーとニップローラの間を移送される
撓み性基板を吸着した基板搬送部材に一定の押圧力を与
えることができる。
【0053】このように、本発明による基板搬送部材を
用いることにより、撓み性基板を撓みの無い平坦な状態
で移送することができ、かつ回転移送ロールに基板搬送
部材が載置され、撓み性基板は回転移送ロールと非接触
で移送することができる。
【0054】また、本発明によるレジスト塗布装置によ
れば、撓み性基板が基板搬送部材と一体化された状態
で、かつ真空吸着により平坦面を保ったままロールバー
とニップローラの間を移送されるので、撓み性基板の下
面全域に均一なレジスト溶液の塗布が可能となり、前記
従来技術におけるような撓み性基板の先端とロールバー
あるいはレジスト受け皿との衝突が回避される。
【0055】なお、撓み性基板が液晶パネル用のガラス
基板である場合は、所謂多数枚取り用のための大サイズ
かつ平面度が高く高い厚み精度のガラス基板が対象とな
る一方、基板搬送部材は取り扱いの容易さから極力、軽
量かつ薄型であることが要求される。
【0056】この要求を満たすため、ガラス基板が接触
する吸着面をゴム等の緩衝材で構成し、ニップローラに
よる押し圧による厚さ精度の低下を上記緩衝材で吸収し
てガラス基板の平面度を保つようにした。
【0057】緩衝材の硬度については、従来のニップロ
ーラと同程度としてよいが、ベース板の厚みばらつき、
ガラス基板の反り、うねり等のばらつきを吸収するため
には、ニップローラよりも軟らかくして変形量を大きく
することが望ましい。
【0058】実験によれば、0.2mm程度の精度のば
らつきを吸収するための緩衝材のゴム硬度は、28度
(JISA形)程度であった。
【0059】また、緩衝材を軟質にする手段として、緩
衝材をスポンジ状の高気孔のもので構成することも考え
られるが、表面のよごれが気孔に入り込むと、その除去
が困難である上、劣化による発塵もある。そこで、スポ
ンジの表面をゴムシートで覆う2重構造とした板状の緩
衝材を用いることが望ましい。
【0060】基板搬送部材への撓み性基板の吸着面積が
レジスト塗布面積より小さいと、吸着部とそれ以外の部
分に基板の温度差が生じ、レジスト塗布後の乾燥スピー
ドの相違を招き、塗布むらの原因となる。
【0061】そのため、本発明では、基板搬送部材への
撓み性基板の吸着面積を少なくともレジスト塗布面積と
同等もしくはそれ以上として上記の塗布むらの発生を回
避している。
【0062】撓み性基板を反転するたに、本発明では撓
み性基板を基板搬送部材に吸着した状態で当該基板搬送
部材を反転と再反転するため、撓み性基板に接触するこ
となく反転できる。この反転のために、基板搬送部材に
反転中心となる回転軸を設けている。
【0063】本発明は、液晶パネルを構成するガラス基
板にカラーフィルタを形成するためのレジスト塗布装置
に好適であるが、これに限定されるものではなく、当該
ガラス基板の洗浄、パターン露光や現像、あるいはベー
キング、その他の各種表面処理ステーションへのガラス
基板の搬入部、搬出部に適用できる。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例の図面を参照して詳細に説明する。図1は本
発明による基板搬送部材の1実施例の構造を説明する平
面図であって、撓み性基板として液晶パネル用のガラス
基板を搬送するための基板搬送部材をである。なお、同
図はガラス基板の吸着面を示す。
【0065】また、図2は図1の矢印A方向からみた側
面図、図3は図1の線B−Bに沿った断面図である。
【0066】同各図において、5は基板搬送部材、5a
はベース板、5bは吸着面、5cは吸引路、5dは吸着
穴、5eはサイドビーム、5fは真空ポートである。
【0067】すなわち、サイドビーム5eは撓み性基板
の吸着面5bの幅方向両端面の移送方向全域に沿って回
転移送ローラへの載置領域を形成し、ベース板5aは少
なくとも吸着面を平坦面とした剛性材からなる。
【0068】吸着面5bの複数箇所には吸着穴5dが形
成され、吸着穴5dに連通してベース板5aの吸着面5
bを除いた一部に外部の真空源と接続するための真空ポ
ート5fが設けされている。
【0069】この構成をもつ基板搬送部材5の吸着面5
bの基板載置領域の内側にガラス基板を真空吸着してサ
イドビーム5eを回転移送ローラに載置することによ
り、ガラス基板を平坦に、かつ回転移送ローラに対して
非接触で移送する。
【0070】基板搬送部材5の厚さは、取り扱い易いよ
うに可能な限り軽量かつ薄厚であることが望ましいが、
薄くし過ぎると平面度が悪化し易くなる。この平面度が
極端に悪化すると、ガラス基板をレジスト塗布装置のロ
ールバーに密着させることができなくなり、塗布むらが
生じる。その対策として、吸着面5b側を合成ゴム等の
緩衝材で構成する。
【0071】なお、ガラス基板を吸着面5bから分離し
て開放する時に、静電気が発生し、これがレジストの塗
布むらを引き起こす原因となるので、緩衝材を含めて構
成材全体を導電材料で構成することが望ましい。
【0072】また、これに加えて、レジスト塗布装置に
除電器を設置して必要に応じて基板搬送部材5の除電を
行うことが望ましい。
【0073】図3は基板搬送部材にガラス基板を吸着す
る状態を移送方向から見た模式図であって、1はガラス
基板である。
【0074】また、図4は基板搬送部材にガラス基板を
吸着して一体化したものをレジスト塗布装置のロールバ
ーとニップローラの対向部に搬入してレジストを塗布し
ている状態を説明する移送方向と直交する方向から見た
側面模式図であって、2は回転移送ローラ、5gは真空
ポートに連結した真空供給路である。
【0075】図3と図4に示したように、ガラス基板1
は基板搬送部材5の吸着面5bに真空力により吸着され
て一体化される。
【0076】この真空力は基板搬送部材5の真空ポート
5fに連結した可撓性かつ移動可能な真空供給路5gを
介して供給される。
【0077】基板搬送部材5の両側縁に設けられたサイ
ドビーム5eは回転移送ロール2に載置され、ガラス基
板1は回転移送ロール2に対しては非接触状態である。
【0078】基板搬送部材5に一体化されてロールバー
とニップローラの対向部に搬入されたガラス基板の下面
にロールバー3aで汲み上げされたレジスト溶液が塗布
される。
【0079】図5は図4の矢印C方向からみたロールバ
ーとニップローラの対向部の模式図であって、5hは移
動コネクタ、5iはガイドである。
【0080】ガラス基板1を吸着した基板搬送部材5が
ロールバー3aとニップローラ3bの対向部に搬入され
ると、ニップローラ3bにより下方に押圧される。基板
搬送部材5の吸着面を構成する緩衝材はガラス基板に均
一な押し圧を加えガラス基板1を一様な圧力でロールバ
ー3aに圧接しつつ前記図18で説明したレジスト溜ま
りを形成して連続的に均一なレジスト溶液を塗布する。
【0081】この構成により、ガラス基板のみをロール
バー3aとニップローラ3bの対向部に搬入してレジス
ト溶液を塗布する従来技術に比べて、ニップローラ3b
の押圧力を受けるガラス基板の変形が少なくなる。すな
わち、レジスト塗布時のロールバー3aのガラス基板進
入側に形成されるレジスト溜まりがガラス基板の振動等
の影響を受けることがなく、ガラス基板の進行方向先端
から後端まで一様に安定したレジスト膜が形成される。
【0082】レジスト溜まりを一様にするためには、ガ
ラス基板の進行方向がニップローラとロールバーの回転
中心を結んだ線と作る角度が直角で、さらにこの角度が
ガラス基板の塗布領域全体に渡って均一であることが望
ましい。
【0083】従来のガラス基板のみをロールバー3aと
ニップローラ3bの対向部に搬入してレジスト溶液を塗
布するものにおいては、ガラス基板が搬入機構の回転移
送ロールからロールバーに乗り移る時の先端の撓み、ロ
ールバーから搬出機構の回転移送ロールに乗り移るとき
の先端撓みによる振動、ニップローラで押し圧を受けて
いるときのV字変形、およびロールバーの回転振動に対
するガラス基板の姿勢補正が無い、等でレジスト塗布が
極めて不安定であるという欠点があった。
【0084】これに対し、本実施例によれば、ガラス基
板は基板搬送部材に一体化された状態でロールバー3a
とニップローラ3bの対向部に搬入されるために、上記
のような欠点が解消される。
【0085】なお、ガラス基板の基板搬送部材への吸着
はレジスト塗布中も継続され、真空ポート5fへの真空
力の供給はガイド5iによりレジスト塗布に伴って案内
移動する移動コネクタ5hで行われ、レジスト塗布後、
またはレジスト塗布後の反転後に移動コネクタ5hを真
空ポート5fから取り外される。取り外した移動コネク
タ5hはガイド5iに沿って塗布前の位置に戻される。
【0086】なお、レジスト塗布中にガラス基板の吸着
力が保持される場合は、レジスト塗布時に真空ポート5
fを閉止して真空圧を保持するための逆止弁を設けてお
き、レジスト塗布時には移動コネクタ5hを真空ポート
5fから取り外すようにしてもよい。ガラス基板の反
転、再反転時でも同様である。
【0087】図6は本発明による基板搬送部材の他の実
施例の構造を説明する平面図であって、図1と同一符号
は同一部分に対応し、5c1 , 5c2 , 5c3 はそれぞ
れ第1の吸引路、第2の吸引路、第3の吸引路、6は制
御弁である。
【0088】この実施例では、基板搬送部材5の吸着面
5bに設ける吸引領域を複数に分割したものであり、複
数の吸着穴5dを吸着面5bの中央領域から周辺領域に
かけて複数の独立した区画(この実施例では3区画)と
して、それぞれ第1の吸引路、第2の吸引路、第3の吸
引路5c1 , 5c2 , 5c3 で連通している。
【0089】各吸引路5c1 , 5c2 , 5c3 は制御弁
6において真空ポート5fに選択的に連通される。
【0090】すなわち、第1の吸引路、第2の吸引路、
第3の吸引路5c1 , 5c2 , 5c3 の全てに真空力を
印加して最大サイズのガラス基板を吸引し、第2の吸引
路、第3の吸引路5c2 , 5c3 に真空力を印加して中
間サイズのガラス基板を吸引し、第3の吸引路5c3
みに真空力を印加することで最小サイズのガラス基板を
吸引するように制御する。
【0091】この実施例の基板搬送部材5を用いること
により、同一のレジスト塗布装置で多種類のガラス基板
にレジストを塗布することができる。
【0092】図7は本発明によるレジスト塗布装置の第
1実施例の構成を説明する平面模式図であって、1はガ
ラス基板、3bはニップローラ、5(5A,5B,5
C)は基板搬送部材、7は基板搬送部材移載装置、8は
基板搬送部材取付け装置、9はレジスト塗布部、10は
基板搬送部材取外し装置、11は基板搬送部材移載装
置、12は基板搬送部材戻し装置、13aはガラス基板
搬入路、13bはガラス基板搬出路である。
【0093】この実施例では、ガラス基板1へのレジス
ト塗布を間隔を空けずに連続処理するために基板搬送部
材5を3台使用する。
【0094】この構成において、図示しない前段処理ス
テーションからガラス基板1がガラス基板搬入路13a
に投入される。このとき、ガラス基板1はレジスト塗布
面が下面を向くように搬入される。
【0095】投入されたガラス基板1に対して基板搬送
部材5Aが基板搬送部材移載装置8に運搬され、真空吸
着される。このとき、基板搬送部材5B,基板搬送部材
5Cがそれぞれ基板搬送部材戻し装置12、基板搬送部
材移載装置11により次ポジションに移動される。
【0096】基板搬送部材5Aは図3に示したようにガ
ラス基板1を吸着固定し、その状態でガラス基板搬入路
13aを移送されてレジスト塗布部9に到り、ガラス基
板1の下面にレジストを塗布する。
【0097】レジストの塗布が終了して、すなわちレジ
スト塗布部9のロールバーとニップローラ3aの対向間
隙を通過した後、ガラス基板搬出路13b側に設置され
た基板搬送部材取外し装置10において基板搬送部材を
取り外す。
【0098】基板搬送部材から解放されたガラス基板は
ガラス基板搬出路13bにより次段の処理ステーション
(例えば、乾燥ステーション)に移送される。
【0099】取り外された基板搬送部材(図では5C)
は基板搬送部材移載装置11により次のポジション(5
Bの位置)に移載される。
【0100】以下、上記と同様に基板搬送部材戻し装置
12により5Aに位置に戻されて次のガラス基板の吸着
に備える。
【0101】このように、本実施例によれば、複数のガ
ラス1は連続的に均一な膜厚でレジスト塗布がなされ
る。
【0102】図8は本発明によるレジスト塗布装置の第
2実施例の構成を説明する平面模式図であって、14a
はレジスト塗布部(ロールバーとニップローラの対向
部)の上流に配置した基板搬送部材の反転装置、14b
はレジスト塗布部の下流に配置した基板搬送部材の反転
装置、14’は回転チャック、図7と同一符号は同一部
分に対応する。
【0103】この実施例では、図示しない前段処理ステ
ーションからガラス基板1がガラス基板搬入路13aに
投入される。このとき、ガラス基板1はレジスト塗布面
が上方を向くように搬入される。
【0104】したがって、基板搬送部材取付け装置8に
は、ガラス基板1が搬入ロール13a上に投入する時点
で基板搬送部材5Aが吸着面を上向きにして移載されて
おり、この上にレジスト塗布面を上方に向けてガラス基
板1が載置されて吸着される。
【0105】ガラス基板1を吸着した基板搬送部材5A
は反転装置14aにおいてガラス基板1を吸着したまま
回転チャック14’を結合して表裏反転がなされ、レジ
スト塗布面を下方に向けた状態でレジスト塗布部9に搬
入される。
【0106】レジストの塗布が終了した基板搬送部材
(図中、5D)は、レジスト塗布部9の下流かつ基板搬
送部材取外し装置10の上流に配置された反転装置14
bで同様に表裏が再反転され(図では、5Eで示す)、
レジストを塗布した面が上向きの状態で基板搬送部材取
外し装置10に到り、基板搬送部材(図では、5C)か
らガラス基板1を開放し、当該ガラス基板1を後段の処
理ステーションに移送すると共に、基板搬送部材5Cを
移載装置11で次のポジション(5Bの位置)に移載す
る。
【0107】基板搬送部材5Bは、さらに基板搬送部材
戻し装置12により5Aに位置に戻されて次のガラス基
板の吸着に備える。
【0108】このように、本実施例によっても、複数の
ガラス1に連続して均一な膜厚でレジスト塗布がなされ
る。
【0109】ガラス基板搬出路13b側に設置された基
板搬送部材取外し装置10において基板搬送部材を取り
外す。
【0110】図9は図8において使用される反転手段を
備えた基板搬送部材の搬送方向からみた側面図である。
【0111】基板搬送部材5を反転装置14aまたは反
転装置14b(再反転装置)で表裏反転させる手段の一
例として、基板搬送部材5の幅方向側面の中心部にノッ
チ15、15’を取り付け、このノッチ15、15’に
図8の反転装置の回転チャック14’を結合して矢印D
で示したように回転させる構成としてある。
【0112】なお、反転装置の構成はこれに限るもので
はなく、ガラス基板を吸着したまま表裏反転できる既知
の機構を採用できる。
【0113】この実施例では、間隔を空けずに複数のガ
ラス基板に連続してレジストを塗布するためには4〜5
台の基板搬送部材を必要とする。これら複数の基板搬送
部材の厚みにばらつきがあるとニップローラとロールバ
ーの対向部を通して移送される基板搬送部材へのニップ
ロールによる押圧力が変化し、結果としてガラス基板と
ロールバーとの間の接触圧力が変化してレジストの塗布
むらを招く。
【0114】図10は複数の基板搬送部材を用いて複数
のガラス基板にレジストを塗布する場合の塗布むらを回
避する構成を具備した本発明によるレジスト塗布装置の
第3実施例を説明する側面図、図11は図10の矢印A
方向からみた正面図である。図10および図11におい
て、1はガラス基板、2は回転移送ローラ、3aはロー
ルバー、3bはニップローラ、3eはレジスト、3cは
受け皿、3dはロールバー保持部材、5は基板搬送部
材、16は厚みセンサ、17は昇降機構、17aはボー
ルネジ、17bはボールギア、17cは第1プーリ、1
7dは第2プーリ、17eはベルト、18はパルスモー
タ、19はニップローラ支持部材、20は昇降ガイド、
21はニップローラ駆動装置、23はガラス基板厚み検
出装置、22はロールバー駆動装置、24は演算処理装
置、25はモータコントローラである。
【0115】本実施例のレジスト塗布装置は、レジスト
3eを貯留する受け皿3cと、前記レジスト3eの液面
に周面の少なくとも一部を接触して回転するロールバー
3aと、前記受け皿3cに没設して前記ロールバー3a
の周面を回転可能に支持するロールバー保持部材3d
と、前記ロールバー3aの上方に対向配置して基板搬送
部材5に吸着したガラス基板1のレジスト塗布有効領域
を含んで前記ロールバー3aとの間に前記ガラス基板1
を吸着した基板搬送部材5を通過させるごとく設置した
ニップローラ3bと、前記ニップローラ3bを支持する
ニップローラ支持部材19と、前記ニップローラ支持部
材19を前記ロールバー3aに対して接近または離間さ
せる昇降機構17と前記昇降機構17を昇降駆動させる
ためのパルスモータ18とから構成される。
【0116】この構成において、図10の左方に配置さ
れた回転移送ローラ2を有する搬入機構によって前記レ
ジスト塗布機構に送り込まれるガラス基板1を吸着した
基板搬送部材5の厚みが厚みセンサ22で測定される。
【0117】この厚みセンサ22からの出力信号は基板
厚み検出装置23に入力され、当該ガラス基板1を吸着
した基板搬送部材5の厚みデータが演算処理装置24に
与えられる。
【0118】演算処理装置24はモータコントローラ2
5に上記厚みデータに応じた駆動パルスをパルスモータ
18に出力する。
【0119】パルスモータ18の回転により、前記ガラ
ス基板1を吸着した基板搬送部材5の厚みに応じた前記
ニップローラ3bの押圧力が変えられ、その結果、ガラ
ス基板1の下面に均一なレジスト薄膜が塗布される。
【0120】レジスト薄膜が塗布されたガラス基板1は
図10の右方に設置された搬出機構の回転移送ローラ2
により搬送され、反転装置を介して次段の乾燥ステージ
に送り込まれる。
【0121】なお、ニップローラ3bの押圧力を調整す
るための上記昇降機構は、ニップローラ支持部材19を
ロールバー3aに対して接近または離間する移動を案内
する昇降機構ガイド20と、ニップローラ支持部材19
に固定したボールネジ17aと、ボールネジ17aと噛
合するボールギア17bと、ボールギア17bに固定し
た第1プーリ17cと、パルスモータ18の駆動軸に固
定した第2プーリ17dと、第1および第2プーリ17
c,17dに掛け渡したベルト17eとから構成されて
おり、パルスモータ18の回転が第1および第2プーリ
17c,17dに掛け渡したベルト17eでボールギア
17bを回転させ、このボールギア17b回転でボール
ネジ17aが昇降し、ボールネジ17aの下端に固定し
たニップローラ支持部材19を昇降させて前記ニップロ
ーラ3bとロールバー3aの対向間隔が変えられる構成
となっている。
【0122】この昇降機構の位置決め能力は、例えば1
パルスあたり5μmであり、測定した基板搬送部材5の
厚みによってニップローラ3bを上下させてニップロー
ラ3bによる基板搬送部材5への押圧力が調整される。
【0123】ガラス基板1の厚みのばらつきは、0.7
mm厚のガラス基板では±0.03mm、1.1mm厚
のガラス基板では±0.1mmであるから、上記したパ
ルスモータ11の位置決め能力はこれらの要求精度を十
分に達成できる。
【0124】本実施例により、使用する複数の基板搬送
部材間の厚みにばらつきがあっても一定の膜厚でレジス
トを塗布することができる。
【0125】なお、上記実施例では基板搬送部材の厚み
のみを測定するものとしたが、吸着したガラス基板を含
めた厚みを測定して、その測定値に応じてニップローラ
3bの押圧力を調整すればさらに高精度の膜厚を有する
レジストの塗布を行うことができる。
【0126】また、使用する複数の基板搬送部材が特定
されている場合は、塗布プロセス中でその厚みを測定す
るものに代えて、基板搬送部材のそれぞれに認識番号を
付与し、予め基板搬送部材の厚みを測定し、これを認識
番号対応の厚み補正用のデータとして適宜のメモリを用
いた補正テーブルに格納し、ロールバーとニップローラ
の対向部の上流に認識番号読み取り装置を設置して、読
み取り装置で読み取った認識番号に基づいて補正テーブ
ルから取り出した厚みデータを用いてニップローラ上下
移動装置を制御することにより、ロールバーとニップロ
ーラの間を移送される撓み性基板を吸着した基板搬送部
材に一定の押圧力を与えるようにしてもよい。
【0127】上記各実施例により、塗布むらのない均一
なレジスト膜を形成することができる。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特に500mm角程度以上の液晶パネル用大型ガラス基
板等の撓み性薄板の水平搬送、およびその一方の面にレ
ジスト等の塗布に好適であると共に、基板サイズに係わ
りなく高品質、高稼働率のレジスト塗布装置を提供でき
る。
【0129】なお、本発明は、上記した液晶パネルのカ
ラーフィルタの形成のみならず、当該ガラス基板の洗
浄、パターン露光や現像、あるいはベーキング、その他
の各種表面処理ステーションへのガラス基板の搬入部、
搬出部に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板搬送部材の1実施例の構造を
説明する平面図である。
【図2】図1の矢印A方向からみた側面図、図3は図1
の線B−Bに沿った断面図である。
【図3】基板搬送部材にガラス基板を吸着する状態を移
送方向から見た模式図である。
【図4】基板搬送部材にガラス基板を吸着して一体化し
たものをレジスト塗布装置のロールバーとニップローラ
の対向部に搬入してレジストを塗布している状態を説明
する移送方向と直交する方向から見た側面模式図であ
る。
【図5】図4の矢印C方向からみたロールバーとニップ
ローラの対向部の模式図である。
【図6】本発明による基板搬送部材の他の実施例の構造
を説明する平面図である。
【図7】本発明によるレジスト塗布装置の第1実施例の
構成を説明する平面模式図である。
【図8】本発明によるレジスト塗布装置の第2実施例の
構成を説明する平面模式図である。
【図9】図8において使用される反転手段を備えた基板
搬送部材の搬送方向からみた側面図である。
【図10】複数の基板搬送部材を用いて複数のガラス基
板にレジストを塗布する場合の塗布むらを回避する構成
を具備した本発明によるレジスト塗布装置の第3実施例
を説明する側面図である。
【図11】図10の矢印A方向からみた正面図である。
【図12】ガラス板等の薄い平板部材の搬送装置の一例
としてのレジスト塗布装置の構成を説明する要部模式図
である。
【図13】図12の基板搬送装置で移送されるガラス基
板を移送方向からみた撓み発生状態の説明図である。
【図14】図13のY−Y’線に沿ったガラス基板の中
央部がロールバーとニップロールの対向部に進入した状
態を説明する要部模式図である。
【図15】中央に撓みのあるガラス基板がロールバーと
ニップローラの対向部に進入した際のレジストの付着状
態を説明する模式図である。
【図16】従来の基板搬送装置を用いてレジスト塗布部
にガラス基板を通した場合に発生する基板先端領域にお
ける塗布ムラの状態の説明図である。
【図17】ガラス基板を両端支持で搬送する際の中央部
の撓みを補正する従来の一手段の説明図である。
【図18】ガラス基板等の撓み性基板の下面にレジスト
溶液が塗布される様子を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 回転移送ローラ 3a ロールバー 3b ニップロール 3c 受け皿 3d ロールバー支持部材 3e レジスト 4は補助ローラ 5 基板搬送部材 5a ベース板 5b 吸着面 5c 吸引路 5d 吸着穴 5e サイドビーム 5f 真空ポート 5c1 第1の吸引路 5c2 第2の吸引路 5c3 第3の吸引路 6 制御弁 7 基板搬送部材移載装置 8 基板搬送部材取付け装置 9 レジスト塗布部 10 基板搬送部材取外し装置 11 基板搬送部材移載装置 12 基板搬送部材戻し装置 13a ガラス基板搬入路 13b ガラス基板搬出路 14a 反転装置 14b 反転装置 14’ 回転チャック 15,15’ ノッチ 16 厚みセンサ 17 昇降機構 17a ボールネジ 17b ボールギア 17c 第1プーリ 17d 第2プーリ 17e ベルト 18 パルスモータ 19 ニップローラ支持部材 20 昇降ガイド 21 ニップローラ駆動装置 23 ガラス基板厚み検出装置 22 ロールバー駆動装置 24 演算処理装置 25 モータコントローラ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撓み性基板の幅方向両端縁を複数対の回転
    移送ローラにより保持して水平に移送するための基板搬
    送部材において、 基板搬送部材は、撓み性基板の吸着面の幅方向両端面の
    移送方向全域に沿って回転移送ローラへの載置領域を有
    すると共に、少なくとも吸着面を平坦面とした剛性材か
    らなるベース板と、吸着面の複数箇所に形成した吸着穴
    と、吸着穴に連通してベース板の吸着面を除いた一部に
    設けた真空ポートとから構成され、吸着面の載置領域の
    内側に撓み性基板を真空吸着して載置領域を回転移送ロ
    ーラに載置することにより、撓み性基板を平坦に、かつ
    回転移送ローラに対して非接触で移送することを特徴と
    する基板搬送部材。
  2. 【請求項2】請求項2において、前記吸着面の複数箇所
    に形成した複数の吸着穴が、吸着面の中央領域から周辺
    領域にかけて複数の独立した区画で形成したことを特徴
    とする基板搬送部材。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記吸着面に
    導電性の緩衝材を備えるたことを特徴とする基板搬送部
    材。
  4. 【請求項4】レジスト溶液を貯留する受け皿と、少なく
    とも周面の一部をレジスト溶液に没設して回転するロー
    ルバーと、受け皿に取付けてロールバーを回転可能に保
    持するロールバー保持部材と、ロールバーに対して上方
    から対接して押圧するニップローラとの対向間に撓み性
    基板を所定の速度で移送しながら撓み性基板の下面にロ
    ールバーで汲み上げたレジスト溶液を接触させると共
    に、余剰のレジスト溶液を掻き取ることにより、所定の
    厚さのレジスト膜を形成するレジスト塗布装置におい
    て、 撓み性基板を下面に吸着して平坦に、かつ水平に支持す
    る基板搬送部材と、ロールバーとニップローラの対向部
    の上流に設置して基板搬送部材に撓み性基板を吸着する
    基板装着装置と、基板搬送部材に吸着した撓み性基板を
    ロールバーとニップローラの対向間を通して移送させる
    回転移送ローラと、ロールバーとニップローラの対向部
    の下流に設置して基板搬送部材から撓み性基板を解放す
    る基板解放装置とを備えたことを特徴とするレジスト塗
    布装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記基板搬送部材が、
    撓み性基板の吸着面の幅方向両端面の移送方向全域に沿
    って回転移送ローラへの載置領域を有すると共に、少な
    くとも吸着面を平坦面とした剛性材からなるベース板
    と、吸着面の複数箇所に形成した吸着穴と、吸着穴に連
    通してベース板の吸着面を除いた一部に設けた真空ポー
    トとから構成され、吸着面の載置領域の内側に撓み性基
    板を真空吸着して載置領域を回転ローラに載置すること
    により、撓み性基板を平坦に、かつ回転ローラに対して
    非接触で移送することを特徴とするレジスト塗布装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、基板解放装置で撓み性
    基板を解放した基板搬送部材を基板装着装置に戻す基板
    搬送部材戻し装置を備えたことを特徴とするレジスト塗
    布装置。
  7. 【請求項7】請求項4において、ロールバーとニップロ
    ーラの対向部の上流と下流に撓み性基板を吸着した基板
    搬送部材を表裏反転する反転装置を設置したことを特徴
    とするレジスト塗布装置。
  8. 【請求項8】請求項4において、前記ロールバーに対す
    るニップローラの押圧力を補正するためのニップローラ
    上下移動装置と、前記ロールバーとニップローラの対向
    部の上流に設置して基板搬送部材の厚みを測定する基板
    搬送部材厚測定装置と、基板搬送厚測定装置により測定
    された基板搬送部材の厚みに対応したロールバーに対す
    るニップローラの押圧力の補正量を演算してニップロー
    ラ上下移動量に換算する移動量演算装置とを備え、移動
    量演算装置の演算データを用いてニップローラ上下移動
    装置を制御することにより、ロールバーとニップローラ
    の間を移送される基板搬送部材に一定の押圧力を与える
    ことを特徴とするレジスト塗布装置。
  9. 【請求項9】請求項4において、前記ロールバーに対す
    るニップローラの押圧力を補正するためのニップローラ
    上下移動装置と、前記基板搬送部材の一部に認識番号を
    付与すると共に、前記ロールバーとニップローラの対向
    部の上流に設置して前記基板搬送部材の認識番号を読み
    取る読み取り装置と、予め測定した基板搬送部材の厚み
    データを認識番号と対応させて格納した補正テーブルを
    備え、読み取り装置で読み取った認識番号に基づいて補
    正テーブルから取り出した厚みデータを用いてニップロ
    ーラ上下移動装置を制御することにより、ロールバーと
    ニップローラの間を移送される撓み性基板を吸着した基
    板搬送部材に一定の押圧力を与えることを特徴とするレ
    ジスト塗布装置。
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JP12843896A Pending JPH09315567A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 基板搬送部材とこの基板搬送部材を用いたレジスト塗布装置

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JP (1) JPH09315567A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006227181A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Shibaura Mechatronics Corp 基板反転装置、基板反転方法および基板製造装置

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