JPH0931507A - 高炉炉内装入物トラッキング方法 - Google Patents
高炉炉内装入物トラッキング方法Info
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Abstract
の推定をより的確に行えることを可能とする炉内装入物
のトラッキング方法を確立する。 【構成】 高炉内へ原料を装入する際に、1チャ−ジの
装入が完了する毎に装入直後の装入物のレベルを測定
し、その値から炉内に存在する装入物の全容積(実績体
積値)を求めると共に、その時点で炉内に存在する装入
物の理論体積値を求めた後、「実積体積値−理論体積
値」を算出し、この値が負であった場合、炉内に存在す
る装入物は前記値が正に転換するまでの量だけ最古のも
のからチャ−ジ毎に順次炉外へ排出されてしまっている
とする。また、上記理論体積を求める際に、固液混合状
態での体積換算係数と固体状態での体積換算係数を設
け、炉内に存在するチャ−ジのうち、最古のものから順
次固液混合状態での体積換算係数に基づいて体積換算し
積算していき、その積算値が所定値を超えた時から、今
度は固体状態での体積換算係数に基づき体積換算を行い
積算していく。
Description
び残滓量管理を行えるようにした高炉炉内装入物のトラ
ッキング方法に関するものである。
成した銑鉄及び溶滓は炉床に逐次蓄積されるので、適当
な時期に出滓口あるいは出銑口を開口して炉外に排出す
る作業が繰り返される。ところが、炉床中で銑鉄の上に
溜まる溶滓は銑鉄に比較して非常に粘度が高いので、排
出作業によっても十分に排出し切らないことが多い。そ
して、このように炉内に溶滓が残留したまま出滓口ある
いは出銑口を閉塞して増強を続けるという操作が繰り返
されることになると、次第に炉床の溶滓レベルが上昇
し、これが棚吊り等の炉況不調の原因となり、ひいては
減産を余儀なくされる事態に至る。従って、高炉の炉床
に溜まった溶滓は出滓の度毎にできるだけ完全に排出
し、炉床内の溶滓レベルが余り高くならないように注意
しなければならない。
い、出銑口のみを使用して出滓をも実施する方法が普及
しているが、前述したように溶滓の動粘度は銑鉄の動粘
度に比べて非常に高く(100倍程も高い)、そのため
出銑口のみを使用する出滓方法では溶滓の排出が一層不
十分となりやすいので、その排出には特に注意を払う必
要がある。
滓量(ロ−ドセル方式の秤量機等により実測する)”と
“計算上の出銑量及び出滓量”とから高炉内の残銑量及
び残滓量を推定しつつ操業することが行われてきた。
“高炉の操業管理上選択される最小単位の装入物(一般
にバッチ又はバッチの集合体であるチャ−ジと呼ばれて
いるが以降は 「チャ−ジ」 と記す)”があるとし、1チ
ャ−ジが炉内に装入される毎に、「1チャ−ジが炉内に
装入されたということは高炉内に存在していた最古のチ
ャ−ジ(炉の最下層にあったチャ−ジ)が炉外へ排出さ
れたことである」として“前記最古のチャ−ジに関して
の計算出銑量及び計算出滓量”と“実績出銑量及び実績
出滓量”とから炉内の残銑量,残滓量を推定していた。
つまり、従来は、「1チャ−ジ装入したならば必ず1チ
ャ−ジが排出されていく」といった考え方を大前提とし
て炉内の残銑量,残滓量を推定していた訳である。
で示すように通常操業におけるよりも炉内装入物量を減
じた操業)の時や休風入りの時等のように、炉内への装
入をストップするかあるいは装入間隔を長くして炉内の
装入物のレベルを下げていく場合等があり、従って「常
に所定数分だけ炉内にチャ−ジが存在する」という前記
仮定は実情に合ったものではない。また、毎回、同体積
のチャ−ジを装入するとは限らず、例えば図2で示すよ
うに、実際には装入する量(D)よりも排出する量
(A)が少ない場合もある。即ち、計算上、炉内の最下
部に存在するチャ−ジの体積が新たに炉内に装入される
チャ−ジの体積の例えば 1/2である場合もあり、「1チ
ャ−ジ装入した時に1チャ−ジ排出された」とするので
は、炉内のマスバランス(装入された体積と排出された
体積の差)を忠実に再現していないことになる。そのた
め、この考え方に基づいて溶銑,溶滓の排出管理を行う
ことが高炉操業の不安定化や炉況不調の一原となってい
るとも考えられた。
のは、出銑毎に行われる高炉内の残銑量及び残滓量の推
定をより的確に行えることを可能とする炉内装入物のト
ラッキング方法を確立することであった。
成すべく鋭意行われた本発明者等の研究結果等を基に完
成されたものであり、「高炉炉内装入物トラッキング方
法として、 高炉内へ原料を装入する際、 その管理上の最
小単位の装入物の装入が完了する毎に装入直後の“装入
物のレベル”を測定し、 そのレベルから炉内に存在する
装入物の全容積(実績体積値)を求めると共に、 その時
点で炉内に存在する装入物の理論体積値を求めた後、 実
積体積値と理論体積値の差(実積体積値−理論体積値)
を算出し、 この値が負であった場合、 炉内に存在する装
入物は前記値が正に転換するまでの量だけ最古のものか
ら最小単位毎に順次炉外へ排出されてしまっているとす
る手法を採用することにより、 的確かつ安定な高炉操業
を行えるようにした点」に大きな特徴を有し、更には、
「上記方法において、 炉内に存在する装入物の理論体積
を求めるに際し、 固液混合状態での体積換算係数と固体
状態での体積換算係数を設け、 炉内に存在する管理上の
最小単位の装入物のうち、 最古のものから順次固液混合
状態での体積換算係数に基づいて体積換算し積算してい
き、 その積算値が“予め炉内状況を解析して作成してお
いたモデルに基づいて算出される固液混合化した装入物
の体積値”を超えた時から、 今度は固体状態での体積換
算係数に基づき体積換算を行い積算していくことによ
り、 一層的確かつ安定な高炉操業を行えるようにした
点」をも特徴とするものである。
例えば1チャ−ジ分の装入が完了した時点の炉内装入物
の実体積値をサウンジングレベル計(重錘式で炉頂部か
ら炉内装入物上面に垂下してその上面位置を測定するタ
イプのレベル計)等に基づいて求めると同時に、その時
点で炉内に存在する装入物の理論体積値を各チャ−ジ装
入時の秤量実績より体積換算して求め、次いで前記実体
積値とこの理論体積値の大小比較を行って、「実体積値
≧理論体積値」の時には直近にチャ−ジを炉内装入した
場合でも論理上炉外にはチャ−ジが排出されていないと
し、一方、「実体積値<理論体積値」の時には、論理上
炉内に存在する最古のチャ−ジ(炉の最も下層に位置す
るチャ−ジ)が炉外に排出されたとして炉内装入物のト
ラッキングを行う。
装入物の容積(サウンジングレベル計等の測定値に基づ
いたもの)を考慮した高炉装入物トラッキングがなされ
るので、従来のような単に「“実績の出銑量及び出滓
量”と“計算上の出銑量及び出滓量”とから高炉内の残
銑量及び残滓量を推定する方法」とは違って、実操業に
マッチした出銑量,出滓量の管理を行うことが可能にな
る。
ャ−ジの装入実績値(ton) から嵩密度(m3/ton)換算に
より各チャ−ジの理論体積を求めて算出されるが、この
場合に、“炉内で溶融して固液混合状になっているチャ
−ジに対しての嵩密度換算定数”と“固体のままで存在
するチャ−ジに対する嵩密度換算定数”との2つの定数
を設け、固液混合状チャ−ジの体積と固体状チャ−ジの
体積とをそれぞれ求めるようにすれば、実炉状況に一段
と良く対応した理論体積値を求めることができる。
析して作成しておいた炉内状況モデルより得られる“融
着帯形状”から、炉内に存在する装入物のうちの溶融し
て固液混合状になっている装入物の計算上の体積を求め
る。次に、“サウンジング計等により測定された炉内装
入物レベル”から炉内装入物の実体積値を求め、この実
体積値と前記固液混合状装入物の計算上の体積の差分か
ら固体状装入物の体積を求める。一方、嵩密度換算定数
を用いて、炉内に存在する最古のチャ−ジから順に各々
が固液混合状となった場合の理論体積を求める。そし
て、その総和が前記モデルに基づいて算出される液状装
入物量以上になった場合には、以降のチャ−ジ(これま
で順に固液混合状となった場合の理論体積を求めてきた
最終チャ−ジの1つ上層のチャ−ジ)から固体状チャ−
ジに対する嵩密度換算定数を用いて理論体積を求めてい
き、実体積と理論体積の比較を行うことになる。このよ
うな第2の方法を採用すれば、上述したように、実炉状
況に一層的確に対応した出銑,出滓の管理を行うことが
可能となる訳である。
定した具体的条件に照らして説明する。
る際の手順全体に係るフロ−チャ−トである。なお、こ
の例では次の (a)〜(e) に示す前提条件の設定を行っ
た。 (a) 検証の容易化のために、炉内には一種類の秤量設定
のチャ−ジのみ存在するとし、また各チャ−ジの秤量実
績値が全てコ−クス:15ton,鉱石:60tonの合計75ton で
あるとする。 (b) 高炉本体は、半径が7mで高さが30mの円柱状であ
るとする。 (c) 固状チャ−ジに対する嵩密度換算定数はコ−クス:
0.5ton/m3 ,鉱石:2ton/m3 とし、固液混合状チャ
−ジに対する嵩密度換算定数はコ−クス:0.5ton/m3 ,
鉱石: 6ton/m3 とする。 (d) “モデルから得られる融着帯形状”より求められた
固液混合状の炉内装入物の体積は 320m3 とする。 (e) この時点で、計算上、図4に示すように高炉内には
固液混合状のチャ−ジが8チャ−ジと固体状のチャ−ジ
が42チャ−ジ存在しているとする。
−クス:25ton,鉱石:100ton のチャ−ジが装入されたと
し、その時のサウンジングレベル計による炉内の装入物
のレベルが炉底から18.6mの位置にあったとする。
は、サウンジングレベル計の測定値からして「7m×7
m×π×18.6m≒2862m3 」となる。また、炉内に存在
する固液状装入物の計算上の体積は、モデル出力に基づ
いて計算を行うと 300m3 となるが、これを固液状装入
物の実績体積とする。従って、これらに基づけば、固体
状装入物の実績体積は「2862m3 − 300m3=2562
m3 」となる。なお、この時点での炉内の装入チャ−ジ
の状況を模式的に示すと、図5のようになる。
スバランス計算を行うと、最新チャ−ジを装入した後の
固体状チャ−ジの理論体積の総和は、各チャ−ジの秤量
実績より {15 (ton)/ 0.5 (ton/m3)+ 60(ton)/2 (ton/
m3)}×42+{25 (ton)/ 0.5 (ton/m3)+100(ton)/
2(ton/ m3)}=2610m3 になる。
前述したように2562m3 であるから「理論体積>実績体
積」となり、マスバランス上、固体装入物の最古チャ−
ジが溶融したと考え、トラッキングにおいて“最古の固
体状チャ−ジ”を第1番目とし、次のチャ−ジ,その次
のチャ−ジ,…,と順次理論体積を減じていく。
の理論体積を減じた場合には、ここで固液混合状装入物
の理論体積に上記の1チャ−ジ分を積算する。そうする
と、固液混合状の炉内装入物の体積は次のようになる。 320m3 +{15 (ton)/ 0.5 (ton/m3)+ 60(ton)/6(t
on/m3)= 360m3
績体積との比較を行うと「理論体積>実績体積」であっ
て、「理論体積≦実績体積」が成立していないから、マ
スバランス上、固液混合状チャ−ジの最古チャ−ジが炉
外へ排出されたと考え、トラッキングでは最古の固液混
合状チャ−ジから理論体積を減じていく。
チャ−ジ排出されたとすると、理論体積は 360m3 −{15 (ton)/ 0.5 (ton/m3)+ 60(ton)/6(t
on/m3)= 320m3 となり、未だ「理論体積≦実績体積(300m3)」が成立し
ていない。そこで、更に1チャ−ジ排出されたとする
と、理論体積は 320m3 −{15 (ton)/ 0.5 (ton/m3)+ 60(ton)/6(t
on/m3)= 280m3 となり、「理論体積≦実績体積」が成立する。
いたものに加えて新たに秤量実績がコ−クス:25ton,鉱
石:100ton のチャ−ジを装入するが、この最新チャ−ジ
はそれが装入されるまで炉内に装入されている各チャ−
ジ(コ−クス:15ton,鉱石:60ton の配合)の約 1.6倍
のチャ−ジに相当する。従って、この例では、最新チャ
−ジを装入するまで炉内に装入されていた各チャ−ジ
(コ−クス:15ton,鉱石:60ton の配合)の約 1.6倍の
チャ−ジ(コ−クス:25ton,鉱石:100ton の配合)を装
入することにより、最終的に炉外へ2チャ−ジ排出され
たことを把握することができる。
うと必ず1チャ−ジが炉外へ排出される」とする単純な
トラッキングでは実状の把握ができないが、実際の炉内
に存在する装入物の容積(サウンジングレベル計の測定
値に基づく)を考慮したトラッキングを行う本発明に係
る手法では、実情の的確が把握が可能となる。
により、定常操業時だけではなく、減尺操業等の非定常
な操業の場合にも炉内状況を正確に反映した装入物のト
ラッキングが可能になり、非定常操業時にも正確な残
銑,残滓の管理を行うことができる。
ば、出銑毎に行われる高炉内の残銑量及び残滓量の推定
をより的確に行うことができ、適正で安定した高炉操業
が可能となるなど、産業上有用な効果がもたらされる。
ある。
すフロ−チャ−トである。
チャ−ジの状況例を説明した模式図である。
炉内装入チャ−ジの状況例を説明した模式図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 高炉内へ原料を装入する際、その管理上
の最小単位の装入物の装入が完了する毎に装入直後の
“装入物のレベル”を測定し、そのレベルから炉内に存
在する装入物の全容積(実績体積値)を求めると共に、
その時点で炉内に存在する装入物の理論体積値を求めた
後、実積体積値と理論体積値の差(実積体積値−理論体
積値)を算出し、この値が負であった場合、炉内に存在
する装入物は前記値が正に転換するまでの量だけ最古の
ものから最小単位毎に順次炉外へ排出されてしまってい
るとして高炉操業を行うことを特徴とする、高炉炉内装
入物トラッキング方法。 - 【請求項2】 炉内に存在する装入物の理論体積を求め
るに際し、固液混合状態での体積換算係数と固体状態で
の体積換算係数を設け、炉内に存在する管理上の最小単
位の装入物のうち、最古のものから順次固液混合状態で
の体積換算係数に基づいて体積換算し積算していき、そ
の積算値が“予め炉内状況を解析して作成しておいたモ
デルに基づいて算出される固液混合化した装入物の体積
値”を超えた時から、今度は固体状態での体積換算係数
に基づき体積換算を行い積算していくことを特徴とす
る、請求項1に記載の高炉炉内装入物トラッキング方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20521295A JP3228083B2 (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 高炉炉内装入物トラッキング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20521295A JP3228083B2 (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 高炉炉内装入物トラッキング方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931507A true JPH0931507A (ja) | 1997-02-04 |
JP3228083B2 JP3228083B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=16503266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20521295A Expired - Fee Related JP3228083B2 (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | 高炉炉内装入物トラッキング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3228083B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002302709A (ja) * | 2001-04-05 | 2002-10-18 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高炉操業方法 |
CN112509642A (zh) * | 2020-11-17 | 2021-03-16 | 中冶南方工程技术有限公司 | 一种高炉炉渣粘度的在线预测方法 |
CN115418421A (zh) * | 2022-08-29 | 2022-12-02 | 山东钢铁集团日照有限公司 | 一种对高炉料批位置跟踪计算方法、系统及计算终端 |
-
1995
- 1995-07-19 JP JP20521295A patent/JP3228083B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002302709A (ja) * | 2001-04-05 | 2002-10-18 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高炉操業方法 |
CN112509642A (zh) * | 2020-11-17 | 2021-03-16 | 中冶南方工程技术有限公司 | 一种高炉炉渣粘度的在线预测方法 |
CN115418421A (zh) * | 2022-08-29 | 2022-12-02 | 山东钢铁集团日照有限公司 | 一种对高炉料批位置跟踪计算方法、系统及计算终端 |
CN115418421B (zh) * | 2022-08-29 | 2023-10-31 | 山东钢铁集团日照有限公司 | 一种对高炉料批位置跟踪计算方法、系统及计算终端 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3228083B2 (ja) | 2001-11-12 |
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