JPH0421724B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） 本発明は、ベルレス式高炉における原料装入方
法に関する。

（発明の技術的背景とその問題点） ベルレス式高炉は、従来のベル式高炉と比べて
装入物分布制御性が高い、装入装置は全体的にコ
ンパクトに構成され設備費が節減できる等の利点
があり、近年普及されつつある。

ところが、ベルレス式高炉では、炉内に装入さ
れた原料の半径方向の粒度偏析がベル式高炉より
大きく、そのため炉内の還元ガス利用率が悪化す
る傾向がある。

このため、従来より、炉頂原料ホツパー内にス
トーンボツクスを設ける等設備改造によりベルレ
ス式高炉における高炉内原料の粒度偏析軽減が図
られていたが、その効果は必らずしも十分ではな
かつた。

一般に、高炉内原料の粒度偏析の原因としては
２つ考えられる。すなわち、原料ホツパー内の粒
度偏析に起因する排出原料の時系列粒度変化（第
１図）および炉内装入物面上を原料が転がる際の
パーコレーシヨン現象である。

いま、前者に注目してみると、原料ホツパーか
らの原料の流れは一般に漏斗状流れとして知られ
ているが、下層より順に排出されるのではなく、
第２ｂ図に示すように中心部がまず抜け落ち、そ
の後周辺部の塊が上層より排出される。この時、
ホツパー内に投入されている原料はすでに粒度偏
析を生じており、第２図ａに示すように中心部に
細粒ｓ、周辺部に大塊ｌが堆積している。したが
つて、このように粒度偏析された原料が上記のよ
うな原料流れを生じて排出されると、高炉内に装
入された材料において第１図のような時系列粒度
変化を生じることとなる。

そして、ベルレス式高炉において原料を炉内に
装入する際には、シユートを旋回させつつシユー
トを徐々に炉中心へ向けて傾動することにより炉
内に均一に原料を分配する操作が行なわれるが、
上記したように、原料ホツパーから排出される原
料は最初のうちは細粒のものが多く、時間の経過
とともに大径となるので、炉壁側では細粒、炉中
心側で大塊が多くなる（第３図）。このように、
ベルレス式高炉においては、炉壁から炉中心にか
けて炉半径方向に粒度偏析を生じる問題がある。

（発明の目的） そこで、本発明の目的は、ベルレス式高炉にお
いて炉内装入物の粒度偏析を軽減することがで
き、還元ガス利用率を向上させることができる原
料装入方法を提供することにある。

（発明の概要） すなわち、本発明の目的は、炉頂ホツパーに投
入された原料をホツパーの下方に設けたシユート
の回転により炉壁側から炉中心側方向に順次装入
するベルレス式高炉における原料装入方法におい
て、ホツパー内の１チヤージ装入原料を複数回に
分割して装入することにより達成される。

（発明の具体例） 第４図は、本発明方法を実施するために使用さ
れるベルレス式高炉の装入装置の基本的構成を示
す概要図である。図において、１は鉱石庫および
コークス庫等から切り出された原料を装入コンベ
ア等の巻上装置を介して受けるレシービングシユ
ート、２は上部シール弁、３はレシービングシユ
ート１から上部シール弁を介して原料を受け、１
チヤージ分の原料を貯える炉頂ホツパー、４は原
料排出ゲート、５は下部シール弁、６は炉内に原
料を分配するための旋回シユートである。図示の
例において、旋回シユート６は、軸６ａを中心に
矢印方向に旋回可能であるとともに、水平位置か
ら垂直位置へ徐々に傾動させることによつて、炉
壁から炉中心側にかけてまんべんなく原料を装入
することができるようになつている。

本発明に係る装入装置には、さらに、炉頂ホツ
パー３内の原料残量重量を測定できる秤量器、あ
るいは装入開始からの装入時間をカウントするこ
とができるタイマーが設けられる。

次に本発明方法について具体的に説明する。

第４図に示す装入装置において、炉頂ホツパー
３内に１チヤージ分の原料が貯えられると、ホツ
パー３内の原料は粒度偏析を生じ、ほぼ第２ａ図
に示すように外側に大塊ｌが、中心部に細粒ｓが
分布するようになる。このような状態で原料排出
ゲート４が開とされ、原料が炉内に排出される際
には、第２ｂ図に示すように、まず細粒ｓが排出
され、しかる後に大塊ｌが排出されることとな
る。

そこで、本発明にれば、炉頂ホツパー３内の１
チヤージ分の原料を複数回に分割して装入するこ
とにより、炉半径方向における装入物粒度分布の
平滑化が図られる。たとえば、炉頂ホツパー３内
の１チヤージ分原料を２度に分割して装入する場
合には、上記のような旋回シユート６の旋回と傾
動による原料の装入、分配により細粒原料をまず
炉壁側から炉中心側へ装入した後、いつたん原料
排出ゲート４を閉じて原料の装入を停止し、その
後再度炉壁側から原料の装入を開始し、大塊を含
む残り原料を炉壁から炉中心へ装入する。さらに
好ましくは、あらかじめ装入原料の組成に応じ細
粒原料の装入に要する時間、すなわち細粒原料が
専らあるいは大部分排出され続ける時間を求めて
おき、この時間内に第１回目の装入を行なうこと
により炉壁から炉中心部分にかけて細粒原料を分
布させることができる。そしてこの時間の経過時
に排出ゲートを閉じて排出を停止し、あらためて
炉壁側より第２回目の排出、装入を開始すること
により炉壁から炉中心にかけて原料の残分である
大塊を分配することができる。このようにして、
炉内粒度偏析を緩和することができる。

第１回目装入を停止すなわち原料排出ゲート４
を閉とするタイミングとしては、たとえば上記し
たタイマーからの信号を用いることができる。あ
るいは、装入開始からの装入時間をカウントする
タイマーを用いるかわりに、ホツパー３内の原料
残量を秤量する秤量器を使用し、秤量器からの所
定残量信号により排出ゲート４の閉止および第１
回目装入の停止を行なうようにしてもよい。

上記したような本発明による原料装入方法にお
いて、第２回目の炉内装入開始点は第１回目の装
入開始点と同一である必要はなく、所定角度たと
えば90°進んだあるいは遅れた位置から開始する
ようにしてもよい。

また、炉頂ホツパー３内の１チヤージ分原料の
分割装入回数としては、２回に限らず必要に応じ
て多数回行なうようにしてもよい。

（発明の効果） 上記のように、ホツパー内の原料を複数回に分
割して高炉内に装入することにより、高炉内の原
料粒径偏析を軽減することができる。このため、
たとえば、原料を２回に分けて装入した場合に
は、還元ガス利用率（CO₂／CO＋CO₂×100（％））を 約２％向上させることができた。第５図は、本発
明の装入方法により原料装入を行なつた場合の高
炉内粒径分布を示すものである。第３図の従来法
による場合の粒径分布と比較して粒度偏析が軽減
されていることが明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は排出原料（焼結鉱）の粒度推移を示す
線図、第２図はホツパ内の原料粒度偏析を示し、
ａは排出前、ｂは排出途中の状態を示す説明図、
第３図は従来の原料装入方法による高炉半径方向
における粒径分布を示す図、第４図は本発明の適
用されるベルレス式装入装置の基本的構成を示す
概要図、第５図は本発明の原料装入方法による高
炉半径方向における粒径分布を示す図である。 １……レシービングシユート、２……上部シー
ル弁、３……炉頂ホツパー、４……原料排出ゲー
ト、５……下部シール弁、６……旋回シユート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炉頂ホツパに投入された原料をホツパの下方
   に設けたシユートの回転により炉壁側から炉中心
   側方向に順次装入するベルレス式高炉における原
   料装入方法において、ホツパ内の１チヤージ装入
   原料を複数回に分割して装入することを特徴とす
   るベルレス式高炉における原料装入方法。