JPH09314744A - 金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドの製造方法 - Google Patents

金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドの製造方法

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JPH09314744A
JPH09314744A JP8140090A JP14009096A JPH09314744A JP H09314744 A JPH09314744 A JP H09314744A JP 8140090 A JP8140090 A JP 8140090A JP 14009096 A JP14009096 A JP 14009096A JP H09314744 A JPH09314744 A JP H09314744A
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metal
epoxy resin
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reinforced resin
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Akira Matsuno
晃 松野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面を有する構造物、及び大型構造物への施
工も可能となる金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリ
ッドの製法を提供する。 【解決手段】 金属の表面上で、シート状の炭素繊維一
方向材料に、常温硬化型エポキシ樹脂または加熱硬化型
エポキシ樹脂を含浸させた後、エポキシ樹脂を硬化する
ことを特徴とする金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブ
リッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量で、高剛性、
又は高強度の金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッ
ドを、簡便にしかも安価に製造する方法である。さらに
従来の方法では困難であった曲面を有する構造物、大型
構造物へ金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドを
適応する事も可能となる。
【0002】
【従来の技術】金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリ
ッドを製造する方法としては、通常、炭素繊維一方向材
料(UDプリプレグ)を積層した後、オーブン中常圧又
はオートクレーブや熱プレス中で加熱成形を行い板状の
炭素繊維複合材成形板とし、さらに得られた成形板を所
定の形状に切断・加工等を行った後、金属面に常温硬化
型又は熱硬化型接着剤を用いて接着する方法が知られて
いる(VDI Ver No.1151 Page487-493 1995)。この方法で
は 、成形工程にオートクレーブ、又は熱プレス等の特
殊な設備を必要とするだけでなく、加工工程にも複合材
用の特殊な加工切断機を必要とした。さらに、予め成形
板製造するため、曲面を有する構造物、大型構造物に貼
り合わせることは極めて困難、又は高コストな方法であ
った。
【0003】また、炭素繊維のトウに熱硬化又は常温硬
化型の樹脂を含浸した後、連続的に金属のパイプ等に巻
き付け金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドを形
成するフィラメントワインド法も知られているが、フィ
ラメントワインド法は高価で特殊な巻き付け装置を必要
とするばかりでなく、炭素繊維のトウをたとえば5°以
上の角度で交差配交させる必要が有るため、炭素繊維の
強度、弾性率という性質を100%活かすことが難し
く、さらに、平板や曲面への施工が難しい、等の問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オートクレ
ーブ、又は熱プレス、フィラメントワインダー等の特殊
で高価な成形設備や、炭素繊維強化樹脂複合材用の特殊
な加工切断機を必要とせず、かつ短工期、低コストで金
属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドを製造する方
法、さらに、曲面を有する構造物、及び大型構造物への
施工も可能となる金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブ
リッドを製造する方法を提供するものでる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属の表面上
で、シート状の炭素繊維一方向材料に常温硬化型エポキ
シ樹脂または加熱硬化型エポキシ樹脂を含浸させた後、
エポキシ樹脂を硬化することにより金属−炭素繊維強化
樹脂複合材ハイブリッドを製造する方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用する金属としては、
鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタ
ン、チタン合金、亜鉛、マグネシウム合金、ニッケル、
ニッケル合金、銅、銅合金、等いずれの金属にも適応で
きるが、アルミニウム、アルミニウム合金に適応した場
合、アルミより軽量で、鉄と同等以上の剛性、又は強度
の金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドが製造で
きるので好ましい。
【0007】本発明で使用するシート状炭素繊維一方向
材料としては、炭素繊維長繊維を一方向に並べ、通常、
樹脂含有率1〜15%となるように、例えばエポキシ樹
脂で保形されたシート状炭素繊維一方向材料、たとえ
ば、三菱化学株式会社製“リペラーク"、東燃化学株式
会社製“フォルカトウシート”がある。また、炭素繊維
長繊維を一方向に並べ、炭素繊維と直角の方向をガラス
繊維、炭素繊維、有機繊維、等の繊維でかがったUDフ
ァブリックと呼ばれるシート状炭素繊維一方向材料、た
とえば、東レ株式会社製“トレカクロス”等も使用でき
る。
【0008】炭素繊維長繊維として引張り弾性率380
GPa以上の炭素繊維から形成されたシート状炭素繊維
一方向材料を使用すると得られた金属−炭素繊維強化プ
ラスチック複合材の弾性率は貼り合わせ前の金属の弾性
率より高くなり、剛性補強ができる。また、得られた炭
素繊維一方向樹脂複合材の炭素繊維体積含有率60%に
おける圧縮強度が1000KPa以上の炭素繊維から形
成されたシート状炭素繊維一方向材料を使用すると、得
られた金属−炭素繊維強化プラスチック複合材の曲げ強
度は貼り合わせ前の金属の曲げ強度より大きくなり、強
度補強ができる。
【0009】炭素繊維長繊維を一方向に並べ、樹脂含有
率1〜15%となるように、例えばエポキシ樹脂で保形
されたシート状炭素繊維一方向材料で、形状保持の為に
ガラス繊維や有機繊維織布又は組布が貼り合わせられて
いる場合には、織布又は組布のついたまま金属表面に貼
り合わせても良いが、織布又は組布を剥がした後貼り合
わせるか、または、貼り合わせた後、織布又は組布を剥
がし含浸を行った方が、得られた金属−炭素繊維強化樹
脂複合材ハイブリッドの物性、耐久性、及び外観が良く
なるので好ましい。
【0010】本発明で使用する含浸用のエポキシ樹脂と
しては、常温硬化型二液性エポキシ樹脂、または加熱硬
化型エポキシ樹脂いずれも使用が可能である。シート状
炭素繊維一方向材料に常圧下又は減圧下含浸を行うた
め、エポキシ樹脂の粘度は低いことが好ましく、25℃
における粘度が1000〜1000000mPas、特
に、2000〜100000mPasであるエポキシ樹
脂が最適である。また、微粒子シリカの様な揺変性付与
材を添加し塗付作業中の液ダレを防止する事も好まし
い。たとえば、三菱化学株式会社製 二液硬化型エポキ
シ樹脂“エポサームレジン XL−700S”、東邦天
然ガス株式会社製 二液硬化型エポキシ樹脂“FR−E
3PS”、住友スリーエム株式会社製 一液加熱硬化型
エポキシ樹脂“Scotch−Weld XA−741
6”などがある。
【0011】含浸用のエポキシ樹脂の塗布量はシート状
炭素繊維一方向材料の目付量により異なるが、形成され
る炭素繊維強化樹脂複合材の樹脂含有量が60〜20
%、好ましくは40〜25%となる量を塗布する。一般
的にエポキシ樹脂の塗布量は少ないほど得られる炭素繊
維強化樹脂複合材の繊維含有率が大きくなり物性が向上
するが、樹脂を未含浸部の無い均一な含浸が難しくな
る。樹脂含有量が60%を越えると、炭素繊維強化樹脂
複合材の形成においては大きな問題はないものの、得ら
れる炭素繊維強化樹脂複合材の繊維含有率が低下す為、
得られる金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドの
物性が低下する。また、樹脂含有量20%未満では得ら
れる炭素繊維強化樹脂複合材部分に樹脂の未含浸部分が
できるため、得られる金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハ
イブリッドの物性が低下する。
【0012】尚、シート状炭素繊維一方向材料が予め常
温硬化型エポキシ樹脂又は加熱硬化型エポキシ樹脂で保
形されている場合は、該エポキシ樹脂量+塗布エポキシ
樹脂量の合計が樹脂含有量となる。エポキシ樹脂の含浸
の方法としては、金属表面にエポキシ樹脂を塗付後、シ
ート状炭素繊維一方向材料を貼り合わせ、常圧下で脱泡
ローラー等で機械的に加圧する事により炭素繊維シート
にエポキシ樹脂を含浸させる方法。または、金属表面に
エポキシ樹脂を塗付後、シート状炭素繊維一方向材料を
貼り合わせ、これをナイロン、塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポロプロピレン等の樹脂フィルム等で密閉し内部を
真空ポンプ等で減圧(真空)状態にすることにより炭素
繊維シートにエポキシ樹脂を含浸させる方法がある。
【0013】減圧(真空)状態で含浸させる場合、シー
ト状炭素繊維一方向材料の内部に空気層が存在しないた
め、少量のエポキシ樹脂を未含浸部分生じさせずに均一
に含浸する事が可能となる。その結果、炭素繊維強化樹
脂部分の樹脂含有率を40%以下(繊維含有率50%以
上)にする事ができるので、得られた金属−炭素繊維強
化樹脂複合材ハイブリッドの物性が向上し好ましい。す
なわち、常圧下、脱泡ローラー等で機械的に加圧する事
により含浸する場合、樹脂含有量40%以下にすると、
得られる炭素繊維強化樹脂複合材部分に残存空気に起因
する樹脂の未含浸部分ができ、ハイブリッドの物性(特
に強度)が低下してしまうが、減圧(真空)状態で含浸
させる場合には、樹脂含有量40%以下でも未含浸部分
が生成せず、樹脂含有量25%以下にした場合にのみ未
含浸部分に由来する物性低下が見られる。
【0014】ところで、金属と炭素繊維強化樹脂複合材
は、線膨張係数が大きく事なる為、温度変化により炭素
繊維強化樹脂複合材が剥離する場合がある。特にエポキ
シ樹脂による接着性が悪く、かつ線膨張係数が大きいア
ルミニウム、及びアルミニウム合金の場合にはその傾向
が大きい。温度変化による炭素繊維強化樹脂複合材の剥
離を防止する方法としては、金属にシート状炭素繊維一
方向材料を貼り合わせ前に、金属表面を予めサンドペー
パーやサンドブラスター(噴砂研磨)等で機械的に研磨
したり、アルカリ、酸等で化学的にエッチングする事に
より、金属表面の酸化皮膜、油分の除去、及び金属表面
に凹凸を形成させる方法が有効である。サンドペーパー
やサンドブラスターの研磨砂は、#60から#400程
度の荒さが好適である。また、化学的エッチングとして
は、一般に接着や塗装に用いられる脱脂洗浄剤が使用で
きる。また、機械的研磨、化学的エッチングの後に、リ
ン酸塩、クロム酸塩等の皮膜化成処理やウオッシュプラ
イマー等で表面処理を行い金属の耐食性を向上させるこ
とも金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドの長期
耐久性向上に効果がある。
【0015】また、本発明の複合材ハイブリッドを電池
用途等に使用する場合には炭素繊維は導電性を有するた
め、金属が炭素繊維を介在して他の異種金属と接触した
場合ハイブリッドの金属部分が電池作用腐食(電食)に
より腐食し、金属−炭素繊維強化樹脂複合材の接着面で
剥離が発生する可能性がある。この電食を防止するため
金属と炭素繊維が接触しないように、金属とシート状炭
素繊維一方向材料の間に絶縁層を挿入することも可能で
ある。絶縁層としては、エポキシ樹脂との親和性があり
絶縁性大きなガラス繊維織布が好ましい。目付量100
g/cm2 以下、さらに好ましくは50g/cm2 以下の
薄手のガラス繊維織布は得られる金属−炭素繊維強化樹
脂複合材の物性にほとんど影響を与えないため好適であ
る。目付量50g/cm2 以下のガラス繊維織布として
は、鐘紡株式会社製“テキストグラス”KS1090、
KS1065、KS1020などがある。
【0016】金属に貼り合わせるシート状炭素繊維一方
向材料は用途に応じ、単層であっても二層以上の積層で
あってもよい。また、熱によるそりが発生しないために
は金属の両表面に複合させることが好ましい。
【0017】
【作用】本発明の方法によれば、オートクレーブ、又は
熱プレス等の特殊な成形のための設備や、炭素繊維強化
樹脂複合材用の特殊な加工切断機を必要とせずに金属−
炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドを製造することが
可能となる。さらに、積層、硬化、接着を金属表面上で
同時に行うため、工期、コストの低減が可能となるだけ
でなく、使用するシート状炭素繊維一方向材料が極めて
柔軟性のある材料であるため、曲面を有する構造物、及
び車体等の大型構造物への施工も可能となる。
【0018】
【実施例】
【実施例1】#240のサンドペーパーで表面を研磨し
た後、水洗、イソプロパノールで脱脂を行った厚さ2m
mのアルミニウム合金(5052 H34)に三菱化学
株式会社製二液硬化型エポキシ樹脂“エポサームレジン
XL−700S”110g/m2 を均一に塗付した。
その塗布した樹脂の上に、三菱化学株式会社製 高弾性
シート状炭素繊維一方向材料“リペラーク HMタイ
プ”(炭素繊維目付300g/m2 )を貼り(その際ガ
ラス三軸組布は剥がしておいた)、全体を50μmの塩
化ビニルフィルムで密封した後、内部を真空ポンプにて
減圧し、0.05MPa以下の真空状態で30分間保持
した。エポキシ樹脂が十分に含浸していることを確認し
た後、さらに“エポサームレジン XL−700S”1
10g/m 2 を均一に塗付し、“リペラーク HMタイ
プ”(炭素繊維目付300g/m2、弾性率640GP
a)を貼り(その際ガラス三軸組布は剥がしておい
た)、同様に真空ポンプにて減圧し、0.05MPa以
下の真空状態で30分間保持した。アルミニウム合金の
反対面にも同様の方法で2層のシート状炭素繊維一方向
材料を貼り合わせた。室温で7日間養生し樹脂を完全に
硬化させ、アルミニウム−炭素繊維強化樹脂複合材ハイ
ブリッドを得た(樹脂量は得られる炭素繊維強化複合材
部分の樹脂含有量が31%)。
【0019】得られたハイブリッド材のJIS K70
74法で測定した曲げ弾性率は208MPa、曲げ強度
は380KPaであり、未強化のアルミニウム合金の曲
げ弾性率69MPa、曲げ強度300KPaに較べ大幅
に物性が改良された。
【0020】
【実施例2〜5】実施例−1と同様の方法で二液硬化型
エポキシ樹脂の塗付量を50g/m2 、80g/m2
150g/m2 、200g/m2 とし、両面に2層のシ
ート状炭素繊維一方向材料を貼り合わせ、アルミニウム
−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドを得た。得られ
たハイブリッド材の曲げ特性は下記の通りであった。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例6】実施例1と同様の方法で、シート一層当た
り二液硬化型エポキシ樹脂を150g/m2 (炭素繊維
強化複合材部分の樹脂含有量が約37%に相当)使用
し、“リペラーク HMタイプ”(炭素繊維目付300
g/m2 )を両面に3層ずつ貼り合わせ、アルミニウム
−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドを得た。得られ
たハイブリド材の曲げ弾性率は205MPa、曲げ強度
は416KPaであった。
【0023】
【実施例7】実施例1と同様の方法で二液硬化型エポキ
シ樹脂の塗布量を150g/m2 (炭素繊維強化複合材
部分の樹脂含有量が約37%に相当)、シート状炭素繊
維一方向材料を三菱化学株式会社製 “リペラーク 3
0タイプ”(炭素繊維目付300g/m2 、弾性率24
0GPa)に変え、両面に2層ずつのシート状炭素繊維
一方向材料を貼り合わせ、アルミニウム−炭素繊維強化
樹脂複合材ハイブリッドを得た。得られたハイブリド材
の曲げ弾性率は89MPa、曲げ強度は870KPaで
あった。
【0024】
【実施例8】#150カーボランダム砂でサンドブラス
トで表面を研磨した後、水洗、イソプロパノールで脱脂
を行った厚さ2mmのアルミニウム合金(5052 H
34)に二液硬化型エポキシ樹脂“エポサームレジン
XL−700S”110g/m2 を均一に塗付した。そ
の塗布した樹脂の上に、電池作用腐食防止用として薄物
ガラス織布 鐘紡株式会社製テキストグラス KS10
20(目付25g/m 2 )を貼った後、“リペラーク
HMタイプ”(炭素繊維目付300g/m2 )を貼り
(その際ガラス三軸組布は剥がしておいた)、全体を5
0μmの塩化ビニルフィルムで密封した後、内部を真空
ポンプにて減圧し、0.05MPa以下の真空状態で3
0分間保持した。エポキシ樹脂が十分に含浸しているこ
とを確認した後、さらに“エポサームレジン XL−7
00S”110g/m2 を均一に塗付し、“リペラーク
HMタイプ”(炭素繊維目付300g/m2 )を貼り
(その際ガラス三軸組布は剥がしておいた)、同様に真
空ポンプにて減圧し、0.05MPa以下の真空状態で
30分間保持した。アルミニウム合金の反対面にも同様
の方法で2層のシート状炭素繊維一方向材料を貼り合わ
せた。室温で7日間養生し樹脂を完全に硬化させ、アル
ミニウム−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドを得た
(この樹脂量は得られる炭素繊維強化複合材部分の樹脂
含有量が31%)。得られたハイブリッド材の曲げ弾性
率は212MPa、曲げ強度は388KPaであった。
【0025】このハイブリッド材を繊維方向に長さ20
0mm、幅50mmに切断し、オーブンで70℃で1時
間放置後、室温まで冷却したが炭素繊維強化樹脂複合材
のアルミニウム面からの剥離は無かった。さらに、冷凍
庫内で−40℃で1時間放置後、室温まで戻したが剥離
は無かった。
【0026】
【実施例9】実施例8と同様の方法で、表面を水洗、イ
ソプロパノール脱脂のみを実施したアルミニウム合金を
用いてアルミニウム−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリ
ッドを得た。得られたハイブリッド材の曲げ弾性率は2
10MPa、曲げ強度は290KPaであった。このハ
イブリッド材を繊維方向に長さ200mm、幅50mm
に切断し、オーブンで70℃で1時間放置後、オーブン
より取り出したところ、試験片の端部より約40%の炭
素繊維強化樹脂複合材がアルミニウム面から剥離してい
た。
【0027】
【実施例10】#240のサンドペーパーで表面を研磨
した後、水洗、イソプロパノールで脱脂を行った厚さ2
mmのアルミニウム合金(5052 H34)に“エポ
サームレジン XL−700S”180g/mmを均一
に塗付した。この樹脂塗付量は得られる炭素繊維強化複
合材部分の樹脂含有量が約40%に相当する。その塗布
した樹脂の上に、“リペラーク HMタイプ”(炭素繊
維目付300g/m2 )を貼り(その際ガラス三軸組布
は剥がしておいた)、脱泡ローラーで全面を均一に加圧
しエポキシ樹脂を含浸させ、常圧で3時間放置した。3
時間後さらに“エポサームレジン XL−700S”1
80g/m2 を均一に塗付し、“リペラーク HMタイ
プ”(炭素繊維目付300g/m2 )を貼り(その際ガ
ラス三軸組布は剥がしておいた)、脱泡ローラーで全面
を均一に加圧しエポキシ樹脂を含浸させた。アルミニウ
ム合金の反対面にも同様の方法で2層のシート状炭素繊
維一方向材料を貼り合わせた。室温で7日間養生し樹脂
を完全に硬化させ、アルミニウム−炭素繊維強化樹脂複
合材ハイブリッドを得た。得られたハイブリッド材の曲
げ弾性率は180MPa、曲げ強度は340KPaであ
った。
【0028】
【実施例10〜11】実施例9と同様の方法で二液硬化
型エポキシ樹脂の塗付量を125g/m2 、320g/
2 とし、両面に2層のシート状炭素繊維一方向材料を
貼り合わせ、アルミニウム−炭素繊維強化樹脂複合材ハ
イブリッドを得た。得られたハイブリッド材の曲げ特性
は下記の通りであった。
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例12】#240のサンドペーパーで表面を研磨
した後、水洗、イソプロパノールで脱脂を行った幅25
mm×高さ12mm×厚さ1mmのアルミニウム角パイ
プの幅25mmの面に、二液硬化型エポキシ樹脂“エポ
サームレジン XL−700S”110g/m2 を均一
に塗付した。この樹脂塗付量は得られる炭素繊維強化複
合材部分の樹脂含有量が約31%に相当する。その塗布
した樹脂の上に、リペラーク HMタイプ”(炭素繊維
目付300g/m2 )を貼り(その際ガラス三軸組布は
剥がしておいた)、全体を60μmのナイロンフィルム
で密封した後、内部を真空ポンプにて減圧し、0.05
MPa以下の真空状態で30分間保持した。エポキシ樹
脂が十分に含浸していることを確認した後、さらに“エ
ポサームレジン XL−700S”110g/m2 を均
一に塗付し、“リペラーク HMタイプ”(炭素繊維目
付300g/m2 )を貼り(その際ガラス三軸組布は剥
がしておいた)、同様に真空ポンプにて減圧し、0.0
5MPa以下の真空状態で30分間保持した。アルミニ
ウム角パイプの反対面にも同様の方法で2層のシート状
炭素繊維一方向材料を貼り合わせた。室温で7日間養生
し樹脂を完全に硬化させ、アルミニウム−炭素繊維強化
樹脂複合材ハイブリッドを得た。得られたハイブリッド
材の曲げ弾性率は154MPa、曲げ強度は232KP
aであった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の表面上で、シート状の炭素繊維一
    方向材料に、常温硬化型エポキシ樹脂または加熱硬化型
    エポキシ樹脂を含浸させた後、エポキシ樹脂を硬化する
    ことを特徴とする金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブ
    リッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 シート状炭素繊維一方向材料に、常温硬
    化型エポキシ樹脂または加熱硬化型エポキシ樹脂を含浸
    して形成される炭素繊維強化樹脂部分の樹脂含有率が、
    60〜20%であることを特徴とする請求項1記載の金
    属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 シート状炭素繊維一方向材料に、常温硬
    化型エポキシ樹脂または加熱硬化型エポキシ樹脂を含浸
    して形成される炭素繊維強化樹脂部分の樹脂含有率が、
    40〜25%であることを特徴とする請求項2記載の金
    属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 シート状炭素繊維一方向材料と常温硬化
    型エポキシ樹脂または加熱硬化型エポキシ樹脂を、0.
    5MPa以下の減圧状態で保持することにより、炭素繊
    維一方向シート材に該エポキシ樹脂を含浸させることを
    特徴とする請求項1ないし3記載の金属−炭素繊維強化
    樹脂複合材ハイブリッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 金属表面を、化学的又は機械的にエッチ
    ングした後、金属の表面上で、シート状炭素繊維一方向
    材料に常温硬化型エポキシ樹脂または加熱硬化型エポキ
    シ樹脂を含浸させ、次いで、硬化することを特徴とする
    請求項1記載の金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリ
    ッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 金属がアルミニウム、又は、アルミニウ
    ム合金であることを特徴とする請求項1ないし5記載の
    金属−炭素繊維強化樹脂複合材ハイブリッドの製造方
    法。
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Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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