JPH09314203A - めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH09314203A JPH09314203A JP13787596A JP13787596A JPH09314203A JP H09314203 A JPH09314203 A JP H09314203A JP 13787596 A JP13787596 A JP 13787596A JP 13787596 A JP13787596 A JP 13787596A JP H09314203 A JPH09314203 A JP H09314203A
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Abstract
き鋼板を、焼鈍炉の露点を上昇させることのない手法に
て提供する。 【解決手段】 鋼スラブを、Ac3 変態点以上の温度域に
加熱し熱間粗圧延を施し、次いで高圧水によるデスケー
リング処理を行った後、仕上げ圧延を 500℃以上Ar3 変
態点以下の温度域で施し、直ちに冷却そして巻き取りを
行って、鋼板表面の酸化鉄層の厚みを5μm以下に抑制
し、次いで圧下率が 0.5〜5%の調質圧延を行った後、
連続式めっき設備の焼鈍にて、鋼板温度が750 ℃以上で
還元性雰囲気に5秒以上晒して鋼板表面の酸化物を還元
し、その後鋼板を冷却してめっきを施す。
Description
求される、建築資材、冷暖房・給湯機器用鋼板および自
動車用鋼板等に供するめっき鋼板の製造方法に関する。
材を熱間圧延後に、鋼板表面を覆う酸化鉄層を酸洗設備
で除去し、冷間圧延を行った後に連続式溶融めっき装置
や電気めっき装置等にてめっきを行うのが、一般的であ
る。ここで、酸化鉄層の除去を必須とするのは、酸化鉄
層がめっきを阻害し、めっき層の剥離起点となる結果、
めっきの密着性を劣化させるためである。
開平6−145937号および同6−279967号各公報には、主
にコストの低減を目的として、酸洗工程を省略する技術
が開示されている。すなわち、熱延板表面の酸化鉄層を
除去することなく還元雰囲気ガス中で還元処理を行った
後、溶融亜鉛めっきを行うことが提案され、具体的に
は、75%の高濃度H2 雰囲気にて還元処理を実施してい
る。
雰囲気にて焼鈍を行うため、焼鈍中に発生する水蒸気で
炉内の露点が上昇する結果、還元能力が低下して、めっ
き密着性が劣化することが問題であった。
は、酸洗を省略してもめっき密着性に優れるめっき鋼板
を、焼鈍炉の露点を上昇させることのない手法にて提供
し得る方法について提案することを目的とする。
鋼スラブを、Ac3 変態点以上の温度域に加熱し熱間粗圧
延を施し、次いで高圧水によるデスケーリング処理を行
った後、仕上げ圧延を500℃以上Ar3 変態点以下の温度
域で施し、直ちに冷却そして巻き取りを行って、鋼板表
面の酸化鉄層の厚みを5μm以下に抑制し、次いで圧下
率が 0.5〜5%の調質圧延を行った後、連続式めっき設
備の焼鈍にて、鋼板温度が750 ℃以上で還元性雰囲気に
5秒以上晒して鋼板表面の酸化物を還元し、その後鋼板
を冷却してめっきを施すことを特徴とするめっき鋼板の
製造方法である。
説明する。まず、熱間圧延工程では、粗圧延に先立ち、
めっき鋼板用の成分に調整した鋼スラブを、Ac3 変態
点以上に加熱する。具体的には、スラブを1200℃前後に
加熱して、続く粗圧延での鋼板の変形抵抗を小さくす
る。なお、スラブを再度加熱することなく、連続鋳造等
で鋳込んだスラブをそのまま冷却前に粗圧延工程に供し
ても良い。その後、粗圧延を行ってから、仕上げ圧延に
先立ち、高圧水によるデスケーリングを行う。これによ
って、粗圧延までに生成した酸化鉄層を除去する。
いるのは、粗圧延までに生成成長した酸化鉄層(スケー
ル)をほぼ完全に取り除くためである。高圧水を用いる
のは、鋼板面に疵を入れずに効率良くスケールが除去出
来るからである。なお、高圧水の吐出圧は300 kgf /cm
2 以上にすることが好ましい。なぜなら、300 kgf /cm
2 未満では、スケール除去が完全ではなく、仕上げ圧延
後の熱延鋼板上の酸化鉄層が厚くなってしまい、また不
均一になってしまうためである。
って酸化鉄層厚を小さくすることおよび鋼板板面を美麗
にすることによって、この発明で課題とした酸洗による
デスケーリングを改めて行わずに、(圧下率0.5 〜5%
の調質圧延を行った後に、)連続式溶融めっき装置の加
熱炉にて還元することで、めっき密着性の良い美麗なめ
っき鋼板を製造することが可能になる。一方、高圧水に
よるデスケーリングを用いずに製造した酸化鉄層の厚い
板面性状の劣った熱延鋼板からは、めっき密着性の良い
美麗なめっき鋼板を製造することは困難である。
以下の温度域で行う。なぜなら、 500℃未満では、変形
抵抗が大きくなり過ぎて、所定厚の薄鋼板までの圧延が
不可能になる。一方Ar3 変態点をこえると、とくに要求
材質として、高加工性が求められる場合に、Ar3 変態点
を超えたα−γ二相域での圧延は、加工歪を熱延後の鋼
板に内蔵させる上で不利であり、その後のめっきに先立
つ還元時の再結晶において、高加工性を付与する上で不
利となる。また、酸化鉄層が熱間圧延後に成長するのを
抑制するためにも、仕上げ圧延をAr3 変態点以下の低い
温度で行うことが好ましい。
て、鋼板表面の酸化鉄層の厚みを5μm以下に抑制する
ことが、肝要である。すなわち、仕上げ圧延後直ちに冷
却そして巻き取りを行うことによって、酸化鉄層の成長
を極力抑えて、その厚みが5μmをこえない範囲に制御
する。ここで、酸化鉄層厚の上限を5μmとしたのは、
この発明の目的である、酸化鉄層を還元してめっきを行
う上で露点の上昇を抑制するには、還元されるべき酸化
鉄層が少ないことが必要であり、軽度(0.5 〜5%)の
調質圧延と組み合せてめっき密着性を改善する上で5μ
mが上限と考えられる。それより酸化鉄層が厚くなる
と、それに従って、還元量を増やす必要が生じ露点の増
加、ひいては生産量の増加によってめっき密着性の劣化
を招来する。
の調質圧延を行う。ここで、調質圧延圧下率が 0.5%未
満では、次工程での焼鈍において所期した還元が得られ
ずにめっき密着性が劣化し、一方5%をこえると焼鈍に
おいて部分的に酸化鉄層が剥離し、さらに剥離した酸化
鉄が鋼板に再付着し、表面欠陥の原因になる。
ることで、めっき密着性が向上する理由については必ず
しも明確ではないが、調質圧延によって生じる酸化鉄層
中のクラックが焼鈍時の還元路として作用し、還元した
鉄が鋼板表面およびクラック内に発生し、このクラック
内の還元鉄が、めっき後にめっき層と鋼板との連結を確
保するため、めっき層の剥離が抑止されるものと考えら
れる。
鋼板温度が750 ℃以上で還元性雰囲気に5秒以上晒して
鋼板表面の酸化物を還元したのち、鋼板を冷却してめっ
きを施す。ここで、鋼板温度が750 ℃以上で還元性雰囲
気に5秒以上晒すことによって、酸化鉄層の全表面が還
元されめっきの濡れ性が確保されて、不めっきの発生が
なくなる。同時に調質圧延によって生じたクラック表面
も還元されて、酸化鉄層下の素地鋼に達するものと考え
られる。
%以上のH2を含有するN2を使用できるが、効率的に還元
を行うにはH2濃度を7%以上とすることが好ましい。
は、めっき浴温程度に冷却し、その後めっき浴に導入し
てめっきを施す。例えば、亜鉛系のめっき浴としては、
ZnおよびFeの他に、種々の性能向上を目的として、Al、
Mg、Mn、Ni、Co、Cr、Si、Pb、Sb、BiおよびSn等を単独
或いは複合して含有することが可能である。
ガスワイピング等により20〜250 g/m2の間の必要目付
量に調整した後、放冷、空冷または水冷などの冷却を行
ってから、必要によりレベラーや調質圧延を施して、製
品となる。また、耐食性等の向上のために、冷却後或い
は調質圧延後に、クロメート処理やりん酸塩処理等を行
うことも可能であり、さらに塗装を行うことも有効であ
る。同様に、後処理として潤滑処理を行うことも可能で
ある。
立てて用いる使途では、Alを0.1 〜0.2 wt%含有した溶
融Zn浴でめっきを行い、目付量調整を行った後、加熱合
金化を行うことが有効である。ここでの目付量は、20g
/m3未満で耐食性が不十分になり、80g/m3をこえると
曲げや絞りの加工時にめっきが剥離しやすくなるため、
20〜80g/m3の範囲とすることが好ましい。同様に、め
っき中のFe含有量は7〜12wt%とする。なぜなら、7wt
%未満ではめっき表面に未合金化の純Zn層が残存してス
ポット抵抗溶接性を阻害し、また塗装後に疵部等からこ
の純Zn層が溶出しやすく、一方12wt%をこえると、めっ
き層が急激に脆化し、加工時にめっきの剥離が著しくな
るためである。
ったが、この発明は、溶融亜鉛めっき鋼板に限らず、他
の溶融めっき鋼板または電気めっき鋼板にも同様に適用
可能である。例えば、55%Al-Zn めっき、Alめっき、Pb
めっき、SnめっきまたはZn-Ni めっきなどのめっき鋼板
が適合する。いずれにしても還元処理後にめっきすれば
良く、めっき形式に捕われずに優れためっき特性の鋼板
が得られる。連続式溶融亜鉛めっき装置では、焼鈍炉に
連続してめっき槽が配されるのが普通であるから、この
発明に特に好適である。
後、表2に示す条件にて、粗圧延後に高水圧デスケーリ
ングを行ってから仕上げ圧延を施し、0.8 mm厚の熱延板
とした。熱延板における酸化鉄層の厚みは、表2に併記
する通りである。次いで、表3に示す各条件に従って、
調質圧延、還元処理を含む焼鈍、次いでめっきを施し
た。かくして得られためっき鋼板について、めっき密着
性について評価した結果を、表3に併記する。
により評価した。すなわち、1/2インチ直径の半球状
凸面の撃芯を供試面の裏側に当て、供試面には半球状凹
形の受け皿をあてがって2kgの重りを70 cm の高さから
落下させて撃芯を叩き、突き出された供試面にセロハン
粘着テープを貼り付けてから引き剥して、めっき鋼板の
表面とテープとを観察した。
還元度の小さい条件下での還元処理によっても、良好な
めっき密着性が得られることがわかる。すなわち、この
発明に従って、高圧水デスケーリングを行い、熱延仕上
げ圧延およびめっき設備での還元処理前に行う調質圧延
を、所定の条件下で行うことにより、還元の負荷が少な
くてもめっき密着性の良好なめっき鋼板が製造できるこ
とが明らかである。
を行うことなく、しかも焼鈍炉の露点を上昇させること
ない手法にて、優れためっき密着性のめっき鋼板を製造
することができ、めっき鋼板を低コストにて提供し得
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼スラブを、Ac3 変態点以上の温度域に
加熱し熱間粗圧延を施し、次いで高圧水によるデスケー
リング処理を行った後、仕上げ圧延を 500℃以上Ar3 変
態点以下の温度域で施し、直ちに冷却そして巻き取りを
行って、鋼板表面の酸化鉄層の厚みを5μm以下に抑制
し、次いで圧下率が 0.5〜5%の調質圧延を行った後、
連続式めっき設備の焼鈍にて、鋼板温度が750 ℃以上で
還元性雰囲気に5秒以上晒して鋼板表面の酸化物を還元
し、その後鋼板を冷却してめっきを施すことを特徴とす
るめっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13787596A JP4131577B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP13787596A JP4131577B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | めっき鋼板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09314203A true JPH09314203A (ja) | 1997-12-09 |
JP4131577B2 JP4131577B2 (ja) | 2008-08-13 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13787596A Expired - Fee Related JP4131577B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | めっき鋼板の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4131577B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113042525A (zh) * | 2021-02-24 | 2021-06-29 | 广西柳钢华创科技研发有限公司 | 提高高速棒材表面氧化铁皮厚度的方法和hrb400e直条螺纹钢筋的生产方法 |
CN113083915A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-09 | 五矿营口中板有限责任公司 | 一种减少钢板表面水纹状缺陷的方法 |
-
1996
- 1996-05-31 JP JP13787596A patent/JP4131577B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN113042525A (zh) * | 2021-02-24 | 2021-06-29 | 广西柳钢华创科技研发有限公司 | 提高高速棒材表面氧化铁皮厚度的方法和hrb400e直条螺纹钢筋的生产方法 |
CN113042525B (zh) * | 2021-02-24 | 2023-04-07 | 广西柳钢华创科技研发有限公司 | 提高高速棒材表面氧化铁皮厚度的方法和hrb400e直条螺纹钢筋的生产方法 |
CN113083915A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-09 | 五矿营口中板有限责任公司 | 一种减少钢板表面水纹状缺陷的方法 |
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JP4131577B2 (ja) | 2008-08-13 |
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