JPH0931382A - 赤外線吸収パターン形成用インキおよび赤外線吸収パターン層を有する印刷物 - Google Patents

赤外線吸収パターン形成用インキおよび赤外線吸収パターン層を有する印刷物

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JPH0931382A
JPH0931382A JP18595295A JP18595295A JPH0931382A JP H0931382 A JPH0931382 A JP H0931382A JP 18595295 A JP18595295 A JP 18595295A JP 18595295 A JP18595295 A JP 18595295A JP H0931382 A JPH0931382 A JP H0931382A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外領域にのみ吸収を持ち、可視光領域では
吸収を行わない、高い赤外線吸収性を有する材料を用い
て、黒色、青色、緑色、赤色、黄色等の好みの色を有す
るパターンを形成できるインキとこのインキを用いて形
成した所望の色を呈し、かつ赤外線吸収による識別が可
能なパターン層を設けた印刷物の提供。 【解決手段】 イッテルビウム酸塩(但し、リン酸イッ
テルビウムを除く)粒子、例えば硫酸イッテルビウム粒
子や酢酸イッテルビウム粒子、及び着色顔料を含有する
赤外線吸収パターン形成用インキ。結晶性が高く、粒子
径が0.5μm以下であるYbPO4 粒子(好ましく
は、カップリング剤で表面処理されている)及び着色顔
料を含有する赤外線吸収パターン形成用インキ。基材上
に赤外線吸収パターン層を有する印刷物であって、前記
赤外線吸収パターン層はイッテルビウム酸塩(但し、リ
ン酸イッテルビウムを除く)粒子または結晶性が高く、
粒子径が0.5μm以下であるYbPO4 粒子と着色顔
料を含む上記印刷物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線吸収により
識別されるコードパターン等のパターン形成用インキに
関する。さらに詳しくは、本発明は、従来識別ができな
かった赤、黄色等の種々の色に着色可能であり、識別は
赤外線吸収により行う、パターン形成用インキに関す
る。さらに本発明は、上記インキを用いて形成した赤外
線吸収パターン層を有する印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学読み取りを利用したコードパ
ターンとしてのバーコードが、主として物流管理システ
ムのために広く利用されている。例えば、POS(販売
時点管理)システム用のJANコードや配送伝票、荷分
け伝票、納品用のバーコードタグなどの光学的データキ
ャリアとして、バーコードは広く用いられている。
【0003】これら従来のバーコードの光学読み取り用
の光源光として650nm、800nm又は950nm
付近に発光波長を持つ半導体レーザー又は発光ダイオー
ドが主として用いられている。そのため、光源光の波長
域が制約されるために、バーコードは、可視光領域に吸
収帯のあるカーボンブラックを用いたインキ、又はシア
ン・グリーン系統の赤色/赤外波長域に吸収特性を持つ
インキにより印刷、又はプリントされている。
【0004】又、バーコードの印刷の方式は、活版、オ
フセット、フレキソ、グラビア又はシルク印刷等で、主
として、ソース・マーキングと呼ばれる大量印刷に適用
される。バーコードのプリントの方式は、ドットインパ
クト、熱転写、ダイレクトサーマル、電子写真、インク
ジェットプリント等で、主として、インストア・マーキ
ングと呼ばれる個別印刷、或いは、小ロットの情報コー
ドラベルの製造に適用されている。
【0005】しかし、こうした可視の情報コードはデザ
イン上の制約を印刷物にもたらすとしてこれを排除する
要求が強い。そこで、可視光領域に吸収帯を持たないイ
ンキを印刷又はプリントすることにより情報コードを透
明化し、目視での判定を困難にしようとする試みもなさ
れている。
【0006】こうした透明化の試みの1つとして赤外線
や紫外線の可視光線領域外波長の光を主に吸収するイン
キを用いて、赤外線/紫外線吸収パターンを形成する方
法が挙げられる。赤外線吸収パターンは、例えば特開昭
63−116286号、特開平3−154187号、特
開平3−227378号、特開平3−275389号、
特開平4−70349号に開示されている。又、紫外線
吸収パターンは、例えば特開昭63−183675号に
記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、透明なコー
ドパターンが形成できるのであれば、カーボンブラック
の黒やシアン・グリーン系統以外の赤色や黄色等の種々
の色に着色したコードパターンも形成できる可能性があ
る。即ち、コードパターンの読み取りは赤外線又は紫外
線の吸収により行い、さらにコードパターン中に、コー
ドパターンの読み取りに関与しない可視光を吸収する物
質を共存させることにより、好みの色のコードパターン
やレインボーカラーのコードパターンを形成することが
できる。さらに、下地の色とコードパターンの色とを一
致させることにより、コードパターンを不可視状態とす
ることが可能であり、その結果、コードパターンの安全
性を高めることも可能である。
【0008】しかし、これまでに知られている透明のコ
ードパターンは、いずれも完全に透明ではなかった。従
来用いられている赤外線領域に吸収域をもつ色素は、シ
アニン色素、フタロシアニン系色素、ナフトキノン系色
素、アントラキノン系色素、ジルオール系色素、トリフ
ェニルメタン系色素などがある。しかし、これらは60
0nm以上の波長領域に吸収帯を持つためにシアンカラ
ーであるか、または可視領域(380nm〜700n
m)に30〜40%の吸収があるために、若干赤みがか
ったクリーム色を呈している。よって、完全に透明なバ
ーコードを形成することができなかった。また、赤外線
吸収顔料としてシアンフィルターガラスを用いるものも
あるが、この場合、ガラスはCu2+イオンを含んでお
り、550nmから吸収が始まるためにシアンカラーを
呈していた。
【0009】そこで本発明者は、赤外領域にのみ吸収を
持ち、可視光領域では吸収を行わないYb3+を含有する
赤外線吸収ガラス粉末を用いた、黒色、青色、緑色、赤
色、黄色等の好みの色を有するコードパターンを形成で
きるインキを見出した〔特開平6−128519号〕。
【0010】ところが、本発明者らがさらに種々検討し
たところ、Yb3+を含有する赤外線吸収ガラス粉末の赤
外線吸収性が不十分であるために、インキ中の含有量を
相当に高めないと、実用レベルの赤外線吸収性を有する
コードパターンを形成することは難しく、また、含有量
を高めるとインキ性能が低下し、またコストも高くなる
という問題があることが判明した。
【0011】また、Yb3+を含む赤外線吸収パターン層
の識別には、波長975nmのレーザー光か波長950
nmの赤外LEDを用いることが考えられる。Yb3+
吸収ピークは975nm付近であるので、波長975n
mのレーザー光を用いることが吸収強度の点で好まし
い。しかし、レーザー光発生装置は高価であり、一方赤
外LEDは安価である。そこで、赤外LEDを光源とし
てYb3+を含む赤外線吸収パターン層を識別しようとす
ると、950nmにおけるYb3+の吸収が、吸収ピーク
である975nmに比べて約半分であることから、読み
取り誤差等を生じることなくパターン層を識別できる程
十分な吸収強度を得られなかった。
【0012】そこで本発明の目的は、赤外領域にのみ吸
収を持ち、可視光領域では吸収を行わない、Yb3+を含
有する赤外線吸収ガラス粉末によりもさらに高い赤外線
吸収性を有する材料を用いて、黒色、青色、緑色、赤
色、黄色等の好みの色を有するパターンを形成できるイ
ンキを提供することにある。さらに本発明の別の目的
は、上記インキを用いて形成した所望の色を呈し、かつ
赤外線吸収による識別が可能なパターン層を設けた印刷
物を提供することにある。加えて本発明の別の目的は、
上記インキを用いて形成した所望の色を呈し、かつ波長
950nmの赤外LEDを用いてもその赤外線吸収によ
り識別が可能なパターン層を設けた印刷物を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決する手段】本発明は、イッテルビウム酸塩
(但し、リン酸イッテルビウムを除く)粒子及び着色顔
料を含有することを特徴とする赤外線吸収パターン形成
用インキ(第1の態様のインキ)に関する。さらに本発
明は、結晶性が高く、粒子径が0.5μm以下であるY
bPO4 粒子及び着色顔料を含有することを特徴とする
赤外線吸収パターン形成用インキ(第2の態様のイン
キ)に関する。
【0014】さらに本発明は、基材上に赤外線吸収パタ
ーン層を有する印刷物であって、前記赤外線吸収パター
ン層はイッテルビウム酸塩(但し、リン酸イッテルビウ
ムを除く)粒子と着色顔料を含むことを特徴とする上記
印刷物(第1の態様の印刷物)に関する。
【0015】加えて本発明は、基材上に赤外線吸収パタ
ーン層を有する印刷物であって、前記赤外線吸収パター
ン層は結晶性が高く、粒子径が0.5μm以下であるY
bPO4 粒子と着色顔料を含むことを特徴とする上記印
刷物(第2の態様の印刷物)に関する。
【0016】まず、赤外線吸収材料について説明する。
本発明の第1のインキおよび第1の印刷物において、赤
外線吸収材料としてイッテルビウム酸塩(但し、リン酸
イッテルビウムを除く)粒子を用いる。このイッテルビ
ウム酸塩粒子は、イッテルビウムと酸との塩であり、赤
外線吸収特性に優れた材料である。イッテルビウムとの
塩を形成する酸としては、例えば、硫酸、硝酸、過塩素
酸、炭酸等の無機酸及び酢酸、シュウ酸、ニコチン酸等
の有機酸を挙げることができる。イッテルビウムとの塩
を形成する酸は、安定な塩を形成することが好ましい。
そのような観点からは、イッテルビウム塩は、硫酸イッ
テルビウムや酢酸イッテルビウムであることが好まし
い。また、これらの塩は、場合により結晶水を有するも
のであることもできる。
【0017】上記イッテルビウム酸塩粒子は、インキ化
した後にパターン層を形成するという観点から、粒子径
は、0.01〜10μmの範囲とすることが適当であ
る。粒子径は、可視光に対する透明性という観点及びイ
ンキビヒクルへの分散性という観点からは、10μm以
下であることが適当である。一方、粒子径は、小さくな
る程、製造は難しくなり、また、一次粒子結晶の変性を
防止する等の観点から、0.01μm以上であることが
適当である。さらに、近赤外領域での透明性及び近赤外
線領域での吸収特性を考慮すると、上記粒子の粒子径
は、特に、0.05〜0.2μmの範囲及び0.5〜5
μmの範囲であることが好ましい。
【0018】さらにオフセット印刷、熱転写プリント、
インジェクトプリント、電子写真式プリント用の、オフ
セットインキ、熱転写リボンインキ、インクジェットイ
ンキ、トナーインキでパターン層を形成する場合、上記
イッテルビウム酸塩粒子は、平均粒子径が0.01μm
〜0.1μmであり、最大粒子径が1μm以下である粉
末であることが好ましい。上記方式により得られる印刷
膜厚もしくはプリント膜厚が通常約1〜2μmであり、
最大でも3μm程度であることから、上記粒子の平均粒
子径を上記範囲のサブミクロンオーダーとすることによ
り、印刷ムラを抑制することができる。
【0019】上記イッテルビウム酸塩粒子は、酸化イッ
テルビウム(Yb2 3 )微粉末を酸水溶液に混合し、
必要により加熱して酸化イッテルビウムを溶解し、酸塩
の水溶液を作成する。そして、不溶解分があれば、濾過
等により除去した後に、水溶液を冷却するか、あるいは
アルコールを混合し、極性を下げたりして酸塩の溶解度
を下げることにより、再結晶して酸塩の微粒子を得る
か、若しくは溶媒成分を蒸発乾固することにより、目的
物であるイッテルビウム酸塩を得ることができる。得ら
れる塩は、常法により乾燥することができる。尚、冷却
の速度や還流条件を制御することにより、粒子径を調整
することができる。また、得られた塩の粒子は、粉砕等
を施すことにより、粒子径を調整することもできる。粉
砕としては、粉砕時に容器等を冷却する方法、不活性ガ
ス中での粉砕やキシレン、トルエン等の有機溶剤中での
粉砕等を挙げることができる。
【0020】Yb塩粒子中のYb3+は、イオン状態で赤
外領域に、Yb3+ 27/2 35/2 の遷移に基づく
吸収帯を持つ。さらに、この吸収は、遷移金属イオンに
よる着色と異なり、ブロードとならず可視領域吸収を有
しないために着色しない。このような特性を有する赤外
線吸収材料は、例えば、図1に示すように約975nm
をピークとする赤外領域の照射光を際立って吸収する
が、400〜700nmの可視領域には吸収を有さな
い。
【0021】さらに、パターン層をバインダー成分が無
極性のオフセットインキ、熱転写リボンインキ、トナー
インキを用いて形成する場合、上記Yb塩粒子は、表面
を親油性コートして、インキバインダーへの粒子の分散
性を向上させることが好ましい。分散性を向上させるこ
とにより、形成したパターン層の読み取りを良好に行う
ことができる。例えば、オフセット印刷においては印刷
中にインキからYb塩粒子が析出したり、赤外光の吸収
部分が印刷されない抜けの状態の発生を防止することが
できる。また、熱転写リボンにおいては、均一なコート
層のリボンコーティングを得ることができ、プリント時
に転写不良が発生することを防止することができる。さ
らに、電子写真式プリントのトナーにおいても、トナー
インキのYb塩粒子の含有状態を均一に保つことがで
き、安定な吸収レベルを有するマークを得ることができ
る。
【0022】表面改質のためコーティング法の代表例を
以下に列記する。 (a)コーティング コーティングは界面活性剤的な役割を果たす。具体的例
としては、例えば脂肪酸(低分子・高分子鎖)、脂肪酸
塩類、及びワックスなどの分散剤を用いる事ができる。
特に、フッ燐酸塩脂肪酸を用いたコーティング剤をYb
塩粒子にコーティングすることで、印刷ムラは著しく改
善した赤外線吸収パターン層が得られる。また、コーテ
ィング剤をインキビヒクル中に分散し、その中にYb塩
粒子を混合することによっても、コーティングすること
ができ、かつビヒクル中への分散も可能である。 (b)カップリング剤 カップリング剤は、赤外線吸収材料と強固に結合し、ポ
リマーとも反応する。具体例としては、シラン化合物、
チタン化合物、金属キレート化合物などを挙げることが
できる。 (c)重合性モノマー 低分子量のモノマー又はオリゴマーを赤外線吸収材料表
面に反応させ、非可逆層をつくる。具体例としては、重
合性有機酸、反応性オリゴマー等を挙げることができ
る。
【0023】本発明の第2のインキおよび第2の印刷物
においては、赤外線吸収材料として結晶性が高く、粒子
径が0.5μm以下であるYbPO4 粒子を用いる。こ
こで、YbPO4 粒子の結晶性が高いとは、X線回折計
を用いて測定される回折X線スペクトルにおいて、回折
ピークがアモルファスのようにブロードにならず、スペ
クトルが読み取れる程度の結晶性の意味である。より具
体的には、YbPO4の回折X線スペクトルの主ピーク
である2θが約26のピークがバックグラウンドのノイ
ズ幅の10倍以上の場合を本発明にいう「結晶性が高
い」とする。例えば、図6に示すように参考例3で得ら
れた上記YbPO4 粒子は主ピークとバックグラウンド
のノイズ幅の比が100倍以上であり、極めて「結晶性
が高い」YbPO4 である。
【0024】さらに上記YbPO4 粒子は、粒子径(2
次粒子径)が0.5μm以下であるYbPO4 粒子であ
る。粒子には1次粒子と2次粒子とがあり、通常の粒子
は1次粒子の集合体である2次粒子として存在する。顔
料をインキ化する場合、2次粒子の粒子径が問題とな
る。上記YbPO4 粒子は、粒子径(2次粒子径)が1
μm以下であり、インキ化特性等に優れたものである。
YbPO4 粒子の粒子径は好ましくは5〜500nmの
範囲であり、より好ましくは、10〜200nmの範囲
である。粒子径が200nm以下の粒子は可視光に吸収
を有さず、可視光に対する透明性が高いという観点から
好ましい。
【0025】さらに上記YbPO4 粒子は、カップリン
グ剤で表面処理したものであることが好ましい。カップ
リング剤は、YbPO4 粒子及びインキビヒクルとなる
樹脂と結合するものであれば特に限定はない。例えば、
シラン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、ア
ルミニウム化合物、金属キレート化合物などを挙げるこ
とができる。特に、化学的特性が安定(溶剤に対して強
い耐性がある)であり、物理強度も強く、さらにインキ
ビヒクルとの接着性の良い官能基が種々付加されてお
り、選択の度合いが大きいという観点からは、シランカ
ップリング剤であることが好ましい。
【0026】シランカップリング剤としては以下のもの
を例示することができる。但し、これらに限定されるも
のではないことは勿論である。テトラメトキシシラン
(TMOS)、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β
−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセ
トシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシ
ルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ア
ンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロ
シラン、トリメチルクロロシラン。
【0027】さらにシランカップリング剤以外にも、ジ
ルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング
剤、チタンカップリング剤を用いることができる。Yb
PO4 粒子に対するカップリング剤の量は、YbPO4
粒子の粒子径やカップリング剤の種類により適宜決定出
来るが、例えば一般にはYbPO4 粒子100重量部に
対してカップリング剤0.1〜10重量部の範囲である
ことが適当である。
【0028】上記YbPO4 粒子は、975nm近傍の
近赤外領域に非常に強い吸収ピークを有する。例えば、
図4に参考例3で得られた本発明の赤外線吸収材料の反
射率スペクトルを示す。この赤外線吸収材料は、400
〜700nmの範囲の可視光領域には実質的に吸収を示
さず、975nm近傍の近赤外領域に非常に強い吸収ピ
ークを有する。
【0029】上記YbPO4 粒子は、イッテルビウムア
ルコキシドとリン酸アルコキドとを加水分解してYbP
4 粒子を生成させることで製造することができる。イ
ッテルビウムアルコキシド及びリン酸アルコキシドのア
ルコキシドは、水への溶解度が低い炭素数が4以上のア
ルコキシドであることが、超微粒子の粒子会合を防ぎ、
カップリング剤による表面処理も容易であるという観点
から好ましい。例えば、アルコキシドとしては、ブトキ
シドが挙げられる。従って、イッテルビウムアルコキシ
ドとしては、例えばトリブトキシイッテルビウムを用い
ることができる。また、リン酸アルコキドとしては、例
えばリン酸トリブトキシドを用いることができる。
【0030】上記リン酸トリブトキシド〔PO4 (C4
9 O)3 〕は市販(例えば、高純度化学研究所製)さ
れ、またオルトリン酸とブタノールとから合成すること
によっても容易に入手できる。また、トリブトキシイッ
テルビウム〔Yb(C4 9 O)3 〕は、例えば、1モ
ルの酸化イッテルビウム〔Yb2 3 〕微粉末(市販
品、例えば信越化学製)と6モルの酢酸とを真空脱水反
応させて、酢酸イッテルビウム〔Yb(CH3 COO)
3 〕を沈殿として得、さらにこの酢酸イッテルビウムと
トリブトキシバリウム〔Ba(C4 9 O)2 〕(市販
品もあるが、n−ブタノールに金属バリウムを溶解する
ことでも得られる)とを溶媒(例えば、n−ブタノー
ル)中で還流することで得られる。
【0031】上記反応及び加水分解反応を化学式で示す
と以下のとおりである。 Yb2 3 +6CH3 COOH→2Yb(CH3 CO
O)3 (沈殿)+3H2 O 2Yb(CH3 COO)3 +3Ba(C4 9 O)2
2Yb(C4 9 O)3 +3Ba(CH3 COO)2 Yb(C4 9 O)3 +PO4 (C4 9 O)3 →Yb
PO4 (結晶)+6C4 9 OH
【0032】上記下加水分解は、超音波の存在下で行う
ことが、加水分解反応を早めるという観点からは好まし
い。超音波の周波数は、エネルギーが十分であり、超音
波発生源を確保し易いという観点から、例えば1〜20
00kHzの範囲であることが適当である。好ましくは
5〜100kHzの範囲である。さらに、上記加水分解
には、アルカリ触媒を存在させることが、結晶化を促進
するという観点からは好ましい。アルカリ触媒として
は、例えばアンモニア等を挙げることができる。アルカ
リ触媒の量は、触媒の種類等を考慮してにより適宜決定
できるが、例えばアンモニアの場合、10-6〜10-2
ル当量の範囲とすることが適当である。好ましくは10
-5〜10-3モル当量の範囲である。
【0033】さらに上記加水分解は、溶媒の存在下で行
うことが適当であり、そのような溶媒として、例えばベ
ンゼン、トルエン、ブタノール、プロパノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、ノナノール、デカノール又はそ
れらの混合溶媒を挙げることができる。さらに、加水分
解のために少量の水を添加する。また、加水分解の温度
は0℃〜50℃の範囲とすることが、超音波の伝達を効
率良くするという観点から適当である。さらに反応時間
は、反応温度や触媒量、超音波、アルコキシドのアルコ
ールの炭素数等を考慮して適宜決定できるが、例えば1
0分間〜10時間の範囲であることが適当である。
【0034】上記加水分解により、本発明の0.5μm
以下の粒子径を有するYbPO4 粒子を得ることができ
る。この粒子は、凝集を防止し、所望の粒子径を維持す
る目的及び粒子表面の溶媒や酸、塩基等に対する化学的
安定性や物理強度を向上する等の目的でさらにカップリ
ング剤により表面処理する。表面処理は、上記加水分解
終了後、好ましくは同一の反応容器内で行うことが好ま
しい。表面処理は、YbPO4 粒子が分散された溶媒中
に添加混合することにより、YbPO4 粒子表面に吸着
された少量の水、好ましくはアルコキシドのアルコール
と当量程度の水により選択的に粒子表面で加水分解さ
れ、表面処理を行うことができる。表面処理して得られ
たYbPO4 粒子は遠心分離等により溶媒中からウエッ
トケーキとして容易に回収することができる。得られた
ウエットケーキは、そのままインキ製造に用いることが
できる。但し、必要により乾燥することもできる。
【0035】一方、本発明のインキに用いる着色顔料と
しては、上記赤外線吸収材料の吸収帯(約900〜10
00nm)に吸収を有さない総ての着色顔料を用いるこ
とができる。黄顔料、マゼンタ(紅)顔料、シアン
(藍)顔料、フォーマットブラックの吸収スペクトルを
図2に示す。また、各顔料の例を以下に示す。尚、括弧
内は、C.I.Pigmentの分類である。
【0036】黄: ファストエローG(Yellow−1) ファストエロー10G(Yellow−3) ジスアゾエローAAA(Yellow−12) ジスアゾエローAAMX(Yellow−13) ジスアゾエローAAOT(Yellow−14) ジスアゾエローAAOA(Yellow−17) 黄色酸化鉄(Yellow−42) ジスアゾエローHR(Yellow−83)
【0037】黄赤(オレンジ): オルトニトロアニリナオレンジ(Orange−2) ジニトロアニリンオレンジ(Orange−5) ジスアゾオオレンジPMP(Orange−13) バルカンオレンジ(ジアニシジンオレンジ)(Oran
ge−16)
【0038】赤: トルイジンレッド(Red−3) 塩素化バラレッド(Red−4) ナフトールカーミンFB(Red−5) ナフトールレッドM(Red−17) ブリリアントファストスカーレット(Red−22) ナフトールレッド23(Red−23) ピラゾロンレッド(Red−38) バリウムレッド2B(Red−48:1) カルシウムレッド2B(Red−48:2) ストロンチウムレッド2B(Red−48:3) マンガンレッド2B(Red−48:4) バリウムリソールレッド(Red−49:1) レーキレッドC(Red−53:1) ブリリアントカーミン6B(Red−57:1) ピクメントスカーレット3Bレーキ(Red−60:
1) レーキボルドー10B(Red−63:1) アンソシン3Bレーキ(Red−66) アンソシン5Bレーキ(Red−67) ローダミン6Gレーキ(Red−81) エオシンレーキ(Red−90) べんがら(Red−101) ナフトールレッドFGR(Red−112)
【0039】紫: ローダミンBレーキ(Violet−1) メチルバイオレットレーキ(Violet−3) キナクリドンレッド(Violet−19) ジオキサジンバイオレット(Violet−23)
【0040】青: ビクトリアピュアブルーBOレーキ(Blue−1) ベーシックブルー5Bレーキ(Blue−3) ベーシックブルー6Gレーキ(Blue−9) フタロシアニンブルー(α形,不安定形)(Blue−
15:1) フタロシアニンブルー(β形,非結晶形)(Blue−
15:3) フタロシアニンブルー(β形,非結晶,非集合形)(B
lue−15:4) ファストスカイブルー(Blue−17:1) アルカリブルーGトーナー(Blue−18) アルカリブルーRトーナー(Blue−19) ピーコックブルーレーキ(Blue−24) 紺青(Blue−27) 群青(Blue−29) レフレックスブルー2G(Blue−56) レフレックスブルーR(Blue−61)
【0041】緑: ブリリアントグリーンレーキ(Green−1) ダイヤモンドグリーンチオフラビンレーキ(Green
−2) フタロシアニングリーンG(Green−7) グリーンゴールド(Green−10) フタロシアニングリーンY(Green−36)
【0042】茶: 酸化鉄粉,さびこ(Brown−6) 黒: アニリンブラック(Black−1) 鉄黒(Black−11) フォーマット墨(マゼンタ顔料とシアン顔料の混合顔
料)
【0043】白(体質顔料): 亜鉛華(White−4) 酸化チタン(White−6) 炭酸カルシウム(White−18) クレー(White−19) 硫酸バリウム(White−21) アルミナホワイト(White−24)
【0044】銀: アルミニウム粉(Metal−1) 金: ブロンズ粉(Metal−2)
【0045】本発明のインキは、赤外線吸収材料及び着
色顔料以外に、インキが一般に含有するインキビヒクル
及び必要により溶剤等を含有する。インキ中の赤外線吸
収材料及び着色顔料の含有量は、パターン層の識別に必
要な赤外線吸収の強度と着色の程度等により変化する
が、例えば両者の合計が45〜75重量%の範囲である
ことが好ましい。残りは、ビヒクル及び必要により溶剤
等の成分である。また、赤外線吸収材料の含有量は、2
0〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の範囲で
あり、着色顔料の含有量は、2.5〜30重量%、好ま
しくは5〜15重量%の範囲である。
【0046】本発明のインキは、後で説明するようにビ
ヒクルのみで溶剤を含まないものも包含する。また、本
発明のインキは、ビヒクル及び溶剤を含有する態様を包
含する。
【0047】ビビクルを構成する樹脂としては、一般的
には、蛋白質、ゴム、セルロース類、シエラック、コパ
ル、でん粉、ロジン等などの天然樹脂、ビニル系樹脂、
アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ノボラック型フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂、レ
ゾール型フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポ
リウレタン樹脂、エポキシ、不飽和ポリエステル等の熱
硬化性樹脂などが挙げられ、必要に応じて印刷皮膜の柔
軟性・強度安定化のための可塑剤、粘度調整、乾燥性の
ための溶剤、さらに乾燥、粘度、分散性、各種反応剤等
の助剤を適宜添加することができる。
【0048】但し、形成されたパターン層が溶剤成分に
より汚染物質を吸着することが望ましくないことから、
好適には、溶剤を用いない光重合硬化型もしくは電子線
硬化型インキを用いて形成する。これらインキの硬化物
の主成分はアクリル系樹脂である。従って、上記インキ
はアルキルモノマーを含有するものであり、具体的に
は、市販されている以下のアクリルモノマーを挙げるこ
とができる。
【0049】単官能アクリレートとしては、2- エチル
ヘキシルアクリレート、2- エチルヘキシルEO付加物
アクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレ
ート、2- ヒドロキシエチルアクリレート、2- ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2- ヒドロキシエチルアク
リレートのカプロラクトン付加物、2- フェノキシエチ
ルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアク
リレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、
ノニルフェノールEO付加物にカプロラクトン付加した
アクリレート、2- ヒドロキシ- 3- フェノキシプロピ
ルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、フルフリルアルコールのカプロラクトン付加物アク
リレート、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニ
ルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジ
シクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イソボル
ニルアクリレート、4,4- ジメチル- 1,3- ジオキ
ソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3- メ
チル- 5,5- ジメチル- 1,3- ジオキソランのカプ
ロラクトン付加物のアクリレートなどが用いられ得る。
【0050】一方、多官能アクリレートとしては、ヘキ
サンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロ
キシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアク
リレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、
1,6- ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのア
クリル酸付加物、ヒドロキシピバルアルデヒドとトリメ
チロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレー
ト、2,2- ビス〔4- (アクリロイロキシジエトキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2- ビス〔4-(アクリ
ロイロキシジエトキシ,フェニル〕メタン、水添ビスフ
ェノールAエチレンオキサイド付加物のジアクリレー
ト、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンプ
ロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、グリセリ
ンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート・ペンタアクリ
レート混合物、ジペンタエリスリトールの低級脂肪酸お
よびアクリル酸のエステル、ジペンタエリスリトールの
カプロラクトン付加物アクリレート、トリス(アクリロ
イロキシエチル)イソシアヌレート、2- アクリロイロ
キシエチルホスフェートなどが用いられ得る。
【0051】これらの樹脂又はモノマーからなるインキ
は無溶剤性で、電磁波や電子線照射により連鎖的重合反
応を起こす組成となっており、このうち、紫外線照射型
のものについては、光重合開始剤と、必要に応じて増感
剤および助剤として、重合禁止剤、連鎖移動剤などを添
加する。
【0052】光重合開始剤としては、1)直接光分解型
としてアリールアルキルケトン、オキシムケトン、アシ
ルホスフィンオキシド等、2)ラジカル重合反応型とし
てベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等、
3)カチオン重合反応型としてアリールジアゾニウム
塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム
塩、アリールアセトフェノン等があり、その他に4)エ
ネルギー移動型、5)光レドックス型、ならびに6)電
子移動型のものが用いられ得る。
【0053】また、電子線硬化型のものについては、前
述した紫外線照射型と同様な樹脂又はモノマーを用い
て、光重合開始剤を必要とせず、必要に応じて各種助剤
が添加され得る。
【0054】インクジェットインキは、赤外線吸収材
料、着色顔料、ビビクル以外に水及び水性有機溶媒を含
有するものであることができる。水は、イオン交換水以
上の純度であればよい。
【0055】水溶性有機溶媒は、インキの乾燥防止及び
浸透性付与を目的とし、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリンの如き多価アルコール類:N−アルキルピロリド
ン類:酢酸エチル、酢酸アミルの如きエステル類:メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの如き
低級アルコール類:メタノール、ブタノール、フェノー
ルのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加
物の如きグリコールエーテル類等が挙げられる。これら
の水溶性有機溶媒は、上記溶媒例に限定されるものでは
なく、溶媒の吸湿性、保湿性、染料溶解性や浸透性、イ
ンキの粘度や氷点などを考慮して、適宜、単独もしくは
複数で使用される。これらの水溶性有機溶媒の使用料
は、インキの0.1〜70重量%の範囲が好ましい。
【0056】インクジェット記録装置のシステムに要求
される諸条件を満たすために、必要に応じて、インキの
成分として従来から知られている添加物を添加すること
も可能である。これらの添加物としては、pH調製剤とし
てのアルコールアミン類、アンモニウム塩類、金属水酸
化物:比抵抗調製剤としての有機塩類、無機塩類:酸化
防止剤:防腐剤:防カビ剤:金属封鎖剤としてのキレー
ト剤等が挙げられる。
【0057】上記組成に加えて、噴封ノズル部の閉塞や
インキ吐出方向の変化などが生じない程度に、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルビロリドン、カルボキシメチ
ルセルロース、スチレンアクリル酸樹脂、スチレンマレ
イン酸樹脂等の水溶性樹脂を添加することもできる。
【0058】熱転写リボンインキは、赤外線吸収材料及
び着色顔料以外に、ビビクルとして合成樹脂、ワック
ス、および必要に応じて溶剤を配合して調製する。合成
樹脂は、サーマルヘッドの電圧、融点などを考慮した上
で適当なものを単独または混合して用いる。具体例をあ
げれば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブチン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニ
ルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル樹脂、
ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニ
ルホルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロ
ースプラスチック、ニトロセルロース、ポリアセタール
などである。ワックスは、ミツロウ、触ロウ、イボタロ
ウ、羊毛ロウ、セラックワクス、カルナバワックス、モ
ンタンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワ
ックス、ベトロラクタム、マイクロクリスタリンワック
スなどから適宜選択して用いることができる。
【0059】溶剤は、熱転写リボンインキを通常の印刷
方法で塗布できるインキとする場合に用いる。ベンゼ
ン、キシレン、トルエン、トリクレン、ホワイトスピリ
ット、酢酸ニチル、酢酸n−ブチル、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルシ
クロヘキサン、メチルエチルケトン、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノンなどがその例
である。特に、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタ
ノール、エタノール、キシレンおよびトルエンが用いら
れることが好ましい。
【0060】上記熱転写リボンインキをベースフィルム
上に設けた熱転写シートとすることができる。ベースフ
ィルムの材料には、常用のものを使用すればよい。具体
的には、ポリエスチル、ポリプロピレン、セロファン、
アセテート、ポリカーボネートなどのプラスチックのフ
ィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙
類を使用することができる。
【0061】電子写真方式の場合のトナーインキの構成
成分は本発明の赤外線吸収材料、着色顔料、ビビクル、
必要に応じて帯電制御剤、オフセット防止剤、外添剤
(流動化剤)からなる。ビビクルはポリスチレン樹脂、
スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−ブタジェン
系共重合体、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることがで
きる。接触帯電性は、アミノ基などの電子供与性の置換
基を含むものは正帯電を帯びやすく、フッ素、カルボキ
シル基などの電子受容性置換基を有するものは負帯電を
帯びやすい。
【0062】帯電制御剤は正帯電用にはニグロシン系染
料、第4級アンモニウム系化合物など、負帯電トナーに
はアルキルサルチル酸の金属錯体、アゾ系含金属錯体な
どが用いられる。その他添加剤として、熱ロール定着の
オフセット防止剤として低分子量ポリエチレン、低分子
量ポリプロピレンなどが用いられる。
【0063】本発明の印刷物は、上記赤外線吸収材料お
よび有色顔料を含有む本発明のインキを用いて形成した
赤外線吸収パターン層を基板上に有するものである。
【0064】本発明の印刷物の赤外線吸収パターン層に
おいて、前記赤外線吸収材料の含有量は、近赤外領域に
おいて充分な吸収が得られ、パターン層を認識し、さら
にパターン層が情報パターン層である場合、確実に読み
取ることができるという観点から適宜決定できるが、例
えば、40〜60重量%の範囲とすることが適当であ
る。
【0065】本発明において赤外線吸収パターン層は、
非情報パターン及び情報パターンを包含する。非情報パ
ターンとしては検知マーク等を挙げることができる。ま
た、情報パターンとしては、コードパターンを挙げるこ
とができる。コードパターンとしては、バーコードを例
示でき、バーコードは1次元のバーコード以外に2次元
コード等であってもよい。特に本発明では、高い解像度
が得られることから、2次元コードに有効である。コー
ドパターンの形状は、1次元バーコード、2次元バーコ
ードの他に、文字、記号等であってもよい。
【0066】又、検知マークとは、光学的検知方法を用
いた複写機にて画像を形成する際に、光学的に検知され
ない透明シートの紙送りタイミング等の設定のために設
けられるマークである。検知マークの形状や検知マーク
を設ける透明シート上の位置については、特に制限はな
い。例えば、特開昭58−106550号、同58−1
05157号、同59−7367号及び特開平3−99
878号公報に記載されているような、検知マークが挙
げられる。
【0067】本発明の印刷物の赤外線吸収パターン層
は、例えば、図12として示すように約975nmに強
い吸収を示す。この吸収は、赤外線吸収材料単独で測定
した場合より小さいが、パターン層が情報パターン層で
ある場合、情報を確実に読み取ることができる程度の吸
収を示す。従って、上記赤外線吸収パターン層に照射光
源として、例えば半導体レーザーのパルス状の赤外光又
は発光ダイオードの赤外発光(波長950nm)に対し
て900nm以下の光及び1000nm以上の光を吸収
するバンドパスフィルターをコーティングしたレンズ等
を受光センサー側に取り付けて赤外線を照射すると、鋭
い吸収シグナルとして識別できる。
【0068】上記赤外線吸収パターン層がバーコードで
ある場合、吸収を行うバーの部分(印刷部)と、反射を
行うスペースの部分(非印刷部)の間に、照射赤外光の
吸収/反射の反射光の濃淡が形成され、バーコードのシ
グナルを読み取ることができる。但し、上記赤外線吸収
材料は可視領域に吸収を有さないため、肉眼で視認する
ことはできない。また、検知マークの場合、吸収を行う
検知マーク(印刷部)と、反射を行う非印刷部の間に、
照射赤外光の吸収/反射の反射光の濃淡が形成され、検
知マークが認識される。
【0069】基板の材料は、赤外線吸収パターン層の認
識や情報読み取りを阻害しないという観点から、赤外線
を実質的に吸収しないものであることが好ましい。例え
ば、紙、プラスチック、不織布、金属、セラミックス等
を例示できる。また物品としては、特に制限はなく、パ
ンフレット、ラベル、カード、容器、成形品等を例示で
きる。
【0070】本発明の印刷物においては、上記赤外線吸
収パターン層以外に、必要により下地層、中間層、保護
層、印刷層等を設けることができる。例えば、図10に
示すように基板10の上に設けた赤外線吸収パターン層
20上に赤外線領域に実質的に吸収を有さない保護層、
例えば、OPクリアー層30を設けることができる。こ
のような保護層を設けることで、赤外線吸収パターン層
を摩耗等から保護することができる。上記保護層や中間
層は、本発明のインキのビヒクルを構成する樹脂として
例示した各種樹脂を用いて形成することができる。
【0071】また、図11に示すように、基板10の上
に下地層40を設けその上に赤外線吸収パターン層20
を設けることもできる。下地層40と赤外線吸収パター
ン層20との色を合致させることで、赤外線吸収パター
ン層20を不可視化することができる。この場合、さら
に赤外線吸収パターン層20の上に保護層(図示せず)
を設けることもできる。
【0072】また、上記印刷層は、赤外線領域に実質的
に吸収を有さないインキ、例えば、墨インキとしてフォ
ーマットブラックを用いるプロセスインキを用いて形成
することができる。プロセスインキは、黄インキ、マゼ
ンタインキ、シアンインキ及び墨インキの4色からな
り、4色を刷り重ねることによりすべての色を再現する
ことが可能なインキである。一般のプロセスインキで
は、墨インキ用の顔色としてカーボンブラックを用い
る。しかし、本発明では、赤外線吸収パターン層の赤外
線吸収を妨げないという観点から、墨インキとして、
黄、マゼンタ、シアンの混色墨であるフォーマットブラ
ックを用いることが好ましい。また、白色印刷層を形成
する場合、赤外線領域に実質的に吸収を有さない白色顔
料を含有するインキを用いることが適当である。
【0073】図9に4色のプロセスインキの吸収スペク
トルを示す。まず、黄インキ、マゼンタインキ及びシア
ンインキは800nm以上の赤外線領域には吸収を有さ
ない。カーボンブラックは、800nm以上の赤外線の
領域においても強い吸収を有するのに対し、フォーマッ
トブラックは800nm以上には実質的に吸収を有さな
い。そのため、フォーマットブラックを墨インキとして
用いたプロセスインキを用いて形成した印刷層は、パタ
ーン層の赤外線吸収を妨げることがないので望ましい。
この印刷層は、下地層として用いることもできる。
【0074】本発明の印刷物のパターン層を識別するた
めに用いる検知機器において、光源としては、従来から
知られている赤外LED(発光ダイオード)や赤外レー
ザー等の赤外線光源をそのまま用いることが可能であ
る。また、赤外線吸収の検出は、例えばフォトトランジ
スターを用いて行うことができる。
【0075】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。 参考例1 酸化イッテルビウム(Yb2 3 )粉末1モル当量を少
量の希塩酸(10wt%純正化学)に加熱溶解した。放
冷後、希硫酸(20wt%純正化学)3モル当量を加え
て良く混合した。次いで、過剰量のエタノールを添加し
て結晶を沈殿させた。得られた沈殿物を吸引濾過し、塩
化物イオンがなくなるまで(濾液に硝酸銀を添加して白
濁しなくなるまで)エタノールで洗浄した。洗浄後、風
乾してYb2 (SO4 3 ・nH2 Oが得られた。得ら
れた結晶は吸湿性もなく、安定に存在した。
【0076】上記で得られた結晶の分光反射率を測定し
た結果を図1に示す。その結果、近赤外領域に約50%
の吸収を有していた。尚、測定は、島津製作所製自記分
光光度計UV3101PCを用い、硫酸バリウムの反射
率を100%として行った。さらに、上記で得られた結
晶を粒度分布計(Photal粒度分布測定装置PAR
−III)により粒子径の測定を行った。その結果を図
2に示す。図2の結果から、この結晶中には、0.6μ
m程度の一次粒子と12μm程度の二次粒子とが混在す
ることが分かる。
【0077】参考例2 酸化イッテルビウム(Yb2 3 )粉末1モル当量を酢
酸水溶液(50wt%純正化学)6モル当量に加え、1
20℃で2時間還流を行い、イッテルビウムの酢酸塩の
沈殿物を得た。得られた沈殿物を90℃で五酸化二リン
(P2 5 )上で真空乾燥した。その結果、Yb(CH
3 COO)3 ・nH2 Oが得られた。得られた結晶は吸
湿性もなく、安定に存在した。上記で得られた結晶の分
光反射率を参考例1と同様にして測定した。結果を図3
に示す。その結果、近赤外領域に約45%の吸収を有し
ていた。
【0078】参考例3 酸化イッテルビウム〔Yb2 3 〕微粉末(信越化学
製)7.9重量部と7.2重量部の酢酸とを140℃で
30分間還流反応させて酢酸イッテルビウム〔Yb(C
3 COO)3 〕・nH2 Oを沈殿として得て、90
℃、12時間真空乾燥して無水粉とした。次に得られた
酢酸イッテルビウム無水粉と17.9重量部のトリn−
ブトキシバリウム〔Ba(C4 9 O)2 〕(金属バリ
ウム(純正化学製)をn−ブタノールに溶解して作製)
とを1000重量部のn−ブタノール中、160℃で1
時間還流置換させて、トリn−ブトキシイッテルビウム
〔Yb(C4 9 O)3 〕溶液を得て、酢酸バリウム沈
殿と遠心分離(3500rpm、30分間)により分離
した。上記で得られたトリn−ブトキシイッテルビウム
溶液1000重量部(トルエン−ブタノール 1:1溶
液)とオルトリン酸(含水率15%)12重量部を20
0重量部のトルエン−ブタノール 1:1溶液に溶解し
た溶液とを混合し、さらに1×10-4重量部のアンモニ
アを加えた水1.62重量部を添加し、20kHzの超
音波を与えながら加水分解反応を行った。その結果、3
0分後透明な微細結晶としてリン酸イッテルビウムが生
成した。
【0079】次いでリン酸イッテルビウムを含む溶媒中
にシランカップリング剤であるSi(CH3 O)3 (C
2 =C(CH3 )−COOCH2 CH2 CH2 )をリ
ン酸イッテルビウム100重量部に対して1重量部添加
して表面処理を行った。表面処理されたリン酸イッテル
ビウムは、遠心分離(3500rpm、30分間)する
ことによりウエットケーキ(固形分18%)として回収
された(収率:74%)。
【0080】上記で得られたYbPO4 のウエットケー
キの分光反射率を測定した結果を図4に示す。尚、測定
は、島津製作所製自記分光光度計UV3101PCを用
い、硫酸バリウムの反射率を100%として行った。ま
た、上記で得られたYbPO4 のウエットケーキ中の結
晶の粒子径を粒度分布計(Photal粒度分布測定装
置PAR−III)により測定した。その結果を図5に
示す。その結果、上記ウエットケーキには約70〜48
0nmの粒子径を有するYbPO4 結晶が含まれている
事が分かる。さらに上記で得られたYbPO4 のウエッ
トケーキ中の結晶のX線回折パターンを測定し(測定装
置:リガク,RINT−1500)、図6に示す。その
結果、この結晶は極めて結晶性が高いことが分かる。
【0081】比較例1 酸化イッテルビウム〔Yb2 3 〕粉末(市販品)10
0重量部及び五酸化リン(P2 5 )粉末100重量部
とを混合し混合物を白金ルツボに入れ、1300℃に加
熱した電気炉中で2時間加熱溶融した。その後、200
℃/hrの速度で徐冷して固体を得た。この固体をアル
ミナボールミルで粉砕したところ、平均粒子径は約20
μmであった。さらにこの固体を粉砕して平均粒子径が
約1μmの粉末を得た。上記平均粒子径が約20μmの
固体と約1μmの粉末の分光反射率とX線回折パターン
をそれぞれ図7及び図8に示す。その結果、粉砕するこ
とにより近赤外領域の吸収が低下することが分かる。さ
らに、X線回折パターンはいずれの場合もバックグラン
ドのノイズが大きく、結晶性がほとんどないことが分か
る。
【0082】実施例1 参考例1で得た結晶粉末45重量部を、アクリル系樹脂
15重量部、シクロヘキサノン30重量部及びスワゾー
ル1000 10重量部からなるビヒクルに添加混合し
てシルクスクリーンインキを調製した。さらに、このイ
ンキに以下の組成を有するシアンインキ20重量部を添
加混合して、赤外線吸収シアンインキを作製した。シアンインキ 顔料(フタロシアニンブルー) 20重量部 アクリル系樹脂 65重量部 増感剤 10重量部 ワックス 5重量部 基材としてミラーコート紙(200μm)を用い、その
表面に150メッシュのバーコードスクリーン版を用い
シルク印刷を行い、青色の赤外線吸収バーコード層を形
成した。得られた赤外線吸収バーコード層の分光反射率
スペクトルを図12に示す。さらに上記赤外線吸収バー
コードの情報を光源として赤外LED(SHARP、G
L480Q:ピーク発光波長950nm)を受光部とし
てフォトダイオード(SHARP、PD413PI:ピ
ーク感度波長960nm)を用いて読み取ったところ、
その情報を読みとることができた。
【0083】実施例2 参考例2で得た結晶粉末55重量部を、アトライターに
てアクリル系樹脂7重量部、エステルワックス15重量
部、パラフィンワックス22重量部、分散剤1重量部
と、さらには下記に組成を示すマゼンタインキを20重
量部混合し、粉砕することによって、1μm以下の微粒
子分散赤色インキを得た。マゼンタインキ 顔料(ブリリアントカーミン6B) 20重量部 アクリル系樹脂 70重量部 増感剤 5重量部 ワックス 5重量部 このワックスインキを用いて熱転写インクリボンを作製
し、バーコードプリンターによってPETフィルム(2
50μm)に赤色2次元バーコードを印刷した。得られ
た赤外線吸収バーコード層の分光反射率スペクトルを図
13に示す。実施例と同様に読み取り試験を行ったとこ
ろ、同様に、バーコード情報を読み取ることができた。
【0084】実施例3 参考例3で得た結晶粉末50重量部および着色顔料とし
てジスアゾイエローAAMX10重量部、アクリル系樹
脂30重量部、ワックス7重量部、増感剤3重量部を混
合してオフセット用黄色インキを得た。このインクを用
いてコート紙上にバーコードをオフセット印刷した。得
られたバーコードは、黄色を呈していた。得られた赤外
線吸収バーコード層の分光反射率スペクトルを図14に
示す。さらに、このバーコードを実施例1と同様にして
読み取り試験を行った。その結果、バーコード情報を読
み取ることができた。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、赤外領域にのみ吸収を
持ち、可視光領域では吸収を行わない新たな顔料を用い
た、黒色、青色、緑色、赤色、黄色等の好みの色を有す
るコードパターン等のパターン層を形成できるインキを
提供することができる。さらに本発明によれば、赤外領
域にのみ吸収を持ち、可視光領域では吸収を行わない新
たな顔料を用いた、黒色、青色、緑色、赤色、黄色等の
好みの色を有するコードパターン等のパターン層を有す
る印刷物を提供できる。加えて本発明によれば、赤外領
域にのみ吸収を持ち、可視光領域では吸収を行わない新
たな顔料を用いた、黒色、青色、緑色、赤色、黄色等の
好みの色を有するコードパターン等のパターン層であっ
て、波長950nmの赤外LEDを用いてもその赤外線
吸収により識別が可能なパターン層を有する印刷物を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1で得た硫酸イッテルビウム結晶の分
光反射率のスペクトルを示す。
【図2】 参考例1で得た硫酸イッテルビウム結晶の粒
度分布を示す。
【図3】 参考例2で得た酢酸イッテルビウム結晶の分
光反射率のスペクトルを示す。
【図4】 参考例3で得たYbPO4 粉末の分光反射率
のスペクトルを示す。
【図5】 参考例3で得たYbPO4 の結晶の粒度分布
を示す。
【図6】 参考例3で得たYbPO4 の結晶のX線回折
パターンを示す。
【図7】 比較例1で得たYbPO4 粉末(平均粒子径
20μm及び1μm)についての分光反射率のスペクト
ルを示す。
【図8】 比較例1で得たYbPO4 粉末(平均粒子径
20μm及び1μm)についてX線回折パターンを示
す。
【図9】 黄インキ、マゼンタイキン、シアンインキ、
フォーマットブラックインキの吸収スペクトル及び赤外
線吸収コードパターンの吸収スペクトルを示す。
【図10】 本発明の印刷物の説明図。
【図11】 本発明の印刷物の説明図。
【図12】 実施例1で得た印刷物のパターン層の分光
反射率のスペクトルを示す。
【図13】 実施例2で得た印刷物のパターン層の分光
反射率のスペクトルを示す。
【図14】 実施例3で得た印刷物のパターン層の分光
反射率のスペクトルを示す。
【符号の説明】
10:基板 20:赤外線吸収コードパターン層 30:保護層 40:下地層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イッテルビウム酸塩(但し、リン酸イッ
    テルビウムを除く)粒子及び着色顔料を含有することを
    特徴とする赤外線吸収パターン形成用インキ。
  2. 【請求項2】 イッテルビウム酸塩粒子が硫酸イッテル
    ビウム粒子及び酢酸イッテルビウム粒子からなる群から
    選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のインキ。
  3. 【請求項3】 結晶性が高く、粒子径が0.5μm以下
    であるYbPO4 粒子及び着色顔料を含有することを特
    徴とする赤外線吸収パターン形成用インキ。
  4. 【請求項4】 YbPO4 粒子がカップリング剤で表面
    処理されている請求項3記載のインキ。
  5. 【請求項5】 基材上に赤外線吸収パターン層を有する
    印刷物であって、前記赤外線吸収パターン層はイッテル
    ビウム酸塩(但し、リン酸イッテルビウムを除く)粒子
    と着色顔料を含むことを特徴とする上記印刷物。
  6. 【請求項6】 イッテルビウム酸塩粒子が硫酸イッテル
    ビウム粒子及び酢酸イッテルビウム粒子からなる群から
    選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の印刷物。
  7. 【請求項7】 基材上に赤外線吸収パターン層を有する
    印刷物であって、前記赤外線吸収パターン層は結晶性が
    高く、粒子径が0.5μm以下であるYbPO4粒子と
    着色顔料を含むことを特徴とする上記印刷物。
  8. 【請求項8】 YbPO4 粒子がカップリング剤で表面
    処理されている請求項7記載の印刷物。
  9. 【請求項9】 赤外線吸収パターン層が、赤外線吸収情
    報パターン層または赤外線吸収非情報パターン層である
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の印刷物。
  10. 【請求項10】 赤外線吸収情報パターン層が1次元バ
    ーコードまたは2次元バーゴードである請求項9記載の
    印刷物。
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