JPH09313576A - 蒸気滅菌器 - Google Patents

蒸気滅菌器

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JPH09313576A
JPH09313576A JP8135125A JP13512596A JPH09313576A JP H09313576 A JPH09313576 A JP H09313576A JP 8135125 A JP8135125 A JP 8135125A JP 13512596 A JP13512596 A JP 13512596A JP H09313576 A JPH09313576 A JP H09313576A
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Susumu Yashiro
進 屋代
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の滅菌工程及び乾燥工程の他に、清掃工
程を加えることによって、手作業による清掃作業の煩わ
しさを解消する。 【解決手段】 チャンバ内に被滅菌物を収納して、貯水
タンクからチャンバ内に滅菌用水を所定の水位となるよ
うに供給し、チャンバ内に配置された加熱ヒータによっ
てその滅菌用水を加熱して、気密状態のチャンバ内に高
圧蒸気を発生させ、その高圧蒸気によって被滅菌物を滅
菌する蒸気滅菌器において、チャンバ内に被滅菌物を収
納しない状態で、貯水タンクからチャンバ内に滅菌用水
を所定の水位となるように供給し、加熱ヒータによって
その滅菌用水を清掃温度まで加熱して(ステップS19
〜S24)、気密状態のチャンバ内に高圧蒸気を発生さ
せ、この後チャンバ内の滅菌用水を貯水タンクに戻す清
掃工程を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱ヒータによる
加熱によって注入された滅菌用水を高温、高圧の蒸気と
することにより、チャンバ内に収納された医療用器具等
の被滅菌物の滅菌処理を行う蒸気滅菌器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】蒸気滅菌器は、チャンバ内に被滅菌物を
収納して、チャンバ内に滅菌用水を所定の水位となるよ
うに供給し、チャンバ内に配置された加熱ヒータによっ
てその滅菌用水を加熱して、気密状態のチャンバ内に高
圧蒸気を発生させ、その高圧蒸気によって被滅菌物を滅
菌、消毒するものである。
【0003】そのため、蒸気滅菌器は、貯水タンクとチ
ャンバとを連通する給排水管と、この給排水管の開閉を
行う給排水弁と、チャンバ内に発生した蒸気を排出する
排気管と、この排気管の開閉を行う排気弁とを備えると
ともに、チャンバ内の温度を検出する温度検出部と、チ
ャンバ内に注入された滅菌用水の水位を検出する水位検
出部とを備えている。また、貯水タンクとチャンバとを
連通する給排水管には、異物を除去するためのフィルタ
がチャンバの近傍に取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような蒸気滅菌器
を実際に使用する場合、滅菌用水には様々な種類の水
(精製水、イオン交換水、井戸水、通常の水道水等)が
使用される。一般的には、通常の水道水が使用される
が、水道水には一定範囲の基準が設けられており、地域
によって水質はまちまちである。そのため、これらの水
道水を滅菌用水として使用すると、チャンバ内部の滅菌
用水が満たされる部分に、カルシュウムやマグネシュウ
ムなどの残留物が次第に蓄積されることになる。
【0005】また、被滅菌物として、インスツルメント
(金属の道具)や綿花、ガーゼなどがチャンバ内に収納
されるが、これらの被滅菌物に付着した異物や綿の破
片、ガーゼの糸くずなどが滅菌中にチャンバ内に落ちる
ことがある。
【0006】そのため、これらの残留物を清掃せずに放
置していると、水位検出部に水垢やカルシュウム、マグ
ネシュウムといった残留物が付着して、水位を検出でき
なくなったり、チャンバ内の異物等がフィルタなどに詰
まって、運転時に滅菌用水をチャンバ内に給水できなく
なるといった不具合を生じることになる。
【0007】そのため、何回が使用したときには、定期
的にチャンバ内を清掃する必要があるが、従来はこのよ
うな清掃作業を使用者自身が手作業で行っていたため、
煩わしい作業となっていた。
【0008】本発明は係る問題点を解決すべく創案され
たもので、その目的は、従来の滅菌工程及び乾燥工程の
他に、清掃工程を加えることによって、手作業による清
掃作業の煩わしさを解消した蒸気滅菌器を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の蒸気滅菌器は、チャンバ内に被滅菌物を収
納して、貯水タンクからチャンバ内に滅菌用水を所定の
水位となるように供給し、チャンバ内に配置された加熱
ヒータによってその滅菌用水を加熱して、気密状態のチ
ャンバ内に高圧蒸気を発生させ、その高圧蒸気によって
被滅菌物を滅菌する蒸気滅菌器において、前記チャンバ
内に被滅菌物を収納しない状態で、前記貯水タンクから
チャンバ内に滅菌用水を所定の水位となるように供給
し、前記加熱ヒータによってその滅菌用水を清掃温度ま
で加熱して、気密状態のチャンバ内に高圧蒸気を発生さ
せ、この後チャンバ内の滅菌用水を前記貯水タンクに戻
す清掃工程を備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0011】図2は、本発明の蒸気滅菌器の概略構成図
を示している。
【0012】同図において、蒸気滅菌器は、主として医
療用器具(ピンセット、注射針等)や綿花、ガーゼとい
った被滅菌物(図示省略)を収納するチャンバ1と、こ
のチャンバ1内に給水する滅菌用水を貯留する貯水タン
ク8と、この貯水タンク8とチャンバ1とを連通する給
排水管6と、この給排水管6の開閉を行う給排水弁7
と、チャンバ1内に発生した蒸気を排出する排気管9
と、この排気管9の開閉を行う排気弁10とを備えてお
り、給排水管6とチャンバ4との接続部には、チャンバ
1内に残留する異物が給排水管6を通って貯水タンク8
側に逆流しないように、これを除去するフィルタ13が
設けられている。
【0013】チャンバ1には、その一側部に開閉蓋2が
装着されている。また、チャンバ1の内底部には、被滅
菌物を載置する載置台5が設けられているとともに、チ
ャンバ1内に給水された滅菌用水の水位を検出する水位
検出部3と、給水された滅菌用水を加熱する加熱ヒータ
4とが設けられている。さらに、チャンバ1には、チャ
ンバ1内の温度を検出する温度検出部11と、チャンバ
1内の圧力を検出する圧力検出部12とが設けられてい
る。
【0014】給排水弁7及び排気弁10としては、例え
ば電磁弁やボールバルブが好適に用いられる。
【0015】図1は、上記構成の蒸気滅菌器の電気的構
成を示すブロック図である。
【0016】すなわち、温度検出部11の出力は、その
検出温度に基づいて温度変化(例えば温度勾配)を計測
する温度勾配計測部14に導かれており、圧力検出部1
2の出力は、その検出圧力に基づいて圧力変化(例えば
圧力勾配)を計測する圧力勾配計測部15に導かれてい
る。
【0017】また、蒸気滅菌器の動作全体を制御する制
御部17には、温度勾配計測部14及び圧力勾配計測部
15の各出力が導かれているとともに、水位検出部3の
出力が導かれている。
【0018】また、制御部17の各制御出力は、加熱ヒ
ータ4を駆動するヒータ駆動部19と、給排水弁7を開
閉駆動する給排水弁駆動部20と、排気弁10を開閉駆
動する排気弁駆動部21とに導かれている。
【0019】ここで、蒸気滅菌器の通常時の動作につい
て、図3及び図4に示すフローチャートを参照して説明
する。
【0020】貯水タンク8内には、予め滅菌用水が貯留
されており、蒸気滅菌器を動作させる前に、まずチャン
バ1の開閉蓋2を開放して、被滅菌物をチャンバ1内の
載置台5に載置する。その後、開閉蓋2を閉じて、チャ
ンバ1内を気密状態に密閉する。
【0021】この状態において、図示しないキー操作に
よって通常の滅菌工程を指示すると(ステップS1)、
制御部17は、給排水弁駆動部20を制御して、給排水
弁7を開く。これにより、貯水タンク8内の滅菌用水が
その高低差によって給排水管6を通り、チャンバ1内に
給水される(ステップS2)。このとき、排気弁10
は、開いた状態となっている。そして、水位検出部3に
よって滅菌用水が所定の水位まで給水されたことを確認
すると、制御部17は、給排水弁駆動部20を制御し
て、給排水弁7を閉じる(ステップS3)。
【0022】この後、制御部17は、ヒータ駆動部19
を制御して、加熱ヒータ4に通電を開始する(ステップ
S4)。これにより、チャンバ1内の滅菌用水が加熱さ
れ、水温が上昇する。このとき、排気弁10が開状態と
なっていることから、チャンバ1内の圧力は大気圧(ほ
ぼ1気圧)で一定となっている。
【0023】そして、滅菌用水の沸点温度(100度)
付近に達すると、内部温度は沸点温度近傍で安定する。
制御部17は、内部温度が沸点温度近傍で安定したこと
を確認した後、排気弁10を閉じる(ステップS5,S
6)。
【0024】排気弁10を閉じると、チャンバ1が密閉
されることから、その後は飽和蒸気によって内部の圧力
が上昇するとともに、チャンバ1の内部温度も圧力上昇
とともに上昇する。そして、チャンバ1の内部温度が、
滅菌温度である例えば130度まで上昇すると、その後
は一定温度となるように制御部17が加熱ヒータ4を制
御する(ステップS7,S8)。そのため、これ以降は
滅菌温度である130度で安定するとともに、内部圧力
も一定に保たれることになる。
【0025】この状態において、制御部17は、滅菌時
間である時間T1を図示しない時計部によって計測する
と(ステップS9,S10)、加熱ヒータ4による加熱
を停止するとともに(ステップS11)、給排水弁7を
開放して(ステップS12)、チャンバ1内の滅菌用水
の一部を、チャンバ1内の高圧を利用して貯水タンク8
に還流させる。
【0026】そして、一定時間T2が経過して(ステッ
プS13)、チャンバ1内が大気圧よりも若干高い圧力
状態になると、給排水弁7を閉じるとともに(ステップ
S14)、排気弁10を開放する(ステップS15)。
【0027】これにより、チャンバ1内の蒸気が排気管
9を通って排出され、チャンバ1内の温度及び圧力が、
最終的には大気温度及び大気圧力まで低下して安定する
ことになる。
【0028】チャンバ1の内部が大気圧に等しい圧力に
なると、開閉蓋2を開放するとともに、ヒータ駆動部1
9を制御して加熱ヒータ4に通電し、チャンバ1の内部
を加熱する(ステップS16)。これにより、チャンバ
1内に進入した空気が加熱されて、チャンバ1の内部を
上方へと移動し、チャンバ1の内部において空気が循環
される。その結果、チャンバ1内に収納された被滅菌物
は、循環される加熱空気によって乾燥される。
【0029】その後、所定時間にわたり加熱ヒータ4に
よって被滅菌物が乾燥されると(ステップS17)、加
熱ヒータ4への通電を停止して(ステップS18)、全
ての制御を終了する。
【0030】このような滅菌工程及び乾燥工程の制御を
何度も繰り返し行うと、被滅菌物に付着した異物や綿の
破片、ガーゼの糸くずなどが滅菌中にチャンバ1内に落
ちる。また、水位検出部3に水垢やカルシュウム、マグ
ネシュウムといった残留物が付着する。そのため、この
まま放置しておくと、水位検出部3による水位の検出が
できなくなったり、チャンバ1内の異物等がフィルタ1
3に詰まって、運転時に滅菌用水をチャンバ1内に給水
できなくなるといった事態が発生する。
【0031】そこで、本発明の蒸気滅菌機では、何回が
使用したときに、図示しないキー操作によって清掃工程
を実施する。
【0032】すなわち、被滅菌物を収納しない状態で開
閉蓋2を閉じ、チャンバ1内を気密状態に密閉する。
【0033】この状態において、図示しないキー操作に
よって清掃工程を指示すると(ステップS1)、制御部
17は、給排水弁駆動部20を制御して、給排水弁7を
開く。これにより、貯水タンク8内の滅菌用水がその高
低差によって給排水管6を通り、チャンバ1内に給水さ
れる(ステップS19)。このとき、排気弁10は、開
いた状態となっている。そして、水位検出部3によって
滅菌用水が所定の水位まで給水されたことを確認する
と、制御部17は、給排水弁駆動部20を制御して、給
排水弁7を閉じる(ステップS20)。
【0034】この後、制御部17は、ヒータ駆動部19
を制御して、加熱ヒータ4に通電を開始する(ステップ
S21)。これにより、チャンバ1内の滅菌用水が加熱
され、水温が上昇する。このとき、排気弁10が開状態
となっていることから、チャンバ1内の圧力は大気圧
(ほぼ1気圧)で一定となっている。
【0035】そして、滅菌用水の沸点温度(100度)
付近に達すると、内部温度は沸点温度近傍で安定する。
制御部17は、内部温度が沸点温度近傍で安定したこと
を確認した後、排気弁10を閉じる(ステップS22,
S23)。
【0036】排気弁10を閉じると、チャンバ1が密閉
されることから、その後は飽和蒸気によって内部の圧力
が上昇するとともに、チャンバ1の内部温度も圧力上昇
とともに上昇する。そして、チャンバ1の内部温度が、
予め設定された清掃温度まで上昇すると(ステップS2
4)、その後、清掃温度を一定時間維持する場合には
(ステップS25)、制御部17が清掃温度を保つよう
に、加熱ヒータ4を制御する(ステップS26)。その
ため、これ以降は清掃温度で安定するとともに、内部圧
力も一定に保たれることになる。
【0037】この状態において、制御部17は、清掃時
間である時間T3を計測すると(ステップS27,S2
8)、加熱ヒータ4による加熱を停止するとともに(ス
テップS29)、給排水弁7を開放して(ステップS3
0)、チャンバ1内の滅菌用水の一部を、チャンバ1内
の高圧を利用して貯水タンク8に還流させる。
【0038】この後、給排水弁7を閉じるとともに(ス
テップS31)、排気弁10を開放して(ステップS3
2)、清掃工程を終了する。
【0039】一方、清掃温度に達した後、その清掃温度
を一定時間維持する必要がない場合には、ステップS2
5からステップS29へと動作を進めて、加熱ヒータ4
による加熱を停止するとともに、給排水弁7を開放して
(ステップS30)、チャンバ1内の滅菌用水の一部
を、チャンバ1内の高圧を利用して貯水タンク8に還流
させる。
【0040】この後、給排水弁7を閉じるとともに(ス
テップS31)、排気弁10を開放して(ステップS3
2)、清掃工程を終了する。
【0041】上記の清掃工程において、清掃温度は、沸
点温度から滅菌温度までの範囲内で任意に設定すればよ
い。
【0042】また、このような清掃工程は、1度だけで
もよいが、複数回連続して繰り返すようにしてもよい。
【0043】なお、このような滅菌工程や乾燥工程、及
び清掃工程等の実施項目を表示する表示部を設けて、使
用者にどの工程を実施中であるかを知らせるようにして
もよい。ここで、表示部としては、LED、LCD、C
RTなどが使用可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明の蒸気滅菌器は、チャンバ内に被
滅菌物を収納しない状態で、貯水タンクからチャンバ内
に滅菌用水を所定の水位となるように供給し、加熱ヒー
タによってその滅菌用水を清掃温度まで加熱して、気密
状態のチャンバ内に高圧蒸気を発生させ、この後チャン
バ内の滅菌用水を貯水水タンクに戻す清掃工程を備えた
構成としたので、チャンバ内部及び給排水管の清掃を自
動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸気滅菌器の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明の蒸気滅菌器の概略構成図である。
【図3】本発明の蒸気滅菌器の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図4】本発明の蒸気滅菌器の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 チャンバ 3 水位検出部 4 加熱ヒータ 6 給排水管 7 給排水弁 8 貯水タンク 9 排気管 10 排気弁 11 温度検出部 12 圧力検出部 14 温度勾配計測部 15 圧力勾配計測部 17 制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ内に被滅菌物を収納して、貯水
    タンクからチャンバ内に滅菌用水を所定の水位となるよ
    うに供給し、チャンバ内に配置された加熱ヒータによっ
    てその滅菌用水を加熱して、気密状態のチャンバ内に高
    圧蒸気を発生させ、その高圧蒸気によって被滅菌物を滅
    菌する蒸気滅菌器において、前記チャンバ内に被滅菌物
    を収納しない状態で、前記貯水タンクからチャンバ内に
    滅菌用水を所定の水位となるように供給し、前記加熱ヒ
    ータによってその滅菌用水を清掃温度まで加熱して、気
    密状態のチャンバ内に高圧蒸気を発生させ、この後チャ
    ンバ内の滅菌用水を前記貯水タンクに戻す清掃工程を備
    えたことを特徴とする蒸気滅菌器。
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