JPH09313148A - 食品、食品の保存方法、食品由来の酵素に対する抗体及び食品保存剤 - Google Patents
食品、食品の保存方法、食品由来の酵素に対する抗体及び食品保存剤Info
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- JPH09313148A JPH09313148A JP8132097A JP13209796A JPH09313148A JP H09313148 A JPH09313148 A JP H09313148A JP 8132097 A JP8132097 A JP 8132097A JP 13209796 A JP13209796 A JP 13209796A JP H09313148 A JPH09313148 A JP H09313148A
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Abstract
質が、安全に且つ有効に抑制されている食品を提供す
る。食品の変質を安全に且つ有効に抑制することができ
る食品の保存方法を提供する。安全性が高く、優れた効
果を発揮する食品の保存剤を提供する。 【解決手段】 食品由来の酵素に対する抗体を含有する
ことを特徴とする食品;原料として穀粉を含む上記食
品;食品由来の酵素に対する抗体を食品中に含有させる
ことを特徴とする食品の保存方法;食品が材料として穀
粉を含むものである、上記食品の保存方法;食品由来の
酵素に対する抗体;食品由来の酵素に対する抗体を含有
する全卵粉または卵黄粉;食品由来の酵素に対する抗体
を含有する食品保存剤。
Description
存方法に関する。より詳しくは、食品の製造中並びに製
造した食品の保存中に問題となる食品由来の酵素に起因
する変質が抑制された食品、及び食品の保存方法に関す
る。本発明はさらに、食品由来の酵素に対する抗体、該
抗体を含む全卵粉または卵黄粉、該抗体を含む食品保存
剤に関する。
でも最も重要な免疫機能である。組織や血液に侵入して
きた細菌やウイルスに対して、動物は体内に、特異的に
対応する免疫タンパク質、即ち抗体を産生する。従来抗
体は、細菌やウイルスに対する予防目的でワクチネーシ
ョン、蛇毒など毒素に対する中和作用などでの利用で実
用化され、さらに臨床検査薬としても利用されつつあ
る。最近になり、虫歯菌の菌体を抗原として作成した抗
体が知られていて、虫歯予防のガムなどに用いられてい
る。また、下痢ウイルスに対する抗体は、摂取すること
により抗ウイルス効果を示すという報告がある。このよ
うに抗体は、従来医療の目的にのみ利用されていて、人
体にとって有害な抗原に対する抗体を食品等に配合する
ことにとどまる。一方、食品の製造中並びに製造した食
品の保存中に問題となる現象には、食品材料に天然に内
在するタンパク質、特に酵素が関与していることが判明
している。上述のように、従来ウイルスや細菌に対する
抗体の利用は知られていたが、食品における上記の問題
点の改善に、酵素に対する抗体を利用することは知られ
ていなかった。
の製造中並びに製造した食品の保存中において、食品中
に天然に存在する酵素に起因する食品の変質が抑制され
た食品、及びそのような抑制効果を発揮する食品の保存
方法を提供することである。さらに、食品由来の酵素に
対する抗体、該抗体を含む食品保存剤を提供することで
ある。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、食品材料に天
然に内在している酵素に対する抗体を、食品中に含有さ
せることによって、該抗体が、食品の変質の原因となる
酵素と結合して、その酵素の活性を阻害し、食品の製造
中あるいは製造した食品の保存中において食品の変質を
抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。従って本発明は、食品由来の酵素に対する抗体を含
有することを特徴とする食品に関する。本明細書中にお
いて「食品由来の酵素」とは、食品材料中に天然に内在
している酵素をいう。本発明はまた、食品由来の酵素に
対する抗体を食品中に含有させることを特徴とする食品
の保存方法に関する。さらに本発明は、食品由来の酵素
に対する抗体、食品由来の酵素に対する抗体を含有する
全卵粉または卵黄粉、及び食品由来の酵素に対する抗体
を含有する食品保存剤に関する。
の保存中における食品の変質とは、例えば、ボリューム
が求められるパン、ケーキといった食品におけるボリュ
ーム減少、食品の物性の変化、異臭発生、食味の変化、
風味の変化、変色、栄養低下などが挙げられる。これら
の変質には、食品材料に天然に内在する種々の酵素が関
与していることが知られている。例えば食品のボリュー
ム減少に関与する酵素として、炭水化物分解酵素が挙げ
られ、具体的にはホスホリラーゼ、アミラーゼ、インベ
ルターゼ、解糖系酵素群、ペクチナーゼなどがある。ア
ミラーゼは、デンプンやグリコーゲンなどの多糖類中の
α−1,4 及びα−1,6 グリコシド結合を加水分解する酵
素である。小麦粉では、アミラーゼ活性が高いとデンプ
ンが分解し、低アミロと称されるパンやケーキのボリュ
ームがでないという現象が起こり問題となる。食品の物
性変化に関与する酵素として、タンパク分解酵素が挙げ
られ、代表的な酵素としてプロテアーゼがある。食品に
おける異臭発生に関与する酵素としては、脂質分解酵素
が挙げられ、代表的なものとしてリパーゼがある。リパ
ーゼは動物組織、植物種子や微生物に多く存在する。植
物由来リパーゼは、これを含む原料を用いた食品、例え
ばビスケットなどを製造する際に働き、異臭が発生する
ことがある。また、脂質を含んだ食品に、微生物が汚染
し、微生物由来のリパーゼが働き異臭が発生することが
ある。
分解酵素が挙げられ、具体的にミオキナーゼ、ATPア
ーゼ、デアミナーゼ、キサンチンオキシダーゼなどがあ
る。風味の変化に関与する酵素としては、フレーバーの
分解酵素があり、具体的にはポリフェノールオキシダー
ゼ、カタラーゼ、パーオキシダーゼ、クロロフィラー
ゼ、フレーバー酵素類が挙げられる。また、変色につい
ては特に生麺、野菜や果物に関する変色が問題となり、
変色に関与する酵素としては、褐変酵素があり、チロシ
ナーゼを代表とする酸化酵素類が挙げられる。チロシナ
ーゼは小麦、リンゴ、ジャガイモ、マッシュルームな
ど、各種の植物に含まれ、フェノール類を酸化して褐色
物質を生成し、生麺のスペック発生、野菜・果物の褐変
の中心的な役割を果している酸化還元酵素である。この
活性を抑えることによって褐変を防止することができ
る。栄養低下に関与する酵素としてはビタミン類分解酵
素が挙げられ、具体的にはアスコルビン酸オキシダー
ゼ、チアミナーゼなどがある。
由来の酵素に対する抗体として、上記の炭水化物分解酵
素、タンパク質分解酵素、脂質分解酵素、核酸分解酵
素、フレーバーの分解酵素、褐変酵素またはビタミン類
分解酵素に対する抗体を使用することが挙げられる。本
発明においてはまた、単独の酵素に対する抗体を食品に
含有させてもよいし、あるいは異なる2種以上の酵素に
対する抗体を含有させてもよい。従って本発明は、より
具体的に、炭水化物分解酵素、タンパク質分解酵素、脂
質分解酵素、核酸分解酵素、フレーバーの分解酵素、褐
変酵素及びビタミン類分解酵素からなる群から選ばれる
少なくとも1種に対する抗体を含有する食品に向けられ
ている。また、炭水化物分解酵素、タンパク質分解酵
素、脂質分解酵素、核酸分解酵素、フレーバーの分解酵
素、褐変酵素及びビタミン類分解酵素からなる群から選
ばれる少なくとも1種に対する抗体を食品に含有させる
ことを特徴とする食品の保存方法に向けられている。本
発明における食品は特に制限されるものではないが、具
体的には、胚芽や小麦粉といった穀粉を原料とする食
品、例えばパン、ケーキ、ビスケット、中華麺及びうど
んといった麺類、野菜、果物、野菜や果物を加工した食
品などが挙げられる。
一群の糖タンパク質で、魚類以上の動物の体液中(血
液、唾液、乳汁など)及び卵中に存在し、通常IgG 、Ig
M 、IgA 、IgD 、IgE に分類される。この中でIgG は、
ヒト血清中で最も高濃度(8〜15mg/ml)に含まれる。本
発明に使用する抗体の製造に関して、その抗体を魚類以
上の動物、すなわち魚類、鳥類、哺乳類動物の血液とい
った体液中、あるいは鶏卵中に産生させることができ
る。特に鶏卵を用いることが、大量製造、衛生面で最も
適している。鳥類、とくにニワトリは、血清中だけでは
なく、鶏卵にも抗体が存在し、卵白にはIgA とIgM が、
卵黄にはIgG のみが存在する。卵黄中のIgG は、哺乳類
のIgG とは若干物理化学的性質が異なるのでIgY と一般
に呼ばれている。このように卵黄にはIgY のみが存在す
ることから、抗体の精製が容易となる。抗体の製造に鶏
卵を用いる利点としては更に、食経験が長く、栄養強化
や食品の品質向上を目的として食品に一般的に配合され
ていて、食品の味・品質に影響しにくい点がある。ま
た、液状、粉末状に加工でき、血液と異なり扱いやす
い。本発明における抗体は、免疫した鶏の卵より、全卵
液、卵黄液として、全卵液を粉末化した全卵粉として、
卵黄液を粉末化した卵黄粉として、また卵黄水溶液タン
パク質をイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過、塩
析など、公知のタンパク質精製法により精製された精製
鶏卵抗体として等、各種の形態で調製され、これらの形
態で使用することができる。
対する抗体、及び食品由来の酵素に対する抗体を含有す
る全卵粉または卵黄粉に向けられている。また、上記の
食品由来の酵素に対する抗体は、食品保存剤の成分とす
ることができる。従って本発明はまた、食品由来の酵素
に対する抗体を含有する食品保存剤に関する。該食品保
存剤とは、上記に説明したような食品の製造中並びに製
造した食品の保存中における食品の変質、例えば、ボリ
ュームが求められるパン、ケーキといった食品における
ボリューム減少、食品の物性の変化、異臭発生、食味の
変化、風味の変化、変色、栄養低下などを抑制するもの
を意味する。食品保存剤の形態は、固形状でも液状でよ
く、例えば精製した抗体、全卵粉、卵黄粉あるいは抗体
を水に懸濁させた懸濁液でもよい。
として鶏卵を用いる場合、食品材料中に天然に内在して
いる酵素、例えば麦由来のアミラーゼ、小麦由来のチロ
シナーゼ、食品の変色に関与する酵素(チロシナーゼ、
カテコールオキシダーゼ、モノフェノールモノオキシゲ
ナーゼ等)や食品の物性に関与する酵素(アミラーゼ、
プロテアーゼ等)、食品の悪臭に関与する酵素(リパー
ゼ等)などを用いて、通常の免疫方法でニワトリを免疫
して製造することができる。免疫に使用する鶏の代表的
なものとして、白色レグホンを挙げることができる。免
疫方法としては通常皮下注射が行われるが、鶏を免疫す
ることのできる方法であれば特に制限はない。抗原物質
の投与量は、所望の抗体価が得られ、かつ鶏に対して悪
影響を与えない程度の量を適宜選択すればよい。免疫は
FCA(フロイント完全アジュバント)やFIA(フロ
イント不完全アジュバント)を併用することができる。
初回免疫後、適当な間隔で追加免疫を行うのが一般的で
ある。初回投与から3〜5回程度繰り返し投与すると、
抗原に特異的に反応する抗体が鶏卵中に得られる。鶏卵
中の抗体力価は、酵素免疫測定法(ELISA)、ラジ
オイムノアッセイ、マイクロタイター法などを用いて測
定することができる。
液、卵黄液、それらを粉末化した全卵粉、卵黄粉、また
IgY として精製された形態で、食品に含有させることが
できる。好ましくは、全卵粉、卵黄粉あるいは懸濁液と
して使用される。抗体の食品への添加量は、抗体の形態
により、あるいは食品中に存在する酵素活性の強さによ
り適宜変動させることができる。しかしながら、いずれ
の形態の抗体であっても、食品へのその添加量は一般的
に、0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重
量%程度である。例えば生麺、パン、ビスケットなどを
製造するときには穀粉に対して0.001〜20重量%程
度が適当であり、好ましくは0.01〜10重量%程度で
ある。本発明の食品、あるいは食品の保存方法における
抗体の添加は、食品の製造工程において適宜行えばよ
い。例えば生麺にチロシナーゼ抗体を含有させる場合、
穀粉に混ぜて製麺する、練り水に入れて製麺する、
あるいは中華麺では、かん粉に混ぜて製麺するといっ
た態様がある。また、低アミロ粉(アミラーゼ活性の高
い小麦粉)でのパンの製造においてアミラーゼ抗体を使
用する場合、穀粉に混ぜて製パンする、練り水に入
れて製パンする、イースト、イーストフードに混ぜ
て、製パンするといった態様がある。ビスケットの製造
にリパーゼ抗体を使用する場合、穀粉に混ぜて使用す
る、ビスケット製造中に適宜添加するといった態様が
ある。野菜・果物では、特にカット野菜、カット果物、
及び野菜や果物を原料としたジュースにおいて変色の問
題がある。この場合には抗体を懸濁液として使用するこ
とが有利である。一般に抗体を0.001〜20重量%、
好ましくは0.01〜10重量%含む懸濁液を使用するこ
とができる。例えば、抗体懸濁液を野菜・果物、ある
いはその切断・粉砕物に噴霧する、抗体懸濁液に、野
菜・果物、あるいはその切断・粉砕物を浸漬する、野
菜・果物ジュース製造の搾汁の際に添加するといった態
様がある。
発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの記載に限定
されるものではない。
によりニワトリを免疫した。鶏卵より全卵及び卵黄を
得、一部全卵粉、卵黄粉とした。麦由来アミラーゼは、
発芽した麦より酢酸緩衝液(pH 6.5) により抽出し、硫
安分画により部分精製したものを用いた。免疫する鶏と
して、白色レグホンを用いた。免疫方法としては、皮下
注射で行った。初回免疫はFCA(フロイント完全アジ
ュバント)を併用して行い、鶏1羽に対して0.4mgの抗
原を投与した。その後、2週間おきにFIA(フロイン
ト不完全アジュバント)を併用して、5回追加免疫を行
った。このときの抗原量は、鶏1羽に対して0.2mgとし
た。このようにして、初回免疫から5回程度繰り返し投
与することにより、抗原に特異的に反応する抗体が鶏卵
中に得られる。得られた鶏卵の卵黄より超遠心分離法、
イオン交換クロマトグラフィー、塩析などにより分画
し、精製アミラーゼ抗体を得た。
の免疫方法により白色レグホンを免疫した。鶏卵より全
卵及び卵黄を得、一部全卵粉、卵黄粉とした。また卵黄
より超遠心分離法、イオン交換クロマトグラフィー、塩
析などにより分画し、精製チロシナーゼ抗体を得た。小
麦由来チロシナーゼは、小麦フスマよりリン酸緩衝液
(pH 6.0) により抽出し、硫安分画により部分精製した
ものを用いた。
は、可溶性澱粉(片山化学工業製)を50mMの酢酸緩衝
液(pH6.5)にて0.5%に溶解したものを使用し、酵素液
としてヒト唾液由来α−アミラーゼ(シグマ社)を使用
した。基質溶液0.25mlに酵素液10μl 、ヒト唾液由
来アミラーゼ抗体(ケミコン社)0〜200μl 、20
mM塩化カルシウムと100mM塩化ナトリウムを含む50
mM酢酸緩衝溶液(pH6.5)40μl 、及び50mM酢酸緩衝
溶液(pH6.5)で全量0.5mlとし、温浴中37℃で15分
間反応させた。反応終了後、1.7mMヨウ化カリウムと0.
17mMヨウ素を含む0.0017N塩酸水溶液5mlを加
え、700nmの吸光度を用い測定した。その結果を下記
表1に示す。
アミラーゼ活性を抑制することができた。
が分解し、低アミロ現象と称されるパンやケーキ類のボ
リュームがでないという現象が起こり問題となってい
る。そこでアミラーゼ抗体による麦由来アミラーゼ活性
の抑制を、上記試験例1と同様にして測定した。基質溶
液としては、可溶性澱粉(片山化学工業社製)を50mM
の酢酸緩衝液(pH6.5)にて0.5%に溶解したものを使用
し、酵素液として参考例1で使用したのと同じ麦由来ア
ミラーゼを使用した。基質溶液0.25mlに酵素液10μ
l 、参考例1より得られた精製アミラーゼ抗体0〜20
μl 、20mM塩化カルシウムと100mM塩化ナトリウム
を含む50mM酢酸緩衝溶液(pH6.5)40μl 、及び50
mM酢酸緩衝溶液(pH6.5)で全量0.5mlとし、温浴中37
℃で15分間反応させた。反応終了後、1.7mMヨウ化カ
リウムと0.17mMヨウ素を含む0.0017N塩酸水溶液
5mlを加え、700nmの吸光度を用い測定した。その結
果を下表に示す。
液としては、L-DOPA(半井化学製)を5mMのリン酸緩衝
液(pH 6.0) にて1mMに溶解したものを使用し、酵素と
して参考例2で使用したのと同じ小麦由来チロシナーゼ
を使用した。基質溶液1.0mlに酵素液10μl 、参考例
2より得られた精製チロシナーゼ抗体0〜100μl を
加え、温浴中30℃で5分間反応させた。活性は475
nmの吸光度を用い測定した。その結果を下表に示す。
を抑制することができた。
ト、イーストフード、砂糖、食塩、ショートニング、脱
脂粉乳及び水を下記表4に示す重量(単位:g)で使用
して、常法によりドウを作成し、成形・焼成してパンを
製造した。低アミロ小麦粉は、最高粘度(Max)19
5のものを用いた。なお、比較のために通常の卵黄粉を
添加したものを比較例1とし、卵黄粉を無添加で実施し
たものを比較例2とした。このようにして製造された各
種パンについて、生地性、外観、内相の様子、ボリュー
ム及び食感を観察し評価した。その結果を表4に併せて
示す。なお、評価は次のとおりである ◎:たいへん良い ○:良い △:ふつう ×:悪い
性などを総合的に指す。上記の結果より明らかなよう
に、アミラーゼ抗体含有卵黄粉を使用することにより、
ボリューム等に優れたパンを得ることができた。
得られたもの)、34重量%の水、1重量%の食塩、及
びかん粉1重量%を加えたものを、12分間混捏後、麺
機にて数回圧延成形して、中華めんの生麺帯、生麺線を
得た。比較のため、本発明の抗体含有卵黄粉を通常の卵
黄粉にかえ(比較例3)、または卵黄粉を無添加で(比
較例4)生麺を製造した。このようにして得た各種生麺
をビニール袋に入れて乾燥を防ぎながら20℃で3日間
保存した後、発生したスペックを観察し、スペックの数
で評価した。評価は次のとおりである。 スペックの数 ◎:少ない ○:ふつう △:多い ×:非常に多い 結果を下記表5に示す。
シナーゼ抗体含有卵黄粉を使用することにより、スペッ
クの発生を顕著に抑制することができた。
然に内在する酵素に起因する変質が、安全に且つ有効に
抑制される。また、本発明の食品の保存方法により、従
来問題となっていた変質を安全に且つ有効に抑制するこ
とができ、食品の品質を良好に維持することができる。
本発明はさらに、安全性が高く優れた効果を発揮する食
品の保存剤を提供する。
Claims (12)
- 【請求項1】 食品由来の酵素に対する抗体を含有する
ことを特徴とする食品。 - 【請求項2】 酵素が炭水化物分解酵素、タンパク質分
解酵素、脂質分解酵素、核酸分解酵素、フレーバーの分
解酵素、褐変酵素及びビタミン類分解酵素からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の食
品。 - 【請求項3】 食品が原料として穀粉を含むものであ
る、請求項1または2記載の食品。 - 【請求項4】 食品由来の酵素に対する抗体を食品中に
含有させることを特徴とする食品の保存方法。 - 【請求項5】 酵素が炭水化物分解酵素、タンパク質分
解酵素、脂質分解酵素、核酸分解酵素、フレーバーの分
解酵素、褐変酵素及びビタミン類分解酵素からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種である、請求項4記載の食品
の保存方法。 - 【請求項6】 食品が材料として穀粉を含むものであ
る、請求項4または5記載の食品の保存方法。 - 【請求項7】 食品由来の酵素に対する抗体。
- 【請求項8】 酵素が炭水化物分解酵素、タンパク質分
解酵素、脂質分解酵素、核酸分解酵素、フレーバーの分
解酵素、褐変酵素及びビタミン類分解酵素からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種である、請求項7記載の抗
体。 - 【請求項9】 食品由来の酵素に対する抗体を含有する
全卵粉または卵黄粉。 - 【請求項10】 酵素が炭水化物分解酵素、タンパク質
分解酵素、脂質分解酵素、核酸分解酵素、フレーバーの
分解酵素、褐変酵素及びビタミン類分解酵素からなる群
から選ばれる少なくとも1種である、請求項9記載の抗
体。 - 【請求項11】 食品由来の酵素に対する抗体を含有す
る食品保存剤。 - 【請求項12】 酵素が炭水化物分解酵素、タンパク質
分解酵素、脂質分解酵素、核酸分解酵素、フレーバーの
分解酵素、褐変酵素及びビタミン類分解酵素からなる群
から選ばれる少なくとも1種である、請求項11記載の
食品保存剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13209796A JP3658460B2 (ja) | 1996-05-27 | 1996-05-27 | 食品、食品の保存方法及び食品保存剤 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09313148A true JPH09313148A (ja) | 1997-12-09 |
JP3658460B2 JP3658460B2 (ja) | 2005-06-08 |
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ID=15073412
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-
1996
- 1996-05-27 JP JP13209796A patent/JP3658460B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US10053516B2 (en) | 2013-12-02 | 2018-08-21 | Ostrich Pharma Kk | Method for manufacturing digestive enzyme antibody and egg having same, and for manufacturing processed product containing egg as ingredient thereof and composition including antibody |
US10538593B2 (en) | 2013-12-02 | 2020-01-21 | Ostrich Pharma Kk | Method for manufacturing digestive enzyme antibody and egg having same, and for manufacturing processed product containing egg as ingredient thereof and composition including antibody |
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