JPH0931286A - 外部乳化アクリレート樹脂水性分散物 - Google Patents

外部乳化アクリレート樹脂水性分散物

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JPH0931286A
JPH0931286A JP8179593A JP17959396A JPH0931286A JP H0931286 A JPH0931286 A JP H0931286A JP 8179593 A JP8179593 A JP 8179593A JP 17959396 A JP17959396 A JP 17959396A JP H0931286 A JPH0931286 A JP H0931286A
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acrylate
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Holger Schmidt
ホルガー・シユミット
Uwe Kubillus
ウーヴエ・クビルス
Joerg-Peter Dr Geisler
ペーター・ガイスラー イエルク−
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Hoechst AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バインダーとして使用することができそして
表面に欠陥のない比較的に薄い塗膜さえ塗布すことがで
きる外部乳化アクリレート樹脂分散物の提供 【解決手段】 この分散物は、(A)5〜50% の親水
性ポリエステル成分および(B)95〜50% の、水酸
基および酸基を持つアクリレートコポリマーの各重量割
合(固形分含有量)より成る。この分散物は一成分系お
よび二成分系塗料においてバインダーとして使用でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化剤として親水性ポ
リエステルを含有する外部乳化アクリレート樹脂水性分
散物およびそれを水希釈性焼付透明塗料およびソリッド
カラー上塗り塗料において用いることおよび室温と焼付
け温度との間の温度で使用できる二成分系に関する。
【0002】
【従来技術】塗料のバインダーとしてのアクリレート樹
脂は例えばドイツ特許出願公開第2,942,327号
明細書およびヨーロッパ特許出願公開第0,056,9
71号明細書から公知である。しかしながらこれらを用
いて製造される塗料は溶剤を含有している。水性上塗り
塗料において使用できる水希釈性の自己乳化アクリレー
ト樹脂は、例えばドイツ特許出願公開第4,009,0
31号明細書およびヨーロッパ特許出願公開第0,61
9,329号明細書に開示されている。しかしながら塗
料は水と混合できそして乾燥または焼付の際に蒸発によ
って大気中に消散する補助溶剤を含有している。かゝる
塗料から生産される塗料の比較的に薄い塗膜の場合に
は、表面の欠陥、いわゆるボイルマーク(boil m
ark)が現れる。工業的および衛生上の理由で、塗料
中の溶剤含有量を減らすことまたは完全に溶剤不含の塗
料を提供することが望まれる。特に自動車の仕上げ段階
のいわゆる下塗り塗装−透明塗装プロセスでは、溶剤を
僅かしかまたは全く含まない水性透明塗料を使用するこ
とが望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、バインダーとして使用することができそして表面に
欠陥のない比較的に厚い塗膜にさえ塗布することができ
るアクリレート樹脂分散物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、乳化剤とし
て親水性ポリエステルを含み、水酸基および酸基をアク
リレートコポリマー中に有する外部乳化アクリレート樹
脂分散物を適当な架橋剤と組み合わせることによってこ
の課題が達成されることを見出した。本発明は、使用す
るバインダーが水酸基および酸基を含むアクリレート樹
脂の水性の、溶剤不含または溶剤低含有量の分散物であ
り、乳化剤として親水性ポリエステルが使用されている
水性焼付エナメル、即ち水性焼付透明塗料およびソリッ
ドカラー焼付け上塗塗料に関する。更に本発明は本発明
のアクリレート樹脂分散物を含む二成分系水性バインダ
ーにも関する。
【0005】本発明において溶剤低含有量とは、20重
量% より多くない、好ましくは15重量% より多くない
溶剤含有量のかゝる分散物に関して使用されており、そ
の際に溶剤は水混和性溶剤である。更に本発明は、
(A)5〜50% の親水性ポリエステル成分および
(B)95〜50% の、水酸基および酸基を持つアクリ
レートコポリマーの各重量割合(固形分含有量)でそれ
ぞれを含むアクリレート樹脂水性分散物にも関する。
【0006】本発明の分散物中の固形分含有量(重量)
は10〜70% 、好ましくは20〜60% 、特に好まし
くは30〜50% である。低溶剤含有量分散物におい
て、残りは水と1種類以上の水混和性溶剤との混合物よ
り成る。有利な溶剤不含分散物の場合には残りは水だけ
で構成されている。本発明はまた、本発明に従って分散
物において乳化剤として使用される親水性ポリエステル
にも関する。(A)の親水性ポリエステルの混合物を使
用することも可能である。ポリエステルの親水性はポリ
エステルの前駆体の総重量を基準として1〜20% の量
割合のイオン性、イオノゲン性および非イオン性の親水
性構造単位によって達成される。ポリエステルを製造す
るためには、親水性構造単位を3〜15% 、好ましくは
5〜13% の量割合で使用するのが有利である。適する
イオン構造単位は、重縮合に必要とされる官能基(水酸
基および酸基、好ましくはカルボン酸基)の他にイオン
性の基、即ちカチオン−またはアニオン基を有していて
いるかまたはかゝるイオン性基を形成し得る構造を有す
る構造単位である。例にはカルボキシル−、スルホン酸
−、スルフィン酸−、ホスホン酸−およびホスフィン酸
基およびカチオン形成基、例えばホスフィン基およびア
ミノ基、特に好ましくは第三アミノ基およびこれらの基
を塩基または酸または四級化剤、例えば沃化メチルとの
反応によって得ることのできるイオン性基がある。非イ
オン性親水性基、例えば、アルキレン基がエチレン−お
よびプロピレン基およびこれらの混合物から選択されて
いるポリオキシアルキレン−エーテル−セグメントを組
み入れることによって、本発明に同様に適している非イ
オン性親水性ポリエステルを製造することが可能であ
る。これらのポリエステルは、ポリエステル形成性構造
単位が専ら脂肪族ヒドロキシ化合物および脂肪族有機酸
および/またはそれらのエステルまたは酸無水物より成
る純粋な脂肪族ポリエステルが有利である。脂肪族ヒド
ロキシ化合物および酸および/またはそれらのエステル
または酸無水物は直鎖状でも、枝分かれしていてもまた
は脂環式でもよい。二塩基酸とジヒドロキシ脂肪族化合
物とのポリエステルが特に有利であるが、二塩基酸およ
びジヒドロキシ化合物の10% までの量が三塩基酸また
は更に高度の塩基酸におよび/または3つ以上の水酸基
を持つ化合物に交換することができる。三官能性化合物
の量比の有利な範囲は1〜5% である。三官能性化合物
が比較的に多量(100モル当たり3モル以上)な場合
には、この方法で製造されるポリエステルの分子量に上
限を設けるために、酸および/またはヒドロキシ化合物
の量の合計を基準としていずれの場合にも3% までの量
比で一塩基酸および/またはモノヒドロキシ化合物を添
加するのも有利である。
【0007】ポリエステル(A)はヒドロキシ化合物と
酸とからエステル触媒として知られる化合物の添加下に
製造するのが有利である。適する化合物にはブレンステ
ッド−およびルイス酸および−塩基があり、周期率表の
主族および亜族の金属の酸化物および塩もある。重縮合
にマイナスの影響を及ぼさないならば、親水性構造単位
はこの場合、エステル化されていてもよい。例えばポリ
オキシアルキレン−エーテルグリコールは縮合の際に使
用するために含まれていてもよい。ジヒドロキシ酸、例
えばジメチロールプロピオン酸またはジヒドロキシ−コ
ハク酸をイオノゲン構造単位として使用する場合には、
一方においては予め生成したポリエステルをエステル形
成条件のもとでこれらイオノゲン化合物と反応させるの
が有利である。
【0008】酸およびヒドロキシ化合物の代わりに、こ
れら化合物のエステル形成性誘導体、例えば酸と低級脂
肪族アルコールとのエステル、好ましくはメチルエステ
ル、酸無水物または酸ハロゲン化物も使用することがで
きるが、ヒドロキシ化合物と揮発性有機酸とのエステ
ル、例えば酢酸エステルまたはプロピオン酸エステルも
使用できる。
【0009】酸およびヒドロキシ化合物の全部または一
部をヒドロキシ酸、少なくとも1つのヒドロキシル基と
酸基を持つそれぞれの化合物に交換してもよく、いずれ
の場合にも1つの水酸基および1つの酸基を持つ化合物
が有利である。ポリエステルの適する前駆体には炭素原
子数2〜40、好ましくは炭素原子数4〜36の脂肪族
ジカルボン酸がある。これらの化合物の内、直鎖状ジカ
ルボン酸の蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、
スベリン酸、セバシン酸およびいわゆる二量体脂肪酸が
有利である。適する枝分かれした脂肪族ジカルボン酸の
例には、ジメチルコハク酸、ブチルマロン酸、ジエチル
マロン酸、ジメチルグルタル酸およびメチルアジピン酸
がある。適する脂環式ジカルボン酸には例えばヘキサヒ
ドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸およびヘキサ
ヒドロテレフタル酸がある。場合によっては脂肪族ジカ
ルボン酸の僅かな割合(10% までの量)を芳香族ジカ
ルボン酸に交換してもよい。この目的に適する化合物の
例には異性体フタル酸、4,4’−スルホニルジ安息香
酸、4,4’−ジフェニルエーテル−ジカルボン酸およ
び4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸がある。
【0010】適するジヒドロキシ化合物には炭素原子数
2〜40、好ましくは2〜20の直鎖状の、枝分かれし
たまたは脂環式のジオールがある。適する直鎖状ジオー
ルにはエチレングリコール、1,2−および1,3−プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、オリゴマーのおよびポリマーのポ
リグリコール、例えばポリオキシエチレングリコールお
よびポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチ
レン/−プロピレン−混合グリコールおよびポリオキシ
ブチレングリコールがある。枝分かれしたジオール、例
えばネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、ピナコール;および環状
ジオール、例えばシクロヘキサンジメタノール、ペルヒ
ドロビスフェノールA、1,2−および1,4−シクロ
ヘキサンジオールも適する。
【0011】適するヒドロキシ酸の例には乳酸、γ−ヒ
ドロキシ酪酸、δ−ヒドロキシ−バレリン酸およびε−
ヒドロカプロン酸がある。これらのヒドロキシ酸はラク
トンの形でも使用することができる。少量(100モル
当たり10モルまでのヒドロキシ酸またはジオールおよ
び二酸)の場合には、1つの酸基および2つ以上の水酸
基を持つ化合物または一つの水酸基および2つ以上の酸
基を持つその他の化合物を使用することも可能である。
適する例にはヒドロキシ−コハク酸およびジメチロール
−プロピオン酸がある。これらによって僅かな程度の分
枝を持つポリエステルが得られる。
【0012】少なくとも三塩基酸および/または少なく
とも三価アルコールを用いることによって枝分かれした
ポリエステルが同様に得られる。適する多塩基酸の例に
はシクロヘキサン−トリカルボン酸およびブタンテトラ
カルボン酸がありそして適する多価アルコールの例には
グリセロール、エリスリトール、ペンタエリスリトー
ル、キシリトールおよびソルビトールがある。
【0013】本発明の水性分散物の成分(B)は、40
〜200mg/g、好ましくは80〜160mg/gの
水酸基価および15〜50mg/gの酸価を有し、 a)5〜40部、好ましくは10〜30部のα−位で分
岐した脂肪族飽和モノカルボン酸の少なくとも1種類の
グリシジルエステル、 b)0〜30部、好ましくは5〜25部の、エステル基
中炭素原子数1〜8のα,β−オレフィン性不飽和ジカ
ルボン酸の少なくとも1種類のジエステル、 c)0〜70部、好ましくは5〜45部の少なくとも1
種類の芳香族ビニル炭化水素、 d)0〜60部、好ましくは10〜40部のα,β−オ
レフィン性不飽和カルボン酸アルキルエステル、好まし
くは炭素原子数1〜18のアルキル−またはシクロアル
キル基を持つアルキル−またはシクロアルキル(メタ)
アクリレート、 e)2〜47.5部、好ましくは5〜30部の少なくと
も1種類のα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸、好
ましくは(メタ)アクリル酸、ただし成分e)のモル量
は成分a)のモル量より常に多い、および f)5〜47.5部、好ましくは8〜30部のα,β−
オレフィン性不飽和カルボン酸の少なくとも1種類のヒ
ドロキシアルキルエステル、好ましくは(メタ)アクリ
ル酸と炭素原子数2〜6の多価脂肪族アルコールとの
(メタ)アクリル酸エステル を遊離基塊状共重合することによって得らるアクリレー
トコポリマーを含有する。
【0014】成分a)の他にいずれの場合にも1種類の
オレフィン性不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸
のヒドロキシアルキルエステルが共重合の間に存在して
いる必要がある。(B)のアクリレートコポリマーの混
合物を使用してもよい。グループd)、e)およびf)
のモノマーを以下ではアクリルモノマーと呼ぶ。アクリ
レートコポリマーの製造には、成分a)としてα位に第
三−および第四炭素原子を持つ脂肪族の飽和モノカルボ
ン酸のグリシジルエステルを使用することができる。例
えばCARDURA(R) の商標名で入手できる如き、炭
素原子数9〜11の鎖長を有する高度に枝分かれしたモ
ノカルボン酸のグリシジルエステルが特に有利である。
アクリレート−コポリマーの製造の過程では、成分a)
が成分e)との反応生成物を生じ、そしてこの生成物は
成分b)、c)、d)またはf)の少なくとも1種類と
遊離基重合することができる。
【0015】成分b)はエステル基中に1〜8個の炭素
原子を持つα,β−オレフィン性不飽和ジカルボン酸の
ジエステル、好ましくはマレイン酸−およびフマル酸エ
ステル、例えばジメチルマレエート、ジエチルフマレー
ト、ジブチルマレエートおよびジブチルフマレートであ
る。成分c)としてはスチレン、α−メチルスチレンお
よびアルキル基中炭素原子数1〜3のビニルアルキルベ
ンゼン類、例えばビニルトルエンを使用することができ
る。
【0016】成分d)にはα,β−オレフィン性不飽和
カルボン酸のアルキルエステル、好ましくは炭素原子数
1〜18のアルキル−またはシクロアルキル基を持つア
ルキル−またはシクロアルキル(メタ)アクリレートが
含まれ、例にはメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、第三
ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチ
ルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル
(メタ)アクリレートおよびジヒドロジシクロペンタジ
エニル(メタ)アクリレートがある。文献に既に説明さ
れている、イソボルニル(メタ)アクリレートの如き嵩
張ったリジッド(rigid)−モノマーの粘度低減効
果も本発明のコポリマーにおいて実証されている。
【0017】適する成分e)はα,β−オレフィン性不
飽和カルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン
酸および、アルコール成分が一般に1〜18の炭素原子
を有するオレフィン性不飽和ジカルボン酸のモノエステ
ル、および炭素原子数8〜22の不飽和脂肪酸、例えば
リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、アラキドン酸お
よびリシネン脂肪酸である。
【0018】成分f)としてはα,β−オレフィン性不
飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば
(メタ)アクリル酸と炭素原子数2〜6の多価脂肪族ア
ルコールとの(メタ)アクリル酸のエステルがある。挙
げることのできる例には2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオ
ール−モノ(メタ)アクリレートおよびトリメチロール
プロパン−ジ(メタ)アクリレートがある。
【0019】本発明のアクリレートコポリマー分散物は
塊状重合法によって製造することができる。塊状重合と
は、一般に溶剤を用いずに実施する重合を言う。しかし
ながら幾つかの場合には、35重量% まで、好ましくは
10〜25重量% の割合で溶剤が存在していてもよい。
この重合は一般に成分a)の少なくとも一部を単独でま
たは成分b)の少なくとも一部と一緒に最初に導入し、
成分c)〜f)の混合物および場合によっては残りの使
用成分a)またはb)を重合開始剤および場合によって
は分子量調整剤と一緒に120〜200℃で添加しそし
て少なくとも95% 、好ましくは少なくとも98% の転
化率が達成されるまで塊状重合を継続するようにして実
施する。水性分散物を製造するために、得られるアクリ
レートコポリマーを最初に0〜35部、好ましくは5〜
25部の水希釈性有機系補助溶剤に全部溶解し、次に相
応する量の塩基を加えることによって部分的にまたは完
全に中和する。有機系補助溶剤の全部または一部を成分
c)〜f)と一緒に添加してもよい。部分的にまたは完
全に中和されたアクリレートコポリマーを次に水で通例
の様にまたは逆に希釈することによって水性分散物に転
化する。個々のモノマーa)〜f)はいずれの場合に
も、製造されるアクリレートコポリマーが最初に規定し
た水酸基価および酸価を有する様なモル量で使用する。
【0020】適する重合開始剤は遊離基共重合のための
慣用されるあらゆる開始剤、例えば脂肪族アゾ化合物、
例えばアゾビス〔イソブチロニトリル〕またはアゾビス
〔2−メチルブチロニトリル〕、ジアシルペルオキシ
ド、例えばジベンゾイルペルオキシド、ジアルキルペル
オキシド、例えばジ第三ブチルペルオキシドまたはジ第
三アミルペルオキシド、アルキルヒドロペルオキシド、
例えば第三ブチル−ペルヒドロペルオキシド、またはペ
ルエステル、例えば第三ンブチル−ペルオキシ−ベンゾ
エート、第三ブチル−ペルオキシ−2−エチルヘキサノ
エートまたは第三アミル−ペルオキシ−2−エチルヘキ
サノエートがある。ジ第三ブチルペルオキシドは成分
a)〜f)の全重量を基準として0.5〜5% の割合で
あるのが有利である。
【0021】特に低い平均分子量を得るためには分子量
調整剤を使用する必要があり、アルコール類、例えばブ
タノール、またはチオール類(メルカプタン類)、例え
ばドデカンチオールが使用される。適する有機系補助溶
剤には、中でも水希釈性の一価または多価アルコールま
たはグリコール類があり、例えばエタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコールお
よびグリセロール、多価アルコールの水希釈性モノエー
テル、例えばメトキシプロパノールまたはメトキシブタ
ノール、および水希釈性グルコールエーテル、例えばブ
チルグリコールまたはブチルジグリコールがある。
【0022】酸基を中和するためには、有機塩基または
無機塩基を使用することが可能である。第一、第二およ
び第三アミン類、例えばエチルアミン、プロピルアミ
ン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミ
ン、ジメチルイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、モルホリンおよびピペリジンを使
用するのが有利であり、特にアミノアルコール類、例え
ばN,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジメチ
ルアミノエタノール、エタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチ
ルプロパノールまたは2−ジメチル−アミノ−2−メチ
ル−1−プロパノールが有利である。中和は、水で希釈
した後で得られる溶液または分散物が安定しておりそし
て6〜10、好ましくは7〜8のpHを有する様に実施
する。
【0023】水性分散物は、該分散物が高過ぎる粘度に
ならず、実地で取り扱うことができるままである様な固
形分含有量に調節する。このものは一般に30〜50%
の固形分含有量に調節する。こうして得られるポリアク
リレート樹脂の水希釈性分散物からは、水希釈性焼付透
明塗料または水希釈性ソリッドカラー焼付上塗り塗料を
公知の方法で、架橋剤としてのアミノ樹脂および場合に
よっては一般的な塗料用添加物、例えば触媒、均展剤お
よびシックナー、流動助剤、顔料、顔料ペースト、消泡
剤、湿潤剤、フィラー、光安定剤、酸化防止剤およびこ
れらの類似物を混入することによって製造される。
【0024】これらの塗料において適する架橋剤は、ホ
ルムアルデヒドとアミノ樹脂形成物、例えば尿素、アル
キレン尿素、メラミンおよびグアナミン類との反応生成
物、またはそれらと低級アルコール、例えばメタノール
またはブタノールとのエーテル、およびポリイソシアネ
ートおよび酸無水物基を含む化合物のそれぞれまたは組
合せである。いずれの場合にも架橋剤は、コポリマーの
水酸基と架橋剤の反応性基とのモル比が0.3:1〜
3:1である様な量で添加する。
【0025】適するホルムアルデヒド付加物は尿素、メ
ラミンおよびベンゾグアナミンから誘導されるもの、お
よび完全にまたは部分的にエーテル化されたホルムアル
デヒド付加物から誘導されるものが有利である。炭素原
子数1〜4の脂肪族アルコールで部分的にまたは完全に
エーテル化されたメラミンホルムアルデヒド付加物を硬
化剤として用いるのが特に有利である。この種の市販の
硬化剤の例にはMaprenal(R) MF900および
VMF3926(Cassella AG)およびCy
mel(R) 303および327(Cytec)がある。
適切な混合比は樹脂固形分含有量を基準として50〜1
0部のアミノ−ホルムアルデヒド付加物に対して50〜
90部のコポリマーである。
【0026】水希釈性焼付透明塗料または水希釈性ソリ
ッドカラー焼付上塗り塗料は好ましくは、ポリアクリレ
ート樹脂とアミノ樹脂との重量比が60:40〜90:
10、好ましくは70:30〜85:15となる様な量
のアミノ樹脂を含有している。最適なホルムアルデヒド
−フェノール付加物およびそれの誘導体も硬化剤として
使用することができる。
【0027】酸、例えばp−トルエンスルホン酸の存在
下にこれらの架橋剤は塗料を十分に硬化させる。熱硬化
は通例の方法で80〜200℃の温度で例えば10〜3
0分の間に実施することができる。二成分塗料系におい
て特に穏やかな温度または室温で本発明の生成物を架橋
下に硬化させるためには、ポリイソシアネートが特に適
している。適するポリイソシアネート成分は原則として
ポリウレン化学で知られているあらゆる脂肪族−、脂環
式−および芳香族ポリイソシアネートのそれぞれまたは
混合物がある。更に適する例には低分子量のポリイソシ
アネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、
2,2,4−および/または2,4,4−トリメチル−
1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート、ドデカメ
チレン−ジイソシアネート、テトラメチル−p−キシリ
レン−ジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシ
クロヘキサン、1−イソシアネート−3,3,5−トリ
メチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン(I
PDI)、2,4’−および/または4,4’−ジイソ
シアネートジシクロヘキシルメタン、2,4’−および
/または4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタ
ン、またはこれらの異性体と、例えばアニリン−ホルム
アルデヒド縮合生成物のホスゲン化によって公知の方法
で得ることのできる更に高級な同属体との混合物、2,
4−および/または2,6−ジイソシアネートトルエ
ン、またはかゝる化合物のあらゆる所望の混合物があ
る。
【0028】しかしながらこれらの簡単なポリイソシア
ネートの誘導体を塗料工業において一般的である様なこ
れらの簡単なポリイソシアネートの誘導体を用いるのが
有利である。これら誘導体は例えばヨーロッパ特許第4
70,461号明細書に記載されている様な例えばビュ
レット基、ウレイドン基、イソシアヌレート基、ウレタ
ン基、カルボジイミド基またはアロファナート基を持つ
ポリイソシアネートが含まれる。特に有利に変性された
ポリイソシアネートにはN,N’,N”−トリス(6−
イソシアネートヘキシル)ビュレットおよびこれと更に
高級な同属体との混合物、およびN,N’,N”−トリ
ス(6−イソシアネートヘキシル)イソシアヌレートお
よび/またはこれと一つ以上のイソシアヌレート環を持
つ更に高級な同属体との混合物も含まれる。
【0029】架橋は有機金属化合物、例えばチタン化合
物および場合によっては第三アミン、好ましくはジエチ
ルエタノールアミンを添加することによって接触的に行
うことができる。適する錫化合物の例にはジブチル錫ジ
ラウレート、ジブチル錫ジアセテートおよびジブチル酸
化錫がある。高温で架橋するのに適する追加的化合物に
はマスクド−ポリイソシアネート、ポリカルボン酸およ
び/またはそれの酸無水物がある。
【0030】本発明の水希釈性ポリアクリレート樹脂分
散物を用いて調製した水希釈性塗料は、使用前に、噴霧
粘度に、一般に20〜40秒の流れ時間(DIN 53
211、DIN 4カップ)におよび7〜9のpHに調
整する。本発明の分散物にて調製した水希釈性塗料は、
有機系補助溶剤の割合が比較的に僅かであり、一回の噴
霧塗装で十分な厚さ(硬化塗膜の厚さは好ましくは30
〜65μm であるべきである)の塗膜をもたらす程の固
形分含有量を噴霧粘度にて有し、硬化処理(例えば焼
付、強制乾燥)後にボイルマークが無く、かつ硫酸、キ
シレンおよびアセトンに対して高水準の耐久性を示す良
好な外観の黄変化のない塗膜をもたらす。
【0031】本発明の分散物を用いて調製された水希釈
性焼付透明塗料は特に下塗塗料/透明塗料−法によるメ
タリック仕上げの製品に特に適している。アクリレート
コポリマーの一つの長所は、製造の際にどうな溶剤も留
去する必要がないことおよび低い平均分子量の水希釈性
バインダーを分子量調製剤を添加せずに製造できる点で
ある。これは高い固形分含有量および少ない割合の有機
補助溶剤を含むバインダーをもたらす。
【0032】公知の水希釈性バインダーを凌ぐこの分散
物の長所の一つは、このバインダーを用いて調製された
水希釈性塗料が無機酸、特に硫酸に対して極めて高い耐
久性を有している点である。酸性雨の如き環境の影響に
対する耐久性試験として使用される水希釈性塗料の硫酸
耐久性は、本発明のバインダーが使用される多くの場合
に慣用の塗料のバインダーよりも良好である。焼付エナ
メルの場合に、高い反応性の部分的にエーテル化された
メラミンホルムアルデヒド樹脂と組合せると、キシレン
およびアセトンの様な有機溶剤に対して極めて良好な耐
久性を示す。この耐久性は慣用の塗料よりも遙かに良好
である。本発明のバインダーの別の長所は、アミノ樹脂
と組合せて一成分焼付塗料で使用する場合に高い黄変安
定性を示す。
【0033】本発明に従う分散物を使用して製造された
焼付け塗料は、ドイツ特許出願公開第4,027,59
4号明細書に記載の塩素化化合物を使用せずにおよび遊
離のまたはマスクド−ポリイソシアネートを使用せず
に、水に対して非常に安定していることを記す。これは
衛生上の長所をなしている。以下の実施例において全て
の部は重量部でありそして全ての百分率は他に表示が無
い限り、g /100g の重量% である。
【0034】
【実施例】1)親水性ポリエステルAの製造 493.3部のアジピン酸(3.45モル)、541.
4g のピメリン酸(3.38モル)、450.2g の
1,6−ヘキサンジオール(3.81モル;水に溶解し
た85% 濃度溶液529.6g )および297.8g ネ
オペンチルグリコール(2.86モル;水に溶解した9
0% 濃度溶液330.9g )を5Lの容器に導入し、
8.2g のジブチル酸化錫を触媒として添加し、次いで
水を留去しながら各成分を一緒に計量供給する。加熱を
窒素雰囲気で190℃まで継続する。この混合物を濁り
が消失するまで190℃で攪拌する。縮合生成物の酸価
(AN=mKOH /mresin )は約45mg/gである。
この樹脂を約110℃に冷しそして215.2g (1.
60モル)のジメリロールプロピオン酸を窒素雰囲気で
配量供給する。この混合物を再び窒素雰囲気で190〜
200℃に加熱しそしてこの温度を、酸価が再び約45
mg/gに達するまで維持する。この反応混合物を次い
で約70℃に冷却する。樹脂のサンプルは83mg/g
の水酸基価(OHN=mKOH /mresin )、4,050
mPa.sの粘度(n−ブタノールに溶解した50% 濃
度溶液について、ウベローデ粘度計にて23℃で測定)
および2以下の要素色指数を示す。この樹脂を70℃で
n−ブタノールで希釈して90重量% の固形分含有量と
する。約80℃で攪拌下にジメチルアミノエタノールを
添加することによって、この希釈樹脂を80% の中和度
に調整しそして次に脱イオン水で45重量% の固形分含
有量に30℃で希釈する。
【0035】2)親水性ポリエステルBの製造 実施例1の方法に従って、657.7g のアジピン酸お
よび485.4g のセバシン酸を425.5g の1,6
−ヘキサンジオール、297.2g のジエチレングリコ
ールおよび26.8g のトリメチロールプロパンと一緒
に溶融し、この混合物を酸価が約15mg/gの一定の
値に達するまで190℃で攪拌する。この混合物を冷却
し、180g のジメチロールプロピオン酸を添加しそし
て縮合を、酸価が一定になるまで継続する。冷却後に樹
脂を183g のn−ブタノールに溶解して、90重量%
の固形分含有量とする。ジメチルアミノエタノールを7
0% の中和度に反応混合物を調整するために使用し、そ
の後に45重量% の固形分含有量に脱イオン水で希釈す
る。
【0036】3)アクリレート樹脂Cの製造 358.6g のCardura(R) E10(ネオデカン
酸のグリシジルエステル)を還流冷却器および攪拌機を
備えた容器に導入し、160℃に加熱する。348.6
g のスチレン、263.4g のメチルメタクリレート、
286.6g のヒドロキシプロピル−メタクリレートお
よび、226.6g のn−ブタノールに溶解した17
5.6g のアクリル酸より成るモノマー混合物を、遊離
基開始剤としての26.4g の第三ブチルペルオキシ−
2−エチルヘキサノエートの添加下に、6時間にわたっ
て一様な速度で計量供給する。還流時に温度が約135
℃に達する。2時間の後反応時間の後に、混合物を90
℃に冷却し、次いでポリエステルA(314.2g の4
5% 濃度溶液)を添加する。生成物は77% の固形分含
有量および約130mg/gの水酸基価を有している。
N,N−ジメチルアミノエタノールを、65% の中和度
に調節するために80〜90℃で使用し、次いで60℃
以上の温度で、40重量% の固形分含有量に低下させる
量の脱イオン水を添加する。この分散物の平均粒度は約
200nmである。
【0037】4)アクリレート樹脂Dの製造 358.6g のCardura(R) E10(ネオデカン
酸のグリシジルエステル)を還流冷却器および攪拌機を
備えた容器に導入し、160℃に加熱する。348.6
g のスチレン、263.4g のメチルメタクリレート、
286.6g のヒドロキシプロピル−メタクリレートお
よび、226.6g のn−ブタノールに溶解した17
5.6g のアクリル酸より成るモノマー混合物を、遊離
基開始剤としての26.4g の第三ブチルペルオキシ−
2−エチルヘキサノエートの添加下に、6時間にわたっ
て一様な速度で計量供給する。還流時に温度が約135
℃に達する。2時間の後反応時間の後に、混合物を90
℃に冷却し、次いでポリエステルB(314.2g の4
5% 濃度溶液)を添加する。生成物は77% の固形分含
有量および約130mg/gのOH価を有している。
N,N−ジメチルアミノエタノールを、65% の中和度
に調節するために80〜90℃で使用し、次いで60℃
以上の温度で、40重量% の固形分含有量に低下させる
量の脱イオン水を添加する。この分散物の平均粒度は約
200nmである。
【0038】5)市販のアクリル樹脂から二成分透明塗
料の製造(比較例) 140mg/gの水酸基価および42% の固形分含有量
を有する80.6部の市販の水性アクリレート樹脂分散
物(Macrynal(R) VSM2521)を最初に導
入し、9.9部の脱イオン水で希釈した1.9部のエー
テル化メラミンホルムアルデヒド樹脂(Maprena
(R) MF920)をこれに添加する。4.6部の溶剤
混合物(Proglyde(R) DMM=ジプロピレング
リコール−ジメチルエーテル、Dowanol(R) DP
nB=ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、
MPA=メトキシプロピルアセテートの2:1:1の比
の混合物)を使用して3部の添加物(消泡剤および光安
定剤)を溶解しそしてこの溶液を添加する。
【0039】100部のこのバインダー混合物をPro
glyde DMMに市販のイソシアネート(Desm
odur(R) N3400)を溶解した20部の80% 濃
度溶液と混合し、この混合物を次いで脱イオン水にてカ
ップから25秒の流れ時間に相当する噴霧粘度に調節す
る(23℃でDIN53211に従って測定)。6)アクリル樹脂Cからの水性二成分透明塗料の製造 130mg/gの水酸基価および4重量% の固形分含有
量を有する実施例3の80.6部のアクリレート樹脂水
性分散物を最初に導入し、9.9部の脱イオン水で希釈
した1.9部のエーテル化メラミンホルムアルデヒド樹
脂(Maprenal(R) MF920)をこれに添加す
る。4.6部の溶剤混合物(Proglyde(R) DM
M=ジプロピレングリコール−ジメチルエーテル、Do
wanol(R) DPnB=ジプロピレングリコール−n
−ブチルエーテル、MPA=メトキシプロピルアセテー
トの2:1:1の比の混合物)を使用して3部の添加物
(消泡剤および光安定剤)を溶解しそしてこの溶液を添
加する。
【0040】100部のこのバインダー混合物をPro
glyde DMMに市販のイソシアネート(Desm
odur(R) N3400)を溶解した20部の80% 濃
度溶液と混合し、この混合物を次いで脱イオン水にてカ
ップから25秒の流れ時間に相当する噴霧粘度に調節す
る(23℃でDIN53211に従って測定)。7)アクリル樹脂Dからの水性二成分透明塗料の製造 例6の操作を繰り返すが、例4のアクリレート樹脂水性
分散物を使用する。
【0041】8)市販のアクリル樹脂からの水性二成分
透明塗料の製造 例5の操作を繰り返すが、例5で使用したイソシアネー
トの代わりに37.5部のイソホロンジイソシアネート
をキシレンとメトキシプロピル−アセテートとの混合物
に溶解した70% 濃度溶液として使用する。9)アクリル樹脂Cからの水性二成分透明塗料の製造 例6の操作を繰り返すが、例6で使用したイソシアネー
トの代わりに37.5部のイソホロンジイソシアネート
をキシレンとメトキシプロピル−アセテートとの混合物
に溶解した70% 濃度溶液として使用する。
【0042】10)透明塗料の性能試験 例6〜9の二成分透明塗料を市販の溶剤含有非水性系
(Macrynal(R)SM510n/Desmodu
r N75)と比較して試験した。結果を表に総括掲載
する。 室温:20℃、 i−プロパノール:イソプロパノール 外部乳化系(例6および9)の性質は自己乳化系(例5
および8)のそれに等しいことが判る。自己乳化系では
約40μm より厚い塗膜を表面に損傷なし一塗りで塗布
できないが、本発明の外部乳化系では表面に損傷(いわ
ゆるボイルマーク)を生ずることなしに一塗りで65μ
m までの厚さの塗膜を塗布することが可能である。耐薬
品性(防食剤に16時間曝し;37% 濃度の硫酸、1%
濃度の水酸化ナトリウム溶液、ブレーキ液、タール試験
溶液にそれぞれ30分曝し;いわゆるカチオン−アニオ
ン試験)は表示した個々の厚さで試験塗膜は相違してい
ない。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)5〜50% の親水性ポリエステル
    成分および(B)95〜50% の、水酸基および酸基を
    持つアクリレートコポリマーの各重量割合(固形分含有
    量)でそれぞれを含むアクリレート樹脂水性分散物。
  2. 【請求項2】 アクリレートコポリマー(B)が40〜
    200mg/gの水酸基価および15〜50mg/gの
    酸価を有する請求項1に記載のアクリレート水性分散
    物。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種類がオレフィン性不飽和
    カルボン酸でありそして少なくとも1種類がオレフィン
    性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステルであ
    る少なくとも2種類のオレフィン性不飽和モノマー60
    〜95部を、α−位で分岐した脂肪族飽和モノカルボン
    酸の少なくとも1種類のグリシジルエステル5〜40部
    の存在下に遊離基開始塊状共重合することによってアク
    リレートコポリマー(B)が製造されている、請求項1
    に記載のアクリレート樹脂水性分散物。
  4. 【請求項4】 アクリレートコポリマー(B)が、 a)5〜40部、好ましくは10〜30部のα−位で分
    岐した脂肪族飽和モノカルボン酸の少なくとも1種類の
    グリシジルエステル、 b)0〜30部の、エステル基中炭素原子数1〜8の
    α,β−オレフィン性不飽和ジカルボン酸の少なくとも
    1種類ジエステル、 c)0〜70部、好ましくは0〜45部の少なくとも1
    種類の芳香族ビニル炭化水素、 d)0〜60部、好ましくは10〜40部のα,β−オ
    レフィン性不飽和カルボン酸アルキルエステル、好まし
    くは炭素原子数1〜18のアルキル−またはシクロアル
    キル基を持つアルキル−またはシクロアルキル(メタ)
    アクリレート、 e)2〜47.5部、好ましくは5〜30部の少なくと
    も1種類のα,β−オレフィン性不飽和カルボン酸、好
    ましくは(メタ)アクリル酸、ただし成分e)のモル量
    は成分a)のモル量より常に多い、および f)5〜40部のα,β−オレフィン性不飽和カルボン
    酸の少なくとも1種類のヒドロキシアルキルエステル、
    好ましくは(メタ)アクリル酸と炭素原子数2〜6の多
    価脂肪族アルコールとの(メタ)アクリル酸エステル を遊離基塊状共重合することによって製造され、該共重
    合が塊状でまたは水希釈性溶剤の存在下に実施されてい
    る、請求項1に記載のアクリレート樹脂水性分散物。
  5. 【請求項5】 アクリレートポリマー(B)が成分a)
    として炭素原子数9〜11の高度に分岐したモノカルボ
    ン酸のグリシジルエステルを遊離基共重合することによ
    って得られている請求項1に記載のアクリレート樹脂水
    性分散物。
  6. 【請求項6】 アクリレートコポリマーが成分d)とし
    てイソボルニル(メタ)アクリレートを遊離基共重合す
    ることによって得られている請求項1に記載のアクリレ
    ート樹脂水性分散物。
  7. 【請求項7】 重合が、ポリマーと溶剤との総重量を基
    準として3〜35%、好ましくは10〜25% の重量の
    水希釈性溶剤中で実施されており、ただし該希釈剤の全
    部または一部がモノマーc)〜f)と一緒に添加されて
    いる請求項1に記載のアクリレート樹脂水性分散物。
  8. 【請求項8】 親水性ポリエステル(A)が脂肪族前駆
    体だけから製造されているアクリレート樹脂水性分散
    物。
  9. 【請求項9】 ポリエステル(A)を親水性構造単位お
    よび、官能基が酸基および水酸基から選択されている二
    官能性脂肪族化合物から製造されている請求項1に記載
    のアクリレート樹脂水性分散物。
  10. 【請求項10】 親水性構造単位がポリエステル(A)
    の前駆体の総重量を基準として1〜20% の量割合に相
    当する量で使用されている請求項8に記載のアクリレー
    ト樹脂水性分散物。
  11. 【請求項11】 ポリエステル(A)の親水性構造単位
    が、水酸基およびカルボン酸基から選択される二つの官
    能基をそれぞれに持つイオン性、イオノゲン性および非
    イオン性の親水性化合物から選択されている請求項8に
    記載のアクリレート樹脂水性分散物。
  12. 【請求項12】 ポリエステル(A)が、二塩基酸およ
    びジヒドロキシ脂肪族化合物を使用して製造されてお
    り、その際にいずれの場合にもこれら化合物の10% の
    量が三塩基酸または更に高級の多塩基酸および3個以上
    の水酸基を持つ脂肪族化合物に交換されている請求項8
    に記載のアクリレート樹脂水性分散物。
  13. 【請求項13】 ポリエステル(A)が、二塩基酸およ
    びジヒドロキシ脂肪族化合物を使用して製造されてお
    り、その際にいずれの場合にもこれら化合物の10% の
    量が三塩基酸または更に高級の多塩基酸および3個以上
    の水酸基を持つ脂肪族化合物に交換されており、いずれ
    の場合もそれら量の3% までは一塩基酸およびモノヒド
    ロキシ化合物に交換されている、請求項8に記載のアク
    リレート樹脂水性分散物。
  14. 【請求項14】 ポリエステル(A)が、脂肪族ジカル
    ボン酸または炭素原子数2〜40のそれのエステル形成
    性誘導体および炭素原子数2〜40の脂肪族ジヒドロキ
    シ化合物を使用して製造されている、請求項9に記載の
    アクリレート樹脂水性分散物。
  15. 【請求項15】 水希釈性焼付透明塗料または水希釈性
    ソリッドカラー焼付けエナメルにおいて請求項1に記載
    の水希釈性分散物をバインダーとして用いる方法。
  16. 【請求項16】 硬化剤としての高反応性の部分エーテ
    ル化メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と一緒に水希釈性
    焼付透明塗料または水希釈性ソリッドカラー焼付けエナ
    メルにおいて請求項1に記載の水希釈性分散物をバイン
    ダーとして用いる方法。
  17. 【請求項17】 水希釈性二成分塗料のバインダーとし
    て請求項1に記載の水希釈性分散物を用いる方法。
  18. 【請求項18】 硬化剤としてのイソシアネート成分と
    一緒に水希釈性二成分系塗料において請求項1に記載の
    水希釈性分散物をバインダーとして用いる方法。
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