JPH09312465A - 回路基板及びその製造方法 - Google Patents

回路基板及びその製造方法

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JPH09312465A
JPH09312465A JP15030296A JP15030296A JPH09312465A JP H09312465 A JPH09312465 A JP H09312465A JP 15030296 A JP15030296 A JP 15030296A JP 15030296 A JP15030296 A JP 15030296A JP H09312465 A JPH09312465 A JP H09312465A
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/34Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by soldering
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田の必要以上の濡れ広がり、並びに、異物
による配線同士の短絡を確実に防止すると共に、マイグ
レーション発生のおそれを回避して長寿命化を達成した
回路基板及びその製造方法を提供する。 【解決する手段】 回路パターンを有するレジストなし
基板であって、前記回路パターンには半田で濡らす予定
の領域と半田で濡らさない予定の領域とが設定されてお
り、前記半田で濡らさない予定の領域の表面は強制酸化
処理が施されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品等の実装
に使用される回路基板及びその製造方法に係り、特に、
半田付け工程の際の熱により劣化してマイグレーション
の原因となるレジスト被膜を用いることなく、半田の濡
れ広がりをランド部等に限定できるようにした回路基板
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リフロー工程等に供される回路基
板の表面には、半田付け工程に先立って、レジスト被膜
等と称されるエポキシ樹脂の被膜が被着されている。こ
のレジスト被膜には、回路パターン上のランド部に整合
するようにして、開口が形成されており、これにより開
口部から露出するランド部等に半田を乗せて加熱溶融さ
せた場合に、半田が必要以上に濡れ広がらないように配
慮されている。すなわち、このレジスト被膜の機能は、
半田の濡れ広がりを上記開口部内に限定すると共に、回
路パターン上の配線部分同士を導電性異物が短絡させる
ことを防止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のレジスト被膜付きの回路基板にあっては、半
田付け工程の高温に晒されてレジスト被膜が変質する
と、その耐湿性が劣化してレジスト被膜と基板との界面
に水分が侵入してマイグレーションを発生し、回路基板
の寿命を低下させるという問題がある。また、レジスト
が高温にさらされて電気絶縁性や誘導損失が変化し、回
路機能が損なわれる問題もあった。殊に、鉛による環境
汚染対策として昨今注目されてている鉛フリー半田合金
の溶融温度は、現行の鉛系半田合金のそれに比べてさら
に20〜30度程も高いため、上記の問題は一層顕著で
あると考えられる。尚、『マイグレーション』とは、基
板とレジスト被膜との界面に水分が侵入したり、レジス
ト被膜中に膨潤したりして、配線間の電位差が銅リード
のアノード溶解、カソードでの沈積を生じさせて回路動
作不良を招来する現象である。
【0004】この発明は、従来のレジスト被膜付き回路
基板における以上の問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、半田の必要以上の濡れ広
がり、並びに、異物による配線同士の短絡を確実に防止
すると共に、マイグレーション発生のおそれを回避して
長寿命化を達成した回路基板及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1に記
載の発明は、回路パターンを有するレジストなし基板で
あって、前記回路パターンには半田で濡らす予定の領域
と半田で濡らさない予定の領域とが設定されており、前
記半田で濡らさない予定の領域の表面は強制酸化処理が
施されていることを特徴とする回路基板である。
【0006】ここで、『回路パターン』とは、ランド部
分と配線部分との双方を含む意味である。
【0007】また、『レジストなし基板』とは、基板上
にレジスト被膜を有しない基板の意味である。
【0008】また、『半田で濡らす予定の領域』とは、
回路部品の電極部(リード、端子ピン等)が接触するラ
ンド部分やパワートランジスタの電流等が流れる高電流
配線部分の意味である。
【0009】また、『半田で濡らさない予定の領域』と
は、上記以外の配線部分等の意味である。
【0010】さらに、『強制酸化処理』とは、常温にて
自然に酸化される程度のものを排除する意味であり、ま
たフラックスによっても濡れ性を回復されない程度に強
く酸化することを意味する。
【0011】そして、この請求項1に記載の発明によれ
ば、半田付けに際して半田が必要以上に濡れ広がること
がなく、また配線間の短絡も防止される。さらに、レジ
スト被膜が存在しないため、マイグレーション発生のお
それもない。加えて、強制酸化膜の厚さはレジスト被膜
のそれよりも薄いため、基板表面の段差も小さくなり、
スクリーン印刷技術により半田ペーストを供給する際に
精度がでやすい。また、半田が溶融合体するときも、段
差がないために容易である。
【0012】この出願の請求項2に記載の発明は、前記
半田で濡らす予定の領域には耐酸化性の金属被膜が形成
されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板
である。
【0013】ここで、『耐酸化性』とは、酸素の拡散を
阻害・抑制する、の意味である。
【0014】また、『金属被膜』とは、導電性を保持す
るの意味である。
【0015】そして、この請求項2に記載の発明によれ
ば、請求項1の効果に加えて、そのまま放置しても半田
で濡らす予定の部分が酸化されにくく、半田の濡れ性が
確保される。
【0016】この出願の請求項3に記載の発明は、前記
耐酸化性の金属被膜の材料は金であることを特徴とする
請求項2に記載の回路基板である。
【0017】そして、この請求項3に記載の発明によれ
ば、請求項2の効果に加えて、金は認識しやすいので、
半田を配置する際の目印として機能する。
【0018】この出願の請求項4に記載の発明は、前記
半田で濡らす予定の領域の表面若しくは前記耐酸化性の
金属被膜の表面には半田がプレコートされていることを
特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の回
路基板である。
【0019】ここで、『半田』とは、リフロー方式ある
いはフロー方式の使用半田をすべて含み、フラックスの
有無も問わない。リフロー方式の場合には、フラックス
入りの半田ペーストが使用されるであろう。
【0020】また、『プレコート』とは、回路部品の接
合工程に先立ってコートされるの意味である。
【0021】また、『領域の表面』とは、表面の全体、
表面の一部、表面を僅かにはみ出している場合のいずれ
をも含むの意味である。半田が必要以上にも濡れ広がら
ないのであるから、半田の位置にはさほど注意を払う必
要はない。
【0022】そして、この請求項4に記載の発明によれ
ば、前記の効果に加え、部品接合工程に直ちに供するこ
とができる。
【0023】この出願の請求項5に記載の発明は、回路
パターンを有するレジストなし基板を用意するステップ
と、前記レジストなし基板上の回路パターンのうち、半
田で濡らす予定の領域の表面を還元剤で覆うステップ
と、前記半田で濡らす予定の領域の表面を還元剤で覆わ
れたレジストなし基板を加熱処理することにより前記回
路パターンのうち半田で濡らさない予定の領域の表面を
強制的に酸化させるステップと、を具備することを特徴
とする回路基板の製造方法である。
【0024】ここで、『還元剤』とは、加熱によっても
酸化されにくくするための化学物質であり、具体的に
は、例えば臭素等のハロゲンを含む活性剤、通常のフラ
ックス剤、しょ糖等を含む厚膜ペースト印刷材又は厚膜
ペースト転写材等を挙げることができる。
【0025】また、『加熱処理』とは、基板全体を加熱
雰囲気中で加熱する場合のほか、赤外線の照射により加
熱する場合や、誘導加熱により加熱する場合などのあら
ゆる加熱方法が含まれる。
【0026】そして、この請求項5に記載の発明によれ
ば、半田で濡らす予定の領域の表面に酸化膜が生成され
ることを排除しつつ、半田で濡らさない予定の領域の表
面を強制的に酸化させることができる。そのため、両領
域間における酸化の度合いに大差をつけることができ
る。
【0027】この出願の請求項6に記載の発明は、前記
強制的に酸化させるステップに続いて、前記半田で濡ら
す予定の領域の表面に半田をプレコートするステップを
具備することを特徴とする請求項5に記載の回路基板の
製造方法である。
【0028】この請求項6に記載の発明によれば、前記
の効果に加え、部品接合工程に直ちに供することができ
る。
【0029】この出願の請求項7に記載の発明は、回路
パターンを有するレジストなし基板を用意するステップ
と、前記レジストなし基板上の回路パターンのうち、半
田で濡らさない予定の領域の表面に酸化剤を塗布するス
テップと、前記酸化剤を塗布されたレジストなし基板を
放置することにより、専ら前記酸化剤の作用により、前
記半田で濡らさない予定の領域の表面を強制的に酸化さ
せるステップと、を具備することを特徴とする回路基板
の製造方法である。
【0030】ここで、『酸化剤』とは、パターン材料で
ある銅箔等を酸化させる作用を有する化学物質である。
【0031】また、『専ら前記酸化剤の作用により』と
は、高温加熱による強制酸化等を排除する意味である。
【0032】さらに、『予定の領域の表面』とは、少な
くとも濡らさない予定の領域の表面の全面にの意味であ
り、濡らす予定の領域にはみ出さない限り、表面領域か
ら基板面にはみ出してもよいの意味である。
【0033】そして、この請求項7に記載の発明によれ
ば、半田で濡らさない予定の領域の表面を強制的に酸化
させることができ、しかも高温雰囲気中に基板を晒すこ
とによる基板の損傷がない。
【0034】この出願の請求項8に記載の発明は、前記
強制的に酸化させるステップに続いて、前記レジストな
し基板上の回路パターンのうち、半田で濡らす予定の領
域の表面に半田をプレコートするステップを具備するこ
とを特徴とする請求項7に記載の回路基板の製造方法で
ある。
【0035】そして、この請求項8に記載の発明によれ
ば、前記の効果に加え、部品接合工程に直ちに供するこ
とができる。
【0036】この出願の請求項9に記載の発明は、回路
パターンを有するレジストなし基板を用意するステップ
と、前記レジストなし基板上の回路パターンのうち、半
田で濡らす予定の領域の表面に耐酸化性金属の被膜を形
成するステップと、前記半田で濡らす予定の領域の表面
を耐酸化性金属の被膜で覆われたレジストなし基板を加
熱処理することにより前記回路パターンのうち半田で濡
らさない予定の領域の表面を強制的に酸化させるステッ
プと、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法
である。
【0037】ここで、『金属被膜の形成』は、様々な方
法で可能であり、例えばマスクを用いた真空蒸着やスパ
ッタリング等を採用することができる。
【0038】そして、この請求項9に記載の発明によれ
ば、半田で濡らす予定の領域の表面に酸化膜が生成され
ることを排除しつつ、半田で濡らさない予定の領域の表
面を強制的に酸化させることができる。特に、加熱によ
り酸化膜の形成を短時間で行える。
【0039】この出願の請求項10に記載の発明は、前
記強制的に酸化させるステップに続いて、前記半田で濡
らす予定の領域の前記被膜の表面に半田をプレコートす
るステップを具備することを特徴とする請求項9に記載
の回路基板の製造方法である。
【0040】そして、この請求項10に記載の発明によ
れば、前記の効果に加え、部品接合工程に直ちに供する
ことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0042】前述の如く、回路基板上のランド部等にお
ける必要以上の半田濡れ広がりの防止、及び配線部分に
おける異物による短絡防止の対策として、エポキシ樹脂
などからなるレジスト被膜を採用すると、それが半田付
け工程における熱により変質して吸湿性を帯び、マイグ
レーションが発生して回路基板の寿命を低下させる虞が
ある。
【0043】そこで、この発明では、上述の問題をレジ
スト被膜ではなくて、回路パターンを構成する銅箔の表
面を適宜に強制酸化して酸化銅の被膜を形成することに
より解決する。すなわち、本発明の回路基板1は、図1
に示されるように、回路パターン(ランド部2や配線部
3,4を総称している)を表面に有するレジストなし基
板(いわゆるエッチング上がりの基板)を主体とするも
のであって、その回路パターンを構成する銅箔の上に
は、図中白抜き部分として描かれる半田で濡らす予定の
領域(A)と図中ハッチングにて描かれる半田で濡らさ
ない予定の領域(B)とが設定されており、その内で半
田で濡らさない予定の領域(B)の表面には、強制酸化
処理が施されていることを特徴とするものである。図示
の例にあっては、半田で濡らす予定の領域(A)として
は、ランド部分2及びトランジスタなどへ通電する高電
流配線部分3が描かれており、また半田で濡らさない予
定の領域としては、その他の通常電流が流れる配線部分
4が描かれているが、これはあくまでも一例にすぎない
ものである。また、強制酸化処理とは、自然酸化との対
比において使用された語であり、また半田付けの際にフ
ラックスの還元力によっても濡れ性を回復しない程度の
強さに(酸素リッチに)酸化されていることを意味して
いる。そして、このような回路基板1であれば、酸化銅
の被膜が存在する領域では溶融半田ははじいてしまうた
め、ランド部分2や高電流配線部分3にて加熱溶融され
た半田の濡れ広がりは、それらの領域(A)内に限定さ
れてしまい、それを越えて必要以上にぬ濡れ広がること
がない。加えて、酸化銅の被膜は半田付けの熱に晒され
ても吸湿性を帯びることはないから、レジスト被膜を使
用した場合のように、マイグレーションを発生して回路
基板の寿命を低下させることもない。
【0044】本発明の回路基板は、具体的には、半田付
けプロセスの内容に応じた様々な形態にて実用に供され
る。最も基本的な形態は、例えば図2(a)に示される
ものであり、レジストなし基板5上に形成された回路パ
ターンを構成する銅箔5aのうち、半田で濡らさない予
定の配線部分7の表面については、強制酸化処理により
形成された酸化銅被膜8が存在し、他方半田で濡らす予
定のランド部分6については酸化銅被膜のない銅箔むき
出しの状態とされている。この形態の回路基板は、リフ
ロー工程やフロー工程を問わず、任意の半田付けプロセ
スに供することができる。これに対して、リフロー工程
に適した形態は、例えば図2(b)に示されるものであ
り、表面がむき出しとされたランド部分6の上には、半
田ペースト9がプレコートされた状態となっている。こ
の形態によれば、そのまま直ちに部品搭載工程に移行で
きることに加え、プレコートされた半田ペースト9がラ
ンド部分6の表面の自然酸化を妨げる作用を発揮する。
一方、銅箔むき出しとされたランド部分6の表面酸化を
妨げるための別の形態は、例えば図3(a)に示される
ものであり、表面がむき出しとされたランド部分6の表
面には、耐酸化性の金属被膜として金(Au)が蒸着等
の手法により被着されている。この形態によれば、長時
間放置されたとしてもランド部分が自然酸化され難く、
加えて金は識別が容易であるため、回路パターン上にお
いて酸化処理が施された部分と酸化処理されていない部
分とを容易に識別させることができる。この場合にも、
リフロー工程に適した形態としては、図3(b)に示さ
れるものを挙げることができ、ランド部分6の表面に被
着された金の上には、半田ペースト11がプレコートさ
れている。この形態によれば、そのまま直ちに部品搭載
工程に移行できることに加え、ランド部分6に被着され
た金10がランド部分6の表面の自然酸化を妨げる作用
を発揮する。
【0045】本発明にかかる回路基板の製造方法として
は、図4及び図5に示される熱間酸化方式と図6に示さ
れる冷間酸化方式とが考えられる。熱間酸化方式の場合
には、先ず、回路基板12の表面に形成された回路パタ
ーン13のうちで、半田で濡らす予定の領域であるラン
ド部分14の表面に還元剤15を常温下において塗布す
る。尚、16は半田で濡らさない予定の領域である配線
部分である。ここで、還元剤15としては、臭素(B
r)等のハロゲン、しょ糖等を含む厚膜ペースト印刷
材、厚膜ペースト転写材等を用いることができる。
【0046】次いで、還元剤15が塗布された回路基板
12は、図4(b)に示されるように、酸化工程へと送
られ、ここで図5に示される温度プロファイルに従って
加熱処理が行われる。すなわち、常温下にあるランド部
分14の表面は自然酸化状態にあるが、時刻t1におい
て有酸素雰囲気中にて加熱を開始し、温度T1の状態を
時刻t2まで継続すると、還元剤15の作用によりラン
ド部分14を構成する銅箔表面の酸化濃度は緩やかに低
下を開始し、ある値にて平衡状態に達する。これに対し
て、配線部分16を構成する銅箔表面の酸化濃度は逆に
緩やかに上昇を開始し、温度T1の状態での加熱を時刻
t2まで継続すると、時刻t2においてその酸化濃度は
ある値まで上昇する。次いで、時刻t2においてさらに
温度を上げ、その後、温度T2の状態を継続すると、還
元剤の作用は徐々に消失するため、ランド部分14を構
成する銅箔表面の酸素濃度はある値を境として逆に緩や
かに上昇を開始し、時刻t3において当初の自然酸化状
態に戻る。これに対して、配線部分16を構成する銅箔
表面の酸化濃度は、時刻t2以降も温度に比例した速度
でなおも急激に増加してゆく。そのため、時刻t3以前
の時点にて加熱処理を停止すれば、ランド部分14の表
面の酸素濃度は通常のフラックスにて接合が可能な低い
値に維持されているのに対して、配線部分16の表面の
酸素濃度はフラックスや活性剤にては接合が不能な高い
値となるため、両者間には酸化濃度において大きな差が
生じ、これにより溶融半田の濡れ広がりはランド部分1
5のみに限定され、レジスト被膜などが存在せずとも、
半田が配線部分16にまで濡れ広がることがなくなるの
である。尚、17は配線部分16の表面に強制酸化処理
にて形成された酸化銅被膜である。
【0047】次いで、酸化処理が終了した回路基板12
は、図4(c)に示される洗浄工程へと送られ、ここで
表面に付着した還元剤15が洗浄除去されて、本発明の
回路基板の基本形態が完成する。以後、前述したよう
に、半田付けプロセスに応じてこの回路基板は種々の形
態に処理される。
【0048】すなわち、長期保存に際してランド部分1
4が酸化しないように配慮する場合には、図4(d)に
示されるように、真空蒸着或いはスパッタリング等の手
法により、ランド部分14の表面には約0.1ミクロン
程度の厚さに耐酸化性金属の被膜として金18が被着さ
れる。
【0049】また、リフロー工程に供される場合には、
図4(e)に示されるように、ランド部分14の上に被
着された金18のうえには半田ペースト19がスクリー
ン印刷技術等により塗布される。
【0050】一方、直ちにリフロー工程に供される場合
には、図4(c)に示される洗浄工程に続いて、図4
(f)に示される印刷工程に送られ、スクリーン印刷技
術を用いて半田ペースト20の塗布が行われる。尚、こ
の際に、酸化銅被膜17は従前のレジスト被膜のように
回路基板上に大きな段差を生じないたいため、印刷性が
向上して半田ペースト配置精度が改善され、マイクロソ
ルダリングによる微細部品の実装に好適なものとなる。
【0051】次に、冷間酸化方式の場合には、図6
(a)に示されるように、先ず、回路基板12の表面に
形成された回路パターン13のうちで、半田で濡らさな
い予定の領域である配線部分16の表面に酸化剤21を
常温下において塗布する。尚、14は半田で濡らす予定
の領域であるランド部分である。ここで、酸化剤21と
しては、過酸化水素、過酸化金属塩(過マンガン酸カリ
ウム等)、酸素を吸蔵した金属粉(Fe酸化粉等)をヴ
ィークル混合した印刷剤等を適宜に用いることができ
る。
【0052】次いで、酸化剤21が塗布された回路基板
12は、図6(b)に示されるように、常温放置工程へ
と送られ、ここで常温下において専ら酸化剤21の作用
により酸化処理が進められる。以後の処理は、図5
(c)〜図5(f)に示される熱間酸化処理における場
合と同様である。
【0053】そして、この冷間酸化方式によれば、酸化
処理が常温下で行われることから、酸化処理の熱で基板
にストレスを与えることがない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、半田の必要以上の濡れ広がり、並びに、異物
による配線同士の短絡を確実に防止すると共に、レジス
ト被膜を使用しないことから、マイグレーション発生の
おそれを回避して、回路基板の長寿命化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる回路基板の模式的な斜視図であ
る。
【図2】本発明にかかる回路基板の種々の形態を示す断
面図である。
【図3】本発明にかかる回路基板の種々の形態を示す断
面図である。
【図4】本発明にかかる回路基板の熱間酸化方式による
製造方法の一例を示す工程図である。
【図5】熱間酸化工程における温度プロファイルと銅箔
中の酸素濃度との関係を示すグラフである。
【図6】本発明にかかる回路基板の冷間酸化方式による
製造方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 回路基板 2 ランド部分 3 高電流配線部分 4 配線部分 5 回路基板 5a 回路パターン 6 ランド部分 7 配線部分 8 酸化銅被膜 9 半田ペースト 10 金 11 半田ペースト 12 回路基板 13 回路パターン 14 ランド部分 15 還元剤 16 配線部分 17 酸化銅被膜 18 金 19 半田ペースト 20 半田ペースト 21 酸化剤 A 半田で濡らさない予定の領域 B 半田で濡らす予定の領域

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路パターンを有するレジストなし基板
    であって、前記回路パターンには半田で濡らす予定の領
    域と半田で濡らさない予定の領域とが設定されており、
    前記半田で濡らさない予定の領域の表面は強制酸化処理
    が施されていることを特徴とする回路基板。
  2. 【請求項2】 前記半田で濡らす予定の領域には耐酸化
    性の金属被膜が形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の回路基板。
  3. 【請求項3】 前記耐酸化性の金属被膜の材料は金であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
  4. 【請求項4】 前記半田で濡らす予定の領域の表面若し
    くは前記耐酸化性の金属被膜の表面には半田がプレコー
    トされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    いずれかに記載の回路基板。
  5. 【請求項5】 回路パターンを有するレジストなし基板
    を用意するステップと、 前記レジストなし基板上の回路パターンのうち、半田で
    濡らす予定の領域の表面を還元剤で覆うステップと、 前記半田で濡らす予定の領域の表面を還元剤で覆われた
    レジストなし基板を加熱処理することにより前記回路パ
    ターンのうち半田で濡らさない予定の領域の表面を強制
    的に酸化させるステップと、 を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記強制的に酸化させるステップに続い
    て、前記半田で濡らす予定の領域の表面に半田をプレコ
    ートするステップを具備することを特徴とする請求項5
    に記載の回路基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 回路パターンを有するレジストなし基板
    を用意するステップと、 前記レジストなし基板上の回路パターンのうち、半田で
    濡らさない予定の領域の表面に酸化剤を塗布するステッ
    プと、 前記酸化剤を塗布されたレジストなし基板を放置するこ
    とにより、専ら前記酸化剤の作用により、前記半田で濡
    らさない予定の領域の表面を強制的に酸化させるステッ
    プと、 を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記強制的に酸化させるステップに続い
    て、前記レジストなし基板上の回路パターンのうち、半
    田で濡らす予定の領域の表面に半田をプレコートするス
    テップを具備することを特徴とする請求項7に記載の回
    路基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 回路パターンを有するレジストなし基板
    を用意するステップと、 前記レジストなし基板上の回路パターンのうち、半田で
    濡らす予定の領域の表面に耐酸化性金属の被膜を形成す
    るステップと、 前記半田で濡らす予定の領域の表面を耐酸化性金属の被
    膜で覆われたレジストなし基板を加熱処理することによ
    り前記回路パターンのうち半田で濡らさない予定の領域
    の表面を強制的に酸化させるステップと、 を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記強制的に酸化させるステップに続
    いて、前記半田で濡らす予定の領域の前記被膜の表面に
    半田をプレコートするステップを具備することを特徴と
    する請求項9に記載の回路基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013093538A (ja) * 2011-10-04 2013-05-16 Ngk Spark Plug Co Ltd 配線基板及びその製造方法

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