JPH09312448A - 多重隣接閉込め構造によるキャリア閉込め構造 - Google Patents
多重隣接閉込め構造によるキャリア閉込め構造Info
- Publication number
- JPH09312448A JPH09312448A JP16226796A JP16226796A JPH09312448A JP H09312448 A JPH09312448 A JP H09312448A JP 16226796 A JP16226796 A JP 16226796A JP 16226796 A JP16226796 A JP 16226796A JP H09312448 A JPH09312448 A JP H09312448A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子とホールの空間的分離を伴いやすいタイ
プIIヘテロ接合を成す半導体材料系においても、電子
とホールを同じクラッド層上に同時に閉込め、活性層周
囲でのキャリア密度を上げて、発光素子の効率および温
度耐性を向上させたい。 【構成】 タイプIIヘテロ接合を成す二層をその中間
の組成のクラッド層によって挟んだ構造(隣接閉込め構
造)を、間隔をおいて四重以上の多重構造にし、その間
隔を両外側から内側に向かって順に広くする。これによ
り、隣接閉込め構造の障壁層に相当する層の間で、各
々、量子準位が形成され、その第一量子準位エネルギー
の差を利用して電子やホールを閉込めることができる。
このとき伝導帯側で電子を閉込めると、同時に価電子帯
側でホールも同じ領域に閉込められるため、タイプII
ヘテロ接合を成す半導体材料系においても、空間的分離
を伴わずに両キャリア密度を上げることができる。
プIIヘテロ接合を成す半導体材料系においても、電子
とホールを同じクラッド層上に同時に閉込め、活性層周
囲でのキャリア密度を上げて、発光素子の効率および温
度耐性を向上させたい。 【構成】 タイプIIヘテロ接合を成す二層をその中間
の組成のクラッド層によって挟んだ構造(隣接閉込め構
造)を、間隔をおいて四重以上の多重構造にし、その間
隔を両外側から内側に向かって順に広くする。これによ
り、隣接閉込め構造の障壁層に相当する層の間で、各
々、量子準位が形成され、その第一量子準位エネルギー
の差を利用して電子やホールを閉込めることができる。
このとき伝導帯側で電子を閉込めると、同時に価電子帯
側でホールも同じ領域に閉込められるため、タイプII
ヘテロ接合を成す半導体材料系においても、空間的分離
を伴わずに両キャリア密度を上げることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】半導体レーザー・LED等の電気
による発光素子。及びこれらを他の素子と組み合わせた
集積デバイス。
による発光素子。及びこれらを他の素子と組み合わせた
集積デバイス。
【0002】
【従来の技術】タイプIヘテロ接合を成す材料系におい
ては、価電子帯と伝導帯のバンド構造の対称性により、
電子を閉込める構造を作ると、同時にホールも閉込めら
れる。従来より用いられてきた分離閉込めヘテロ構造で
は、これにより電子とホールの両方を効率良く閉込める
ことができた(図1)。しかしタイプIIヘテロ接合を
成す材料系では、従来のタイプI系における構造をその
まま適用しても、価電子帯と伝導帯のバンド構造の対称
性がタイプIと反対であるために、電子とホールのどち
らか一方のキャリアに対してのみしか有効な閉込めを行
うことができない(図2)。このためにタイプIIヘテ
ロ接合を成す材料系では、従来のキャリア閉込め構造を
適用しても、電子とホールが空間的に分離し、同じ領域
に同時に閉込められなかった。
ては、価電子帯と伝導帯のバンド構造の対称性により、
電子を閉込める構造を作ると、同時にホールも閉込めら
れる。従来より用いられてきた分離閉込めヘテロ構造で
は、これにより電子とホールの両方を効率良く閉込める
ことができた(図1)。しかしタイプIIヘテロ接合を
成す材料系では、従来のタイプI系における構造をその
まま適用しても、価電子帯と伝導帯のバンド構造の対称
性がタイプIと反対であるために、電子とホールのどち
らか一方のキャリアに対してのみしか有効な閉込めを行
うことができない(図2)。このためにタイプIIヘテ
ロ接合を成す材料系では、従来のキャリア閉込め構造を
適用しても、電子とホールが空間的に分離し、同じ領域
に同時に閉込められなかった。
【0003】なお、ここで述べている電子とホールの閉
込めとは、活性層付近またはその周囲における、クラッ
ド層上のキャリア濃度を高くする為の、クラッド層上に
おける閉込めのことである。活性層自身におけるキャリ
アの閉込めは、また別の問題である点にご注意頂きた
い。また、以後タイプII系の半導体構造について述べ
る際に、組成比が中間の混晶を用いることにより、キャ
リアにとってバリアとなる層が二種類あるため、このう
ち活性層を挟むためのバリアをクラッド層、クラッド層
よりもより高いポテンシャルを持ちキャリアを反発する
バリアとなる層を障壁層と呼び分けることにする。
込めとは、活性層付近またはその周囲における、クラッ
ド層上のキャリア濃度を高くする為の、クラッド層上に
おける閉込めのことである。活性層自身におけるキャリ
アの閉込めは、また別の問題である点にご注意頂きた
い。また、以後タイプII系の半導体構造について述べ
る際に、組成比が中間の混晶を用いることにより、キャ
リアにとってバリアとなる層が二種類あるため、このう
ち活性層を挟むためのバリアをクラッド層、クラッド層
よりもより高いポテンシャルを持ちキャリアを反発する
バリアとなる層を障壁層と呼び分けることにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電子とホールの空間的
分離を伴いやすいタイプIIヘテロ接合を成す半導体材
料系においても、電子とホールを同じクラッド層上に同
時に閉込め、活性層周囲でのキャリア密度を上げて、発
光素子の効率および温度耐性を向上させたい。
分離を伴いやすいタイプIIヘテロ接合を成す半導体材
料系においても、電子とホールを同じクラッド層上に同
時に閉込め、活性層周囲でのキャリア密度を上げて、発
光素子の効率および温度耐性を向上させたい。
【0005】
【課題を解決するための手段】タイプIIヘテロ接合を
成す二層をその中間の組成のクラッド層によって挟んだ
構造を一まとめとし(隣接閉込め構造)(図3)、これ
を間隔をおいて四重以上の多重構造にする。その際、そ
の多重構造間の間隔を、両外側から内側に向かって順に
広くしてゆく(図4)。
成す二層をその中間の組成のクラッド層によって挟んだ
構造を一まとめとし(隣接閉込め構造)(図3)、これ
を間隔をおいて四重以上の多重構造にする。その際、そ
の多重構造間の間隔を、両外側から内側に向かって順に
広くしてゆく(図4)。
【0006】
【作用】隣接閉込め構造(図3)は、活性層の役割を持
つ発光構造であると同時に、量子井戸層に加え障壁層を
合わせ持った構造になっている。この隣接閉込め構造を
間隔をおいて四重以上の多重構造にし、その間隔を調節
することで、各間におけるクラッド層が障壁層で挟まれ
る形となり、量子準位が形成される。このクラッド層上
の第一量子準位のエネルギーの差を利用して、キャリア
を多重構造間に閉込めることができる(図4)。
つ発光構造であると同時に、量子井戸層に加え障壁層を
合わせ持った構造になっている。この隣接閉込め構造を
間隔をおいて四重以上の多重構造にし、その間隔を調節
することで、各間におけるクラッド層が障壁層で挟まれ
る形となり、量子準位が形成される。このクラッド層上
の第一量子準位のエネルギーの差を利用して、キャリア
を多重構造間に閉込めることができる(図4)。
【0007】例えば多重構造の間隔のうち、両外側の間
隔を狭くし、内側の間隔を広くすると、外側の障壁層間
の第一量子準位エネルギーよりも、内側の障壁層間の第
一量子準位エネルギーの方が低くなる。そのため一度内
側に入った電子が、外側へ移ることが妨げられて反射を
繰り返す。これにより多重構造の中心付近における電子
密度を上げることができる。
隔を狭くし、内側の間隔を広くすると、外側の障壁層間
の第一量子準位エネルギーよりも、内側の障壁層間の第
一量子準位エネルギーの方が低くなる。そのため一度内
側に入った電子が、外側へ移ることが妨げられて反射を
繰り返す。これにより多重構造の中心付近における電子
密度を上げることができる。
【0008】このとき伝導帯の反対側の価電子帯側でも
同じように、内側の障壁層間の第一量子準位エネルギー
が最も低くなるため、ホールも同時にこの内側に閉込め
られる。電子とホールが同時に同じ領域に選択的に閉込
められるため、これにより発光素子の効率や温度耐性を
大きく向上することができる。
同じように、内側の障壁層間の第一量子準位エネルギー
が最も低くなるため、ホールも同時にこの内側に閉込め
られる。電子とホールが同時に同じ領域に選択的に閉込
められるため、これにより発光素子の効率や温度耐性を
大きく向上することができる。
【0009】
【実施例】隣接した15オングストロームずつのGaP
層とAlP層を、両側から組成0.5のAlGaPで挟
み込んだ構造を一まとめとし(隣接閉込め構造)、この
構造を間隔をおいて六周期の多重構造にする。六つの構
造の間の五つの間隔を、順にそれぞれ300、500、
1000、500、300オングストロームずつにと
る。この両外側に十分なAlGaP層をとって、それぞ
れP形・N形にドープし、オーミック電極を形成する
と、これは上記の構造を利用した可視光LEDとなる。
層とAlP層を、両側から組成0.5のAlGaPで挟
み込んだ構造を一まとめとし(隣接閉込め構造)、この
構造を間隔をおいて六周期の多重構造にする。六つの構
造の間の五つの間隔を、順にそれぞれ300、500、
1000、500、300オングストロームずつにと
る。この両外側に十分なAlGaP層をとって、それぞ
れP形・N形にドープし、オーミック電極を形成する
と、これは上記の構造を利用した可視光LEDとなる。
【0010】
【発明の効果】本構造を用いることによりタイプIIヘ
テロ接合を成す系でも、タイプIヘテロ接合を成す系と
同様に、電子とホールを同じ領域に選択的に閉じ込める
ことができる。また本構造では、分離閉込めヘテロ構造
と異なり、組成変化に伴うバンドギャップ・エネルギー
の変化が例えゼロであっても、ヘテロ接合において十分
なバンドオフセットを得られる材料系であれば、多重構
造間に量子準位が形成されて、有効なキャリアの閉込め
を行える。そのためバンドギャップ・エネルギーの組成
変化が小さなタイプIIヘテロ接合系にも応用できる。
これにより、様々なタイプIIヘテロ接合を成す半導体
材料系において、発光素子の効率および温度耐性を向上
することができる。
テロ接合を成す系でも、タイプIヘテロ接合を成す系と
同様に、電子とホールを同じ領域に選択的に閉じ込める
ことができる。また本構造では、分離閉込めヘテロ構造
と異なり、組成変化に伴うバンドギャップ・エネルギー
の変化が例えゼロであっても、ヘテロ接合において十分
なバンドオフセットを得られる材料系であれば、多重構
造間に量子準位が形成されて、有効なキャリアの閉込め
を行える。そのためバンドギャップ・エネルギーの組成
変化が小さなタイプIIヘテロ接合系にも応用できる。
これにより、様々なタイプIIヘテロ接合を成す半導体
材料系において、発光素子の効率および温度耐性を向上
することができる。
【0011】
【図1】 従来の分離閉込めヘテロ構造を、タイプIヘ
テロ接合を成す材料系に適用した場合のバンド構造の例
である。
テロ接合を成す材料系に適用した場合のバンド構造の例
である。
【図2】 従来の分離閉込めヘテロ構造を、タイプII
ヘテロ接合を成す材料系に適用した場合のバンド構造の
例である。
ヘテロ接合を成す材料系に適用した場合のバンド構造の
例である。
【図3】 タイプIIヘテロ接合系における、単一の隣
接閉込め構造のバンド構造である。
接閉込め構造のバンド構造である。
【図4】 六重の多重構造により実現した場合の本構造
のバンド構造と、構造中に生じる障壁層間の量子準位を
示す図である。
のバンド構造と、構造中に生じる障壁層間の量子準位を
示す図である。
1 伝導帯バンド端 2 価電子帯バンド端 3 電子 4 ホール 5 活性層 6 クラッド層 7 電子包絡波動関数 8 ホール包絡波動関数
Claims (2)
- 【請求項1】 タイプIIヘテロ接合を成す半導体材料
系において、タイプIIヘテロ接合を成す二層をその中
間の組成のクラッド層によって挟んだ構造(隣接閉込め
構造)を、間隔をおいて四重以上の多重構造にし、その
多重構造間の間隔を、両外側から内側に向かって順に広
くしてゆく構造について特許権を請求する。 - 【請求項2】 上の構造を電流注入による発光素子に用
いることについて特許権を請求する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16226796A JPH09312448A (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | 多重隣接閉込め構造によるキャリア閉込め構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16226796A JPH09312448A (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | 多重隣接閉込め構造によるキャリア閉込め構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09312448A true JPH09312448A (ja) | 1997-12-02 |
Family
ID=15751214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16226796A Pending JPH09312448A (ja) | 1996-05-20 | 1996-05-20 | 多重隣接閉込め構造によるキャリア閉込め構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09312448A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19927008A1 (de) * | 1999-06-07 | 2000-12-21 | Forschungsverbund Berlin Ev | Halbleiterlaser-Bauelement |
-
1996
- 1996-05-20 JP JP16226796A patent/JPH09312448A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19927008A1 (de) * | 1999-06-07 | 2000-12-21 | Forschungsverbund Berlin Ev | Halbleiterlaser-Bauelement |
DE19927008B4 (de) * | 1999-06-07 | 2006-07-20 | Forschungsverbund Berlin E.V. | III-V-Halbleiterlaser-Bauelement |
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