JPH09312218A - 導体巻線 - Google Patents

導体巻線

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JPH09312218A
JPH09312218A JP8128190A JP12819096A JPH09312218A JP H09312218 A JPH09312218 A JP H09312218A JP 8128190 A JP8128190 A JP 8128190A JP 12819096 A JP12819096 A JP 12819096A JP H09312218 A JPH09312218 A JP H09312218A
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conductor
winding
unit
outermost
windings
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JP8128190A
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English (en)
Inventor
Yoshishige Fukushi
慶滋 福士
Ryozo Takeuchi
良三 武内
Toshio Shimizu
利男 清水
Yoshimi Kurahara
吉美 倉原
Tomoki Izuna
具己 伊豆名
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で機械的強度、絶縁性能及び耐湿性能に
優れ、且つ製作が容易で生産性、経済性に優れる。 【解決手段】 絶縁処理を施した絶縁電線3を径方向5
に重ねて所定の回数卷回した単位巻線2a〜2pを同軸
状に並設し、隣接した単位巻線同士を最も内側及び最も
外側で電気的に直列に接続する導体巻線1において、単
位巻線の最も外側の導体7同士を接続する外側接続部1
0は、単位巻線を同軸状に並設する軸方向6に略一直線
に並べられ、単位巻線の最も外側の導体7と、これに隣
接する下側の導体9との間に粘着テープ16を介在させ
て固定する。そして、内側接続部11は、軸方向6に導
体巾4だけずらして変形させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変圧器等に使用さ
れる導体巻線とこれを備えた変圧器及び導体の巻回装置
と巻回方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、導体巻線をエポキシ樹脂等でモ−
ルドしてなるモ−ルドコイルは、機械的強度、絶縁性
能、耐湿性能に優れており、且つ難燃性である等の防災
面の利点も多いため、その需要は増加している。このモ
ールドコイルを用いたモールド変圧器は、最近ではより
小型でより生産性の優れたものが求められている。
【0003】従来のモールドコイルの導体巻線は、例え
ば特開昭63−72106号公報に記載されているよう
に丸線又は平角線を軸方向に円筒状に巻回し、その外側
に層間絶縁材を巻き、更にその上に導体を巻回する。こ
れを所定回数繰り返して導体卷線が形成される。この導
体巻線を粉状或いは繊維状の強化材を含有するエポキシ
樹脂等でモールドしてモールドコイルが形成される。
【0004】一方、実開平6−26224号公報等に開
示されているように、導体巻線を複数の単位コイルに分
割し、これを軸方向に配列し電気的に直列に接続したも
のがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭63−72106号公報に開示された導体巻線は、
高電圧の機種になるに従い層間絶縁物に加わる電圧が高
くなるため、この部分にボイド或いは剥離等の欠陥が生
じた場合、部分放電の発生を伴い絶縁劣化が進行し、や
がては絶縁破壊に進展する恐れがあった。このような導
体巻線において、この恐れを払拭するために、層間絶縁
層を厚くする等の手段があるが、これは径方向の寸法を
大きくするばかりでなく径方向の熱放散を悪くする弊害
を伴う。
【0006】一方、実開平6−26224号公報等に開
示された導体巻線は、前述のコイルに比較し、層間絶縁
物に加わる電圧をコイルの分割数で割った値まで低減出
来るが、単位コイル間の絶縁の為に、単位コイル相互の
間を所定の寸法に離す必要があるため軸方向に長くなる
恐れがあった。
【0007】更に、巻線間の分担電圧がパッシェンの最
低電圧(空気の場合約交流220V)以下に設計出来れ
ば、その部分での放電発生の恐れを皆無に出来るが、こ
の条件を軸方向分割数を増やした従来の巻線構造で満足
させることは必ずしも容易でなく、且つ達成しようとす
ればコスト的に不利になる。
【0008】本発明の第1の目的は、上記従来技術の課
題を解決し、小型で機械的強度、絶縁性能及び耐湿性能
が優れ、且つ製作が容易で生産性、経済性に優れた導体
巻線を提供することである。
【0009】本発明の第2の目的は、上記第1の目的の
導体巻線を備えた変圧器を提供することである。
【0010】本発明の第3の目的は、上記第1の目的の
導体巻線を形成するに必要な導体の巻回装置及び巻回方
法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、絶縁処理を施した導体を一方向に重ねて
所定の回数卷回した単位巻線を同軸状に並設し、隣接し
た単位巻線同士を最も内側及び最も外側で電気的に直列
に接続する導体巻線において、前記単位巻線の最も外側
の導体同士を接続する外側接続部は、該単位巻線を同軸
状に並設する方向に略一直線に並べられたものである。
単位巻線同士を接続する最も外側の外側接続部が単位巻
線を同軸状に並設する方向に略一直線に並べられたもの
は、巻回した単位巻線同士の接続加工を容易にし、接続
する時間も短く生産性と経済性を向上させる。
【0012】又、絶縁処理を施した導体を一方向に重ね
て所定の回数卷回した単位巻線を同軸状に並設し、隣接
した前記単位巻線同士を最も内側及び最も外側で電気的
に直列に接続する導体巻線において、前記単位巻線の最
も外側の導体と該最も外側の導体に隣接する下側の導体
との間に粘着性物質を介在させて該最も外側の導体と該
最も外側の導体に隣接する下側の導体とを固定したもの
である。単位巻線の最も外側の導体とこれに隣接する下
側の導体との間に粘着性物質を介在させて固定したもの
は、巻回した導体が巻き戻りして緩むことがなく、巻回
した単位巻線同士の接続加工を容易にし、接続する時間
も短く生産性と経済性を向上させる。
【0013】更に、上記いずれかの導体巻線において、
前記単位巻線の最も内側の導体同士を接続する内側接続
部は、該単位巻線を同軸状に並設する方向に前記導体巾
だけずらして変形させたものである。単位巻線の最も内
側の導体同士を接続する内側接続部が単位巻線を同軸状
に並設する方向に導体巾だけずらして変形させたもの
は、上記いずれかの導体巻線の作用に加え、単位巻線の
最も内側の導体同士を接続する作業を省き、単位巻線を
同時に二つ巻回することが可能になる。
【0014】更に、上記いずれかの導体巻線において、
前記導体巻線の両側の所定数の単位巻線間に瞬間的に発
生する大電圧を絶縁する絶縁層を設けたものである。導
体巻線の両側の所定数の単位巻線間に絶縁層を設けたも
のは、上記いずれかの導体巻線の作用に加え、瞬間的に
発生する大電圧、即ちサージ電圧が侵入した側の絶縁破
壊を絶縁層によって防止する。
【0015】そして、上記いずれかの導体巻線におい
て、前記導体巻線は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂
と、強化繊維、充填材の一つ以上とを含む複合材料で覆
って固化したものである。導体巻線が熱硬化性樹脂又は
熱可塑性樹脂と、強化繊維、充填材の一つ以上とを含む
複合材料で覆って固化したものは、上記いずれかの導体
巻線の作用に加え、導体巻線が強固に固定され、機械的
強度、絶縁性能及び耐湿性能が優れる。
【0016】又、上記いずれかに記載の導体巻線を備え
た変圧器は、上記いずれかに記載の導体巻線の作用を有
する変圧器である。
【0017】又、絶縁処理を施した導体を一方向に重ね
て所定の回数卷回する導体巻回装置において、前記導体
をコイル状に巻いた導体コイルから該導体を巻き取る巻
取手段と、前記導体を所定の個所で該巻取手段の巻取軸
の軸方向に該導体巾だけ変形させる変形加工手段と、前
記巻取手段を挟んで前記導体コイルと反対側に配置され
前記導体を巻き取ると共に、該導体を前記巻取手段の巻
取軸の周りに公転させることによって巻き戻す巻取巻戻
手段とを備えたものである。
【0018】この導体巻回装置によれば、導体コイルか
ら導体を巻取巻戻手段によって所定の回数卷回して重ね
るに必要な巻取量を巻き取ることが出来、次に変形加工
手段によって導体を所定の個所で巻取手段の巻取軸の軸
方向に導体巾だけ変形させ、この変形部分を巻取手段の
巻取軸上に配置して、導体コイルの導体を巻き取ると共
に、巻取巻戻手段によって巻取手段の巻取軸の周りに公
転させて巻き戻すことによって、絶縁処理を施した導体
を一方向に所定の回数卷回して重ねた単位巻線を同軸状
に2列並設し、この2列の単位巻線同士を最も内側で電
気的に直列に接続する導体巻線を容易に形成することが
出来る。
【0019】又、絶縁処理を施した導体を一方向に重ね
て所定の回数卷回する導体巻回方法において、前記導体
をコイル状に巻いた導体コイルから該導体を一方向に所
定の回数卷回して重ねるに必要な巻取量を第2軸に巻き
取り、更に該第2軸と前記導体コイルの中間に設けられ
た第1軸上で前記巻取量の巻き終り部分を前記第1軸の
軸方向に該導体巾だけずらして変形させた後、前記第1
軸を回転させると共に、該第1軸の周りに前記第2軸を
公転させて前記導体を巻回することである。
【0020】この導体巻回方法によれば、絶縁処理を施
した導体を一方向に所定の回数卷回して重ねた単位巻線
を同軸状に2列並設し、この2列の単位巻線同士を最も
内側で電気的に直列に接続する導体巻線を容易に形成す
ることが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る導体巻線とこ
の導体巻線を備えた変圧器及びこの導体巻線を形成する
導体巻回装置と導体巻回方法の実施の形態を図面に基づ
いて詳細に説明する。尚、図1〜7において、同じ構
造、作用部分には同じ参照番号を付けて示している。
【0022】図6は、本発明に係る導体巻線の一実施の
形態を示す断面図である。本実施の形態の導体巻線1
は、本発明の効果が最も発揮されると考えられるモール
ド変圧器に適用した場合のものである。フィルム又はガ
ラス繊維等を巻いて形成した導体絶縁層14で絶縁処理
を施した導体である絶縁電線3を一方向である径方向5
に重ねて所定の回数卷回して形成した単位巻線2a〜2
pが巻枠を兼ねる絶縁筒18の外側に同軸状、即ち軸方
向6に並設されている。単位巻線2a〜2pは、二つの
単位巻線で一つの単位巻線対を形成し、例えば、単位巻
線2aと2b、2cと2d等が単位巻線対を形成する。
【0023】導体絶縁層14は、所謂エナメル被膜と呼
ばれるような絶縁被膜として形成しても良い。軸方向6
に複数個形成された単位巻線対15は、その外側の外側
接続部10で相互に電気的に直列に接続されている。図
6において単位巻線対相互間に間隔があるように図示し
たのは、説明を分かり易くするためである。後述するよ
うに単位巻線対の中における絶縁電線3相互間の分担電
圧も隣り合う単位巻線対15間における分担電圧も同じ
であり、特にこの間隔を広くする必要は無い。
【0024】図7は、図6の要部を説明する断面図であ
る。導体巻線1内に表示した(1)〜(32)は導体巻
線1の巻き始め端から見た巻き回数番を示している。径
方向5に8回(ターン)卷回した場合の例であるが、巻
線仕様或いは使う絶縁電線のサイズによって適宜変えら
れる。単位巻線の上部に描かれている参照番号10は、
単位巻線対15間の渡り線及び外側接続部10を、内側
に示されている参照番号11は、絶縁電線の内側接続部
を示している。
【0025】単位巻線、例えば単位巻線2aは絶縁電線
3を8回巻回している。他の単位巻線2b〜2pについ
ても同様の構造である。単位巻線2a〜2p同士の接続
は、隣接した単位巻線2a〜2pの最も外側の導体7と
最も内側の導体8同士を電気的に直列に接続するもの
で、外側接続部10は、例えば絶縁電線3の(16)番
と(17)番、(32)番と(33)番同士を接続し、
内側接続部11は、例えば絶縁電線3の(8)番と
(9)番、(24)番と(25)番同士を接続してい
る。
【0026】このように接続された導体巻線1におい
て、単位巻線間に分担される電圧が最大の部分は絶縁電
線(1)番と(16)番、(9)番と(24)番、(1
7)番と(32)番等最も外側の導体7或いは最も内側
の導体8部分であり、その分担電圧は、いずれも径方向
5の巻回数をn、1回の発生電圧をvとすると(2n−
1)×vで表せる。今、発生電圧を10Vに設計(通
常、数V〜数十Vに設計)したとすると図7の巻線内の
分担電圧の最大は150Vとなる。
【0027】モールド変圧器等の巻線内にボイド(空
隙)或いは剥離等が存在し、それに加わる電圧が所定の
値を越えると、その部分で放電を発生する。それによっ
て絶縁物の劣化が促進、最悪の場合は絶縁破壊まで進展
する恐れがあり極めて好ましくない。そのため欠陥が発
生しないようなプロセス及び品質管理で製作する場合も
あるが、コスト的には不利になる場合も少なくない。そ
のため、前記のような欠陥が存在しても欠陥中で放電が
発生し得ない分担電圧以下に抑えて設計する場合が多
い。しかしながら、本実施の形態の導体巻線1間に加わ
る電圧は150V程度と容易にパッシェンの最低電圧以
下にすることが出来、絶縁電線の絶縁に用いる導体絶縁
層14は極めて薄いもので良い。
【0028】図7に示した導体巻線1は、一実施の形態
を示したものであるが、モールド変圧器等のコイルは冷
却の関係から径方向5の肉厚を厚くしないのが普通であ
り、径方向5の巻回数及び絶縁電線サイズを適当に選ぶ
(径方向5に厚くする場合、比較的厚みの厚い絶縁電線
を使用)ことによって十分前記条件を満たす設計が可能
である。導体巻線1には、従来技術で述べた軸方向分割
に伴う余分な空間がないため、極めて小型の変圧器用の
導体巻線である。
【0029】この場合、円筒巻線等の相互間に挿入する
層間絶縁物が不要となるため自動巻線化が容易であり、
生産性の優れた導体巻線である。そして、導体巻線1の
導体絶縁層14は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と、
強化繊維、充填材の一つ以上とを含む複合材料であり、
導体巻線1は、この複合材料で覆われて固化されたもの
である。
【0030】図1は、本発明に係る導体巻線の第1実施
の形態を示す正面図である。第1実施の形態の導体巻線
1は、図6、7に示した導体巻線において、単位巻線2
b〜2oの最も外側の導体7同士を接続する外側接続部
10は、この単位巻線2a〜2pを並設する軸方向6に
略一直線に並べられている。外側接続部10は、溶接、
半田付け等で接続しても良いし、接合スリーブ等を用い
て圧着接続しても良い。
【0031】図2は、図1と同様の第2実施の形態を示
す側面図である。第2実施の形態の導体巻線1は、第1
実施の形態の導体巻線と同様に、図6、7に示した導体
巻線において、単位巻線2b〜2oの最も外側の導体7
と、この最も外側の導体7に隣接する下側の導体9との
間に粘着性物質である粘着テープ16を介在させて最も
外側の導体7と下側の導体9とを固定したものである。
通常、外側接続部10の接続作業は、所定の単位巻線対
が巻回された後に行なわれる。
【0032】図3は、図1と同様の第3実施の形態を示
す斜視図である。第3実施の形態の導体巻線1は、単位
巻線の最も内側の導体8同士を接続する内側接続部11
を有する。内側接続部11は、この単位巻線を同軸状に
並設する軸方向6に導体絶縁層14も含めた導体巾4だ
けずらして変形しており、且つ変形後における絶縁電線
3は内側接続部11の前後において導体巾4だけずれた
形で平行になるように配置される。
【0033】図4は、図1と同様の第4実施の形態を示
す一部省略断面図である。第4実施の形態の導体巻線1
は、導体巻線1の両側の所定数、この実施の形態におい
ては左側の三つの単位巻線2a、2b及び2c間に、瞬
間的に発生する大電圧を絶縁する絶縁層17を設けたも
のである。右側の三つの単位巻線2n、2o及び2pに
ついても同様に絶縁層17が設けられる。絶縁電線3の
導体絶縁層14は、極めて薄く形成されており、導体絶
縁層14が薄いためにこの導体巻線1を変圧器に使用し
サージ電圧が侵入した場合、侵入した側の巻き線近傍
(巻き始め端或いは卷き終わり端)の電圧分担が大きく
なり、絶縁破壊に至る恐れがある。その場合には、図4
に示すように、卷き始め端及び卷き終わり端から数個、
この場合三つの単位巻線間に二つの絶縁層17を介在さ
せることで対処出来る。
【0034】以上の実施の形態においては、内側に巻枠
として絶縁筒18を用いる場合について説明したが、離
型処理した金型等の表面にガラスエポキシプリプレグ等
を巻き付けこれを巻枠として導体巻線を形成する場合に
も適用出来る。更に、金型上に適宜の絶縁性スペーサを
設けて巻回し、更に、導体巻線全体を金型内に入れて導
体巻線をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で導体巻線周
囲にモールド樹脂層を設けてモールドしてなるモールド
コイルの巻線構造にも適用可能である。
【0035】以上の構造を有する本実施の形態の導体巻
線1は、次のように作用する。即ち、単位巻線同士を接
続する最も外側の外側接続部10が単位巻線を同軸状に
並設する軸方向6に略一直線に並べられたものは、巻回
した単位巻線同士の接続加工を容易にし、接続する時間
も短く生産性と経済性を向上させる。
【0036】更に、通常、外側接続部10の接続作業
は、所定の単位巻線対が巻き上げられた後に行なわれる
が、単位巻線の最も外側の導体7とこれに隣接する下側
の導体9との間に粘着テープ16を介在させて固定する
ことにより、巻回した絶縁電線が巻き戻りして緩むこと
がなく、先に卷かれた単位巻線対の絶縁電線端が後に卷
かれる単位巻線対の形成に邪魔にならず、巻回した単位
巻線(又は単位巻線対)同士の接続加工を容易にし接続
する時間も短く生産性と経済性を向上させる。
【0037】更に、単位巻線の最も内側の導体8同士を
接続する内側接続部11が単位巻線を同軸状に並設する
軸方向6に導体巾4だけずらして変形されたものは、単
位巻線の最も内側の導体8同士を接続する作業を省き、
単位巻線を同時に二つ巻回し、一つの単位巻線対を形成
することが可能になる。
【0038】そして、導体巻線1の両側の所定数の単位
巻線間に絶縁層17を設けたものは、瞬間的に発生する
大電圧、即ちサージ電圧が侵入した側の絶縁破壊を絶縁
層17によって防止する。
【0039】又、導体巻線1が熱硬化性樹脂又は熱可塑
性樹脂と、強化繊維、充填材の一つ以上とを含む複合材
料で覆って固化されたものは、導体巻線1が強固に固定
され、機械的強度、絶縁性能及び耐湿性能を向上させ
る。
【0040】図5は、本発明に係る導体巻回装置又は導
体巻回方法を説明する原理図である。導体巻回装置20
は、絶縁処理を施した導体である絶縁電線3を径方向
(一方向)に重ねて所定の回数卷回するものである。絶
縁電線3をコイル状に巻いた導体コイル26から絶縁電
線3を巻き取る巻取手段21と、絶縁電線3を所定の個
所で巻取手段の巻取軸22(第1軸)の軸方向、即ち図
5の紙面に垂直な方向に導体巾4だけ変形させる図示し
ていない変形加工手段と、巻取手段21を挟んで導体コ
イル26と反対側に配置され絶縁電線3を巻き取ると共
に、絶縁電線3を巻取手段の巻取軸22の周りに矢印3
1の方向に公転させることによって巻き戻す巻取巻戻手
段23とを備える。導体コイル26は大型ドラム27に
巻かれ、巻取巻戻手段23は小型ドラム(第2軸)24
に巻き取ると共に巻き戻す。
【0041】この導体巻回装置20によれば、導体コイ
ル26から絶縁電線3を巻取巻戻手段23によって所定
の回数卷回して重ねるに必要な巻取量を巻き取り、次に
変形加工手段によって絶縁電線3を所定の個所で巻取手
段の巻取軸22の軸方向に導体巾4だけ変形させ、この
変形部分を巻取手段の巻取軸22上に配置して、導体コ
イルの絶縁電線3を巻き取ると共に、巻取巻戻手段23
によって巻取手段の巻取軸22の周りに公転させて巻き
戻すことによって、単位巻線同士を最も内側で電気的に
直列に接続されたものを容易に形成出来る。
【0042】又、本実施の形態の導体巻回方法は、図5
において絶縁処理を施した導体である絶縁巻線3を径方
向(一方向)に重ねて所定の回数卷回することである。
絶縁巻線3をコイル状に巻いた導体コイル26から絶縁
巻線3を径方向に重ねて所定の回数卷回するに必要な巻
取量、即ち単位巻線の一つ分に必要な巻取量を第2軸で
ある小型ドラム24に巻き取り、更に小型ドラム24と
導体コイル26の中間に設けられた第1軸である巻取軸
22上で前記巻取量の巻き終り部分を巻取軸22の軸方
向、即ち図5の紙面に垂直な方向に導体巾4だけずらし
て変形させ、内側接続部11を形成する。
【0043】その後、図3に示したように、この内側接
続部11を絶縁筒18上の所定の位置にセットし、巻取
軸22を回転させて導体コイル26から絶縁電線3を巻
き取ると共に、この巻取軸22の周りに小型ドラム24
を公転させて巻取巻戻手段23から絶縁電線3を巻き戻
すことにより単位巻線対を形成する。小型ドラム24
は、巻取軸22の回転数の倍の回転数で矢印31の方向
に公転させる。従って、単位巻線対を形成する一方の単
位巻線は、絶縁筒18の所定の位置18a上に巻回され
て形成され、他方の単位巻線は、絶縁筒18の所定の位
置18b上に巻回されて形成される。矢印29、30
は、絶縁電線3を巻回する巻回方向を示し、互いに反時
計方向と時計方向の関係にある。
【0044】上記のように、一つの単位巻線対を巻回し
た後、巻取軸の巻き取り位置を軸方向6に所定量移した
後、再び小型ドラム24に所定量の絶縁電線3を巻き取
り、次の単位巻線対を巻き上げる。これを繰り返しなが
ら軸方向6に所定個の単位巻線対を形成し、その後これ
らの単位巻線対を外側接続部10で相互に電気的に直列
に接続して導体巻線の一脚分が完成する。
【0045】本実施の形態の導体巻回方法は、電気的に
は径方向5外側に進み、所定の回数で折り返されて、更
に内側に巻き進み、最も内側で再び折り返されて外側に
向かって進む。これを繰り返しながら軸方向6に巻き進
むようにした。しかしながら、この方法は径方向5外側
に巻き進む場合は比較的問題は無いが、径方向5内側に
巻き進む場合は巻芯が無いため、特殊な巻回方法によら
なければ通常困難である。そのため、最も内側の導体8
同士を接続する内側接続部11を巻取軸上に配置し隣り
合う単位巻線を径方向5外側に向かって巻き上げるよう
にした。この導体巻回方法によれば、単位巻線3を同軸
状に2列並設し、この2列の単位巻線同士を最も内側で
電気的に直列に接続した単位巻線対を容易に形成するこ
とが出来る。
【0046】これまでの説明は、絶縁電線3の断面が円
形形状の導体巻線について説明してきたが、変圧器で多
用される角形形状の絶縁電線を使用した導体巻線にも適
用出来ることは当然である。更に、これまでの説明は、
導体巻線が固体絶縁物で覆われたモールド変圧器を例に
説明を進めてきたが、油入りの変圧器やその他の構成の
変圧器にも適用出来る。
【0047】
【発明の効果】本発明の導体巻線は、小型で機械的強
度、絶縁性能及び耐湿性能に優れ、且つ製作が容易で生
産性、経済性に優れる。
【0048】更に、本発明の変圧器は、上記導体巻線の
効果を有する変圧器である。
【0049】又、本発明の導体巻回装置又は導体巻回方
法は、絶縁処理を施した導体を一方向に重ねて所定の回
数卷回した単位巻線を同軸状に二つ並設した単位巻線対
を容易に製作出来、生産性と経済性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導体巻線の第1実施の形態を示す
正面図である。
【図2】図1と同様の第2実施の形態を示す側面図であ
る。
【図3】図1と同様の第3実施の形態を示す斜視図であ
る。
【図4】図1と同様の第4実施の形態を示す一部省略断
面図である。
【図5】本発明に係る導体巻回装置又は導体巻回方法を
説明する原理図である。
【図6】本発明に係る導体巻線の一実施の形態を示す断
面図である。
【図7】図6の要部を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 導体巻線 2a〜2p 単位巻線 3 絶縁電線(導体) 4 導体巾 5 径方向(一方向) 7 最も外側の導体 8 最も内側の導体 9 下側の導体 10 外側接続部 11 内側接続部 16 粘着テープ(粘着性物質) 17 絶縁層 20 導体巻回装置 21 巻取手段 22 巻取軸(第1軸) 23 巻取巻戻手段 24 小型ドラム(第2軸) 26 導体コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉原 吉美 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 伊豆名 具己 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所産業機器事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁処理を施した導体を一方向に重ねて
    所定の回数卷回した単位巻線を同軸状に並設し、隣接し
    た単位巻線同士を最も内側及び最も外側で電気的に直列
    に接続する導体巻線において、前記単位巻線の最も外側
    の導体同士を接続する外側接続部は、該単位巻線を同軸
    状に並設する方向に略一直線に並べられたものであるこ
    とを特徴とする導体巻線。
  2. 【請求項2】 絶縁処理を施した導体を一方向に重ねて
    所定の回数卷回した単位巻線を同軸状に並設し、隣接し
    た前記単位巻線同士を最も内側及び最も外側で電気的に
    直列に接続する導体巻線において、前記単位巻線の最も
    外側の導体と該最も外側の導体に隣接する下側の導体と
    の間に粘着性物質を介在させて該最も外側の導体と該最
    も外側の導体に隣接する下側の導体とを固定したもので
    あることを特徴とする導体巻線。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記単位巻線
    の最も内側の導体同士を接続する内側接続部は、該単位
    巻線を同軸状に並設する方向に前記導体巾だけずらして
    変形させたものであることを特徴とする導体巻線。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前
    記導体巻線の両側の所定数の単位巻線間に瞬間的に発生
    する大電圧を絶縁する絶縁層を設けたものであることを
    特徴とする導体巻線。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、前
    記導体巻線は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と、強化
    繊維、充填材の一つ以上とを含む複合材料で覆って固化
    したものであることを特徴とする導体巻線。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の導体
    巻線を備えたものであることを特徴とする変圧器。
  7. 【請求項7】 絶縁処理を施した導体を一方向に重ねて
    所定の回数卷回する導体巻回装置において、前記導体を
    コイル状に巻いた導体コイルから該導体を巻き取る巻取
    手段と、前記導体を所定の個所で該巻取手段の巻取軸の
    軸方向に該導体巾だけ変形させる変形加工手段と、前記
    巻取手段を挟んで前記導体コイルと反対側に配置され前
    記導体を巻き取ると共に、該導体を前記巻取手段の巻取
    軸の周りに公転させることによって巻き戻す巻取巻戻手
    段とを備えたものであることを特徴とする導体巻回装
    置。
  8. 【請求項8】 絶縁処理を施した導体を一方向に重ねて
    所定の回数卷回する導体巻回方法において、前記導体を
    コイル状に巻いた導体コイルから該導体を一方向に所定
    の回数卷回して重ねるに必要な巻取量を第2軸に巻き取
    り、更に該第2軸と前記導体コイルの中間に設けられた
    第1軸上で前記巻取量の巻き終り部分を前記第1軸の軸
    方向に該導体巾だけずらして変形させた後、前記第1軸
    を回転させると共に、該第1軸の周りに前記第2軸を公
    転させて前記導体を巻回することを特徴とする導体巻回
    方法。
JP8128190A 1996-05-23 1996-05-23 導体巻線 Pending JPH09312218A (ja)

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