JPH0997722A - 静止誘導機器用巻線とその製造方法 - Google Patents

静止誘導機器用巻線とその製造方法

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JPH0997722A
JPH0997722A JP25111195A JP25111195A JPH0997722A JP H0997722 A JPH0997722 A JP H0997722A JP 25111195 A JP25111195 A JP 25111195A JP 25111195 A JP25111195 A JP 25111195A JP H0997722 A JPH0997722 A JP H0997722A
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JP
Japan
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winding
layer
turns
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crossing portion
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Application number
JP25111195A
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English (en)
Inventor
Yoichi Seo
洋一 瀬尾
Shinya Ueda
伸哉 植田
Hiroshi Sonobe
浩 園部
Takeshi Ito
武志 伊藤
Yoshinobu Ido
好信 井戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba IT and Control Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba MEC Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 丸断面形状の導体1による1ターンのコイル
辺が軸方向に相互に密接して多列に整列すると共に半径
方向に複数層に積重なる構造を有した筒状巻線をなし、
軸方向に所定ターン数巻き進んだ部分、所定ターン数位
置で内層側から外層側に層上がり渡りをした部分、その
渡り部分から所定ターン数巻き後退した部分、及び所定
ターン数位置で外層側から内層側に層下がり渡りをした
部分を有してなる静止誘導機器用巻線Waにおいて、前
記層上がり渡り部分及び層下がり渡り部分である層間渡
り部によって巻線が全周にわたり乱巻状態に膨脹して径
方向寸法が拡大することを防止する。 【解決手段】 巻線Waの形態を横断面矩形の角筒状巻
線となし、層間渡り部をその矩形の短辺側で且つ一次端
子Tが配置される側にのみ配置する構成、或いは相対す
る二の短辺側に分散して配置する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変圧器などの静止
誘導機器用巻線に係り、特に軽量・小形化に適合する巻
き構造をもつ静止誘導機器用巻線とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ビルや地下街に設置される受配電
機器、とりわけ変圧器のような大形の機器には、難燃
性、安全性、環境調和性などの要求を満たすために、巻
線を難燃性エポキシ樹脂で注型したモールド変圧器など
の需要が増えている。また、地価の高い都市部のビルに
設置されるこのような変圧器では、軽量・小形化の要求
が益々高くなっている。このような背景のもとに、モー
ルド変圧器の軽量・小形化に特に大きく影響を与える1
次巻線については、従来より図8〜図15に示す如く種
々の構成が考えられてきた。
【0003】図9は図8に示すような円筒形の1次巻線
Wの斜線部分の断面図であり、第1の従来例を示す。こ
の巻線は、表面に所定の絶縁を施した断面円形の導体
(以下、単に導体と称す。)1が、同図に示した数字の
順番に整列密着状に巻回された複数の巻線ブロックW1
を軸方向に積み上げた後、全体をエポキシ樹脂2でモー
ルドしている。即ち、この1ブロックの巻線W1は、導
体1による1ターンのコイル辺が軸方向に相互に密接し
て多列に整列すると共に、半径方向に複数層に積重なる
構造をなす。
【0004】このような巻線の巻回方法の例を図10に
示す。導体1の径に略等しいピッチの溝を有する円筒状
の巻型3、および巻線ガイド4で形成されたスペース
に、矢印で示す順番に導体1を巻回してゆく。この結
果、2層目以降の導体は、直下層の導体をガイドとして
整列密着状に巻回される。
【0005】その後、巻型3および巻線ガイド4から巻
線W1を取り外し、注型用の内型にセットし、これに上
下型および外型を組み付け、エポキシ樹脂を注入してモ
ールド巻線とする。なお、内型への巻線セットにあたっ
ては、巻線ガイド4と略等しい厚さのエポキシ樹脂スペ
ーサ5を配設し、モールド巻線内に埋設されるようにす
る。
【0006】ここで、巻線Wは電圧によって決まる所定
のターン数(一般に数百ターン程度)巻回されるが、そ
の積上げ層数n(図ではn=5)および1ブロックの1
層あたりの巻数m(図ではm=6)などは、隣接導体間
に発生する電圧(導体に施された絶縁物の絶縁特性で制
約を受ける)、並びに巻線ブロックW1,W1間に発生
する電圧(ブロック間に注型されるエポキシ樹脂の絶縁
特性で制約を受ける)によって決定される。
【0007】したがって、このような巻線Wでは、電圧
が高くなるほど巻線W1のブロック数、従ってスペーサ
5の数が増える傾向にあり、モールド巻線内の導体占積
率が下がり、大形化すると共に軽量化を阻害するという
欠点があった。また、巻線時に巻線ガイド4が必要であ
り、巻線作業から樹脂注型までの工程も多く、加工コス
トが高いという欠点があった。
【0008】このような欠点を補う巻線として、図11
に第2の従来例として示すような米国特許第53059
61号明細書に開示された巻線Wがある。これは導体1
が、図中に示した数字の順番に整列密着状に巻回された
構成をなすが、前述の図9の巻線とは異なり、スペーサ
なしの1ブロック構成であり、しかも、層数nを適切に
選べば(図ではn=5)、隣接導体間の最大ターン差
(図では2n+1=11)、即ちその電位差を図9の巻
線と同程度に低い値に抑えることができ、さらに巻線作
業においては、導体崩れ防止用ガイド4も不要であると
いう利点をもつ。このような巻線Wの巻回方法を図12
に示す。導体径に略等しいピッチの溝を有する円筒状の
巻型3に、矢印で示す順番に導体1を巻回してゆく。こ
の時、2層目以降の導体1は、直下の層(下層)の導体
1をガイドとして整列密着状に巻回される。
【0009】また、これを類似の巻線方法(第3の従来
例)として、図13に示すようなスイス特許第2540
93号明細書に開示された巻線Wがある。これは導体1
が、図中に示した数字の順番に整列密着状に巻回されて
おり、前記の図11の巻線と同様に、スペーサなしの1
ブロック構成であり、しかも、隣接導体間の最大ターン
差(図では2n+1=11)を図9の巻線と同程度に低
い値に抑えることができ、その結果巻線作業において導
体崩れ防止用のガイド4も不要であるという利点をも
つ。この巻線の巻回方法を図14に示す。ほとんど図1
2に示す方法と同様であるが、巻き始め部分の層上がり
渡りおよび層下がり渡りが少なくなっているのが特徴で
ある。
【0010】しかしながら、これらの巻線はいずれも円
筒状の巻線を対象にしており、また、多数層積みの巻線
を構成するにあたっての層間渡り(導体が巻回の途中で
例えば1層目から2層目に層上がりしたり、逆に2層目
から1層目に層下がりすること。)の具体的方法につい
ては、その周方向の配置などを含めて一切開示されてい
ない。この点について、例えば図11に示す巻線を例に
とってみると図15に示すような方法を採っていると推
測される。図15は、図11に示す巻線の巻き始め数タ
ーン部分の巻線斜視図であり、矢印は巻き方向を示す。
例えば、図15(A)に示すように、1層(下層)の3
ターン目t3から4ターン目t4にあたる2層(上層)
目への層上がり渡り部1aでは、2、3ターン目t2,
t3の導線を踏み越えて2層目に層上がりする。次に、
図15(B)に示すように、4ターン目t4から5ター
ン目t5では、前記の層上がり渡り部1aを踏み越えて
巻回し、さらに、5ターン目t5から6ターン目t6間
での上層から下層への層下がり渡り部1bでも、同様に
層上がり渡り部1aを踏み越えて1層目に層下がりをす
る。
【0011】このように、実際の層間渡り部では下層の
導体を踏み越えることになり、この結果、1つの層間渡
り部では、半径方向に導体の径分だけ巻き膨れが発生す
ることになる。この巻き膨れは、層間渡りの回数に比例
して大きくなり、巻回作業中の導体崩れの大きな要因と
なることから、実際の巻線においては、図15(C)に
示すように、層間渡り部1a,1bの位置を周方向に順
次ずらせ、半径方向の巻き膨れおよび導体崩れを抑制す
るのが好ましい。
【0012】即ち、この層間渡り部の前後位置(周方向
にずれた位置)では巻線の層積み構成が不連続になるた
め、例えば図11や図13に示す巻線の層積み構成に最
も近い構成を実現するためには、層間渡り部の周方向位
置を順次一定方向にずらせてゆく必要がある。この結
果、実際の巻線は、その全周にわたって層間渡り部が分
散する“乱巻き状”の外観を呈することになる。このよ
うに、実際の巻線構成や巻線作業を実行する上で、この
層間渡り部の周方向位置をいかに配置するかが非常に重
要になってくる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】冒頭に記載したよう
に、変圧器の小形・軽量化に対する要求が増大している
中では、従来から一般的であった円筒状巻線に替えて角
筒状巻線を採用し、小形・軽量化を図ることが非常に有
効である。角筒状巻線を採用した変圧器では、鉄心の脚
形状を矩形断面とした方が、同一の鉄心および導体断面
積でも鉄心巾(横幅)を小さくでき、鉄心重量を削減で
きると共に、変圧器としても小形化を図ることができ
る。
【0014】一方、鉄心巾を規定する他の主な要因とし
ては、一次巻線の層方向厚さおよび脚間での巻線相間ギ
ャップが挙げられる。相間ギャップは、電圧値と空気の
絶縁強度とにより決定されるため、一次巻線の層方向厚
さをいかに薄くするかが重要である。さて、ここで前記
のような巻線を角筒状巻線に採用しようとした場合、以
下に示すような問題が生じる。 1)角筒状巻線の巻回においては、4コーナーにのみ導
体テンションが作用するため、層間渡り部の周方向位置
を順次一定方向にずらせてゆくことが困難である。
【0015】2)層間渡り部の周方向位置を鉄心脚の断
面矩形状における「短辺→長辺→短辺→長辺」と4か所
に分散した場合、層間渡り部による巻き膨れは、層間渡
り部を数十か所に分散可能な円筒状巻線に比し巻き膨れ
が、より大きくなってしまい、一次巻線の層方向厚さが
増大し、結果として鉄心巾が大きくなり、鉄心重量も増
大してしまう。
【0016】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、巻線の作業性に優れ、しかも巻線内の導体占積率
が高く、且つ軽量、コンパクトな静止誘導機器用巻線と
その製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の手段によ
る静止誘導機器用巻線は、断面円形の導体による1ター
ンのコイル辺が軸方向に相互に密接して多列に整列する
と共に半径方向に複数層に積重なる構造を有した角筒状
巻線をなし、軸方向に所定ターン数巻き進んだ部分、所
定ターン数位置で下層側から上層側に層上がり渡りをし
た部分、その渡り部分から所定ターン数巻き後退した部
分、及び所定ターン数位置で上層側から下層側に層下が
り渡りをした部分を有し、前記層上がり渡り部分及び層
下がり渡り部分である層間渡り部を、角筒状巻線の一辺
のみに位置させてなることを特徴とする。
【0018】この構成によれば、層間渡り部が鉄心の窓
外に位置する一辺側にのみ集中した構成になり、層間渡
り部による巻線の膨脹が鉄心寸法の拡大をもたらすこと
がない。また、第2の手段は、層間渡り部を、角筒状巻
線の相対する二辺側のみに位置させ、その二辺のうちの
一辺に巻線用の一次端子、一次タップ端子等の端子を配
置した構成である。この構成によれば、層間渡り部を相
対する二辺に分散するので層間渡り部による巻線の膨脹
度合いが低下されるので巻線作業時の導体崩れが起りに
くくなる。
【0019】更に、本発明による静止誘導機器用巻線の
製造方法は、注型用の内型に断面円形の導体とほぼ等し
いピッチの溝を有するスペーサを配置し、このスペーサ
上で上記の構造を持つ巻線を形成し、その後、内型に上
下型及び外型を組み付け、樹脂の注入によりモールド巻
線を形成することを特徴とするものであり、製造工程を
大幅に簡素化できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例につき図
1〜図3、図13および図14を参照して説明する。本
実施例の一次巻線Waは角筒状をなすが、その断面形状
は、前出の図13と同様であり、導体1による1ターン
のコイル辺が、同図に示した数字の順番に整列密着状に
巻回された後、全体をエポキシ樹脂2でモールドされて
いる。
【0021】巻線Waの巻回方法も、前出の図14と同
様であり、巻線は電圧によって決まる所定のターン数
(一般に数百ターン程度)だけ巻回され、積み上げ層数
n(図13ではn=5)は、(2n+1)×(1ターン
当たりの発生電圧)で表される隣接導体間の発生電圧と
導体に施された絶縁物の絶縁特性などを考慮して決定さ
れる。ただし、本実施例では、図1に示すように注型用
の内型10の外周に、導体径に略等しいピッチの溝(図
14の溝と同様のもの)を有する樹脂製のスペーサ11
が、所定の本数だけ配置されている。このスペーサ11
は注型後の耐クラック性を考慮すると、注型する樹脂と
同一で、セミキュア状態のものが望ましい。図1、2は
図14に示す巻線の巻き始め部分の巻線斜視図であり、
図示矢印は巻き方向を示す。尚、図1では遠近法のため
前後面である短辺が長辺である左右辺よりも長寸に図示
されている この巻線Waにおいて、例えば図1に示すように、第1
層目において1〜6ターンだけ軸方向に巻き進め、6タ
ーン目t6から7ターン目t7間での層上がり渡りは、
角筒状巻線の一つの短辺(第1の短辺)10aで形成
し、5、6ターン目t5、t6の導体を踏み越えて2層
目に層上がり渡りをする。
【0022】その後、図13から理解されるように第2
層用に7〜10ターン目を巻き後退させ(1〜6ターン
とは反対方向に巻き進め)、10ターン目から11ター
ン目間で第3層へ層上がり渡りを行ない、この第3層用
に11〜13ターンだけ巻き進め、続いて、13ターン
目から14ターン目間で第2層へ層下がり渡りを行って
14ターン目を巻回し、更に、14ターン目から15タ
ーン目間で第1層へ層下がり渡りを行って、第1層目で
16ターン目まで巻回し、続いて16ターン目から17
ターン目間で第2層に層上がり渡りを行ない、以後、同
様に図13に示す数字順に巻き進め、層間渡り、巻き後
退を繰り返す。
【0023】上記の17ターン目までの巻回において、
図2には、10〜11ターン目t10,t11間で、及
び16〜17ターン目t16、t17間で夫々下層から
上層への層上がり渡りがなされ、更に、13〜14ター
ン目t13、t14間で、及び、16〜17ターン目t
16、t17間で夫々上層から下層への層下がり渡りが
なされたことが図示され、並びにこのような層上がり渡
り部、層下がり渡り部である層間渡り部が相対する第1
及び第2の短辺10a、10bのうち一方の短辺10a
側のみに位置していることが示されている。
【0024】このように、この実施例ではすべての層間
渡りを角筒状巻線Waの第1の短辺10a側のみでおこ
なう。このような巻線Wa(図4では型10の図示を省
略している。)の完成後、図示しない上下型および外型
を内型10に組み付け、上記層間渡りをおこなった第1
の短辺10a部分において、図示しない一次端子(ある
いは一次タップ端子)Tとの内部接続をおこない、エポ
キシ樹脂を注型してモールド巻線Wbとする。このよう
にして製作された一次巻線Wbと、別途製作の二次巻線
Wc、および鉄心12とを組み合わせ、図3に示すよう
な変圧器13を構成する。
【0025】このような構成であると、角筒状巻線Wa
の層間渡りをおこなた短辺部分10aのみが半径方向に
巻き膨れを生じるが、この部分は鉄心12の窓部12a
の外に位置し、且つもともと一次端子Tあるいは一次タ
ップ端子等との内部接続スペースとして、この部分のコ
イル厚さtbは、他の部分のコイル厚さtaより厚く設
計するので、その影響はほとんど無視できる。一方、鉄
心巾Dに影響を与える長辺部分は、乱巻形状の層間渡り
部がなく整列密接状に巻回されているので、理想状態の
薄さにすることができ、鉄心巾Dを小さくできると共
に、鉄心重量を削減することができる。
【0026】本発明の他の実施例につき図5〜図7を参
照して説明する。本例では、図11に示す従来例に相当
する巻線構成を対象とする。図5は、図4に示す巻線の
A−A断面の一部分に対応し、また、図6は、一次端子
Tあるいは一次タップ端子を配設する第1の短辺部10
a側の巻回状態を、図7は、それとは反対側に位置する
第2の短辺10b側の巻回状態を各々示す。以下、その
巻線Wdの巻回方法について述べる。図5の左半分側の
番号、および図6の太実線で示すように、一端から1層
目を3ターン目まで巻き進めた後、4ターンで1層目の
終端から2ターン分戻った位置へ巻き後退しながら、第
1の短辺10aにて2層目へ層上がり渡りをし、その位
置から2層目を5ターン目まで巻き進め、6ターン目で
1層目へ巻き進めながら、第1の短辺10aにて層下が
り渡りをし、その位置から8ターン目と半周まで2.5
ターンだけ巻き進め、以て、その0.5ターン余分に巻
かれたことにより層間渡り部が第1の短辺10aから第
2の短辺10bへ移動される。
【0027】即ち、図5の右半分側の番号、および図7
の太実線で示すように、8ターン目の最初の半周巻回
後、第2の短辺10bにて第2層へ層上がり渡りをし、
その後、1ターン巻回して第3層へ第2の短辺10bに
て層上がり渡りをして、第3層の一端(9.5ターン
目)から2ターン巻き進め、その間、1ターン巻回する
ごとに1層ずつ第2の短辺10bにて層下がり渡りをし
て、巻き進め、第1層まで巻いたところでさらに1.5
ターン巻き進め、以て、0.5ターンだけ不足に巻かれ
たことにより層間渡り部が第2の短辺10bから第1の
短辺10aへ移動される。
【0028】以上の手順を繰り返して、一つの短辺にお
ける一連の層上がり渡り、及び層下がり渡りの対作業
を、第1の短辺10aと第2の短辺10bとの2辺で交
互に繰り返すことで巻回してゆく。このような巻線構成
並びに、巻線方法によれば、導体径/短辺長さ(層渡り
スパン)の比が大きい場合でも、層間渡り部による巻き
膨れは略半分に抑えられるので、導体崩れもなく高速で
巻回でき、巻線作業が容易になる。
【0029】なお、上記他の実施例では図3の一次端子
Tあるいは一次タップ端子を配設する短辺10aと反対
側に位置する短辺10b部のコイル厚さtcについて
は、層間渡り部を有さない部分のコイル厚さtaより若
干厚くなるが、鉄心巾Dに影響を与える長辺側のコイル
厚さtaは、層間渡り部がなく、整列密接状に巻回され
ているので、理想状態の薄さにすることができ、鉄心幅
Dを小さくできると共に、鉄心重量を削減することがで
きる。
【0030】一方、巻線の製造方法としては上記のよう
に、注型用の内型上に溝付きのスペーサを配置し、上記
巻線Wa,Wdを注型内型の上に直接巻回し、その後、
ただちに内型に上下型および外型を組み付けて樹脂注型
しているので、巻線作業及び注型作業を含む製造工数の
大幅な削減が可能になる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば角筒状巻線における一つの辺のみ、または一次
端子あるいは一次タップ端子を配設し得る一つの短辺側
のみ、あるいは、導体径/短辺長さ(層間渡りスパン)
の比に応じて、相対する二つの短辺側で層上がり渡り、
および層下がり渡りを位置させ、残りの辺は層間渡り部
なしの整列密接状に巻回する構成としたので、巻き膨れ
による導体崩れがなく巻線作業性に優れ、かつ、少なく
とも長辺側のコイル厚さを薄くでき、鉄心巾や鉄心重量
を削減することができ、軽量且つコンパクトな静止誘導
機器用巻線とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における巻線の巻回途中の状
態を示す一部破断斜視図
【図2】図1の状態から巻回が更に進んだ状態を示す一
部破断正面図
【図3】一実施例における変圧器の平面図
【図4】一実施例における一つの巻線体の斜視図
【図5】本発明の他の実施例を示す、図4のA−A断面
図相当図
【図6】図5に示す第1の短辺側の断面相当図
【図7】図5に示す第2の短辺側の断面相当図
【図8】第1の従来例を示す巻線の概略的斜視図
【図9】図8に斜線で示す部分の断面図相当図
【図10】巻線作業途上における図10相当図
【図11】第2の従来例における図9相当図
【図12】巻線作業途上における図11相当図
【図13】第3の従来例における図9相当図
【図14】巻線作業途上における図13相当図
【図15】その(A),(B),(C)は従来の円筒状
巻線における層間渡り方法を説明するための、夫々異な
る巻回段階での斜視図
【符号の説明】
1は導体、2はエポキシ樹脂、3は巻型、4は巻線ガイ
ド、5はスペーサ、10は注型用内型、11は溝付スペ
ーサ、12は鉄心、13は変圧器、Wは巻線、Waは一
次巻線、Wbは樹脂モールド巻線、Wcは二次巻線、W
dは一次巻線、Tは一次端子である。
フロントページの続き (72)発明者 園部 浩 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 伊藤 武志 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事業所内 (72)発明者 井戸 好信 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面円形の導体による1ターンのコイル
    辺が軸方向に相互に密接して多列に整列すると共に半径
    方向に複数層に積重なる構造を有した角筒状巻線をな
    し、軸方向に所定ターン数巻き進んだ部分、所定ターン
    数位置で下層側から上層側に層上がり渡りをした部分、
    その渡り部分から所定ターン数巻き後退した部分、及び
    所定ターン数位置で上層側から下層側に層下がり渡りを
    した部分を有し、前記層上がり渡り部分及び層下がり渡
    り部分である層間渡り部を、角筒状巻線の一辺のみに位
    置させてなることを特徴とする静止誘導機器用巻線。
  2. 【請求項2】 層間渡り部が位置する一辺側が巻線用の
    一次端子、一次タップ端子等の端子が配置される辺であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導機器用巻
    線。
  3. 【請求項3】 断面円形の導体による1ターンのコイル
    辺が軸方向に相互に密接して多列に整列すると共に半径
    方向に複数層に積重なる構造を有した角筒状巻線をな
    し、軸方向に所定ターン数巻き進んだ部分、所定ターン
    数位置で下層側から上層側に層上がり渡りをした部分、
    その渡り部分から所定ターン数巻き後退した部分、及び
    所定ターン数位置で上層側から下層側に層下がり渡りを
    した部分を有し、前記層上がり渡り部分及び層下がり渡
    り部分である層間渡り部を、角筒状巻線の相対する二辺
    側のみに位置させ、その二辺のうちの一辺に巻線用の一
    次端子、一次タップ端子等の端子を配置してなることを
    特徴とする静止誘導機器用巻線。
  4. 【請求項4】 層上がり渡り部分及び層下がり渡り部分
    の対が各辺間で交互に位置されることを特徴とする請求
    項3に記載の静止誘導機器用巻線。
  5. 【請求項5】 注型用の内型に断面円形の導体とほぼ等
    しいピッチの溝を有するスペーサを配置し、このスペー
    サ上で1ターンのコイル辺が軸方向に相互に密接して多
    列に整列する第1層の巻回層を形成すると共に次層以降
    が半径方向に複数層に積重なる構造を有した角筒状巻線
    であって、軸方向に所定ターン数巻き進んだ部分、所定
    ターン数位置で下層側から上層側に層上がり渡りをした
    部分、その渡り部分から所定ターン数巻き後退した部
    分、及び所定ターン数位置で上層側から下層側に層下が
    り渡りをした部分を有し、前記層上がり渡り部分及び層
    下がり渡り部分である層間渡り部を、角筒状巻線の一辺
    のみに位置させてなる巻線を形成し、その後、前記内型
    に上下型及び外型を組み付け、樹脂の注入によりモール
    ド巻線を形成することを特徴とする静止誘導機器用巻線
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003077737A (ja) * 2001-09-06 2003-03-14 Mitsubishi Electric Corp 電気機器の巻線
JP2007222235A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Sumida Corporation 近接物検出センサー及び金属球検出センサー
JP2010109131A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Tdk Corp 高圧トランス
JP2020120087A (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 Tdk株式会社 コイル部品

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