JP4432281B2 - 誘導電器巻線 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、工業用変圧器や発電所用変圧器の低圧巻線のような大電流巻線の口出し部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の誘導電器巻線の構成を示す要部側面図である。転位導体1が円筒状に巻回され3ターン毎に1ブロックを構成し、各ブロックから口出し部3A,3Bが誘導電器巻線の外径側へ引き出されている。この口出し部3A,3Bを介して各ブロックに並列に電流が流され大電流巻線が形成されている。転位導体1のターン間には絶縁と冷却のための絶縁性のスペーサ2が介装されている。
【0003】
図6は、図5のX矢視図であり、口出し部3A,3B周辺の要部が示されている。転位導体1の内径側に沿って紙面に垂直に絶縁性の縦ダクト6が配され、スペーサ2に形成された鉤型の切り欠き部に縦ダクト6が嵌め込まれ、スペーサ2が係止されるようになっている。転位導体1の口出し部3A,3Bは、絶縁紙層7でもって覆われている。絶縁紙層7は、例えば、0.075mm厚さの絶縁紙を半幅重ねで転位導体2の外周に2回巻くことによって形成される。これは、口出し部3A,3Bを形成するときに転位導体1を誘導電器巻線の外径側へ曲げる必要があるが、その際に、転位導体1の各素線がばらけないようにするためである。
【0004】
図7は、図5の転位導体1の要部構成を示す斜視図である。転位導体1は、並列に積層された複数の素線導体8の積層位置が転位部1Aにおいて長さ方向に行くに従って順次変わるとともに転位導体1の外周に絶縁紐のような拘束部材9が隣接する拘束部材同士の間に隙間をあけるようにして巻回されたものである。拘束部材9としては、例えば熱収縮性のテープ、釣り糸状のポリエステル材が複数本より合わされたポリエステル紐など、引っ張り強度が高く、かつ耐熱性が優れたものが用いられている。転位導体1は、素線導体8が隣接する拘束部材同士の間の隙間から露出しているので特に冷却特性に優れ、大電流用の誘導電器巻線に用いられる。転位導体1が複数の素線導体8を並列に束ねた構成となっているのは、導体を細分化して表皮効果による導体表面への電流集中を避けるためであり、通常数十本もの素線導体8が束ねられている。また、素線導体8を転位させるのは、各素線導体8に流れる電流が同一になるようにするためである。なお、素線導体8のそれぞれは図示されていない絶縁皮膜でもって覆われている。すなわち、絶縁皮膜は素線導体8の外周を覆う薄いエナメル絶縁層と、このエナメル絶縁層の外周をさらに覆う薄い熱融着性の絶縁樹脂層とで構成されている。この熱融着性の絶縁樹脂層は、誘導電器巻線として巻回された後の予備加熱時に素線導体8同士を互いに融着させるためのものである。それによって、転位導体1の曲げ強度が増し、誘導電器巻線の短絡時に発生する電磁機械力に充分耐えるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の誘導電器巻線は、巻線工数が多いとともに冷却特性も悪いという問題があった。
すなわち、転位導体の口出し部を絶縁紙層7でもって覆う必要があったので、口出し部の絶縁被覆作業に多くの時間が発生していた。また、絶縁紙層7で覆われるために口出し部の冷却特性も悪くなっていた。さらに、誘導電器巻線を単体で締め付けて乾燥する予備加熱(120℃、120時間)時に絶縁紙層7で覆われた口出し部が固まってしまいリード接続の作業性も悪くなっていた。
【0006】
この発明の目的は、口出し部の絶縁被覆作業に多くの時間が発生しないようにするとともに、口出し部の冷却特性を向上させリード接続の作業性もよくすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明によれば、並列に積層された複数の素線導体の各積層位置が長さ方向に行くに従って順次変わるように転位してなるとともに外周に拘束部材が隣接する拘束部材同士の間に隙間をあけるようにして巻回されてなる転位導体が円筒状に巻回されブロックを構成し、各ブロックが積層されてなる誘導電器巻線であって、各ブロックから口出部が前記誘導電器巻線の外径側へ引き出されており、この口出部を介して各ブロックに並列に電流が流される大電流巻線が形成されている誘導電器巻線において、前記口出部が前記転位導体のターン間に介装された絶縁性のスペーサで軸方向の両側から抑えられてなるようにするとよい。それによって、口出し部の絶縁被覆作業がなくなる。また、口出し部の絶縁紙層がなくなるので口出し部の冷却特性も向上するとともに、予備加熱時に口出し部がそれほど固くはならない。
【0008】
また、かかる構成において、前記転位導体の内径側に沿って軸方向に長い絶縁性の縦ダクトが配され、前記スペーサが縦ダクトに係止されてなるようにすることによって、スペーサが確実に固定される。
また、かかる構成において、前記スペーサが前記転位導体のターン間に周方向に所定ピッチで配された絶縁間隙材と共用されてなるようにしてもよい。それによって、スペーサと絶縁間隙材との部品点数が減る。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を実施例に基づいて説明する。図1は、この発明の実施例にかかる誘導電器巻線の構成を示す側面図である。口出部3A,3Bが転位導体1のターン間に介装された絶縁性のスペーサ10で軸方向の両側から抑えられている。
【0010】
図2は、図1のY矢視図であり、口出し部3A,3B周辺の要部が示されている。転位導体1の内径側に沿って紙面に垂直に絶縁性の縦ダクト6が配され、縦ダクト6にスペーサ10が係止されるようになっている。
図1および図2のその他は、図5および図6の従来の構成と同じであり、従来と同じ部分は同一参照符号を付けることによって詳細な説明は省略する。
【0011】
図1において、口出部3A,3Bが転位導体1のターン間に介装されたスペーサ10で軸方向の両側から抑えられているので、転位導体1の素線がばらけることがなく従来のように口出し部3A,3Bを絶縁紙層で覆う必要がなくなる。そのために、口出し部3A,3Bの工作時間が短くなり、コストを削減することができる。また、転位導体1が裸になるので口出し部3A,3Bの冷却特性も向上する。さらに、予備加熱時にも口出し部がそれほど固くなることがなくなり、リード接続の作業性もよくなる。それによってもコストが削減される。さらにまた、スペーサ10が縦ダクト6に係止されることによってスペーサ10が確実に固定され、誘導電器巻線の信頼性が向上する。
【0012】
図3は、この発明の異なる実施例にかかる誘導電器巻線の構成を示す側面図である。口出部3A,3Bが転位導体1のターン間に介装された絶縁性のスペーサ11で軸方向の両側から抑えられている。
図4は、図3のZ矢視図であり、口出し部3A,3B周辺の要部が示されている。転位導体1の内径側に沿って紙面に垂直に絶縁性の縦ダクト6が配され、縦ダクト6にスペーサ11が係止されるようになっている。縦ダクト6に係止されたスペーサ11は、所定のピッチで周方向に配されている。所定のピッチとは、一周を24等配とか26等配とし、転位導体1のターン間の絶縁間隙が確保される。周方向に配されたスペーサ11の内の2つを口出し部3A,3Bの抑え用としている。
【0013】
図3および図4のその他は、図1および図2の構成と同じである。転位導体1のターン間の絶縁間隙確保用の部品と口出し部3A,3Bの抑え用の部品とをスペーサ11として共用することができ、部品点数の削減によってコストが低減される。
【0014】
【発明の効果】
この発明は前述のように、並列に積層された複数の素線導体の各積層位置が長さ方向に行くに従って順次変わるように転位してなるとともに外周に拘束部材が隣接する拘束部材同士の間に隙間をあけるようにして巻回されてなる転位導体が円筒状に巻回され、前記転位導体から外径側へ引き出される口出部が前記転位導体のターン間に介装された絶縁性のスペーサで軸方向の両側から抑えられてなるようにすることによって、口出し部の工作時間やリード接続の作業時間が短くなりコストが低減されるとともに口出し部の冷却特性も向上する。
【0015】
また、かかる構成において、前記転位導体の内径側に沿って軸方向に長い絶縁性の縦ダクトが配され、前記スペーサが縦ダクトに係止されてなるようにすることによって、スペーサが確実に固定され、誘導電器巻線の信頼性が向上するようになる。
また、かかる構成において、前記スペーサが前記転位導体のターン間に周方向に所定ピッチで配された絶縁間隙材と共用されてなるようにすることによって、部品点数が減りコストがさらに低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例にかかる誘導電器巻線の構成を示す側面図
【図2】図1のY矢視図
【図3】この発明の異なる実施例にかかる誘導電器巻線の構成を示す側面図
【図4】図3のZ矢視図
【図5】従来の誘導電器巻線の構成を示す要部側面図
【図6】図5のX矢視図
【図7】図5の転位導体の要部構成を示す斜視図
【符号の説明】
1:転位導体、2,10,11:スペーサ、3A,3B:口出部、6:縦ダクト、8:素線導体、9:拘束部材
Claims (3)
- 並列に積層された複数の素線導体の各積層位置が長さ方向に行くに従って順次変わるように転位してなるとともに外周に拘束部材が隣接する拘束部材同士の間に隙間をあけるようにして巻回されてなる転位導体が円筒状に巻回されブロックを構成し、各ブロックが積層されてなる誘導電器巻線であって、各ブロックから口出部が前記誘導電器巻線の外径側へ引き出されており、この口出部を介して各ブロックに並列に電流が流される大電流巻線が形成されている誘導電器巻線において、
前記口出部が前記転位導体のターン間に介装された絶縁性のスペーサで軸方向の両側から抑えられてなることを特徴とする誘導電器巻線。 - 請求項1に記載の誘導電器巻線において、前記転位導体の内径側に沿って軸方向に長い絶縁性の縦ダクトが配され、前記スペーサが縦ダクトに係止されてなることを特徴とする誘導電器巻線。
- 請求項1または2に記載の誘導電器巻線において、前記スペーサが前記転位導体のターン間に周方向に所定ピッチで配された絶縁間隙材と共用されてなることを特徴とする誘導電器巻線。
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2001
- 2001-05-28 JP JP2001159174A patent/JP4432281B2/ja not_active Expired - Lifetime
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