JPH09312168A - 燃料電池装置 - Google Patents

燃料電池装置

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JPH09312168A
JPH09312168A JP8151560A JP15156096A JPH09312168A JP H09312168 A JPH09312168 A JP H09312168A JP 8151560 A JP8151560 A JP 8151560A JP 15156096 A JP15156096 A JP 15156096A JP H09312168 A JPH09312168 A JP H09312168A
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fuel cell
oxidizing gas
fuel
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池反応に関わることなく排出される水素量
の増加と燃料電池の大型化とを抑え、燃料電池内の排水
性を向上させる。 【解決手段】 燃料電池20は、酸化ガス供給マニホー
ルド58内にスリット構造60を備えている。燃料電池
20に設けられたモータ66によって、カム部62の回
転軸64が回転駆動されると、スリット構造60に設け
られたスリットプレート74,84が移動する。このと
き、スリットプレート74,84が備えるスリット7
5,85が、各単セル22内部の酸化ガス流路35Pの
入り口部を交互に塞ぐ。酸化ガスが供給される酸化ガス
流路35Pの数が一時的に減少することによって、酸化
ガス流路35Pに供給される酸化ガスの圧力が一時的に
増大し、流路を塞いでいた水滴が吹き飛ばされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池装置に関
し、詳しくは単セルを複数積層したスタック構造を備え
た燃料電池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、燃料が有する化学エネルギ
を、熱エネルギや機械エネルギを経由することなく直接
電気エネルギに変換するため、高いエネルギ変換効率が
実現可能な方法として知られている。燃料電池は、陽極
側には酸素を含有する酸化ガスの供給を受け、陰極側に
は水素を含有する燃料ガスの供給を受けて、その電極部
において以下に示す電気化学反応を進行する。
【0003】 H2 → 2H++2e- …(1) (1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2) H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0004】上記したように燃料電池における電気化学
反応では水を生じる。また、燃料電池が備える電解質層
の乾燥を防ぐ目的で上記燃料ガスや酸化ガスには水蒸気
が加えられることがあり、燃料電池内部の所定の領域で
は上記水蒸気や生成水が水滴を成してガスの流路を塞い
でしまうという不都合を生じることがある。以下に、固
体高分子型の燃料電池を例に挙げて、燃料電池内の各部
で生じる水滴の問題について説明する。
【0005】まず最初に、上記した水滴の生成について
の説明に先だって固体高分子型燃料電池の構成について
説明し、その後、このような固体高分子型燃料電池内の
各部で水滴が生じる機構について説明する。固体高分子
型燃料電池は、湿潤状態で良好な導電性を示す固体高分
子から成る膜を電解質層として備えている。このような
固体高分子型燃料電池は、通常は単セルを複数積層した
スタック構造を有している。図16は、固体高分子型燃
料電池を構成する基本単位である上記単セル22の構成
を示す断面模式図である。単セル22は、電解質膜31
と、アノード32およびカソード33と、セパレータ3
4,35とから構成されている。
【0006】アノード32およびカソード33は、電解
質膜31を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ34,35は、このサンド
イッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード32お
よびカソード33との間に、燃料ガスおよび酸化ガスの
流路を形成する。アノード32とセパレータ34との間
には燃料ガス流路34Pが形成されており、カソード3
3とセパレータ35との間には酸化ガス流路35Pが形
成されている。実際に燃料電池を組み立てるときには、
上記単セルを所定の枚数積層してスタック構造を形成す
る。このようなスタック構造を備えた固体高分子型燃料
電池の内部には、スタック構造を貫通してガスの流路が
設けられている。このガス流路とは、各単セルに燃料ガ
スまたは酸化ガスを供給するための燃料ガス供給マニホ
ールドまたは酸化ガス供給マニホールド、あるいは、各
単セルにおける電池反応に供された後の燃料ガスまたは
酸化ガスが集められる燃料ガス排出ガスマニホールドま
たは酸化ガス排出ガスマニホールドである。これらの流
路はそれぞれ、燃料電池の外部に設けられた所定の燃料
ガス供給装置や酸化ガス供給装置、あるいは燃料ガス排
出装置や酸化ガス排出装置に接続されている。
【0007】次に、以上のような構成を備えた燃料電池
において、水の凝縮が起こって不都合を生じ得る箇所を
挙げる。 1.ガス拡散電極 2.ガス流路 a)各単セル内部の流路(単セル内流路) b)各単セル内流路から燃料電池内部を貫通するガス流
路への出口部分 c)燃料電池内部を貫通するガス流路(ガスマニホール
ド)
【0008】これらの箇所における水蒸気の凝縮は、次
のようにして起こると考えられる。まず、既述した
(2)式に表わしたように、陽極側では電池反応によっ
て水が生じるため、この電池反応で生じた水が陽極側の
ガス拡散電極内部において水の膜を形成してしまうこと
がある。さらに、既述した電池反応の進行に伴って上記
電解質膜31の陽極側に移動してきた水によって、陽極
側のガス拡散電極内部に水の膜を生じてしまうこともあ
る。すなわち、既述した(1)ないし(3)式に示した
電池反応が進行する際には、上記電解質膜31において
プロトンが陰極側から陽極側に向かって移動するが、こ
のときプロトンは所定数の水分子と水和した状態で移動
する。従って、電解質膜31の陽極側では水が過剰な状
態となり、上記した水の膜の生成につながってしまう。
【0009】さらに、上記電池反応によって生じた生成
水や電解質膜31内を移動してきた水は、各単セル22
内部の流路において凝縮してしまうこともある。また、
このように各単セル内流路で凝縮した水は、その流路で
水滴として留まるだけでなく、水滴がある程度大きくな
ると流路内を流れて、この各単セル内流路から上記ガス
マニホールドへの出口部分に達することもある。ガスマ
ニホールドへの出口付近では、水滴はその表面張力によ
って保持されるが、水滴がある程度大きくなると、さら
にガスマニホールド内に流れ込むようになる。
【0010】ガスマニホールドにおいて生じる水滴は、
上記したように各単セル内流路から流れてきたものの他
に、燃料ガスや酸化ガス中に含まれる水蒸気が凝縮した
ものも含まれる。既述したように、陰極側では電池反応
時において水が消費され、またプロトンの移動にともな
って電解質膜中の水分子も陽極側に向かって移動してし
まうため、燃料電池に供給される燃料ガスは所定量の水
蒸気を含んで電解質膜の乾燥を防ぐ構成となっている。
このような燃料ガスが含有する水蒸気は通常は過剰量で
あるため、各単セルにおいて電池反応に供された後の燃
料ガスの排ガスにおいても、電解質膜に供給されずに残
った水蒸気が含まれることとなる。
【0011】酸化ガスにおいては、電池反応のために水
蒸気を加える必要はないが、陽極側に加圧した酸化ガス
を供給する場合などのように電解質膜の乾燥が心配され
る場合には、酸化ガスに対しても加湿を行なう場合があ
る。また、各単セルから排出される酸化ガスの排ガスに
おいては、前記電池反応で生じた水や電解質膜を移動し
てきた水が蒸発して加わるため、その蒸気圧は略飽和蒸
気圧に達している。
【0012】このような加湿ガスが内部を流れる燃料電
池において、例えばこの燃料電池の外部の温度が低下し
たときには、上記ガスマニホールドの壁面の温度も低下
してしまい、温度が低下した領域で上記燃料ガスや酸化
ガス中の水蒸気が凝縮してしまうことがある。また、燃
料電池の運転温度が低下したときや、燃料電池の起動時
にまだ燃料電池内部が充分に昇温していないとき等に
も、飽和蒸気圧が下がることによって水蒸気の凝縮が起
こる。燃料電池の運転温度の低下時や燃料電池の起動時
にみられるガス中の水蒸気の凝縮は、上記ガスマニホー
ルドだけでなく、上記単セル内流路など燃料電池内部に
形成されたガス流路全体で起こり得る。
【0013】このような水蒸気の凝縮が起こった場合に
は、その凝縮場所がガス拡散電極内部であるならば、電
極内でのガスの拡散が阻害されるため、ガス拡散電極に
おいてガスの供給を受けられない領域が生じる。また、
各単セル内流路で凝縮が起こった場合には、水滴によっ
て単セル内流路が塞がれるため、やはりガス拡散電極に
おいてガスの供給を受けられない領域が生じる。各単セ
ル内流路からガスマニホールドへの出口部分に水滴が生
じた場合には、出口を塞がれた単セル内流路に対するガ
スの供給が滞ってしまう。さらに、ガスマニホールドに
水滴が生じた場合には、この生じた水滴が各単セル内流
路との接続部を塞いでしまうおそれがある。このよう
に、燃料電池内のどこにおいて凝縮が起こった場合に
も、燃料電池内部での水の凝縮は電池性能を悪化させる
原因となっていた。
【0014】そこで従来は、燃料電池内部の各所で水蒸
気が凝縮して上記した不都合が生じてしまうのを防止す
るために、燃料電池に供給するガスの流量や圧力を一時
的に上昇させ、凝縮した水を吹き飛ばして水滴の除去を
行なう方法が提案されていた(例えば特開昭54−14
4934号公報等)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように燃料電池に供給するガスの流量や圧力を一時的
に増加させることによって凝縮水を吹き飛ばす構成とす
る場合には、上記ガスマニホールド内の水滴は容易に吹
き飛ばすことができても、上記ガス拡散電極内や単セル
内流路および単セル内流路からガスマニホールドへの出
口付近で凝縮した水に対しては効果を得にくいという問
題があった。これは、燃料電池に供給するガスの流量や
圧力をガスの供給装置側で増加させても、実際に水滴が
生じている箇所に達するガスの流量や圧力はさほど増加
しないことに起因している。燃料電池は既述したように
単セルを複数積層したスタック構造をとっているため、
各単セルにガスが分配される時には、燃料電池が備える
単セル数に応じて、ガス供給量の増加分もまた分割され
てしまう。そのため、水滴が生じている箇所に供給され
るガスの流量や圧力の増加量は不十分となってしまい、
燃料電池に供給するガスの流量や圧力を増加させても結
果的に水滴の除去が行なわれないことがあった。
【0016】逆に、水滴が生じている箇所に供給するガ
スの流量や圧力を充分に増加させて水滴の除去を効果的
に行なおうとすると、流量や圧力の増加量を大過剰にす
る必要があり、採用し難い場合がある。特に、燃料ガス
の流量または圧力を増加させて水滴の除去を行なおうと
する場合には、燃料ガスの供給量を過剰にすることによ
って、電池反応に関わることなく排出される水素量が増
加してしまうという不都合を生じる。電池反応で利用さ
れない水素量の増大は、この燃料電池を備える燃料電池
システム全体でのエネルギ効率の低下を引き起こす。特
に、燃料電池を車両駆動用の電源として車載する場合の
ように、準備可能な燃料の量に限りがある場合には不利
となる。車両駆動用の電源として燃料電池を用いる場合
には、供給するガス量を増加することによって水滴を吹
き飛ばす上記した構成は、車載された所定量の燃料で走
行可能な距離を短縮させてしまうことになる。さらに、
供給するガスの増加量を大過剰にする場合には、燃料電
池にガスを供給する配管などの設備もまた大過剰の流量
や圧力に耐えるものとし、ガス供給装置も大過剰の流量
や圧力のガスを供給可能にする必要が生じ、装置全体の
大型化などの問題を新たに引き起こすおそれがある。
【0017】本発明の燃料電池装置は、こうした問題を
解決し、電池反応に関わることなく排出される水素量の
増加と燃料電池の大型化とを抑え、燃料電池を構成する
各単セルにおける排水性を向上することを目的としてな
され、次の構成を採った。
【0018】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の第1の燃料電池装置は、単セルを複数積層したス
タック構造を備え、前記単セルの各電極に対してガスの
供給を受け、前記ガス中の所定の成分を用いた電気化学
反応によって起電力を得る燃料電池装置において、前記
スタック構造内部において該スタック構造の積層方向に
貫通して形成され、前記各単セル内部に設けられたガス
流路に対して前記ガスを供給するガス供給マニホールド
と、該ガス供給マニホールドから前記各単セルに至るガ
スの流路において、前記単セル内ガス流路の一部に対し
て前記ガスの供給を一時的に停止するガス分配手段とを
備えたことを要旨とする。
【0019】以上のように構成された本発明の第1の燃
料電池装置は、単セルを複数積層したスタック構造内部
において該スタック構造の積層方向に貫通して形成され
るガス供給マニホールドによって、前記単セル内部に設
けられたガス流路に対するガスの供給が行なわれる。前
記セルにおける各電極は、ガスの供給を受けてガス中の
所定の成分を用いた電気化学反応によって起電力を得
る。前記ガス供給マニホールドから前記各単セルに至る
ガスの流路にはガス分配手段が設けられており、このガ
ス分配手段は、前記単セル内ガス流路の一部に対して前
記ガスの供給を一時的に停止する。
【0020】本発明の第1の燃料電池装置によれば、ガ
ス分配手段が、前記単セル内ガス流路の一部に対して前
記ガスの供給を一時的に停止するため、ガスの供給が停
止されなかった単セル内ガス流路では供給されるガスの
流量および圧力が一時的に増大する。従って、ガス供給
が停止されなかった単セル内ガス流路において流路を塞
ぐ水滴が生じていた場合には、圧力が増大したガスによ
ってこの水滴を吹き飛ばして、流路内から水滴を除去す
ることができる。
【0021】ここで、本発明の第1の燃料電池装置で
は、単セル内ガス流路の一部に対して前記ガスの供給を
一時的に停止することによって、他の単セル内ガス流路
に供給されるガスの流量および圧力を増大させているた
め、燃料電池装置に外部から供給するガスの流量および
圧力は変化させる必要がない。従って、外部から燃料電
池装置にガスを供給する所定のガス供給装置やこのガス
供給装置と燃料電池とを接続する配管などは、ガスの流
量および圧力を増大させるために大型化あるいは複雑化
することがない。さらに、各ガス流路に供給されるガス
の流量および圧力が増大しても、本発明の第1の燃料電
池装置によって消費されるガスの量は変わることがな
い。また、上記したガス分配手段は、前記スタック構造
内に形成されたガス供給マニホールドから前記各単セル
に至るガスの流路において設けられるため、燃料電池装
置自体が大型化することもない。また、供給するガスの
圧力を利用して水滴を吹き飛ばすため、単セル内部の流
路がどのような向きに形成されていても水滴を除去する
ことができる。
【0022】このような本発明の第1の燃料電池装置に
おいて、前記単セル内ガス流路の一部は、すべての単セ
ル内ガス流路を複数のグループに分割した中の一つであ
り、前記ガス分配手段は、前記複数のグループを順次切
り替えて、前記ガスの供給を一時的に停止する前記単セ
ル内ガス流路を変更しながら前記ガス分配を行なうガス
分配切り替え手段である構成も好ましい。
【0023】このような構成では、すべての単セル内ガ
ス流路を複数のグループに分割し、これらのグループを
順次切り替えて、前記ガスの供給を一時的に停止する単
セル内ガス流路を変更する。従って、すべての単セル内
ガス流路において、供給されるガスの流量および圧力が
一時的に増大するため、いずれの単セル内ガス流路で水
滴が形成されている場合にも、この水滴を除去すること
が可能となる。
【0024】本発明の第2の燃料電池装置は、単セルを
複数積層したスタック構造を備え、前記単セルの各電極
に対してガスの供給を受け、前記ガス中の所定の成分を
用いた電気化学反応によって起電力を得る燃料電池装置
において、前記スタック構造内部において該スタック構
造の積層方向に貫通して形成され、前記各単セル内部に
設けられたガスの流路から排出された前記ガスを、前記
燃料電池装置外部に導くガス排出マニホールドと、該ガ
ス排出マニホールドと前記単セル内ガス流路との接続部
位に可動部材を有し、該可動部材の動きによって、前記
接続部位に滞留する水滴を前記ガス排出マニホールド側
に掻き出す水滴除去手段とを備えることを要旨とする。
【0025】以上のように構成された本発明の第2の燃
料電池装置は、単セルの各電極に対してガスの供給を受
け、前記ガス中の所定の成分を用いた電気化学反応によ
って起電力を得る。前記各単セル内部に設けられたガス
の流路から排出された前記ガスは、前記単セルを複数積
層したスタック構造内部において該スタック構造の積層
方向に貫通して形成されるガス排出マニホールドによっ
て、前記燃料電池装置外部に導かれる。前記ガス排出マ
ニホールドと前記単セル内ガス流路との接続部位には可
動部材が設けられており、この可動部材の動きによっ
て、前記接続部位に滞留する水滴を前記ガス排出マニホ
ールド側に掻き出す。
【0026】本発明の第2の燃料電池装置によれば、ガ
ス排出マニホールドと単セル内ガス流路との接続部位に
滞留する水滴は、水滴除去手段が備える可動部材によっ
てガス排出マニホールド側に掻き出されるため、前記接
続部位に水滴が滞留し続けてガス流路を塞ぎ、電池性能
を低下させてしまうことがない。ここで、水滴を除去す
る可動部材は、ガス排出マニホールドと単セル内ガス流
路との接続部位に設けられているため、この水滴除去手
段を設けることによって燃料電池装置が大型化してしま
うこともない。
【0027】このような本発明の第2の燃料電池装置に
おいて、前記水滴除去手段は、前記各単セル内ガス流路
と前記ガス排出マニホールドとの接続部位において回転
自在に支持され、複数設けられたファンと、該複数設け
られたファンを互いに連動して回転させる駆動機構とを
備えたこととしてもよい。
【0028】このような構成にすれば、複数設けられた
ファンは互いに連動して回転するため、いずれのファン
も同様に水滴の除去を行なうことができ、水滴が滞留し
た接続部の位置にかかわらず水滴を除去することができ
る。
【0029】また、ここで前記ファンは、前記各単セル
内ガス流路から排出されるガスの圧力によって回転駆動
されることとしても良い。
【0030】このような場合には、前記ファンは、前記
各単セル内ガス流路から排出されるガスの圧力によって
回転駆動されるため、ファンを回転駆動するための装置
を別途設ける必要がない。さらに、このときファンは、
既述したように互いに連動して回転するため、水滴の滞
留によってガス流路が塞がれてファンを駆動可能なガス
を排出していない流路の接続部位に設けられたファン
も、他のファンの回転に連動して回転することができ
る。従って、塞がれた流路の接続部位に設けられたファ
ンも充分に回転して水滴の除去を行なうことができる。
【0031】あるいは、前記ファンは、所定の動力源を
備えたモータによって回転駆動されることとしても良
い。
【0032】このような場合には、前記ファンは、所定
の動力源を備えたモータによって回転駆動されるため、
任意の時期に所望の速さでファンを回転させることがで
きる。このときファンは、既述したように互いに連動し
て回転するため、ファン全体を同調させて回転させるこ
とができ、いずれのガス流路が塞がれた場合にも同様に
水滴を除去することができる。また、モータに駆動され
るファンの働きによって、ガスの流路から水滴を強制的
に吸い出すことも可能となり、流路の形状にかかわらず
水滴の除去が容易になるという効果を奏する。
【0033】さらに、このような燃料電池装置におい
て、前記ファンが設けられた前記接続部位は、前記各単
セル内部の陽極側に設けられた酸化ガス流路と、該酸化
ガス流路から排出された酸化ガスを前記燃料電池装置外
部に導く酸化ガス排出マニホールドとの接続部位であっ
て、前記ファンは、前記モータによって所定の回転力が
与えられたときに、前記各単セル内部に設けられた酸化
ガス流路内を負圧にすることができる構成を有し、前記
燃料電池装置に対して前記酸化ガスを供給する酸化ガス
供給装置と、前記燃料電池装置と前記酸化ガス供給装置
とを接続する流路に設けられ、前記燃料電池装置との接
続を前記酸化ガス供給装置と外気との間で切り替え可能
な弁体と、前記燃料電池装置の運転状況が所定の状況と
なった時に、前記弁体を切り替えて前記燃料電池装置の
陽極側を外気と連絡させる酸化ガス流路切り替え制御手
段とを備えることとしても良い。
【0034】このような構成の燃料電池装置では、燃料
電池装置の運転状況が所定の状況となった時には前記弁
体を切り替えて前記燃料電池装置の陽極側を外気と連絡
させる。このとき、燃料電池装置が備えるファンが、所
定の動力源を備えたモータによって回転駆動されて前記
酸化ガス流路内を負圧にすると、ファンの回転に伴って
外気が吸引されて燃料電池装置の陽極側に供給される。
【0035】このような燃料電池装置によれば、前記弁
体が切り替えられる前記所定の状況として、燃料電池装
置の起動時や低負荷時のように電池反応のレベルが低い
ときを設定しておくことによって、燃料電池装置の起動
時や低負荷時には吸引した外気を酸化ガスとして利用す
ることが可能となる。したがって、電池反応のレベルが
低いときには、酸化ガスを加圧したり加湿するためにエ
ネルギを消費してしまうことがない。また、燃料電池装
置の起動時や低負荷時のように燃料電池内の運転温度が
低いときに加湿した酸化ガスが供給されると、燃料電池
内の酸化ガス流路において水蒸気が凝縮してガス流路を
塞いでしまうおそれがあるが、酸化ガスとして外気を直
接利用することによって、このような水蒸気の凝縮を防
ぐことができる。
【0036】
【発明の他の態様】本発明は、以下に示す他の態様をと
ることが可能である。すなわち、本発明の第1の態様と
しては、前記ガス分配切り替え手段と前記水滴除去手段
とを備えた燃料電池装置を挙げることができる。
【0037】このような構成とすれば、供給するガス圧
を大きくしてガス流路内の生成水および凝縮水を吹き飛
ばすと共に、ガス流路とガス排出マニホールドとの接続
部位に滞留する水滴を弾き飛ばして、効果的にガス流路
内の水の除去を行なうことができる。特に、前記水滴除
去手段が、ガス流路から排出されるガスの圧力によって
回転駆動されるファンである場合には、前記ガス分配除
去手段によってガスの圧力が強められたときに、前記フ
ァンの回転数も大きくなって水を除去する効率が向上す
る。このような燃料電池では、水滴に閉塞されたガス流
路が水平方向を向くなど水滴が排出されにくい形状であ
っても、流路を閉塞させる水滴を効果的に除去すること
ができる。
【0038】また、本発明の第2の態様は、本発明の燃
料電池装置を備えた電気自動車という構成をとることが
できる。電気自動車が、車両駆動用の電源として本発明
の第1の燃料電池装置を搭載し、この燃料電池装置が、
少なくとも燃料ガス供給マニホールド内に上記ガス分配
切り替え手段を備えている場合には、燃料電池を構成す
る単セル内の燃料ガスの流路が水滴によって塞がれたと
きに、ガス分配切り替え手段によって燃料ガス流路内の
燃料ガスの流量および圧力を増大させて、水滴を除去す
ることができる。このとき、燃料電池装置に供給する燃
料ガス量は変化しないため、燃料ガスによって水滴を吹
き飛ばして除去しても車両に搭載されている燃料が消費
されてしまうことがなく、従って、所定量の燃料によっ
て走行可能な距離が縮められることもない。
【0039】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は、本発明の好適な一実
施例である燃料電池20について、要部を破断した様子
を模式的に表わす部分分解斜視図である。図2は、燃料
電池20を構成するスタック構造24の構成を表わす分
解斜視図、図3はスタック構造24の外観を表わす斜視
図である。まず最初に、図2および図3に基づいて、燃
料電池20を構成するスタック構造24について説明
し、次に燃料電池20内部でのガスの流れについて説明
し、続いて本発明の要部に対応するスリット構造60の
構成について説明する。
【0040】燃料電池20は固体高分子型燃料電池であ
って、この燃料電池20を構成する基本単位である単セ
ル22の構成は図16に基づいて既述した通りである。
実際に燃料電池を組み立てる時には、図2に示す形状の
各部材を順次重ねて、単セル22を複数組積層したスタ
ック構造を形成する。図16では、各セパレータ34,
35の片面においてだけガス流路を成すリブが形成され
ているように表わされているが、実際の燃料電池20で
は、図2に示すように、両面にリブを形成したセパレー
タ30を用いている。セパレータ30の片面に形成され
たリブ54は隣接するアノード32との間で燃料ガス流
路34Pを形成し、セパレータ30の他面に形成された
リブ55は隣接する単セルが備えるカソード33との間
で酸化ガス流路35Pを形成する。このようにセパレー
タ30は、ガス拡散電極との間でガスの流路を形成する
と共に、隣接する単セル間で燃料ガスと酸化ガスとの流
れを分離する役割を果たしている。
【0041】ここで、電解質膜31は、固体高分子材
料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導
性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性
を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)
を使用した。電解質膜31の表面には、触媒としての白
金または白金と他の金属からなる合金が塗布されてい
る。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他
の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、こ
の触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散さ
せ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemi
cal社、Nafion Solution)を適量添
加してペースト化し、電解質膜31上にスクリーン印刷
するという方法をとった。あるいは、上記触媒を担持し
たカーボン粉を含有するペーストを膜成形してシートを
作製し、このシートを電解質膜31上にプレスする構成
も好適である。
【0042】アノード32およびカソード33は、共に
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形
成されている。なお、本実施例では、アノード32およ
びカソード33をカーボンクロスにより形成したが、炭
素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルト
により形成する構成も好適である。
【0043】セパレータ30は、ガス不透過の導電性部
材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密
質カーボンにより形成されている。セパレータ30はそ
の両面にリブ54,55を形成しており、既述したよう
に、アノード32の表面とで燃料ガス流路34Pを形成
し、隣接する単セルのカソード33の表面とで酸化ガス
流路35Pを形成する。本実施例の燃料電池20では、
各セパレータの表面に形成されたリブ54,55は平行
に形成された複数の溝状の構造とし、セパレータの両面
で、それぞれ直交する方向にリブ54とリブ55とを形
成した。
【0044】また、セパレータ30の周辺部には、4つ
の穴構造が設けられている。燃料ガス流路34Pを形成
するリブ54を連絡する燃料ガス孔50,51と、酸化
ガス流路35Pを形成するリブ55連絡する酸化ガス孔
52,53である。燃料電池20を組み立てたときに
は、各セパレータ30が備える燃料ガス孔50,51
は、燃料電池20内部をその積層方向に貫通する燃料ガ
ス供給マニホールド56および燃料ガス排出マニホール
ド57を形成する。また、各セパレータ30が備える酸
化ガス孔52,53は、同じく燃料電池20内部をその
積層方向に貫通する酸化ガス供給マニホールド58およ
び酸化ガス排出マニホールド59を形成する。
【0045】以上説明した各部材を備える燃料電池20
を組み立てるときには、セパレータ30、アノード3
2、電解質膜31、カソード33、セパレータ30の順
序で順次重ね合わせ、その両端にさらに集電板36,3
7、絶縁板38,39、エンドプレート40,41を配
置して図3に示すスタック構造24を完成する。ここ
で、集電板36,37は緻密質カーボンや銅板などによ
り形成され、絶縁板38,39はゴムや樹脂等の絶縁性
部材によって形成され、エンドプレート40,41は剛
性を備えた鋼等の金属によって形成されている。また、
集電板36,37にはそれぞれ出力端子36A,37A
が設けられており、燃料電池20で生じた起電力を出力
可能となっている。
【0046】スタック構造24を構成するときの各部材
の積層順序は上述した通りであるが、電解質膜31の周
辺部には、セパレータ30と接する領域において所定の
シール部材が設けられる。このシール部材は、各単セル
内部から燃料ガスおよび酸化ガスが漏れ出すのを防ぐと
共に、スタック構造24内において燃料ガスと酸化ガス
とが混合してしまうのを防止する役割を果たす。
【0047】エンドプレート40は、図3に示すように
2つの穴構造を備えている。一つは燃料ガス孔42、も
う一つは酸化ガス孔44である。エンドプレート40と
隣接する絶縁板38および集電板36は、エンドプレー
ト40が備える2つの穴構造と対応する位置に同様の2
つの穴構造を形成している。この燃料ガス孔42は、セ
パレータ30の備える燃料ガス孔50の中央部に開口し
ている。なお、燃料電池20を動作させるときには、燃
料ガス孔42と図示しない燃料供給装置とが接続され、
水素リッチな燃料ガスが燃料電池20内部に供給され
る。同様に、酸化ガス孔44は前記セパレータ30の備
える酸化ガス孔52の中央部に対応する位置に形成され
ている。燃料電池20を動作させるときには、この酸化
ガス孔44と図示しない酸化ガス供給装置とが接続さ
れ、酸素を含有する酸化ガスが燃料電池20内部に供給
される。ここで、燃料ガス供給装置と酸化ガス供給装置
は、それぞれのガスに対して所定量の加湿および加圧を
行なって燃料電池20に供給する装置である。
【0048】また、エンドプレート41は、エンドプレ
ート40とは異なる位置に2つの穴構造を備えている。
絶縁板39、集電板37もまたエンドプレート41と同
様の位置に、それぞれ2つの穴構造を形成している。エ
ンドプレート41が備える穴構造の一つ燃料ガス孔43
はセパレータ30の備える燃料ガス孔51の中央部に対
応する位置に開口している。もう一つの穴構造である酸
化ガス孔45はセパレータ30の備える酸化ガス孔53
の中央部に対応する位置に開口している。燃料電池20
を動作させるときには、燃料ガス孔43には図示しない
燃料ガス排出装置が接続され、酸化ガス孔45には図示
しない酸化ガス排出装置が接続される。
【0049】以上説明した各部材からなるスタック構造
24は、その積層方向に所定の押圧力がかかった状態で
保持され、燃料電池20が完成する。スタック構造24
を押圧する構成については、本発明の要部とは関わらな
いため図示は省略した。スタック構造24を押圧しなが
ら保持するには、スタック構造24をボルトとナットを
用いて締め付ける構成としても良いし、あるいは所定の
形状のスタック収納部材を用意して、このスタック収納
部材の内部にスタック構造24を収納した上でスタック
収納部材の両端部を折り曲げて、スタック構造24に押
圧力を作用させる構成としても良い。
【0050】次に、以上のような構成を備えた燃料電池
20における燃料ガスおよび酸化ガスの流れについて説
明する。燃料ガスは、上記した所定の燃料ガス供給装置
から、エンドプレート40に形成された燃料ガス孔42
を経て燃料電池20内部に導入される。燃料電池20内
部で燃料ガスは、燃料ガス供給マニホールド56を介し
て各単セル22が備える燃料ガス流路34Pに供給さ
れ、各単セル22の陰極側で進行する電気化学反応に供
される。燃料ガス流路34Pから排出された燃料ガス
は、燃料ガス排出マニホールド57に集合してエンドプ
レート41の燃料ガス孔43に達し、この燃料ガス孔4
3から燃料電池20の外部へ排出されて上記所定の燃料
ガス排出装置に導かれる。
【0051】同様に酸化ガスは、上記した所定の酸化ガ
ス供給装置から、エンドプレート40に形成された酸化
ガス孔44を経て燃料電池20内部に導入される。燃料
電池20内部で酸化ガスは、酸化ガス供給マニホールド
58を介して各単セル22が備える酸化ガス流路35P
に供給され、各単セル22の陽極側で進行する電気化学
反応に供される。酸化ガス流路35Pから排出された酸
化ガスは、酸化ガス排出マニホールド59に集合してエ
ンドプレート41の酸化ガス孔45に達し、この酸化ガ
ス孔45から上記所定の酸化ガス排出装置に排出され
る。
【0052】次に、本発明の要部に対応するスリット構
造60の構成およびその動作について説明する。このス
リット構造60は、燃料電池20において、既述した燃
料ガス供給マニホールド56内部に収納されている構造
である。図1は、燃料ガス供給マニホールド56内部に
収納されているスリット構造60を取り出した様子を表
わす部分分解斜視図である。図1に示す燃料電池20
は、スタック構造24を、まず、集電板36とこの集電
板36と隣接するセパレータ30との間、および集電板
37とこの集電板37と隣接するセパレータ30との間
で切断し、さらに燃料ガス供給マニホールド56の中央
部においてスタックの積層方向と平行に切断した状態を
示している。ここで、集電板36と接するセパレータ3
0の片面(図1中手前側)にはリブ55の記載が省略さ
れているが、この面はリブ55を有しないフラットな面
であっても良い。また、図4にはスリット構造60の斜
視図を示した。
【0053】スリット構造60は、図4に示すように第
1スリット部70と第2スリット部80とから構成され
ている。第1スリット部70は、第1シャフト72と複
数のスリットプレート74とを備えており、第1シャフ
ト72は支持部76によって各スリットプレート74を
支持している。第1シャフト72の一端(エンドプレー
ト41側)には、第1スプリング77を備える第1保持
部78が設けられており、この第1保持部78によっ
て、第1スリット部70は集電板37に設けられた第1
固着部79に固着される(図1参照)。第1シャフト7
2の他端(エンドプレート40側)は、円盤構造を形成
した第1端部71を成しており、この第1端部71は後
述する第1カム73と接する。
【0054】第2スリット部80も同様に、第2シャフ
ト82と複数のスリットプレート84とを備えており、
第2シャフト82は支持部86によって各スリットプレ
ート84を支持している。第2シャフト82の一端(エ
ンドプレート41側)には、第2スプリング87を備え
る第2保持部88が設けられており、この第2保持部8
8によって、第2スリット部80は集電板37に設けら
れた第2固着部89に固着される(図1参照)。第2シ
ャフト82の他端(エンドプレート40側)は、円盤構
造を形成した第2端部81を成しており、この第2端部
81は後述する第2カム83と接する。
【0055】前記第1カム73と第2カム83とはカム
部62を形成している。第1カム73と第2カム83と
は同一形状に形成されて回転軸64に貫通されており、
所定の間隔をおいてこの回転軸64上に固定されてい
る。回転軸64は、図1に示すように、セパレータ30
においてその外壁を貫通して回転自在に支持されてい
る。回転軸64を支持するセパレータ30の外側にはモ
ータ66が取り付けられており、このモータ66から動
力の供給を受けることによって回転軸64は回転する。
第1カム73と第2カム83とは、互いに90度の角度
を成して前記回転軸64に固定されており、回転軸64
がモータ66によって駆動されても第1カム73と第2
カム83との位置関係は変わらない。
【0056】燃料電池20を組み立てるときには、既述
した工程において、セパレータ30等を既述した順序で
重ね合わせて単セル22を積層した時点で、この時形成
された酸化ガス供給マニホールド58内にスリット構造
60を配置する。ここで、第1保持部78および第2保
持部88のそれぞれを、既述した集電板37に設けられ
た第1固着部79および第2固着部89に固着しながら
集電板37をさらに積層して、スリット構造60の一端
を燃料電池20内部に固定する。次に、エンドプレート
40側の端部に位置するセパレータ30に、第1カム7
3および第2カム83を予め固定した回転軸64を取り
付ける。このとき、それぞれのカムとシャフト端部の円
盤構造とが接するように配置する。ここで、各シャフト
端部の円盤構造は固定された第1カム73または第2カ
ム83と接しているだけであるが、各シャフトの他端に
設けられたスプリングによって各シャフトには押圧力が
加えられており、各シャフトは安定して保持される。回
転軸64には既述したモータ66を取り付け、エンドプ
レートを含めたスタック構造24を形成した後、スタッ
ク構造24積層方向に既述した所定の押圧力を作用させ
ながらこのスタック構造24を保持することによって燃
料電池20を完成する。
【0057】以上のようにスリット構造60を組み付け
ることによって、スリット構造60は、カム部62の動
作に従ってスタック構造24の積層方向に往復運動を行
なうことが可能となる。各シャフトの一端(第1端部7
1,第2端部81)はカム部62と接しており、各カム
の回転に伴ってカムから受ける押圧力が変化する。各シ
ャフトの他端(第1保持部78,第2保持部88)はス
プリングを備えており、このスプリングはスリット構造
60を支えると共に受ける押圧力の大きさに従って伸縮
する。従って、各カムが回転して各シャフトを押圧する
力の大きさが変化することで、各シャフトは往復運動を
行なう。このように往復運動を行なう第1シャフト7
2,第2シャフト82と、これらと一体で形成されるス
リットプレート74,84とからなる第1スリット部7
0および第2スリット部80は、所定の剛性および耐熱
性を備えて導電性を有しない材質、例えば、ガラス繊維
入りのエポキシ系樹脂やフェノール系樹脂等によって形
成されている。
【0058】次に、スリット構造60の動作について説
明する。回転軸64がモータ66によって駆動されて第
1カム73および第2カム83が回転すると、各カムは
その回転する角度に応じた異なる大きさの力によって、
各カムが接する第1端部71または第2端部81に形成
された円盤部を押して、対応するスリット部を変位させ
る。図5(a)ないし図8(a)は、カム部62を図4
に示す矢印5の方向から見た様子を表わす模式図であ
る。また、図5(b)ないし図8(b)は、カム部62
が対応する(a)の状態にあるときの第1端部71およ
び第2端部81の変位の状態を表わす模式図である。第
1カム73よび第2カム83は、図5(a)に示すよう
に、それぞれ鋭端部73a,83aと鈍端部73b,8
3bとを備えている。その鋭端部73a,83aが第1
端部71あるいは第2端部81と接する時には、対応す
るスリット部はエンドプレート41側に押された状態と
なる。また、鋭端部73a,83a以外の鈍端部73
b,83b等が第1端部71あるいは第2端部81と接
するときには対応するスリット部はエンドプレート40
側に引き戻された状態となる。
【0059】第1スリット部70および第2スリット部
80がカム部62に押圧されて移動するときの動作を図
9ないし図11に示す。図9ないし図11は、スリット
構造60が酸化ガス供給マニホールド58内の所定の位
置に設置されて動作する様子を、図1の矢印9に示す方
向から表わしている。酸化ガス供給マニホールド58上
には、各単セル22が備える酸化ガス流路35Pの断面
が規則的な配置で現われている。カム部62において、
第1カム73の鋭端部73a鉛直方向上向き、第2カム
83の鋭端部83aがエンドプレート40側を向いてい
るときには(図5(a)の状態)、図5(b)に示すよ
うに、第1スリット部70,第2スリット部80ともに
エンドプレート40側に引き戻されているが、この状態
が燃料電池20の運転時の通常の状態である。この時各
スリットプレートは図9に示す状態にある。図9の状態
では、スリットプレート74が備えるスリット75およ
びスリットプレート84が備えるスリット85は、各酸
化ガス流路35Pの断面とは重なり合わないように位置
しており、各酸化ガス流路35Pには通常通りに酸化ガ
スの供給が行なわれる。
【0060】ここで、回転軸64が時計方向に90゜回
転し、カム部62が図6(a)の状態になると、スリッ
ト構造60と酸化ガス流路35Pの断面との関係は図1
0の状態になる。すなわち、第1シャフト72がエンド
プレート41側に押圧されると共にスリットプレート7
4も移動して、スリット75は図9中右隣に配列してい
た酸化ガス流路35Pの入り口部断面に重なる。このと
き、第2シャフト82は移動しないため、スリットプレ
ート84も移動しない。
【0061】さらに回転軸64が時計方向に90゜回転
すると、カム部62は図7(a)の状態となり、スリッ
ト構造60と酸化ガス流路35Pの断面との関係は図1
1に示すようになる。図7の状態では、第1シャフト7
2はエンドプレート40側に引き戻されており、第2カ
ム83が第2シャフト82をエンドプレート41側に押
圧している。従って、スリットプレート74は図11に
おいて左側に移動して当初の位置に戻り、スリットプレ
ート84は右側に移動して右隣に配列していた酸化ガス
流路35Pの入り口部断面に重なる。
【0062】さらに回転軸64が時計方向に90゜回転
すると、カム部62は図8(a)に示す状態となる。こ
の状態では、第1シャフト72および第2シャフト82
はエンドプレート40側に引き戻されている。従って、
スリットプレート84もまた当初の位置に戻り、スリッ
トプレート74,84は図9に示す状態となる。
【0063】この後さらに回転軸64が時計方向に90
゜回転してカム部62が図5(a)の状態に戻っても、
第1シャフト72および第2シャフト82は移動するこ
とがなく、従って、スリットプレート74,84は図9
に示す状態のまま移動しない。
【0064】次に、スリット構造60の動作の制御につ
いて説明する。上述したスリット構造60の動作は、既
述したモータ66から回転軸64に駆動力が伝えられる
ことによって起こる。モータ66は、図示しない所定の
制御装置と接続されている。この制御装置は、やはり図
示しないセンサから、燃料電池20が出力している電圧
および電流に関する検出信号を入力可能となっている。
燃料電池20を構成する単セル22のいずれかの内部に
おいて、凝縮水あるいは生成水によってガス流路が閉塞
されると、燃料電池20が出力する電圧−電流特性(V
−I特性)に影響が表われる。前記センサが検出するV
−I特性の変化が基準値を越えると、前記制御装置は、
燃料電池20内部においてガス流路の閉塞が起こってい
ると判断してモータ66に対して駆動信号を出力する。
【0065】制御装置からの駆動信号を受けると、モー
タ66は、所定の時間をかけて(例えば本実施例では1
秒間)既述した時計回りで回転軸64を一回転させる。
このように回転軸64が一回転する間に、スリット構造
60は既述した動作を行ない、各単セル内に形成された
酸化ガス流路35Pでは、その入り口部が半数ずつ所定
の時間だけ(ここでは1/4秒間)塞がれる。
【0066】このように回転軸64の回転と共にスリッ
ト構造60が動作して、既述したスリットプレート74
またはスリットプレート84が所定の酸化ガス流路35
Pの入り口部を塞ぐと、所定の期間、酸化ガスが供給さ
れる酸化ガス流路35Pの数が半減する。従って、燃料
電池20に接続された酸化ガス供給装置から供給される
酸化ガスの量および圧力が一定であっても、単セル22
内の酸化ガス流路35Pに供給される酸化ガスの量およ
び圧力が一時的に増減する。このように、供給される酸
化ガスの量および圧力が一時的に増大したとき、単セル
22内のガス流路を閉塞させていた水が吹き飛ばされて
流路の閉塞は解消される。
【0067】以上説明した本発明の燃料電池20によれ
ば、一時的にスタック構造24内の酸化ガス流路35P
の数を半減させることによって酸化ガス流路35P内に
供給される酸化ガスの流量および圧力を増大させるた
め、この酸化ガスの圧力によって酸化ガス流路35Pを
閉塞している水を吹き飛ばして、流路の閉塞状態を解消
することができる。このとき、酸化ガスの流量および圧
力の増大は、酸化ガス流路35Pの数を一時的に減らす
ことによって実現されているため、燃料電池20に供給
される酸化ガス全体の流量および圧力を変える必要がな
い。また、酸化ガス流路35Pの数の半減は、すべての
酸化ガス流路35Pを2つのグループに分けて交互に入
り口部を閉じることによって実行されているため、燃料
電池20を構成するいずれの単セル22において流路の
閉塞が起こった場合にも同様の効果が得られ、流路の閉
塞を解消することができる。さらに、上記スリット構造
60は酸化ガス供給マニホールド58内に設けられてい
るため、このスリット構造60によって酸化ガス流路3
5P内の水滴の除去を行なう構成としても燃料電池20
が大型化することがない。
【0068】上記実施例では、燃料電池20を構成する
単セル22が備える酸化ガス流路35Pを二つのグルー
プに分けることとしたが、3以上のグループに分割する
構成としてもよい。3以上のグループに分割して、各グ
ループ毎に、順次酸化ガス流路35Pの入り口部を開閉
する構成とすれば、分割したグループ数に応じて増大さ
せる酸化ガスの流量および圧力を調節することが可能に
なる。さらに、酸化ガス流路35Pを3以上のグループ
に分割する場合に、複数のカム部62を設けることによ
って、2以上の所定のグループが同調して動作可能な構
成とするならば、流路が閉塞されている状態に応じて、
増大させる酸化ガスの流量および圧力を増減させること
が可能となる。2以上の所定のグループが同調して動作
する場合と別個に動作する場合とでは、開閉される酸化
ガス流路35Pの数が異なるため、各酸化ガス流路35
Pに分配される酸化ガス量を変えることができる。
【0069】また、上記実施例では、各スリットプレー
ト74,84はスリット75,85をそれぞれ7つずつ
有し、1枚のスリットプレートは酸化ガス流路35Pを
7列ずつ(単セル7個分ずつ)開閉する構成としたが、
各スリットプレート74,84が有するスリット75,
85の数は任意に設定することができる。ここで、支持
部76,86によって第1シャフト72および第2シャ
フト82と接続するスリットプレート74,84が、カ
ム部62の動作に従ってスムーズに移動するためには、
5から10セル毎に1枚のスリットプレートを設けるこ
とが好ましい。
【0070】このように、酸化ガス流路35Pを分割す
るグループ数、および一枚のスリットプレートが流路の
開閉を行なうセル数を変えることによって、開閉する酸
化ガス流路35Pの数を任意に設定することができ、こ
れによって、酸化ガス流路35Pを開閉するときに増大
する酸化ガスの流量および圧力を任意に調節可能とな
る。
【0071】また、上記実施例では、所定のセンサから
の入力信号によって所定の制御部がガス流路の閉塞状態
を判断し、必要に応じてモータ66を駆動する構成とし
たが、制御部にタイマを接続し、一定時間毎にモータ6
6を駆動する構成としても良い。このような構成とすれ
ば、電池出力に影響が出る前に所定の時間毎に水滴除去
の操作が行なわれるため、水滴によってガス流路が閉塞
されて電池性能が低下することがない。
【0072】上記実施例では、回転軸64が一回転する
のに要する時間を1秒間としたが、この時間は任意に設
定することができる。ただし、水滴除去の効果を充分に
得ながら連続運転している燃料電池20の出力状態への
影響を抑えるためには、回転軸64が一回転するのに要
する時間は、0.5秒から5秒間に設定することが好ま
しい。
【0073】さらに、スタック構造24を複数接続して
より高い電圧を出力可能な構成とした燃料電池において
も、各スタック構造24のそれぞれにおいてスリット構
造60を設けることによって、上記実施例の効果と同様
の効果を得ることができる。すなわち、複数積層した各
スタック構造24において、各スタック構造内の酸化ガ
ス供給マニホールド58に設けたスリット構造60を連
動させて同時に動かすならば、各スタック構造24を構
成するすべての単セル22において、酸化ガス流路35
Pに供給される酸化ガスの流量と圧力とを増大させて流
路の閉塞を解消できる。
【0074】上記実施例では、各スリットプレート74
が備えるスリット75は各単セルと平行に配置され、ス
リット75のそれぞれは、対応する1つの単セル22が
備えるすべての酸化ガス流路35Pの入り口部を塞ぐこ
とが可能な構成としたが、スリットプレート74が備え
るスリット75を、スタック構造24の積層方向と平行
に形成することとしても良い。この場合には、スリット
プレート74を支持するシャフトは、集電板36または
集電板37と隣接するセパレータ30における酸化ガス
孔52内に、この酸化ガス孔52の長手方向と平行に設
置し、この酸化ガス孔52の端部にはカム部62と同様
の構造を設け、シャフトを酸化ガス孔52の長手方向に
往復移動可動な構成とすれば良い。
【0075】また、上記実施例では、スリット構造60
は酸化ガス供給マニホールド58内に設け、酸化ガス流
路35Pを閉塞している水を除去する構成としたが、こ
のようなスリット構造60を燃料ガス供給マニホールド
56内に設置し、燃料ガス流路34Pを閉塞している水
を除去する構成としても良い。既述したように燃料ガス
は所定量の水蒸気を加えられて燃料電池20に供給され
るため、余剰の水蒸気が燃料ガス流路34Pにおいて凝
縮し、流路を塞いでしまうことがある。燃料ガス供給マ
ニホールド56内にスリット構造60を設け、上記実施
例と同様に、所定の制御部が前記V−I特性の変化を検
知したときにモータ66を駆動する構成とするならば、
燃料ガス流路34Pが凝縮水によって閉塞したときに、
燃料ガス流路34Pに供給される燃料ガスの流量および
圧力を増大させることによって、流路の閉塞を容易に解
消することができる。あるいは、所定時間毎にモータ6
6を駆動する構成とするならば、水滴が流路を閉塞させ
ることによって出力状態が影響されのを待つことなく、
燃料ガス流路34P内の水滴を定期的に除去することが
できる。
【0076】このような構成によって燃料ガス流路34
Pを閉塞している水を除去する場合には、燃料電池20
に供給する燃料ガスの流量および圧力を変化させること
なく、閉塞している燃料ガス流路34Pに供給される燃
料ガスの流量および圧力を増大させることができる。従
って、流路を閉塞している水を除去するために燃料ガス
を無駄に消費してしまうことがない。このことは、燃料
電池を移動用電源として用いる場合のように、準備可能
な燃料の量が限られている場合には特に有利である。
【0077】特に、本実施例では、燃料ガス流路34P
と酸化ガス流路35Pとの向きは直交しており、燃料ガ
ス流路34Pが水平方向を向いているため、燃料ガス流
路34P内の生成水や凝縮水が重力の助けを借りて燃料
ガス流路34Pの出口方向に排出されることがない。通
常このような生成水や凝縮水のうち、燃料ガス中に気化
しなかったものについては、燃料ガス流路34Pに供給
される燃料ガスの圧力によって燃料ガス流路34Pの出
口方向に向かって移動可能となるだけである。従って、
生成水や凝縮水の量が増えるとこのような通常の燃料ガ
スの圧力では排出できなくなって燃料ガス流路34P内
に滞留して流路を閉塞させてしまう。上記スリット構造
60を燃料ガス供給マニホールド56内に設けることに
よって、水平方向を向く燃料ガス流路34P内の生成水
や凝縮水を、燃料ガス流路34Pの出口方向に向かって
積極的に排出することが可能となる。
【0078】以上説明した実施例では、酸化ガスおよび
/または燃料ガスの供給マニホールド内に、各単セル2
2内のガス流路を閉塞させている水を吹き飛ばして除去
する水除去装置であるスリット構造60を設ける構成と
したが、ガスの排出マニホールド内に水除去装置を設け
てガス流路内の水滴を除去することとしても良い。以下
に、酸化ガス排出マニホールド59内に、水除去装置と
してのファン構造68を設けた構成を第2実施例として
示す。
【0079】図12は、第2実施例の燃料電池20aの
構成を模式的に表わす部分分解斜視図である。この燃料
電池20aは、酸化ガス供給マニホールド58内にはス
リット構造60を備えず、酸化ガス排出マニホールド5
9内に後述するファン構造68を備えているが、それ以
外の構成については第1実施例の燃料電池20と同様の
構成を備えているため、両者で共通する部材については
同様の符号を付し、詳しい説明は省略した。
【0080】図12は、燃料電池20aにおいて、集電
板36,37とこれらと隣接するセパレータ30との間
で切断し、さらに、酸化ガス排出マニホールド59の中
央部でこの酸化ガス排出マニホールド59の貫通方向と
平行に切断した様子を表わす。図12に示すように、フ
ァン構造68は、燃料電池20aの酸化ガス排出マニホ
ールド59内に設けられた構造であり、センターシャフ
ト90と羽根車92とを主な構成要素としている。
【0081】まず最初に、ファン構造68の構成につい
て説明する。センターシャフト90は、集電板36,3
7の所定の位置に設けられた取り付け部69に回転自在
に取り付けられており、酸化ガス排出マニホールド59
の略中心部においてスタック構造24の積層方向と平行
に配置されている。羽根車92は、センターシャフト9
0上に所定の間隔で複数設けられており、この各羽根車
92はセンターシャフト90を中心として左右対称に配
置されている。ここで、羽根車92が設けられた所定の
間隔とは、燃料電池20aを構成する各単セル22間の
距離に相当する。この羽根車92は、軸93の周上に3
枚の羽根94が等間隔で形成された構造を備えている。
軸93は、センターシャフト90とは互いに直交する位
置関係にあり、後述するギアボックス97において、回
転自在にセンターシャフト90と係合している。
【0082】図13は、このセンターシャフト90と軸
93との接続部の様子を表わす模式図である。センター
シャフト90と軸93との接続部には、ギアボックス9
7が設けられている。ギアボックス97は、センターシ
ャフト90が備える歯車と軸93が備える歯車とからな
る所定のクイ違イ軸歯車によって構成されており、軸9
3とセンターシャフト90との間で各々の回転力を互い
に伝達可能となっている。従って、軸93とセンターシ
ャフト90とのいずれか一方が回転すると他方も回転す
る構造となっている。ここで、各ギアボックス間の距離
は、燃料電池20aを構成する各単セル22間の距離に
相当し、羽根車92が取り付けられる位置に対応してい
る。ギアボックス97において、センターシャフト90
が備える歯車と軸93が備える歯車とが係合しながら回
転するとき、軸93において歯車の両端側に設けられた
羽根94は同じ方向に同じ速度で回転する。
【0083】以上のように構成されたファン構造68を
備えた燃料電池20aの運転時には、酸化ガス供給マニ
ホールド58から供給された酸化ガスが、各単セルを経
由して酸化ガス流路35Pから酸化ガス排出マニホール
ド59に排出され、その酸化ガスの圧力によって上述し
た羽根車92を回転させる。各羽根車92は、既述した
ようにギアボックス97によって互いに連動しているた
め、燃料電池20aが備えるすべての羽根車92は均等
に回転する。
【0084】次に、このようなファン構造68が水の除
去を行なう動作について説明する。図14は、酸化ガス
流路35Pから酸化ガス排出マニホールド59への出口
部に、水滴Wが滞留している様子を模式的に表わす斜視
図である。既述した電池反応によって陽極側に生じた生
成水や酸化ガス流路35P内で凝縮した凝縮水は、酸化
ガス流路35Pを伝わって酸化ガス排出マニホールド5
9への出口部に達した後、表面張力によって水滴を形成
したままその場に滞留し、図14に示すように酸化ガス
排出マニホールド59への出口部を塞いでしまうことが
ある。図15は、図14と同様に水滴Wが酸化ガス排出
マニホールド59への出口部を塞いでいる様子を表わす
断面模式図である。
【0085】上述したように酸化ガスの圧力が羽根車9
2に作用すると、羽根車92はこの酸化ガスの圧力に従
って図15中に示した矢印の方向に回転し、このとき回
転する羽根94が水滴Wを酸化ガス排出マニホールド5
9内に弾き飛ばす。このように羽根車92が回転するこ
とによって、酸化ガス流路35Pから酸化ガス排出マニ
ホールド59への出口部に滞留した水滴は除去される。
ここで、酸化ガス流路35Pの出口部に保持されている
水滴を効果的に除去するため、羽根車92は、この羽根
車92自身の回転を妨げない範囲で上記酸化ガス流路3
5Pの出口部に近接して設けておくことが好ましい。
【0086】以上のように構成された燃料電池20a
は、酸化ガス排出マニホールド59内に設けたファン構
造68によって酸化ガス流路35Pの出口部に生じた水
滴の除去を行なうため、酸化ガス流路35Pが塞がれて
燃料電池20aの電池性能が低下してしまうことがな
い。本実施例の燃料電池20aでは、各単セル毎に羽根
車92を設ける構成としたため、いずれの酸化ガス流路
35Pの出口部分が塞がれた場合であっても同様に水滴
の除去を行なうことができる。また、このファン構造6
8は、酸化ガス排出マニホールド59内に格納されてい
るため、ファン構造68を設けることによって燃料電池
20aが大型化することがない。
【0087】ここで、ファン構造68を構成する各羽根
車92は、酸化ガス流路35Pを流れる酸化ガスの圧力
によって駆動されるため、羽根車92を回転駆動するた
めに特別の装置を設ける必要がなく、回転駆動のための
エネルギを消費することもない。このとき、各羽根車9
2は、ギアボックス97によって連動して回転する構造
を有しているため、水滴に出口部を塞がれて酸化ガスの
流れが妨げられた領域に設けられた羽根車92において
も他の羽根車92の回転力が伝えられ、充分に回転して
水滴の除去を行なうことができる。さらに、各羽根車9
2は、燃料電池20aの運転中は上記したように酸化ガ
スの圧力によって常に回転駆動されるため、酸化ガス流
路35Pの出口部で生じた水滴を直ちに除去することが
でき、酸化ガス流路35Pの出口部を常に水滴が除去さ
れた状態に保つことができる。
【0088】また、本実施例の燃料電池20aでは、酸
化ガス排出マニホールド59内に設置する水滴除去手段
として羽根94を備えた羽根車92を設けることとした
が、この羽根94の形状は、図12に示したような板状
である必要はない。羽根94の先端部を櫛歯形状にする
構成や、軸93の周囲に羽根94の代わりに所定の硬度
を有する繊維を植え付けて羽根車92をブラシ状に形成
する構成としても良い。羽根車92が、酸化ガスによっ
て回転駆動可能であって、酸化ガス流路35Pの出口部
の水滴を掻き出し可能であれば良い。
【0089】また、第2実施例の燃料電池20aにおい
て、さらに、酸化ガス供給マニホールド58内に第1実
施例と同様のスリット構造60を設ける構成も好適であ
る。このような場合には、通常はファン構造68によっ
て酸化ガス流路35Pの出口部を閉塞する水滴が除去さ
れ、いずれかの単セル22内部において生成水または凝
縮水が流路を塞いで電池性能が低下したときにはスリッ
ト構造60が動作する。スリット構造60の動作によっ
て酸化ガス流路35Pに供給される酸化ガスの流量およ
び圧力が一時的に増大し、流路を閉塞させていた生成水
や凝縮水が酸化ガス流路35Pの出口付近に向かって吹
き飛ばされる。このように酸化ガスの流量および圧力が
増大することによって、ファン構造68の羽根車92の
回転速度も速くなり、酸化ガスに吹き飛ばされた生成水
および凝縮水は速やかに酸化ガス排出マニホールド59
側に排出される。
【0090】第2実施例の燃料電池20aでは、ファン
構造68を酸化ガス排出マニホールド59内に設ける構
成としたが、燃料ガス排出マニホールド57内に同様の
ファン構造を設けることとしても良い。このような構成
とすれば、加湿された燃料ガス中の水蒸気が燃料ガス流
路34P内で凝縮して燃料ガス流路34Pの出口部を塞
いだ時に、回転する羽根車によって水滴を除去して流路
の閉塞を解消することができる。
【0091】このとき同時に燃料ガス供給マニホールド
内にスリット構造60を設けるならば、燃料ガス流路3
4P内の生成水および凝縮水をさらに効果的に除去する
ことができる。燃料電池20aでは、燃料ガス流路34
Pは水平方向に形成されているため、燃料ガス流路34
P内に生じた水滴が重力によって燃料ガス流路34Pの
出口部に運ばれることがない。従って、スリット構造6
0の動作によって酸化ガスの流量および圧力を増大さ
せ、水滴を積極的に燃料ガス流路34Pの出口部に運ぶ
ことで、ファン構造68が燃料ガス流路34Pにおける
水滴を除去する効果を高めることができる。さらに、ス
リット構造60の動作で燃料ガスの流量および圧力が増
大することによって、羽根車92の回転速度も大きくな
り、ファン構造68が水滴を除去する効果が向上する。
【0092】上記第2実施例の燃料電池20aでは、フ
ァン構造68は酸化ガス流路35Pに供給される酸化ガ
スの圧力によって駆動されたが、ファン構造68を駆動
させるための駆動装置を設ける構成も好適である。以下
に、第3実施例として、モータ67によって駆動される
ファン構造68bを備える燃料電池20bについて説明
する。ここで、第3実施例の燃料電池20bは、モータ
67によってファン構造68bが駆動される以外の構成
は第2実施例の燃料電池20aと同様であるため、共通
する部材については同じ符号を付し、詳しい説明は省略
する。
【0093】燃料電池20bは、図12に示した燃料電
池20aと同様に構成されているが、軸93を回転自在
に支持する取り付け部69においてモータ67を備えて
おり、このモータ67によって軸93を駆動可能となっ
ている。このモータ67は燃料電池20b外の所定の電
源と接続されており、必要な電力の供給を得ている。あ
るいは、モータ67と燃料電池20bとを接続して、モ
ータ67は燃料電池20bからの出力を利用する構成と
しても良い。ここでモータ67は、第1実施例の燃料電
池20に備えられたモータ66と同様に、流路内の水滴
に起因して電池性能が低下したと所定の制御部が判断し
たときに駆動される。
【0094】モータ67によって軸93が回転駆動され
ると、この回転力はギアボックス97を介して各羽根車
92に伝えられてこれらの羽根車92を回転駆動する。
このギアボックス97の働きで、各羽根車92は互いに
同調して同じ速度で回転する。羽根車92が回転する
と、図15に示す第2実施例の場合と同様に、羽根車9
2によって酸化ガス流路35Pの出口部に生じた水滴が
酸化ガス排出マニホールド59側に掻き出される。
【0095】このような構成の第3実施例の燃料電池2
0bによれば、第2実施例の燃料電池20aと同様に、
各単セル毎に羽根車92を設ける構成としたため、いず
れの酸化ガス流路35Pの出口部分が塞がれた場合であ
っても同様に水滴の除去を行なうことができる。また、
このファン構造68bは、酸化ガス排出マニホールド5
9内に格納されているため、ファン構造68bを設ける
ことによって燃料電池20bが大型化することがない。
さらに、第3実施例の燃料電池20bでは、モータ67
を用いてセンターシャフト90を回転させるため、任意
の速さで羽根車92を回転させ、水滴を弾き飛ばす力の
強さを調節することができる。もとより、燃料ガス排出
マニホールド57内においてもファン構造68bを設
け、燃料ガス流路34Pの出口部に生じた水滴を排出す
る構成としてもよい。
【0096】燃料ガス排出マニホールド57内にファン
構造68bを設ける場合には、水平方向を向く燃料ガス
流路34Pにおいて、さらに有利に水滴を除去すること
が可能となる。ファン構造68bでは、モータ67によ
って羽根車92が回転駆動されるため、第2実施例のフ
ァン構造68のように供給されるガスの圧力によって羽
根車92を回転させる場合に比べてより大きな力によっ
て羽根車92を回転させることができる。すなわち、供
給されるガスの圧力によって回転する場合よりも大きな
駆動力を加えることによって羽根車92をより速く回転
させ、燃料ガス流路34Pから燃料ガスを強制的に排出
させることが可能となる。従って、水平方向を向く燃料
ガス流路34P内の水滴を積極的に吸い出して、燃料ガ
ス流路34Pの出口部で弾き飛ばして除去することが可
能となる。
【0097】さらに、モータ67によってファン構造6
8bを駆動する構成を備える場合には、上記したように
水平方向を向く流路内の水滴を除去する際に有利である
ばかりでなく、燃料電池の起動時における暖機運転中に
おいて、単セル22内のガス流路に残留した水や凝縮水
を効果的に排出することができるという効果を奏する。
燃料電池20bによる発電を終了する時には燃料ガスお
よび酸化ガスの供給を停止するが、発電を止めると燃料
電池20b内部の温度が低下するために、燃料電池20
b内部でガス中の水蒸気の凝縮が見られる。温度が低下
すると飽和蒸気圧が低下するため、燃料電池20b内に
残留する燃料ガスおよび酸化ガス中の水蒸気が凝縮して
ガス流路内で水滴を生じてしまう。このようにして生じ
た水滴は、再び燃料電池20bを起動しようとするとき
にガス流路を塞いでしまってガスの拡散を妨げる。
【0098】ここで、モータ67によって駆動されるフ
ァン構造68bをガス排出マニホールド内に設けておけ
ば、モータ67によって強制的に羽根車92を回転駆動
することによって、単セル22内のガス流路から水滴を
吸い出し、ガス排出マニホールド側に吹き飛ばして流路
を塞いでいた水滴を除去することができる。酸化ガス供
給マニホールド58と燃料ガス排出マニホールド57と
の両方においてファン構造68bを設けておけば、燃料
電池の起動時には、各モータ67を駆動することによっ
て、燃料電池内の各流路で凝縮した水滴を同時に除去す
ることができる。
【0099】また、第3実施例の燃料電池20bを備え
た燃料電池システムは、システム起動時や低負荷時に
は、酸化ガス供給マニホールド58を大気開放すること
によって酸化ガスとして大気中の酸素を直接利用するこ
とが可能となる。以下に、このような燃料電池システム
26を第4実施例として説明する。燃料電池システムの
起動時や低負荷時には、進行する電池反応が低レベルで
あるため、加圧した酸素を陽極側に送り込んで多量の酸
素を供給する必要がない。この燃料電池システム26
は、ファン構造68bによる吸引力を利用して、酸化ガ
スとして外気を取り込む構成を有している。図16は、
燃料電池システム26の構成を模式的に表わす説明図で
ある。
【0100】第3実施例の燃料電池20bを備えた第4
実施例の燃料電池システム26では、酸化ガス供給マニ
ホールド58に開口する酸化ガス孔44と、この酸化ガ
ス孔44と接続する既述した酸化ガス供給装置との間に
流路の切替を行なう三方弁98が設けられている。ま
た、酸化ガス孔45と、この酸化ガス孔45と接続する
既述した酸化ガス排出装置との間にも流路の切り替えを
行なう三方弁99が設けられている。システム起動時や
低負荷時には、これらの三方弁98,99を操作して流
路の切り替えを行ない、酸化ガス供給マニホールド58
および酸化ガス排出マニホールド59を外気に開放す
る。このように酸化ガス流路を外気に開放したときに
は、モータ67を駆動して羽根車92を回転させ、この
各羽根車92の回転に伴う吸引力によって陽極に空気を
供給する。なお、陽極側に供給する空気の圧力は、モー
タ67の回転数を制御することによって調節可能であ
る。
【0101】また、固体高分子型燃料電池では、陽極側
に加圧した酸化ガスを供給することによって電解質膜表
面が乾いてしまうのを防ぐ目的で酸化ガスの加湿を行な
うことがあるが、燃料電池システム26では外気を吸引
して利用するため酸化ガスの圧力が低く、このような電
解質膜の乾燥を考慮する必要がない。従って、大気中に
含まれる水蒸気で対応可能となる。
【0102】このような構成の燃料電池システム26に
よれば、電池反応が低レベルで陽極において消費される
酸素量が少ないときに、酸化ガスの加圧や加湿のために
無駄にエネルギを消費してしまうことがない。また、こ
のように酸化ガスとして外気を直接利用する構成は、シ
ステム起動時のように燃料電池20b内の温度が充分に
上昇していないときにガス流路内で水蒸気が凝縮してし
まうのを防ぐという効果をも奏する。燃料電池20b内
の温度が低い内に、加湿した酸化ガスあるいは加圧によ
って昇温した酸化ガスを送り込むと、燃料電池20b内
部でこの酸化ガスが降温して水蒸気の凝縮が起こるおそ
れがあるが、空気を直接供給する場合には、燃料電池2
0b内の温度は外気以上であるためこのような水蒸気の
凝縮は起こらない。また、燃料電池20bの負荷が低下
して燃料電池20b内部が降温した場合にも、同様に外
気を直接利用することによって、飽和蒸気圧の低下によ
る水蒸気の凝縮を防ぐとともに、酸化ガスの加圧に要す
るエネルギを削減することができる。
【0103】既述した第1ないし第3実施例の燃料電池
は、特に、この燃料電池を車両駆動用の電源として車載
する場合のように、移動用の電源として用いる場合に有
利である。第1実施例の燃料電池20を搭載した電気自
動車では、単セル22内部の水滴を吹き飛ばすために供
給するガスの圧力を増加させる必要がないことから配管
を大型強化する必要がなく、また、水滴を除去する装置
はガスマニホールド内に設けられているため装置自体が
大型化することがない。このように大型化を抑える構成
は、設置可能な面積に厳しい制約がある車載時には特に
好ましい。また、燃料ガス供給マニホールド56内にス
リット構造60を設ける場合には、供給する燃料ガス量
を増加させることなく流路内の水滴を除去することが可
能となるため、搭載している燃料を無駄に消費してしま
うことがない。電池反応に用いずに消費してしまう燃料
ガス量の増加は車両の走行距離の短縮につながるが、上
記スリット構造60を燃料ガス供給マニホールド56内
に設けることによって、走行距離を短縮させること無く
燃料電池内の水滴を除去することが可能となる。
【0104】また、第2実施例の燃料電池20aまたは
第3実施例の燃料電池20bを車両に搭載する場合に
は、ガスマニホールド内に設けたファン構造68によっ
て水滴の除去を行なうため、走行中の車両の傾き具合に
よって排水効率が大きく影響されることがないという効
果を奏する。排水が、羽根車92の回転力による吸い出
しと掻き出しによるため、車両が傾いた場合であっても
充分に水滴の除去を行なうことができる。
【0105】以上説明した実施例では燃料電池は固体高
分子型燃料電池としたが、本発明は固体高分子型燃料電
池以外にも、スタック構造を備えて内部に生じた生成水
や凝縮水が電池反応を阻害する他の燃料電池(例えばり
ん酸型燃料電池等)にも適用可能であって、同様の効果
を得ることができる。
【0106】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である燃料電池20の
構成を表わす部分分解斜視図である。
【図2】スタック構造24の構成を表わす分解斜視図で
ある。
【図3】スタック構造24の外観を表わす斜視図であ
る。
【図4】スリット構造60の外観を表わす斜視図であ
る。
【図5】カム部62およびスリット構造60の動作を表
わす説明図である。
【図6】カム部62およびスリット構造60の動作を表
わす説明図である。
【図7】カム部62およびスリット構造60の動作を表
わす説明図である。
【図8】カム部62およびスリット構造60の動作を表
わす説明図である。
【図9】スリットプレート74,84の動作を表わす説
明図である。
【図10】スリットプレート74,84の動作を表わす
説明図である。
【図11】スリットプレート74,84の動作を表わす
説明図である。
【図12】第2実施例の燃料電池20aの構成を表わす
部分分解斜視図である。
【図13】ギアボックス97の構成を表わす説明図であ
る。
【図14】酸化ガス流路35Pの出口部に水滴が滞留す
る様子を表わす説明図である。
【図15】酸化ガス流路35Pの出口部に水滴が滞留す
る様子を模式的に表わす断面図である。
【図16】第4実施例の燃料電池システム26の構成の
概略を表わす説明図である。
【図17】単セル22の構成を模式的に表わす断面図で
ある。
【符号の説明】
20,20a,20b…燃料電池 22…単セル 24…スタック構造 26…燃料電池システム 30…セパレータ 31…電解質膜 32…アノード 33…カソード 34,35…セパレータ 34P…燃料ガス流路 35P…酸化ガス流路 36,37…集電板 36A,37A…出力端子 38,39…絶縁板 40,41…エンドプレート 42,43,50,51…燃料ガス孔 44,45,52,53…酸化ガス孔 54,55…リブ 56…燃料ガス供給マニホールド 57…燃料ガス排出マニホールド 58…酸化ガス供給マニホールド 59…酸化ガス排出マニホールド 60…スリット構造 62…カム部 64…回転軸 66,67…モータ 68,68b…ファン構造 69…取り付け部 70…第1スリット部 71…第1端部 72…第1シャフト 73…第1カム 73a,83a…鋭端部 73b,83b…鈍端部 74,84…スリットプレート 75,85…スリット 76,86…支持部 77…第1スプリング 78…第1保持部 79…第1固着部 80…第2スリット部 81…第2端部 82…第2シャフト 83…第2カム 87…第2スプリング 88…第2保持部 89…第2固着部 90…センターシャフト 92…羽根車 93…軸 94…羽根 97…ギアボックス 98,99…三方弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単セルを複数積層したスタック構造を備
    え、前記単セルの各電極に対してガスの供給を受け、前
    記ガス中の所定の成分を用いた電気化学反応によって起
    電力を得る燃料電池装置において、 前記スタック構造内部において該スタック構造の積層方
    向に貫通して形成され、前記各単セル内部に設けられた
    ガス流路に対して前記ガスを供給するガス供給マニホー
    ルドと、 該ガス供給マニホールドから前記各単セルに至るガスの
    流路において、前記単セル内ガス流路の一部に対して前
    記ガスの供給を一時的に停止するガス分配手段とを備え
    た燃料電池装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池装置において、 前記単セル内ガス流路の一部は、すべての単セル内ガス
    流路を複数のグループに分割した中の一つであり、 前記ガス分配手段は、前記複数のグループを順次切り替
    えて、前記ガスの供給を一時的に停止する前記単セル内
    ガス流路を変更しながら前記ガス分配を行なうガス分配
    切り替え手段である燃料電池装置。
  3. 【請求項3】 単セルを複数積層したスタック構造を備
    え、前記単セルの各電極に対してガスの供給を受け、前
    記ガス中の所定の成分を用いた電気化学反応によって起
    電力を得る燃料電池装置において、 前記スタック構造内部において該スタック構造の積層方
    向に貫通して形成され、前記各単セル内部に設けられた
    ガスの流路から排出された前記ガスを、前記燃料電池装
    置外部に導くガス排出マニホールドと、 該ガス排出マニホールドと前記単セル内ガス流路との接
    続部位に可動部材を有し、該可動部材の動きによって、
    前記接続部位に滞留する水滴を前記ガス排出マニホール
    ド側に掻き出す水滴除去手段とを備えた燃料電池装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の燃料電池装置であって、 前記水滴除去手段は、 前記各単セル内ガス流路と前記ガス排出マニホールドと
    の接続部位において回転自在に支持され、複数設けられ
    たファンと、 該複数設けられたファンを互いに連動して回転させる駆
    動機構とを備えた燃料電池装置。
  5. 【請求項5】 前記ファンは、前記各単セル内ガス流路
    から排出されるガスの圧力によって回転駆動される請求
    項4記載の燃料電池装置。
  6. 【請求項6】 前記ファンは、所定の動力源を備えたモ
    ータによって回転駆動される請求項4記載の燃料電池装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の燃料電池装置であって、 前記ファンが設けられた前記接続部位は、前記各単セル
    内部の陽極側に設けられた酸化ガス流路と、該酸化ガス
    流路から排出された酸化ガスを前記燃料電池装置外部に
    導く酸化ガス排出マニホールドとの接続部位であって、 前記ファンは、前記モータによって所定の回転力が与え
    られたときに、前記各単セル内部に設けられた酸化ガス
    流路内を負圧にすることができる構成を有し、 前記燃料電池装置に対して前記酸化ガスを供給する酸化
    ガス供給装置と、 前記燃料電池装置と前記酸化ガス供給装置とを接続する
    流路に設けられ、前記燃料電池装置との接続を前記酸化
    ガス供給装置と外気との間で切り替え可能な弁体と、 前記燃料電池装置の運転状況が所定の状況となった時
    に、前記弁体を切り替えて前記燃料電池装置の陽極側を
    外気と連絡させる酸化ガス流路切り替え制御手段とを備
    える燃料電池装置。
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