JP2006185596A - 燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各燃料電池FC1,FC2に接続される水素ガス供給配管32,33の途中部に、それぞれ水素ガス流量調節バルブHV1,HV2を介装する。また、各燃料電池FC1,FC2に接続される流体排出配管36,37の下流端を、それぞれ気液分離器15,16に接続する。そして、気液分離器15で分離された水素ガスを送出するための再供給配管38を、水素ガス供給配管33の途中部であって、水素ガス流量調節バルブHV2のガス流通方向下流側に接続し、気液分離器15から分離された水素ガスを送出するための再供給配管39を、水素ガス供給配管32の途中部であって、水素ガス流量調節バルブHV1のガス流通方向下流側に接続する。
【選択図】 図1
Description
具体的には、アノードおよびカソードには、それぞれ水素ガス流路および空気流路が設けられており、水素ガス流路を水素ガスが流れると、アノードにおいて、その水素ガス中の水素の還元反応によって、プロトン(H+)と電子(e-)とが生成される。そして、そのプロトンが固体高分子膜を透過してカソードに到達すると、カソードにおいて、プロトンと空気流路を流れる空気中の酸素とから水を生成する反応が生じる。その結果、アノードで生成される電子が外部回路を介してカソードに移動し、アノード−カソード間に起電力が発生する。
また、請求項2に記載のように、前記燃料電池装置は、各供給路に設けられ、それぞれ前記供給路から前記発電部への燃料ガスの供給を調節するための供給調節手段と、各前記発電部に滞留している水の量がそれぞれ各前記発電部ごとに設定される基準量を超えているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって、複数の前記発電部のいずれかに滞留している水の量が基準量を超えていると判断された場合に、その基準量を超える量の水が滞留している前記発電部以外の少なくとも1つの前記発電部への燃料ガスの供給を制限(停止を含む。)する供給制限手段とをさらに備えていることが好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池装置の全体構成図である。この燃料電池装置は、2つの発電部としての燃料電池FC1,FC2と、これらの燃料電池FC1,FC2に供給される燃料ガスとしての水素ガスを貯留する燃料タンク13と、燃料電池FC1,FC2に空気を供給するためのエアコンプレッサ14と、各燃料電池FC1,FC2に接続される気液分離手段としての気液分離器15,16と、各燃料電池FC1,FC2の出力電圧をそれぞれ制御するための判断手段および供給制限手段としてのパワーコントロールユニット17,18とを備えている。
燃料電池セル19は、パーフルオロスルホン酸膜などのプロトン導電性の固体高分子膜20と、白金などの貴金属の触媒が担持されるカーボンなどの多孔質電極からなるアノード21およびカソード22と、ガス不透過の導電性材料からなるセパレータ23,24と、カーボンペーパなどのガス透過性材料からなる集電体25とを備えている。
具体的には、水素ガス流路26に水素ガスが供給されると、その水素ガスがアノード21の全面に供給され、アノード21において、下記式(1)で示されるように、水素ガス中の水素の還元反応が生じ、プロトン(H+)と電子(e-)とが生成される。
この還元反応によって生成されるプロトンは、固体高分子膜20を透過して、カソード22に向かう。そして、そのプロトンがカソード22に到達すると、カソード22において、下記式(2)で示されるように、プロトンと空気流路29を流れる空気中の酸素とから水を生成する反応が生じる。
この結果、アノード21で生成される電子が外部回路(図示せず)を介してカソード22に移動し、アノード21とカソード22との間に起電力が発生する。
なお、カソード22で生成される水は、空気とともに、空気流路29を通して、流体排出孔31から排出される。
気液分離器15,16には、それぞれ流体から分離した水素ガスを送出するための再供給路としての再供給配管38,39が接続されている。再供給配管38は、燃料電池FC2に接続されている水素ガス供給配管33の途中部であって、水素ガスの流通方向における水素ガス流量調節バルブHV2の下流側に接続され、再供給配管39は、燃料電池FC1に接続されている水素ガス供給配管32の途中部であって、水素ガスの流通方向における水素ガス流量調節バルブHV1の下流側に接続されている。
さらにまた、各燃料電池FC1,FC2の燃料電池セル19の流体排出孔31には、それぞれ流体排出配管46,47が接続されており、カソード22で生成される水を含む空気は、流体排出孔31から流体排出配管46,47に排出される。
この処理では、まず、水素ガス流量調節バルブHV1,HV2および空気流量調節バルブAV1,AV2が開かれて(ステップS1)、各燃料電池FC1,FC2における発電が開始される。そして、各燃料電池FC1,FC2の出力電圧値がそれぞれ予め定める目標電圧値となるように、水素ガス流量調節バルブHV1,HV2および空気流量調節バルブAV1,AV2の開度が調節されることにより、各燃料電池FC1,FC2の発電量が制御される(ステップS2)。
I:燃料タンクからの水素ガスの供給が停止されている燃料電池による発電電流値
C:その燃料電池を構成する燃料電池セルの数
F:ファラデー定数
また、燃料電池FC1の水素ガス流路26に水が滞留している場合に、空気流量調節バルブAV1の開度を小さく制限して、燃料電池FC1の発電量を制限するとしたが、この制限も、空気流量調節バルブAV1を閉じることによる燃料電池FC1の発電停止を含む概念である。燃料電池FC1における発電を停止させれば、その燃料電池FC1の水素ガス流路26から水を排除する間、燃料電池FC1で水が生成されないので、燃料電池FC1の水素ガス流路26に貯留している水を良好に排除することができる。
図4に示す構成では、各燃料電池FC1,FC2,FC3に、それぞれ燃料タンク13から水素ガスが供給される供給路としての水素ガス供給配管32,33,42が接続されている。そして、これら水素ガス供給配管32,33,42の途中部には、それぞれ水素ガス供給配管32,33,42を流れる水素ガスの流量を調節する供給調節手段としての水素ガス流量調節バルブHV1,HV2,HV3が介装されている。
気液分離器15,16,44には、それぞれ流体から分離した水素ガスを送出するための再供給路としての再供給配管38,39,45が接続されている。
そして、各燃料装置FC1,FC2,FC3ごと、または、各燃料装置FC1,FC2,FC3に共通に設けられるパワーコントロールユニットによって、燃料電池FC1の水分量、燃料電池FC2の水分量およびFC3の燃料電池セル19の水素ガス流路26(図2参照)に滞留している水の量(以下、「燃料電池FC3の水分量」という。)が推定される。そして、その推定された燃料電池FC1の水分量、燃料電池FC2の水分量および燃料電池FC3の水分量が、それぞれ所定の基準量X1,X2,X3よりも多いか否かが判断され、いずれか1つの燃料電池の水分量が基準値よりも多ければ、その燃料電池に悪影響を及ぼすような量の水が水素ガス流路に滞留していると判断されて、その水素ガス流路26に滞留している水を排除するための制御が行われる。
さらに、燃料電池FC3の水分量が基準量X3を超えている場合には、水素ガス流量調節バルブHV3を開いたまま、水素ガス流量調節バルブHV1および/またはHV2の開度が小さく制限されるとともに、燃料電池FC3への空気の供給量が制限されることにより、燃料電池FC3の発電量が制限されるとよい。
また、各燃料電池FC1,FC2が本発明の発電部である場合を取り上げたが、燃料電池装置には1つの燃料電池FC1のみが備えられ、この燃料電池FC1に備えられる各燃料電池セル19が本発明の発電部であってもよい。たとえば、燃料電池FC1に2つの燃料電池セル19が備えられる場合、図5に示すように、図1に示す燃料電池FC1,FC2をそれぞれ燃料電池セル19に置き換えた構成とすればよく、各燃料電池セル19から水を排除する際の制御についても、各燃料電池FC1,FC2から水を排除する場合の制御と同様な制御が行われるとよい。これにより、水素ガスの消費量に対する発電効率の低下を招くことなく、燃料電池FC1の各燃料電池セル19の水素ガス流路26から水を排除することができる。
16 気液分離器
17 パワーコントロールユニット
18 パワーコントロールユニット
19 燃料電池セル
32 水素ガス供給配管
33 水素ガス供給配管
38 再供給配管
39 再供給配管
42 水素ガス供給配管
45 再供給配管
FC1 燃料電池
FC2 燃料電池
FC3 燃料電池
HV1 水素ガス流量調節バルブ
HV2 水素ガス流量調節バルブ
HV3 水素ガス流量調節バルブ
Claims (2)
- 燃料電池セルをそれぞれ含む複数の発電部と、
各前記発電部に接続され、それぞれ前記発電部に水素を含む燃料ガスを供給するための供給路と、
各前記発電部に接続され、それぞれ前記発電部から排出される流体を燃料ガスと水とに分離するための気液分離手段と、
各前記気液分離手段によって分離された燃料ガスを、それぞれ前記気液分離手段が接続されている前記発電部以外の各前記発電部に供給するための再供給路とを備えていることを特徴とする、燃料電池装置。 - 各供給路に設けられ、それぞれ前記供給路から前記発電部への燃料ガスの供給を調節するための供給調節手段と、
各前記発電部に滞留している水の量がそれぞれ各前記発電部ごとに設定される基準量を超えているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって、複数の前記発電部のいずれかに滞留している水の量が基準量を超えていると判断された場合に、その基準量を超える量の水が滞留している前記発電部以外の少なくとも1つの前記発電部への燃料ガスの供給を制限する供給制限手段とを備えていることを特徴とする、請求項1記載の燃料電池装置。
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