JPH09312008A - 回転ヘッドドラム装置 - Google Patents
回転ヘッドドラム装置Info
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- JPH09312008A JPH09312008A JP12540296A JP12540296A JPH09312008A JP H09312008 A JPH09312008 A JP H09312008A JP 12540296 A JP12540296 A JP 12540296A JP 12540296 A JP12540296 A JP 12540296A JP H09312008 A JPH09312008 A JP H09312008A
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- Japan
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- drum
- magnet
- support member
- rotary
- flux density
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ドラムに近接配置される固定ヘッドのオーデ
ィオ、コントロール性能を確保するとともに、ドラム回
転精度の向上と振動の抑制が可能な回転ヘッドドラム装
置を提供する。 【解決手段】 回転ドラム1を駆動する電磁モータのマ
グネット9を保持する支持部材8の飽和磁束密度をマグ
ネットの残留磁束密度と同等以上とし、初透磁率を20
00以上とする。更に、マグネットの外周面と支持部材
との間の隙間や支持部材のマグネットを固定する面とは
裏側の面に外周部を残して凹部あるいはL部を形成し、
その隙間もしくは凹部やL部にバランスウエイトを付設
する。このことにより、支持部材からの漏洩磁界が減少
し、ドラムユニットの近傍に配置される固定ヘッドへの
誘導ノイズが低減し、ドラムの回転精度を向上させるこ
とができる。
ィオ、コントロール性能を確保するとともに、ドラム回
転精度の向上と振動の抑制が可能な回転ヘッドドラム装
置を提供する。 【解決手段】 回転ドラム1を駆動する電磁モータのマ
グネット9を保持する支持部材8の飽和磁束密度をマグ
ネットの残留磁束密度と同等以上とし、初透磁率を20
00以上とする。更に、マグネットの外周面と支持部材
との間の隙間や支持部材のマグネットを固定する面とは
裏側の面に外周部を残して凹部あるいはL部を形成し、
その隙間もしくは凹部やL部にバランスウエイトを付設
する。このことにより、支持部材からの漏洩磁界が減少
し、ドラムユニットの近傍に配置される固定ヘッドへの
誘導ノイズが低減し、ドラムの回転精度を向上させるこ
とができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はVTRやDATに用
いられる回転ヘッドドラム装置に関するものである。
いられる回転ヘッドドラム装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より数多くのVTRではリニアオー
ディオ信号やコントロール信号を記録再生する固定ヘッ
ドが設けられている。ところで、家庭用のVHS方式V
TRでは回転するドラムからやや離れたところに固定ヘ
ッドを配置し、しかも、固定ヘッドのギャップ面はドラ
ムのある方向とはやや異なるように配置していた。この
ように回転するドラムのモータから漏れる磁界の影響を
できるだけ受けない構成にすることによってリニアオー
ディオ信号やコントロール信号の品質を維持していた。
ディオ信号やコントロール信号を記録再生する固定ヘッ
ドが設けられている。ところで、家庭用のVHS方式V
TRでは回転するドラムからやや離れたところに固定ヘ
ッドを配置し、しかも、固定ヘッドのギャップ面はドラ
ムのある方向とはやや異なるように配置していた。この
ように回転するドラムのモータから漏れる磁界の影響を
できるだけ受けない構成にすることによってリニアオー
ディオ信号やコントロール信号の品質を維持していた。
【0003】また、従来のVTRではドラムの回転数が
低いため、ノイズの基本周波数となる成分、例えば、回
転数が1800rpmであるVHS方式の据え置き型V
TRの場合の30Hz成分、回転数が2700rpmで
あるVHS−CコンパクトカセットVTRの場合の45
Hz成分はハイパスフィルターを用いて影響を軽減して
いた。
低いため、ノイズの基本周波数となる成分、例えば、回
転数が1800rpmであるVHS方式の据え置き型V
TRの場合の30Hz成分、回転数が2700rpmで
あるVHS−CコンパクトカセットVTRの場合の45
Hz成分はハイパスフィルターを用いて影響を軽減して
いた。
【0004】また、VHSよりも小さいVTR、例え
ば、8ミリVTRではリニアオーディオ信号や制御信号
の代わりにPCM音声信号や制御信号を映像トラックに
重畳記録しているので固定ヘッドがなく、ドラムモータ
から固定ヘッドへの磁界の影響を考慮する必要はなかっ
た。
ば、8ミリVTRではリニアオーディオ信号や制御信号
の代わりにPCM音声信号や制御信号を映像トラックに
重畳記録しているので固定ヘッドがなく、ドラムモータ
から固定ヘッドへの磁界の影響を考慮する必要はなかっ
た。
【0005】更に、特開平3−224102号公報,特
開平3−288309号公報及び特開平1−79911
号公報のように下ドラムを取り付けるシャーシの下側に
ドラムモータを設け、モータとシャーシとの間にシール
ド部材を配置する例が報告されているが、VTRの小型
を目指すためには不都合が生じていた。
開平3−288309号公報及び特開平1−79911
号公報のように下ドラムを取り付けるシャーシの下側に
ドラムモータを設け、モータとシャーシとの間にシール
ド部材を配置する例が報告されているが、VTRの小型
を目指すためには不都合が生じていた。
【0006】また、VTRではドラム等の回転体内部に
ある部品はいくら精度よく組み立てても回転中の不釣り
合いから振動が発生する。そこで振動をなくしてドラム
の回転精度を上げるため、通常、不釣り合い修正を行っ
ている。最近のVTRは特に小型化が進んでおり、少し
の不釣り合いがあっても非常に大きな影響を受けるの
で、実開平6−56543号公報のように不釣り合い修
正用部材を配置し、その部材の外周部に小孔を設けてそ
の中にバランスウエイトを付設したり、また、回転体に
プリント基板を接着固定し、その上に半田を盛って不釣
り合い修正を行っていた。しかし、VTRの小型化に伴
い、前述した不釣り合い修正部材の配置が難しくなり、
不釣り合い修正を行うことが困難になっていた。
ある部品はいくら精度よく組み立てても回転中の不釣り
合いから振動が発生する。そこで振動をなくしてドラム
の回転精度を上げるため、通常、不釣り合い修正を行っ
ている。最近のVTRは特に小型化が進んでおり、少し
の不釣り合いがあっても非常に大きな影響を受けるの
で、実開平6−56543号公報のように不釣り合い修
正用部材を配置し、その部材の外周部に小孔を設けてそ
の中にバランスウエイトを付設したり、また、回転体に
プリント基板を接着固定し、その上に半田を盛って不釣
り合い修正を行っていた。しかし、VTRの小型化に伴
い、前述した不釣り合い修正部材の配置が難しくなり、
不釣り合い修正を行うことが困難になっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】リニアトラックを有す
るVTRの小型化では当然のことながら、リニアオーデ
ィオ信号やコントロール信号を記録再生する固定ヘッド
をドラムに対して非常に近い位置に配置され、しかも固
定ヘッドのギャップ面をドラム側に向ける必要性が生じ
る。しかし、このような配置ではドラムモータからの漏
洩磁界、つまり、固定ヘッドへはドラムの回転数に応じ
た基本周波数成分や高調波成分のノイズが混入して音質
劣化の原因となる。
るVTRの小型化では当然のことながら、リニアオーデ
ィオ信号やコントロール信号を記録再生する固定ヘッド
をドラムに対して非常に近い位置に配置され、しかも固
定ヘッドのギャップ面をドラム側に向ける必要性が生じ
る。しかし、このような配置ではドラムモータからの漏
洩磁界、つまり、固定ヘッドへはドラムの回転数に応じ
た基本周波数成分や高調波成分のノイズが混入して音質
劣化の原因となる。
【0008】VHSや8ミリVTRよりも回転数が高い
ドラム、例えば、家庭用ディジタルVTRのように90
00rpmで回転するドラムではノイズの基本周波数が
150Hz、高調波成分が300Hz、450Hz、6
00Hzと必然的に高くなり、ハイパスフィルターを使
ってノイズを取り除くことはオーディオ特性の品質上問
題があった。また、回転数を高く設定するということは
ノイズの基本周波数が高くなるだけではなく、磁界の変
化が早くなってノイズレベルが従来よりも大きくなるこ
とを意味しており、ハイパスフィルターの性能だけでは
満足な特性が得られないという問題があった。
ドラム、例えば、家庭用ディジタルVTRのように90
00rpmで回転するドラムではノイズの基本周波数が
150Hz、高調波成分が300Hz、450Hz、6
00Hzと必然的に高くなり、ハイパスフィルターを使
ってノイズを取り除くことはオーディオ特性の品質上問
題があった。また、回転数を高く設定するということは
ノイズの基本周波数が高くなるだけではなく、磁界の変
化が早くなってノイズレベルが従来よりも大きくなるこ
とを意味しており、ハイパスフィルターの性能だけでは
満足な特性が得られないという問題があった。
【0009】更に、放送業務用VTRでは編集時に編集
ポイントを探すためスロー再生を行うことが多い。しか
し、テープ速度を極端に遅くすると、テープ速度に比例
してコントロール信号は極めて小さくなる。そのため、
シリンダの回転により発生するモータノイズと同じレベ
ルとなり、テープ走行が不安定になるという問題があっ
た。
ポイントを探すためスロー再生を行うことが多い。しか
し、テープ速度を極端に遅くすると、テープ速度に比例
してコントロール信号は極めて小さくなる。そのため、
シリンダの回転により発生するモータノイズと同じレベ
ルとなり、テープ走行が不安定になるという問題があっ
た。
【0010】又、振動が発生して回転精度が悪化する
と、狭い記録トラックを正確にヘッドがトレースできな
いために満足な記録再生特性が得られないという問題が
あった。
と、狭い記録トラックを正確にヘッドがトレースできな
いために満足な記録再生特性が得られないという問題が
あった。
【0011】そこで、本発明は上記課題を解消し、VT
Rやドラムの小型化によるリニアオーディオの音質の劣
化がなく、スロー再生を用いる編集時のテープ走行性能
がよく、併せて記録再生特性の優れた回転ヘッドドラム
装置を提供することを目的とする。
Rやドラムの小型化によるリニアオーディオの音質の劣
化がなく、スロー再生を用いる編集時のテープ走行性能
がよく、併せて記録再生特性の優れた回転ヘッドドラム
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は磁気ヘッドを取
り付けた回転ドラムと、前記回転ドラムと同軸上に配置
した固定ドラムと、マグネットと前記マグネットを固定
する支持部材とステータコイルからなる電磁モータとを
具備し、前記回転ドラムと前記固定ドラムに斜めに巻き
付きながらテープを走行させて記録再生する回転ヘッド
ドラム装置であって、前記マグネットを固定する前記支
持部材の飽和磁束密度が前記マグネットの残留磁束密度
と同等以上で、初透磁率は2000以上であることを特
徴とするものである。
り付けた回転ドラムと、前記回転ドラムと同軸上に配置
した固定ドラムと、マグネットと前記マグネットを固定
する支持部材とステータコイルからなる電磁モータとを
具備し、前記回転ドラムと前記固定ドラムに斜めに巻き
付きながらテープを走行させて記録再生する回転ヘッド
ドラム装置であって、前記マグネットを固定する前記支
持部材の飽和磁束密度が前記マグネットの残留磁束密度
と同等以上で、初透磁率は2000以上であることを特
徴とするものである。
【0013】また、本発明はマグネットを固定する支持
部材のマグネット取付面側のマグネット外周面と支持部
材との間に隙間を設け、その隙間にドラム回転時に発生
する不釣り合いを修正するバランスウエイトを付設した
ことを特徴とするものである。
部材のマグネット取付面側のマグネット外周面と支持部
材との間に隙間を設け、その隙間にドラム回転時に発生
する不釣り合いを修正するバランスウエイトを付設した
ことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明はマグネットを固定する支持
部材のマグネット取付面と反対側に支持部材の外周面を
残して凹部あるいはL部を設け、その凹部あるいはL部
にドラム回転時に発生する不釣り合いを修正するバラン
スウエイトを付設したことを特徴とするものである。
部材のマグネット取付面と反対側に支持部材の外周面を
残して凹部あるいはL部を設け、その凹部あるいはL部
にドラム回転時に発生する不釣り合いを修正するバラン
スウエイトを付設したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
磁気ヘッドを取り付けた回転ドラムと、前記回転ドラム
と同軸上に配置した固定ドラムと、マグネットと前記マ
グネットを固定する支持部材とステータコイルからなる
電磁モータとを具備し、前記回転ドラムと前記固定ドラ
ムに斜めに巻き付きながらテープを走行させて記録再生
する回転ヘッドドラム装置であって、前記マグネットを
固定する前記支持部材の飽和磁束密度が前記マグネット
の残留磁束密度と同等以上とし、初透磁率は2000以
上であることを特徴とするものであり、このため、支持
部材はマグネットにより飽和することがなく、マグネッ
トからの磁界は初透磁率の高い支持部材によって外部に
漏れにくくなる。
磁気ヘッドを取り付けた回転ドラムと、前記回転ドラム
と同軸上に配置した固定ドラムと、マグネットと前記マ
グネットを固定する支持部材とステータコイルからなる
電磁モータとを具備し、前記回転ドラムと前記固定ドラ
ムに斜めに巻き付きながらテープを走行させて記録再生
する回転ヘッドドラム装置であって、前記マグネットを
固定する前記支持部材の飽和磁束密度が前記マグネット
の残留磁束密度と同等以上とし、初透磁率は2000以
上であることを特徴とするものであり、このため、支持
部材はマグネットにより飽和することがなく、マグネッ
トからの磁界は初透磁率の高い支持部材によって外部に
漏れにくくなる。
【0016】又、本発明請求項2、3の発明によれば、
マグネットを固定する支持部材のマグネット取付面側の
マグネット外周面と支持部材との間に隙間を設け、その
隙間にドラム回転時に発生する不釣り合いを修正するバ
ランスウエイトを付設し、また、マグネットを固定する
支持部材のマグネット取付面と反対側に支持部材の外周
面を残して凹部あるいはL部を設け、その凹部あるいは
L部にドラム回転時に発生する不釣り合いを修正するバ
ランスウエイトを付設したものである。
マグネットを固定する支持部材のマグネット取付面側の
マグネット外周面と支持部材との間に隙間を設け、その
隙間にドラム回転時に発生する不釣り合いを修正するバ
ランスウエイトを付設し、また、マグネットを固定する
支持部材のマグネット取付面と反対側に支持部材の外周
面を残して凹部あるいはL部を設け、その凹部あるいは
L部にドラム回転時に発生する不釣り合いを修正するバ
ランスウエイトを付設したものである。
【0017】このため、新たに不釣り合い修正用の部材
を設けることなく、又、シャフト一体型軸受、回転ディ
スク、電磁モータ等のユニット状態で不釣り合い修正を
行い、更にドラムユニット(完成品)状態で不釣り合い
修正を行うという2段階に分けた不釣り合い修正を可能
にするため、ドラム回転時の振動が減少して記録再生特
性が安定する。
を設けることなく、又、シャフト一体型軸受、回転ディ
スク、電磁モータ等のユニット状態で不釣り合い修正を
行い、更にドラムユニット(完成品)状態で不釣り合い
修正を行うという2段階に分けた不釣り合い修正を可能
にするため、ドラム回転時の振動が減少して記録再生特
性が安定する。
【0018】次に、本発明の第1の実施の形態について
図1を用いて説明する。図1は実施の形態における回転
ヘッドドラム装置の断面図を示したものである。
図1を用いて説明する。図1は実施の形態における回転
ヘッドドラム装置の断面図を示したものである。
【0019】ドラムユニットは磁気ヘッド7が取り付け
られた回転ドラム1と同軸6に設けられた固定ドラム2
とから構成されている。シャフト一体型軸受け5の一方
は固定ドラム2に圧入固定されており、シャフト一体型
軸受け5に接着、もしくは機械的に固定された回転ディ
スク4にはビス3により回転ドラム1が固定されてい
る。回転ディスク4の回転ドラムとは反対側、図1にお
ける回転ディスク4の下側にドラムモータが配置されて
いる。このドラムモータは支持部材8に取り付けられた
マグネット9と固定ドラム2の段付き部に取り付けられ
たステータコイル10と磁気回路を形成するバックヨー
ク11から構成される。
られた回転ドラム1と同軸6に設けられた固定ドラム2
とから構成されている。シャフト一体型軸受け5の一方
は固定ドラム2に圧入固定されており、シャフト一体型
軸受け5に接着、もしくは機械的に固定された回転ディ
スク4にはビス3により回転ドラム1が固定されてい
る。回転ディスク4の回転ドラムとは反対側、図1にお
ける回転ディスク4の下側にドラムモータが配置されて
いる。このドラムモータは支持部材8に取り付けられた
マグネット9と固定ドラム2の段付き部に取り付けられ
たステータコイル10と磁気回路を形成するバックヨー
ク11から構成される。
【0020】小径ドラムではモータトルクを大きくする
必要があるため、残留磁束密度の大きいマグネット、例
えば、サマリウムコバルト系マグネットやネオジム・鉄・
ホウ素系マグネットが使用されており、マグネット9を
固定する支持部材8の上部や外周面、マグネット9とス
テータコイル10の間、もしくはマグネット9とバック
ヨーク11との間からドラムの外側へ漏れる磁界は非常
に大きなものとなる。
必要があるため、残留磁束密度の大きいマグネット、例
えば、サマリウムコバルト系マグネットやネオジム・鉄・
ホウ素系マグネットが使用されており、マグネット9を
固定する支持部材8の上部や外周面、マグネット9とス
テータコイル10の間、もしくはマグネット9とバック
ヨーク11との間からドラムの外側へ漏れる磁界は非常
に大きなものとなる。
【0021】上記支持部材8の上部や側面からの漏洩磁
界を低減するために、マグネットを保持する支持部材8
とバックヨーク11の飽和磁束密度はマグネット9の残
留磁束密度と同等以上とし、初透磁率は2000以上と
する。かかる構成とすることで、マグネット9の上部や
外周面から漏洩する磁界は初透磁率の良い支持部材8や
バックヨーク11の中を磁束が通過する磁路を形成する
ため、ドラム外部への漏洩磁界が著しく減少する。
界を低減するために、マグネットを保持する支持部材8
とバックヨーク11の飽和磁束密度はマグネット9の残
留磁束密度と同等以上とし、初透磁率は2000以上と
する。かかる構成とすることで、マグネット9の上部や
外周面から漏洩する磁界は初透磁率の良い支持部材8や
バックヨーク11の中を磁束が通過する磁路を形成する
ため、ドラム外部への漏洩磁界が著しく減少する。
【0022】上記構成ではバックヨーク11の飽和磁束
密度をマグネット9の残留磁束密度と同等以上とした
が、バックヨーク11はマグネットと接触していないた
め、バックヨーク11の飽和磁束密度はマグネット9の
残留磁束密度よりも低くしても構わない。
密度をマグネット9の残留磁束密度と同等以上とした
が、バックヨーク11はマグネットと接触していないた
め、バックヨーク11の飽和磁束密度はマグネット9の
残留磁束密度よりも低くしても構わない。
【0023】前述したサマリウムコバルトやネオジム・
鉄・ホウ素系のマグネットの残留磁束密度は1テスラを
越えるものが使用されており、漏洩磁界を減少させるた
めの磁性材料としては、例えば高飽和磁束密度を有し、
高透磁率材であるパーマロイ、センダスト、アモルファ
スなどが好ましい。
鉄・ホウ素系のマグネットの残留磁束密度は1テスラを
越えるものが使用されており、漏洩磁界を減少させるた
めの磁性材料としては、例えば高飽和磁束密度を有し、
高透磁率材であるパーマロイ、センダスト、アモルファ
スなどが好ましい。
【0024】
【表1】
【0025】(表1)にマグネットの残留磁束密度に対
する支持部材の磁気特性(飽和磁束密度、初透磁率)を
変えた時に固定ヘッドで誘導されるノイズの可否レベル
を示す。マグネットの残留磁束密度が1テスラを越える
ような場合、支持部材の飽和磁束密度が1テスラよりも
大きくても初透磁率が1500以下である純鉄、珪素鋼
板や一般的な治具に用いられる圧延鋼板では誘導ノイズ
が非常に大きくて使用できないが、センダスト、45%
Ni含有パーマロイ、36%Ni含有パーマロイやアモ
ルファスでは著しく誘導ノイズが減少して問題のないレ
ベルとなっている。しかし、78%Ni含有パーマロイ
は飽和磁束密度が0.7テスラ程度であるため、誘導ノ
イズ低減の効果は45Ni含有パーマロイや36%Ni
含有パーマロイと比較して少ない。また、マグネットの
残留磁束密度が0.65テスラ程度のネオジム・鉄・ホ
ウ素系等方性プラスチックマグネットの場合には78%
Ni含有パーマロイでも誘導ノイズは充分に低く、問題
のないレベルとなっている。
する支持部材の磁気特性(飽和磁束密度、初透磁率)を
変えた時に固定ヘッドで誘導されるノイズの可否レベル
を示す。マグネットの残留磁束密度が1テスラを越える
ような場合、支持部材の飽和磁束密度が1テスラよりも
大きくても初透磁率が1500以下である純鉄、珪素鋼
板や一般的な治具に用いられる圧延鋼板では誘導ノイズ
が非常に大きくて使用できないが、センダスト、45%
Ni含有パーマロイ、36%Ni含有パーマロイやアモ
ルファスでは著しく誘導ノイズが減少して問題のないレ
ベルとなっている。しかし、78%Ni含有パーマロイ
は飽和磁束密度が0.7テスラ程度であるため、誘導ノ
イズ低減の効果は45Ni含有パーマロイや36%Ni
含有パーマロイと比較して少ない。また、マグネットの
残留磁束密度が0.65テスラ程度のネオジム・鉄・ホ
ウ素系等方性プラスチックマグネットの場合には78%
Ni含有パーマロイでも誘導ノイズは充分に低く、問題
のないレベルとなっている。
【0026】このように漏洩磁界が著しく減少するた
め、支持部材を厚くして反磁界による誘導ノイズの低減
を考慮する必要がなく、小型化に適している。
め、支持部材を厚くして反磁界による誘導ノイズの低減
を考慮する必要がなく、小型化に適している。
【0027】尚、上記の構成では電磁モータを回転シリ
ンダの下側としたが、回転シリンダの上側もしくは内蔵
されているシリンダ構成でも同様の手段を講じることに
より、ドラム外部に漏洩する磁界を低減できることは言
うまでもない。更に、モータの構成要素であるバックヨ
ークは回転体であっても静止している構成であっても、
又、バックヨークがなくても同様の効果が得られる。
ンダの下側としたが、回転シリンダの上側もしくは内蔵
されているシリンダ構成でも同様の手段を講じることに
より、ドラム外部に漏洩する磁界を低減できることは言
うまでもない。更に、モータの構成要素であるバックヨ
ークは回転体であっても静止している構成であっても、
又、バックヨークがなくても同様の効果が得られる。
【0028】本発明の第2の実施の形態を図2(a)、
(b)を用いて説明する。図2(a)は実施の形態にお
けるディスクユニット、図2(b)はドラムユニットの
断面図を示したものである。
(b)を用いて説明する。図2(a)は実施の形態にお
けるディスクユニット、図2(b)はドラムユニットの
断面図を示したものである。
【0029】ディスクユニットはシャフト一体型軸受5
に回転ディスク4が接着剤等により固着されており、図
2(a)の回転ディスク4の下側にはマグネット9が接
着された支持部材8が取り付けられている。尚、このマ
グネット9を固定する支持部材8のマグネット取付面側
のマグネット外周面と支持部材との間には隙間8aが設
けられている。この状態で不釣り合い修正を行うため、
シャフト一体型軸受5のシャフトの両端を支持し、回転
ディスク4を回転駆動する。不釣り合いがあれば、その
隙間8aにバランスウエイト(図示せず)を付設してデ
ィスクユニット状態における不釣り合い修正を完了す
る。ディスクユニット状態で回転させるためにはディス
クにベルトをかけて強制回転させるか、もしくはステー
タコイルを貼り付けた治具を近接配置し、そのステータ
コイルに電流を流すことで容易に回転させることができ
る。
に回転ディスク4が接着剤等により固着されており、図
2(a)の回転ディスク4の下側にはマグネット9が接
着された支持部材8が取り付けられている。尚、このマ
グネット9を固定する支持部材8のマグネット取付面側
のマグネット外周面と支持部材との間には隙間8aが設
けられている。この状態で不釣り合い修正を行うため、
シャフト一体型軸受5のシャフトの両端を支持し、回転
ディスク4を回転駆動する。不釣り合いがあれば、その
隙間8aにバランスウエイト(図示せず)を付設してデ
ィスクユニット状態における不釣り合い修正を完了す
る。ディスクユニット状態で回転させるためにはディス
クにベルトをかけて強制回転させるか、もしくはステー
タコイルを貼り付けた治具を近接配置し、そのステータ
コイルに電流を流すことで容易に回転させることができ
る。
【0030】次に図2(b)のように、ディスクユニッ
ト内のシャフトの一端を固定ドラム2に圧入固定し、磁
気ヘッド7が取り付けられた回転ドラム1をビス3を用
いて取り付ける。尚、固定ドラム2は固定ドラム2の段
付き部2aに取り付けられたステータコイル10と磁気
回路を形成するバックヨーク11から構成されている。
ト内のシャフトの一端を固定ドラム2に圧入固定し、磁
気ヘッド7が取り付けられた回転ドラム1をビス3を用
いて取り付ける。尚、固定ドラム2は固定ドラム2の段
付き部2aに取り付けられたステータコイル10と磁気
回路を形成するバックヨーク11から構成されている。
【0031】2段階目の不釣り合い修正はドラムユニッ
ト状態で回転駆動させ、回転ドラムのL部1aの部分に
バランスウエイトを付設することで完了する。ディスク
ユニット状態で不釣り合い修正を行っているため、短時
間でしかも高精度に不釣り合い修正を完了することがで
きる。
ト状態で回転駆動させ、回転ドラムのL部1aの部分に
バランスウエイトを付設することで完了する。ディスク
ユニット状態で不釣り合い修正を行っているため、短時
間でしかも高精度に不釣り合い修正を完了することがで
きる。
【0032】本発明の第3の実施の形態を図3(a)、
(b)を用いて説明する。図3(a)は実施の形態にお
けるディスクユニット、図3(b)はドラムユニットの
断面図を示したものである。
(b)を用いて説明する。図3(a)は実施の形態にお
けるディスクユニット、図3(b)はドラムユニットの
断面図を示したものである。
【0033】図3(a)における支持部材8はマグネッ
ト9を固定する支持部材8のマグネット取付面と反対側
に支持部材の外周面を残して凹部8bを設け、その凹部
8bにバランスウエイト(図示せず)を付設することで
ドラム回転時に発生する不釣り合い量を修正することが
できる。
ト9を固定する支持部材8のマグネット取付面と反対側
に支持部材の外周面を残して凹部8bを設け、その凹部
8bにバランスウエイト(図示せず)を付設することで
ドラム回転時に発生する不釣り合い量を修正することが
できる。
【0034】不釣り合い修正方法としては前述した第2
の実施の形態で説明したため、ここでは割愛する。
の実施の形態で説明したため、ここでは割愛する。
【0035】以上述べてきたように、新たな不釣り合い
修正用の部材を設けることなく、容易に不釣り合い修正
を行うことができ、回転精度(面振れ)の向上が図れて
記録再生特性が安定する。
修正用の部材を設けることなく、容易に不釣り合い修正
を行うことができ、回転精度(面振れ)の向上が図れて
記録再生特性が安定する。
【0036】尚、以上の実施の形態では1組のマグネッ
トとステータコイルについて説明したが、ステータコイ
ルの両側にマグネットを構成したモータ、いわゆるダブ
ルマグネット方式モータについても同様の効果が得られ
ることは明らかである。
トとステータコイルについて説明したが、ステータコイ
ルの両側にマグネットを構成したモータ、いわゆるダブ
ルマグネット方式モータについても同様の効果が得られ
ることは明らかである。
【0037】尚、上記の実施の形態では回転ヘッドドラ
ム装置に限って説明したが、磁気的な影響を軽減する必
要のある情報記録装置についても有効なことは言うまで
もない。
ム装置に限って説明したが、磁気的な影響を軽減する必
要のある情報記録装置についても有効なことは言うまで
もない。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、回転ヘッ
ドドラム装置の電磁モータのマグネットを固定する支持
部材の飽和磁束密度をマグネットの残留磁束密度と同等
以上とし、初透磁率は2000以上としているので、支
持部材からの漏洩磁界が減少し、ドラムユニットの近傍
に配置される固定ヘッドへの誘導ノイズが低減する。
ドドラム装置の電磁モータのマグネットを固定する支持
部材の飽和磁束密度をマグネットの残留磁束密度と同等
以上とし、初透磁率は2000以上としているので、支
持部材からの漏洩磁界が減少し、ドラムユニットの近傍
に配置される固定ヘッドへの誘導ノイズが低減する。
【0039】又、本発明によれば、マグネットの外周面
とマグネットを固定する支持部材との間に隙間を設けて
あるので、容易にバランスウエイトを付設することがで
き、ドラムの回転精度を向上させることができる。
とマグネットを固定する支持部材との間に隙間を設けて
あるので、容易にバランスウエイトを付設することがで
き、ドラムの回転精度を向上させることができる。
【0040】又、本発明によれば、マグネットを支持部
材に固定する面の裏側に外周部を残した凹部あるいはL
部を形成しているため、容易にバランスウエイトを付設
して不釣り合い量を修正することができる。
材に固定する面の裏側に外周部を残した凹部あるいはL
部を形成しているため、容易にバランスウエイトを付設
して不釣り合い量を修正することができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態における回転ヘッド
ドラムの断面図
ドラムの断面図
【図2】本発明の第2の実施の形態におけるディスクユ
ニット及びドラムユニットの断面図
ニット及びドラムユニットの断面図
【図3】本発明の第3の実施の形態におけるディスクユ
ニット及びドラムユニットの断面図
ニット及びドラムユニットの断面図
1 回転ドラム 1a 回転ドラムのL部 2 固定ドラム 2a 固定ドラム段付き部 3 ビス 4 ディスク 5 シャフト一体型軸受け 6 回転軸 7 磁気ヘッド 8 支持部材 8a 不釣り合い修正用隙間 8b 不釣り合い修正用凹部 9 マグネット 10 ステータコイル 11 バックヨーク 12 ロータリートランス
Claims (3)
- 【請求項1】 磁気ヘッドを取り付けた回転ドラムと、
前記回転ドラムと同軸上に配置した固定ドラムと、マグ
ネットと前記マグネットを固定する支持部材とステータ
コイルからなる電磁モータとを具備し、前記回転ドラム
と前記固定ドラムに斜めに巻き付きながらテープを走行
させて記録再生する回転ヘッドドラム装置であって、前
記マグネットを固定する前記支持部材の飽和磁束密度が
前記マグネットの残留磁束密度と同等以上とし、初透磁
率は2000以上であることを特徴とする回転ヘッドド
ラム装置。 - 【請求項2】 マグネットを固定する支持部材のマグネ
ット取付面側のマグネット外周面と支持部材との間に隙
間を設け、その隙間にドラム回転時に発生する不釣り合
いを修正するバランスウエイトを付設したことを特徴と
する請求項1記載の回転ヘッドドラム装置。 - 【請求項3】 マグネットを固定する支持部材のマグネ
ット取付面と反対側に、支持部材の外周面を残して凹部
あるいはL部を設け、その凹部あるいはL部にドラム回
転時に発生する不釣り合いを修正するバランスウエイト
を付設したことを特徴とする請求項1記載の回転ヘッド
ドラム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12540296A JPH09312008A (ja) | 1996-05-21 | 1996-05-21 | 回転ヘッドドラム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12540296A JPH09312008A (ja) | 1996-05-21 | 1996-05-21 | 回転ヘッドドラム装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09312008A true JPH09312008A (ja) | 1997-12-02 |
Family
ID=14909246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12540296A Pending JPH09312008A (ja) | 1996-05-21 | 1996-05-21 | 回転ヘッドドラム装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09312008A (ja) |
-
1996
- 1996-05-21 JP JP12540296A patent/JPH09312008A/ja active Pending
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