JPH09309513A - 熱シール包装装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡素化でき、省スペース低コストで構成
でき、また無限軌道とシーラーとの動きを完全に一致さ
せることができメンテナンスも容易な熱シール包装装置
を提供する。 【解決手段】第１のサーボモータ１により駆動される無
限軌道２と、この無限軌道２の上方に配置され前記無限
軌道２上に載置された容器３に対して、蓋体４の接着を
行う蓋体取り付け部５を備え、前記蓋体取り付け部５は
前記無限軌道４の進行方向に沿って支持した螺桿６と、
この螺桿６を回転駆動する第２のサーボモータ７と、前
記螺桿６に螺合するとともにスライド自在に保持された
シーラー基台８と、このシーラー基台８の下面側に上下
動可能に設けられたシーラー９と、前記第１のサーボモ
ータ１と第２のサーボモータ７とを同期運転するための
電源部１０とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は熱シール包装装置に
関し、更に詳細には無限軌道上に載置された容器に対し
て、蓋体の接着を行う構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】食品を密閉して取り扱いや日もちを良く
するために、食品をパック化することが広く行われてい
る。このパック化とは、例えば食品を充填した容器にフ
ィルム状の蓋を溶着することであり、現在ではほとんど
が機械化されている。

【０００３】この種の機械として、図４に示すように無
限軌道上に載置された容器に対して蓋体の接着を自動的
に行うものがある。この装置について簡単に説明する
と、コンベア２０に容器２１が載置されており、別に供
給されるフィルム状の蓋を容器２１の開口部に接着する
ものである。フィルム状の蓋（図示せず）を接着するの
はシーラー２４であり、このシーラー２４は上フレーム
２２にリンク装置２３を介して保持されている。リンク
装置２３は上フレーム２２に軸支（２５）されたＬ型ア
ーム２６の一端にアーム３２を軸支せしめて構成されて
おり、このアーム３２の下端にコイルスプリングを介し
てシーラー２４を保持している。同様に上フレーム２２
に軸支（３０）されたＬアーム２９の一端にアーム３１
を軸支せしめてシーラー２４を保持している。

【０００４】この構成により前記Ｌ型アーム２６を矢示
Ｆ方向に回動させると、アーム３１、３２が矢示Ｇ方向
に動き、ヒータ（図示せず）を内蔵したシーラー２４が
容器２１の開口部に圧着されることで連続的に蓋のシー
ルがなされるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した従来
の熱シール包装装置では、連続的にシールが可能ではあ
るが、リンク装置等が採用されているため構造が複雑で
機器も大型化するという問題がある。また、容器の移動
とシーラー２４の動きには機械的な同期が図られている
が、機械の経年摩耗等によって両者のタイミングに微妙
なズレが生じ、シール性が悪化することがある。

【０００６】本発明はかかる従来の問題点を解決するた
めになされたもので、構造が簡単で小型化でき、またコ
ンベアとシーラーとの同期を容易かつ完全に行うことが
できるようにした熱シール包装装置を提供することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は熱シール包装装
置であり、前述した技術的課題を解決するために以下の
ように構成されている。

【０００８】すなわち、第１のサーボモータ１により駆
動される無限軌道２と、この無限軌道２の上方に配置さ
れ前記無限軌道２上に載置された容器３に対して、蓋体
４の接着を行う蓋体取り付け部５を備え、前記蓋体取り
付け部５は前記無限軌道４の進行方向に沿って支持した
螺桿６と、この螺桿６を回転駆動する第２のサーボモー
タ７と、前記螺桿６に螺合するとともにスライド自在に
保持されたシーラー基台８と、このシーラー基台８の下
面側に上下動可能に設けられたシーラー９と、前記第１
のサーボモータ１と第２のサーボモータ７とを同期運転
するための電源部１０とを備えていることを特徴とす
る。

【０００９】以下、この発明の重要な構成要素について
更に説明する。 〔第１のサーボモータ１〕外部からその回転量を任意に
制御することができるサーボモータすべてを含む。例え
ば、ＤＣサーボ、ＡＣサーボ、ステッピングモータ、超
音波モータ等を例示できる。 〔無限軌道２〕ベルトあるいはチェン状の軌道を、所定
間隔で２カ所以上設けたローラまたはスプロケット間に
張架して構成したいわゆるコンベア形式のもの、及び、
円盤状の移送装置すべてを含む概念である。要するに、
往復することなく連続的にワークを移送する装置全体を
示す。 〔容器３〕容器３は内部に食品等の内容物を入れるもの
であり、合成樹脂あるいは防水加工された紙容器を例示
できる。 〔蓋体４〕蓋体４は容器３の開口部にシールされるもの
で、フィルムを帯状にしたものや、予め容器３の開口部
の形状に合わせて形成したものを例示できる。 〔螺桿６〕螺桿６はネジ棒であり、無限軌道２の上方に
おいて回転自在に支持される。 〔第２のサーボモータ７〕第１のサーボモータ１と同様
に外部からその回転量を任意に制御することができるサ
ーボモータすべてを含む。 〔シーラー９〕シーラー９は蓋体４を容器３に、超音
波、高周波あるいはヒータで溶着するものを例示でき
る。 〔電源部１０〕電源部１０は前記第１、第２のサーボモ
ータ１、７を同期運転するためのものであり、夫々のサ
ーボモータ１、７の形式、即ち、ＤＣ制御かＡＣ制御か
等によってその電源出力形式を合致させる必要がある。
また、同期のために夫々のサーボモータ１、７に設けた
回転センサからの出力、及び、各種位置センサからの出
力を入力してファジー制御を行わせるようにしてもよ
い。

【００１０】なお、シーラー９はシーラー基台８の下面
側にエアシリンダ１１を介して取り付けることができ、
エアシリンダ１１を第１のサーボモータと第２のサーボ
モータに同期して伸縮制御することで迅速な上下動を可
能ならしめたものとすることができる。

【００１１】なお、エアシリンダ１１に代えて液圧シリ
ンダやサーボモータを使用することも可能ではあるが、
動作の迅速性からエアシリンダ１１が好適である。以上
述べた構成において、その作用を簡単に説明する。

【００１２】まず、第１のサーボモータ１を作動させ無
限軌道２を駆動する。続いて、この無限軌道２の速度に
同期するよう第２のサーボモータ７を作動させる。ここ
で、第２のサーボモータ７は螺桿６を回転駆動すること
で蓋体取り付け部５を水平に移動させるものであるた
め、結果としてシーラー基台８（シーラー９）の移動速
度が無限軌道２の速度に一致するよう第２のサーボモー
タ７の回転速度が制御される。

【００１３】無限軌道２上には容器３が載置されてお
り、蓋体４はシーラー９と容器３との間に位置せしめて
ある。ここで、シーラー９を下降させ蓋体４をシーラー
９と容器３との間に挟持しつつ加熱する。

【００１４】これにより、蓋体４は容器３に溶着され
る。溶着後は直ちに第２のサーボモータ７は逆回転制御
され、元位置に復帰して再度無限軌道２の速度に同期し
て移動可能な状態となる。

【００１５】このように、構造が簡単となり省スペース
低コストで構成できる。また無限軌道とシーラーとの動
きは電気的に同期しているため、同期を完全に一致させ
ることができメンテナンスも容易となる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の熱シール包装装置
を図１ないし図３に示される実施形態により更に詳細に
説明する。

【００１７】この装置は容器３に蓋体４を連続的に接着
するものである。本装置は移動可能な基台１２を有して
おり、この基台１２上には無限軌道２が設置されてい
る。無限軌道２は多数の容器ホルダ３ａを設けたベルト
部２ａと、このベルト部２ａを張架するための２つのロ
ーラ１３、１４からなっている。ローラ１４にはベベル
ギア１５を介して第１のサーボモータ１が接続されてい
る。この第１のサーボモータ１が回転するとローラ１４
が回転し無限軌道２が駆動されるように構成されてい
る。容器ホルダ３ａは容器３を保持するためのものであ
る。

【００１８】無限軌道２の上方には基台１２に支持され
た上基台１６が位置している。この上基台１６の下面に
は無限軌道４の進行方向に沿った螺桿６が回転自在に支
持されている。この螺桿６は一般にネジに比較してピッ
チが粗く僅かな回転でネジ山が大きく移動するようにな
っている。螺桿６には第２のサーボモータ７が接続され
ており、その回転量が任意に制御されるようになってい
る。さらに螺桿６にはシーラー基台８が螺合され、螺桿
６の回転（矢示Ｊ）に伴って矢示Ｋ方向に移動できるよ
う構成されている。なお、螺桿６とシーラー基台８との
結合にあたってはコロガリベアリングを介在させるとよ
い。

【００１９】シーラー基台８の下面側にはエアシリンダ
１１を介してシーラー９が取り付けられている。このエ
アシリンダ１１は外部からエアを供給することで伸縮
し、シーラー９を上下動させることができるようになっ
ている。したがってシーラー９は矢示Ｈに示す任意の方
向に移動できるようになっている。なおシーラー９は図
示しないスラストベアリングによりシーラー基台８に保
持されている。

【００２０】前記シーラー基台８の下面側には光を反射
するタグ１７が貼付されており、シーラー基台８側に設
けられたセンサ（図示せず）をこのタグ１７に対峙させ
てある。これにより、シーラー基台８の絶対位置が検出
できるようになっている。

【００２１】第１第２のサーボモータ１、７は電源部１
０から電源が供給されており、両者は同期運転されるよ
うになっている。同期とは第１第２のサーボモータ１、
７の回転速度が同期しているという意味ではなく、第１
第２のサーボモータ１、７が回転する結果、無限軌道２
の移動速度とシーラー基台８の移動速度とが同期すると
いう意味である。

【００２２】そして、シーラー基台８、エアシリンダ１
１及びシーラー９は無限軌道２上に載置された容器３に
対して、蓋体４の接着を行う蓋体取り付け部５となって
いる。

【００２３】無限軌道２の流れから見て蓋体取り付け部
５の上流側、図１において装置の中央部付近には容器３
に接着されるべき蓋体４としてのフィルムが設置されて
いる。この蓋体４はフィルムをロール状に巻いたもので
あり、フィルムの先端はシーラー９と容器３との間に差
し込まれている。

【００２４】なお、蓋体４を容器３に接着した後は不要
な部分を切除するが、そのためのトリマー装置を適宜設
置することができる。前記した構成においてその動作を
説明する。

【００２５】作業にあたって予め容器ホルダ３ａ内に容
器３が確実に保持されているか否かを確認するととも
に、この容器３内に食品等を供給する装置が正常に作用
しているか否かを確認する。

【００２６】この確認後、第１のサーボモータ１を作動
させ無限軌道２を駆動する（矢示Ｅ方向）。続いて、こ
の無限軌道２の速度に同期するよう第２のサーボモータ
７を作動させる。ここで、螺桿６が回転駆動され蓋体取
り付け部５が矢示Ｅ方向に移動する。

【００２７】ここで電源部１０はシーラー基台８の移動
速度が無限軌道２の速度に一致するよう第１のサーボモ
ータ１と第２のサーボモータ７との回転速度を夫々制御
する。

【００２８】無限軌道２の駆動に伴って無限軌道２上に
載置された容器３がシーラー９の直下直前に達した段階
で、エアシリンダ１１にエアが供給されシーラー９が急
速に降下する。蓋体４はシーラー９と容器３との間に位
置せしめてあるため、蓋体４はシーラー９と容器３との
間に挟持され、ここでシーラー９が下降することで蓋体
４が容器３に溶着（ヒートシール）される。なお、シー
ラー９は常時一定温度に保温されている。

【００２９】溶着後は直ちに第２のサーボモータ７は逆
回転制御され、矢示Ｅ方向と逆方向に移動せしめられ元
位置に復帰して再度無限軌道２の速度に同期して移動可
能な状態となる。

【００３０】無限軌道２とシーラー９の夫々の駆動は電
気的に同期された２つのサーボモータによりなされてい
るとともに、螺桿６の回転でシーラー９の移動がなされ
るようにしたので、機械的構造が簡単であり安価に構成
できるとともにメンテナンスも容易となる。

【００３１】また、容器３とシーラー９とが同一速度で
動くことからヒートシールの時間が十分に取れシール性
が大きく向上するため信頼性も高まった。また、機械的
な同期結合に比較してトルク設定等の制御が任意とな
り、また、装置に異常が発生した場合でも電気的処理で
非常停止させることが容易となり安全性にも富む。

【００３２】

【発明の効果】本発明にかかる熱シール包装装置よれ
ば、無限軌道とシーラーの夫々の駆動を電気的に同期さ
れた２つのサーボモータにより行うようにでき、無限軌
道とシーラーの動きを完全かつ容易に合致させることが
できる。このためシール性を大きく向上させることがで
きた。

【００３３】またリンク機構がなく、機械的構造が簡単
であり小型安価に構成できる。さらに経年変化による調
整も極めて容易でメンテナンスも容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態である熱シール包装装置の
全体を示す側面図である。

【図２】本発明の一実施例である熱シール包装装置の全
体を示す平面図である。

【図３】本発明の一実施形態である熱シール包装装置の
蓋体取り付け部周囲を示す側面図である。

【図４】従来の熱シール包装装置の要部を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 第１のサーボモータ ２ 無限軌道 ３ 容器 ４ 蓋体 ５ 蓋体取り付け部 ６ 螺桿 ７ 第２のサーボモータ ８ シーラー基台 ９ シーラー １０ 電源部 １１ エアシリンダ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１のサーボモータにより駆動される無限
   軌道と、この無限軌道の上方に配置され前記無限軌道上
   に載置された容器に対して、蓋体の接着を行う蓋体取り
   付け部を備え、前記蓋体取り付け部は前記無限軌道の進
   行方向に沿って支持された螺桿と、この螺桿を回転駆動
   する第２のサーボモータと、前記螺桿に螺合するととも
   にスライド自在に保持されたシーラー基台と、このシー
   ラー基台の下面側に上下動可能に設けられたシーラー
   と、前記第１のサーボモータと第２のサーボモータとを
   同期運転するための電源部とを備えていることを特徴と
   する熱シール包装装置。
2. 【請求項２】前記シーラーはシーラー基台の下面側にエ
   アシリンダを介して取り付けられており、前記エアシリ
   ンダは前記第１のサーボモータと第２のサーボモータに
   同期して伸縮制御されるように構成されていることを特
   徴とする請求項１に記載の熱シール包装装置。