JPH0930931A

JPH0930931A - 化粧料

Info

Publication number: JPH0930931A
Application number: JP7208505A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Otsuki; 慎一大槻; Fumihito Karakida; 文仁唐木田; Yoshimi Kawasaki; 義巳川崎; Yoshihiko Akiyama; 喜彦秋山
Original assignee: Tsumura and Co
Current assignee: Tsumura and Co
Priority date: 1995-07-25
Filing date: 1995-07-25
Publication date: 1997-02-04

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、優れた肌あれ改善効果を有する化
粧料を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、オウレン、オウバク、オウゴ
ン、サンシシの生薬抽出物を配合し、さらには前記成分
と共にトウキ、センキュウ、シャクヤク、ジオウ、レン
ギョウ、ケイガイ、ヨクイニン、サイコ、カンゾウから
選ばれる生薬抽出物を一種又は二種以上を配合すること
を特徴とし、これらを配合した化粧料が皮膚の肌あれ改
善効果に優れていることを見い出した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、優れた肌あれ改善
効果を有する化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、種々の肌あれ改善効果を有す
る成分を配合した化粧料が開発されている。その中で化
粧料に配合する成分として、生薬抽出物は天然物であり
作用が温和で安全性が高いことから、配合成分として好
ましいと考えられ様々な試みがなされている(フレグラ
ンスジャーナル1993年7月号(P46-52)、特開平3-12771
4、特開平3-275609、特開平4-247008、特開平5-33104
0、特公平6-37377、特公平6-99268等)。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明に関連する生薬
について一般的に知られている効果を述べると、オウレ
ン、オウバクはベルベリン系アルカロイドを含み、抗菌
作用、抗炎症作用を有する。オウゴンは、フラボン配糖
体、バイカリンやアミノ酸を含み、抗アレルギー作用、
抗炎症作用を有する。サンシシは、イリドイド配糖体や
カロチノイド類を含み、抗炎症作用等を有する。トウキ
及びセンキュウは、精油やクマリン配糖体、糖類を含
み、抗炎症作用、鎮静作用を有する。シャクヤクは、タ
ンニン類を多く含み、収れん作用、抗炎症作用を有す
る。ジオウは、糖類やイリドイド配糖体を含み、保湿作
用を有する。レンギョウは、リグナン類を含み、抗炎症
作用、排膿作用を有する。ケイガイは、精油を多く含
み、抗炎症作用と穏やかな皮膚刺激作用を有する。ヨク
イニンは、タンパク質、脂肪油、フィトステロール類を
含み排膿作用、皮膚の保護作用を有する。サイコは、サ
イコサポニン類、フィトステロール類、脂肪油を含み、
抗炎症作用、鎮静作用を有する。カンゾウは、グリチル
リチン酸やフラボン類を含み、抗炎症作用、緩和作用を
有する。

【０００４】すでに、これらの効果を利用して化粧料等
に配合することは知られているが、これらの単独配合で
は、その期待される効果が十分に発揮されず、満足すべ
きものに至っていない。またこれらの生薬の相乗作用効
果について現状は十分に検討はされてはいない。

【０００５】さらに、肌あれ改善に対して、従来から使
用されている化粧料では、肌あれ改善に対して十分な効
果を発揮出来ず、より優れた肌あれ改善効果を有する化
粧料の開発が望まれていた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、優れた肌あれ改善効果を有する化粧料を開
発すべく鋭意研究を重ねた結果、オウレン、オウバク、
オウゴン、サンシシの生薬抽出物を配合し、さらには前
記成分と共にトウキ、センキュウ、シャクヤク、ジオ
ウ、レンギョウ、ケイガイ、ヨクイニン、サイコ、カン
ゾウから選ばれる生薬抽出物を配合することでなお一層
効果的となり、これらを配合した化粧料は皮膚の肌あれ
改善効果に優れ、しかも安全性、安定性に優れているこ
とを見い出し本発明を完成するに至った。

【０００７】すなわち、本発明は、以下のとおりであ
る。 (1)オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシの生薬抽
出物を必須成分として配合することを特徴とする化粧
料。 (2)オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシの生薬抽
出物を必須成分として配合し、さらにトウキ、センキュ
ウ、シャクヤク、ジオウ、レンギョウ、ケイガイ、ヨク
イニン、サイコ、カンゾウの生薬抽出物の群から選ばれ
る一種又は二種以上を配合した(1)記載の化粧料。以下(1)及び(2)記載の化粧料を本発明の化粧料という。

【０００８】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
化粧料に用いるオウレン、オウバク、オウゴン、サンシ
シ、トウキ、センキュウ、シャクヤク、ジオウ、レンギ
ョウ、ケイガイ、ヨクイニン、サイコ及びカンゾウから
得られる生薬抽出物(以下「生薬抽出物」と略称する。)
の調製法は特に限定はない。しかし、生薬を抽出するた
めの好ましい方法としては、まず上記生薬を適度に切断
又は粉砕したものを、単独又は二種以上混合したものを
種々の適当な溶媒を用い、室温〜加温下で抽出する方法
が挙げられ、これに用いられる抽出溶媒としては、水;
メチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコー
ル(含水も含む);グリセリン、プロピレングリコール、
1,3-ブチレングリコール等の多価アルコール;酢酸エチ
ル等の低級アルキルエステル;ベンゼン、ヘキサン等の
炭化水素;ジエチルエーテル等のエーテル類等が例示さ
れ、その一種または二種以上を用いることができる。こ
れらのうち、水又は水溶性溶媒、特に水、エチルアルコ
ール、グリセリン、1,3-ブチレングリコールの一種又は
二種以上の混合溶媒を用いることが好ましい。また抽出
条件としては、生薬に対し上述の抽出溶媒を約2〜150倍
量、好ましくは5〜30倍量加え、室温又は加温して数時
間から数日間、特に室温ならば1日以上、加温ならば1時
間以上適度に撹拌しながら抽出するのが好ましい。な
お、溶媒の投入方法や抽出時間、抽出温度等は、抽出す
る生薬に合わせて設定する。

【０００９】以上のような条件で得られる生薬抽出物
は、抽出された溶液のまま本発明の化粧料に配合しても
良いが、この抽出液を濃縮、濾過等の処理を施したもの
を適宜使い分けて配合することもできる。また、生薬抽
出物の安定性を増すために、必要に応じて防腐剤やpH調
整剤等を適量加えても問題ない。

【００１０】生薬の抽出方法は前述の方法にこだわるこ
となく、それぞれの生薬に適した抽出法で行う事が出来
る。抽出法の例としては、パーコレーション法、循環抽
出法、超臨界抽出法等があげられる。また、抽出物を一
度濃縮して特定の溶媒に溶解したものや液体クロマトグ
ラフ法等により適当なカラムで分離して溶出させたもの
も使用し配合することもできる。

【００１１】本発明の化粧料において、生薬抽出物の配
合量は、乾燥固形分に換算して全量100.0%に対し0.001
〜20.0重量%程度とすることが好ましく、特に0.004〜1
0.0重量%の範囲が好ましい。生薬抽出物の配合量が0.00
1重量%未満であると効果が十分に発揮されず、また、配
合量が20.0重量%を越えると効果はほぼ一定となる。

【００１２】本発明の化粧料は前記必須成分としての生
薬抽出物の他、本発明の効果を損なわない範囲内で通常
化粧品、医薬部外品、医薬品等に一般に用いられる各種
成分、すなわち、界面活性剤、エモリエント剤、保湿
剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、安定剤、香料、色素
等を必要に応じて適宜配合することにより調製される。

【００１３】本発明の生薬抽出物の調製法の具体例を以
下に示す。具体例1 オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシの切断品又は
粉砕品を各々10gビーカーに取り、1,3-ブチレングリコ
ール及びエタノール(95.0%)を各々のビーカーに100g入
れ、室温(約23°C)において撹拌機(東京理科器機(株)
製)を使い約72時間時々撹拌しながら浸漬抽出した。そ
れをろ紙(東洋瀘紙(株)製、No.2)にて濾過することによ
り各抽出物(1,3-ブチレングリコール抽出物、エタノー
ル抽出物)を得た。

【００１４】具体例2 オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシ、トウキ、セ
ンキュウ、シャクヤク、ジオウ、レンギョウ、ケイガ
イ、ヨクイニン、サイコ、カンゾウの切断品又は粉砕品
を、各々又は混合したもの10部に対して、エタノール/
精製水(5:5)の混合溶媒100部を加えて、室温(約23°C)
において約72時間時々撹拌しながら浸漬抽出し、抽出後
ろ紙(No.2)にて濾過することにより抽出物を得た。

【００１５】具体例3 オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシ、トウキ、セ
ンキュウ、シャクヤク、ジオウ、レンギョウ、ケイガ
イ、ヨクイニン、サイコ、カンゾウの切断品又は粉砕品
を、各々又は混合したもの10部に対して、1,3-ブチレン
グリコール/精製水(5:5)の混合溶媒100部を加えて、室
温(約23°C)において約72時間時々撹拌しながら浸漬抽
出し、抽出後ろ紙(No.2)にて濾過することにより抽出物
を得た。

【００１６】具体例4 オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシ、トウキ、セ
ンキュウ、シャクヤク、ジオウ、レンギョウ、ケイガ
イ、ヨクイニン、サイコ、カンゾウの切断品又は粉砕品
を、各々又は混合したもの10部に対して、エタノール/
1,3-ブチレングリコール(5:5)の混合溶媒100部を加え
て、室温(約23°C)において約72時間時々撹拌しながら
浸漬抽出し、抽出後ろ紙(No.2)にて濾過することにより
抽出物を得た。

【００１７】具体例5 オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシ、トウキ、セ
ンキュウ、シャクヤク、ジオウ、レンギョウ、ケイガ
イ、ヨクイニン、サイコ、カンゾウの切断品又は粉砕品
を、各々又は混合したもの10部に対して、プロピレング
リコール100部を加えて、室温(約23°C)において約72時
間時々撹拌しながら浸漬抽出し、抽出後ろ紙(No.2)にて
濾過することにより抽出物を得た。

【００１８】

【発明の実施の形態】本発明の化粧料の実施の形態は特
に限定されず、化粧水等の可溶化製品、乳液やクリーム
等の乳化製品、パック等の分散製品、口紅やファンデー
ション等のメイクアップ製品、頭髪製品、浴用製品等の
通常化粧料に用いられている形態とすることができる。

【００１９】

【実施例】以下、試験例及び実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、以下の表中の配合量は重量%で表し全
量は100.0%である。

【００２０】試験例1試料の作成白色ワセリン(日本薬局方収載品)を99gビーカーに取
り、具体例1で得たオウレン、オウゴン、オウバク、サ
ンシシの1,3-ブチレングリコール抽出物及びエタノール
抽出物を1gずつ秤取し、各々のビーカーに入れ混合して
試料を得た。別に各抽出物を0.25gずつ秤取し、混合し
て、合計1gとし同様に白色ワセリンと混合して試料とし
た。

【００２１】〔改善効果の評価〕各々の試料を5名の肌
あれを起こしている女性(30〜50歳代)に1週間使用して
もらいその改善効果について評価した。改善効果の良い
順から5点、4点、3点、2点、1点として、その合計点よ
り判定した。その結果を表1(1,3-ブチレングリコール抽
出)及び表2(エタノール抽出)に示す。

【００２２】表1 1,3-ブチレングリコール抽出物

【００２３】表2 エタノール抽出物表1、表2から抽出溶媒に関係なく4種類の抽出物を混合
して配合したものが、各々の抽出物を単独に配合したも
のより効果があることがわかる。

【００２４】実施例1 化粧水(化粧水の実施例と比較例
を表3に示す) (製法)化粧水は、精製水にグリセリン、1,3-ブチレング
リコール、クエン酸、クエン酸ナトリウムを加え均一に
溶解する。別にエタノールにポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、香料を加え、均一に溶解した後、前述の精製水
溶液を加えて具体例2で得た生薬抽出物を加えて可溶化
し、ろ過をして得た。

【００２５】表3

【００２６】実施例2 クリーム(クリームの実施例と比
較例を表4に示す) (製法)クリームは、精製水に1,3-ブチレングリコール、
グリセリンを加え、加熱溶解して75°Cに保つ。ステア
リン酸、セタノール、スクワラン、ミツロウ、還元ラノ
リン、ポリオキシエチレンセチルエーテル、親油型モノ
ステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息香酸エチルを
加熱溶解して、75°Cに保ち前述の精製水溶液を加え
て、ホモミキサーで乳化する。これを撹拌しながら40°
Cまで冷却し具体例3で得た生薬抽出物を加え室温まで冷
却して得た。

【００２７】表4

【００２８】実施例3 乳液(乳液の実施例と比較例を表
5に示す) (製法)乳液は、精製水にカルボキシビニルポリマーを加
え分散させたのち、プロピレングリコール、パラオキシ
安息香酸メチル、水酸化カリウムを加えて加熱し、75°
Cに保つ。ステアリン酸、ステアリルアルコール、ワセ
リン、スクワラン、ポリオキシエチレンモノオレイン酸
エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルを加熱
溶解し、75°Cに保ち前述の精製水溶液を加えて、ホモ
ミキサーで乳化する。これを撹拌しながら40°Cまで冷
却し、具体例4で得られた生薬抽出物を加え、室温まで
冷却する。

【００２９】表5

【００３０】実施例4 リップクリーム(リップクリーム
の実施例と比較例を表6に示す) (製法)リップクリームは、生薬抽出物と香料を除いた成
分を均一に加熱溶解し均一にする。香料及び具体例5で
得た生薬抽出物を加え脱泡し、50°Cまで冷却し、型に
入れてスティック状にする。

【００３１】表6

【００３２】〔改善効果の評価〕実施例及び比較例で作
った化粧水、クリーム、乳液を肌あれを感じている男女
10名に約2週間顔の頬に使用して貰い、その改善効果を
比較した。評価方法は、使用前と2週間使用後の状態に
ついてどの様に感じたか、被験者が表7に示すとおり評
価しその評点により判断した。なお、評価結果は表8に
示す。

【００３３】表7

【００３４】表8 表8より、本発明の化粧料は、生薬抽出物を配合してい
ない化粧料と比較して顕著な肌荒れ改善効果を認めた。
又、口唇荒れの人にリップクリームを使用して貰った結
果、同様の改善効果を得た。

【００３５】実施例5 化粧水(化粧水の実施例と比較例
を表9に示す) (製法)実施例1記載の化粧水と同様。

【００３６】表9

【００３７】実施例6 クリーム(クリームの実施例と比
較例を表10に示す) (製法)実施例2記載のクリームと同様。

【００３８】表10

【００３９】実施例7 乳液(乳液の実施例と比較例を表
11に示す) (製法)実施例3記載の乳液と同様。

【００４０】表11

【００４１】実施例8 リップクリーム(リップクリーム
の実施例と比較例を表12に示す) (製法)実施例4記載のリップクリームと同様。

【００４２】表12

【００４３】〔改善効果の評価〕前述の評価方法及び評
点と同じ。評価結果を表13に示す。

【００４４】表13 表13より、本発明の化粧料は、生薬抽出物を配合してい
ない化粧料と比較して顕著な肌荒れ改善効果を認めた。
又、口唇荒れの人にリップクリームを使用して貰った結
果、同様の改善効果を得た。

【００４５】

【発明の効果】本発明の化粧料はオウレン、オウバク、
オウゴン、サンシシの生薬抽出物を必須成分として配合
した化粧料で、さらに前記成分と共にトウキ、センキュ
ウ、シャクヤク、ジオウ、レンギョウ、ケイガイ、ヨク
イニン、サイコ、カンゾウから選ばれる生薬抽出物を配
合することでなお一層効果的となり、皮膚の肌あれ改善
効果に優れ、しかも安全性、安定性に優れている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者秋山喜彦静岡県藤枝市築地392番地株式会社ツムラ内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】オウレン、オウバク、オウゴン、サンシ
シの生薬抽出物を必須成分として配合することを特徴と
する化粧料。
【請求項２】オウレン、オウバク、オウゴン、サンシ
シの生薬抽出物を必須成分として配合し、さらにトウ
キ、センキュウ、シャクヤク、ジオウ、レンギョウ、ケ
イガイ、ヨクイニン、サイコ、カンゾウの生薬抽出物の
群から選ばれる一種又は二種以上を配合した請求項1記
載の化粧料。