JPH09309265A - インクジェット記録用填剤及び記録紙 - Google Patents

インクジェット記録用填剤及び記録紙

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JPH09309265A
JPH09309265A JP8171690A JP17169096A JPH09309265A JP H09309265 A JPH09309265 A JP H09309265A JP 8171690 A JP8171690 A JP 8171690A JP 17169096 A JP17169096 A JP 17169096A JP H09309265 A JPH09309265 A JP H09309265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク像の耐変色性、紙の耐黄変性及び平滑
性に優れ、高濃度での塗工が可能なインクジェット記録
用填剤を提供する。 【解決手段】 酸化物基準の重量比で表してSiO2
MO=99.5:0.5乃至70:30の組成(式中M
は周期律表第II族金属を表す)のケイ酸塩から成り、前
記ケイ酸塩は、X線回折学的に非晶質乃至微細層状結晶
であり、個々の粒子が独立した明確な球状粒子であっ
て、該粒子の長径(DL )及び短径(DS )の比(DS
/DL )で表される真球度が0.8乃至1.0の範囲に
あり、且つ電子顕微鏡で測定した粒径が0.3乃至20
μmの範囲にある多孔質球状ケイ酸塩粒子から成ること
を特徴とするインクジェット記録用填剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用填剤及びこれを用いたインクジェット記録紙に関す
るもので、より詳細には、インク像の耐変色性、紙の耐
黄変性及び平滑性に優れ、高濃度での塗工が可能なイン
クジェット記録用填剤に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、騒音が少なく、
高速記録が可能で、しかも多色化が容易である等の利点
があり、各種プリンター、ファクシミリ等への応用が行
われている。この用途に用いる記録紙としては、通常の
上質紙やコート紙では性能の点で使用困難であり、紙面
に付着したインク滴が速やかに紙内に吸収されること、
紙面上でのインク滴の拡がりや滲みが抑制されること、
濃度のある鮮明な画像が形成されること、及びこの画像
が諸堅牢性に優れていること等の特性が要求される。
【0003】これらの特性を紙基質の表面に与えるため
に、種々の無機固体物質を、必要により結着剤と共に紙
表面に塗布し或いは内填することが提案されており、例
えば合成シリカ及び/又はその塩を用いること(特開昭
57−157786号公報)、二価金属、例えばマグネ
シウム或いは亜鉛等の弱酸塩や酸化物を被覆層として施
こすこと(特開昭58−94491号公報)、天然ゼオ
ライト、合成ゼオライト、ケイソウ土、合成雲母等を被
覆層中に含有させること(特開昭59−68292号公
報)、インク吸収層を形成する白色顔料としてクレー、
タルク、炭酸カルシウム、カオリン、酸性白土、活性白
土等を使用すること(特開昭58−89391号公報及
び特開昭59−95188号公報)等が既に知られてい
る。
【0004】しかしながら、インクジェット記録紙に用
いる填剤は、単にインクを吸収すればよいというもので
は決してなく、インク全体の吸収や水或いは溶剤の吸着
と染料の吸着との間に一定のバランスが要求される。例
えば、インクの填料層への吸収が迅速に生じる場合に
は、インク滴の拡がりや滲みが防止されるとしても、染
料等も填料層中に浸透することにより、形成される画像
が濃度や鮮明さに欠けるものとなり易い。かくして、イ
ンクジェット記録において、インク滴の拡がりや滲みを
防止するという要求と、画像の濃度や鮮明さを向上させ
るという要求とを同時に満足させることは容易でないこ
とが了解されよう。また、インクジェット用のインクは
一般に、水及び少量の有機溶剤を含量する媒質中に染料
を溶解した組成物から成るが、従来使用されている填料
は、インク中の各成分の吸着バランスにおいても未だ十
分なものではなく、例えば染料の吸着速度が大き過ぎる
場合にはドット径が小さくなって、べタ部に白地の斑点
抜けが生じ、また染料の吸着速度が小さすぎると、ドッ
トの真円性が得られなくなる。
【0005】これらの点を改良するものとして、本発明
者等は先に、特公平4−60434号公報及び特公平4
−60435号公報において、コールターカウンター法
で測定して2乃至15μmのメジアン径、180ml/
100g以上の吸油量及び溶媒法で測定して1.450 以上
の屈折率を有し、関係湿度90%及び温度25℃で20
0時間吸湿させた条件での吸湿量が35%以上の範囲内
にある非晶質シリカ及びこの非晶質シリカの周期律表第
II族金属化合物の被覆粒子をインクジェット記録紙用填
料として用いることを提案した。
【0006】また、特開昭62−183382号公報及
び特開昭63−13776号公報には、インクジェット
記録用填剤として、球状シリカを使用することが記載さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した公告公報記載
の填剤は、インクの吸着バランスの点では確かに優れて
いるが、インクの裏抜けが生じる傾向があり、画像の鮮
明さや印刷物の商品価値の点では、未だ十分満足しうる
ものではなかった。更に、この公報記載の非晶質シリカ
及びその被覆粒子は不定形であって、塗工液の粘度がか
なり高く、そのため塗工液中の填剤濃度をかなり低くし
て紙への塗布を行わなければならず、塗工の作業性が悪
く、また、乾燥のための熱エネルギーコストが高くなる
等の欠点がある。
【0008】一方、球状シリカからなるインクジェット
記録用填剤は、塗工液中の填剤濃度を高くしうるという
利点を有するが、インク像の耐変色性が未だ不十分であ
り、また、保存中に紙が黄変しやすいという欠点もあ
る。
【0009】本発明者らは、周期律表第II族金属成分を
特定の量比で含有し、X線回折学的に非晶質乃至微細層
状結晶の多孔質球状ケイ酸塩粒子は、インク像の耐変色
性、紙の耐黄変性及び平滑性に優れており、しかも高濃
度での塗工が可能であり、優れたインクジェット記録用
填剤となりうることを見いだした。
【0010】即ち、本発明の目的は、インク像の耐変色
性、紙の耐黄変性及び平滑性に優れ、高濃度での塗工が
可能なインクジェット記録用填剤を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、酸化物
基準の重量比で表してSiO2 :MO=99.5:0.
5乃至70:30の組成(式中Mは周期律表第II族金属
を表す)のケイ酸塩から成り、前記ケイ酸塩は、X線回
折学的に非晶質乃至微細層状結晶であり、個々の粒子が
独立した明確な球状粒子であって、該粒子の長径
(DL )及び短径(DS)の比(DS /DL )で表され
る真球度が0.8乃至1.0、特に0.9乃至1.0の
範囲にあり、且つ電子顕微鏡で測定した粒径が0.3乃
至20μm、特に3乃至15μmの範囲にある多孔質球
状ケイ酸塩粒子から成ることを特徴とするインクジェッ
ト記録用填剤が提供される。
【0012】本発明によればまた、上記インクジェット
記録用填剤を含有してなることを特徴とするインクジェ
ット記録紙が提供される。
【0013】本発明に用いるインクジェット記録用填剤
は、 1.BET法による比表面積が50乃至450m2
g、特に100乃至400m2 /gであり、細孔容積が
0.5乃至1.5ml/g、特に0.6乃至1.3ml
/gであり且つ平均細孔半径が20乃至60オングスト
ローム、特に30乃至60オングストロームである多孔
質球状ケイ酸塩粒子から成ること、 2.多孔質球状ケイ酸塩粒子が150ml/g以上、特
に160乃至250ml/gの吸油量を有すること、 3.多孔質球状ケイ酸塩粒子が1.45乃至1.56の
屈折率を有すること、 4.多孔質球状ケイ酸塩粒子が酸強度函数H0 が−3.
0を越えて+3.3迄の範囲で0.1ミリモル/g以
上、特に0.2乃至0.7ミリモル/gの酸量を有する
こと、 5.多孔質球状ケイ酸塩粒子が6乃至11、特に7乃至
10の水分散液pHを有するものであること、 6.多孔質球状ケイ酸塩粒子が、凝集成長法で得られた
非晶質シリカ球状粒子に、周期律表第II族金属の酸化
物、水酸化物、或いは水溶性塩を作用させることにより
得られたものであること、が好ましい。
【0014】本発明のインクジェット記録紙は、 7.インクジェット記録用填剤を全体当たり0.5乃至
40重量%、特に3乃至20重量%の量で含有するこ
と、 8.カレンダー処理していない状態で測定して、ベック
平滑度が50秒以上、特に50乃至100秒であるこ
と、が好ましい。
【0015】
【発明の実施形態】本発明に用いる多孔質球状ケイ酸塩
粒子は、(A)酸化物基準の重量比で表してSiO2
MO=99.5:0.5乃至70:30の組成(式中M
は周期律表第II族金属を表す)を有すること、(B)X
線回折学的に非晶質乃至微細層状結晶であること、
(C)個々の粒子が独立した明確な球状粒子であるこ
と、(D)粒子の長径(DL )及び短径(DS )の比
(DS /DL )で表される真球度が0.8乃至1.0の
範囲にあること及び(E)電子顕微鏡で測定した粒径が
0.3乃至20μmの範囲にあることの組み合わせに特
徴を有するものである。
【0016】即ち、この多孔質球状ケイ酸塩粒子は、周
期律表第II族金属成分を上記(A)の重量比で含有する
ことにより、記録紙の黄変を防止できると共に、形成さ
れるインクが像の耐変色性を向上させることができる。
即ち、後述する例に示すとおり、非晶質シリカを用いる
場合や、周期律表第II族金属成分を含有するとしても、
その量が上記範囲よりも低い場合には、保存中における
黄変傾向が著しく、また、インク画像を光や空気に曝し
た場合に変色する傾向があるが、周期律表第II族金属成
分を上記の量比で結合させて塩とすることにより、これ
らの欠陥を解消できる。一方、周期律表第II族金属成分
の量が上記範囲よりも多いと、インクに対する吸収性が
低下するので好ましくない。
【0017】本発明に用いる上記粒子は、多孔質であっ
て、しかも上記要件(B)の通り、X線回折学的に非晶
質乃至微細層状結晶であることが特徴である。微細層状
結晶とは、フィロケイ酸塩に似たX線回折像を示すが、
通常のフィロケイ酸塩に比べて回折ピークが弱いもの
(一般に1/4以下)をいう。
【0018】添付図面の図1は、本発明に用いる非晶質
多孔質球状ケイ酸塩粒子のX線回折像を示し、図2は微
細層状結晶の多孔質球状ケイ酸塩粒子のX線回折像を示
し、図3はこれらのケイ酸塩の製造原料として用いた非
晶質多孔質球状ケイ酸粒子のX線回折像を示す。
【0019】この球状ケイ酸塩粒子は、多孔質で非晶質
乃至微細層状結晶の構造をとることにより、インクに対
して優れた吸収性及び吸着性を示し、高濃度でしかも滲
みのない画像を与えるものである。
【0020】更に、本発明に用いる多孔質球状ケイ酸塩
粒子は、上記要件(C)及び(D)の通り、個々の粒子
が独立した明確な球状粒子であって、真球度(DS /D
L )が0.8以上、特に0.9以上であることが重要で
ある。個々の粒子が独立した明確な球状粒子であると
は、一次粒子が、凝集がなく、互いに独立しており、し
かも一次粒子が明確な球状をなしていることを意味す
る。
【0021】添付図面の図4は、本発明に用いる非晶質
多孔質球状ケイ酸塩粒子(図1のX線回折像のもの)の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真であり、図5は微細層状
結晶の多孔質球状ケイ酸塩粒子(図2のX線回折像のも
の)の粒子構造を示す電子顕微鏡写真であり、図6はこ
れらのケイ酸塩の製造原料として用いた非晶質多孔質球
状ケイ酸粒子(図3のX線回折像のもの)の粒子構造を
示す電子顕微鏡写真である。
【0022】本発明の多孔質球状ケイ酸塩粒子は、上記
の粒子構造を有するため、多孔質球状ケイ酸塩粒子は塗
工液中への分散性に優れていると共に、高濃度の分散液
を形成することが可能であり、しかも紙表面に最密充填
状態或いはこれに近い充填状態を形成し、画像形成時に
インクの裏抜けがなく、しかも鮮明な画像を形成しうる
という利点を与える。
【0023】また、この多孔質球状ケイ酸塩粒子は、電
子顕微鏡で測定した粒径が0.3乃至20μmの範囲に
あるべきである。粒径が上記範囲よりも低い場合には、
記録紙の製造に際して填剤の歩留まりが悪くなり、ま
た、一次粒子の凝集傾向も増大するので好ましくない。
一方、粒径が上記範囲よりも大きくなると、記録紙の平
滑性が失われるので、やはり好ましくない。
【0024】「インクジェット記録用填剤」本発明に用
いるインクジェット記録用填剤は、上記の特徴により、
次の特徴のある付加的な物性を有している。
【0025】即ち、この多孔質球状ケイ酸塩粒子は、多
孔質であること、及び非晶質乃至層状微細結晶であるこ
とに関連して、BET法による比表面積が50乃至45
0m2 /g、特に100乃至400m2 /gであり、細
孔容積が0.5乃至1.5ml/g、特に0.6乃至
1.3ml/gであり且つ平均細孔半径が20乃至60
オングストローム、特に30乃至60オングストローム
である。これらの特性は、インクの吸収性、吸着性滲み
の防止等に関して極めて重要である。
【0026】また、上記特性にも関連するが、多孔質球
状ケイ酸塩粒子は、150ml/g以上、特に160乃
至250ml/gの吸油量を有することが好ましい。
【0027】更に、多孔質球状ケイ酸塩粒子は、1.4
5乃至1.56の屈折率を有することが画像の鮮明さの
点で好ましい。
【0028】更にまた、多孔質球状ケイ酸塩粒子は、画
像の堅牢性の点で、酸強度函数H0が−3.0を越えて
+3.3迄の範囲で0.1ミリモル/g以上、特に0.
2乃至0.7ミリモル/gの酸量を有することが好まし
い。
【0029】また、多孔質球状ケイ酸塩粒子は、前記化
学組成にも関係するが、6乃至11、特に7乃至10の
水分散液pHを有するものであることが、化学的安定性
の点で有利である。
【0030】本発明に使用する多孔質球状ケイ酸塩粒子
は、上記の特徴を有するものであれば、任意の製造法で
製造されたものでよいが、多孔質球状ケイ酸塩粒子が、
凝集成長法で得られた非晶質シリカ球状粒子に、周期律
表第II族金属の酸化物、水酸化物、或いは水溶性塩作用
させることにより得られたものであることが好ましい。
微細造粒法による非晶質シリカ球状粒子を原料として使
用することもできる。以下この例に関して説明するが、
本発明は決してこれに限定されない。
【0031】(1)凝集成長法シリカ 原料となる多孔質の非晶質シリカ系球状粒子は、ケイ酸
アルカリ水溶液、水溶性重合体及び部分中和量の酸水溶
液を混合し、この混合液を放置してケイ酸アルカリの部
分中和物から成る粒状物を生成させ、この粒状物を分離
した後、酸で中和することによっても得られる。
【0032】原料として用いるケイ酸アルカリとして
は、下記式 Na2 O・mSiO2 式中、mは1乃至4の数、特に2.5乃至3.5の数で
ある。の組成を有するケイ酸アルカリ、特にケイ酸ナト
リウムの水溶液を使用する。このケイ酸アルカリの組成
は、混合液の安定性と生成する粒状物の収率及び粒子サ
イズとに関係している。
【0033】ケイ酸アルカリの濃度は、混合液中でのS
iO2 としての濃度が3乃至10重量%、特に4乃至8
重量%の範囲となるようにするのがよい。
【0034】この凝集成長法では、微粒子シリカの凝集
成長剤として、水溶性高分子を使用する。凝集成長剤と
しては、カルボキシメチルセルロース(CMC)が最も
好適であるが、他にアクリルアミド系重合体や、他の水
溶性高分子も使用できる。凝集成長剤は、ケイ酸アルカ
リ溶液中の全シリカ当り、SiO2 重量基準で1乃至1
00%、特に5乃至50重量%となる量で使用する。
【0035】この方法では、CMCと組み合わせで、水
溶性無機電解質或いは他の水溶性高分子から成る凝集成
長助剤を使用することもできる。水溶性無機電解質とし
ては、水溶性であって、ゾル等に対して凝集作用を有す
る無機の電解質であれば任意のものを使用することがで
きるが、周期律表第1族、第2族、第3族、第4族金属
或いは他の遷移金属の鉱酸塩或いは有機酸塩が使用さ
れ、その適当な例は次の通りである。
【0036】アルカリ金属塩、例えばNaCl、Na2
SO4 等のアルカリ金属の鉱酸塩;アルカリ土類金属
塩、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マ
グネシウム、硝酸カルシウム等の鉱酸塩;塩化亜鉛、硫
酸亜鉛、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸チ
タニル等の他の水溶性金属塩。
【0037】また、凝集成長剤或いは凝集成長助剤とし
て、他の水溶性高分子を使用することもでき、この目的
に、CMCとの相溶性が良い、澱粉、グアーガム、ロー
カストビーンガム、アラビヤガム、トラガントガム、プ
リテイシュガム、クリスタルガム、セネガールガム、P
VA、メチールセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ヒ
ドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチル
セルロース、ポリエチレングリコール、等のノニオン系
の高分子を使用することもできる。
【0038】中和に用いる酸としては、種々の無機酸や
有機酸が使用されるが、経済的見地からは、硫酸、塩
酸、硝酸、リン酸等の鉱酸を用いるのがよく、これらの
内でも、粒状物の収率や、粒径及び形態の一様さの点で
硫酸が最も優れている。均質な反応を行うためには、希
釈水溶液の形で用いるのがよく、一般に1乃至15重量
%の濃度で使用するがよい。更にこれらの酸にはNaC
l等の水溶性電解質、特に酸性塩、中性塩を加えておい
ても良い。混合に際しても使用する酸の量は部分中和に
より均質な混合溶液(透明である)を生成するようなも
のであり、混合液のpHが10.2乃至11.2、特に
10.5乃至11.0となるような量で用いるのがよ
い。
【0039】この方法では、上記各成分の添加順序には
制限がなく、例えばケイ酸アルカリ水溶液に酸を加えた
後、凝集成長剤を加えてもよく、また逆にケイ酸アルカ
リ水溶液に凝集成長剤を加えた後、酸を加えてもよい。
これらを同時に加えてもよいことは当然である。凝集成
長助剤を用いる場合には、この凝集成長助剤は、各成分
を添加するための水性媒体として用いてもよく、或いは
酸中に予め添加しておいてもよい。各成分を十分混合し
て、均質化させた後、この混合液を静置して部分中和物
の粒状物を析出させる。
【0040】この析出条件としては、一般に0乃至10
0℃好適には10乃至40℃の温度で1乃至50時間好
適に3乃至20時間程度の放置が適している。一般に温
度が低い程、析出粒子の粒径が大きくなり、温度が高い
程析出粒子の粒径が小さくなる。かくして温度の制御に
より、粒状物の粒径を制御しうる。析出した粒子と母液
とを分離し、水に再分散した粒子は、酸を加え中和した
後、水洗、乾燥、分級等の操作を行って前述した処理用
の原料とする。分離した母液や中和後の分散液には未析
出のシリカ分や、凝集成長剤が含有されているので、こ
れらは次の混合析出に有効に再利用できることになる。
【0041】また必要に応じて、混合液に、粒径が微細
な任意のシリカゾル、シリカゲルまたは無水シリカ粉末
を核剤或いは増量剤として、シリカ全重量当りSiO2
基準で前述した量で予め添加しておくことも出来る。用
いるシリカはサブミクロンの粒径を有することが好まし
い。
【0042】(2)シリカゲル微粒子分散液の造粒法 また、多孔質の非晶質シリカ系球状粒子は、ケイ酸アル
カリ溶液と鉱酸とを瞬時に混合してゾルを形成させ、形
成されるゾルを気体媒体中に放出させてゲルを形成させ
るに際し、ケイ酸アルカリ溶液或いは鉱酸の少なくとも
一方に水不溶性固体粒子をマクロポア増進剤として分散
させることによっても製造される。
【0043】ケイ酸アルカリとしては、前述した組成を
有するケイ酸アルカリ、特にケイ酸ナトリウムの水溶液
を使用する。
【0044】ケイ酸アルカリの濃度は、SiO2 基準で
100乃至225g/1の濃度、特に130乃至150
g/1の濃度を有するものが好適である。
【0045】酸としては、種々の無機酸や有機酸が使用
されるが、経済的見地からは、硫酸、塩酸、硝酸、りん
酸等の鉱酸を用いるのがよく、これらの内でも、球状シ
リカゲルの性能、粒径及び形態の一様さの点で硫酸が最
も優れている。均質な反応を行うためには、希釈水溶液
の形で用いるのがよく、一般に1乃至15重量%の濃度
で使用するのがよい。
【0046】ケイ酸アルカリ或いは酸に添加する固体粒
子としては、水不溶性で水性媒体になじみ(親和性)が
あり且つ安定であるものであれば、無機のものでも有機
のものでも広く使用しうるが、一般には無機のものが好
ましい。
【0047】無機の固体粒子として、周期律表第III A
族、第IVA族、第IVB族、第VB族、或いは第VIII 族
元素の酸化物、複合酸化物、水酸化物、または複合水酸
化物を挙げることができる。具体的には、アルミナ、シ
リカ、チタニア、ジルコニア、酸化バナジウム、酸化ニ
オブ、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステ
ン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジ
ウム、酸化白金、ケイ酸ジルコニウム等が挙げられる。
【0048】これらの内でも、シリカ、アルミナ、チタ
ニアまたはジルコニアが好適なものであり、特にシリカ
としては非晶質シリカ、アルミナとしてはギブサイト型
水酸化アルミニウム、擬ベーマイト型アルミナゲル等の
比表面積が50m2 /g以上のものが有利に使用され
る。
【0049】また、無機の固体粒子としては、テクトア
ルミノケイ酸塩或いはフィロアルミノケイ酸塩、特に天
然または合成の粘土或いはゼオライトを用いることがで
きる。粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソ
ーコナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、カオリ
ナイト、アンチゴライト、セピオライト、パリゴルスカ
イト、バーミキュライト等を挙げることができる。ゼオ
ライトとしては、A型、X型、Y型、P型の各種ゼオラ
イト、モルデナイト、シリカライト、ZSM−5等を挙
げることができる。また、これらの酸処理物や焼成品を
用いることもできる。
【0050】固体粒子が0.1乃至15μmの平均粒
径、特に0.3〜2μmの平均粒径を有する粒子である
のが好ましい。
【0051】固体粒子は、ケイ酸アルカリ溶液に分散さ
せても、鉱酸に分散させてもよく、アルカリに安定な固
体粒子、例えば水酸化アルミニウムはケイ酸アルカリに
加えるのがよく、一方酸に安定な固体粒子、例えば非晶
質シリカは鉱酸に加えるのがよい。
【0052】固体粒子(SP)は、ケイ酸アルカリ中の
シリカ(SiO2 )基準で、SiO2 :SP=95:5
乃至55:45、特に85:15乃至70:30の重量
比となる量で用いるのがよい。
【0053】また、固体粒子を分散させたケイ酸アルカ
リ溶液或いは鉱酸は、20センチポイズ以下の粘度を有
するべきであり、上記粘度に維持することにより、ケイ
酸アルカリと鉱酸との混合を極めて短時間の内にしかも
均一に行うことができる。
【0054】この方法では、このように製造した、少な
くとも一方に固体粒子が添加されたケイ酸アルカリと鉱
酸とを二流体ノズルに供給し、両者を瞬時に混合してゾ
ルを形成させ、次いで気体媒体中に放出してゲル化させ
る。
【0055】二流体ノズルに対するケイ酸アルカリ及び
鉱酸の供給比率は、混合時のpHが6乃至11となるよ
うなものであるのがよく、また流量の比率は、種々変化
させうるが、一般に70:30乃至50:50の範囲に
あるのが望ましい。
【0056】二流体ノズルとしては、内筒部と外筒部と
を備え、内筒部の先に混合部及び混合部の先に吐出口が
あるノズルが使用され、内筒部に一方の流体を供給し、
内筒部と外筒部との間の環状部に他方の流体の通路があ
るものが適している。内筒部及び環状部に流体を供給す
るには、その接線方向に流体を導入して、旋回流を生じ
させることが瞬時の混合を可能にする上で好ましく、両
者の旋回方向が互いに逆向きであることが最も好まし
い。一般に必要でないが、特公昭48−13834号公
報に記載されているように旋回流発生用の案内羽根を設
けることもできる。
【0057】二流体ノズルから吐出されるシリカゾル
は、気体媒体中で液滴の形に保たれながらゲル化し、球
状のシリカヒドロゲルとなる。ノズルからのヒドロゾル
の吐出は、任意の方向に行ってよく、例えば円錐状に下
向きに行ってもよく、また上向き或いは横向きに行って
もよい。
【0058】シリカヒドロゲルの落下方向には、水性媒
体を収容したシリカヒドロゲルの受け貯槽を設けるのが
よい。この受け貯槽では、シリカヒドロゲルの熟成或い
は脱アルカリ等を行わせることが好ましい。
【0059】一般に、受け貯槽に希アルカリ水溶液を張
り込んでおくと、シリカヒドロゲルを破砕することなく
回収できると共に、これを熟成することによって、性能
及び形状の安定したシリカゲルを得ることができる。熟
成処理は、40乃至15℃の温度で4乃至16時間程度
が適当である。
【0060】熟成処理を終えたシリカヒドロゲルは、ゲ
ル中に残留するアルカリ分を除くために、酸処理による
脱アルカリ処理に付するのがよい。この脱アルカリ処理
は、pH1乃至3.5の酸水溶液を使用して、40乃至
15℃の温度で8乃至24時間程度の処理が適当であ
る。
【0061】これらの処理を終えたシリカゲルは洗浄処
理に付する。洗浄処理は、流水を使用して、pHが7.
5±0.1の範囲にあり、且つ伝導度が50mSの範囲
となるようにするのがよい。
【0062】得られたシリカヒドロゲルはそのまま、周
期律表第II族金属成分との反応に用いることができ、ま
たこれを乾燥して、シリカのキセロゲルとして反応に用
いることもできる。
【0063】(3)ケイ酸塩の製造 ケイ酸塩の製造に用いる周期律表第II族金属成分として
は、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチ
ュウム等のアルカリ土類金属や亜鉛を挙げることがで
き、これらの金属成分は酸化物、水酸化物或いは水溶性
塩の形で使用される。
【0064】これらの周期律表第II族金属成分は、一般
にケイ酸塩の形で粒子表面或いは更に粒子の細孔内に存
在するが、その一部が酸化物、水酸化物或いは炭酸塩の
形で存在していても差し支えない。
【0065】非晶質シリカ粒子を、前述した金属成分で
処理するには種々の方法が採用される。例えば、非晶質
シリカ球状粒子の水性スラリーを調製し、この水性スラ
リー中に、石灰乳や水酸化マグネシウムの如き周期律表
第II族金属の水酸化物の水溶液乃至水性スラリーを注加
し、該水酸化物を非晶質シリカ粒子の表面に沈着乃至反
応させる。非晶質シリカ粒子の水性スラリーとしては、
濃度5乃至25%のスラリーを用いるのがよい。水酸化
物を粒子表面に沈着乃至反応させるには、一般に10乃
至100℃の温度で、1乃至10時間の攪拌処理を行う
のがよい。反応物を濾過し、必要により水洗し、乾燥乃
至焼成することにより所望とする多孔質球状ケイ酸塩粒
子が得られる。乾燥乃至焼成は、一般に80乃至600
℃の温度で、30分乃至30時間程度行うのがよい。
【0066】別法として、周期律表第II族金属の水溶性
塩類、例えば塩化物、硝酸塩、硫酸塩等の水溶液を前述
した非晶質シリカ粒子の水性スラリーに添加し、必要に
より、水酸化アルカリを加えて中和することにより、多
孔質球状ケイ酸塩粒子を製造することもできる。
【0067】周期律表第II族金属成分は、酸化物基準
で、前述した重量比で使用されるが、10重量%以下で
は、X線回折学的に非晶質であり、10重量%を越える
と、X線回折学的に微細層状結晶となる傾向がある。ま
た、周期律表第II族金属の添加量(反応量)と比表面積
との間にも一定の関係があり、前述し重量比も内でも、
比較的低い量や比較的高い量では、比表面積が増大し、
中程度の量では、比表面積が低下する傾向がある。
【0068】「インクジェット記録紙」本発明によれ
ば、上述した多孔質球状ケイ酸塩粒子を、紙等の基体の
表面に設けるか、或いは紙中に内填してインクジェット
用記録要素とする。多孔質球状ケイ酸塩粒子は、全体当
たり0.5乃至40重量%、特に3乃至20重量%で用
いるのがよい。
【0069】紙等の基体表面にこの填剤のコート層を設
けるには、前記填剤を5乃至40重量%、特に10乃至
25重量%、及び必要により結着剤を1乃至15重量
%、特に2乃至10重量%含む水性スラリーを製造し、
填剤が3乃至20g/m2 、特に5乃至15g/m2
なるような塗工量で塗布し、乾燥する。
【0070】結着剤としては、水性系結着剤が有利であ
り、例えばカルボキシメチルセルローズ、エチルセルロ
ーズ、ヒドロキシエチルセルローズ、澱粉、カルボキシ
メチル澱粉、シアノエチル化澱粉、カゼイン、アラビア
ゴム、トラガントゴム、デキストリン、ポリビニルアル
コール、ビニルエーテル/マレイン酸共重合体、ポリビ
ニルピロリドン、水溶性アクリル樹脂等の水溶性結着
剤;自己乳化型アクリル樹脂等の自己乳化型結着剤;ス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックス等の水性ラテッ
クス系結着剤等が使用される。
【0071】また、前記填剤を紙中に内填するには、抄
紙用スラリーに前記填剤を配合して、紙繊維中に繊維重
量当り1乃至20重量%、特に2乃至10重量%の填剤
が抄き込まれるようにすればよい。
【0072】本発明において、多孔質球状ケイ酸塩粒子
は単独でインクジェット記録用填剤として使用し得る他
に、それ自体公知の他の填剤、例えばカオリン、通常の
シリカ、炭酸カルシウム等と組合せて使用することもで
きる。
【0073】
【実施例】本発明を次の例を参照しつつ更に説明する。
【0074】実施例1〜2 300リットルのステンレス製容器に市販3号ケイ酸ソ
ーダ(SiO2 27.8%、Na2 O 9%、SiO
2 /Na2 O=3.19)を50.4kg(全液量中の
SiO2 濃度として7%)と水83.9kg加えた後、
攪拌しながらカルボキシメチルセルロース(エーテル化
度1.34、1重量%粘度230cp)の粉末1.2k
g(水分8%)加え十分分散後30℃に調整する。次い
で、攪拌下に予め30℃に調整した5%硫酸64.5k
gをゆっくり注加し、注加終了後攪拌を止めてその温度
で12時間静置して本発明の前駆体である球状シリカ粒
子を析出させた。次にこのゲル状の球状のシリカ粒子の
スラリーに、濃度14%の硫酸を33kg加え、攪拌下
に1時間脱Na処理を行った。(このときのpHは3.
4であった) 次ぎにこのスラリーを濾過・水洗して粒
径約6μmの多孔質複合化用前駆体シリカ球状粒子の含
水ケーキを得た。(試料1ー0) 次にこの含水ケーキの固形分が10%に成るように希釈
後解砕したスラリー3Kgを5Lのステンレス製ビーカ
ーに入れ、MgO換算で5%(実施例1)、12.5%
(実施例2)に相当する水酸化マグネシウム粉末(神島
化学製#200)を加え、十分分散後、撹拌下温浴中で
98℃まで加熱昇温し、その温度で8時間処理し、その
後濾過・水洗して110℃の恒温乾燥器で一夜乾燥し
た。乾燥したブロック状物をサンプルミルで粉砕し、球
状の多孔質ケイ酸マグネシウム粉末を得た。これらの粉
末性状について表1に示し、実施例2の粒子の走査型電
子顕微鏡写真を図1、X線回折図を図2に示した。性状
の測定は以下方法で行った。 試験法 (1)粒度 コールターカウンター(コールターエレクトロニクス社
製TA−11)法によりアパチャーチューブ50μmを
用いて測定した。 (2)SEMによる粒径 走査型電子顕微鏡(日立製S−570)で得られた写真
像から、代表的な粒子20個を選んで、スケールを用い
て粒子像の直径を測定しその平均値を一次粒子径として
示した。 (3)真球度 走査型電子顕微鏡(日立製S−570)で得られた写真
像から、代表的な粒子20個を選んで、スケールを用い
て粒子像の長径と短径を測定し以下の式(3)からその
平均値を求めた。 真球度=短径(Ds )/長径(Dl )×100 (4)屈折率 予めアッベの屈折率計を用いて、屈折率既知の溶媒(α
−プロムナフタレン、ケロシン)を調製する。次いでL
arsenの油浸法に従って、試料粉末数mgをスライ
ドガラスの上に採り、屈折率既知の溶媒1滴加えて、カ
バーグラスをかけ、光学顕微鏡でベッケ線の移動を観察
して求める。 (5)比表面積、細孔容積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1800を使用し、BET法により測定した。 (6)化学組成 JIS M−8852 ケイ石分析法に準拠して測定
し、必要によっては原子吸光法を用いて測定した。 (7) 吸油量 顔料試験方法のJIS K5101−21に基づき、吸
油量を求めた。 (8)pH値 顔料試験方法のJIS K5101−26(3)(3.
1)に準拠して測定した。 (9)固体酸量 測定はハメット指示薬を用いるn−ブチルアミン滴定法
[参考文献:「触媒」Vol.11,No.6,p.21
0ー216(1969)]により、pKaー3.0〜+
4.8の総固体酸量を測定した。
【0075】実施例3〜4 実施例1でCMCの量を0.9kgとし全重量が同量に
成るように水で調整し、さらに液温を10℃にした以外
は実施例1と同様にして粒径約12μmの多孔質複合化
前駆体シリカ球状粒子の含水ケーキを得た。(試料2ー
0)次ぎに実施例1と同様にMgO換算で5%(実施例
3)、12.5%(実施例4)になるように水酸化マグ
ネシウム複合化処理を行い、球状の多孔質ケイ酸マグネ
シウム粉末を得た。これらの粉末性状について表1に示
した。
【0076】実施例5 5Lのビーカーに実施例1で調製した10%シリカスラ
リーを3Kg秤り取り、撹拌下ZnOとして5%に相当
する試薬硝酸亜鉛(和光純薬製Zn(NO3 )・6H2
O)を少量づつ加え、溶解する。次に28%アンモニア
水を少量ずつ加え、pHを9.2〜9.5に調節後、温
浴中で98℃まで加熱昇温し、その温度で8時間処理
し、以後実施例1と同様に調製し、球状の多孔質ケイ酸
亜鉛粉末を得た。これらの粉末性状について表1に示し
た。
【0077】実施例6 5Lのビーカーに実施例2で調製した10%シリカスラ
リーを3Kg秤り取り、撹拌下CaOとして2%に相当
する試薬塩化カルシウム(和光純薬製CaCl2 ・2H
2 O)を少量づつ加え、溶解する。次に28%アンモニ
ア水を少量ずつ加え、pHを10.0〜10.5に調節
後、温浴中で98℃まで加熱昇温し、その温度で8時間
処理し、以後実施例1と同様に調製し、球状の多孔質ケ
イ酸カルシウム粉末を得た。これらの粉末性状について
表1に示した。
【0078】比較例1〜3 市販不定形状シリカとしてサイロイド#620(比較例
1)、ミズカシルPー78D(比較例2)、カープレッ
クス#100(比較例3)について比較した。
【0079】試験例 表2に示した試料10g(110℃乾燥基準)に結着剤
としてポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA1
17)15%水溶液25gを加え、さらに水を加えて全
量60gとなし、撹拌機で十分に撹拌分散し、塗液を調
製した。この塗液を、坪量45g/m2原紙(=PPC
用紙使用)に塗被量が約10g/m2 になるように塗布
した記録用塗被紙を得た。この塗被紙を風乾し、さらに
60℃で24時間乾燥後ベック平滑度を測定した。結果
を表2に示した。更に乾燥した紙をカレンダー処理後キ
ャノンカラープリンターBJ500を用いてテストパタ
ーンのハードコピーを得た。このテストピースを用いて
以下のテストを行った。結果について表2にまとめて示
した。 (10)ベック平滑度 試験例で得られた紙の平滑度をJIS P−8119に
準拠して測定した。 (11)退色性試験 試験例で得られた試験紙(ハードコピー)のブラック
(IN−0011)、マゼンタ(IN−0012)、シ
アン(IN−0013)イエロー(IN−0014)の
4つの色相についてミノルタ色彩色差計で2ヶ月間暴露
前後の濃度を測定し比較した。 (12)粘度試験 500mlのビーカーに250mlの純水を秤取り、撹
拌下粉末を分散させながら加えて行き、B型粘度計で測
定し100cpに到達する濃度(無水物換算)を測定し
粘度試験とした。 (13)黄変性 試験例で塗布した紙を2ヶ月間暴露試験後デジタルカラ
ーメーターによりL,a、b値(初期発色値は1、暴露
試験後の発色値は2)を測定し以下の式でΔEを求め比
較した。 ΔE={(L2-L1)2+(a2-a1)2(b2-b1)21/2
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】本発明によると、周期律表第II族金属成
分を特定の量比で含有し、X線回折学的に非晶質乃至微
細層状結晶の多孔質球状ケイ酸塩粒子を用いることによ
り、インク像の耐変色性、紙の耐黄変性及び平滑性に優
れており、しかも高濃度での塗工が可能であるインクジ
ェット記録用填剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる非晶質多孔質球状ケイ酸塩粒子
のX線回折像である。
【図2】本発明に用いる微細層状結晶の多孔質球状ケイ
酸塩粒子のX線回折像である。
【図3】ケイ酸塩の製造原料として用いた非晶質多孔質
球状ケイ酸粒子のX線回折像でる。
【図4】本発明に用いる非晶質多孔質球状ケイ酸塩粒子
(図1のX線回折像のもの)の粒子構造を示す電子顕微
鏡写真である。
【図5】本発明に用いる微細層状結晶の多孔質球状ケイ
酸塩粒子(図2のX線回折像のもの)の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真である。
【図6】ケイ酸塩の製造原料として用いた非晶質多孔質
球状ケイ酸粒子(図3のX線回折像のもの)の粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出村 満 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物基準の重量比で表してSiO2
    MO=99.5:0.5乃至70:30の組成(式中M
    は周期律表第II族金属を表す)のケイ酸塩から成り、前
    記ケイ酸塩は、X線回折学的に非晶質乃至微細層状結晶
    であり、個々の粒子が独立した明確な球状粒子であっ
    て、該粒子の長径(DL )及び短径(DS )の比(DS
    /DL )で表される真球度が0.8乃至1.0の範囲に
    あり、且つ電子顕微鏡で測定した粒径が0.3乃至20
    μmの範囲にある多孔質球状ケイ酸塩粒子から成ること
    を特徴とするインクジェット記録用填剤。
  2. 【請求項2】 BET法による比表面積が50乃至45
    0m2 /gであり、細孔容積が0.5乃至1.5ml/
    gであり且つ平均細孔半径が20乃至60オングストロ
    ームである多孔質球状ケイ酸塩粒子から成る請求項1記
    載のインクジェット記録用填剤。
  3. 【請求項3】 多孔質球状ケイ酸塩粒子が150ml/
    g以上の吸油量を有する請求項1または2記載のインク
    ジェット記録用填剤。
  4. 【請求項4】 多孔質球状ケイ酸塩粒子が1.45乃至
    1.56の屈折率を有する請求項1乃至3の何れかに記
    載のインクジェット記録用填剤。
  5. 【請求項5】 多孔質球状ケイ酸塩粒子は、酸強度函数
    H0 が−3.0を越えて+3.3迄の範囲で0.1ミリ
    モル/g以上の酸量を有する請求項1乃至4の何れかに
    記載のインクジェット記録用填剤。
  6. 【請求項6】 多孔質球状ケイ酸塩粒子は6乃至11の
    水分散液pHを有するものである請求項1乃至5の何れ
    かに記載のインクジェット記録用填剤。
  7. 【請求項7】 多孔質球状ケイ酸塩粒子が、凝集成長法
    で得られた非晶質シリカ球状粒子に、周期律表第II族金
    属の酸化物、水酸化物、或いは水溶性塩を作用させるこ
    とにより得られたものである請求項1乃至6の何れかに
    記載のインクジェット記録用填剤。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載のインク
    ジェット記録用填剤を含有することを特徴とするインク
    ジェット記録紙。
  9. 【請求項9】 インクジェット記録用填剤を全体当たり
    0.5乃至40重量%含有する請求項8記載のインクジ
    ェット記録用填紙。
  10. 【請求項10】 カレンダー処理していない状態で測定
    して、ベック平滑度が50秒以上である請求項8または
    9記載のインクジェット記録用填紙。
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