JPH09308156A - 小型モータ - Google Patents
小型モータInfo
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- JPH09308156A JPH09308156A JP13964496A JP13964496A JPH09308156A JP H09308156 A JPH09308156 A JP H09308156A JP 13964496 A JP13964496 A JP 13964496A JP 13964496 A JP13964496 A JP 13964496A JP H09308156 A JPH09308156 A JP H09308156A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- motor
- casing
- commutator
- armature
- winding
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- Rear-View Mirror Devices That Are Mounted On The Exterior Of The Vehicle (AREA)
- Windings For Motors And Generators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 カーボンブラシを有する小型モータを電動ミ
ラーの駆動に用いた場合、モータ回転時の騒音が大き
く、またモータ寿命が必要以上に長くなって無駄が発生
していた。 【解決手段】 ケーシングの内周面に取付けられた永久
磁石と、前記ケーシングの内部に設けられて回転自在に
支持されるとともに電機子及び整流子を有する回転子
と、前記ケーシングに取付けられて前記整流子と摺動係
合する金属製の板ブラシとを備えたモータ10であり、
このモータ10の電機子巻線のターン数及び巻線抵抗値
をカーボンブラシ型モータのターン数及び巻線抵抗値と
ほぼ同一にし、自動車のバッテリー30から供給される
電流によりモータ10を回転して自動車用電動ミラー3
1を駆動する。
ラーの駆動に用いた場合、モータ回転時の騒音が大き
く、またモータ寿命が必要以上に長くなって無駄が発生
していた。 【解決手段】 ケーシングの内周面に取付けられた永久
磁石と、前記ケーシングの内部に設けられて回転自在に
支持されるとともに電機子及び整流子を有する回転子
と、前記ケーシングに取付けられて前記整流子と摺動係
合する金属製の板ブラシとを備えたモータ10であり、
このモータ10の電機子巻線のターン数及び巻線抵抗値
をカーボンブラシ型モータのターン数及び巻線抵抗値と
ほぼ同一にし、自動車のバッテリー30から供給される
電流によりモータ10を回転して自動車用電動ミラー3
1を駆動する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型モータに係り、
特に、電動ミラーなど自動車用電装機器(以下、電装機
器と記載)に使用される小型モータに関する。
特に、電動ミラーなど自動車用電装機器(以下、電装機
器と記載)に使用される小型モータに関する。
【0002】
【従来の技術】小型モータは、前記電装機器に従来から
広く使用されており、モータ騒音や回転変動の低下,及
びモータ部品やモータ生産設備の共通化が求められてい
る。小型モータは、ケーシングの内周面に永久磁石を取
付け、その内方に回転子を配設している。回転子の回転
軸は、ケーシングに取付けられた軸受部により回転自在
に支持されている。回転子の整流子とケーシングに取付
けられたブラシとが摺動係合している。
広く使用されており、モータ騒音や回転変動の低下,及
びモータ部品やモータ生産設備の共通化が求められてい
る。小型モータは、ケーシングの内周面に永久磁石を取
付け、その内方に回転子を配設している。回転子の回転
軸は、ケーシングに取付けられた軸受部により回転自在
に支持されている。回転子の整流子とケーシングに取付
けられたブラシとが摺動係合している。
【0003】前記ブラシには、銅系金属又は銀系金属な
ど金属製の板ブラシと、カーボンブラシとがある。特公
昭59−18944号公報及び特開昭63−24944
7号公報には、カーボンブラシを有する小型モータ(以
下、カーボンブラシ型モータと記載)が開示されてい
る。
ど金属製の板ブラシと、カーボンブラシとがある。特公
昭59−18944号公報及び特開昭63−24944
7号公報には、カーボンブラシを有する小型モータ(以
下、カーボンブラシ型モータと記載)が開示されてい
る。
【0004】図16は、カーボンブラシ型モータの片側
を断面で示す正面図、図17は図16に示すモータの蓋
部材の内部構造図である。図示するように、このタイプ
の小型モータ1では、回転子2の整流子3と、ケーシン
グ4の蓋部材5に取付けられたカーボンブラシ6とが接
触して摺動している。
を断面で示す正面図、図17は図16に示すモータの蓋
部材の内部構造図である。図示するように、このタイプ
の小型モータ1では、回転子2の整流子3と、ケーシン
グ4の蓋部材5に取付けられたカーボンブラシ6とが接
触して摺動している。
【0005】カーボンブラシ型モータの場合には、カー
ボンブラシ自体が潤滑性を有しているので、摺動部にグ
リースなど潤滑剤は使用されていない。カーボンブラシ
型モータの使用電圧は約3V乃至30Vの範囲である
が、このモータを電装機器に使用する時は自動車のバッ
テリーを電源にするので、モータは通常12V乃至13
Vの電圧で使用されることが多い。
ボンブラシ自体が潤滑性を有しているので、摺動部にグ
リースなど潤滑剤は使用されていない。カーボンブラシ
型モータの使用電圧は約3V乃至30Vの範囲である
が、このモータを電装機器に使用する時は自動車のバッ
テリーを電源にするので、モータは通常12V乃至13
Vの電圧で使用されることが多い。
【0006】このように、カーボンブラシ型モータは、
比較的高電圧で使用することができるので、高出力が得
られる。したがって、このモータは、ドアロック機構の
アクチュエータ,ウォッシャーポンプ,及び電動ミラー
の鏡面角度調整部や電動格納部等の電装機器に従来から
使用されている。また、カーボンブラシの寿命が長いの
で、使用頻度が多くモータの長寿命化が要求されるドア
ロック機構やミラーの電動格納部等には、カーボンブラ
シ型モータが多く使用される。
比較的高電圧で使用することができるので、高出力が得
られる。したがって、このモータは、ドアロック機構の
アクチュエータ,ウォッシャーポンプ,及び電動ミラー
の鏡面角度調整部や電動格納部等の電装機器に従来から
使用されている。また、カーボンブラシの寿命が長いの
で、使用頻度が多くモータの長寿命化が要求されるドア
ロック機構やミラーの電動格納部等には、カーボンブラ
シ型モータが多く使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、電動ミ
ラーの鏡面調整部の場合には、モータを駆動させる頻度
が極めて少なく、且つカーボンブラシ自体には例えば2
00乃至300時間の耐久性がある。その結果、電動ミ
ラーにカーボンブラシ型モータを使用した場合には、他
の電装機器に使用されたモータと比べてカーボンブラシ
の摩耗が著しく少ないので、必要以上の過剰なモータ寿
命になって無駄が発生していた。また、カーボンブラシ
は板ブラシと比べて高価なので、カーボンブラシ型モー
タが使用された電動ミラーのコストアップの要因にもな
っていた。
ラーの鏡面調整部の場合には、モータを駆動させる頻度
が極めて少なく、且つカーボンブラシ自体には例えば2
00乃至300時間の耐久性がある。その結果、電動ミ
ラーにカーボンブラシ型モータを使用した場合には、他
の電装機器に使用されたモータと比べてカーボンブラシ
の摩耗が著しく少ないので、必要以上の過剰なモータ寿
命になって無駄が発生していた。また、カーボンブラシ
は板ブラシと比べて高価なので、カーボンブラシ型モー
タが使用された電動ミラーのコストアップの要因にもな
っていた。
【0008】ところで、回転子2の電機子7に巻回され
る電機子巻線8の抵抗値(巻線抵抗)を例えば12Ω乃
至76Ωに設定し、自動車のバッテリーを電源にする電
装機器用の高電圧モータとしては、前記カーボンブラシ
型モータを使用するのが従来からの一般的な設計思想で
あった。そのため、上述の課題があるにも拘らず、モー
タの使用頻度の少ない電動ミラーにカーボンブラシ以外
のブラシを有する小型モータを使用するという発想は従
来はなかった。そして、他の電装機器と同様に電動ミラ
ーにもカーボンブラシ型モータがそのまま使用されてい
た。
る電機子巻線8の抵抗値(巻線抵抗)を例えば12Ω乃
至76Ωに設定し、自動車のバッテリーを電源にする電
装機器用の高電圧モータとしては、前記カーボンブラシ
型モータを使用するのが従来からの一般的な設計思想で
あった。そのため、上述の課題があるにも拘らず、モー
タの使用頻度の少ない電動ミラーにカーボンブラシ以外
のブラシを有する小型モータを使用するという発想は従
来はなかった。そして、他の電装機器と同様に電動ミラ
ーにもカーボンブラシ型モータがそのまま使用されてい
た。
【0009】しかしながら、カーボンブラシ型モータの
場合には、ブラシ圧が例えば1,500乃至2,500
〔Pa(パスカル)〕と高く設定されていることやその
他の原因で、モータ回転時の騒音(機械ノイズ)が大き
くなり、好ましくない耳障りな金属音が発生する。近年
は、電装機器の低騒音化,静粛化が望まれているが、カ
ーボンブラシ型モータを使用している限りは、電動ミラ
ーのモータ騒音を低下させるのが困難であった。特に、
電動ミラーの内部空間で音の反響や共振が起こって、モ
ータ騒音が増幅されることもあった。また、カーボンブ
ラシ型モータの場合には、整流子とカーボンブラシの構
造が複雑になるので、モータの製造に手間と時間が掛か
り、モータのコストアップの要因になっていた。
場合には、ブラシ圧が例えば1,500乃至2,500
〔Pa(パスカル)〕と高く設定されていることやその
他の原因で、モータ回転時の騒音(機械ノイズ)が大き
くなり、好ましくない耳障りな金属音が発生する。近年
は、電装機器の低騒音化,静粛化が望まれているが、カ
ーボンブラシ型モータを使用している限りは、電動ミラ
ーのモータ騒音を低下させるのが困難であった。特に、
電動ミラーの内部空間で音の反響や共振が起こって、モ
ータ騒音が増幅されることもあった。また、カーボンブ
ラシ型モータの場合には、整流子とカーボンブラシの構
造が複雑になるので、モータの製造に手間と時間が掛か
り、モータのコストアップの要因になっていた。
【0010】一方、金属製の板ブラシを有する小型モー
タ(以下、板ブラシ型モータと記載)については、特公
昭62−20782号公報及び実公昭62−41573
号公報等に開示されている。このタイプのモータのう
ち、銀系金属製の板ブラシを有する小型モータは、CD
プレーヤなど音響・映像機器や、小型カメラなど精密機
器に使用されることが多い。一方、銅系金属製の板ブラ
シを有する小型モータは、安価なこともあって玩具やプ
ラスチック製の模型等に数多く使用されている。
タ(以下、板ブラシ型モータと記載)については、特公
昭62−20782号公報及び実公昭62−41573
号公報等に開示されている。このタイプのモータのう
ち、銀系金属製の板ブラシを有する小型モータは、CD
プレーヤなど音響・映像機器や、小型カメラなど精密機
器に使用されることが多い。一方、銅系金属製の板ブラ
シを有する小型モータは、安価なこともあって玩具やプ
ラスチック製の模型等に数多く使用されている。
【0011】板ブラシ型モータのブラシ圧はカーボンブ
ラシ型モータより低く、例えば約700乃至約1,50
0Paである。また、このタイプのモータは、通常は乾
電池を電源にするので、例えば1.2V乃至6V程度の
低電圧で使用され、モータの巻線抵抗はほぼ11Ω以下
になっている。即ち、玩具等では、必要な乾電池の本数
を少なくして玩具全体のコストをできるだけ下げる必要
があるので、従来は、板ブラシ型モータの巻線抵抗を増
やして電圧を上げる必要性はなかった。そのため、今ま
では、この板ブラシ型モータを電装機器に搭載して自動
車のバッテリーを電源にして回転させるという発想と試
みはなされていなかった。
ラシ型モータより低く、例えば約700乃至約1,50
0Paである。また、このタイプのモータは、通常は乾
電池を電源にするので、例えば1.2V乃至6V程度の
低電圧で使用され、モータの巻線抵抗はほぼ11Ω以下
になっている。即ち、玩具等では、必要な乾電池の本数
を少なくして玩具全体のコストをできるだけ下げる必要
があるので、従来は、板ブラシ型モータの巻線抵抗を増
やして電圧を上げる必要性はなかった。そのため、今ま
では、この板ブラシ型モータを電装機器に搭載して自動
車のバッテリーを電源にして回転させるという発想と試
みはなされていなかった。
【0012】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、モータ回転時の騒音と回転変動を小さく
でき、また、既存の板ブラシ型モータとモータ部品の共
通化をして既存のモータ生産設備をそのまま使用するこ
とができると同時に安価な小型モータを提供することを
目的とする。
されたもので、モータ回転時の騒音と回転変動を小さく
でき、また、既存の板ブラシ型モータとモータ部品の共
通化をして既存のモータ生産設備をそのまま使用するこ
とができると同時に安価な小型モータを提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係る小型モータは、ケーシングの内周面に
取付けられた永久磁石と、前記ケーシングの内部に設け
られて回転自在に支持されるとともに電機子及び整流子
を有する回転子と、前記ケーシングに取付けられて前記
整流子と摺動係合する金属製の板ブラシとを有する小型
モータであって、前記回転子の前記電機子に巻回される
電機子巻線のターン数を一つの極当たり約310乃至約
1,000にすることにより、前記巻線の抵抗値を約1
2Ω乃至約200Ωにした。
め、本発明に係る小型モータは、ケーシングの内周面に
取付けられた永久磁石と、前記ケーシングの内部に設け
られて回転自在に支持されるとともに電機子及び整流子
を有する回転子と、前記ケーシングに取付けられて前記
整流子と摺動係合する金属製の板ブラシとを有する小型
モータであって、前記回転子の前記電機子に巻回される
電機子巻線のターン数を一つの極当たり約310乃至約
1,000にすることにより、前記巻線の抵抗値を約1
2Ω乃至約200Ωにした。
【0014】なお、前記電機子巻線の前記ターン数を、
一つの極当たり約310乃至約750にすることによ
り、前記巻線抵抗値を約12Ω乃至約76Ωにするのが
好ましい。
一つの極当たり約310乃至約750にすることによ
り、前記巻線抵抗値を約12Ω乃至約76Ωにするのが
好ましい。
【0015】例えば、本発明の小型モータは、ケーシン
グの内周面に取付けられた永久磁石と、前記ケーシング
の内部に設けられて回転自在に支持されるとともに電機
子及び整流子を有する回転子と、前記ケーシングに取付
けられて前記整流子と摺動係合する金属製の板ブラシと
を備え、電機子巻線のターン数及び巻線抵抗値をカーボ
ンブラシ型モータのターン数及び巻線抵抗値とほぼ同一
にし、自動車のバッテリーから供給される電流により回
転して前記自動車の電装機器を駆動する。なお、本発明
のモータが搭載される前記電装機器は、自動車用電動ミ
ラーであることが好ましい。
グの内周面に取付けられた永久磁石と、前記ケーシング
の内部に設けられて回転自在に支持されるとともに電機
子及び整流子を有する回転子と、前記ケーシングに取付
けられて前記整流子と摺動係合する金属製の板ブラシと
を備え、電機子巻線のターン数及び巻線抵抗値をカーボ
ンブラシ型モータのターン数及び巻線抵抗値とほぼ同一
にし、自動車のバッテリーから供給される電流により回
転して前記自動車の電装機器を駆動する。なお、本発明
のモータが搭載される前記電装機器は、自動車用電動ミ
ラーであることが好ましい。
【0016】一つの好ましい具体的な態様として、本発
明のモータは、自動車のバッテリーから供給される電流
により回転し、自動車用電動ミラーの鏡面の角度調整を
行う角度調整装置を駆動する小型モータであって、ケー
シングの内周面に取付けられた永久磁石と、前記ケーシ
ングの内部に設けられて回転自在に支持されるとともに
電機子及び整流子を有する回転子と、前記ケーシングに
取付けられて潤滑剤を介して前記整流子と摺動係合する
金属製の板ブラシとを備え、前記回転子の前記電機子に
巻回される電機子巻線のターン数を一つの極当たり約3
10乃至約750にすることにより前記巻線の抵抗値を
約12Ω乃至約76Ωにしている。
明のモータは、自動車のバッテリーから供給される電流
により回転し、自動車用電動ミラーの鏡面の角度調整を
行う角度調整装置を駆動する小型モータであって、ケー
シングの内周面に取付けられた永久磁石と、前記ケーシ
ングの内部に設けられて回転自在に支持されるとともに
電機子及び整流子を有する回転子と、前記ケーシングに
取付けられて潤滑剤を介して前記整流子と摺動係合する
金属製の板ブラシとを備え、前記回転子の前記電機子に
巻回される電機子巻線のターン数を一つの極当たり約3
10乃至約750にすることにより前記巻線の抵抗値を
約12Ω乃至約76Ωにしている。
【0017】なお、好ましくは、前記整流子及び前記板
ブラシは銅系金属製であり、前記整流子と前記板ブラシ
との間の摺動部はグリースにより潤滑されている。ま
た、本発明のモータを自動車用電動ミラーの鏡面の角度
調整を行う角度調整装置を駆動するのに使用する場合に
は、電機子巻線のターン数を一つの極当たり約500乃
至約600にすることにより、前記巻線の抵抗値を約4
0Ω乃至約50Ωにするのが好ましい。
ブラシは銅系金属製であり、前記整流子と前記板ブラシ
との間の摺動部はグリースにより潤滑されている。ま
た、本発明のモータを自動車用電動ミラーの鏡面の角度
調整を行う角度調整装置を駆動するのに使用する場合に
は、電機子巻線のターン数を一つの極当たり約500乃
至約600にすることにより、前記巻線の抵抗値を約4
0Ω乃至約50Ωにするのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
の一例を図1乃至図7を参照して説明する。まず最初
に、図1乃至図3に基づいて、本発明に係る小型モータ
の全体の構成を説明する。図1は板ブラシを有する小型
モータ(板ブラシ型モータ)の外観図、図2は図1に示
すモータの片側を断面で示す正面図、図3は図2に示す
モータの蓋部材の内部構造図である。
の一例を図1乃至図7を参照して説明する。まず最初
に、図1乃至図3に基づいて、本発明に係る小型モータ
の全体の構成を説明する。図1は板ブラシを有する小型
モータ(板ブラシ型モータ)の外観図、図2は図1に示
すモータの片側を断面で示す正面図、図3は図2に示す
モータの蓋部材の内部構造図である。
【0019】図1乃至図3に示すように、小型モータ1
0は、内周面に永久磁石11が取付けられたケーシング
12と、ケーシング12の内部に配設された回転子13
とを備えている。回転子13の回転軸14は、ケーシン
グ12に設けられた軸受部15,16により回転自在に
支持されている。ケーシング12は、有底中空筒状に形
成されたハウジング17と、ハウジング17の開口部に
嵌合した蓋部材18とを備えている。ケーシング12に
は、平行面を形成する一対のフラット部19が形成され
ている。ハウジング17は、例えば軟鋼を素材として冷
間圧延鋼板のような金属材料によって形成され、蓋部材
18は、例えば樹脂材料又はその他の絶縁材料によって
形成されている。
0は、内周面に永久磁石11が取付けられたケーシング
12と、ケーシング12の内部に配設された回転子13
とを備えている。回転子13の回転軸14は、ケーシン
グ12に設けられた軸受部15,16により回転自在に
支持されている。ケーシング12は、有底中空筒状に形
成されたハウジング17と、ハウジング17の開口部に
嵌合した蓋部材18とを備えている。ケーシング12に
は、平行面を形成する一対のフラット部19が形成され
ている。ハウジング17は、例えば軟鋼を素材として冷
間圧延鋼板のような金属材料によって形成され、蓋部材
18は、例えば樹脂材料又はその他の絶縁材料によって
形成されている。
【0020】一対の永久磁石11は、ハウジング17の
内周面の円筒状部に固着されて対向配置されており、例
えば、ラバーマグネット,プラスチックマグネット又は
焼結磁石のような磁性材料によって、アークセグメント
状に形成されている。回転子13は、回転中心となる中
心軸の方向に延びる回転軸14と、回転軸14に取付け
られたコア20に電機子巻線21がコイル状に巻回され
た電機子22と、回転軸14に取付けられるとともに電
機子巻線21に電気的に接続された整流子23とを備え
ている。コア20は、永久磁石11の内周面に対して所
定のギャップを介してその内方に配置されている。
内周面の円筒状部に固着されて対向配置されており、例
えば、ラバーマグネット,プラスチックマグネット又は
焼結磁石のような磁性材料によって、アークセグメント
状に形成されている。回転子13は、回転中心となる中
心軸の方向に延びる回転軸14と、回転軸14に取付け
られたコア20に電機子巻線21がコイル状に巻回され
た電機子22と、回転軸14に取付けられるとともに電
機子巻線21に電気的に接続された整流子23とを備え
ている。コア20は、永久磁石11の内周面に対して所
定のギャップを介してその内方に配置されている。
【0021】蓋部材18には、銅又は銅合金など銅系金
属(又は、銀系金属)により形成された複数組(例え
ば、二組)の板ブラシ24が、整流子23と摺動部で摺
動係合して電流を流すように設けられている。整流子2
3の材質も、板ブラシ24と同様に、銅系金属(又は、
銀系金属)により形成されている。また、整流子23の
表面全体にはグリース28が塗布されている。
属(又は、銀系金属)により形成された複数組(例え
ば、二組)の板ブラシ24が、整流子23と摺動部で摺
動係合して電流を流すように設けられている。整流子2
3の材質も、板ブラシ24と同様に、銅系金属(又は、
銀系金属)により形成されている。また、整流子23の
表面全体にはグリース28が塗布されている。
【0022】各板ブラシ24にそれぞれ電気的に接続さ
れた複数(例えば、一対)の入力端子25が蓋部材18
に取付けられている。各入力端子25の各端部26が蓋
部材18から外方に突出して、電源(例えば、自動車の
バッテリー)に接続可能になっている。なお、ブラシ2
4と入力端子25と端部26は全体的に一体物になって
いるが、別体であってもよい。
れた複数(例えば、一対)の入力端子25が蓋部材18
に取付けられている。各入力端子25の各端部26が蓋
部材18から外方に突出して、電源(例えば、自動車の
バッテリー)に接続可能になっている。なお、ブラシ2
4と入力端子25と端部26は全体的に一体物になって
いるが、別体であってもよい。
【0023】本発明のブラシ型モータ10においては、
電機子巻線21のターン数n及び巻線抵抗値Rを、カー
ボンブラシ型モータ1(図16)のターン数及び巻線抵
抗値とほぼ同一にしている。モータ10は、自動車に積
載された鉛蓄電池などバッテリー30から供給される電
流により回転して電装機器を駆動する。モータ10を搭
載する電装機器としては、電動ミラーの鏡面調整部の他
に、例えば、ドアロック機構のアクチュエータ,ウォッ
シャーポンプ,ミラーの電動格納部等がある。例えば、
モータ10においては、回転子13の電機子22に巻回
される電機子巻線21の、一つの極当たりのターン数n
を約310乃至約1,000にすることにより、巻線2
1の抵抗値Rを約12Ω乃至約200Ωにしている。
電機子巻線21のターン数n及び巻線抵抗値Rを、カー
ボンブラシ型モータ1(図16)のターン数及び巻線抵
抗値とほぼ同一にしている。モータ10は、自動車に積
載された鉛蓄電池などバッテリー30から供給される電
流により回転して電装機器を駆動する。モータ10を搭
載する電装機器としては、電動ミラーの鏡面調整部の他
に、例えば、ドアロック機構のアクチュエータ,ウォッ
シャーポンプ,ミラーの電動格納部等がある。例えば、
モータ10においては、回転子13の電機子22に巻回
される電機子巻線21の、一つの極当たりのターン数n
を約310乃至約1,000にすることにより、巻線2
1の抵抗値Rを約12Ω乃至約200Ωにしている。
【0024】図4は、図1のモータ10を有する自動車
用電動ミラーの概略構成図、図5は図4のV−V線概略
矢視図である。図示するように、本実施形態では、電動
ミラー31の鏡面32の角度調整を行う角度調整装置3
3を駆動するのに、バッテリー30を電源とするモータ
10が使用されている。自動車用電動ミラー31は、自
動車の室外に取付けられて、主に車の側方及び後方を確
認するためのアウトサイドミラーである。
用電動ミラーの概略構成図、図5は図4のV−V線概略
矢視図である。図示するように、本実施形態では、電動
ミラー31の鏡面32の角度調整を行う角度調整装置3
3を駆動するのに、バッテリー30を電源とするモータ
10が使用されている。自動車用電動ミラー31は、自
動車の室外に取付けられて、主に車の側方及び後方を確
認するためのアウトサイドミラーである。
【0025】上述のように、電動ミラー31に搭載され
るモータ10は、ケーシング12の内周面に取付けられ
た永久磁石11と、ハウジング17及び蓋部材18によ
り囲まれたケーシング内部27に設けられて回転自在に
支持されるとともに電機子22及び整流子23を有する
回転子13と、ケーシング12に取付けられてグリース
28など潤滑剤を介して整流子23と摺動係合する金属
製の板ブラシ24とを備えている。電機子22において
は、電機子22に巻回される電機子巻線21のターン数
nを、一つの極当たり約310乃至約750(好ましく
は、約500乃至約600)にすることにより、巻線2
1の抵抗値Rを約12Ω乃至約76Ω(好ましくは、約
40Ω乃至約50Ω)にしている。
るモータ10は、ケーシング12の内周面に取付けられ
た永久磁石11と、ハウジング17及び蓋部材18によ
り囲まれたケーシング内部27に設けられて回転自在に
支持されるとともに電機子22及び整流子23を有する
回転子13と、ケーシング12に取付けられてグリース
28など潤滑剤を介して整流子23と摺動係合する金属
製の板ブラシ24とを備えている。電機子22において
は、電機子22に巻回される電機子巻線21のターン数
nを、一つの極当たり約310乃至約750(好ましく
は、約500乃至約600)にすることにより、巻線2
1の抵抗値Rを約12Ω乃至約76Ω(好ましくは、約
40Ω乃至約50Ω)にしている。
【0026】電動ミラー31に設けられた角度調整装置
33は、鏡面32を水平方向(矢印Cの如く動かして水
平方向に),垂直方向(矢印Dの如く動かして垂直方向
に)に約10度乃至約20度の範囲でそれぞれ角度調整
するためのもので、各方向の調整機構にモータ10が一
個ずつ合計二個設けられている。なお、電動ミラーのう
ち格納式電動ミラーの場合には、電動ミラー格納用の駆
動モータが別途必要であるが、この電動ミラー格納用モ
ータに本発明のモータ10を使用することもできる。
33は、鏡面32を水平方向(矢印Cの如く動かして水
平方向に),垂直方向(矢印Dの如く動かして垂直方向
に)に約10度乃至約20度の範囲でそれぞれ角度調整
するためのもので、各方向の調整機構にモータ10が一
個ずつ合計二個設けられている。なお、電動ミラーのう
ち格納式電動ミラーの場合には、電動ミラー格納用の駆
動モータが別途必要であるが、この電動ミラー格納用モ
ータに本発明のモータ10を使用することもできる。
【0027】モータ10の回転軸14の出力部には、ウ
ォームギア34が取付けられている。ウォームギア34
が、ヘリカルギア35に歯合してこのギア35を回転さ
せると、ヘリカルギア35の中心部で歯合する軸状の進
退部材36a,36bが、矢印C,Dに示すように軸方
向にそれぞれ進退移動する。ウォームギア34とヘリカ
ルギア35により減速機構が構成されている。モータ1
0の外部の各ギア34,35,進退部材36a,36b
には、潤滑のためのグリースが塗布されている。
ォームギア34が取付けられている。ウォームギア34
が、ヘリカルギア35に歯合してこのギア35を回転さ
せると、ヘリカルギア35の中心部で歯合する軸状の進
退部材36a,36bが、矢印C,Dに示すように軸方
向にそれぞれ進退移動する。ウォームギア34とヘリカ
ルギア35により減速機構が構成されている。モータ1
0の外部の各ギア34,35,進退部材36a,36b
には、潤滑のためのグリースが塗布されている。
【0028】ところで、従来、電動ミラーにカーボンブ
ラシ型モータを使用した場合も、モータ外部の各ギア及
び進退部材にはグリースが塗布されていた。そのため、
このグリースがモータ内部に侵入することによって、モ
ータのライフや回転に悪影響を及ぼし、モータ性能のト
ラブルが生じる恐れがあった。これに対して、本発明の
モータ10では、整流子23の表面にグリース28を塗
布して板ブラシ24との間の摺動部をグリース28によ
り潤滑しているので、モータ外部のグリースがモータ内
部に多少侵入しても、カーボンブラシ型モータのような
モータ性能のトラブルは生じない。
ラシ型モータを使用した場合も、モータ外部の各ギア及
び進退部材にはグリースが塗布されていた。そのため、
このグリースがモータ内部に侵入することによって、モ
ータのライフや回転に悪影響を及ぼし、モータ性能のト
ラブルが生じる恐れがあった。これに対して、本発明の
モータ10では、整流子23の表面にグリース28を塗
布して板ブラシ24との間の摺動部をグリース28によ
り潤滑しているので、モータ外部のグリースがモータ内
部に多少侵入しても、カーボンブラシ型モータのような
モータ性能のトラブルは生じない。
【0029】進退部材36a,36bの先端部には、ベ
ース部材37が取付けられている。ベース部材37は、
水平方向調整用の進退部材36aと、垂直方向調整用の
進退部材36bと、両方向の角度調整の原点位置である
支点Pの三点で支持されている。したがって、角度調整
装置33により各進退部材36a,36bが進退移動す
ると、ベース部材37と鏡面32は、水平方向,垂直方
向に角度調整される。
ース部材37が取付けられている。ベース部材37は、
水平方向調整用の進退部材36aと、垂直方向調整用の
進退部材36bと、両方向の角度調整の原点位置である
支点Pの三点で支持されている。したがって、角度調整
装置33により各進退部材36a,36bが進退移動す
ると、ベース部材37と鏡面32は、水平方向,垂直方
向に角度調整される。
【0030】各モータ10及び角度調整装置33は、フ
レーム39に取付けられている。金属又はABS樹脂な
どプラスチック材により成型されて一方が開口するハウ
ジング40の内部に、フレーム39が固定されている。
ベース部材37がハウジング40の開口部を覆って、電
動ミラー31の内部空間41を形成しているので、モー
タ10と角度調整装置33は、内部空間41内に収納さ
れる。
レーム39に取付けられている。金属又はABS樹脂な
どプラスチック材により成型されて一方が開口するハウ
ジング40の内部に、フレーム39が固定されている。
ベース部材37がハウジング40の開口部を覆って、電
動ミラー31の内部空間41を形成しているので、モー
タ10と角度調整装置33は、内部空間41内に収納さ
れる。
【0031】バッテリー30から供給される電流は、制
御回路38によりオン,オフ及び正,逆の回転方向の切
り換え制御がなされて、各モータ10に供給される。電
動ミラー31のモータ10において、バッテリー30か
ら、制御回路38,入力端子25,板ブラシ24及び整
流子23を介して電機子巻線21に電流を流せば、一対
の永久磁石11によって形成されている磁界中に存在す
る電機子22に回転力が付与されて、回転子13と回転
軸14は回転運動をする。
御回路38によりオン,オフ及び正,逆の回転方向の切
り換え制御がなされて、各モータ10に供給される。電
動ミラー31のモータ10において、バッテリー30か
ら、制御回路38,入力端子25,板ブラシ24及び整
流子23を介して電機子巻線21に電流を流せば、一対
の永久磁石11によって形成されている磁界中に存在す
る電機子22に回転力が付与されて、回転子13と回転
軸14は回転運動をする。
【0032】電動ミラー31の操作は、運転室内に取付
けられた水平(左右方向),垂直(上下方向)の四方向
スイッチ(図示せず)により行われる。運転者がこのス
イッチを操作すれば、制御回路38を介して電流が各モ
ータ10に供給されてモータ10を回転させる。したが
って、モータ10により角度調整装置33が駆動され
て、1秒間に3度乃至5度の変角スピードで、鏡面32
が無段階に水平,垂直方向に角度調整される。
けられた水平(左右方向),垂直(上下方向)の四方向
スイッチ(図示せず)により行われる。運転者がこのス
イッチを操作すれば、制御回路38を介して電流が各モ
ータ10に供給されてモータ10を回転させる。したが
って、モータ10により角度調整装置33が駆動され
て、1秒間に3度乃至5度の変角スピードで、鏡面32
が無段階に水平,垂直方向に角度調整される。
【0033】図6は本発明の別のタイプの板ブラシ型モ
ータ10aの外観図、図7は図6に示すモータ10aの
蓋部材18aの内部構造図である。図6及び図7に示す
ように、小型モータ10aは、内周面に永久磁石が取付
けられたケーシング12aと、ケーシング12aの内部
に配設された回転子とを備えている。回転子の回転軸1
4aは、ケーシング12aに設けられた軸受部により回
転自在に支持されている。ケーシング12aは、導電性
のハウジング17aと絶縁性の蓋部材18aとを備えて
いる。ハウジング17aと蓋部材18aの材質は、モー
タ10のハウジング17と蓋部材18の材質とそれぞれ
同一である。ケーシング12aには、平行面を形成する
一対のフラット部19aが形成されている。
ータ10aの外観図、図7は図6に示すモータ10aの
蓋部材18aの内部構造図である。図6及び図7に示す
ように、小型モータ10aは、内周面に永久磁石が取付
けられたケーシング12aと、ケーシング12aの内部
に配設された回転子とを備えている。回転子の回転軸1
4aは、ケーシング12aに設けられた軸受部により回
転自在に支持されている。ケーシング12aは、導電性
のハウジング17aと絶縁性の蓋部材18aとを備えて
いる。ハウジング17aと蓋部材18aの材質は、モー
タ10のハウジング17と蓋部材18の材質とそれぞれ
同一である。ケーシング12aには、平行面を形成する
一対のフラット部19aが形成されている。
【0034】蓋部材18aには、外部電源(例えば、自
動車のバッテリー30(図5))から外部端子29を介
して電流が供給される一対の端子接続部29aが設けら
れている。前記電源に接続された電流供給用の外部端子
29は、端子接続部29aに挿脱可能に挿着される。な
お、外部端子29はモータ10aの構成部品ではなく、
モータ10aが取付けられる電動ミラー31(図4,図
5)などアクチュエータ側の部品である。モータ10a
の永久磁石及び回転子の構成は、モータ10の永久磁石
及び回転子13と同一である。したがって、モータ10
aにおける電機子巻線のターン数nと巻線の抵抗値R
も、モータ10の場合と同一である。
動車のバッテリー30(図5))から外部端子29を介
して電流が供給される一対の端子接続部29aが設けら
れている。前記電源に接続された電流供給用の外部端子
29は、端子接続部29aに挿脱可能に挿着される。な
お、外部端子29はモータ10aの構成部品ではなく、
モータ10aが取付けられる電動ミラー31(図4,図
5)などアクチュエータ側の部品である。モータ10a
の永久磁石及び回転子の構成は、モータ10の永久磁石
及び回転子13と同一である。したがって、モータ10
aにおける電機子巻線のターン数nと巻線の抵抗値R
も、モータ10の場合と同一である。
【0035】図7に示すように、蓋部材18aには、銅
又は銅合金など銅系金属(又は、銀系金属)により形成
された複数組(例えば、二組)の板ブラシ24aが、整
流子と摺動部で摺動係合して電流を流すように設けられ
ている。整流子の材質も、板ブラシ24aと同じ銅系金
属(又は、銀系金属)により形成されている。また、整
流子の表面全体にはグリースが塗布されている。
又は銅合金など銅系金属(又は、銀系金属)により形成
された複数組(例えば、二組)の板ブラシ24aが、整
流子と摺動部で摺動係合して電流を流すように設けられ
ている。整流子の材質も、板ブラシ24aと同じ銅系金
属(又は、銀系金属)により形成されている。また、整
流子の表面全体にはグリースが塗布されている。
【0036】蓋部材18aの端子接続部29aには、外
部端子29を挿入するための貫通孔29bが穿設されて
いる。各板ブラシ24aにそれぞれ電気的に接続された
複数(例えば、一対)のブラシアーム25aが、蓋部材
18aの内部に取付けられている。また、蓋部材18a
の内部には、端子接続部29aを構成し且つ湾曲形成さ
れた一対の内部端子25bが設けられている。ブラシ2
4a,ブラシアーム25a及び内部端子25bは、一枚
の銅系金属板(又は、銀系金属板)を折り曲げて形成さ
れているので、全体が一体物で材質も同一であるが、そ
れぞれを別体に形成してもよい。
部端子29を挿入するための貫通孔29bが穿設されて
いる。各板ブラシ24aにそれぞれ電気的に接続された
複数(例えば、一対)のブラシアーム25aが、蓋部材
18aの内部に取付けられている。また、蓋部材18a
の内部には、端子接続部29aを構成し且つ湾曲形成さ
れた一対の内部端子25bが設けられている。ブラシ2
4a,ブラシアーム25a及び内部端子25bは、一枚
の銅系金属板(又は、銀系金属板)を折り曲げて形成さ
れているので、全体が一体物で材質も同一であるが、そ
れぞれを別体に形成してもよい。
【0037】なお、モータ10,10aにおいて、ケー
シング12,12aは、前記フラット部19,19aが
形成されていない断面円形の場合であってもよい。ま
た、板ブラシ24,24aは、全体的に板形状を有する
ブラシであるが、板材をフォーク状に形成したいわゆる
「フォークブラシ」であってもよい。なお、図示するモ
ータ10,10aは3スロット3極構造のモータである
が、3極構造以外のモータであってもよい。
シング12,12aは、前記フラット部19,19aが
形成されていない断面円形の場合であってもよい。ま
た、板ブラシ24,24aは、全体的に板形状を有する
ブラシであるが、板材をフォーク状に形成したいわゆる
「フォークブラシ」であってもよい。なお、図示するモ
ータ10,10aは3スロット3極構造のモータである
が、3極構造以外のモータであってもよい。
【0038】かかる構成のモータ10aを電動ミラー3
1に組み込むと、矢印Eのように、外部端子29が端子
接続部29aの貫通孔29b内に挿入される。すると、
外部端子29は、内部端子25bを弾性変形させて、こ
の内部端子25bに電気的に接続される。これにより、
外部端子29,内部端子25b,ブラシアーム25a及
びブラシ24aが電気的に接続された一対の回路が構成
される。そして、制御回路38を介してバッテリー30
に接続された外部端子29から、前記回路及び整流子を
介して電機子巻線に電流を流す。すると、一対の永久磁
石によって形成されている磁界中に存在する電機子に回
転力が付与されて回転子と回転軸14aは回転運動をす
る。これにより、モータ10aは、電動ミラー31の角
度調整装置33を駆動する。
1に組み込むと、矢印Eのように、外部端子29が端子
接続部29aの貫通孔29b内に挿入される。すると、
外部端子29は、内部端子25bを弾性変形させて、こ
の内部端子25bに電気的に接続される。これにより、
外部端子29,内部端子25b,ブラシアーム25a及
びブラシ24aが電気的に接続された一対の回路が構成
される。そして、制御回路38を介してバッテリー30
に接続された外部端子29から、前記回路及び整流子を
介して電機子巻線に電流を流す。すると、一対の永久磁
石によって形成されている磁界中に存在する電機子に回
転力が付与されて回転子と回転軸14aは回転運動をす
る。これにより、モータ10aは、電動ミラー31の角
度調整装置33を駆動する。
【0039】
【実施例】次に、本発明に係る実施例について図8乃至
図15を参照して説明する。図8乃至図15は実験デー
タを示す図で、図8は板ブラシ型モータにおける電機子
巻線の巻線抵抗(ロータ抵抗)Rとターン数nとの関係
を示すグラフである。図8中、「▲」印は実験における
実測値を示す。図8に示すように、板ブラシ型モータの
場合には、電機子の一つの極当たりの電機子巻線のター
ン数nを増やすと、巻線の抵抗値Rは曲線Bに示すよう
な関係で次第に増加することが分かる。
図15を参照して説明する。図8乃至図15は実験デー
タを示す図で、図8は板ブラシ型モータにおける電機子
巻線の巻線抵抗(ロータ抵抗)Rとターン数nとの関係
を示すグラフである。図8中、「▲」印は実験における
実測値を示す。図8に示すように、板ブラシ型モータの
場合には、電機子の一つの極当たりの電機子巻線のター
ン数nを増やすと、巻線の抵抗値Rは曲線Bに示すよう
な関係で次第に増加することが分かる。
【0040】ところが、既存の板ブラシ型モータは、玩
具やプラスチック製の模型等に設けられて乾電池により
動くので電圧も低い。したがって、ターン数nは300
以下であり、巻線抵抗Rは約0.2Ω乃至約11Ωの範
囲(即ち、巻線抵抗値が符号R1 の範囲)である。これ
に対して、本発明の板ブラシ型モータ10,10aで
は、自動車のバッテリー30から供給される高電圧の電
流により回転して電装機器を駆動できるようにするため
に、ターン数nを一つの極当たり約310乃至約1,0
00にすることにより、巻線の抵抗値Rを約12Ω乃至
約200Ωにした。
具やプラスチック製の模型等に設けられて乾電池により
動くので電圧も低い。したがって、ターン数nは300
以下であり、巻線抵抗Rは約0.2Ω乃至約11Ωの範
囲(即ち、巻線抵抗値が符号R1 の範囲)である。これ
に対して、本発明の板ブラシ型モータ10,10aで
は、自動車のバッテリー30から供給される高電圧の電
流により回転して電装機器を駆動できるようにするため
に、ターン数nを一つの極当たり約310乃至約1,0
00にすることにより、巻線の抵抗値Rを約12Ω乃至
約200Ωにした。
【0041】本発明のモータ10,10aでは、既存の
板ブラシ型モータと同一の構造及び寸法のモータ部品を
用い且つ既存のモータ生産設備をそのまま用い、線径の
細い電機子巻線21を選定して、ターン数nを増やして
コア20に巻き付けた。モータ10,10aの板ブラシ
24,24aのブラシ圧は約700乃至約1,500P
aであり、これは従来の板ブラシ型モータのブラシ圧と
ほぼ同じ値である。整流子23及び板ブラシ24,24
aは銅系金属製であり、整流子23と板ブラシ24,2
4aとの間の摺動部はグリースにより潤滑されている。
これにより、摺動部での整流子23と板ブラシ24,2
4aの摩耗を防止している。
板ブラシ型モータと同一の構造及び寸法のモータ部品を
用い且つ既存のモータ生産設備をそのまま用い、線径の
細い電機子巻線21を選定して、ターン数nを増やして
コア20に巻き付けた。モータ10,10aの板ブラシ
24,24aのブラシ圧は約700乃至約1,500P
aであり、これは従来の板ブラシ型モータのブラシ圧と
ほぼ同じ値である。整流子23及び板ブラシ24,24
aは銅系金属製であり、整流子23と板ブラシ24,2
4aとの間の摺動部はグリースにより潤滑されている。
これにより、摺動部での整流子23と板ブラシ24,2
4aの摩耗を防止している。
【0042】モータ10,10aを電動ミラー31に搭
載する場合には、ターン数nを一つの極当たり約310
乃至約750にすることにより、巻線抵抗値Rを、符号
R2の範囲即ち約12Ω乃至約76Ωにすることが好ま
しい。モータ10,10aを電動ミラー31に使用する
場合の最適な態様としては、ターン数nを一つの極当た
り約500乃至約600にすることにより、巻線抵抗値
Rを約40Ω乃至約50Ωにするのが好ましい。このよ
うにすれば、従来は1.2V乃至6Vの如く低電圧で使
用されていた板ブラシ型モータを、本発明のモータ1
0,10aでは、自動車のバッテリー30を電源として
約12V乃至約13Vの高電圧で使用することができ
る。
載する場合には、ターン数nを一つの極当たり約310
乃至約750にすることにより、巻線抵抗値Rを、符号
R2の範囲即ち約12Ω乃至約76Ωにすることが好ま
しい。モータ10,10aを電動ミラー31に使用する
場合の最適な態様としては、ターン数nを一つの極当た
り約500乃至約600にすることにより、巻線抵抗値
Rを約40Ω乃至約50Ωにするのが好ましい。このよ
うにすれば、従来は1.2V乃至6Vの如く低電圧で使
用されていた板ブラシ型モータを、本発明のモータ1
0,10aでは、自動車のバッテリー30を電源として
約12V乃至約13Vの高電圧で使用することができ
る。
【0043】次に、モータ騒音(機械ノイズ)の測定結
果について、図9乃至図11により説明する。図9はモ
ータ騒音の測定方法を示す説明図、図10はカーボンブ
ラシ型モータ(従来品)のモータ騒音の測定結果を示す
グラフ、図11は本発明に係る板ブラシ型モータ(本発
明品)のモータ騒音の測定結果を示すグラフである。な
お、「従来品」は、従来から電動ミラーに使用されてき
たカーボンブラシ型モータを示し、「本発明品」は、本
発明の板ブラシ型モータ10を示す。図10,図11の
横軸はモータ騒音(dB)を、縦軸は頻度(即ち、それ
ぞれの値のモータ騒音を発生したモータの個数)を示
す。実験条件は下記の通りである。
果について、図9乃至図11により説明する。図9はモ
ータ騒音の測定方法を示す説明図、図10はカーボンブ
ラシ型モータ(従来品)のモータ騒音の測定結果を示す
グラフ、図11は本発明に係る板ブラシ型モータ(本発
明品)のモータ騒音の測定結果を示すグラフである。な
お、「従来品」は、従来から電動ミラーに使用されてき
たカーボンブラシ型モータを示し、「本発明品」は、本
発明の板ブラシ型モータ10を示す。図10,図11の
横軸はモータ騒音(dB)を、縦軸は頻度(即ち、それ
ぞれの値のモータ騒音を発生したモータの個数)を示
す。実験条件は下記の通りである。
【0044】(モータ騒音測定の実験条件) ・回転数: 約10,000〔min-1 〕 ・回転方向:時計回り方向 ・テストしたモータの個数:従来品;32個,本発明
品;32個
品;32個
【0045】図9に示すように、モータ騒音の測定では
JIS−A特性を使用した。即ち、約10,000min
-1 の回転数で回転するテスト用のモータMを弾力性の
あるスポンジ42の上に載置し、モータMの出力軸側の
ケーシング端面から10cm離れた場所Sにおけるモー
タ騒音を測定した。その結果、図10から分かるよう
に、カーボンブラシ型モータの場合には、44dB乃至
58dB(平均値で、50.5dB)となっており、特
に50dBの騒音を発生するモータが多かった。これに
対して、図11に示すように、本発明の板ブラシ型モー
タの場合には、40dB乃至46dB(平均値で、4
3.6dB)と大幅に小さくなっており、特に42dB
の騒音のモータが多いことが分かる。
JIS−A特性を使用した。即ち、約10,000min
-1 の回転数で回転するテスト用のモータMを弾力性の
あるスポンジ42の上に載置し、モータMの出力軸側の
ケーシング端面から10cm離れた場所Sにおけるモー
タ騒音を測定した。その結果、図10から分かるよう
に、カーボンブラシ型モータの場合には、44dB乃至
58dB(平均値で、50.5dB)となっており、特
に50dBの騒音を発生するモータが多かった。これに
対して、図11に示すように、本発明の板ブラシ型モー
タの場合には、40dB乃至46dB(平均値で、4
3.6dB)と大幅に小さくなっており、特に42dB
の騒音のモータが多いことが分かる。
【0046】このように、モータ騒音が平均値で従来品
の50.5dBから本発明品では43.6dBまで大幅
に軽減された理由の一つには、カーボンブラシと比べて
金属製板ブラシの場合にはブラシ圧が小さいことが挙げ
られる。例えば、カーボンブラシのブラシ圧が1,50
0乃至2,500Paであるのに対して、本発明品の板
ブラシのブラシ圧は、従来の玩具用の板ブラシ型モータ
とほぼ同様に例えば700乃至1,500Paであるこ
とが確認された。
の50.5dBから本発明品では43.6dBまで大幅
に軽減された理由の一つには、カーボンブラシと比べて
金属製板ブラシの場合にはブラシ圧が小さいことが挙げ
られる。例えば、カーボンブラシのブラシ圧が1,50
0乃至2,500Paであるのに対して、本発明品の板
ブラシのブラシ圧は、従来の玩具用の板ブラシ型モータ
とほぼ同様に例えば700乃至1,500Paであるこ
とが確認された。
【0047】次に、モータの回転変動や脈動等を測定す
る回転変動試験の結果について、図12及び図13に基
づいて説明する。図12及び図13は、それぞれカーボ
ンブラシ型モータ(従来品)のサンプルm1 乃至m
5 と、板ブラシ型モータ10(本発明品)のサンプルm
6 乃至m10の回転変動測定の結果を示すグラフである。
各図において、横軸は時間、縦軸はモータの回転数を示
している。実験条件は下記の通りである。
る回転変動試験の結果について、図12及び図13に基
づいて説明する。図12及び図13は、それぞれカーボ
ンブラシ型モータ(従来品)のサンプルm1 乃至m
5 と、板ブラシ型モータ10(本発明品)のサンプルm
6 乃至m10の回転変動測定の結果を示すグラフである。
各図において、横軸は時間、縦軸はモータの回転数を示
している。実験条件は下記の通りである。
【0048】(回転変動測定の実験条件) ・電圧:12.0V一定 ・負荷:0.8〔mN・m(ミリニュートン・メートル)〕 ・周囲の環境:常温,常湿 ・回転方向:時計回り方向 ・運転時間:10時間 ・テストしたモータの種類と個数: 従来品; 5個(サンプルモータm1 乃至m5 ) 本発明品;5個(サンプルモータm6 乃至m10)
【0049】前記実験条件の下で、モータの回転変動の
試験を行った。その結果、図12に示す従来品のモータ
m1 乃至m5 では回転変動が比較的大きいのに対して、
図13に示す本発明品の場合には、いずれのモータm6
乃至m10においても回転変動や回転脈動が極めて小さく
なっていることが分かった。
試験を行った。その結果、図12に示す従来品のモータ
m1 乃至m5 では回転変動が比較的大きいのに対して、
図13に示す本発明品の場合には、いずれのモータm6
乃至m10においても回転変動や回転脈動が極めて小さく
なっていることが分かった。
【0050】次に、モータの耐久試験の結果を図14及
び図15に基づいて説明する。図14はモータの耐久試
験における運転モードを示すグラフ、図15はモータの
耐久試験の結果を示すグラフである。図14の横軸は時
間、縦軸はモータの端子間電圧(V)を示している。耐
久試験の実験条件は下記の通りである。
び図15に基づいて説明する。図14はモータの耐久試
験における運転モードを示すグラフ、図15はモータの
耐久試験の結果を示すグラフである。図14の横軸は時
間、縦軸はモータの端子間電圧(V)を示している。耐
久試験の実験条件は下記の通りである。
【0051】(耐久試験の実験条件) ・電圧:12.0V一定 ・負荷:0.85〔mN・m〕 ・周囲の環境:+80℃,−30℃,常温・常湿,の三
種類の環境 ・運転モード:図14に示す通り ・テストしたモータの種類と個数: No.1タイプの本発明品;常温・常湿は10個,他
の環境は5個 No.2タイプの本発明品;常温・常湿は10個,他
の環境は5個 従来品;常温・常湿は10個,他の環境は5個
種類の環境 ・運転モード:図14に示す通り ・テストしたモータの種類と個数: No.1タイプの本発明品;常温・常湿は10個,他
の環境は5個 No.2タイプの本発明品;常温・常湿は10個,他
の環境は5個 従来品;常温・常湿は10個,他の環境は5個
【0052】前記「従来品」はカーボンブラシ型モータ
であり、No.2タイプの本発明品は、モータ騒音や回転
変動試験を行った本発明品と同じ型番の板ブラシ型モー
タであり、No.1タイプの本発明品は他の型番の板ブラ
シ型モータである。本発明のモータは自動車に使用され
るので、モータ周囲の環境が、+80℃,−30℃,常
温・常湿、の三種類の環境の下で、所定の運転モードで
回転するモータのサイクル耐久試験を行った。
であり、No.2タイプの本発明品は、モータ騒音や回転
変動試験を行った本発明品と同じ型番の板ブラシ型モー
タであり、No.1タイプの本発明品は他の型番の板ブラ
シ型モータである。本発明のモータは自動車に使用され
るので、モータ周囲の環境が、+80℃,−30℃,常
温・常湿、の三種類の環境の下で、所定の運転モードで
回転するモータのサイクル耐久試験を行った。
【0053】図14に示すように、運転モードも、モー
タの耐久性をテストするための厳しい条件になってい
る。この運転モードは、モータの電圧を、+12.0V
で8.0秒かけて時計回り方向に回転させ、0Vで2.
0秒、−12.0Vで8.0秒かけて反時計回り方向に
回転させ、0Vで2.0秒、の順で印加するサイクルを
一サイクル(一サイクルは20.0秒)としている。
タの耐久性をテストするための厳しい条件になってい
る。この運転モードは、モータの電圧を、+12.0V
で8.0秒かけて時計回り方向に回転させ、0Vで2.
0秒、−12.0Vで8.0秒かけて反時計回り方向に
回転させ、0Vで2.0秒、の順で印加するサイクルを
一サイクル(一サイクルは20.0秒)としている。
【0054】その試験結果を示す図15のグラフから分
かるように、No.1タイプ及びNo.2タイプの本発明品
では、+80℃,−30℃,常温・常湿の全ての環境の
下で、少なくとも3,600サイクル以上の耐久性を有
している。他の電装機器と比べて電動ミラーの鏡面調整
部は使用頻度が極めて少ないので、少なくとも3,60
0サイクルの耐久性を有するモータであれば実用的には
充分である。したがって、本発明の板ブラシ型モータ1
0を電動ミラーの駆動用に用いることが可能であること
が確認された。
かるように、No.1タイプ及びNo.2タイプの本発明品
では、+80℃,−30℃,常温・常湿の全ての環境の
下で、少なくとも3,600サイクル以上の耐久性を有
している。他の電装機器と比べて電動ミラーの鏡面調整
部は使用頻度が極めて少ないので、少なくとも3,60
0サイクルの耐久性を有するモータであれば実用的には
充分である。したがって、本発明の板ブラシ型モータ1
0を電動ミラーの駆動用に用いることが可能であること
が確認された。
【0055】以上説明したように、本発明に係る板ブラ
シ型モータ10,10aは、電動ミラー31に使用すれ
ば充分な実用的耐久性を有しており、しかもモータ騒音
が低くなる。特に、電動ミラー31の内部空間41(図
4)では、モータの発生する音が反響し、また、音の伝
播により周波数の値によってはケース共振音が発生し
て、モータ騒音が増幅されてしまう恐れがある。しか
し、本発明のモータ10,10aではモータ騒音が低い
ので、このような音の反響や共振がほとんど起こらず、
電動ミラーの静粛化の要求を充分に満足することができ
る。整流子23と板ブラシ24,24aとの摺動部には
グリースなど潤滑剤を塗布しているので、モータ騒音は
さらに低減する。
シ型モータ10,10aは、電動ミラー31に使用すれ
ば充分な実用的耐久性を有しており、しかもモータ騒音
が低くなる。特に、電動ミラー31の内部空間41(図
4)では、モータの発生する音が反響し、また、音の伝
播により周波数の値によってはケース共振音が発生し
て、モータ騒音が増幅されてしまう恐れがある。しか
し、本発明のモータ10,10aではモータ騒音が低い
ので、このような音の反響や共振がほとんど起こらず、
電動ミラーの静粛化の要求を充分に満足することができ
る。整流子23と板ブラシ24,24aとの摺動部には
グリースなど潤滑剤を塗布しているので、モータ騒音は
さらに低減する。
【0056】電動ミラー31に使用される鏡面の角度調
整用の小型モータは、自動車一台につき四個使用されて
いるが、各モータから発生する騒音にばらつきがあるの
は好ましくない。この点、本発明のモータはモータ騒音
自体が低減されるので、モータごとの騒音のばらつきは
殆ど問題にならない。
整用の小型モータは、自動車一台につき四個使用されて
いるが、各モータから発生する騒音にばらつきがあるの
は好ましくない。この点、本発明のモータはモータ騒音
自体が低減されるので、モータごとの騒音のばらつきは
殆ど問題にならない。
【0057】上述のように、板ブラシ型モータは通常は
玩具,音響・映像機器,精密機器等に使用されるという
従来の固定観念に対して、本発明では、同じ構造の板ブ
ラシ型モータのターン数を増やして巻線抵抗を大きくし
た。そして、このモータを電装機器のうち特に電動ミラ
ーに使用すれば、その耐久性は実用的に充分であり、モ
ータ騒音及び回転変動も著しく改善されることが確認さ
れた。その結果、本発明の板ブラシ型モータと、従来か
ら玩具等に使用されていた板ブラシ型モータは、電機子
巻線以外の構成は同一なのでモータ部品の共通化ができ
ることになる。
玩具,音響・映像機器,精密機器等に使用されるという
従来の固定観念に対して、本発明では、同じ構造の板ブ
ラシ型モータのターン数を増やして巻線抵抗を大きくし
た。そして、このモータを電装機器のうち特に電動ミラ
ーに使用すれば、その耐久性は実用的に充分であり、モ
ータ騒音及び回転変動も著しく改善されることが確認さ
れた。その結果、本発明の板ブラシ型モータと、従来か
ら玩具等に使用されていた板ブラシ型モータは、電機子
巻線以外の構成は同一なのでモータ部品の共通化ができ
ることになる。
【0058】即ち、本発明では、電機子巻線に従来より
小径の電線を使ってターン数を増やせばよいので、別の
種類のモータ部品の準備やモータ生産設備を別途設ける
必要はない。これにより、本発明のモータと既存の板ブ
ラシ型モータとの間で、モータ部品やモータ生産設備の
共通化,互換性を実現できることになり、既存のモータ
生産設備をそのまま使用して、本発明の高電圧用の新し
いモータを容易に製造することができる。
小径の電線を使ってターン数を増やせばよいので、別の
種類のモータ部品の準備やモータ生産設備を別途設ける
必要はない。これにより、本発明のモータと既存の板ブ
ラシ型モータとの間で、モータ部品やモータ生産設備の
共通化,互換性を実現できることになり、既存のモータ
生産設備をそのまま使用して、本発明の高電圧用の新し
いモータを容易に製造することができる。
【0059】ところで、カーボンブラシ型モータを電動
ミラーに使用した場合に、カーボンブラシは長時間の耐
久性があるので必要以上の過剰なモータ寿命を有してい
た。これに対して、本発明の板ブラシ型モータでは、電
動ミラーの実際の使用時間にふさわしく且つ充分なモー
タ寿命を有しているので、モータ寿命の無駄がなく実用
的であり、モータ及び電動ミラーのコストも低減する。
ミラーに使用した場合に、カーボンブラシは長時間の耐
久性があるので必要以上の過剰なモータ寿命を有してい
た。これに対して、本発明の板ブラシ型モータでは、電
動ミラーの実際の使用時間にふさわしく且つ充分なモー
タ寿命を有しているので、モータ寿命の無駄がなく実用
的であり、モータ及び電動ミラーのコストも低減する。
【0060】また、整流子と板ブラシの構造が簡単にな
るので、モータの製造に手間と時間がかからず、モータ
のコストダウンを実現できる。なお、各図中、同一符号
は同一又は相当部分を示す。
るので、モータの製造に手間と時間がかからず、モータ
のコストダウンを実現できる。なお、各図中、同一符号
は同一又は相当部分を示す。
【0061】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、モ
ータ回転時の騒音と回転変動を小さくでき、また、既存
の板ブラシ型モータとモータ部品の共通化をして既存の
モータ生産設備をそのまま使用することができる。
ータ回転時の騒音と回転変動を小さくでき、また、既存
の板ブラシ型モータとモータ部品の共通化をして既存の
モータ生産設備をそのまま使用することができる。
【図1】図1乃至図3は本発明の小型モータを示す図
で、図1は板ブラシ型モータの外観図である。
で、図1は板ブラシ型モータの外観図である。
【図2】図1に示すモータの片側を断面で示す正面図で
ある。
ある。
【図3】図2に示すモータの蓋部材の内部構造図であ
る。
る。
【図4】図1に示すモータを有する自動車用電動ミラー
の概略構成図である。
の概略構成図である。
【図5】図4のV−V線概略矢視図である。
【図6】本発明の別のタイプの板ブラシ型モータの外観
図である。
図である。
【図7】図6に示すモータの蓋部材の内部構造図であ
る。
る。
【図8】図8乃至図15は実験データを示す図で、図8
は板ブラシ型モータにおける電機子巻線の巻線抵抗とタ
ーン数との関係を示すグラフである。
は板ブラシ型モータにおける電機子巻線の巻線抵抗とタ
ーン数との関係を示すグラフである。
【図9】モータ騒音の測定方法を示す説明図である。
【図10】カーボンブラシ型モータのモータ騒音の測定
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
【図11】本発明に係る板ブラシ型モータのモータ騒音
の測定結果を示すグラフである。
の測定結果を示すグラフである。
【図12】カーボンブラシ型モータの回転変動測定の結
果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
【図13】本発明に係る板ブラシ型モータの回転変動測
定の結果を示すグラフである。
定の結果を示すグラフである。
【図14】モータの耐久試験における運転モードを示す
グラフである。
グラフである。
【図15】モータの耐久試験の結果を示すグラフであ
る。
る。
【図16】カーボンブラシ型モータの片側を断面で示す
正面図で、図2相当図である。
正面図で、図2相当図である。
【図17】図16のモータの蓋部材の内部構造図で、図
3,図7相当図である。
3,図7相当図である。
1 カーボンブラシ型モータ 10,10a 板ブラシ型モータ(小型モータ) 11 永久磁石 12,12a ケーシング 13 回転子 21 電機子巻線 22 電機子 23 整流子 24,24a 板ブラシ 27 ケーシングの内部 28 グリース 30 バッテリー 31 電動ミラー(自動車の電装機器) 32 鏡面 33 角度調整装置 n ターン数 R 巻線抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 慎一 千葉県松戸市松飛台430番地 マブチモー ター株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 ケーシング(12,12a)の内周面に
取付けられた永久磁石(11)と、前記ケーシングの内
部(27)に設けられて回転自在に支持されるとともに
電機子(22)及び整流子(23)を有する回転子(1
3)と、前記ケーシングに取付けられて前記整流子と摺
動係合する金属製の板ブラシ(24,24a)とを有す
る小型モータ(10,10a)であって、 前記回転子の前記電機子に巻回される電機子巻線(2
1)のターン数(n)を一つの極当たり約310乃至約
1,000にすることにより、前記巻線の抵抗値(R)
を約12Ω乃至約200Ωにしたことを特徴とする小型
モータ。 - 【請求項2】 前記電機子巻線の前記ターン数(n)を
一つの極当たり約310乃至約750にすることによ
り、前記巻線抵抗値(R)を約12Ω乃至約76Ωにし
たことを特徴とする請求項1に記載の小型モータ。 - 【請求項3】 ケーシング(12,12a)の内周面に
取付けられた永久磁石(11)と、前記ケーシングの内
部(27)に設けられて回転自在に支持されるとともに
電機子(22)及び整流子(23)を有する回転子(1
3)と、前記ケーシングに取付けられて前記整流子と摺
動係合する金属製の板ブラシ(24,24a)とを備
え、 電機子巻線(21)のターン数(n)及び巻線抵抗値
(R)をカーボンブラシ型モータ(1)のターン数及び
巻線抵抗値とほぼ同一にし、 自動車のバッテリー(30)から供給される電流により
回転して前記自動車の電装機器を駆動することを特徴と
する小型モータ。 - 【請求項4】 前記電装機器は自動車用電動ミラー(3
1)であることを特徴とする請求項3に記載の小型モー
タ。 - 【請求項5】 自動車のバッテリー(30)から供給さ
れる電流により回転し、自動車用電動ミラー(31)の
鏡面(32)の角度調整を行う角度調整装置(33)を
駆動する小型モータ(10,10a)であって、 ケーシング(12,12a)の内周面に取付けられた永
久磁石(11)と、前記ケーシングの内部(27)に設
けられて回転自在に支持されるとともに電機子(22)
及び整流子(23)を有する回転子(13)と、前記ケ
ーシングに取付けられて潤滑剤を介して前記整流子と摺
動係合する金属製の板ブラシ(24,24a)とを備
え、 前記回転子の前記電機子に巻回される電機子巻線(2
1)のターン数(n)を一つの極当たり約310乃至約
750にすることにより前記巻線の抵抗値(R)を約1
2Ω乃至約76Ωにしたことを特徴とする小型モータ。 - 【請求項6】 前記整流子(23)及び前記板ブラシ
(24,24a)は銅系金属製であり、前記整流子と前
記板ブラシとの間の摺動部はグリース(28)により潤
滑されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
かに記載の小型モータ。 - 【請求項7】 自動車のバッテリー(30)から供給さ
れる電流により回転し、自動車用電動ミラー(31)の
鏡面(32)の角度調整を行う角度調整装置(33)を
駆動する小型モータ(10,10a)であって、 ケーシング(12,12a)の内周面に取付けられた永
久磁石(11)と、前記ケーシングの内部(27)に設
けられて回転自在に支持されるとともに電機子(22)
及び銅系金属製の整流子(23)を有する回転子(1
3)と、前記ケーシングに取付けられグリース(28)
により潤滑されて前記整流子と摺動係合する銅系金属製
の板ブラシ(24,24a)とを備え、 前記回転子の前記電機子に巻回される電機子巻線(2
1)のターン数(n)を一つの極当たり約500乃至約
600にすることにより前記巻線の抵抗値(R)を約4
0Ω乃至約50Ωにしたことを特徴とする小型モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13964496A JPH09308156A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 小型モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13964496A JPH09308156A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 小型モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09308156A true JPH09308156A (ja) | 1997-11-28 |
Family
ID=15250083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13964496A Pending JPH09308156A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 小型モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09308156A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20130110106A (ko) * | 2012-03-28 | 2013-10-08 | 아엠엘 시스템 | 광학 모듈용 차단 메커니즘 및 이러한 차단 메커니즘을 포함하는 광학 모듈 |
-
1996
- 1996-05-09 JP JP13964496A patent/JPH09308156A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20130110106A (ko) * | 2012-03-28 | 2013-10-08 | 아엠엘 시스템 | 광학 모듈용 차단 메커니즘 및 이러한 차단 메커니즘을 포함하는 광학 모듈 |
JP2013211267A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-10 | Aml Systems | 光学モジュールにおける遮断機構及び当該機構を備えた光学モジュール |
JP2018174152A (ja) * | 2012-03-28 | 2018-11-08 | エーエムエル システムズ | 光学モジュールにおける遮断機構及び当該機構を備えた光学モジュール |
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