JPH09307468A - Fm受信機 - Google Patents

Fm受信機

Info

Publication number
JPH09307468A
JPH09307468A JP14352296A JP14352296A JPH09307468A JP H09307468 A JPH09307468 A JP H09307468A JP 14352296 A JP14352296 A JP 14352296A JP 14352296 A JP14352296 A JP 14352296A JP H09307468 A JPH09307468 A JP H09307468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
circuit
signal
output
tuning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14352296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3712787B2 (ja
Inventor
Tsutomu Nakanishi
努 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T I F KK
Original Assignee
T I F KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T I F KK filed Critical T I F KK
Priority to JP14352296A priority Critical patent/JP3712787B2/ja
Publication of JPH09307468A publication Critical patent/JPH09307468A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3712787B2 publication Critical patent/JP3712787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Circuits Of Receivers In General (AREA)
  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Superheterodyne Receivers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリコンが不要であって設計時や製造時の手
間を軽減することができ、しかも集積化に適したFM受
信機を提供すること。 【解決手段】 このFM受信機は、制御電圧に応じて同
調周波数が変更可能な同調回路2、AGC回路3、位相
比較器4、チャージポンプ6、ローパスフィルタ7a、
7b、7cを含んで構成されており、これらの回路の全
体が位相同期ループを形成している。位相比較器4の一
方端に発振器5からの基準周波数信号を入力すると、こ
の基準周波数信号の周波数と一致するように同調回路2
の同調周波数が制御される。また、ローパスフィルタ7
bのカットオフ周波数を100kHz程度に設定するこ
とにより、100kHz以下の信号、すなわち音声信号
を取り出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FM波を受信する
FM受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】図20は、スーパーヘテロダイン方式の
FMモノラル受信機の構成を示す図である。
【0003】AM受信機と同様に、FM受信機もスーパ
ーヘテロダイン方式が用いられる。FM受信機の場合、
スーパーヘテロダイン方式を用いることで、100MH
zに近い高い周波数の放送波を扱いやすい1/10程度
の低い周波数(中間周波数)に変換するため、増幅・復
調処理が容易となる。
【0004】アンテナで受信された放送波は、高周波増
幅回路に入力され、次の周波数変換処理に必要なレベル
までに増幅される。入力回路および高周波増幅回路は、
バンドパスフィルタ特性となっており、希望波以外の信
号はここで適度に減衰される。
【0005】周波数変換回路は混合回路と局部発振回路
からなり、希望波は局部発振回路からの信号と混合さ
れ、希望波の周波数と局部発振周波数との差の周波数が
ちょうど中間周波数となるように変換される。
【0006】周波数変換回路で中間周波数に変換された
信号は、中間周波数増幅回路のバンドパスフィルターに
より、希望信号だけが選択分離されて増幅される。FM
信号は元来振幅が一定で周波数が変化する信号である
が、FM電波が受信アンテナに達する途中で、電気雑音
やマルチパスなどの影響で振幅が一定でなくなる。これ
をそのままFM検波すると、検波出力に雑音成分が出て
音質を低下させるので、振幅制限回路を通して振幅一定
のFM信号にしたのちFM検波する。
【0007】モノラル放送を受信した場合、FM検波出
力には50〜15000Hzの音声信号が得られるが、
この信号は送信側のプリエンファシス回路で高域が強め
られているので、ディエンファシス回路で高域を減衰さ
せ平坦な周波数特性に補正する。
【0008】ステレオ放送を受信した場合には、FM検
波出力に和信号(50〜15000Hz)のほかに、2
3〜53kHzのステレオ用副チャンネル信号および1
9kHzのパイロット信号が含まれるが、それらはディ
エンファシス回路を通ると減衰し、和信号だけが残りモ
ノラル再生が行われる(日本放送協会編「NHKラジオ
技術教科書」237〜239頁より引用)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したス
ーパーヘテロダイン方式を用いたFM受信機において
は、選択度を向上させるためにアンテナで受信した高周
波信号を同調回路に入力して所定の同調処理を行ってお
り、この同調周波数を局部発振回路の発振周波数に連動
して変化させることにより1つの放送局の電波のみを選
択するようになっている。そのため、従来のFM受信機
は機械式の多連バリコンを備えており、この多連バリコ
ンは受信周波数に応じて所定の静電容量を有するように
大きさが決まっていることから、FM受信機全体の小型
化や集積化が難しかった。また、最近では多連バリコン
の代わりに可変容量ダイオードを用いたFM受信機も出
回っているが、複数の可変容量ダイオードを連動させる
必要があり、構成部品の特性のばらつき等を考慮した設
計が必要であった。
【0010】また、従来のFM受信機では、アンテナで
受信したFM波と局部発振回路で発生した信号から中間
周波信号をつくっており、中間周波信号の歪みを少なく
するためには局部発振回路で発生する信号も歪みの少な
い正弦波信号としなければならなかった。そのため、局
部発振回路としてはLC発振回路が用いられており、中
間周波増幅回路とともにコイルやトランス類が多用され
ており、集積化を行った場合であっても多くの外付け部
品が必要であって、FM受信機全体の集積化が難しかっ
た。
【0011】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的はバリコンが不要であって設計
時や製造時の手間を軽減することができ、しかも集積化
に適したFM受信機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】各請求項のFM受信機
は、第1の制御電圧に応じて同調周波数が設定可能な同
調回路を用い、この同調回路を一般のPLL構成内の電
圧制御型発振器の代わりに使用することにより、同調周
波数を一定に保つとともに直接FM変調信号(例えば音
声信号)を取り出すことを可能としている。また、同調
回路の後段にFM検波回路を別個に備えた場合には、同
調回路の前後で高周波増幅を行うこともでき、この場合
には良好なSN比を実現することができる。
【0013】特に、この同調回路は、半導体基板上に形
成された分布定数型のLC素子と2つのインバータ回路
あるいは反転増幅器とを含む単純な回路構成により実現
でき、同調回路以外の回路とともにFM受信機のほとん
どの部品を半導体基板上に一体形成することが可能とな
る。さらに具体的には、上述したLC素子は渦巻き形状
を有する2本のインダクタ導体とこれらのインダクタ導
体に沿った渦巻き形状を有するpn接合層とを有してお
り、インダクタ導体間にpn接合層による分布定数的な
キャパシタが形成されている。このpn接合層に印加す
る逆バイアス電圧を変えることにより、分布定数的に形
成されるキャパシタの静電容量、すなわちLC素子の素
子定数が変化するため、LC素子の素子定数によって定
まる同調回路の同調周波数も任意に変化させることがで
き、バリコンが不要となる。
【0014】また、同調回路に含まれる第2の抵抗の抵
抗値を変化させることにより、同調回路の出力振幅を変
えることができ、簡単な構成で利得制御を行うことがで
きる。上述した第2の抵抗はFETのチャネルを抵抗体
として用いることにより実現でき、特に、pチャネルF
ETとnチャネルFETとを並列接続して用いる場合に
はFETの非線形特性を改善することができるため、歪
みの少ない同調信号を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した一の実施
形態のFM受信機について、図面を参照しながら具体的
に説明する。
【0016】(第1の実施形態)第1の実施形態のFM
受信機は、制御電圧に応じて同調周波数が変更可能な同
調回路を含んでおり、この同調回路をPLL構成の電圧
制御型発振器に置き換えるとともに2、3の付加回路を
用いることにより、同調周波数の安定化とFM検波を同
時に行うものである。
【0017】図1は、本発明を適用した一の実施形態の
FM受信機の構成を示す図である。同図に示す本実施形
態のFM受信機は、高周波増幅回路1、同調回路2、自
動利得制御(AGC)回路3、位相比較器(PD)4、
発振器(OSC)5、チャージポンプ(CP)6、ロー
パスフィルタ(LPF)7a、7b、7c、低周波増幅
回路8、スピーカ9を含んで構成されている。
【0018】高周波増幅回路1は、アンテナ12によっ
て受信したFM波に対して高周波増幅を行うものであ
り、SN比の改善や不要放射の軽減等を目的として設け
られている。FM波の送信局に近い場所でのみFM受信
機を使用する場合、例えば館内放送を受信するような場
合等においては、この高周波増幅回路1を省略してアン
テナ12で受信したFM波を次段の同調回路2に直接入
力するようにしてもよい。
【0019】同調回路2は、印加される制御電圧に応じ
て同調周波数が設定される電圧制御型の回路であり、高
周波増幅回路1から入力されるFM波の中から同調周波
数近傍のものだけを選択して出力する。この同調回路2
の詳細構成および動作については後述する。
【0020】AGC回路3は、同調回路2から出力され
る同調後のFM波の振幅を一定に制御するためのもので
あり、同調回路2の出力振幅に応じた制御電圧を同調回
路2に帰還入力する。具体的には、図2(A)あるいは
(B)に示すように、同調回路2から出力されるFM波
を半波整流してFM波の振幅に応じた制御電圧を作り出
している。
【0021】位相比較器4は、2入力の位相および周波
数比較を行うものであり、一方の入力端Aには同調回路
2から出力される所定周波数のFM波が、他方の入力端
Bには発振器5から出力される所定周波数の信号がそれ
ぞれ入力されている。また、位相比較器4は、2つの出
力端XおよびYを有している。
【0022】例えば、位相比較器4の2入力の周波数が
等しい場合には、この2つの出力端X、Yのそれぞれか
らは、入力信号に同期したパルス幅が等しいパルス出力
が交互に出力される。また、一方の入力端Aに入力され
るFM波の周波数の方が、他方の入力端Bに入力される
発振器5の出力周波数よりも高い場合には、2つの入力
端に入力される信号の周波数の差に応じて、一方の出力
端Xの出力のパルス幅が広くなり、他方の出力端Yの出
力のパルス幅が狭くなる。反対に、一方の入力端Aに入
力されるFM波の周波数の方が、他方の入力端Bに入力
される発振器5の出力周波数よりも低い場合には、2つ
の入力端に入力される信号の周波数の差に応じて、一方
の出力端Yの出力のパルス幅が広くなり、他方の出力端
Xの出力のパルス幅が狭くなる。
【0023】発振器5は、選局したいFM波と同じ周波
数の基準周波数信号を発生しており、出力波形は歪みの
少ない正弦波である必要はなく矩形波あるいは歪んだ正
弦波であってもよい。また、同調周波数の安定化を図る
場合には、水晶発振子を用いたPLL(位相同期ルー
プ)構成とすることが望ましい。
【0024】図3は、PLL構成とした場合の発振器5
の構成を示す図である。同図に示す発振器5は、周波数
が安定した基準信号frを発生する発振器(OSC)5
1と、この基準信号frと帰還信号の位相および周波数
比較を行う位相比較器(PD)52と、位相比較器52
による比較結果に応じて出力電圧が変化するチャージポ
ンプ(CP)53と、チャージポンプ53の出力から高
周波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)54
と、ローパスフィルタ54の出力電圧に応じて発振周波
数が制御される電圧制御型発振器(VCO)55と、電
圧制御型発振器55の出力に対して任意の分周比N(N
は整数)の分周動作を行う分周器56とを含んで構成さ
れている。
【0025】発振器51は、例えば水晶振動子に生じる
微小振動を増幅して100kHzの基準信号frを発生
させている。また、分周器56は、例えば外部からのデ
ータ入力により分周比Nが任意に設定可能なプログラマ
ブルカウンタによって構成されており、分周比Nを1ず
つ連続的に変化させることができる。したがって、この
分周器56の分周比Nを変化させたときに、電圧制御型
発振器55からは100kHz間隔のステップ状の基準
周波数信号が出力される。
【0026】チャージポンプ6は、内部にコンデンサを
有しており、このコンデンサの充放電を位相比較器4の
2つの出力端X、Yから出力される2種類のパルス列に
応じて行っている。例えば、位相比較器4の出力端Xか
らパルスが出力されたときにそのパルス幅に対応する時
間だけ放電が行われ、出力端Yからパルスが出力された
ときにそのパルス幅に対応する時間だけ充電が行われ
る。
【0027】すなわち、同調回路2から出力されるFM
波と発振器5から出力される信号の周波数が等しい場合
には、位相比較器4の2つの出力端X、Yのそれぞれか
らは、周期およびそれぞれのパルス幅が等しいパルス出
力が交互に出力されるため、チャージポンプ6に内蔵さ
れたコンデンサに対する充電量と放電量が等しくなり、
チャージポンプ6の出力電圧の平均レベルは所定の値が
維持される。これに対し、位相比較器4の2入力の周波
数が異なる場合には、位相比較器4の2つの出力端X、
Yのそれぞれから出力されるパルス列のパルス幅に差が
生じるため、チャージポンプ6に内蔵されたコンデンサ
に対する充放電のバランスがくずれ、充電過多あるいは
放電過多の状態となり、チャージポンプ6の出力電圧の
平均レベルが一方向に変化する。
【0028】3つのローパスフィルタ7a、7b、7c
は、カットオフ周波数がそれぞれ1MHz、100kH
z、10Hz近傍に設定されている。なお、図1ではこ
れら3つのローパスフィルタ7a、7b、7cは縦続接
続されているが、チャージポンプ6の出力を分岐させて
それぞれのローパスフィルタ7a、7b、7cに入力す
るようにしてもよい。
【0029】最終段のローパスフィルタ7cの出力端は
抵抗10を介して同調回路2に接続されており、チャー
ジポンプ6の出力から直流成分のみが取り出されて周波
数設定用の制御電圧として同調回路2に印加される。
【0030】上述したように、チャージポンプ6の出力
は、位相比較器4の2入力の周波数が異なる間は一方向
に電圧が変化するため、その電圧レベルに重畳された音
声周波数以上の成分が取り除かれて同調回路2に印加さ
れる。したがって、発振器5の出力周波数が同調回路2
の出力周波数と異なる場合には、抵抗10を介して同調
回路2に印加されるローパスフィルタ7cの出力電圧が
高い方にあるいは低い方に変化する。同調回路2ではこ
の制御電圧の変化に応じて同調周波数が変化し、発振器
5の出力周波数と一致したときにローパスフィルタ7c
の出力電圧の変化も停止し、以後一定の同調周波数が維
持される。
【0031】なお、本実施形態では、1段目のローパス
フィルタ7aの出力端がキャパシタ11を介して抵抗1
0の一方端(同調回路2に接続された側)に接続されて
おり、最終段のローパスフィルタ7cから同調回路2に
印加される直流電圧に、1段目のローパスフィルタ7a
の出力である1MHz以下の変化分が加算されている。
1MHz以下の変化分にはFM変調された音声による変
化分も含まれるため、厳密には、同調回路2の同調周波
数は最後段のローパスフィルタ7cの出力電圧に応じて
大まかに設定されているとともに、その中心周波数が音
声信号に応じて微妙に変化していることになる。
【0032】このように、音声信号に応じて、しかも音
声の周波数よりも高い周波数で同調の中心周波数を変化
させることにより、同調回路2において充分な帯域を確
保することなく、従来のFM受信機の同調回路において
充分な帯域を確保したと同等の同調動作を行わせること
ができる。すなわち、例えばスーパーヘテロダイン方式
を用いた従来のFM受信機では、同調周波数が固定であ
るため、FM変調分を考慮して同調周波数の近傍の周波
数信号を同調回路によって選択する必要があった。これ
に対し、本実施形態の同調回路2は、周波数同調用の制
御電圧に応じて同調周波数を変化させることができ、し
かも音声信号の変化に追随させて同調の中心周波数を変
化させているため、音声周波数がどのように変化しても
その変化に追随して音声信号を抽出することができ、同
調回路2としては帯域を広く確保する必要がない。
【0033】なお、1段目のローパスフィルタ7aのカ
ットオフ周波数(約1MHz)を音声周波数の上限より
もかなり高めに設定してあるのは、同調回路2の同調周
波数は帰還制御されているため正確に音声周波数に追随
させることは困難であるが、このずれを最小限に抑える
ためである。
【0034】また、2段目のローパスフィルタ7bの出
力には、FM変調による周波数変化に対応する100k
Hz以下の電圧変化、すなわち音声信号が含まれる。し
たがって、この音声信号を増幅することにより所望の放
送波の音声を得ることができる。
【0035】このローパスフィルタ7bから取り出され
る音声は、厳密には同調周波数に応じて振幅が変化す
る。例えば、FM放送を考えた場合であって、同調周波
数が70MHzから100MHzに変化したときにロー
パスフィルタ7bの出力電圧の直流成分が約1V変化し
たとする。FM変調信号は38kHzの帯域を有してい
るため、同調周波数が70MHzと100MHzのとき
では、同じ周波数の音声を取り出す場合であっても最大
で約1mV音声信号の振幅が変化することになる。この
ように同調周波数の違いによる振幅の変化はわずかであ
り、安定した出力振幅を有する音声信号を取り出すこと
ができる。
【0036】低周波増幅回路8は、2段目のローパスフ
ィルタ7bから出力される音声信号に対して電圧増幅お
よび電力増幅を行って、スピーカ9から受信音声を出力
する。なお、受信音声をスピーカ9から出力する代わり
に、イヤホン等のレシーバから出力してもよい。
【0037】図4は、上述した同調回路2の詳細構成を
示す回路図である。同図に示す同調回路2は、入力端子
34を介して高周波増幅回路1の出力が一方端に入力さ
れる抵抗22と、直列に接続された2つのインバータ回
路24および26と、後段のインバータ回路26の入出
力端のそれぞれにソースあるいはドレインが接続されて
可変抵抗として機能するFET28と、インバータ回路
24および26の各入出力端子に接続された分布定数型
のLC素子30と、インバータ回路24の出力端とLC
素子30との間に挿入された直流電流阻止用のキャパシ
タ32とを含んで構成されている。
【0038】後段のインバータ回路26の出力端が同調
回路2の出力端子36に接続されており、インバータ回
路26から出力される信号が出力端子36を介して後段
のAGC回路3および位相比較器4の一方の入力端Aに
それぞれ入力される。また、FET28のゲートが振幅
制御端子40に接続されており、AGC回路3の出力電
圧がこの振幅制御端子40を介してFET28のゲート
に印加される。
【0039】また、LC素子30は複数の入出力端子を
有しており、この中の1つが同調制御端子38に接続さ
れている。この同調制御端子38には、図1に示した抵
抗10およびキャパシタ11の各一方端が接続されてお
り、この同調制御端子38に印加される周波数同調用の
制御電圧の高低に応じてLC素子30が有する素子定数
が変化して同調回路2の同調周波数が変化するようにな
っている。
【0040】インバータ回路24、26のそれぞれは、
通常はデジタル信号が入力され、この入力信号の論理を
反転して出力するものであるが、本実施形態ではアナロ
グ素子として使用している。例えば、一般に市販されて
いるCMOSの4000シリーズ等のインバータ回路が
用いられる。
【0041】LC素子30は、2本のインダクタ導体を
含んでおり、これら2本のインダクタ導体間にpn接合
層による分布定数的なキャパシタが形成された複合素子
である。一方のインダクタ導体の両端近傍のそれぞれに
は第1あるいは第2の入出力端子が接続されており、こ
れら2つの入出力端子が前段のインバータ回路24の入
出力端にそれぞれ接続されている。また、他方のインダ
クタ導体の一方端近傍には第3の入出力端子が接続され
ており、この第3の入出力端子がキャパシタ32を介し
て後段のインバータ回路26の出力端に接続されてい
る。なお、この第3の入出力端子が図4に示す同調制御
端子38に接続されている。
【0042】このような構成を有する同調回路2は、抵
抗22の一方端に交流信号が入力されると、その中から
所定の周波数近傍の信号のみを選択して後段のインバー
タ回路26から出力する。したがって、高周波増幅回路
1から出力される信号の中から所望の放送波に対応する
周波数を有する信号のみを選択することができる。
【0043】本出願人は、図4に示す抵抗22の抵抗値
とFET28による可変抵抗の抵抗値をともに無限大に
した回路を実際に製作して電源を投入した場合に、この
回路が正弦波発振器として動作することを確かめてい
る。そして、その発振周波数は、LC素子30のインダ
クタ導体が有するインダクタンスと2つのインダクタ導
体間に分布定数的に形成されるキャパシタの静電容量に
よって決定され、これらの値を変えると発振周波数も変
化することを確かめている。
【0044】また、この正弦波発振器において、後段の
インバータ回路26に並列に可変抵抗を接続し、この抵
抗値を小さくしていくと、発振出力の振幅が次第に小さ
くなっていってある値以下では発振が停止する。
【0045】図5は、後段のインバータ回路26に並列
接続された可変抵抗の抵抗値R2と発振出力の振幅との
関係を示す図である。同図に示すように、上述した正弦
波発振器は抵抗値R2がAより小さいときに発振が停止
し、AからBの間では抵抗値の変化に応じて振幅も変化
し、B以上では出力振幅がほぼ飽和する。
【0046】(同調回路の使用例1)まず、図4に示す
本実施形態の同調回路2において、後段のインバータ回
路26に並列接続されたFET28のソース・ドレイン
間のチャネル抵抗の抵抗値R2を図5に示すAより若干
小さな値aに設定するとともに、インバータ回路24の
入力側に接続された抵抗22の抵抗値を所定の値(有限
の値)に設定した場合を考える。このように各抵抗の抵
抗値を設定することにより、本実施形態の同調回路2
は、入力端子34に入力される高周波増幅回路1の出力
の中から、上述した正弦波発振器の発振周波数近傍の信
号のみを引き込んで出力するため、発振周波数近傍の信
号のみを通過させるフィルタとして動作する。
【0047】図6は、このように各抵抗値を設定した本
実施形態の同調回路2の周波数特性を示す図である。同
図において、横軸は入力信号の周波数を、縦軸はゲイン
すなわち入出力信号間の信号振幅の比をdB単位で表し
たものである。
【0048】同図に示すように、ある周波数近傍の信号
のみが通過し、その中心周波数においては入力信号とほ
ぼ振幅が等しい出力信号が出力され、それ以外の周波数
では入力信号が減衰する。
【0049】また、インバータ回路24の前段に設けら
れた抵抗22の抵抗値R1を変えることにより、同調回
路2のQ、すなわち信号の通過帯域幅を変えることがで
きる。図6に示すように、抵抗22の抵抗値R1が大き
いときには上述した正弦波発振器の発振周波数近傍の極
狭い周波数の信号のみを引き込むためQが大きく通過帯
域幅が狭くなる。これに対し、抵抗22の抵抗値R1を
小さくすると比較的広い範囲の信号を引き込むためQが
小さく通過帯域幅が広くなる。但し、本実施形態の同調
回路2では通過帯域幅を広くする必要はないため、抵抗
22の抵抗値R1をどの程度に設定するかは高周波増幅
回路1から出力されるFM波の振幅等に応じて設定す
る。
【0050】(同調回路の使用例2)ところで、上述し
た説明ではインバータ回路26に並列に接続されたFE
T28のチャネル抵抗の抵抗値R2を、図5に示すAよ
り若干小さいaに設定したが、A以上に設定してもよ
い。図5に示すAからBの間のbに設定した場合とは交
流信号が入力されない状態で正弦波発振が行われる状態
であり、このような状態において交流信号を入力した場
合であっても発振周波数近傍の信号のみが引き込まれ
て、この周波数近傍の信号のみが通過することが確かめ
られている。
【0051】図7は、交流信号が入力されない状態で発
振するように抵抗値R2が設定された同調回路の周波数
特性を示す図である。同図において、横軸は入力信号の
周波数を、縦軸はゲインすなわち入出力信号間の信号振
幅の比をdB単位で表したものである。
【0052】同図に示す周波数特性は、基本的には図6
に示した周波数特性に類似しており、同調回路2に入力
された交流信号の中からある周波数近傍の信号のみが通
過し、それ以外の周波数では入力信号が減衰する。
【0053】また、通過帯域の中心周波数近傍ではゲイ
ンが0より大きくなって、入力信号が増幅される現象が
確かめられている。したがって、入力信号がない状態で
正弦波発振を行うようにして同調回路2を使用した場合
には、発振周波数近傍の信号のみを通過させるとともに
信号の増幅を行う同調増幅器として動作させることがで
きる。
【0054】以上に示した同調回路2の2つの使用例
は、FET28のソース・ドレイン間の抵抗値R2をあ
る値に設定した場合に、同調回路2がどのような同調特
性を有するかを表したものであるが、実際の同調回路2
にはAGC回路3が接続されているため、同調回路2の
出力振幅の大小に応じて抵抗値R2が変化する。
【0055】例えば、79.5MHzと80.0MHz
の放送波が存在し、その間の周波数には放送波が存在し
ない場合を考える。79.5MHzと80.0MHzの
間の放送波が存在しない周波数においては、図4に示す
入力端子34に入力される信号がないにもかかわらず出
力端子36から一定振幅の信号を出力するようにAGC
回路3によって制御が行われるため、FET28のソー
ス・ドレイン間の抵抗値R2が高い方、すなわち図5に
示すaからbに向かって変化する。この状態では、同調
回路2は入力がない状態で自己発振している。
【0056】自己発振している状態から同調周波数を7
9.5MHzあるいは80.0MHzに変えたとする。
自己発振している状態で入力端子24に79.5MHz
あるいは80.0MHzの放送波が入力されると、入力
が増えた分出力振幅も大きくなるため、AGC回路3に
よる制御によってFET28のソース・ドレイン間の抵
抗値R2がbからaに向かって低い方に変化する。
【0057】このように、放送波がない場合であっても
同調回路2により自己発振が行われるため、従来のFM
受信機のように放送波間の搬送波がない状態で雑音が発
生するという現象がなく、この雑音を消すために用いる
スケルチ回路やミューティング回路が不要となる。
【0058】また、実際に商品名「フィルマック」(新
潟精密株式会社製)を分布定数型のLC素子30として
用いるとともに、CMOSの4000シリーズのインバ
ータ回路24、26を用いて図4の回路を構成して実験
したところ、通過域の周波数が30MHz程度の同調回
路2を実現できることが確かめられている。この周波数
は、CMOSの4000シリーズのインバータ回路2
4、26をデジタル回路として使用する場合の動作周波
数をはるかに越えている。すなわち、同調周波数を80
MHz前後という高周波に設定した場合でも、一般に汎
用されている安価なCMOSインバータを用いて同調回
路2を構成することができ、同調回路2あるいは同調回
路2を含むFM受信機のほとんどの構成部品を安価な半
導体製造プロセスで製造することができる。
【0059】(LC素子の具体例)次に、同調回路2に
含まれるLC素子30の具体例を詳細に説明する。図8
は、半導体基板上に形成されたLC素子の平面図であ
る。また、図9は図8に示したA−A線拡大断面図であ
る。
【0060】これらの図に示すLC素子30は、半導体
基板であるp型シリコン基板(p−Si基板)200の
表面付近に形成された渦巻き形状のn+ 領域202と、
さらにその一部に形成された渦巻き形状のp+ 領域20
4とを含んでおり、これらのn+ 領域202とp+ 領域
204とによってpn接合層206が形成されている。
また、p−Si基板200とn+ 領域202との間には
逆バイアス電圧が印加されており、周回して隣接するn
+ 領域202同士の間においてp−Si基板200がア
イソレーション領域として機能している。
【0061】また、本実施形態のLC素子30は、上述
したn+ 領域202の表面であって、このn+ 領域20
2に沿った位置に渦巻き形状の第1の電極210が形成
されている。同様に、p+ 領域204の表面であって、
+ 領域204に沿った位置に渦巻き形状の第2の電極
212が形成されている。また、第1の電極210の両
端および第2の電極212の一方端(例えば外周側)に
は、3つの入出力電極214、216、218がそれぞ
れ接続されている。なお、3つの入出力電極214、2
16、218の取付けは、図8に示すように薄いn+
域202あるいはp+ 領域204を傷つけないように能
動領域の外側で行われる。
【0062】このような構造を有するLC素子30は、
渦巻き形状を有している第1および第2の電極210、
212のそれぞれがインダクタ導体として機能する。ま
た、第1および第2の電極210、212のそれぞれに
電気的に接続されたpn接合層206が逆バイアスの状
態で使用されると渦巻き形状のキャパシタとして機能す
る。したがって、第1および第2の電極210、212
により形成されるインダクタとpn接合層206によっ
て形成されるキャパシタとが分布定数的に存在する複合
素子が形成される。
【0063】なお、p−Si基板200には、上述した
構造を有するLC素子30の他に、図4に示したインバ
ータ回路24等の他の構成部品が一体形成されており、
同調回路2の全体が1チップ上に集積化されている。
【0064】図10は、図8および図9に構造を示した
LC素子の等価回路を示す図である。同図(A)に示す
ように、第1の電極210がインダクタンスL1を有す
るインダクタとして機能し、第2の電極212がインダ
クタンスL2を有するインダクタとして機能する。ま
た、これら第1および第2の電極210、212の間に
は渦巻き形状の周回方向に沿ってpn接合層206が形
成されており、このpn接合層206を逆バイアスで使
用することにより、静電容量Cを有する分布定数的なキ
ャパシタが形成されている。なお、図4に示した回路に
含まれるLC素子30は、図10(A)に示した等価回
路を簡略化したものであり、実質的に同じものを表して
いる。
【0065】図10(B)は、LC素子30に含まれる
pn接合層206に逆バイアス電圧を印加するための構
成を示す。第1の電極214の両端にはインバータ回路
24の入力端あるいは出力端が接続されているが、例え
ばこのインバータ回路24をCMOSインバータとする
と、電源電圧Vccの半分の電圧Vcc/2がインバータ回
路24の入力端あるいは出力端の平均電圧レベルとなっ
て直流的に一定するため、入出力電極218に接続され
た周波数設定用の制御端子38の電位のみを変化させる
ことにより、pn接合層206の逆バイアスを相対的に
変化させることができる。
【0066】このように、図8に示すpn接合層206
のn+ 領域202とp+ 領域204との間に印加する逆
バイアス電圧を変更可能なLC素子30を用いて図4に
示す同調回路2を構成することにより、同調周波数をあ
る範囲で任意に変更することができる。例えば、一般の
可変容量ダイオードでは逆バイアス電圧を可変すること
により静電容量を50%程度変えることができるため、
図8に構造を示すLC素子30を用いることにより、通
過域の周波数を少なくとも数十%程度可変できることが
わかる。したがって、同調回路2の出力周波数を80M
Hz前後に設定した場合には、十数MHzから数十MH
zの範囲で同調周波数を可変することができ、全てのF
M放送を受信できる同調回路2を容易に実現することが
できる。
【0067】図11は、図8等に示したLC素子30の
製造工程の一例を示す図である。図8のB−B線拡大断
面の各製造工程毎の状態が示されている。
【0068】(1)エピタキシャル層の成長:まず最初
に、p−Si基板200(ウエハ)表面の酸化膜を除去
した後に、p−Si基板200の表面全体にn+ 型エピ
タキシャル層226を成長させる(図11(A))。
【0069】(2)アイソレーション領域の形成:次
に、図8に示したn+ 領域202およびp+ 領域204
を除く領域をアイソレーション領域とするために、p型
不純物の拡散あるいはイオン注入を行う。
【0070】具体的には、まずエピタキシャル層226
の表面を熱酸化して酸化膜228を形成する。そして、
フォトリソグラフィによってp領域を形成すべき位置の
酸化膜228を除去した後に、p型不純物を熱拡散ある
いはイオン注入により選択的に添加することにより、p
領域が選択的に形成される。このようにして形成された
p領域は、p−Si基板200の一部となってアイソレ
ーション領域を形成する(同図(B))。
【0071】このようにしてアイソレーション領域の形
成が行われた結果、残されたエピタキシャル層226に
よって渦巻き形状のn+ 領域202が形成される。
【0072】(3)pn接合層の形成:次に、渦巻き形
状に形成されたn+ 領域202の一部にp型不純物を熱
拡散あるいはイオン注入により導入することにより、渦
巻き形状のp+ 領域204を形成する(同図(C))。
【0073】具体的には、まずn+ 領域202を含むp
−Si基板200の表面を熱酸化して酸化膜230を形
成する。そして、フォトリソグラフィによってp+ 領域
204を形成すべき位置の酸化膜230を除去した後
に、p型不純物を熱拡散あるいはイオン注入により選択
的に添加することにより、p+ 領域204が選択的に形
成される。
【0074】このp+ 領域204は、先に形成されたn
+ 領域202中に形成する必要があるため、既に導入さ
れているn型不純物の量以上のp型不純物を添加するこ
とにより、p+ 領域204が形成される。
【0075】このようにして、n+ 領域202とp+
域204とからなる渦巻き形状のpn接合層206が形
成される。
【0076】(4)スパイラル電極の形成:次に、熱酸
化により表面に酸化膜232を形成した後にフォトリソ
グラフィによってn+ 領域202とp+ 領域204のそ
れぞれの表面に渦巻き形状の孔あけを行い、その後この
渦巻き形状に孔あけされた部分に、例えばアルミニウム
を蒸着することにより第1および第2の電極210、2
12を形成する(同図(D))。また、その後3つの入
出力電極214、216、218のそれぞれをアルミニ
ウムの蒸着により形成する。
【0077】上述したLC素子30を製造する工程は、
基本的には通常のバイポーラトランジスタあるいはダイ
オードを製造する工程と類似しており、pn接合層20
6やその間のアイソレーション領域の形状等が異なるも
のである。したがって、一般のバイポーラトランジスタ
を製造する工程においてフォトマスクの形状を変更する
ことにより対応することができ、製造が容易であるとと
もに小型化にも適している。
【0078】また、上述したLC素子30の製造工程に
おいては、最初にエピタキシャル成長によりn+ 領域を
表面全体に形成した後にアイソレーションを行う場合を
例にとり説明したが、p−Si基板200の表面に酸化
膜を形成した後にフォトリソグラフィにより渦巻き形状
のn+ 領域202に対応する孔あけを行い、この部分に
熱拡散あるいはイオン注入によりn型不純物を導入する
ことによりn+ 領域202を形成した後に、同様の方法
により直接的にp+ 領域204を形成してもよい。ま
た、pn接合層を形成する方法については、その他の一
般的な半導体製造技術を用いることができる。
【0079】このように、本実施形態のFM受信機は、
同調回路2内のLC素子30のpn接合層206に印加
する逆バイアス電圧を可変することにより、同調周波数
を連続的に変化させることができる。したがって、従来
必要不可欠であったバリコンを省くことができ、FM受
信機全体の回路規模を大幅に小型化することができる。
【0080】また、従来のように多連バリコンやこれら
に対応する複数のバリキャップを使用していないため、
連動誤差等がなく、設計時や製造時にこれらを考慮する
必要がない。
【0081】また、本実施形態のFM受信機は、同調回
路2をインバータ回路やLC素子等の半導体基板上に形
成可能な部品によって形成しているため、スピーカ9を
除くFM受信機のほとんどの部品を半導体基板上に一体
形成して1チップ化することができ、FM受信機全体の
小型化および低コスト化を図ることができる。
【0082】(第2の実施形態)上述した第1の実施形
態のFM受信機は、制御電圧によって同調周波数を変更
可能な同調回路2を含むPLL構成とし、そのループの
一部から音声信号を取り出すようにしたが、同調回路2
の出力を取り出した後に別個にFM検波を行うようにし
てもよい。
【0083】図12は、第2の実施形態のFM受信機の
構成を示す図である。同図に示す本実施形態のFM受信
機は、高周波増幅回路1、同調回路2、AGC回路3、
位相比較器(PD)4、発振器(OSC)5、チャージ
ポンプ(CP)6、ローパスフィルタ(LPF)7a、
7c、高周波増幅回路13、FM検波回路14、低周波
増幅回路8、スピーカ9を含んで構成されている。
【0084】本実施形態のFM受信機は、図1に示した
第1の実施形態のFM受信機に対して、2段目のローパ
スフィルタ7bを省略するとともに、同調回路2の後段
に高周波増幅回路13とFM検波回路14を設け、FM
検波回路14から出力される音声信号を低周波増幅回路
8を介してスピーカ9から出力している点が異なってい
る。したがって、同調動作そのものは第1の実施形態の
FM受信機と同じであり、以下では第1の実施形態のF
M受信機と異なる点に着目して説明する。
【0085】本実施形態のFM受信機は、同調回路2の
後段に高周波増幅回路13を設けることにより、同調回
路2の前後で2段の高周波増幅を行っている。したがっ
て、前段の高周波増幅ではある程度増幅度を抑えること
ができ、全体として良好なSN比を実現することができ
る。
【0086】また、2段目の高周波増幅を行った後に行
うFM検波は、回路の集積化に適した種々の方式を適用
することができる。例えば、PLL検波方式、パルスカ
ウント検波方式、クォドラチュア検波方式、ANDゲー
トによる検波方式等が知られている。
【0087】図13は、PLL検波方式を適用した場合
のFM検波回路14の構成を示す図である。同図に示す
FM検波回路14は、電圧制御型発振器(VCO)、位
相比較器(PD)、チャージポンプ(CP)、ローパス
フィルタ(LPF)を含んでPLL構成を有している。
【0088】通常のPLLは、位相比較器の一方の入力
端には発振器からの基準信号が入力されるが、このFM
検波回路14では位相比較器の一方の入力端に同調回路
2の出力信号が入力されている。同調回路2の出力信号
はFM変調がかかった信号であるため音声信号に対応し
て周波数がわずかに変化しているため、ローパスフィル
タから電圧制御型発振器に印加される制御電圧も音声信
号に対応して変化する。したがって、このローパスフィ
ルタの出力を音声信号として取り出すことができる。
【0089】FM検波回路14から出力される音声信号
は、第1の実施形態のFM受信機と同様に、低周波増幅
回路8によって電圧増幅および電力増幅が行われ、スピ
ーカ9から出力される。
【0090】なお、本発明は上記の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実
施が可能である。
【0091】例えば、上述した各実施形態では、高周波
増幅回路1から出力される信号を同調回路2に直接入力
していたが、同調回路2の前段で周波数変換を行うよう
にしてもよい。
【0092】図14は、図1に示したFM受信機に、発
振周波数が固定の局部発振回路(LOC)15と、高周
波増幅回路1から出力されるFM波と局部発振回路15
から出力される正弦波信号とを混合する混合回路16を
追加した構成を示す図である。また、図15は、図12
に示したFM受信機に、発振周波数が固定の局部発振回
路(LOC)15と、高周波増幅回路1から出力される
FM波と局部発振回路15から出力される正弦波信号と
を混合する混合回路16を追加した構成を示す図であ
る。
【0093】混合回路16は、入力された2つの正弦波
信号を混合して、それらの和信号あるいは差信号を出力
する。例えば、受信するFM波としてFM放送(76〜
90MHz)を考え、局部発振器15の発振周波数を5
0MHzに設定してその差信号を得るものとすると、混
合回路16から出力される信号の周波数は26〜40M
Hzの範囲となって容易に同調周波数の低周波化を図る
ことができる。反対に、混合回路16によって和信号を
得る場合には、容易に同調周波数の高周波化を図ること
ができる。
【0094】このように、局部発振回路15と混合回路
16を追加することにより、同調周波数を任意に変える
ことができる。したがって、同調回路2やその他の構成
回路に用いる素子の動作範囲等を考慮して最適な同調周
波数を設定することができ、設計に自由度を持たせるこ
とができる。
【0095】また、上述した各実施形態では、カットオ
フ周波数が1MHz近傍のローパスフィルタ7aの出力
をキャパシタ11を介して同調回路2に帰還させている
が、このローパスフィルタ7aおよびキャパシタ11を
省略するようにしてもよい。但し、この場合には音声信
号に応じて同調回路2の同調周波数が変化しなくなるた
め、同調回路2の同調特性にある程度の帯域が必要とな
る。したがって、図4に示した抵抗22の抵抗値R1
を、ある程度帯域を確保するとともに隣接した放送波を
充分に分離できるように考慮して設定する必要がある。
【0096】また、上述した各実施形態において、FM
受信機に含まれる同調回路2は、2つのインバータ回路
24、26を用いて構成したが、これらのインバータ回
路はアナログ素子として使用していることから、少なく
とも一方をソース接地回路等の反転増幅器で構成するよ
うにしてもよい。
【0097】また、図8に示したLC素子30は、第1
および第2の電極210、212のほぼ全長に対応する
ようにpn接合層206を形成したが、図16に示すよ
うに部分的に対応させたLC素子30aに置き換えても
よい。
【0098】また、上述した本実施形態の同調回路2で
はFET28を可変抵抗として使用したが、pチャネル
のFETとnチャネルのFETとを並列接続して可変抵
抗を構成し、各FETのゲート電圧を変えるようにして
もよい。ゲート電圧の大きさを変えることにより抵抗値
を可変することができる点は図4に示したFET28の
場合と同様であるが、このように2つのFETを組み合
わせて可変抵抗を構成することによりFETの非線形領
域の改善を行うことができるため、同調回路2の出力信
号の歪みをより少なくすることができる。
【0099】また、上述した各実施形態では、必要に応
じてFM波として放送波を例示して説明を行ったが、他
の周波数領域を使用するFM波あるいは音声信号以外の
FM変調信号を用いたFM波を受信するFM受信機、例
えば携帯用電話や文字放送の受信機等についても適用す
ることができる。
【0100】また、上述したLC素子30の説明では、
p−Si基板200とpn接合層206との間に生じる
浮遊容量を無視したが、実際に図4に示した各構成部品
を半導体基板上に形成するとこの浮遊容量の影響を無視
することができない。この点は、シミュレーションによ
っても確かめられており、図6に示した特性よりもかな
り変化がなだらかな特性となる。また、浮遊容量がある
ためpn接合層206の静電容量を可変した際の同調周
波数の変化の度合いも少なくなり、実用的でない。浮遊
容量が発生するとこのような数々の不都合が生じるた
め、不要容量の発生自体を回避できれば都合がよい。
【0101】図17は、浮遊容量の発生を抑えたLC素
子30bの平面図である。また、図18は図17に示し
たC−C線拡大断面図である。
【0102】これらの図に示すLC素子30bは、図8
に示したLC素子30に対して、pn接合層206をn
−Si基板300の一部に形成したpウェル302の表
面近傍に形成した点が異なっている。また、このpウェ
ル302には、所定の電圧を印加するために電極310
が設けられている。
【0103】このような構成を有するLC素子30bに
おいて、pn接合層206に逆バイアス電圧を印加する
際に、pウェル302の電位とこのpウェル302と接
するn+ 領域202の電位とがほぼ同じになるように、
電極310に対して所定の電圧を印加する。このように
してpウェル302とn+ 領域202の電位がほぼ同じ
になれば、これらが隣接する境界近傍での浮遊容量の発
生を抑えることができる。同様に、図19は浮遊容量の
発生を抑えたLC素子30cの平面図であり、図16に
示したLC素子30aに対応する構成が示されている。
【0104】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、第1の
制御電圧に応じて同調周波数が設定可能な同調回路を用
い、この同調回路を一般のPLL構成内の電圧制御型発
振器の代わりに使用することにより、同調周波数を一定
に保つとともに直接音声信号を取り出すことができる。
また、同調回路の後段にFM検波回路を別個に備えた場
合には、同調回路の前後で高周波増幅を行うこともで
き、この場合には良好なSN比を実現することができ
る。
【0105】特に、上述した同調回路は、半導体基板上
に形成された分布定数型のLC素子と2つのインバータ
回路あるいは反転増幅器とを含む単純な回路構成により
実現でき、同調回路以外の回路とともにFM受信機のほ
とんどの部品を半導体基板上に一体形成することが可能
となる。さらに具体的には、上述したLC素子は渦巻き
形状を有する2本のインダクタ導体とこれらのインダク
タ導体に沿った渦巻き形状を有するpn接合層とを有し
ており、インダクタ導体間にpn接合層による分布定数
的なキャパシタが形成されている。このpn接合層に印
加する逆バイアス電圧を変えることにより、LC素子の
素子定数が変化するため、同調回路の同調周波数も任意
に変化させることができ、バリコンが不要となる。
【0106】また、同調回路に含まれる第2の抵抗の抵
抗値を変化させることにより、同調回路の出力振幅を変
えることができ、簡単な構成で利得制御を行うことがで
きる。上述した第2の抵抗はFETのチャネルを抵抗体
として用いることにより実現でき、特に、pチャネルF
ETとnチャネルFETとを並列接続して用いる場合に
はFETの非線形特性を改善することができるため、歪
みの少ない同調信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態のFM受信機
の構成を示す図である。
【図2】AGC回路の具体例を示す図である。
【図3】基準周波数信号を発生する発振器の具体例を示
す図である。
【図4】図1に示すFM受信機に含まれる同調回路の回
路図である。
【図5】2段目のインバータ回路に並列接続された可変
抵抗の抵抗値と発振出力の信号振幅の関係を示す図であ
る。
【図6】同調回路の周波数特性を示す図である。
【図7】同調回路の周波数特性を示す図である。
【図8】半導体基板上に形成したLC素子の平面図であ
る。
【図9】図8に示したA−A線拡大断面図である。
【図10】図8に示したLC素子の等価回路を示す図で
ある。
【図11】LC素子の製造工程の一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態のFM受信機の構成を示す図
である。
【図13】FM検波回路の具体例を示す図である。
【図14】第1の実施形態のFM受信機の変形例を示す
図である。
【図15】第2の実施形態のFM受信機の変形例を示す
図である。
【図16】LC素子の変形例を示す図である。
【図17】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図18】図17に示したC−C線拡大断面図である。
【図19】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図20】従来のFM受信機の構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 高周波増幅回路 2 同調回路 3 自動利得制御(AGC)回路 4 位相比較器(PD) 5 発振器(OSC) 6 チャージポンプ(CP) 7a、7b、7c ローパスフィルタ(LPF) 8 低周波増幅回路 9 スピーカ 12 アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 1/26

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナで受信したFM波の中から第1
    の制御電圧に応じて設定された同調周波数近傍のものを
    選択する同調回路と、 変更可能な基準周波数信号と前記同調回路の出力信号と
    の周波数比較を行う位相比較器と、 前記位相比較器による比較結果に応じた出力電圧を有す
    るチャージポンプと、 前記チャージポンプの出力から直流成分を取り出して前
    記第1の制御電圧として前記同調回路に印加する第1の
    ローパスフィルタと、 カットオフ周波数がFM変調信号の周波数帯域以上であ
    って前記チャージポンプの出力からFM変調信号を分離
    する第2のローパスフィルタと、 を備え、前記同調回路に入力されるFM波の中から前記
    基準周波数信号と周波数が一致した信号を選択して、前
    記第1のローパスフィルタからFM変調信号を得ること
    を特徴とするFM受信機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記同調回路は、 第1の抵抗を介して交流信号が入力される第1のインバ
    ータ回路と、 第2の抵抗が並列接続されており、前記第1のインバー
    タ回路の出力側に接続された第2のインバータ回路と、 半導体基板上に並行して形成された2本のインダクタ導
    体とこれら2本のインダクタ導体の間に分布定数的に形
    成されたpn接合層によるキャパシタとを有しており、
    前記2本のインダクタ導体のいずれか一方を介して前記
    第1のインバータ回路の出力を入力側に帰還させるとと
    もに、前記2本のインダクタ導体のいずれか他方の一部
    が前記第2のインバータ回路の出力側に接続されたLC
    素子と、 を備え、前記第1の抵抗に入力された信号から所定の周
    波数近傍の信号を通過させて前記第2のインバータ回路
    から出力するとともに、前記pn接合層に印加する逆バ
    イアス電圧として前記第1の制御電圧を用いることによ
    り前記第1の制御電圧に応じて同調周波数を変化させる
    ことを特徴とするFM受信機。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記同調回路は、 第1の抵抗を介して交流信号が入力される第1の反転増
    幅器と、 第2の抵抗が並列接続されており、前記第1の反転増幅
    器の出力側に接続された第2の反転増幅器と、 半導体基板上に並行して形成された2本のインダクタ導
    体とこれら2本のインダクタ導体の間に分布定数的に形
    成されたpn接合層によるキャパシタとを有しており、
    前記2本のインダクタ導体のいずれか一方を介して前記
    第1の反転増幅器の出力を入力側に帰還させるととも
    に、前記2本のインダクタ導体のいずれか他方の一部が
    前記第2の反転増幅器の出力側に接続されたLC素子
    と、 を備え、前記第1の抵抗に入力された信号から所定の周
    波数近傍の信号を通過させて前記第2の反転増幅器から
    出力するとともに、前記pn接合層に印加する逆バイア
    ス電圧として前記第1の制御電圧を用いることにより前
    記第1の制御電圧に応じて同調周波数を変化させること
    を特徴とするFM受信機。
  4. 【請求項4】 アンテナで受信したFM波の中から第1
    の制御電圧に応じて設定された同調周波数近傍のものを
    選択する同調回路と、 変更可能な基準周波数信号と前記同調回路の出力信号と
    の周波数比較を行う位相比較器と、 前記位相比較器による比較結果に応じた出力電圧を有す
    るチャージポンプと、 前記チャージポンプの出力から直流成分を取り出して前
    記第1の制御電圧として前記同調回路に印加する第1の
    ローパスフィルタと、 前記同調回路の出力信号からFM変調信号を取り出すF
    M検波回路と、 を備え、前記同調回路に入力されるFM波の中から前記
    基準周波数信号と周波数が一致した信号を選択して、前
    記FM検波回路から音声出力を得ることを特徴とするF
    M受信機。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記同調回路は、 第1の抵抗を介して交流信号が入力される第1のインバ
    ータ回路と、 第2の抵抗が並列接続されており、前記第1のインバー
    タ回路の出力側に接続された第2のインバータ回路と、 半導体基板上に並行して形成された渦巻き形状の2本の
    インダクタ導体とこれら2本のインダクタ導体の間に分
    布定数的に形成されたpn接合層によるキャパシタとを
    有しており、前記2本のインダクタ導体のいずれか一方
    を介して前記第1のインバータ回路の出力を入力側に帰
    還させるとともに、前記2本のインダクタ導体のいずれ
    か他方の一部が前記第2のインバータ回路の出力側に接
    続されたLC素子と、 を備え、前記第1の抵抗に入力された信号から所定の周
    波数近傍の信号を通過させて前記第2のインバータ回路
    から出力するとともに、前記pn接合層に印加する逆バ
    イアス電圧として前記第1の制御電圧を用いることによ
    り前記第1の制御電圧に応じて同調周波数を変化させる
    ことを特徴とするFM受信機。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 前記同調回路は、 第1の抵抗を介して交流信号が入力される第1の反転増
    幅器と、 第2の抵抗が並列接続されており、前記第1の反転増幅
    器の出力側に接続された第2の反転増幅器と、 半導体基板上に並行して形成された渦巻き形状の2本の
    インダクタ導体とこれら2本のインダクタ導体の間に分
    布定数的に形成されたpn接合層によるキャパシタとを
    有しており、前記2本のインダクタ導体のいずれか一方
    を介して前記第1の反転増幅器の出力を入力側に帰還さ
    せるとともに、前記2本のインダクタ導体のいずれか他
    方の一部が前記第2の反転増幅器の出力側に接続された
    LC素子と、 を備え、前記第1の抵抗に入力された信号から所定の周
    波数近傍の信号を通過させて前記第2の反転増幅器から
    出力するとともに、前記pn接合層に印加する逆バイア
    ス電圧として前記第1の制御電圧を用いることにより前
    記第1の制御電圧に応じて同調周波数を変化させること
    を特徴とするFM受信機。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかにおいて、 前記同調回路と前記FM検波回路の間に前記同調回路か
    ら出力される信号を増幅する高周波増幅回路をさらに備
    えることを特徴とするFM受信機。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記同調回路の前段に、前記アンテナで受信したFM波
    を増幅する高周波増幅回路をさらに備えることを特徴と
    するFM受信機。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかにおいて、 固定周波数の正弦波を発生する発振器と、前記発振器の
    出力と前記アンテナで受信したFM波を混合することに
    よりこれらの差信号あるいは和信号を前記同調回路に入
    力する混合回路とをさらに備え、受信したFM波に対し
    て周波数変換を行うことを特徴とするFM受信機。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかにおいて、 前記同調回路の出力振幅に応じた第2の制御電圧を出力
    する利得制御回路をさらに備えており、前記第2の制御
    電圧に応じて前記同調回路に含まれる前記第2の抵抗の
    抵抗値を可変することにより前記同調回路の出力振幅を
    調整することを特徴とするFM受信機。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記第2の抵抗をFETのチャネルによって形成し、前
    記利得制御回路から印加される前記第2の制御電圧に応
    じて前記FETのゲート電圧を変えてチャネル抵抗を変
    えることを特徴とするFM受信機。
  12. 【請求項12】 請求項10において、 前記第2の抵抗をpチャネル型のFETとnチャネル型
    のFETとを並列接続することにより形成し、前記利得
    制御回路から印加される前記第2の制御電圧に応じて各
    FETのゲート電圧の大きさを変えてチャネル抵抗を変
    えることを特徴とするFM受信機。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかにおいて、 前記チャージポンプの出力からFM変調信号の周波数よ
    りも高くFM波の搬送波周波数よりも低い周波数を有す
    る第3の制御電圧を取り出す第3のローパスフィルタを
    さらに備え、前記第1の制御電圧に前記第3の制御電圧
    を重畳させて前記同調回路に印加することを特徴とする
    FM受信機。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかにおいて、 位相同期ループ内に分周比が任意に設定可能な可変分周
    器を有しており、この分周比を変えることにより所定の
    FM波に対応する周波数の信号をステップ状に発生させ
    る可変周波数発振器をさらに備え、この可変周波数発振
    器で発生する所定周波数の信号を前記基準周波数信号と
    して前記位相比較器に入力することを特徴とするFM受
    信機。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体基板上でほぼ同心状に隣接して配置されてお
    り、前記2本のインダクタ導体として機能する渦巻き形
    状の2つの電極と、 前記半導体基板の表面近傍であって前記2つの電極に沿
    った位置に形成され、前記2つの電極のいずれか一方に
    p領域が、他方にn領域が電気的に接続されており、逆
    バイアス電圧を印加することにより前記キャパシタとし
    て機能する渦巻き形状のpn接合層と、 を備えることを特徴とするFM受信機。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体基板上に形成されたウェルと、 前記ウェル上でほぼ同心状に隣接して配置されており、
    前記2本のインダクタ導体として機能する渦巻き形状の
    2つの電極と、 前記ウェルの表面近傍であって前記2つの電極に沿った
    位置に形成され、前記2つの電極のいずれか一方にp領
    域が、他方にn領域が電気的に接続されており、逆バイ
    アス電圧を印加することにより前記キャパシタとして機
    能する渦巻き形状のpn接合層と、 を備え、前記ウェルの電位と、前記ウェルに接する前記
    p領域あるいは前記n領域の電位とをほぼ同じにするこ
    とを特徴とするFM受信機。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかにおいて、 前記半導体基板上に構成部品を一体形成したことを特徴
    とするFM受信機。
JP14352296A 1996-05-14 1996-05-14 Fm受信機 Expired - Fee Related JP3712787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14352296A JP3712787B2 (ja) 1996-05-14 1996-05-14 Fm受信機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14352296A JP3712787B2 (ja) 1996-05-14 1996-05-14 Fm受信機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09307468A true JPH09307468A (ja) 1997-11-28
JP3712787B2 JP3712787B2 (ja) 2005-11-02

Family

ID=15340704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14352296A Expired - Fee Related JP3712787B2 (ja) 1996-05-14 1996-05-14 Fm受信機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3712787B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11330366A (ja) * 1998-03-06 1999-11-30 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 電子発振器のための改善されたインダクタを生成する方法及び装置
JP2013197979A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Toshiba Corp 受信機
WO2017122416A1 (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 ソニー株式会社 半導体装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11330366A (ja) * 1998-03-06 1999-11-30 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 電子発振器のための改善されたインダクタを生成する方法及び装置
JP2013197979A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Toshiba Corp 受信機
WO2017122416A1 (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 ソニー株式会社 半導体装置
JPWO2017122416A1 (ja) * 2016-01-14 2018-11-01 ソニー株式会社 半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3712787B2 (ja) 2005-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7127217B2 (en) On-chip calibration signal generation for tunable filters for RF communications and associated methods
US7676206B2 (en) Low noise, low distortion radio receiver front-end
US6630899B2 (en) Scheme for maximizing efficiency of power amplifier under power backoff conditions
US20030227336A1 (en) Cross-coupled voltage controlled oscillator with improved phase noise performance
JP3874594B2 (ja) テレビジョンチューナ
US5521545A (en) Collector-injection mixer with radio frequency signal applied to collectors of lower transistor pair
US8467749B2 (en) Monolithic FM-band transmit power amplifier for mobile cellular devices and method of operation thereof
US6577189B2 (en) Scheme for reducing transmit-band noise floor and adjacent channel power with power backoff
JP3712787B2 (ja) Fm受信機
JP4167349B2 (ja) 受信機
JPH11214932A (ja) 増幅回路およびこれを用いた携帯電話器
JPS63141401A (ja) 可同調発振器
JP3592161B2 (ja) テレビジョンチューナ
JP3676495B2 (ja) Fm受信機
US9094634B2 (en) Amplifier for television tuner chip and method therefor
CN115088191A (zh) 功率放大电路、高频电路以及通信装置
JP2000082779A (ja) 受信機
WO2003003595A1 (fr) Recepteur
EP1800397A1 (en) Rf input stage for low noise amplifier or mixer
Kianush et al. A global car radio IC with inaudible signal quality checks
JPS6149505A (ja) Pll‐fm復調器用の同調可能な共振回路
KR20010019963A (ko) 디지털 위성방송 수신용 튜너
Cotanis The radio receiver saga: An introduction to the classic paper by Edwin H. Armstrong
JPS63107311A (ja) 可変周波数発振装置
JP3100019U (ja) テレビジョンチューナ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050818

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees