JPH09304892A - ハロゲン化銀白黒印画紙の現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀白黒印画紙の現像処理方法

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JPH09304892A JP11660596A JP11660596A JPH09304892A JP H09304892 A JPH09304892 A JP H09304892A JP 11660596 A JP11660596 A JP 11660596A JP 11660596 A JP11660596 A JP 11660596A JP H09304892 A JPH09304892 A JP H09304892A
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智道 中場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント用白黒印画紙に関するものであり、特
に紫外光による銀画像部の変退色を抑制する技術を提供
することである。 【解決手段】不透明支持体上のいずれかの写真層中に、
少なくとも1種類以上の高沸点有機溶剤を有したハロゲ
ン化銀白黒印画紙を、pH11〜13(25±0.5℃
で測定)の現像液で現像することを特徴とした現像処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント用白黒印画紙
の処理方法に関するものであり、特に紫外光による銀画
像部の変退色を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料での高沸点有
機溶剤を用いる一般的な技術として、例えば英国特許1
072915号、特公昭45−37376号、特開昭6
0−134232号などに記載されているように、油溶
性蛍光増白剤を高沸点有機溶剤に溶解して乳化分散物と
して感光材料中に添加する方法が知られている。また写
真感度、写真濃度の向上等を目的として単独で使われる
場合もある。
【0003】ところが本発明者らの検討により、高沸点
有機溶剤を使用したハロゲン化銀白黒印画紙(以下、白
黒印画紙)を一般的な現像液で処理すると、紫外光によ
る銀画像部の変退色性に問題のあることが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プリ
ント用白黒印画紙の処理方法に関するものであり、特に
紫外光による銀画像部の変退色を抑制する技術を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、不
透明支持体上のいずれかの写真層中に、少なくとも1種
類以上の高沸点有機溶剤を有したハロゲン化銀白黒印画
紙を、pH11〜13(25±0.5℃で測定)の現像
液で現像することを特徴とした現像処理方法によって達
成された。
【0006】以下、本発明を詳細に記載する。
【0007】高沸点有機溶剤としては、米国特許232
2027号、同3676137号、同3779765
号、西独特許1152610号、英国特許127256
1号、特開昭53−1520号、同55−25057
号、特公昭45−37376号等に記載されているよう
なフタル酸エステル、リン酸エステル類が一般的で、米
国特許3416923号に開示されたアミド化合物や安
息香酸エステル類、また置換パラフィン類なども使用さ
れている。
【0008】しかし、このような高沸点有機溶剤を有し
た白黒印画紙は従来、例えば一般的によく用いられてい
るD−72現像液(25.0℃で測定したときのpH1
0.36)等で処理すると、日光などに含まれる紫外光
の長期照射により、銀画像部の変退色が顕著であり、観
賞用として実用的ではない品質となってしまう。
【0009】そこで本発明者等が鋭意研究を重ねた結
果、pHが11〜13、より好ましくは11.75〜1
3に調製された現像液(25±0.5℃で測定)を使用
することにより、該印画紙銀画像部の変退色を抑制する
効果があることを見いだした。
【0010】本発明に用いられる高沸点有機溶剤は、一
般的に知られている沸点が200℃を越えるものを指
し、単独、または2種以上組み合わせて使用することが
できる。また、添加層は支持体上の写真要素中ならどの
層でもかまわない。
【0011】高沸点有機溶剤の使用量は、単独で添加す
る場合には20mg/m2以上、また、油溶性蛍光増白剤
を高沸点有機溶剤に溶解して乳化分散物として感光材料
中に添加する場合には、15mg/m2以上使用時に本発
明方法が特に有効である。
【0012】本発明方法により現像されるハロゲン化銀
乳剤中には、高沸点有機溶剤の他、各種の添加剤を含有
することができる。例えば、金化合物により化学増感す
る際に他の化学増感剤(例えば、チオ尿素、ハイポなど
の硫黄増感剤、金以外の貴金属増感剤、還元増感剤)等
も併用することができる。さらに安定剤、カブリ防止
剤、界面活性剤、現像剤、現像促進剤、硬膜剤、硬膜促
進剤、色素抜改良剤、増白剤、増粘剤等を含有すること
ができる。
【0013】ハロゲン化銀乳剤は不透明な支持体、例え
ばバライタ塗覆紙、白色ポリエステルフィルム、ポリオ
レフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)
被覆紙の如きものの上に塗布される。これらの支持体中
には各種の無機白色顔料、無機着色顔料、分散剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、酸化防止剤、安定剤等を添加する
ことができる。また、支持体表面は公知の方法でコロナ
放電処理等の表面活性化処理を施し、また必要に応じて
下引き加工されても良い。
【0014】本発明方法により現像される白黒印画紙
は、露光後通常用いられる公知の方法により現像処理す
ることができる。現像液は、通常の写真に用いられるヒ
ドロキシベンゼン類、3−ピラゾリドン類、アミノフェ
ノール類、1−フェニル−3−ピラゾリン類、アスコル
ビン酸、アミノベンゼン類等の現像主薬を単独、もしく
は組み合わせて用いることができる。また、一般的にこ
の他公知の保恒剤、アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防
止剤等を含み、更に必要に応じ溶解助剤、色調剤、現像
促進剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化剤、硬膜剤、粘
性付与剤、その他アルカリ金属塩の亜硫酸塩、炭酸塩重
亜硫酸塩、臭化物及びヨウ化物等を含むことができる。
【0015】定着液としては、一般的に用いられる組成
のものを使用することができる。定着剤としてはチオ硫
酸塩、チオシアン酸塩のほか、定着剤としての効果が知
られている有機硫黄化合物を用いることができ、また必
要に応じて硬膜剤として水溶性アルミニウムを含んでも
よい。
【0016】処理温度は現像、定着、水洗工程全てにお
いて一般的に用いられる18〜50℃の間でよいが、1
8℃より低い温度、あるいは50℃より高い温度であっ
てもよい。処理時間は処理温度により適した条件を選択
すればよいが、定着、水洗が不充分にならないようにす
る必要がある。
【0017】以下に本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明はこの例に限定されるものではな
い。
【0018】実施例1
【0019】通常の方法で調整された平均粒径0.6μ
mの立方体AgBrI(I;1モル%)粒子からなる乳
剤に化学熟成を施し、下記化1の分光増感色素0.3ミ
リモル/モルAgX添加し、塗布液を調製した。
【0020】
【化1】
【0021】この塗布液100g中に銀2g、ゼラチン
4gを含有するようにゼラチン濃度を調整した後、カブ
リ防止剤として1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール1mg、更に下記化2で示される油溶性蛍光増白剤
1.8gを、高沸点有機溶剤として下記化3で表される
n−ジオクチルフタレート(沸点386℃)100ccと
酢酸エチル200ccに溶解したものを、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸を固形分で7g含む12%ゼラチン水溶液
800ccと約60℃で混合し、ホモジナイザーを用いて
激しく攪拌し調製した乳化分散物を10g添加し、硬膜
剤として2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,
5トリアジンを0.2g添加して、ゼラチン1.5g/
2からなる保護層と共に厚さ110μのポリエチレン
ラミネート紙支持体上に塗布銀量1.5g/m2で塗布
し、50℃1日加温して試料を得た。
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】また比較のために、高沸点有機溶剤を添加
しなかったものも同様に塗布して試料を得た。
【0025】露光は3020K、163ルクスのタング
ステン光の感光計を使用し、濃度差0.15の白黒ウェ
ッジに密着させておこなった。
【0026】露光済み試料を以下に示す条件で処理後、
紫外線照射機にて照射時間を変化させて紫外線を照射
し、得られた試料について変退色度合いを視覚的に評価
した結果を表1に示す。
【0027】(現像液組成) 1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.4g メタリン酸ナトリウム 1g 亜硫酸水素ナトリウム 1g 無水亜硫酸ナトリウム 25g 炭酸ナトリウム(一水塩) 25g 臭化カリウム 1g ハイドロキノン 23g 5−メチル−ベンゾトリアゾール 0.133g 水を加えて1リットルにする。(pH10.59 at
25.1℃)
【0028】(定着液組成) チオ硫酸アンモニウム 170g 無水亜硫酸ナトリウム 15g 硼酸 7g 氷酢酸 5g エチレンジアミン四酢酸 0.1g 水を加えて1リットルにする。
【0029】(処理条件)上記組成処理液を用いて20
℃90秒間現像、20℃120秒間定着、及び流水にて
180秒間水洗をおこない、白黒プリントを得た。
【0030】変退色度の評価基準 ○ 良好。 △ やや悪いが実用上問題ない。 × 実用的に使用が困難。
【0031】
【表1】
【0032】表1から、高沸点有機溶剤が添加された試
料は、紫外線による変退色性が悪いことが判る。
【0033】先に使用した現像液処方に水酸化カリウム
を加え、pHを変化した現像液を調製し、高沸点有機溶
剤を添加した方の試料を前記条件と同様に処理、及び紫
外線を照射した結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2から現像液pHを11以上にすること
により、高沸点有機溶剤が添加された試料であっても、
変退色性が良化していることが判る。
【0036】実施例2
【0037】実施例1において、高沸点有機溶剤を下記
化4で表されるジ−2−エチルヘキシルアジペート(沸
点208℃)に変更した以外は全く同様に実施した結果
を表3に示す。
【0038】
【化4】
【0039】
【表3】
【0040】表3から高沸点有機溶剤を変えても本発明
の実施態様が優れていることが判る。
【0041】
【発明の効果】本発明により、プリント用白黒印画紙の
処理方法に関するものであり、特に紫外光による銀画像
部の変退色を抑制する技術を提供できた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不透明支持体上のいずれかの写真層中
    に、少なくとも1種類以上の高沸点有機溶剤を有したハ
    ロゲン化銀白黒印画紙を、pH11〜13(25±0.
    5℃で測定)の現像液で現像することを特徴とした現像
    処理方法。
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