JPH09304355A - 金属薄板の超音波探傷装置 - Google Patents

金属薄板の超音波探傷装置

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JPH09304355A
JPH09304355A JP8118990A JP11899096A JPH09304355A JP H09304355 A JPH09304355 A JP H09304355A JP 8118990 A JP8118990 A JP 8118990A JP 11899096 A JP11899096 A JP 11899096A JP H09304355 A JPH09304355 A JP H09304355A
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JP
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plate
ultrasonic
thin
ultrasonic wave
tire
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Application number
JP8118990A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Muto
伸之 武藤
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波の金属薄板に対する入射角が変動する
のを抑制して、欠陥等の検出精度を良好に向上させるこ
とのできる金属薄板の超音波探傷装置の提供。 【解決手段】 タイヤ内充填液を満たしたゴムタイヤ3
内には、振動子5が傾けて配設されている。ゴムタイヤ
3の両隣には硬質ゴム製の一対の補助輪7,8が配設さ
れ、ゴムタイヤ3および補助輪7,8は、支軸9aを介
して支持部9に同軸状に回転自在に固定されている。そ
して、このゴムタイヤ3、振動子5、補助輪7,8、お
よび支持部9によってタイヤ探触子11が構成されてい
る。ゴムタイヤ3を補助輪7,8で両側から支持するの
で、振動子5が発する超音波ビーム37の入射角が変動
しない。また、振動子5は図1の斜め手前に向かって超
音波ビーム37を発するので、補助輪8の影響を受けず
に板波33を発生することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアルミニウ
ムやアルミニウム合金等の薄い板材の、内部および表面
に存在する非金属介在物等の異物や傷、空洞等の欠陥を
オンラインで検査する金属薄板の超音波探傷装置(以下
単に超音波探傷装置ともいう)に関する。
【0002】
【従来の技術】薄板のような薄く広い対象物の超音波探
傷には、振動子が発生した超音波を板面法線に対して斜
めに板に入射して板波を発生させ、その板波が欠陥に反
射されて返ってくるのを観測して探傷を行う板波式の超
音波探傷装置が用いられている(例えば、トキメック製
『タイヤ型探触子』)。この種の探傷装置は、一次元走
査で薄板全面を効率よく検査し得るため、オンライン検
査に適している。
【0003】例えば、図9に例示する超音波探傷装置5
1では、タイヤ内充填液(ここでは水を使用)を満たし
たゴムタイヤ53内に、振動子55が傾けて配設されて
いる。なお、振動子55は、ゴムタイヤ53の回転方向
(金属薄板81に対する相対移動方向)と直交する方向
に超音波を発振するように配設されている。
【0004】ゴムタイヤ53の隣(振動子55による超
音波の発振方向と反対側)には硬質の補助輪57が配設
され、ゴムタイヤ53および補助輪57は、支軸59a
を介して支持部59に回転自在に固定されている。そし
て、このゴムタイヤ53,補助輪57,および支持部5
9によってタイヤ探触子61が構成されている。また、
タイヤ探触子61には信号線67を介して演算部71が
接続され、次のような処理によって、金属薄板81の欠
陥等を検出している。
【0005】振動子55が発生した超音波ビーム87は
金属薄板81に斜めに入射し、板波83を発生させる。
そのパルス状の板波83は金属薄板81中を被導波とし
て伝播し、欠陥85や板端81aがあると、反射してほ
ぼ同じモードの板波として反射してくる。この波は同じ
入射経路を戻って振動子55に到達し、振動子55はそ
の反射波に応じた電気信号を発生する。そこで、演算部
71では、この電気信号を周知の方法で解析し、パルス
エコー波として表示するのである。なお、板波83の発
生原理を図10に更に詳細に示す。図10に示すよう
に、板波83の波長λは、超音波ビーム87の波長λi
および入射角θに依存している。
【0006】ここで、板波83の発生条件は、次のよう
に弾性理論的に計算することができる。先ず、金属薄板
81には、図11に例示するような板波モードが存在す
る。なお、各モードを表すS,Aは、それぞれ対称,斜
対称を表しており、そのS,Aの添え字は振動の次数を
表す。この板波モードをパラメータとして、(周波数f
×板厚d)に一意に依存する位相速度Cを求めることが
でき、この位相速度Cおよび入射角θが式(1)を満足
したときのみ板波83が発生する。但し、式(1)にお
いて、Ciはタイヤ内充填液中の音速である。
【0007】 C=Ci/sinθ (1) この関係から、板波モードをパラメータとして(周波数
f×板厚d)と入射角θとの関係を、ある種の鋼板に対
して求めたものが、図12のマップである。このよう
に、超音波探傷装置は上記の条件を満足するときのみ利
用できるもので、通常の超音波探傷とは異なり、送受信
号の周波数特性や超音波の入射角に充分に留意しなけれ
ばならない。また、鋼板に対する欠陥体積と欠陥エコー
レベルとの関係を図13に例示する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ゴムタイヤ
53は、超音波ビーム87を金属薄板81に良好に伝達
できるよう、きわめて薄く形成されている。このため、
図9の例のように補助輪57をゴムタイヤ53の片側に
設けただけでは、タイヤ探触子61が金属薄板81上を
移動するとき支軸59aが上下左右に揺動し、超音波ビ
ーム87の入射角θが変動する。このように入射角θが
変動すると、振動子55の受信状態が変動するので、欠
陥85等の検出精度を充分に得ることができなかった。
【0009】また、例えば実開昭57−114964号
公報に記載のように、ゴムタイヤの(相対移動方向に対
する)前後に補助輪を二つずつ設け、これによってゴム
タイヤを支持することも考えられている。ところが、こ
の種のタイヤ探触子は、ゴムタイヤとドラム等との間に
検査対象の金属薄板を挟んで使用されることが多く、こ
の場合、補助輪の下にドラム等が配設されない。このた
め、金属薄板に局部的な歪等があると超音波の入射角が
変動してしまう。更に、例えば、実公昭61−4212
8号公報に記載のように、超音波の入射角を任意に調整
する機構を設けて、最適な入射角に制御することも考え
られているが、この場合、入射角の制御に時間がかか
り、タイヤ探触子を金属薄板に対して相対移動させなが
ら検査を行う、いわゆるオンライン検査には適用困難で
ある。
【0010】そこで、本発明は、超音波の金属薄板に対
する入射角が変動するのを抑制して、欠陥等の検出精度
を良好に向上させることのできる金属薄板の超音波探傷
装置を提供することを目的としてなされた。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達するためになされた請求項1記載の発明は、金属
薄板に超音波を斜入射して該金属薄板に板波を発生する
と共に、該金属薄板から同一経路を介して返送される超
音波を受信する超音波送受信手段と、該超音波送受信手
段を内部に保持すると共に、上記超音波送受信手段と上
記金属薄板との間に液状の超音波伝播体を保持する保持
手段と、該保持手段を、上記金属薄板上に支持する支持
手段と、上記保持手段を、上記金属薄板に対して一定方
向に相対移動可能とする移動手段と、を備えた金属薄板
の超音波探傷装置において、上記超音波送受信手段が、
上記一定方向とは直交しない方向に超音波を斜入射する
と共に、上記支持手段が、上記一定方向と直交する方向
の両側から上記保持手段を支持することを特徴としてい
る。
【0012】このように構成された本発明では、保持手
段内部に保持された超音波送受信手段は、超音波伝播体
を介して金属薄板に超音波を斜入射し、その金属薄板に
板波を発生すると共に、その金属薄板から同一経路を介
して返送される超音波を受信する。この超音波の受信状
態に応じて金属薄板の欠陥等が検出可能となる。また、
移動手段は、保持手段を金属薄板に対して一定方向に相
対移動可能としており、これによって、金属薄板の欠陥
等をオンラインで検出することが可能となる。
【0013】ここで、保持手段を金属薄板上に支持する
支持手段は、上記一定方向と直交する方向(以下、横方
向という)の両側から保持手段を支持するので、保持手
段の揺動を良好に防止することができ、延いては、その
内部に保持された超音波送受信手段の揺動を良好に防止
することができる。このため、本発明では、超音波の金
属薄板に対する入射角が変動するのを抑制して、欠陥等
の検出精度を良好に向上させることができる。
【0014】なお、超音波の入射方向に保持手段が存在
し、金属薄板を押圧していると、板波の伝播に影響を及
ぼす可能性があるが、本発明では、超音波送受信手段
が、上記一定方向とは直交しない方向に超音波を斜入射
する。すなわち、超音波送受信手段は、保持手段が存在
しない方向に超音波を入射するのである。このため、上
記押圧による影響を排除して、板波を用いた検出が良好
に行える。従って、本発明では、欠陥等の検出精度をき
わめて良好に向上させることができる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成に加え、上記超音波送受信手段が、上記一定方向に対
して0〜80°または100〜180°の角をなす方向
に超音波を斜入射することを特徴としている。すなわ
ち、本発明では、超音波送受信手段による超音波の入射
方向を、横方向回りに10°以上離れた方向に設定して
いる。超音波の入射方向が横方向からこの程度ずれてい
ると、支持手段の金属薄板との接触面積を充分に確保す
ると共に、支持手段が板波の伝播に与える影響を充分に
排除することができる。このため、本発明では、保持手
段を一層良好に支持して入射角の変動を防止すると共
に、板波の伝播状態を一層良好にすることができる。従
って、請求項1記載の発明の効果に加えて、欠陥等の検
出精度を一層良好に向上させることができるといった効
果が生じる。
【0016】なお、本発明において、上記0〜80°ま
たは100〜180°の角は、上記一定方向に対して左
右どちら側にとってもよい。請求項3記載の発明は、請
求項1または2記載の構成に加え、上記保持手段が、内
部に上記超音波送受信手段および超音波伝播体を保持す
る中空のタイヤ状に形成されると共に、上記支持手段が
上記保持手段と回転軸を共有する一対のタイヤ状に形成
され、上記保持手段および上記支持手段が、自身が回転
することにより上記金属薄板に対して上記一定方向に相
対移動することを特徴としている。
【0017】このように、本発明では、保持手段および
支持手段が共にタイヤ状に形成され、それらが同軸上に
回転することにより金属薄板に対して上記一定方向に相
対移動する。すなわち、保持手段および支持手段が移動
手段を兼ねている。また、保持手段および支持手段が同
軸上に回転しながら移動するので、両者の位置関係が、
移動中にもきわめて良好に保持される。このため、入射
角の変動を一層良好に防止することができる。従って、
本発明では、請求項1または2記載の発明の効果に加え
て、装置の構成を一層簡略化すると共に、欠陥等の検出
精度を一層良好に向上させることができるといった効果
が生じる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
と共に説明する。図1は、本発明が適用された超音波探
傷装置1の構成を表す断面図である。なお、この超音波
探傷装置1は、タイヤ内充填液(水でもよく、また、後
述のように水と不凍液との混合液であってもよい)を満
たしたゴムタイヤ3内に、振動子5を傾けて配設したい
わゆるタイヤ探触子型の超音波探傷装置である。
【0019】ゴムタイヤ3の両隣には硬質ゴム製の一対
の補助輪7,8が配設され、ゴムタイヤ3および補助輪
7,8は、支軸9aを介して支持部9に同軸上に回転自
在に固定されている。そして、このゴムタイヤ3、振動
子5、補助輪7,8、および支持部9によってタイヤ探
触子11が構成されている。
【0020】次に、図2に示すように、タイヤ探触子1
1には更に、振動子5を振動させて超音波を発生する電
気信号(以下、励起信号という)と、振動子5が超音波
を受信して発生する電気信号(以下、検出信号という)
とを弁別する信号弁別器13が設けられている。また、
タイヤ探触子11は、信号線17を介して、次のように
構成された演算部21と電気的に接続されている。
【0021】演算部21は、超音波の振動数に応じた励
起信号を発振する発振器23と、その励起信号を増幅し
てタイヤ探触子11の信号弁別器13へ送信するRF
(ラジオ・フリークエンシー)アンプ25と、タイヤ探
触子11の上記検出信号を受信して図示しないモニタ装
置などを駆動する超音波探傷器27とを備えている。な
お、信号弁別器13はタイヤ探触子11と別体に設けて
もよい。
【0022】このように構成された超音波探傷装置1は
次のように動作する。ゴムタイヤ3および補助輪7,8
は、図1に示すように、金属薄板(例えばアルミニウム
板)31上に載置される。そして、金属薄板31が支軸
9aと直交方向に搬送されることにより、ゴムタイヤ3
および補助輪7,8が回転し、タイヤ探触子11が金属
薄板31に対して相対移動する。なお、図3に示すよう
に、振動子5は、タイヤ探触子11の相対移動の方向
(進行方向)に対して所定角ψ(0°≦ψ≦80°)の
方向に超音波を発振する。また、振動子5が超音波を発
振する方向は、振動子5を周知の角度変更機構を介して
支持することにより可変としてもよい。
【0023】このように構成された超音波探傷装置1で
は、発振器23が励起信号を発振すると、その励起信号
はRFアンプ25にて増幅された後、信号弁別器13を
介して振動子5に伝達される。すると振動子5は、図1
に示すように、超音波ビーム37をタイヤ内充填液を介
して金属薄板31に入射し、この入射角θが前述の所定
条件を満たすとき金属薄板31に板波33が発生する。
この板波33は、金属薄板31内の欠陥(空隙や非金属
介在物)35や板端31aに反射されると、同じ入射経
路を戻って振動子5に到達し、振動子5はその反射波に
応じた検出信号を発生する。この検出信号は超音波探傷
器27に入力され、超音波探傷器27はその検出信号に
応じてモニタ装置を駆動する。このため、金属薄板31
を搬送しながら上記モニタ装置の波形を観察することに
より、金属薄板31の欠陥を検出することができる(例
えば図5参照)。
【0024】なお、金属薄板31を搬送する構成として
は、次のように種々の形態を採用することができる。例
えば、図4(A)に示すように、表面に金属薄板31を
巻き付けた回転ドラム41を、ベルト42を介してモー
タ43で回転させてもよい。また、図4(B)に示すよ
うに、一対のドラム44の間に金属薄板31をベルト状
に巻き付け、そのドラム44をモータ45によって回転
させてもよい。この場合、タイヤ探触子11は、いずれ
か一方のドラム44に隣接配置することが、その位置を
安定させる上で望ましい。更に、図4(C)に示すよう
に、巻回して金属コイル46とした金属薄板31を、ド
ラム47,48を介して他の金属コイル49に巻き取っ
てもよい。この場合も、タイヤ探触子11は、ドラム4
7または48に隣接配置することが、その位置を安定さ
せる上で望ましい。
【0025】次に、欠陥の反射特性について示す。前述
のように、振動子5が発生する超音波の周波数fおよび
金属薄板31の板厚dの積f・dと、板波モードとか
ら、板波33の位相速度Cが求められる。振動子5から
発せられた超音波ビーム37はタイヤ内充填液中を伝わ
り、ゴムタイヤ3を介して金属薄板31に入射する。タ
イヤ内充填液中の音速をCiとすると前述の式(1)の
関係が成り立つとき、すなわち入射角θが次式を満たす
とき、板波33が発生する。
【0026】 Ci=C・sinθ (2) 一方、タイヤ内充填液中の波長をλi,板波33の波長
をλとすると、以下の関係がある。 Ci=f・λi (3) C =f・λ (4) 従って、f・dおよびfが決められれば、板波33の位
相速度Cが決まり、その波長λも決定される。図6にア
ルミニウム板の場合での理論的に計算された板波33の
位相速度Cとf・dの関係を示した。次に、図6から求
められた位相速度Cを式(4)に代入して、板波33の
波長λと周波数fとの関係を図7に示した。但し、板厚
dは0.3mmとした。この結果から分かるように、周
波数fを高くすることによって、波長λが短くなり、欠
陥の反射効率も増加する。また、周波数が10MHz付
近以下では、A0 モードの方がλが小さく、微小欠陥検
出に適することが分かる。
【0027】
【実施例】次に、この超音波探傷装置1を実際に製造し
(実施例)、図9に例示した従来の超音波探傷装置51
(比較例)とその特性を比較した。この実験条件を以下
に示す。
【0028】金属薄板31,81としてA3004(J
ISH4000参照)で、厚さ0.3mm,幅400mm,
長さ1500mmのアルミニウム薄板を使用し、人工欠陥
(円柱形の穴)を一つ設けた後、図4(A)に示すよう
に回転ドラム41に巻き付けた。超音波の発振方向はθ
=34°,ψ=45°としてA0 モードの板波33,8
3を発生し、超音波の周波数fは8MHzとした。ゴム
タイヤ3,53は、厚さ0.9mmのウレタンゴムにより
製造し、タイヤ内充填液充填後の自然状態における直径
を100mm、幅を50mmとした。タイヤ内充填液として
は水と不凍液との混合液を使用した。更に、補助輪7,
8,57は、硬度90以上のウレタンゴムにより直径1
06mmに形成した。
【0029】また、回転ドラム41の直径は、ゴムタイ
ヤ3,53の直径で割り切れない値とした。このため、
回転ドラム41を一回転させる毎に、ゴムタイヤ3,5
3の異なる回転角において上記人工欠陥が検出される。
そこで、上記人工欠陥の信号強度と、その検出時におけ
るゴムタイヤ3,53の回転角とを対応付けてプロット
したのが図8である。図8に示すように、実施例では比
較例に比べて欠陥信号強度のタイヤ回転角に依存するば
らつきが小さくなり、欠陥信号強度が全体的に大きくな
った。これは、次の理由によるものと考えられる。
【0030】ゴムタイヤ3,53では、肉厚の不均一や
多少の偏心は免れることができず、ゴムタイヤ3,53
の回転中に支軸9a,59aが上下左右に揺動するいわ
ゆるさい差運動が発生する傾向がある。このさい差運動
が発生すると振動子5,55が揺動し、超音波ビーム3
7,87の入射角θが変動して欠陥信号強度も変動す
る。比較例では、ゴムタイヤ53の片側にのみ補助輪5
7を設けているので、支軸59aのさい差運動を充分に
防止することができず、欠陥信号強度に前述のような大
きなばらつきが発生すると共にその欠陥信号強度が低下
した。
【0031】これに対して、実施例では、ゴムタイヤ3
の両側に補助輪7,8を設けたので、支軸9aのさい差
運動を良好に防止することができ、欠陥信号強度のばら
つきが前述のように小さくなると共にその欠陥信号強度
が大きくなった。よって、本実施例では、欠陥等の検出
精度を良好に向上させることができる。また、このた
め、超音波探傷装置1の位置等を初期設定する作業も容
易となる。
【0032】なお、超音波ビーム37の入射方向に補助
輪8が存在し、金属薄板31を押圧していると、板波3
3の伝播に影響を及ぼす可能性がある。これに対して、
本実施例では、超音波ビーム37の入射方向をψ=45
°とし、補助輪8はψ=90°の方向で金属薄板31を
押圧している。このため、本実施例では上記押圧の影響
を排除することができ、欠陥等の検出精度をきわめて良
好に向上させることができる。
【0033】また、本実施例では、タイヤ内充填液およ
び振動子5(超音波送受信手段)を保持するゴムタイヤ
3(保持手段)と、そのゴムタイヤ3を金属薄板31上
に支持する補助輪7,8(支持手段)とが、自身が回転
することにより金属薄板31上を移動する(すなわち、
移動手段を兼ねる)ので、装置の構成を簡略化すること
ができる。しかも、ゴムタイヤ3および補助輪7,8は
同軸上に回転しながら移動するので、両者の位置関係
が、移動中にもきわめて良好に保持される。このため、
入射角θの変動を一層良好に防止することができ、欠陥
等の検出精度を一層良好に向上させることができる。
【0034】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は上記実施の形態になんら限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々の形態で実施することができる。例えば、補助輪8
が板波33の伝播に及ぼす影響は、ψ≠90°であれば
一応排除することができるので、ψを90°以外の種々
の角度に設定することができる。但し、0°≦ψ≦80
°または100°≦ψ≦180°とすると、補助輪8と
金属薄板31との接触面積を充分に確保すると共に、上
記影響を充分に排除することができ、欠陥等の検出精度
を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された超音波探傷装置の構成を表
す断面図である。
【図2】その超音波探傷装置の信号系統を表すブロック
図である。
【図3】その超音波探傷装置の構成を表す横断面図であ
る。
【図4】金属薄板の搬送機構の構成を例示する説明図で
ある。
【図5】その超音波探傷装置のモニタ画面を例示する説
明図である。
【図6】f・dと位相速度との関係を例示する説明図で
ある。
【図7】超音波周波数と板波波長との関係を例示する説
明図である。
【図8】実施例におけるタイヤ回転角と欠陥信号強度と
の関係を表す説明図である。
【図9】比較例の超音波探傷装置の構成を表す断面図で
ある。
【図10】その超音波探傷装置による板波の発生原理を
表す説明図である。
【図11】板波モードを例示する説明図である。
【図12】各モードにおける、f・dと入射角との関係
を例示するマップである。
【図13】鋼板に対する欠陥体積と欠陥エコーレベルと
の関係を例示する説明図である。
【符号の説明】
1…超音波探傷装置 3…ゴムタイヤ 5
…振動子 7,8…補助輪 9…支持部 9
a…支軸 11…タイヤ探触子 21…演算部 3
1…金属薄板 33…板波 37…超音波ビーム 4
1…回転ドラム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板に超音波を斜入射して該金属薄
    板に板波を発生すると共に、該金属薄板から同一経路を
    介して返送される超音波を受信する超音波送受信手段
    と、 該超音波送受信手段を内部に保持すると共に、上記超音
    波送受信手段と上記金属薄板との間に液状の超音波伝播
    体を保持する保持手段と、 該保持手段を、上記金属薄板上に支持する支持手段と、 上記保持手段を、上記金属薄板に対して一定方向に相対
    移動可能とする移動手段と、 を備えた金属薄板の超音波探傷装置において、 上記超音波送受信手段が、上記一定方向とは直交しない
    方向に超音波を斜入射すると共に、 上記支持手段が、上記一定方向と直交する方向の両側か
    ら上記保持手段を支持することを特徴とする金属薄板の
    超音波探傷装置。
  2. 【請求項2】 上記超音波送受信手段が、上記一定方向
    に対して0〜80°または100〜180°の角をなす
    方向に超音波を斜入射することを特徴とする請求項1記
    載の金属薄板の超音波探傷装置。
  3. 【請求項3】 上記保持手段が、内部に上記超音波送受
    信手段および超音波伝播体を保持する中空のタイヤ状に
    形成されると共に、 上記支持手段が上記保持手段と回転軸を共有する一対の
    タイヤ状に形成され、 上記保持手段および上記支持手段が、自身が回転するこ
    とにより上記金属薄板に対して上記一定方向に相対移動
    することを特徴とする請求項1または2記載の金属薄板
    の超音波探傷装置。
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