JPH09304189A - シングルパルスオートコリレータ - Google Patents

シングルパルスオートコリレータ

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JPH09304189A
JPH09304189A JP14679196A JP14679196A JPH09304189A JP H09304189 A JPH09304189 A JP H09304189A JP 14679196 A JP14679196 A JP 14679196A JP 14679196 A JP14679196 A JP 14679196A JP H09304189 A JPH09304189 A JP H09304189A
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、しかも被測定光のパルス幅を正確
かつ容易に測定することができるシングルパルスオート
コリレータを提供することを目的とする。 【解決手段】被測定光48を分波し、相対的な遅延時間
差が零とした2つのパルス50,52を非線形結晶46
に入射させ、生じたSHG光54の空間的像幅を計測す
ることにより、被測定光のパルス幅を計測するシングル
パルスオートコリレータにおいて、前記非線形結晶46
は、前記2つのパルス50,52が結晶面に対して垂直
に入射するように、その結晶面がプリズム状に構成され
ていることを特徴とするシングルパルスオートコリレー
タ44。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシングルパルスオー
トコリレータ、特に第2高調波(2倍波)発生(SH
G)法に用いるのに適したシングルパルスオートコリレ
ータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パルスレーザが発生する超短光パルスの
パルス幅を正確に計測することは、光通信分野での光フ
ァイバの材料特性評価、各種の分野での物性研究あるい
はレーザの特性評価のために必要不可欠である。このパ
ルス光のパルス幅はピコ(10-12)秒からフェトム
(10-15)秒の領域にわたり、発振波長範囲は紫外域
から赤外域の広範囲にわたる。そこで、従来より各種の
計測法が試みられており、この計測法としては、パルス
波形に追従する速度で光電変換を行う直接法と、被測定
パルスの自己相関を測定する相関法が例として挙げられ
る。
【0003】まず、前者の直接法はパルスの強度波形を
直接測定するものである。最も簡単な形態は、高速の半
導体検出器の出力をサンプリングオシロスコープで測定
するものである。また、ストリークカメラを利用する形
態もある。このストリークカメラは電子的な流し撮りで
ある。すなわち、パルスをスリットを介して光電面に入
射させ、生じた光電子を加速した後、偏向電極により蛍
光面に対して高速で掃引するものである。しかしなが
ら、直接法では何れの場合も、測定の時間分解能が光電
変換のスピードに支配されるため、現在広く用いられて
いるのは後者の相関法である。
【0004】相関は2つのパルスの間に相対的に遅延時
間差を設け、その時間をずらしながら重ね合わせること
により得られる。この際の遅延時間差は2つのパルスが
それぞれ通過した光学的光路長を光速で除したものであ
る。光路長差の精度は簡単な系でも1μmが得られる。
これは遅延時間差精度にして約3フェトム秒に相当し、
相関法では高い時間分解能が得られる。この相関法とし
ては、二光子蛍光法、2倍波発生法、二光子イオン化法
あるいは二光子光電効果法が例として挙げられる。
【0005】例えば、2光子蛍光法ではシングルパルス
測定が容易に行えるが、使用可能な波長域に制限がある
上、パルスが短くなってくると蛍光媒質中を伝搬する際
の分散によるパルスの変形も無視できなくなる。これら
のうち、現在広く用いられているのは2倍波発生(SH
G)法である。このSHG法を用いたシングルパルスオ
ートコリレータについて、図1の原理図に基づき説明す
る。
【0006】同図に示すオートコリメータ10は、ビー
ムスプリッタ12と、固定鏡14と移動鏡16よりなる
可変遅延系と、レンズ18と、非線形結晶20と、レン
ズ22と、基本波カットフィルタ24と、光電子増倍管
26よりなる光検出器と、アンプ28と、記録計30と
を備える。そして、被測定光32はビームスプリッタ1
2により分波され、マイケルソン干渉計タイプの可変遅
延系を通過した後、レンズ18で非線形結晶20に共軸
(コリニア)で入射する。
【0007】非線形結晶20は、略直方体状で、入射レ
ーザ光に対して位相整合条件を満足するようにカットさ
れている。発生した2倍波(SHG光)はレンズ22で
基本波カットフィルタ24を通過した後、光検出器26
により検出される。遅延時間系の片側の移動鏡16は例
えばステッピングモータ34(ドライバ)により駆動し
て平行移動し、遅延時間差を変化させつつSHG光強度
を測定している。
【0008】光路長差のステップはステッピングモータ
34のステップ角と移動ステージのリード螺のピッチか
ら決まり、これを光速で除して遅延時間差のステップを
算出する。この光電子増倍管26の出力電流をアンプ2
8により増幅した後、これを記録計30により遅延時間
差の関数としてプロットすることにより、SHG光強度
の自己相関関数が記録される。そして、この記録計30
によりプロットされた自己相関関数から入射レーザパル
スの関数形を仮定して、被測定光のパルス幅を推定する
ものである。
【0009】しかしながら、この方式には、次のような
問題がある。 (1)コリニア配置のため、基本波のバックグラウンド
光が検出器に混入しやすい。 (2)シングルパルス測定ができない。 特に、(2)のシングルパルスを測定できないという点
は、従来手法の共通の問題点である。このため、以下で
示すようなレーザ光を結晶中で交差させる方式が提案さ
れている。仮にこの方式をビーム交差方式と呼ぶ。ビー
ム交差方式の原理図を図2に示す。
【0010】同図において、極短パルスレーザ光36
は、ビームスプリッタBSで2分割され、SHG結晶3
8中で空間的かつ時間的に完全に一致するように反射器
M2〜M5により光学的遅延を調整する。一致したレー
ザパルスは、SHG光を発し、その像がレンズL2によ
り基本波カットフィルタFを経て、撮像検出器Dにより
検出される。この系によりシングルパルスの強度の相関
関数が可変鏡の掃引なしに一度に求められる。
【0011】基本波はアパーチャAにより大部分がカッ
トされるので、バッググラウンドフリーな測定が行え
る。このとき、SHG光の位相整合条件はコリニアの配
置とは異なる。その詳細な説明は以下で説明する。な
お、この系においても、検出器Dを単一検出器とし、反
射器M3〜M4を図中矢印方向へ動かすことにより、光
学的遅延を与えるようにして、光学遅延量の関数として
検出器出力をプロットすれば、従来のオートコリレータ
となり、しかもバックグラウンド成分は存在しない。た
だし、シングルパルス測定は行えない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の構成のビーム交差方式のオートコリレータでは、図
3に示すように、非線形結晶38が略直方体状にカット
されているため、非線形結晶38の位相整合条件に依っ
ては、入射光線間の角度θが大きくなり、光学系が大型
化してしまう。
【0013】また、2つのパルスを同図に示す直方体状
の非線形結晶に入射させると、入射光が非線形結晶38
の表面で正反射し、入射光ロスや、迷光となって光検出
器Dに入射し、被測定光のパルス幅を正確に計測するこ
とができない恐れがある。さらには、位相整合のため、
2つのパルスの交差角(位相整合角ψ)を精密に調整す
る必要があるが、図3に示すように非線形結晶38で入
射光線40,42が屈折してしまうので、この調整が難
しくなる。
【0014】本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は小型であり、光学系の調整が
容易であり、しかも被測定光のパルス幅を正確に測定す
ることができるシングルパルスオートコリレータを提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明にかかるシングルパルスオートコリレータは、
被測定光を分波し、相対的な光学的遅延時間差を零とし
た2つのパルスを非線形結晶に入射させ、生じたSHG
光の空間的像幅を計測することにより、パルス幅を計測
するシングルパルスオートコリレータにおいて、前記非
線形結晶は、前記2つのパルスが結晶面に対して垂直に
入射するように、該結晶面がプリズム状に構成されてい
ることを特徴とする。なお、前記非線形結晶は、前記2
つのパルスのビーム径をxとしたとき、
【数4】
【数5】
【数6】 なる条件式を満足していることが好適である。
【0016】
【発明の実施形態】本発明にかかるシングルパルスオー
トコリレータは、前述したように、相対的な光学的遅延
時間差を零とした2つのパルスを非線形結晶の結晶面に
対して垂直に入射させることとしたので、非線形結晶の
屈折率が大きくても、2つのパルスの入射光線間の角度
を位相整合条件から決まる角度に一致させ、小さくする
ことができるので、装置を小型化することが可能とな
り、光学系の調整も容易となる。
【0017】しかも、入射光が非線形結晶の入射表面で
反射することをかなり防ぐことができるので、この散乱
光が迷光となって光検出器に入射することを大幅に低減
することができ、被測定光のパルス幅を正確に測定する
ことが可能となる。以下、図面に基づき本発明の一実施
態様について説明する。
【0018】図4には本発明の一実施態様にかかるシン
グルパルスオートコリレータの概略構成が示されてい
る。なお、本実施態様においては、被測定光にシングル
パルスを想定し、このシングルパルスのパルス幅を計測
する場合について説明する。同図に示すようにシングル
パルスオートコリレータ44は、ビームスプリッタBS
と、可変遅延系と、レンズL1と、非線形結晶46と、
レンズL2と、フィルタFと、撮像検出器Dと、記録計
30とを備える。
【0019】ビームスプリッタBSは、シングルパルス
48を反射光50と透過光52の2つのパルスに分波す
る。可変光学的遅延系は、反射器M2〜M5よりなり、
M3とM4をM2とM5に対し例えばステッピングモー
タ(図示省略)により駆動して平行移動し、遅延時間差
を変化させ、2つのパルスの中心部が非線形結晶46中
で時間的かつ空間的に一致させるものである。
【0020】非線形結晶46は、反射器M2〜M5によ
り遅延時間差が与えられた2つのパルスが結晶面に対し
て垂直に入射するように、その結晶面がプリズム状にカ
ットされている。2つのパルス50,52が非線形結晶
46中で空間的かつ時間的に完全に一致するように、反
射器M2〜M5により遅延時間差を調整し、これが空間
的に一致すると、非線形結晶46はSHG光を発生す
る。生じたSHG光54の像がレンズL2で基本フィル
タFを通過した後、撮像検出器Dに結像する。
【0021】したがって、撮像検出器Dにより検出され
たSHG光強度の空間的像幅は、光学的遅延量に対応す
るので、記録計30により遅延時間差の関数として被測
定パルスの自己相関関数がプロットされる。この記録計
30にプロットされた相関関数に基づき、入射レーザパ
ルス50,52の関数形を仮定して、シングルパルス4
8のパルス幅を推定する。なお、非線形結晶46として
は、負の一軸性結晶と正の一軸性結晶が例として挙げら
れ、この負の一軸性結晶には、波長が1μmから10μ
mの赤外スペクトル域においては、例えばAgGaSe
2、AgGaS2等、正の一軸性結晶には例えばCdGe
As2等を用いることができる。
【0022】本発明の実施態様にかかるシングルパルス
オートコリレータ36は概略以上のように構成され、以
下にその作用について説明する。シングルパルス48は
ビームスプリッタBSにより分波されると、一方の透過
光52は、反射器M2〜M5を通過した後、レンズL1
で非線形結晶46に入射する。他方の反射光50は、反
射器M1で反射した後、レンズL1で非線形結晶46に
入射する。
【0023】このように2つのパルス50,52は非線
形結晶46に非共軸(ノンコリニア)で入射するので、
適当なアパーチャAを使用すれば、入射レーザパルス5
0,52が直接撮像検出器Dに入射することを防ぐこと
ができる。ここで、2つのパルス50,52が非線形結
晶46中で空間的かつ時間的に完全に一致するように、
反射器M2〜M5により遅延時間差を調整し、これが空
間的に一致すると、非線形結晶46は2倍波(SHG光
54)を発生する。このように、非線形結晶46は、2
つのパルス50,52が結晶面に対して垂直に入射する
ようにプリズム形状にカットされており、非線形結晶4
6の屈折率が大きくてもパルス50,52の入射光線間
の角度θを位相整合角ψと同じにでき、小さくすること
ができるので、装置を小型化することができる。
【0024】しかも、前述のように2つのパルス50,
52が結晶面に対して垂直に入射するようにすることに
より、入射光50,52が非線形結晶46の表面にて反
射することを防ぐことができるので、これが迷光となっ
て撮像検出器Dに入射することをより防ぐことができ
る。そして、撮像検出器Dにより検出されたSHG光強
度の空間的像幅は、光学的遅延量に対応しているので、
記録計30により遅延時間差の関数として入射パルスの
自己相関関数がプロットされる。この記録計30にプロ
ットされた相関関数に基づき、シングルパルス48のパ
ルス幅を推定する。なお、アパーチャAは、基本波の大
部分をカットし、それによってバックグラウンドフリー
測定が行える。
【0025】以下、本実施態様において特徴的事項であ
る非線形結晶の設計方法について詳細に説明する。な
お、本実施態様においては、非線形結晶に負の一軸性結
晶を想定し、その場合の位相整合条件について説明す
る。まず、周波数がω1、波動ベクトルがk1,k1 'の2
つのパルスを非線形結晶に入射させるとき、周波数がω
2=2ω1、波動ベクトルがk2のSHG光を最も効率的
に発生させるための条件式は、次式(1)で表される。 k2−(k1+k1’)=0 … (1 )
【0026】前記2つのパルス、SHG光の計3つの光
に対する非線形結晶の屈折率を、n1α(ω1,k1),
1β(ω1,k1 '),n2γ(ω2=2ω1,k1)とした
とき、式(1)は次式(2)で表せる。 2n2γκ2−(n1ακ1+n1βκ1’)=0 … ( 2)
【0027】ここで、α,β,γは偏光の種類、κ1
κ1’,κ2は波動ベクトルk1,k1 ',k2方向の単位ベ
クトルである。入射光k1とk1 'が同じ偏りをもち(α
=β)、入射光κ1とκ1 'をSHG光κ2と±ψ/2の角
度をなすように入射させたとき、κ2方向にSHG光
(ω2=2ω1)を効率的に発生させるための条件式は次
式(3)で表される。 n2γ(ω2=2ω1)=n1α(ω1)cos(ψ/2) … ( 3)
【0028】前記屈折率を速度で置き換えると、式
(3)は次式(4)で表される。 v1α(ω1)=v2γ(ω2=2ω1)cos(ψ/2) … ( 4) この式(3)または式(4)を満足する結晶方位を負の
一軸性結晶に対して探索する。
【0029】ここで、本実施態様においては、図5に示
す光学配置を想定する。すなわち、同図に示すように、
基本波は図中XY面上にあり、Y軸に対して±ψ/2の
角度をなすものとする。また、負の一軸性結晶は図中原
点Oにあるものとする。SHG光はk2方向、つまり図
中Y軸方向に発生するものとする。そして、同図に示す
光学配置で負の一軸性結晶の光軸方向をいろいろと変化
させて、式(3)または式(4)を満足する結晶方位を
探索する。
【0030】ところで、一軸性結晶を光学的に取り扱う
ときには、その結晶を屈折率楕円体または法線速度面で
置き換えると便利である。そこで、本実施態様において
は、図6に示すように法線速度面を考える。同図に示す
ように、負の一軸性結晶の直交軸方向をOA,OB,O
C、光軸をOCとすると、法線速度面は同図に示すよう
に、OC軸を軸とする回転楕円面56と、この回転楕円
面56とOC軸方向で内接する球面58の二重面とな
る。この内接球面の半径はOC=voであり、常光線速
度を与える。
【0031】この回転楕円面56とOC軸方向で内接す
る球面58上の点Pを通る速度OP(=vO)の光の偏
光方向は、直線OCと直線OPによりつくられる平面と
垂直である。回転楕円面56の長軸はOA=OB=ve
であり、異常光光線速度を与える。原点Oからこの回転
楕円面56上に向かう光の速度は、一般的には伝播方向
によって変わるが、OAB面内に限り等方的である。し
たがって、仮に非偏光がOAB面上を図中k方向に進む
とすると、水平偏光成分がvO、垂直偏光成分がveで伝
播することとなる。
【0032】ここで、図7に示すようにve>vOであ
り、ve,vOは角周波数ωに依存する。 また、これを
屈折率nで表現すると、図8に示すようになる。そし
て、非線形結晶を回転して光軸OCが空間軸XYZと平
行になる各々の場合について、式(3)または式(4)
がどのような偏光に対して成立するかを調べる。
【0033】[1]光軸OCがOZ軸に平行な場合につ
いて このとき、OA//OX,OB//OYである。水平面
内における光の伝播の様子と、ω1およびω2(=2
ω1)の光線速度面は、図9に示すようになる。同図よ
り明らかなように、式(3)または式(4)を満足する
のは、次式(5)を満足する場合のみである。 v1 o(ω1)=v2 e(ω2=2ω1,//k2)cos(ψ/2) … (5)
【0034】速度を屈折率で置き換えると、式(5)は
次式(6)で表される。 n2 e(ω2=2ω1)=n1 O(ω1)cos(ψ/2) … (6 ) すなわち、水平偏光のω1の2つのパルスを式(5)ま
たは式(6)を満足する角度(±ψ/2)で入射させる
と、非線形結晶38は垂直偏光のSHG光を発生する。
【0035】しかしながら、垂直偏光を入射させた場
合、 v1 e(ω1)>v2 e(ω2=2ω1) … (7 ) v1 e(ω1)>v2 O(ω2=2ω1) … (8 ) となり、式(3)または式(4)を満足しないので、非
線形結晶46はSHG光54を発生しない。
【0036】このように、光軸OCがOZ軸に平行な場
合、SHG光54を得ることができるのは、非線形結晶
46に式(5)または式(6)を満足するように入射さ
せたときである。
【0037】[2]光軸OCがOX軸に平行な場合につ
いて このとき、水平面の光線速度面は図10のようになる。
同図より明らかなように、この場合も式(3)または式
(4)を満足する角度(ψ/2)は存在し、次式(9)
または(10)で表される。 v1 O(ω1)=v2 e(ω2=2ω1,//k2)cos(ψ/2) … (9 ) n2 e(ω2=2ω1)=n1 O(ω1)cos(ψ/2) … (10 )
【0038】つまり、垂直偏光のω1のパルスを式
(9)または式(10)を満足するように角度(ψ/2)
で入射すると、水平偏光のSHG光が得られる。しかし
ながら、この場合は、水平偏光を入射しても、非線形結
晶46はSHG光を発生しない。このように、光軸OC
がOX軸に平行な場合、SHG光を得ることができるの
は、式(9)または式(10)を満足するときのみであ
る。
【0039】[3]光軸OCがOY軸に平行な場合につ
いて、図11に基づき説明する。この場合は、次式(1
1)と(12)で表される v2 o(2ω1)cos(ψ/2)<v1 o,e(ω1 … (11 ) 2 e(2ω1)cos(ψ/2)<v1 o,e(ω1) … (12 ) したがって、光軸OCがOY軸に平行な場合、式(3)
または式(4)を満足する角度ψ/2は存在しない。
【0040】このように、負の一軸性結晶は、[1]光
軸OCがOZ軸に平行な場合では式(5)または式
(6)を満足するように、[2]光軸OCがOX軸に平
行な場合では式(9)または式(10)を満足するよう
に、2つのパルスを入射させると、SHG光を発生する
こととなる。
【0041】したがって、例えば光軸OCがOZ軸に平
行な場合、非線形結晶は図12、図13で示すようにプ
リズム形状にカットすればよい。すなわち、非線形結晶
が設計できる。この場合、位相整合角をψとすると、非
線形結晶の頂角はπ−ψとなる。図12はSHGプリズ
ムの平面図、図13は全体図を示す。なお、l2、l1
hはそれぞれ非線形結晶の幅、奥行き方向の幅、高さで
ある。
【0042】まず、2つのレーザパルス50,52のビ
ーム径をxとすると、このビーム50,52の径xが入
射する非線形結晶の平面の大きさより小さい必要があ
り、次式が得られる。
【0043】
【数7】 つぎに、レーザパルスの非線形結晶中での群速度をu、
時間的なパルス幅をΔtとしたとき、2つのパルスの中
心部が非線形結晶中で空間的かつ時間的に一致したとき
の横方向の幅W1と奥行き方向の幅W2は、それぞれ次式
で表せる。 W1=u・Δt/sin(ψ/2) W2=W1・tan(ψ/2) このうち、横方向の幅W1に沿っての空間プロファイル
がパルスの相関関数を与える。したがって、横方向の幅
1が非線形結晶内部に生じるための条件として次式が
得られる。
【0044】
【数8】 また、2つのパルスの中心部の交差点が非線形結晶内部
に生じる必要があるので、横方向の幅l1に関しては、
次式を満たす値のうち、大きい方の値を選択すれば良い
ことがわかる。
【0045】
【数9】 このようにして非線形結晶の寸法を決定することができ
る。図11〜図12に示すように、非線形結晶の頂角は
光軸に対してπ−ψの角度をなすようにカットされてい
る。同様にして、光軸OCがOX軸に平行な場合に対し
ても、位相整合条件を満足するように非線形結晶を設計
することができる。
【0046】このように、本発明者らは、非線形結晶が
SHG光を最も効率的に発生させるための条件について
検討を行い、式(3)または式(4)を導出した。そし
て、例えば光軸OCがOZ軸に平行な場合、式(5)ま
たは式(6)に基づき、シングルパルス48をBSで分
波し、反射器M2〜M5により相対的な光学的遅延時間
差を零とした2つのパルス50,52が結晶面に対して
垂直に入射するように、その結晶面ををプリズム形状に
設計するすることにより、非線形結晶の屈折率が大きく
ても、2つのパルスの入射光線間の角度を位相整合角に
一致させて小さくすることができるので、装置を小型化
することができる。
【0047】しかも、入射光が非線形結晶の表面で反射
することををかなり防ぐことができることにより、この
散乱光が迷光となって光検出器に入射することを大幅に
低減することができるので、被測定光のパルス幅を正確
に測定することができる。さらには、入射光が結晶で屈
折することがなくなるので、位相整合等の光学調整が格
段に容易になる。なお、本実施態様においては、非線形
結晶の設計方法について、非線形結晶に負の一軸性結晶
を用いた例について説明したが、これに限られるもので
はなく、正の一軸性結晶にも適用することができる。
【0048】また、非線形結晶を入射光が垂直入射する
ようにプリズム形状にカットする方法は、本実施態様の
シングルパルスオートコリレータのみならず、全ての非
線形光学現象を利用した計測技術に応用可能であること
は自明である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるシ
ングルパルスオートコリレータによれば、被測定光を分
波し、相対的な光学的遅延時間差を零とした2つのパル
スを非線形結晶の結晶面に対して垂直に入射するように
プリズム形状としたので、非線形結晶の屈折率が大きく
ても、2つのパルスの結晶に対する入射光線間の角度を
小さくすることができるので、装置を小型化することが
できるしかも、入射光が非線形結晶により反射すること
をかなり防ぐことができることにより、この散乱光が迷
光となって光検出器に入射することを大幅に低減するこ
とができるので、被測定光のパルス幅を正確に測定する
ことができる。さらには、入射光が光学的調整が容易に
行えるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のマイケルソン干渉計タイプのオートコリ
レータの説明図である。
【図2】従来のビーム交差方式のシングルパルスオート
コリレータの説明図である。
【図3】図1において用いられる非線形結晶の設計方法
の説明図である。
【図4】本発明の一実施態様にかかるシングルパルスオ
ートコリレータの概略構成の説明図である。
【図5】図4において用いられる非線形結晶の設計方法
の説明図である。
【図6】図4において用いられる非線形結晶の設計方法
の説明図である。
【図7】図4において用いられる非線形結晶の設計方法
の説明図である。
【図8】図4において用いられる非線形結晶の設計方法
の説明図である。
【図9】図4において用いられる非線形結晶の設計方法
の説明図である。
【図10】図4において用いられる非線形結晶の設計方
法の説明図である。
【図11】図4において用いられる非線形結晶の設計方
法の説明図である。
【図12】図4において用いられる非線形結晶の設計方
法の説明図である。
【図13】図4において用いられる非線形結晶の設計方
法の説明図である。
【符号の説明】
30 記録計 44 シングルパルスオートコリレータ 46 非線形結晶 48 被測定光 BS ビームスプリッタ M2〜M5 可変光学的遅延系 L1 レンズ D 撮像検出器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定光を分波し、相対的な光学的遅延時
    間差を零とした2つのパルスを非線形結晶に入射させ、
    生じたSHG光の空間的像幅を計測することにより、被
    測定光のパルス幅を計測するシングルパルスオートコリ
    レータにおいて、 前記非線形結晶は、前記2つのパルスが結晶面に対して
    垂直に入射するように、該結晶面がプリズム状に構成さ
    れていることを特徴とするシングルパルスオートコリレ
    ータ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のシングルパルスオートコリ
    レータにおいて、 前記非線形結晶は、前記2つのパルスのビーム径をxと
    したとき、 【数1】 【数2】 【数3】 なる条件式を満足することを特徴とするシングルパルス
    オートコリレータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103278249A (zh) * 2013-05-15 2013-09-04 中国科学院上海光学精密机械研究所 准近场皮秒脉宽诊断仪
JP2017032306A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 国立大学法人横浜国立大学 光相関器
WO2023191083A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 学校法人日本大学 量子断層撮影装置

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