JP3300422B2 - 光波形測定装置 - Google Patents

光波形測定装置

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JP3300422B2 JP24807792A JP24807792A JP3300422B2 JP 3300422 B2 JP3300422 B2 JP 3300422B2 JP 24807792 A JP24807792 A JP 24807792A JP 24807792 A JP24807792 A JP 24807792A JP 3300422 B2 JP3300422 B2 JP 3300422B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高速で変化する光信
号の波形を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、超短光パルスを発生する技術が急
速に進歩し、現在ではピコ秒以下のパルスを安定して得
ることができるようになっている。このような超短光パ
ルスは時間分解分光、非線形分光の光源として期待され
ている。
【0003】自然状態で存在する光または人為的に発生
した光の波形には、様々な有用な情報が内包されてお
り、この波形を精密に観測することにより自然現象のよ
り深い認識およびより正確な理解が可能となる。従来、
光信号波形の計測方法として、大きく分けて以下の二種
の方法がある。
【0004】(1)線形光−電子変換による方法 (2)非線形光学効果を利用した方法 前者は、光電変換を利用した光検出器を用い、光信号を
電気信号または電荷信号に変換した後、オシロスコープ
などに表示して波形を測定する方法である。この場合、
光検出器として、フォトダイオード、光電管、光電増倍
管、またはストリーク管などを用いる。以上の内では、
ストリーク管を使用したストリークカメラが最も高速で
あり、現在製品化されているもので、600fsec の時間分
解能に達している。
【0005】後者は、被測定光とプローブ光の間に適当
な遅延を与え、これらの二種の光を非線形結晶上で合波
して得られる高調波の強度を、遅延量をパラメータにし
て得られる波形を求めることにより、被測定光波形を測
定する方法である。この方法は、本質的には繰り返し波
形の波形を計測するサンプリング法であるが、被測定光
とプローブ光とを空間的に広げ、かつ両者の光の間に空
間的に異なる遅延時間を与えて重ね合わせることによ
り、単一パルス光のリアルタイム波形計測を行うことも
できる(川西悟基他,「光サンプリング技術による超高
速光パルスの測定」,電気学会研究会資料,計測研究会
IM−89−15 1989年5月30日、特公平2
−259435、等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の「(1)線形光
−電子変換による方法」で、ストリークカメラを用いな
い場合は装置の時間分解能は電気信号の処理帯域で制限
され、高々数10psecであった。また、ストリークカメラ
を用いた場合は、上述のように、psec以下の時間分解能
を有するが装置が非常に高価となってしまっていた。ま
た、上記の「(2)非線形光学効果を利用した方法」で
は、被測定光を空間的に広げ、その一部をプローブ光と
相互作用させるので、サンプリング法およびリアルタイ
ム計測法のいずれも被測定光の利用効率が非常に悪く、
S/Nの良い計測がでなかった。
【0007】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、高い時間分解能でS/N良く計測す
る光波形測定装置を廉価に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光波形測定装置
は、上記の非線形光学効果を利用した方法に属し、従来
の方法の欠点を取り除いたものである。具体的には、
(a)二種の光を相互作用させる非線形素子と、(b)
被測定光を時間波形のまま前記非線形素子へ導く被測定
光導波手段と、(c)被測定光と非線形素子内で交差し
交差時刻とともに進行方向が変化するプローブ光を発生
するプローブ光発生手段と、(d)非線形素子中で被測
定光と前記プローブ光との相互作用によって発生する出
力光の強度を検出する出力光検出手段と、を有すること
を特徴とする。ここで、プローブ光発生手段は、進行方
向に垂直な空間的に広がった短パルス光を発生する光源
と、該光源の出射する短パルス光を入射し回折によって
短パルスの空間的広がりが進行方向に対して斜交した回
折光を出射する回折格子と、該回折光を被測定光と相互
作用させる非線形素子内の点近傍に集光する凸レンズ
と、を備える。また、プローブ光発生手段は、被測定光
の時間的広がりよりも短いパルス光を発生する光源と、
該光源を光出射方向と垂直に等速度で走査する機構と、
光源の出射位置に応じて、被測定光の測定対象部の到達
検出から光源の短パルス光出射タイミングを制御する手
段と、光源が出射した短パルス光に、各パルスごとに固
有な非線形素子入射角度を付与する凸レンズと、を備え
る。また、プローブ光発生手段は、被測定光の測定対象
部の時間的広がりよりも短い時間幅を持つ互いに略平行
な進行方向を有する短パルス光を発生する1次元に配列
された複数の光源と、個々の光源の配置位置に応じて、
被測定光の測定対象部の到達検出によって、被測定光と
プローブ光がほぼ同時刻に非線形素子に到着するよう
に、光源の短パルス光出射タイミングを制御する手段
と、複数の光源が出射した短パルス光に、各パルスごと
に固有な非線形素子入射角度を付与する凸レンズと、を
備える。また、プローブ光発生手段は、被測定光の到達
を識別し、該被測定光の非線形素子への到達と同期して
プローブ光を前記非線形素子へ照射するように構成され
る。
【0009】また、出力光検出手段は、一次元に配列さ
れた複数の検出素子を含んで構成され、該出力光の出射
方向に対して分解能を有する。ここで、出力光検出手段
を該混合光の受光により発生する電荷を蓄積可能な、電
荷蓄積型光検出器を含んで構成してもよい。また、非線
形素子は、2次および3次のいずれか一方の非線形光学
効果を有する。また、被測定光導波手段は、該被測定光
を増幅してもよい。
【0010】
【作用】本発明では、以上のように被測定光をそのまま
使用し、この被測定光の時間的な進行にともない、異な
る時刻には異なる交差角の短パルス状プローブ光と非線
形素子で相互作用させるようにしたので、この相互作用
の結果生じる出射光は、被測定光波形の時間的な広がり
を空間的な広がりに反映している。以上の作用を図面を
参照して説明する。
【0011】図1は本発明の要部の説明図であり、被測
定光とプローブ光とが非線形素子内で相互作用し、被測
定光の時間波形が空間展開される様を示す。プローブ光
は凸レンズによって集光される前においては、進行方向
に斜交した空間的な広がりを持ち、かつ空間位置(x)
に依存した時間遅延を有したパルス光である。このパル
ス光の発生は、光源から発した進行方向に垂直な空間的
に広がった短パルス光を回折格子によって回折させて発
生させたり、進行方向に対して垂直な方向に移動する光
源によって発生させたり、一次元に配列された複数の光
源を個別に点灯/消灯して発生させたりする。このよう
な光パルスは、つぎの数式(1)のように表すことがで
きる。
【0012】 E(t,x)=R(x)・V(t−αx)・・・(1) ここで、E(t,x) :プローブ光の時間・空間分布 R(x) :プローブ光の空間分布を表す関数 V(t) :プローブ光の時間分布を表す関数 α :空間位置による時間遅延率 このプローブ光を凸レンズで非線形素子上に集光する。
凸レンズは、空間的なフーリエ変換の機能を有するの
で、非線形素子上に集光されたプローブ光は、入射方向
に依存して非線形素子への到達時間が異なる。
【0013】このようなプローブ光と被測定光を非線形
素子上で重ね合わせ、相互作用させる。簡単のため、使
用する非線形素子は2次の非線形光学効果を有するSH
G素子とする。SHG素子では、2つの入射光の相互作
用によって発生する光の出射方向は位相整合条件によっ
て決定される。すなわち、SHG素子で発生した相互作
用光の出射方向は、2つの入射光の方向を示すベクトル
を加え合わせたベクトルが示す方向となる。被測定光の
非線形素子への入射方向は固定であり、またプローブ光
は非線形素子上に到達する時間によって非線形素子への
入射方向が異なるので、SHG素子で相互作用した結果
生じた出力光は、時間的に異なる方向へ出射される。こ
の時、プローブ光の強度が非線形素子への入射方向に依
存せず一定であれば、被測定光の強度の時間分布(被測
定光の波形そのもの)に依存した強度の出射方向分布を
有して、相互作用光が出射される。この出射光方向分布
を凸レンズによって空間分布に変換することにより、被
測定光の時間波形が空間展開される。こうして被測定光
の波形が空間展開された光を1次元状に配置された光検
出器で受光・計測することにより光波形測定ができる。
なお、ここではプローブ光の強度が非線形素子への入射
方向に依存しないとしたが、強度分布が既知のプローブ
光を使用するならば、この既知の強度分布で補正を行え
ばよい。また、非線形素子をSHG素子として説明した
が、3次の非線形光学効果を有する素子を使用しても同
様に時間−空間変換が可能である。また、混合光の生成
量は入射光強度に比例するので、被測定光を増幅するこ
とによりS/Nを向上できる。
【0014】
【実施例】
(第1実施例)図2は本発明に係わる第1実施例の基本
構成を示す。この装置は、2次の非線形光学効果を有す
るSHG素子11と、被測定光をSHG素子11の近傍
に導く光ファイバ7と、光ファイバ7から出射した光を
SHG素子11上に集光するレンズ75と、進行方向に
垂直な空間的広がりを有する略6mmの平行パルス光を
発生する光源41と、この光源41発光の光を回折させ
波面が傾いた回折光を生成する回折格子4(格子定数d
-1=1200本/mm)と、この回折光をSHG素子1
1上の相互作用点に集光する凸レンズ51(口径=約
7.5mm,焦点距離=30mm)と被測定光とプロー
ブ光とがSHG素子上で相互作用した結果生じた、SH
G素子11から出射される出力光のみを透過する波長フ
ィルタ91と、この波長フィルタ91を介した光を平行
光化する凸レンズ31(口径=約27mm,焦点距離=
200mm)と、50μmごとに配置された512ch
のフォトダイオードのフォトダイオードアレーとからな
る光検出器21から構成される。
【0015】被測定光は光ファイバ7を介してSHG素
子11に照射される。光源41の発生する進行方向に垂
直な空間的広がりを有するパルス光を回折格子にて回折
することにより、進行方向と波面のなす角度が垂直から
変化する。この回折の関係式は以下の通りである。
【0016】 sinθi +sinθO =λ/d・・(2) θO =sin-1(λ/d−sinθi )・・(3) α[sec/m] =λ・s/(c・d・cosθ)・・(4) ここで、θi :回折格子への入射角 θO :回折格子からの出射角 λ :パルス光の波長 s=cosθi /cosθO c=3×108 [m/sec] :光速度 y2 =x/s・・(5) ここで、x :光源発光ビームの径 y2 :回折格子からの出射ビーム径 本実施例では、図2に示すようにθi =40゜、d-1
1200[本/mm]、λ=800[nm]としたの
で、 θO =18.5゜ α =3.4×10-9[sec/m] y2 =7.4×10-3[m] したがって、回折格子からの出射ビーム中の遅延時間
(Td )は、次の通りであり、この値までの被測定光の
時間強度分布はリアルタイム計測が可能である。 Td =α・y2 =25[psec] 上記のビームを凸レンズ51(焦点距離(f51)=30
[mm])でSHG素子11上に集光し、SHG素子11の
到着時刻によって進行方向が異なるプローブ光を生成す
る。このプローブ光錐面のSHG素子11への入射角
は、図2のように集光ビームの光軸に対して±θP
く。このθP は次ぎのように求まる。
【0017】θP =tan-1(y2 /2f51)=7゜ SHG素子11上の被測定光とプローブ光の相互作用に
よって生じる出力光の出射方向は、被測定光の進行方向
ベクトルとプローブ光の進行方向ベクトルとの和ベクト
ルの方向となる。レンズ75で集光された被測定光の進
行方向の変化は無視できる程度であり、プローブ光は角
度(±θP )の進行方向の広がりを持つので、出力光は
SHG素子11からの出射方向の広がりを有する。この
出力光の広がり角度(θD )とプローブ光の広がり角度
との間では、 θP =2θD ・・(6) が成り立つ。したがって、θD =±3.5゜の範囲で出
力光はSHG素子11から出射される。
【0018】この時、考慮すべき点として出力光の出射
範囲への被測定光あるいはプローブ光の混入の問題があ
る。相互作用出力光の出射範囲に被測定光およびプロー
ブ光の非相互作用分が混入しない条件はつぎの通りであ
る。
【0019】 θS >3θP /2=3θD ・・(7) ここで、θS :被測定光とプローブ光の光路の中心軸と
がなす角度の半値 なお、図2では被測定光のSHG素子11への入射角=
θS としているが、これは本発明の光波形測定装置にお
いては本質的な事項ではない。ただし、このように設定
するとSHG素子から出射する出力光の広がりが、SH
G素子11の出射面の垂直方向を中心に広がる。このた
め部品の位置関係が単純になり装置製作が容易になる。
この条件を満足しない場合には、透過光波長選択フィル
タを介在させて出力光のみを光検出器に導くか、波長選
択性光検出器を用いるかして出力光のみを計測する。こ
の実施例では、θS =10゜、θP =7゜としたので、 θS =10゜<3θP /2=3θD =10.5゜ となり、(7)式の条件を満足していないのでフィルタ
91を出力光の進行経路に配置している。
【0020】この出力光を凸レンズ31(焦点距離(f
31)=200[mm])でコリメートし、方向の広がりを空
間距離の広がりへ変換する。こうして得たビームの広が
り(y1 )は以下の通りである。
【0021】 y1=2f3・tan3.5°=24.4[mm] このコリメートした出力光の強度を光検出器21で測定
する。光検出器21はフォトダイオードアレイであり、
光検出単位である幅(t)が50[μm]のフォトダイオ
ードを一次元的に512個配列しているので、光検出器
21全体の幅は25.6 [mm]となり、上記のコリメ
ートした出力光の空間的広がりを充分包含している。
【0022】また、本実施例においては、SHG素子1
1から出射する出力光の強度は被測定光の強度に比例す
るので、被測定光をSHG素子11近傍へ導波する途中
で光増幅することにより計測のS/Nを向上できる。図
3(a)は、この被測定光の増幅の一例を示しており、
被測定光を導波する光ファイバ71,73の間に半導体
光増幅器(TWA)72を配置したものである。光増幅
器としては、Erドープの光ファイバ増幅器またはパラ
メトリック光増幅器を使用できる。
【0023】また、被測定光の波形測定を効率的に実施
するには、被測定光(特に測定対象部)の到達を検出
し、被測定光のSHG素子11への照射に同期して、プ
ローブ光をSHG素子11へ入射させることが好まし
い。図3(b)は、この同期化の方法の一例を示す。被
測定光をハーフミラー81によって2分岐する。一方を
フォトダイオード(PD)82に入射させ、被測定光の
到着を監視する。PD82の出力電気信号は、アンプ8
3およびコムジェネレータ84を介して増幅・整形さ
れ、光源41の駆動に使用する。ハーフミラー81で2
分岐した光の他方は、光ファイバ74によって遅延を施
されることによりSHG素子1への到着のタイミングが
調整され、プローブ光と同期が図られる。被測定光のS
HG素子11への到着タイミング調整のための遅延手段
としては、ミラーを組み合わせて用いてもよい。
【0024】被測定光の測定対象部の時間幅がTd 以下
であれば、その波形をリアルタイム測定可能である。T
d は、光源41の出射するビーム径(x)、回折格子へ
の光源41出射ビームの入射角(θi )、または回折格
子の格子定数(d-1)で調整可能である。
【0025】プローブ光の光源には、例えばモード同期
チタンサファイアレーザ、モード同期LiSAFレー
ザ、モード同期LDなどを用いる。
【0026】SHG素子としてはNH4 2 PO4 (A
DP),KTiOPO4 (KTP),KH2 PO4 (K
DP),KD2 PO4 (KD* P),CsD2 AsO4
(CD* A),RbH2 PO4 (RDP),CO(NH
2 2 (urea),LiNbO3 ,β−BaB2 4
(BBO),CdGeAs2 ,Te,BaNaNb5
15,C6 NH2 NO2 (MNA),LiIO3 などの結
晶を用いる。また、近年報告されている2次非線形感受
率χ(2) が10-6esuオーダという巨大な数値を持つ
高分子(colona−poled 3RDCVXY)
も使用できる。
【0027】(第2実施例)この実施例の構成は、図4
に示す通り、プローブ光の生成を除いて第1実施例と同
様である。本実施例では、被測定光の測定対象波形時間
幅より短い時間幅を持つ細い短パルス光を発光する光源
42と、光源42の出射方向に対して垂直方向へ光源4
2を移動可能とし光源42の出射位置を検出・通知する
ステージ43と、被測定光の一部を分岐するハーフミラ
ー46と、この分岐光を検出するフォトダイオード45
と、ステージ43が通知する光源42の出射位置情報と
フォトダイオード45の通知する被測定光到着情報とか
ら光源42の出射タイミングと駆動信号を発生する発光
制御装置44と、光源42が出射した短パルス光をSH
G素子11上の相互作用点に導く凸レンズ52とを使用
してプローブ光を生成する。
【0028】プローブ光は凸レンズ52を経由するの
で、光源42の出射位置ごとにプローブ光のSHG素子
11上相互作用点への入射角度が異なる。また、発光制
御装置44の作用により、光源42の出射位置ごとに被
測定光の到着検出から出射までの時間が異なる。したが
って、本実施例におけるプローブ光と被測定光とのSH
G素子11上での相互作用の結果、第1実施例における
空間分布を持った出力光を発生し、第1実施例と同様の
時間分解能で光波形測定ができる。なお、本実施例は繰
り返し波形の測定に適している。
【0029】また、この装置において、光源を移動せる
代わりに、1次元に配列した独立駆動可能な複数の光源
を使用して、個々の光源の配置位置に応じて被測定光の
到着検出からパルス光出射までの時間を制御してプロー
ブ光を生成してもよい。この場合には、繰り返し波形の
測定にくわえて、単一パルスの波形測定も可能になる。
(第3実施例)図5に第3実施例の基本構成を示す。
この実施例では、上記の第1及び第2実施例とは異なり
3次の非線形光学効果を利用する。この実施例の装置
は、3次の非線形光学効果を有するZnSe結晶素子1
2と、被測定光を非線形素子12の近傍に導くミラー7
5、76と、プローブ光生成手段と、ZnSe結晶素子
12上での相互作用の結果発生した3次の非線形効果に
よる4光波混合光を平行光化する凸レンズ32と、4光
波混合光の強度分布を検出するフォトダイオードアレイ
からなる光検出器22とを含んで構成される。ここで、
ZnSe結晶素子12は約9゜Kに冷却し、励起子の共
鳴による大きなχ(3) (10-2esu程度)を有し、応
答速度も20〜30[psec]と非常に速い状態で使
用する。また、プローブ光発生手段は、第1実施例と同
様に、進行方向に垂直な空間的広がりを有するパルス光
を発生する光源(図示せず)と、この光源発光の光を回
折させ空間的広がりが進行方向の垂直方向とは傾いた回
折光を生成する回折格子(図示せず)と、この回折光を
ZnSe結晶上の相互作用点に集光する凸レンズ53と
で構成する。ここで、光源の発生光の波長は、ZnSe
の励起子共鳴のある442[nm]を使用する。
【0030】また、4光波混合光の内、ZnSe結晶か
らの出射方向(kD )がつぎの式で表される反射型の4
光波混合光を測定する。
【0031】kD =−(2kP −kS )・・(8) ここで、kD :4光波混合光の出射方向ベクトル kP :プローブ光の入射方向ベクトル kS :被測定光の入射方向ベクトル 本実施例では、第1実施例と同様にkS は一定である
が、kP が時間とともに変化するので、式(8)から明
らかなように被測定光の強度の時間分布(被測定光の波
形そのもの)に依存した強度の出射方向分布を有して、
4光波混合光が出射される。この出射光方向分布を凸レ
ンズ32によって空間分布に変換することにより、被測
定光の時間波形が空間展開される。こうして被測定光の
波形が空間展開された4光波混合光を1次元状に配置さ
れた光検出器22で受光・計測することにより第1実施
例とほぼ同様の精度で光波形測定ができる。
【0032】また、第1実施例で付加可能な図3(a)
の被測定光増幅器、図3(b)の被測定光到達検出器も
本実施例に付加可能であり、第1実施例の場合と同様の
効果を奏する。また、2次の非線形光学効果を有する媒
質の多くは、同時に3次の非線形光学効果も有するの
で、上記のZnSeに換えて使用することができる。
【0033】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、様々な変形が可能である。
【0034】例えば、光検出器については上記のフォト
ダイオードアレイ以外にアバランシェフォトダイオード
アレイまたはCCDカメラなどを使用してもよい。ま
た、非線形素子に照射する到着時刻によって非線形素子
への入射角の異なるプローブ光を得るにあたっては、自
己位相変調等により光パルスにチャープを生じさせ、か
つ、それと群速度分散の効果を同時に用いることにより
線形チャープを生じさせる光ファイバを経由した後に、
回析格子等の分光素子を通過させ、凸レンズで集光して
もよい。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り本発明の光波
形測定器によれば、被測定光を空間的に広げるなどの分
布密度を低下させる加工・変換は施さず、測定器にて発
生するプローブ光に時間−方向分布を付与し被測定光と
相互作用させたので、S/Nよく、廉価で、かつ時間分
解能の高い光波形測定器を実現できる。また、被測定光
の到着を監視し、被測定光と同期してプローブ光を発生
して非線形素子上で相互作用させることにより、効率の
よく繰り返し光波形および単一光波形の測定が可能であ
る。また、被測定光を増幅することにより、さらにS/
Nのよい光波形測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図を示す。
【図2】本発明の光波形測定装置の第1実施例の構成図
である。
【図3】被測定光増幅器の構成と被測定光到達検出器の
構成との一例を示す図。
【図4】本発明の光波形測定装置の第2実施例の構成図
である。
【図5】本発明の光波形測定装置の第3実施例の構成図
である。
【符号の説明】
1,11,12…非線形素子、2,21,22…光検出
器、3,31,32,51,52,53…凸レンズ、4
1,42…光源、43…ステージ、44…発光制御装
置、45,82…フォトダイオード、46,81…ハー
フミラー、61…回折格子、7,71,73,74…光
ファイバ、72…光増幅器、83…アンプ、84…コム
ジェネレータ、91…フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−41329(JP,A) 特開 昭51−90868(JP,A) 特開 平2−259435(JP,A) 特開 昭57−163828(JP,A) 江馬一弘 他,波形整形を利用した超 高速光波形測定法とその応用,東京大学 工学部総合試験所年報,第50巻,第79− 85頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/29 - 7/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定光の時間波形を測定する装置であ
    って、 二種の光を相互作用させ非線形光学効果を生ずる非線形
    素子と、 前記被測定光を前記時間波形のまま前記非線形素子へ導
    く被測定光導波手段と、 前記被測定光と前記非線形素子上で交差し、交差時刻と
    ともに進行方向が変化するプローブ光を発生するプロー
    ブ光発生手段と、 前記非線形素子中で前記被測定光と前記プローブ光との
    相互作用によって発生する出力光の強度を検出する出力
    光検出手段と、 を備えることを特徴とする光波形測定装置。
  2. 【請求項2】 前記プローブ光発生手段は、前記被測定
    光の測定対象部の到達を識別し、この到達時点に同期し
    て前記プローブ光を発光し、前記非線形素子上にほぼ同
    時刻に前記プローブ光と前記被測定光の測定対象部とが
    到達することを特徴とする請求項1記載の光波形測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記プローブ光発生手段は、 前記被測定光の測定対象部の時間的広がりよりも短い所
    定の時間幅を持ち、進行方向に対して垂直に空間的な広
    がりを持った短パルス光を発生する光源と、 該光源の出射する短パルス光を入射し、回折によって前
    記短パルス光の空間的な広がりが進行方向に対して斜交
    した回折光を出射する回折格子と、 該回折光を前記被測定光と相互作用させる非線形素子内
    の点近傍に集光する凸レンズと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の光波形測定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記プローブ光発生手段は、 前記被測定光の測定対象部の時間的広がりよりも短い時
    間幅を持つ短パルス光を発生する光源と、 前記光源の光出射方向は変更せずに、該出射方向に垂直
    な一方向の位置を走査する手段と、 前記光源の出射位置に応じて、前記被測定光の測定対象
    部の到達検出から前記光源の短パルス光出射タイミング
    を制御する手段と、 前記光源が出射した短パルス光に、各パルスごとに固有
    な前記非線形素子入射角度を付与する凸レンズと、 を備えることを特徴とする請求項2記載の光波形測定装
    置。
  5. 【請求項5】 前記プローブ光発生手段は、 前記被測定光の測定対象部の時間的広がりよりも短い時
    間幅を持つ互いに略平行な進行方向を有する短パルス光
    を発生する1次元に配列された複数の光源と、 個々の前記光源の配置位置に応じて、前記被測定光の測
    定対象部の到達検出から前記光源の短パルス光出射タイ
    ミングを制御する手段と、 前記複数の光源が出射した短パルス光に、各パルスごと
    に固有な前記非線形素子入射角度を付与する凸レンズ
    と、 を備えることを特徴とする請求項2記載の光波形測定装
    置。
  6. 【請求項6】 前記出力光検出手段は、一次元に配列さ
    れた複数の検出素子を含んで構成され、該出力光の出射
    方向に対して分解能を有することを特徴とする請求項1
    記載の光波形測定装置。
  7. 【請求項7】 前記出力光検出手段は、該出力光の受光
    により発生する電荷を蓄積可能な電荷蓄積型光検出器を
    含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の光波
    形測定装置。
  8. 【請求項8】 前記非線形素子は、2次および3次のい
    ずれか一方の非線形光学効果を有することを特徴とする
    請求項1記載の光波形測定装置。
  9. 【請求項9】 前記被測定光導波手段は、該被測定光を
    増幅する手段を有することを特徴とする請求項1記載の
    光波形測定装置。
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