JPH09303602A - 自己保持型電磁弁 - Google Patents

自己保持型電磁弁

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Publication number
JPH09303602A
JPH09303602A JP11259196A JP11259196A JPH09303602A JP H09303602 A JPH09303602 A JP H09303602A JP 11259196 A JP11259196 A JP 11259196A JP 11259196 A JP11259196 A JP 11259196A JP H09303602 A JPH09303602 A JP H09303602A
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JP
Japan
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plunger
holding
solenoid valve
self
voltage
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JP11259196A
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Inventor
Yoshihiro Tanaka
善広 田中
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TOKYO DANREIKI Manufacturing
TOKYO DANREIKI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
TOKYO DANREIKI Manufacturing
TOKYO DANREIKI SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力消費量が少なく、且つ安定して弁の開閉
状態が保持される自己保持型電磁弁を提供する。 【解決手段】 磁性材料よりなる中空円筒形状のプラン
ジャー39は誘導筒43に対して摺動自在に取付けられ
る。磁性材料よりなる棒状のパイロットプランジャー3
5は、ピン41を介してプランジャー39に対して所定
範囲で摺動自在に連結される。誘導筒43の外周には、
弁箱11から外方に向って第2の電磁コイル53、永久
磁石55及び第1の電磁コイル49が配置される。永久
磁石55と誘導筒43との間には磁性材料よりなる中空
円板形状のプレート57が取付けられる。弁の開閉に応
じて移動するプランジャー39の位置に基づいて、永久
磁石55による磁気回路が形成され、その磁気力によっ
てプランジャー39はその位置に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自己保持型電磁弁
に関し、特に常設電源の無い場所で長期期間使用できる
ような自己保持型電磁弁を中心として、一般の装置にも
使用される自己保持型電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁弁の電源は交流電源としてい
るものが一般的であり、またプランジャー自身が電磁コ
イルへの電圧の印加によって生じる電磁力によって、ば
ね等の付勢力に抗して移動する直動式のものが多い。こ
のような電磁弁では、電圧の電磁コイルへの印加が解除
されると電磁力が消滅し、ばね等の付勢力によってプラ
ンジャーが元の位置(開弁又は閉弁)に復帰するように
なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の電
磁弁では、常設電源の無い場所では交流電源は使用でき
ず、電源としては乾電池を使用せざるをえない。しかし
ながら、この場合ばね等の付勢力に抗して、プランジャ
ーを移動させなければならないため、一回の動作におい
て消費する電力がある程度大きくなり、また弁の動作後
の開動作又は閉動作を維持するためには電圧を印加し続
ける必要がある。そのため、長期期間における電磁弁の
継続した使用は困難であった。
【0004】また、プランジャーが直動式であるため、
弁の押圧力の調整は困難であり、さらにそのストローク
をあまり長くできず、結果として大容量の電磁弁を構成
することができない。上記の課題を解決するために、請
求項1記載の発明は、弁の押圧力を所望の値に容易に調
整することができる自己保持型電磁弁を提供することを
目的とする。
【0005】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の目的に加えて、安定した弁の開閉状態が保持される
自己保持型電磁弁を提供することを目的とする。請求項
3記載の発明は、請求項2記載の発明の目的に加えて、
消費電力を低減させることができる自己保持型電磁弁を
提供することを目的とする。請求項4記載の発明は、請
求項3記載の発明の目的に加えて、弁の開閉に要する電
力の消費が極めて低減される自己保持型電磁弁を提供す
ることを目的とする。
【0006】請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4のいずれかに記載の発明の目的に加えて、弁の押圧
力をプランジャーに対して加えられる保持力とは独立し
て調整することができる自己保持型電磁弁を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、自己保持型の電磁弁であ
って、中空筒形状を有し、その軸方向に移動自在である
プランジャーと、筒形状を有し、その一方端にはディス
クが取付けられ、その他方端側はプランジャーの中空部
に挿入され、プランジャーに対して所定の範囲でその軸
方向に摺動自在であるパイロットプランジャーと、プラ
ンジャーとパイロットプランジャーとを互いに離れる方
向に付勢する付勢手段と、プランジャーを第1の電圧印
加状態において移動させて第1の移動位置に保持し、第
2の電圧印加状態において移動させて第2の移動位置に
保持させる保持手段とを備えたものである。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の構成において、パイロットプランジャーは磁性材料
よりなり、保持手段が第1の移動位置においてパイロッ
トプランジャーを通しての第1の磁気回路を形成する第
1の磁路形成手段と、第2の移動位置において、パイロ
ットプランジャーを通しての第2の磁気回路を形成する
第2の磁路形成手段とを含むものである。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明の構成のうち、保持手段がプランジャーの周辺を囲う
ように捲回された第1の電磁コイルと、リング形状を有
し、第1の電磁コイルに対してプランジャーの軸方向に
隣接して設けられた永久磁石と、永久磁石に対してプラ
ンジャーの軸方向であって、第1の電磁コイルとは反対
方向に隣接して設けられ、プランジャーの周辺を囲うよ
うに捲回された第2の電磁コイルとを備え、第1及び第
2の電磁コイルは、第1の電圧印加状態においてプラン
ジャーを第1の移動位置に移動させ、第2の電圧印加状
態において、プランジャーを第2の移動位置に移動させ
る電磁力を発生し、第1の磁気回路は、永久磁石の磁気
力のみに基づいて、第1の電磁コイルを囲うように形成
され、第2の磁気回路は永久磁石の磁気力のみに基づい
て第2の電磁コイルを囲うように形成されるように構成
されたものである。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明の構成のうち、保持手段が第1及び第2の電磁コイル
に正負の直流電圧を交互に付与するパルス電圧付与手段
を含み、第1の電圧印加状態とは、パルス電圧付与手段
によって正の直流電圧が印加され、その後印加電圧が零
となった状態を意味し、第2の電圧印加状態とは、パル
ス電圧付与手段によって負の直流電圧が印加され、その
後印加電圧が零となった状態を意味するように構成され
たものである。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4のいずれかに記載の発明の構成のうち、プランジャ
ーにはその軸方向に対して、直角方向に貫通する第1の
貫通穴が形成され、パイロットプランジャーには、その
軸方向に対して直角方向に貫通する第1の貫通穴より大
きい径の第2の貫通穴が形成され、プランジャーとパイ
ロットプランジャーとは、第1の貫通穴に摺動自在の径
を有するピンが第1及び第2の貫通穴に挿入されること
によって連結されるように構成されたものである。
【0012】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、パイロットプラ
ンジャーはプランジャーに対して摺動自在とされるた
め、閉弁の押圧力は付勢手段の付勢力を調整することで
所望の値に容易に調整することができる。請求項2記載
の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、プラン
ジャーの移動位置に基づいて、第1の磁気回路又は第2
の磁気回路が形成されるため、安定した弁の開閉動作が
保持される。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明の効果に加えて、プランジャーの移動には、第1及び
第2の電磁コイルによる電磁力が働き、移動後のプラン
ジャーの位置の保持には永久磁石のみによる磁気力が働
くため、電力消費を低減させる。請求項4記載の発明
は、請求項3記載の発明の効果に加えて、直流のパルス
電圧によって、弁の開閉がなされるので、開閉に要する
電力の消費が極めて低減される。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、プランジ
ャーとパイロットプランジャーとは特定寸法のピンで連
結されるため、分解、組立てが容易になり、又閉弁の押
圧力をプランジャーに対して加えられる保持力とは独立
に付勢手段によって調整することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態による自己保持型電磁弁の”開”状態における断面構
造を示した図であり、図2は図1の自己保持型電磁弁
の”閉”状態の断面構造図であり、図3は図1及び図2
の電磁弁の電磁コイルに印加されるパルス電圧の波形を
示した図である。
【0016】これらの図を参照して、この発明の第1の
実施の形態による自己保持型電磁弁の構成について説明
する。自己保持型電磁弁は、大きくは弁の開閉を制御す
るための弁駆動装置12とその内部を流体が流れる弁箱
11とから構成される。弁箱11はその両端に、流体が
流入するための流入口13と流体が流出するための流出
口15が設けられる。又、弁箱11の中央部には、主弁
孔17を規定するための弁座16がその上端がリング状
となるように形成される。弁座16の上方には、主弁孔
17に対応する弾性材料よりなる円板形状のダイヤフラ
ム19が設けられ、その周端は弁箱11の上方に固定さ
れる。又、ダイヤフラム19を覆うようにダイヤフラム
押え21が形成され、ダイヤフラム19の過度の変形を
防止する。尚、ダイヤフラム押え21には、その中央部
にパイロット吐出孔23が設けられ、さらに流入口13
側には微小径よりなるパイロット給入孔25が設けられ
ている。このようにダイヤフラム19及びダイヤフラム
押え21が設けられることによって、弁箱11内部には
1次側水室29及び2次側水室31が形成されることに
なる。
【0017】一方、弁駆動装置12は、パイロットプラ
ンジャー35とプランジャー39とを中心として構成さ
れる。プランジャー39は磁性材料よりなり、且つ中空
円筒形状を有し、その中空部には、磁性材料よりなり、
且つ中実円筒形状を有するパイロットプランジャー35
が摺動自在に挿入される。尚、パイロットプランジャー
35の一方端部には、ダイヤフラム押え21のパイロッ
ト吐出孔23に対応した弾性材料よりなるディスク27
が取付けられている。パイロットプランジャー35とプ
ランジャー39とは、その各々に形成された貫通穴42
及び貫通穴44にピン41が摺動自在に挿入されること
によって、連結されている。又、パイロットプランジャ
ー35のプランジャー39から外方に出ている部分に
は、その側壁にスプリング37が取付けられる。このス
プリング37は、パイロットプランジャー35をプラン
ジャー39から抜き出す方向に常時付勢している。
【0018】プランジャー39の外周には、磁性材料よ
りなる中空円筒状の誘導筒43が設けられ、プランジャ
ー39はその軸方向に誘導筒43に対して摺動自在とさ
れる。誘導筒43の上端部は、磁性材料よりなるコア4
5に固定され、一方誘導筒43の下端部には、やはり磁
性材料よりなるベース33に固定されている。尚、ベー
ス33の上面とコア45の下面との距離は、プランジャ
ー39の軸方向の長さより間隙62の分だけ長く形成さ
れている。即ち、この間隙62によって、プランジャー
39は、その軸方向に一定範囲で移動自在とされること
になる。誘導筒43の上方部及びコア45の外周部に
は、第1のボビン47が形成され、この第1のボビン4
7に対して、例えば銅材料よりなる第1の電磁コイル4
9が捲回されている。そして第1のボビン47の下方部
に隣接して、2個の長方体形状の永久磁石55が対向す
る位置に取付けられており、この永久磁石55と誘導筒
43との間には磁性材料よりなる中空円板形状のプレー
ト57が取付けられている。
【0019】さらに永久磁石55の下方部であって、誘
導筒43の下方部の外周には、第2のボビン51が形成
され、この第2のボビン51に対して、例えば銅材料よ
りなる第2の電磁コイル53が捲回されている。そして
弁駆動装置12においては、コア45、第1のボビン4
7、永久磁石55、第2のボビン51及びベース33の
全体は、磁性材料よりなるフレーム59によって覆われ
ている。次に、図1及び図2に示されている自己保持型
電磁弁の動作について説明する。
【0020】この実施の形態においては、図3で示され
ているようなパルス電圧が印加された状態を想定してい
る。尚、図3のようなパルス電圧は、公知のドライバー
IC等を用いることによって容易に得ることができる
が、この1サイクルにおける弁の開信号と弁の閉信号を
発生させることに対する消費電流は4mA.sec以下
となり、極めて微小な消費電流となる。
【0021】正又は負のパルス電圧が発生し、その電圧
が第1の電磁コイル49及び第2の電磁コイル53に印
加されると(第1の印加状態)、それらの周囲即ちコア
45→プランジャー39→ベース33→フレーム59→
コア45と循環する磁力線が形成される。そしてこの磁
力線による電磁力によって、プランジャー39はコア4
5の方向に移動し吸着される。第1の電磁コイル49及
び第2の電磁コイル53に印加される電圧はパルス電圧
であるため、瞬時(20μsec)にその電圧は消滅
し、上記に述べた磁力線もほぼ消滅する。このように第
1の電磁コイル49及び第2の電磁コイル53による電
磁力は消滅するが、この電磁弁には永久磁石55が組み
込まれているため、この永久磁石55による第1の磁気
回路61が形成され保持されることになる。即ち、永久
磁石55の磁力によって、永久磁石55→フレーム59
→コア45→プランジャー39→プレート57→永久磁
石55と循環する第1の磁気回路61が形成される。こ
れによって、プランジャー39はコア45に吸着(約2
Kgの吸着力)された状態が保持され(第1の移動位
置)、これによって、パイロットプランジャー35は上
方に引き上げられた状態が維持され、電磁弁の開弁状態
が保持される。
【0022】一方、図1の状態から、先程のパルス電圧
とは反対符号のパルス電圧が第1の電磁コイル49及び
第2の電磁コイル53に印加されると、図2で示す状態
に弁の駆動状態は変化する。即ち図1の状態から反対符
号のパルス電圧が第1の電磁コイル49及び第2の電磁
コイル53に印加されると、先程の磁力線とは反対方向
に循環する磁力線が発生する。このため永久磁石55に
よる残留保磁力が打ち消され、プランジャー39はコア
45から離れ、瞬時にベース33の方向に移動し吸着さ
れる。そして、この移動後も、第1の電磁コイル49及
び第2の電磁コイル53による電磁力は瞬時に打ち消さ
れるが、永久磁石55による第2の磁気回路63が形成
される。即ちこの状態では、永久磁石55→フレーム5
9→ベース33→プランジャー39→プレート57→永
久磁石55と循環する第2の磁気回路63が形成される
ことになり、この磁力によって、プランジャー39はベ
ース33に吸着保持され、閉弁状態が保持されることに
なる。
【0023】尚、この閉弁動作におけるダイヤフラム1
9及びダイヤフラム押え21の動作についても併せて説
明する。プランジャー39の下降動作に伴い、パイロッ
トプランジャー35も下方部に移動し、その先端に形成
されているディスク27がダイヤフラム押え21のパイ
ロット吐出孔23を塞ぐことになる。このとき流入口1
3から流入した液体は、ダイヤフラム押え21のパイロ
ット給入孔25を介して1次側水室29内に侵入しその
圧力を上昇させる。このときダイヤフラム押え21のパ
イロット吐出孔23はディスク27によって塞がれてい
るため、1次側水室29の圧力の上昇に伴って、ダイヤ
フラム19はダイヤフラム押え21と共に押し下げられ
ることになる。そして押し下げられたダイヤフラム19
は、弁座16の主弁孔17を塞ぎ、閉弁動作が完了す
る。このようにダイヤフラム押え21にパイロット給入
孔25を設けることによって、ダイヤフラム19による
閉弁動作を迅速に且つ微小な力で達成することができ
る。
【0024】この図2の状態から、上記のようにさらに
反対符号のパルス電圧が印加されると(第2の電圧印加
状態)、第2の磁気回路63による磁力は第1の電磁コ
イル49及び第2の電磁コイル53によって生じる電磁
力によって打ち消され、図1の状態にプランジャー39
が移動し(第2の移動位置)、電磁弁は開弁状態に復帰
することになる。この開弁状態へ復帰する場合のダイヤ
フラム19及びダイヤフラム押え21の動作についても
説明する。
【0025】プランジャー39の上昇に伴ってパイロッ
トプランジャー35も上方に移動し、ディスク27とダ
イヤフラム押え21とが非接触状態になると、1次側水
室29と2次側水室31とはパイロット吐出孔23を介
して繋がり、その圧力差は消滅する。そのため、ダイヤ
フラム19はダイヤフラム押え21と共にそれら自身の
復帰力によって瞬間的に元の位置に戻り、ダイヤフラム
19と弁座16の接触状態を解除することになる。これ
によって、流入口13から流入した液体は、主弁孔17
を介して流出口15から流出し、電磁弁は開弁状態とな
る。
【0026】尚、図2の状態にプランジャー39を移動
させるためには、第1の電磁コイル49及び第2の電磁
コイル53に印加するパルス電圧は、その発生する電磁
力が永久磁石55による磁気力以上となるような値にす
ればよい。一方、図1の状態にプランジャー39を移動
させるためには、第1の電磁コイル49及び第2の電磁
コイル53に印加するパルス電圧は、後述するように永
久磁石55によって発生する磁気力からスプリング37
による反発力を差し引いたもの以上となるような値にす
ればよい。
【0027】上記のように、(+)パルス電圧によりプ
ランジャー39を下面に吸着する時はパイロットプラン
ジャー35のパイロット磁路構成により作動し、しかる
後、磁路回路63により吸着するので小さな電力での作
動が可能となる。又、(−)のパルス電圧が加わると図
2においてパイロットスプリング37は常にプランジャ
ー39を上に離脱させるよう付勢しているので、小さな
電力を加えただけで上方吸着が可能となる。従って、こ
の節電効果は大きい。
【0028】さらに、図1において上部吸着時のパイロ
ットスプリング37はプランジャー39の下面に加わる
反力とピン41の上面に加わる反力で相殺されて、下面
吸着時の妨げとならず、作動上のロスは生じない。言い
換えれば、このスプリング37はパイロットバルブのシ
ールのための付勢力を発揮するという本来の目的を達成
すると同時に大きな節電効果を有する。このスプリング
37の取付構造は上記2つの節電効果を達した上、さら
に小さなスペースにおいて組立が容易であり、かつ経済
的で有利なものとなる。
【0029】図4は、図1及び図2に示されている弁の
開閉状態におけるプランジャー39及びパイロットプラ
ンジャー35に加わる力関係を説明するための模式図で
ある。この図を参照して、プランジャー39に形成され
ている貫通穴44の径は、ピン41が摺動自在となるよ
うな径に設定されているが、パイロットプランジャー3
5に形成されている貫通穴42の径は、ピン41の径に
対してかなり大きめとなっている。
【0030】図4の(1) は弁の開状態を示しているが、
この状態では、スプリング37によってパイロットプラ
ンジャー35を押し下げようとする力V1 は、貫通穴4
2の上端部を介してピン41に力V2 となって伝達す
る。ピン41に加えられた力V 2 はプランジャー39の
貫通穴44の下方部を介して力V3 となってプランジャ
ー39に伝達されるが、プランジャー39の下端にはス
プリング37によって上方に押し上げる力V4 が加えら
れている。即ちV1 からV4 の力の各々は同一の値を示
しているため、これらは相互に打ち消し合い、結局、プ
ランジャー39は、永久磁石55によって形成される第
1の磁気回路61によって生じる磁気力による吸着力F
1 によってコア45に吸着されることになる。
【0031】したがって、この弁の開状態から、パルス
電圧を与えてプランジャー39を下方に移動させるため
には、電磁コイルによる電磁力がこの吸着力F1 より大
きくなるような値をパルス電圧として与えればよいこと
になる。尚、プランジャー39のベース33に向って移
動させるための吸着力には、パルス電圧によって発生す
る第1の磁力線65が寄与することになる。しかし、パ
イロットプランジャー35を磁性材料によって構成する
ことにより、第2の磁力線67に示すような磁力線も発
生すると考えられる。この第2の磁力線67の発生によ
って、プランジャー39のベース33に対する移動吸着
により効果を生じる。
【0032】図4の(2) は弁の閉状態を示しているが、
この状態では、パイロットプランジャー35の貫通穴4
2はその上端及び下端のいずれもピン41に接触してい
ない状態となっている。このときスプリング37によっ
て生じる押圧力S1 はダイヤフラム押え21によって反
力S3 として受け止められ、これらの値は相互に打ち消
し合うことになる。一方スプリング37によるプランジ
ャー39に対する押上力S2 はそのままプランジャー3
9に加わっていることになるため、永久磁石55によっ
て発生される第2の磁気回路63によるプランジャー3
9のベース33に対する吸着力F2 を打ち消す方向に働
く力となる。このため、図4の(2) に示す弁の閉状態か
ら開状態に戻すためのパルス電圧は、吸着力F2 からス
プリング37の反発力S2 を差し引いた値以上の電磁力
を発生させるような電圧値でよい。言い換えれば、弁を
閉状態から開状態へ移行させるためのパルス電圧は、弁
の開状態から閉状態へ移行させるためのパルス電圧より
より小さな値でも作動できることになる。
【0033】尚、上記の実施の形態では、弁駆動装置1
2は円筒形状としているが、これに代えて矩形筒形状と
し、各部品をこれにあわせた形状としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態による自己保持型
電磁弁の開状態における断面構造図である。
【図2】図1の自己保持型電磁弁の閉状態を示した断面
構造図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態による自己保持型
電磁弁に印加するパルス電圧の波形図である。
【図4】図1及び図2で示した電磁弁のプランジャー及
びパイロットプランジャーに加わる力のバランスを説明
するための模式図である。
【符号の説明】
12 弁駆動装置 27 ディスク 35 パイロットプランジャー 37 スプリング 39 プランジャー 41 ピン 42 貫通穴 44 貫通穴 45 コア 49 第1の電磁コイル 53 第2の電磁コイル 55 永久磁石 57 プレート 59 フレーム 61 第1の磁気回路 63 第2の磁気回路 尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己保持型の電磁弁であって、 中空筒形状を有し、その軸方向に移動自在であるプラン
    ジャーと、 筒形状を有し、その一方端にはディスクが取付けられ、
    その他方端側は前記プランジャーの中空部に挿入され、
    前記プランジャーに対して所定の範囲でその軸方向に摺
    動自在であるパイロットプランジャーと、 前記プランジャーと前記パイロットプランジャーとを互
    いに離れる方向に付勢する付勢手段と、 前記プランジャーを第1の電圧印加状態において移動さ
    せて第1の移動位置に保持し、第2の電圧印加状態にお
    いて移動させて第2の移動位置に保持する保持手段とを
    備えた、自己保持型電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記パイロットプランジャーは磁性材料
    よりなり、 前記保持手段は、 前記第1の移動位置において、前記パイロットプランジ
    ャーを通しての第1の磁気回路を形成する第1の磁路形
    成手段と、 前記第2の移動位置において、前記パイロットプランジ
    ャーを通しての第2の磁気回路を形成する第2の磁路形
    成手段とを含む、請求項1記載の自己保持型電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記保持手段は、 前記プランジャーの周辺を囲うように捲回された第1の
    電磁コイルと、 リング形状を有し前記第1の電磁コイルに対して前記プ
    ランジャーの軸方向に隣接して設けられた永久磁石と、 前記永久磁石に対して前記プランジャーの軸方向であっ
    て、前記第1の電磁コイルとは反対方向に隣接して設け
    られ、前記プランジャーの周辺を囲うように捲回された
    第2の電磁コイルとを含み、 前記第1及び第2の電磁コイルは、前記第1の電圧印加
    状態において、前記プランジャーを前記第1の移動位置
    に移動させ、前記第2の電圧印加状態において、前記プ
    ランジャーを前記第2の移動位置に移動させる電磁力を
    発生し、 前記第1の磁気回路は、前記永久磁石の磁気力のみに基
    づいて、前記第1の電磁コイルを囲うように形成され、 前記第2の磁気回路は、前記永久磁石の磁気力のみに基
    づいて、前記第2の電磁コイルを囲うように形成され
    る、請求項2記載の自己保持型電磁弁。
  4. 【請求項4】 前記保持手段は、前記第1及び第2の電
    磁コイルに正負の直流電圧を交互に印加するパルス電圧
    付与手段を含み、 前記第1の電圧印加状態とは、前記パルス電圧付与手段
    によって正の直流電圧が印加され、その後印加電圧が零
    となった状態を意味し、 前記第2の電圧印加状態とは、前記パルス電圧付与手段
    によって負の直流電圧が印加され、その後印加電圧が零
    となった状態を意味する、請求項3記載の自己保持型電
    磁弁。
  5. 【請求項5】 前記プランジャーには、その軸方向に対
    して直角方向に貫通する第1の貫通穴が形成され、 前記パイロットプランジャーには、その軸方向に対して
    直角方向に貫通する前記第1の貫通穴より大きい径の第
    2の貫通穴が形成され、 前記プランジャーと前記パイロットプランジャーとは、
    前記第1の貫通穴に摺動自在の径を有するピンが前記第
    1及び第2の貫通穴に挿入されることによって連結され
    る、請求項1から請求項4のいずれかに記載の自己保持
    型電磁弁。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100590578B1 (ko) * 2005-01-07 2006-06-19 삼성전자주식회사 밸브
JP2006517280A (ja) * 2003-02-06 2006-07-20 スターマン・インダストリーズ・インコーポレーテッド 電磁バルブ・アセンブリ
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