JPH09303461A - ガススプリング - Google Patents

ガススプリング

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Publication number
JPH09303461A
JPH09303461A JP14869196A JP14869196A JPH09303461A JP H09303461 A JPH09303461 A JP H09303461A JP 14869196 A JP14869196 A JP 14869196A JP 14869196 A JP14869196 A JP 14869196A JP H09303461 A JPH09303461 A JP H09303461A
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JP
Japan
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piston
cylinder
gas
annular groove
groove
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Pending
Application number
JP14869196A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Murata
広志 村田
Yosuke Inoue
洋介 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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  • Superstructure Of Vehicle (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性を向上することができ、かつ、組付時
の作業性を向上できるガススプリングを提供する。 【解決手段】 ピストン17の外周に自らの弾性力によ
って拡縮径する環状弁体21を設け、シリンダ11内を
摺動するピストン17がシリンダ11に設けた環状溝2
2を通過する前段階では、環状弁体21が開位置を保持
して各ガス室C,D間を連通させ、かつ、ピストン17
が環状溝22を通過するときには、環状弁体21が閉位
置に移動して各ガス室C,D間を遮断する構成とする。
これにより、シリンダ11内の各ガス室C,D間を連通
させるための縦溝等を設けることなく、ピストンロッド
15を伸縮させ、かつ伸長状態で確実に停止させること
ができ、この縦溝を設けることに伴う不具合を回避でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばバンやワゴ
ン車のバックドア等を開閉可能に支持するのに好適に用
いられるガススプリングに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、バンやワゴン車のバックドア
は、車体との間に設けられたガススプリングによって開
閉可能に支持され、該バックドアを閉扉状態にロックす
るロック機構を解除した後、該バックドアに軽い力を作
用させるだけで自動的に開扉できるようになっている。
【0003】そこで、この種の従来技術によるガススプ
リングについて、図9を参照しつつ説明する。
【0004】図において、1は一端側が閉塞され他端側
が開口した有蓋円筒状のシリンダを示し、該シリンダの
開口側はシール部材2、ロッドガイド3によって施蓋さ
れ、内部には、例えば加圧状態のガスとシール性および
潤滑性を確保するための少量の油液が封入されている。
また、シリンダ1の底部外側には取付アイ4が溶接等に
よって固着されている。
【0005】5はロッドガイド3、シール部材2を介し
てシリンダ1内に挿入されたピストンロッドで、該ピス
トンロッド5は、その一端側に形成された段部5Aを後
述するピストン7の中心部に貫通させた状態で、かしめ
部5Bによって該ピストン7に固着されている。また、
ピストンロッド5の他端側はシール部材2、ロッドガイ
ド3を介してシリンダ1外に突出し、その突出端部には
取付アイ6が固着されている。
【0006】7はシリンダ1内に摺動可能に挿嵌され、
該シリンダ内を2つのガス室A,Bに画成するピストン
で、該ピストン7はピストンロッド5の一端側に固着さ
れ、該ピストンロッド5がシリンダ1に対して伸長、縮
小するのに応じてシリンダ1内を軸方向に摺動するもの
である。そして、ピストン7の外周部には全周に亘って
環状溝7Aが設けられ、該環状溝7Aには、ピストン7
とシリンダ1の内周面との間を気密に封止するOリング
8が嵌着している。
【0007】9はシリンダ1の内周面に設けられた縦溝
を示し、該縦溝9はシリンダ1の周方向の1箇所を一端
側から他端側まで切欠くことにより、軸方向に直線状に
延在するように形成されている。そして、該縦溝9はシ
リンダ1の内周面とピストン7との間にオリフィスを形
成し、該オリフィスを介してシリンダ1内に画成された
ガス室A,B間を連通させることにより、ピストンロッ
ド5に作用する外力に応じてピストン7をシリンダ1内
で摺動させるものである。
【0008】ここで、縦溝9は、その溝深さがシリンダ
1の一端側から他端側に向けて漸次浅くなるように形成
され、ピストン7がシリンダ1の一端側から他端側に移
動するにしたがってオリフィスの開口面積が徐々に狭く
なり、例えばロッドガイド3の近傍まで移動したときに
はガス室A,B間が遮断されるようになっている。
【0009】従来技術によるガススプリングは上述の如
き構成を有するもので、ピストンロッド5が縮小状態か
ら伸長状態に移行するときには、Oリング8と縦溝9と
の間に形成されるオリフィスの開口面積が徐々に狭くな
ってガス室AからBへのガスの流通に対する抵抗力が増
大していき、ピストンロッド5が最も伸長した状態で
は、ガス室A,B間が遮断されてガスの流通が阻止され
る。従って、該ガススプリングによって支持されたバッ
クドアは、閉扉状態から速やかに開扉状態に移行するも
のの、全開状態に近づくにしたがって開扉速度が低下し
ていき、全開状態では確実に停止してばたつきが防止で
きるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるガススプリングでは、ピストン7の外周部
に設けたOリング8が、シリンダ1の内周面に形成した
縦溝9内に入込んでオリフィスの開口面積が小さくなる
のを防止するため、該Oリング8と接する縦溝9の角部
を直角または鋭角に形成している。
【0011】このため、ピストン7がOリング8を縦溝
9に常時摺接させつつシリンダ1内を摺動するときに、
Oリング8が縦溝9の角部によって比較的早期に摩耗ま
たは損傷してしまい、ガススプリングの安定した作動が
損なわれてしまう。
【0012】このため、耐摩耗性に優れた高価な材料を
用いてOリング8を形成することも考えられるが、この
場合には、ガススプリングの製造コストが嵩んでしまう
という問題がある。
【0013】また、上述のガススプリングでは、シリン
ダ1内にガスと共にシール用の油液が封入されているた
め、車体とバックドアとの間等にガススプリングを取付
けるとき縦溝9が上側を向くようにする必要があり、従
来技術によるガススプリングは取付方向性を有してい
た。
【0014】すなわち、ガススプリングの取付方向が異
なると、シリンダ1内の油液が縦溝9内に流入して該縦
溝9を塞いでしまい、Oリング8と縦溝9との間に形成
されるオリフィスの開口面積にばらつきが生じ、同じ仕
様のガススプリングであってもピストンロッド5の伸縮
速度に差が生じてしまう。従って、油液が縦溝9内に流
入しないように、ガススプリングの取付時における方向
性を制限する必要があり、ガススプリングの取付時の作
業性が損なわれるという問題がある。
【0015】さらに、シリンダ1は、その内部に封入さ
れる高圧のガスに対して十分な耐圧をもって形成する必
要があるが、縦溝9はシリンダ1の内周面に切削加工等
によって形成されるため、シリンダ1における縦溝9が
形成された部位が薄肉状となり、部分的に耐圧強度が低
下してしまうという問題がある。
【0016】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、信頼性を向上することができ、かつ、取
付時の作業性を向上できるようにしたガススプリングを
提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明が採用するガススプリングは、一端側が
閉塞され他端側にロッドガイドが設けられたシリンダ
と、該シリンダ内に摺動可能に挿嵌され該シリンダ内を
2つの室に画成するピストンと、一端側が該ピストンに
固着され他端側がロッドガイドを介して前記シリンダ外
に突出したピストンロッドと、前記ピストンに設けられ
前記シリンダ内に画成された2つの室間を連通させる連
通路と、前記ピストンの外周部に拡縮径可能に設けられ
該連通路を開く開位置と該連通路を閉じる閉位置との間
で軸方向への移動が可能となった環状の弁手段と、前記
シリンダの内径を拡径させるように該シリンダの周方向
に設けられ、前記ピストンが通過するときに前記弁手段
の拡径を許容して開位置と閉位置との間で移動させる環
状溝とから構成したことを特徴としている。
【0018】上記構成によれば、ピストンロッドの伸長
時にピストンがシリンダに設けた環状溝を通過する以前
には、弁手段が開位置に位置決めされて連通路が開くこ
とにより、シリンダ内の各室間で連通路を介して流体が
流通し、該連通路の開口面積に応じた抵抗力を発生しつ
つピストンロッドが伸長する。そして、ピストンが環状
溝を通過するときに弁手段が拡径されて軸方向へ移動可
能となり、開位置から閉位置へと移動して連通路が閉じ
る。これにより、シリンダ内に画成された各室間での流
体の流通が制限され、ピストンロッドが伸長状態で保持
される。
【0019】また、ピストンロッドの縮小時には、弁手
段が開位置に位置決めされて連通路が開くことにより、
シリンダ内に画成された2つの室間で連通路を介して流
体が流通し、該連通路の開口面積に応じた抵抗力を発生
しつつピストンロッドが縮小する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
ないし図8を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1な
いし図4は本発明による第1の実施例を示している。
【0021】図において、11は本実施例によるガスス
プリングの外殻をなすシリンダを示し、該シリンダ11
は長尺の円筒チューブにより形成され、一端側(上端
側)がキャップ11Aによって閉塞されている。また、
該シリンダ11の他端側(下端側)には、かしめ部11
Bによってロッドガイド12が固着され、該ロッドガイ
ド12の上側にはゴム等からなるシール部材13が設け
られている。そして、該シリンダ11内には、加圧状態
のガスとシール性および潤滑性を確保するための少量の
油液が封入されている。14はシリンダ11の一端側に
位置してキャップ11Aの外側に固着された取付アイで
ある。
【0022】15はシリンダ11内に挿入されたピスト
ンロッドで、該ピストンロッド15は、その一端側に形
成された段部15Aを後述するピストン17の中心穴1
7Aに嵌合させた状態で、かしめ部15Bによって該ピ
ストン17に固着されている。また、ピストンロッド1
5の他端側はシール部材13、ロッドガイド12を介し
てシリンダ11外に突出し、その突出端部には取付アイ
16が固着されている。
【0023】17はシリンダ11内に摺動可能に挿嵌さ
れ、該シリンダ内を2つのガス室C,Dに画成するピス
トンで、該ピストン17は全体として段付き円筒状に形
成され、その中心部に穿設された中心穴17Aには、ピ
ストンロッド15の一端側に設けた段部15Aが嵌合固
着されている。
【0024】ここで、ピストン17は図2に示すよう
に、軸方向の両端側に位置し外周縁がシリンダ11の内
周面にそれぞれ摺接する端面部17B,17Cと、該各
端面部17B,17C間に位置して一方の端面部17B
側に形成された全周溝17Dと、同じく他方の端面部1
7C側に形成された全周溝17Eと、該各全周溝17
D,17E間に位置してシリンダ11の内径よりも小径
に形成された係合段部17Fとを有している。
【0025】18,18,…はピストン17の端面部1
7B外周に設けられ、ガス室Cと全周溝17Dとを連通
する複数の連通穴、19,19,…はピストン17の係
合段部17F外周に設けられ、各全周溝17D,17E
間を連通する複数の連通穴、20,20,…はピストン
17の端面部17C外周に設けられ、ガス室Dと全周溝
17Eとを連通する複数の連通穴をそれぞれ示し、該各
連通穴18,19,20は、それぞれ周方向に均等な角
度間隔をもって互いに連通するように複数箇所に形成さ
れている。
【0026】そして、該各連通穴18,19,20は、
シリンダ11とピストン17との間に連通路を形成し、
該連通路を通じてシリンダ11内に画成された2つのガ
ス室C,D間を連通させることにより、ピストンロッド
15に作用する外力に応じて、ピストン17をシリンダ
11内で摺動させるものである。
【0027】21は各端面部17B,17C間に位置し
てピストン17の外周に遊嵌された弁手段としての環状
弁体を示し、該環状弁体21は、例えば樹脂等の弾性材
料から矩形の断面形状を有する環状体に形成されてい
る。そして、環状弁体21は、径方向内側に外力が作用
していない状態では、外径寸法がシリンダ11の内径よ
りも僅かに大きく、かつ内径寸法がピストン17の係合
段部17Fよりも僅かに大きくなるように形成されてい
る。
【0028】ここで、該環状弁体21は、ピストン17
と共にシリンダ11内に挿嵌された状態では、図2に示
すようにシリンダ11の内周面に押圧されて縮径し、内
周側がピストン17の係合段部17Fに係合する。この
とき、環状弁体21はピストン17に設けた各連通穴1
8〜20のいずれも閉じることはなく、該各連通穴18
〜20を通じて各ガス室C,D間を連通させる開位置を
保持する。そして、シリンダ11内を摺動するピストン
17が後述する環状溝22を通過するときに、環状弁体
21は図3に示すように自らの弾性力とガス圧とによっ
て該環状溝22内で拡径する。これにより、環状弁体2
1は係合段部17Fから離脱して端面部17Bに係合す
る閉位置に移動し、該端面部17Bに形成された各連通
穴18を閉じて各ガス室C,D間を遮断する。
【0029】22はロッドガイド12の近傍に位置して
シリンダ11の他端側に設けられた環状溝を示し、該環
状溝22は、シリンダ11の内径を部分的に拡径させる
ようにして、例えばプレス成形等によってシリンダ11
の周方向に全周に亘って形成されている。ここで、環状
溝22は図3に示すように、その軸方向長さEがピスト
ン17の軸方向長さFよりも小さく(E<F)なるよう
に形成され、かつ、内径寸法Gが、拡径したときの環状
弁体21の外径寸法Hよりも若干大きく(G>H)なる
ように形成されている。そして、環状溝22は、ピスト
ン17の外周に遊嵌された環状弁体21が該環状溝22
内で拡径するのを許し、これにより、環状弁体21を図
2に示す開位置と図3に示す閉位置との間で移動させる
ものである。
【0030】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、次に、その作動について説明する。
【0031】まず、ピストンロッド15が縮小状態から
伸長状態に移行する伸長行程時において、ピストン17
がシリンダ11の環状溝22を通過する前段階では、図
2に示すように、環状弁体21はピストン17の係合段
部17Fに係合する開位置を保持する。これにより、ピ
ストン17に設けた各全周溝17D,17Eおよび各連
通穴18〜20を通じてガス室Dからガス室Cに向けて
ガスが流通する。このとき、各連通穴18〜20のうち
最も開口面積が小さい各連通穴18によって形成される
オリフィス通路によって、ガス室C,D間を流通するガ
スに抵抗力が与えられ、ピストンロッド15をこの抵抗
に応じた速度をもって伸長させることができる。
【0032】そして、ピストンロッド15がさらに伸長
し、ピストン17がシリンダ11の環状溝22を通過す
るときには、環状弁体21は図3に示すように、自らの
弾性力とガス室D内のガス圧とによって環状溝22内で
拡径する。これにより、環状弁体21はピストン17の
係合段部17Fから離脱して端面部17Bに係合する閉
位置に移動する。これにより、端面部17Bに形成され
た各連通穴18が環状弁体21によって閉塞され、シリ
ンダ11内の各ガス室C,D間でのガスの流通が実質的
に遮断される。
【0033】また、ピストン17がシリンダ11の環状
溝22を通過した後、ピストンロッド15がさらに伸長
しようとする場合には、環状弁体21が図4に示すよう
に、シリンダ11の内周面と係合段部17Fの外周面と
の間に挟持され、各連通穴18を閉塞する状態を保持す
る。これにより、シリンダ11内の各ガス室C,D間で
のガスの流通が遮断され、ピストン17は環状溝22を
通過した位置で確実に停止するから、ピストンロッド1
5を伸長状態に保持することができる。
【0034】次に、ピストンロッド15が伸長状態から
縮小状態に移行する縮小行程では、環状弁体21は、シ
リンダ11の内周面との摩擦力とガス室C内のガス圧と
によって係合段部17Fの外周面から離脱して端面部1
7Cに係合した後、ピストン17が環状溝22を通過す
るときに該環状溝22内で拡径する。その後、環状弁体
21は環状溝22の内周面に沿って縮径していき、ピス
トン17が環状溝22から脱したときには図2に示すよ
うに係合段部17Fに係合し、各連通穴18〜20を連
通させる開位置に位置決めされる。
【0035】この結果、ピストン17の各連通穴18〜
20を介してシリンダ11内のガス室Cからガス室Dに
向けてガスが流通し、このとき、各連通穴18によって
形成されるオリフィス通路によって、ガス室C,D間を
流通するガスに抵抗力が与えられ、ピストンロッド15
をこの抵抗に応じた速度をもって縮小させることができ
る。
【0036】上述した如く、本実施例によれば、ピスト
ン17の外周に自らの弾性力によって拡縮径する環状弁
体21を設け、シリンダ11内を摺動するピストン17
が該シリンダ11に設けた環状溝22を通過する前段階
では、環状弁体21がピストン17に設けた各連通穴1
8〜20を開く開位置を保持して各ガス室C,D間を連
通させ、かつ、ピストン17が環状溝22を通過すると
きに環状弁体21が該環状溝22内で拡径することによ
り、該環状弁体21が連通穴18を閉じる閉位置に移動
して各ガス室C,D間を遮断する構成としたから、例え
ば従来技術で述べた如くのシリンダ1に画成された各ガ
ス室A,B間を連通させるための縦溝9を不要とするこ
とができる。
【0037】このため、縦溝に常時摺接して損傷するO
リング等の部品がなくなり、ガススプリングの信頼性を
大幅に向上することができる。
【0038】また、縦溝にシール用の油液が流入するこ
とによってピストンロッドの伸縮速度がばらつく不具合
を回避するため、ガススプリングの取付けの方向性が制
限されることがなくなるから、ガススプリングを車体等
に取付るときの作業性が向上する。
【0039】さらに、縦溝を不要とすることによりシリ
ンダに部分的な薄肉部が形成されることがなくなるか
ら、シリンダの耐圧強度が部分的に低下するのを防止で
き、ガススプリングの信頼性を一層向上することができ
る。
【0040】次に、図5ないし図8は本発明による第2
の実施例を示している。なお、本実施例では上述した第
1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その
説明を省略する。
【0041】図において、31は本実施例によるピスト
ンを示し、該ピストン31は第1の実施例によるピスト
ン17と同様に、ピストンロッド15の一端側に設けた
段部15Aが嵌合固着された中心穴31Aと、軸方向の
両端側に位置し外周縁がシリンダ11の内周面にそれぞ
れ摺接する大径の端面部31B,31Cと、該各端面部
31B,31C間に位置して一方の端面部31B側に形
成された全周溝31Dと、同じく他方の端面部31C側
に形成された全周溝31Eと、該各全周溝31D,31
E間に位置してシリンダ11の内径よりも小径に形成さ
れた係合段部31Fとを有し、該係合段部31Fの外周
面には、後述する環状溝37とほぼ等しい曲率を有する
円弧状凸部31Gが形成されている。
【0042】32,32,…はピストン31の端面部3
1B外周に設けられ、ガス室Cと全周溝31Dとを連通
する複数の連通穴、33,33,…はピストン31の係
合段部31F外周に設けられ、各全周溝31D,31E
間を連通する複数の連通穴、34,34,…はピストン
31の端面部31C外周に設けられ、ガス室Dと全周溝
31Eとを連通する複数の連通穴をそれぞれ示し、該各
連通穴32,33,34は、それぞれ周方向に均等な角
度間隔をもって互いに連通するように複数箇所に形成さ
れている。そして、該各連通穴32,33,34は、シ
リンダ11とピストン31との間に連通路を形成し、該
連通路を介してシリンダ11内に画成された2つのガス
室C,D間を連通させるものである。
【0043】35は端面部31B,31C間に位置して
ピストン31の外周に遊嵌された弁手段としてのピスト
ンリングを示し、該ピストンリング35は図6に示すよ
うに、周方向の1箇所で互いに重なり合う周端部35
A,35Bを有し、該各周端部35A,35Bが接離す
ることにより縮拡径するようになっている。そして、該
ピストンリング35は、ピストン31と共にシリンダ1
1内に挿嵌された状態では該シリンダ11の内周面に押
圧されて縮径し、内周側がピストン31の係合段部31
Fに係合するが、ピストン31が環状溝37を通過する
ときには自らの弾性力によって拡径する。このとき、拡
径したピストンリング35は図7に示すように、外径寸
法Jが環状溝37の内径よりも僅かに小さく、かつ内径
寸法Kがピストン31の円弧状凸部31Gの外径よりも
僅かに大きくなるように形成されている。
【0044】ここで、該ピストンリング35は、ピスト
ン31と共にシリンダ11内に挿嵌された状態では、図
5に示すようにピストン31の係合段部31Fに係合し
てピストン31に設けた各連通穴32〜34を開き、該
各連通穴32〜34を通じて各ガス室C,D間を連通さ
せる開位置を保持する。そして、シリンダ11内を摺動
するピストン31が環状溝37を通過するとき、ピスト
ンリング35は図7に示すように環状溝37内で拡径し
て円弧状凸部31Gを乗り越え、図8に示すように端面
部31Bに係合することにより、該端面部31Bに形成
された各連通穴32を閉じて各ガス室C,D間を遮断す
る閉位置に移動する。
【0045】36はピストン31の端面部31Cとピス
トンリング35との間に設けられたOリングで、該Oリ
ング36は、ピストンリング35が図5に示す開位置に
あるとき、該ピストンリング35をピストン31の円弧
状凸部31Gとの間で挟持し、該開位置に位置決めする
ものである。
【0046】37はシリンダ11の他端側に設けられた
本実施例による環状溝を示し、該環状溝37は、シリン
ダ11の内径を部分的に拡径させるようにして、例えば
プレス成形等によってシリンダ11の周方向に全周に亘
って形成されている。ここで、環状溝37は、ピストン
31に設けられた円弧状凸部31Gとほぼ等しい曲率を
有する円弧状の溝として形成され、ピストン31の外周
に遊嵌されたピストンリング35が該環状溝37内で拡
径するのを許し、これにより、ピストンリング35を図
5に示す開位置と図8に示す閉位置との間で移動させる
ものである。
【0047】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、ピストンロッド15が縮小状態から伸長状態に移行
する伸長行程時において、ピストン31がシリンダ11
の環状溝37を通過する前段階では、図5に示すよう
に、ピストンリング35はピストン31の係合段部31
Fに係合する開位置を保持する。これにより、ピストン
31に設けた各連通穴32〜34を介してシリンダ11
内のガス室Dからガス室Cに向けてガスが流通し、この
とき、連通穴32によって形成されるオリフィス通路に
よってガス室C,D間を流通するガスに抵抗力が与えら
れ、ピストンロッド15はこの抵抗に応じた速度をもっ
て伸長する。
【0048】そして、ピストンロッド15がさらに伸長
し、ピストン31がシリンダ11の環状溝37を通過す
るときには、ピストンリング35が図7に示すように環
状溝37内で拡径する。これにより、ピストンリング3
5は円弧状凸部31Gを乗り越え、図8に示すように端
面部31Bに係合する閉位置に移動する。これにより、
端面部31Bに形成された各連通穴32がピストンリン
グ35によって閉塞され、シリンダ11内の各ガス室
C,D間でのガスの流通が遮断される。この結果、ピス
トン31は環状溝37の近傍で確実に停止し、ピストン
ロッド31は伸長状態を保持するようになる。
【0049】次に、ピストンロッド15が伸長状態から
縮小状態に移行する縮小行程では、ピストン31が環状
溝37を通過するときに、ピストンリング35が図7に
示すように環状溝37内で拡径して円弧状凸部31Gを
乗り越え、図5に示すように係合段部31Fに係合する
開位置に移動する。このとき、ピストンリング35と共
に移動するOリング36が端面部31Cに係合し、円弧
状凸部31Gとの間でピストンリング35を挟持するこ
とにより、該ピストンリング35が開位置に位置決めさ
れる。この結果、ピストン31に設けた各連通穴32〜
34を介してシリンダ11内のガス室Cからガス室Dに
向けてガスが流通し、ピストンロッド15は、連通穴3
2を流通するガスに作用する抵抗力に応じた速度をもっ
て縮小する。
【0050】かくして、本実施例においても、従来技術
で述べた如くのシリンダ1に画成された各ガス室A,B
間を連通させるための縦溝9を不要とすることができ、
上述した第1の実施例と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0051】なお、前記第1の実施例では、弾性材料に
よって矩形の断面形状を有する環状弁体21を用いた場
合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、
閉位置において連通穴18を閉塞する形状、例えば円形
の断面形状を有する環状の弾性体を用いてもよく、さら
に、拡縮径可能な金属製のピストンリング等を用いても
よい。
【0052】さらに、前記第1実施例および第2実施例
において、弁手段としての環状弁体21とピストンリン
グ35は、連通穴18〜20、32〜34を完全に閉塞
し、ガス室C、D間の連通を遮断するものを示したが、
必ずしもこれに限ることはなく、ドアの全開付近におい
て、ばたつきを防止する程度、例えば、弁手段に連通穴
の断面積の半分を閉じる切欠きを設け半閉状態とし、抵
抗力を与えつつある程度のピストンの移動を許容するよ
うにしてもよい。この場合、ドアの全開付近における連
通穴の閉塞によるドアの急停止を緩和することができる
ので、さらにドアのばたつきを確実に防止することがで
きる。すなわち、本発明における「閉位置」の定義は、
連通穴の断面積を小さくし、シリンダ内の各室間での流
体の流通を制限するものである。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
シリンダ内を摺動するピストンに、該シリンダ内に画成
された2つの室を連通させる連通路と、該連通路を開く
開位置と該連通路を閉じる閉位置との間で移動する環状
の弁手段とを設け、かつ、シリンダの周方向には、ピス
トンが通過するときに弁手段を開位置と閉位置との間で
移動させる環状溝を設け、ピストンロッドの伸長時にピ
ストンが環状溝を通過するときには弁手段を開位置から
閉位置に移動させ、ピストンロッドの縮小時には弁手段
を開位置に位置決めする構成としたから、例えばシリン
ダ内に画成された2つの室間を連通させるための縦溝等
を不要とすることができる。このため、縦溝に常時摺接
して損傷するOリング等の部品がなくなり、ガススプリ
ングの信頼性を大幅に向上することができる。
【0054】また、シリンダ内に封入されたシール用の
油液が縦溝内に流入することによってピストンロッドの
伸縮速度がばらつく不具合を確実に回避できるから、ガ
ススプリングの取付けの方向性が制限されることがなく
なり、ガススプリングの取付け時における作業性を向上
することができる。
【0055】さらに、縦溝を不要とすることによりシリ
ンダに部分的な薄肉部が形成されることがなくなるか
ら、シリンダの耐圧強度が部分的に低下するのを防止で
き、ガススプリングの信頼性を一層向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるガススプリングを
示す縦断面図である。
【図2】図1中のピストン、環状弁体等を拡大して示す
拡大断面図である。
【図3】環状弁体が環状溝内で拡径した状態を示す拡大
断面図である。
【図4】環状弁体が環状溝を通過した状態を示す拡大断
面図である。
【図5】第2の実施例によるピストン、ピストンリング
等を拡大して示す拡大断面図である。
【図6】図5中のピストンリングを示す斜視図である。
【図7】ピストンリングが環状溝内で拡径した状態を示
す拡大断面図である。
【図8】ピストンリングが閉位置に移動した状態を示す
拡大断面図である。
【図9】従来技術によるガススプリングを示す縦断面図
である。
【符号の説明】
11 シリンダ 15 ピストンロッド 17,31 ピストン 18,19,20,32,33,34 連通穴(連通
路) 21 環状弁体(弁手段) 22 環状溝 35 ピストンリング(弁手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側が閉塞され他端側にロッドガイド
    が設けられたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿
    嵌され該シリンダ内を2つの室に画成するピストンと、
    一端側が該ピストンに固着され他端側がロッドガイドを
    介して前記シリンダ外に突出したピストンロッドと、前
    記ピストンに設けられ前記シリンダ内に画成された2つ
    の室間を連通させる連通路と、前記ピストンの外周部に
    拡縮径可能に設けられ該連通路を開く開位置と該連通路
    を閉じる閉位置との間で軸方向への移動が可能となった
    環状の弁手段と、前記シリンダの内径を拡径させるよう
    に該シリンダの周方向に設けられ、前記ピストンが通過
    するときに前記弁手段の拡径を許容して開位置と閉位置
    との間で移動させる環状溝とから構成したことを特徴と
    するガススプリング。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100456011B1 (ko) * 2000-11-24 2004-11-08 주식회사 만도 가스 스프링
CN109751354A (zh) * 2017-11-02 2019-05-14 郑州宇通客车股份有限公司 空气减振器及使用该空气减振器的悬架系统、车辆

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KR100456011B1 (ko) * 2000-11-24 2004-11-08 주식회사 만도 가스 스프링
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