JPH09302407A - 火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素ランス - Google Patents
火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素ランスInfo
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- JPH09302407A JPH09302407A JP11482996A JP11482996A JPH09302407A JP H09302407 A JPH09302407 A JP H09302407A JP 11482996 A JP11482996 A JP 11482996A JP 11482996 A JP11482996 A JP 11482996A JP H09302407 A JPH09302407 A JP H09302407A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造が単純で熱変形しにくく、また酸素通路
に熱変形が発生した場合でも、ジェット流れのコア長さ
や溶湯面でのジェット衝突圧力分布などの流れの特性値
を制御できる火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素
ランスを提供する。 【解決手段】 ランスから精錬用酸素を溶湯に吹き込む
上吹き用単孔酸素ランスまたは多孔酸素ランスにおい
て、酸素羽口の酸素孔出口周辺の受熱面が沈み込む機構
を有することを特徴とする火点圧力分布制御特性に優れ
た上吹き酸素ランスであり、沈み込む受熱面の外縁の図
心が酸素孔中心に対して偏心していることを特徴とす
る。
に熱変形が発生した場合でも、ジェット流れのコア長さ
や溶湯面でのジェット衝突圧力分布などの流れの特性値
を制御できる火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素
ランスを提供する。 【解決手段】 ランスから精錬用酸素を溶湯に吹き込む
上吹き用単孔酸素ランスまたは多孔酸素ランスにおい
て、酸素羽口の酸素孔出口周辺の受熱面が沈み込む機構
を有することを特徴とする火点圧力分布制御特性に優れ
た上吹き酸素ランスであり、沈み込む受熱面の外縁の図
心が酸素孔中心に対して偏心していることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ランスから精錬
用酸素を溶湯に吹き込む上吹き用単孔酸素ランスまたは
多孔酸素ランスにおける火点圧力分布制御特性に優れた
上吹き酸素ランスに関し、特に、ガスジェット流れ強さ
を制御する酸素流路構造に特徴のある火点圧力分布制御
特性に優れた上吹き酸素ランスに関する。
用酸素を溶湯に吹き込む上吹き用単孔酸素ランスまたは
多孔酸素ランスにおける火点圧力分布制御特性に優れた
上吹き酸素ランスに関し、特に、ガスジェット流れ強さ
を制御する酸素流路構造に特徴のある火点圧力分布制御
特性に優れた上吹き酸素ランスに関する。
【0002】
【従来の技術】精錬時に、溶湯の攪拌力を与える溶湯面
でのジェット衝突圧力分布を制御することを目的として
多孔ランス羽口が一般的に用いられている。また、攪拌
力を向上させる構造として、(1)ランス中央部の酸素
通路に螺旋状のガイド羽根を設けたもの(特開平2−3
450号公報)、(2)ガス流路内に設けた案内羽を介
しガスを回転板の駆動羽に吹き付け、複数のガス通過孔
を有する上記回転体を回転させて間欠的にガスを噴射す
るもの(特開昭62−23921号公報)、(3)ノズ
ル吹出口とランス吹出口の中間に特定形状の回転チエン
バを設けると共に、ランス吹出口近くの複数の側方導管
からガスを噴射することによりランス吹出口からの酸素
の衝撃点を移動させるもの(特開昭62−205213
号公報)、(4)ランスを回転させるもの(特開昭60
−187610号公報)、などがある。
でのジェット衝突圧力分布を制御することを目的として
多孔ランス羽口が一般的に用いられている。また、攪拌
力を向上させる構造として、(1)ランス中央部の酸素
通路に螺旋状のガイド羽根を設けたもの(特開平2−3
450号公報)、(2)ガス流路内に設けた案内羽を介
しガスを回転板の駆動羽に吹き付け、複数のガス通過孔
を有する上記回転体を回転させて間欠的にガスを噴射す
るもの(特開昭62−23921号公報)、(3)ノズ
ル吹出口とランス吹出口の中間に特定形状の回転チエン
バを設けると共に、ランス吹出口近くの複数の側方導管
からガスを噴射することによりランス吹出口からの酸素
の衝撃点を移動させるもの(特開昭62−205213
号公報)、(4)ランスを回転させるもの(特開昭60
−187610号公報)、などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高温炉
の中で使用する場合には、構造が複雑であれば冷却構造
が複雑になり熱変形が起こるなどの障害が発生する。具
体的には、特開平2−3450号公報で開示された発明
は多孔ランスには適用できない。特開昭62−2392
1号公報で開示された発明は圧力損失が大きい。特開昭
62−205213号公報で開示された発明は構造が複
雑である。特開昭60−187610号公報で開示され
た発明は回転機構が複雑である。
の中で使用する場合には、構造が複雑であれば冷却構造
が複雑になり熱変形が起こるなどの障害が発生する。具
体的には、特開平2−3450号公報で開示された発明
は多孔ランスには適用できない。特開昭62−2392
1号公報で開示された発明は圧力損失が大きい。特開昭
62−205213号公報で開示された発明は構造が複
雑である。特開昭60−187610号公報で開示され
た発明は回転機構が複雑である。
【0004】そのため、それらの案を実機化することは
困難であった。また、実機に多く適用されている多孔ラ
ンス羽口においてさえ、酸素通路に熱変形が発生する
と、ジェット流れにおけるコア長さや溶鋼面でのジェッ
ト衝突圧力分布などの流れの特性値が変化するため、冶
金特性が変化し、短期間で羽口の交換をしているのが現
状である。
困難であった。また、実機に多く適用されている多孔ラ
ンス羽口においてさえ、酸素通路に熱変形が発生する
と、ジェット流れにおけるコア長さや溶鋼面でのジェッ
ト衝突圧力分布などの流れの特性値が変化するため、冶
金特性が変化し、短期間で羽口の交換をしているのが現
状である。
【0005】本発明は、精錬時に、溶湯の攪拌力を与え
る溶湯面でのジェット衝突圧力分布を制御できる構造
を、また、構造が単純で熱変形しにくい構造を、さらに
は、酸素通路に熱変形が発生した場合にも、ジェット流
れにおけるコア長さや溶湯面でのジェット衝突圧力分布
などの流れの特性値の変化を制御できる構造を提供する
ことを目的とする。
る溶湯面でのジェット衝突圧力分布を制御できる構造
を、また、構造が単純で熱変形しにくい構造を、さらに
は、酸素通路に熱変形が発生した場合にも、ジェット流
れにおけるコア長さや溶湯面でのジェット衝突圧力分布
などの流れの特性値の変化を制御できる構造を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶湯に攪
拌力を与える溶湯面でのジェット衝突圧力分布ならびに
熱変形の観点から最適なランス構造について鋭意検討を
重ねた結果、酸素羽口の酸素孔出口周辺の受熱面が沈み
込む機構を有することにより、溶湯の攪拌力を与える溶
湯面でのジェット衝突圧力分布を制御できることを見出
した。
拌力を与える溶湯面でのジェット衝突圧力分布ならびに
熱変形の観点から最適なランス構造について鋭意検討を
重ねた結果、酸素羽口の酸素孔出口周辺の受熱面が沈み
込む機構を有することにより、溶湯の攪拌力を与える溶
湯面でのジェット衝突圧力分布を制御できることを見出
した。
【0007】また、同様な検討を重ねた結果、沈み込む
受熱面の外縁の図心が酸素孔中心に対して偏心している
ことにより、溶湯の攪拌力を与える溶湯面でのジェット
衝突圧力分布を制御できることを見出した。本発明は以
上の知見に基づいてなされたものであって、その要旨と
するところは、 (1)冷却水通路を有し気体酸素を高速にて溶湯に吹き
込む上吹き用単孔または多孔酸素ランスにおいて、酸素
羽口の酸素孔出口周辺の溶湯金属に対向する受熱面が沈
み込む機構を有することを特徴とする火点圧力分布制御
特性に優れた上吹き酸素ランス。
受熱面の外縁の図心が酸素孔中心に対して偏心している
ことにより、溶湯の攪拌力を与える溶湯面でのジェット
衝突圧力分布を制御できることを見出した。本発明は以
上の知見に基づいてなされたものであって、その要旨と
するところは、 (1)冷却水通路を有し気体酸素を高速にて溶湯に吹き
込む上吹き用単孔または多孔酸素ランスにおいて、酸素
羽口の酸素孔出口周辺の溶湯金属に対向する受熱面が沈
み込む機構を有することを特徴とする火点圧力分布制御
特性に優れた上吹き酸素ランス。
【0008】(2)沈み込む受熱面の外縁の図心が酸素
孔中心に対して偏心していることを特徴とする(1)記
載の火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素ランスで
ある。
孔中心に対して偏心していることを特徴とする(1)記
載の火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素ランスで
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。まず、酸素孔出口周辺の受熱面1が沈み
込む機構を有する場合について図面を見ながら説明す
る。図1は、酸素羽口の酸素孔出口の後方に酸素孔より
径の大きい円筒面あるいは円錐面を持つ沈み込み受熱面
1を同心円状に設置した図である。高圧の酸素は、酸素
入口5を通ってランスに導かれる。つぎに、酸素通路2
のなかを通って、酸素はラバール形状をした酸素孔3を
通り、さらに、酸素羽口の酸素孔出口周辺の受熱面が沈
み込む機構を通って、その沈み込み線の長さを変数とし
て粘性の影響で弱められながら、超音速のジェットとな
って溶湯に吹き付けられる。
細に説明する。まず、酸素孔出口周辺の受熱面1が沈み
込む機構を有する場合について図面を見ながら説明す
る。図1は、酸素羽口の酸素孔出口の後方に酸素孔より
径の大きい円筒面あるいは円錐面を持つ沈み込み受熱面
1を同心円状に設置した図である。高圧の酸素は、酸素
入口5を通ってランスに導かれる。つぎに、酸素通路2
のなかを通って、酸素はラバール形状をした酸素孔3を
通り、さらに、酸素羽口の酸素孔出口周辺の受熱面が沈
み込む機構を通って、その沈み込み線の長さを変数とし
て粘性の影響で弱められながら、超音速のジェットとな
って溶湯に吹き付けられる。
【0010】ここで、沈み込み線の長さを変数とした粘
性によるジェットの減衰による溶湯のへこみ深さ影響
は、図2に示される。ここで、Bは沈み込み線の長さと
ラバール管スロート直径との比の値である。また、縦軸
の溶湯面へこみ深さ比Cは、沈み込み線の長さが0の場
合(B=0)のへこみ深さを1として、これを基準とし
て、これとの比で表示したものである。この図2におい
ては、例えば、B=0.06でC=0.6となり、この
時約3/5の溶湯面へこみ深さを示している。またB=
0.09で、C=0.95となることを示している。こ
の比の値Bを可変とすることで、粘性によるジェットの
減衰を設定でき、酸素孔3から噴射された酸素ジェット
が溶湯に衝突するときの圧力分布を制御でき、結果とし
て図2のように溶湯のへこみ深さを任意に制御できる。
性によるジェットの減衰による溶湯のへこみ深さ影響
は、図2に示される。ここで、Bは沈み込み線の長さと
ラバール管スロート直径との比の値である。また、縦軸
の溶湯面へこみ深さ比Cは、沈み込み線の長さが0の場
合(B=0)のへこみ深さを1として、これを基準とし
て、これとの比で表示したものである。この図2におい
ては、例えば、B=0.06でC=0.6となり、この
時約3/5の溶湯面へこみ深さを示している。またB=
0.09で、C=0.95となることを示している。こ
の比の値Bを可変とすることで、粘性によるジェットの
減衰を設定でき、酸素孔3から噴射された酸素ジェット
が溶湯に衝突するときの圧力分布を制御でき、結果とし
て図2のように溶湯のへこみ深さを任意に制御できる。
【0011】ここで、沈み込み受熱面1を上下方向に移
動させ、沈み込み線の長さを適切な値に設置するため支
持棒6を使用する。また、炉内の輻射熱により、ランス
は熱変形を起こし、図5(b)に示すように使用回数の
増加に伴い出湯歩留りが低下していたが、沈み込み線の
長さを調整することで、ランスに熱変形が発生しても流
れが維持され、本発明のランスを使用すると、図5
(a)に示すように歩留り低下が抑えられる。
動させ、沈み込み線の長さを適切な値に設置するため支
持棒6を使用する。また、炉内の輻射熱により、ランス
は熱変形を起こし、図5(b)に示すように使用回数の
増加に伴い出湯歩留りが低下していたが、沈み込み線の
長さを調整することで、ランスに熱変形が発生しても流
れが維持され、本発明のランスを使用すると、図5
(a)に示すように歩留り低下が抑えられる。
【0012】つぎに、酸素孔出口周辺の沈み込む受熱面
1の外縁の図心が酸素孔中心に対して偏心している場合
について図面を見ながら説明する。図3は、酸素羽口の
酸素孔出口周辺の沈み込む受熱面1の外縁の図心が酸素
孔中心に対して偏心した図である。高圧の酸素は、同様
に、酸素羽口の酸素孔出口周辺の沈み込む受熱面1の外
縁の図心が酸素孔中心に対して偏心した部分を通って、
沈み込み線の長さを変数として粘性の影響で弱められ、
超音速のジェットとなって溶湯に吹き付けられる。
1の外縁の図心が酸素孔中心に対して偏心している場合
について図面を見ながら説明する。図3は、酸素羽口の
酸素孔出口周辺の沈み込む受熱面1の外縁の図心が酸素
孔中心に対して偏心した図である。高圧の酸素は、同様
に、酸素羽口の酸素孔出口周辺の沈み込む受熱面1の外
縁の図心が酸素孔中心に対して偏心した部分を通って、
沈み込み線の長さを変数として粘性の影響で弱められ、
超音速のジェットとなって溶湯に吹き付けられる。
【0013】ここで、酸素孔の半径をR1、沈み込み受
熱面の外縁の半径をR2とした場合、酸素孔と沈み込み
受熱面の中心間距離R3が(1)式を満たす。 0<R3≦(R2−R1)×0.99 (1) 沈み込み線の長さを変数とした粘性によるジェットの減
衰による溶湯面へこみ深さ影響は図4に示され、同様に
溶湯面へこみ深さを任意に制御できる。図4において
は、前記図2と同様に、溶湯面へこみ深さ比Cは、例え
ばB=0.06の時、C=0.9であり、B=0.1で
はC=0.8が読みとれる。
熱面の外縁の半径をR2とした場合、酸素孔と沈み込み
受熱面の中心間距離R3が(1)式を満たす。 0<R3≦(R2−R1)×0.99 (1) 沈み込み線の長さを変数とした粘性によるジェットの減
衰による溶湯面へこみ深さ影響は図4に示され、同様に
溶湯面へこみ深さを任意に制御できる。図4において
は、前記図2と同様に、溶湯面へこみ深さ比Cは、例え
ばB=0.06の時、C=0.9であり、B=0.1で
はC=0.8が読みとれる。
【0014】酸素孔出口周辺の沈み込む受熱面の外縁の
図心が酸素孔中心に対して偏心している場合は、沈み込
み部での酸素流れの干渉がないため、沈み込み線の長さ
とラバール管スロート直径との比の値の増加に対して、
溶湯面へこみ深さは単調減少するので、制御が容易であ
る。すなわち、図1の同心円状に沈み込み受熱面を設置
した場合には、沈み込み受熱面外縁コーナー部近傍にお
ける流線が干渉し渦流を発生するのに対し、偏心して設
置すると前記濁流が発生せず流線がほゞ全体で並行流と
なると考えられる。
図心が酸素孔中心に対して偏心している場合は、沈み込
み部での酸素流れの干渉がないため、沈み込み線の長さ
とラバール管スロート直径との比の値の増加に対して、
溶湯面へこみ深さは単調減少するので、制御が容易であ
る。すなわち、図1の同心円状に沈み込み受熱面を設置
した場合には、沈み込み受熱面外縁コーナー部近傍にお
ける流線が干渉し渦流を発生するのに対し、偏心して設
置すると前記濁流が発生せず流線がほゞ全体で並行流と
なると考えられる。
【0015】ここで、同様に支持棒6を使用し、また同
様に可変長さを調整することでランスが熱変形が発生し
ても流れが維持され、歩留り低下が抑えられる。尚、本
発明における沈み込み長さの最適範囲は、実際の操業の
狙いとする吹錬条件によって異なる。しかし、出湯歩留
り低下は、前述のごとくランスの熱変形に応じて、溶湯
面へこみ深さ比Cが変動することが原因であり、Cの変
動を抑えるために、B(沈み込み線の長さ/スロート直
径)を制御することで十分に改善できる。
様に可変長さを調整することでランスが熱変形が発生し
ても流れが維持され、歩留り低下が抑えられる。尚、本
発明における沈み込み長さの最適範囲は、実際の操業の
狙いとする吹錬条件によって異なる。しかし、出湯歩留
り低下は、前述のごとくランスの熱変形に応じて、溶湯
面へこみ深さ比Cが変動することが原因であり、Cの変
動を抑えるために、B(沈み込み線の長さ/スロート直
径)を制御することで十分に改善できる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
について具体的に説明する。図1は、5トン転炉におけ
る多孔ランスに酸素孔出口周辺の受熱面が沈み込む機構
を有する様子を示す図である。送酸速度は、1300Nm
3 /hrで、ランスと溶湯の距離は600mmである。
について具体的に説明する。図1は、5トン転炉におけ
る多孔ランスに酸素孔出口周辺の受熱面が沈み込む機構
を有する様子を示す図である。送酸速度は、1300Nm
3 /hrで、ランスと溶湯の距離は600mmである。
【0017】沈み込み線の長さは、ランス内管を支持棒
6により上下に動かすことで可変とし、沈み込み線の長
さを調節した。沈み込み受熱面の直径は、酸素孔出口直
径より10mm大きくとった。これは冷却水路の冷却能
を低下させないで、かつ、粘性によるジェットの減衰を
可能とさせるためである。可変長さとラバール管スロー
ト直径との比Bを変化させて溶鋼のへこみ深さを計測す
ると図2のようになり、酸素ジェットの溶湯衝突圧力分
布を制御できた。
6により上下に動かすことで可変とし、沈み込み線の長
さを調節した。沈み込み受熱面の直径は、酸素孔出口直
径より10mm大きくとった。これは冷却水路の冷却能
を低下させないで、かつ、粘性によるジェットの減衰を
可能とさせるためである。可変長さとラバール管スロー
ト直径との比Bを変化させて溶鋼のへこみ深さを計測す
ると図2のようになり、酸素ジェットの溶湯衝突圧力分
布を制御できた。
【0018】ここで、沈み込み受熱面の設置法は、酸素
孔の半径R1を20mm、沈み込み受熱面の外縁の半径
R2を30mmとし、酸素孔と沈み込み受熱面の中心間
距離R3を0mmとした。これにより、図2に示すよう
に溶湯面へこみ深さが変化し、酸素ジェットの溶鋼衝突
圧力分布を制御できた。
孔の半径R1を20mm、沈み込み受熱面の外縁の半径
R2を30mmとし、酸素孔と沈み込み受熱面の中心間
距離R3を0mmとした。これにより、図2に示すよう
に溶湯面へこみ深さが変化し、酸素ジェットの溶鋼衝突
圧力分布を制御できた。
【0019】また、ランスの熱変形に対しては、沈み込
み線の長さとラバール管スロート直径との比Bを支持棒
で変化させることによって調整すると、図5のように、
使用回数増加に伴う出湯歩留(%)は、本発明のランス
(a)の場合には、従来のランス(b)に比較して著し
くその低下を抑制することが実現できた。図3は、5ト
ン転炉における多孔ランスに酸素孔出口の流れに沿った
後方に、酸素孔中心に対してその外縁の図心が偏心して
いる沈み込み受熱面を設置した様子を示す図である。
み線の長さとラバール管スロート直径との比Bを支持棒
で変化させることによって調整すると、図5のように、
使用回数増加に伴う出湯歩留(%)は、本発明のランス
(a)の場合には、従来のランス(b)に比較して著し
くその低下を抑制することが実現できた。図3は、5ト
ン転炉における多孔ランスに酸素孔出口の流れに沿った
後方に、酸素孔中心に対してその外縁の図心が偏心して
いる沈み込み受熱面を設置した様子を示す図である。
【0020】送酸速度は、ランスと溶湯の距離、沈み込
み受熱面の可動方法、内壁の直径、ランスの熱変形に対
しする調整は、上記実施例と同様である。すなわち、沈
み込み受熱面の設置法は、酸素孔の半径R1を20m
m、沈み込み受熱面の半径R2を30mmとし、酸素孔
と沈み込み受熱面の中心間距離R3を5mmとしてお
り、(1)式を満たすようにした。
み受熱面の可動方法、内壁の直径、ランスの熱変形に対
しする調整は、上記実施例と同様である。すなわち、沈
み込み受熱面の設置法は、酸素孔の半径R1を20m
m、沈み込み受熱面の半径R2を30mmとし、酸素孔
と沈み込み受熱面の中心間距離R3を5mmとしてお
り、(1)式を満たすようにした。
【0021】これにより、前述した、図2に示した酸素
孔と同心円状に沈み込み受熱面を設置したものによる溶
湯面へこみ深さの変化と比較すると、偏心させて沈み込
み受熱面を設置した場合は図4に示すように、なめらか
に酸素ジェットの溶湯衝突圧力分布を制御できた。
孔と同心円状に沈み込み受熱面を設置したものによる溶
湯面へこみ深さの変化と比較すると、偏心させて沈み込
み受熱面を設置した場合は図4に示すように、なめらか
に酸素ジェットの溶湯衝突圧力分布を制御できた。
【0022】
【発明の効果】本発明の、ランスから精錬用酸素を溶湯
に吹き込む上吹き用単孔または多孔酸素ランスにおいて
単孔酸素ランスの酸素流路構造は、酸素孔出口の流れに
沿って沈み込み受熱面を後方に配置し、あるいは酸素孔
と偏心させる位置関係に沈み込み受熱面を設置している
ので、精錬時に、溶湯の攪拌力を与える溶湯面でのジェ
ット衝突圧力分布を制御でき、また、構造が単純である
ため熱変形しにくい構造となっており、また熱変形が発
生しても、ジェット流れにおけるコア長さや溶湯面での
ジェット衝突圧力分布などの流れの特性値が変化せず、
使用回数の増加に伴う冶金特性の変化を抑制し、羽口の
交換周期を長くすることができる。
に吹き込む上吹き用単孔または多孔酸素ランスにおいて
単孔酸素ランスの酸素流路構造は、酸素孔出口の流れに
沿って沈み込み受熱面を後方に配置し、あるいは酸素孔
と偏心させる位置関係に沈み込み受熱面を設置している
ので、精錬時に、溶湯の攪拌力を与える溶湯面でのジェ
ット衝突圧力分布を制御でき、また、構造が単純である
ため熱変形しにくい構造となっており、また熱変形が発
生しても、ジェット流れにおけるコア長さや溶湯面での
ジェット衝突圧力分布などの流れの特性値が変化せず、
使用回数の増加に伴う冶金特性の変化を抑制し、羽口の
交換周期を長くすることができる。
【図1】本発明の酸素孔出口の流れに沿って後方に沈み
込み受熱面を設置した図である。
込み受熱面を設置した図である。
【図2】本発明の同心円状に設置したしずみ込み線の長
さと溶湯面へこみ深さの関係を示した図である。
さと溶湯面へこみ深さの関係を示した図である。
【図3】本発明の酸素孔出口の後方に沈み込み受熱面を
酸素孔と偏心する位置に設置した図である。
酸素孔と偏心する位置に設置した図である。
【図4】本発明の偏心させて設置したしずみ込み線の長
さと溶湯面へこみ深さの関係を示した図である。
さと溶湯面へこみ深さの関係を示した図である。
【図5】本発明ランスと従来技術を比較した図である。
1…受熱面 2…酸素通路 3…酸素孔 4…冷却水路 5…酸素入口 6…支持棒 7a…冷却水入口 7b…冷却水出口 8…沈み込み線
Claims (2)
- 【請求項1】 冷却水通路を有し気体酸素を高速にて溶
湯に吹き込む上吹き用単孔または多孔酸素ランスにおい
て、酸素羽口の酸素孔出口周辺の溶湯金属に対向する受
熱面が沈み込む機構を有することを特徴とする火点圧力
分布制御特性に優れた上吹き酸素ランス。 - 【請求項2】 沈み込む受熱面の外縁の図心が酸素孔中
心に対して偏心していることを特徴とする請求項1記載
の火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素ランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11482996A JPH09302407A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素ランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11482996A JPH09302407A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素ランス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09302407A true JPH09302407A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=14647741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11482996A Withdrawn JPH09302407A (ja) | 1996-05-09 | 1996-05-09 | 火点圧力分布制御特性に優れた上吹き酸素ランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09302407A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015221931A (ja) * | 2014-05-23 | 2015-12-10 | 新日鐵住金株式会社 | 上吹きランスを用いた転炉精錬方法 |
-
1996
- 1996-05-09 JP JP11482996A patent/JPH09302407A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015221931A (ja) * | 2014-05-23 | 2015-12-10 | 新日鐵住金株式会社 | 上吹きランスを用いた転炉精錬方法 |
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