JPH09302179A - 塩素含有樹脂組成物 - Google Patents

塩素含有樹脂組成物

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JPH09302179A
JPH09302179A JP14501196A JP14501196A JPH09302179A JP H09302179 A JPH09302179 A JP H09302179A JP 14501196 A JP14501196 A JP 14501196A JP 14501196 A JP14501196 A JP 14501196A JP H09302179 A JPH09302179 A JP H09302179A
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JP
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weight
chlorine
containing resin
resin composition
unsaturated dicarboxylic
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JP14501196A
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Koichi Matsui
耕一 松井
Koji Sawamura
孝司 沢村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塩素含有樹脂組成物の成型加工時に生じる金型
・押出機内への付着堆積物の低減を可能とし、長期間の
連続成型性を改良するとともに、さらに成型品の物性向
上、外観改良効果のいずれをも満足する塩素含有樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】塩素含有樹脂100重量部当たり、重量平
均分子量200〜5,000のα,β−不飽和ジカルボン
酸無水物重合体0.01〜10重量部を配合してなるこ
とを特徴とする塩素含有樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素含有樹脂組成
物に関する。さらに詳しくは、本発明は、成型加工性に
優れ、長期間の連続成型加工が可能であると同時に、成
型品の物性向上および外観改良効果に優れた塩素含有樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パイプ、雨樋、シートなどのポリ
塩化ビニル樹脂製品には、良好な熱安定性および加工性
を与え、同時に価格面においても非常に安価である鉛系
安定剤、例えば、三塩基性硫酸鉛、二塩基性ステアリン
酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛などの1種ま
たは2種以上の混合物が使用されてきた。しかし、鉛系
化合物は毒性が強く、取り扱う人の健康管理の面、ある
いは成型品からの鉛の溶出による環境汚染などの面よ
り、鉛系安定剤は使用しない方が好ましい。実際、水道
用パイプなどに使用されている鉛系安定剤による水道水
中への鉛の溶出が非常に大きな社会問題として取り上げ
られ、実質上この分野への鉛系安定剤の使用は規制され
ているのが現状である。こうした状勢のなか、最近の動
向としては無毒または低毒の安定剤として、カルシウム
石鹸、バリウム石鹸、マグネシウム石鹸、亜鉛石鹸など
の金属石鹸類や、アルキル錫メルカプタイド系、アルキ
ル錫カルボキシレート系、アルキル錫マレエート系など
の有機錫化合物を使用する方向へと移行してきている。
しかし、このような安定剤を配合したポリ塩化ビニル樹
脂組成物は、成型加工性に劣り、特に錫系安定剤使用時
は、有機錫化合物自体の滑性の乏しさのために、ポリ塩
化ビニルのゲル化を遅延させるような化合物、例えば、
カルシウムステアレート、マグネシウムステアレートな
どの脂肪酸のアルカリ土類金属塩、重量平均分子量1,
000〜10,000程度のエチレン/プロピレン二元
共重合体、重量平均分子量1,000〜10,000程度
のエチレン/プロピレン二元共重合体を酸化変性したい
わゆるポリエチレンワックス類や、特公昭55−170
54号公報に提案されているようなペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトールと高級脂肪酸とのエステル
化合物の添加、さらには前記エチレン/プロピレン二元
共重合体、酸化変性エチレン/プロピレン二元共重合体
から選ばれる1種または2種以上の混合物とエステル系
化合物、例えば、ステアリルステアレート、ベヘニルベ
ヘネート、グリセリンモノステアレート、グリセリント
リステアレートなどを併用することにより成型加工を行
っている。しかし、こうした化合物の組み合わせでは、
長期間の連続成型性、すなわち長期間の成型加工を行う
場合に経時的に生じる金型・押出機内への顔料、炭酸カ
ルシウム、酸化チタンなどの無機物の付着に伴う成型品
の外観不良、生産性の低下を改善することは困難であっ
た。こうした問題を解決するために、これまで無機物の
分散性を改良するような化合物、すなわち、高級脂肪
酸、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、特公昭55−124
69号公報に示されるようなイソブチレンと無水マレイ
ン酸との共重合体のアルカリ金属塩などによる改良が提
案されている。しかし、これら化合物のみの組み合わせ
では、長期間の連続成型性、物性の向上、成型品の外観
改良のすべてを十分満足するような組成物が見いだされ
ていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決するものであり、塩素含有樹脂組成物の成型加
工時に生じる金型・押出機内への付着堆積物の低減を可
能とし、長期間の連続成型性を改良するとともに、さら
に成型品の物性向上、外観改良効果のいずれをも満足す
る塩素含有樹脂組成物を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、塩素含有樹脂
に、重量平均分子量200〜5,000のα,β−不飽和
ジカルボン酸無水物重合体を配合することにより、長期
間の連続成型加工時に生じる、金型・押出機内への付着
堆積物を低減させ、さらに成型品の物性を向上し、成型
品の外観を改良することが可能となることを見いだし、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、塩素含有樹脂100重量部当たり、重量
平均分子量200〜5,000のα,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物重合体0.01〜10重量部を配合してなる
ことを特徴とする塩素含有樹脂組成物を提供するもので
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いる塩素含有樹脂には
特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ
塩化ビニル、塩化ビニルとオレフィンとの共重合体、塩
化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体、塩化ビニルと塩化
ビニリデンとの共重合体、塩化ビニルとアクリル酸エス
テルまたはメタクリル酸エステルとの共重合体などを挙
げることができる。本発明において、α,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、
無水シトラコン酸、無水ジメチルマレイン酸、無水エチ
ルマレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸など
を挙げることができる。これらの中で、無水マレイン酸
を特に好適に用いることができる。本発明に用いるα,
β−不飽和ジカルボン酸無水物重合体の重量平均分子量
は、200〜5,000である。α,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物重合体の重量平均分子量が200未満である
と、長期間の連続成型加工時、金型・押出機内への付着
物の低減効果が十分に発現しないおそれがあり、さらに
α,β−不飽和ジカルボン酸無水物重合体が昇華するな
どの悪影響が生じるおそれがある。また、α,β−不飽
和ジカルボン酸無水物重合体の重量平均分子量が5,0
00を超えると、塩素含有樹脂との相溶性が低下し、成
型品中において分散不良を伴いやすく、衝撃強度などの
物性が低下するおそれがある。α,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリ
スチレンについて作成した検量線を用いて求めることが
できる。
【0006】本発明において、α,β−不飽和ジカルボ
ン酸無水物重合体の配合量は、塩素含有樹脂100重量
部当たり0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1
〜5重量部である。α,β−不飽和ジカルボン酸無水物
重合体の配合量が、塩素含有樹脂100重量部当たり
0.01重量部未満であると、長期間の連続成型加工
時、金型・押出機内への付着物の低減効果が乏しく、ま
た塩素含有樹脂100重量部当たり10重量部を超える
と、配合量の増加に見合っては金型・押出機内への付着
物の低減効果は向上せず、かえって成型品の諸特性の低
下、例えば、成型品の衝撃強度の低下や外観不良などを
生じるおそれがある。本発明に用いるα,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物重合体の製造方法には特に制限はな
く、例えば、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物をベン
ゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒に溶解し、過酸化ベ
ンゾイルなどのラジカル重合開始剤を用いて、溶液重合
法により得ることができる。本発明においては、さらに
成型加工時に成型機に与える負荷などを低減させるため
に、他の滑剤を配合することができる。他の滑剤として
は、例えば、重量平均分子量1,000〜10,000程
度のエチレン/プロピレン二元共重合体、重量平均分子
量1,000〜10,000程度のエチレン/プロピレン
二元共重合体を酸化変性した化合物などのいわゆるポリ
エチレンワックス類、重量平均分子量1,000未満の
パラフィンワックス類、ステアリルアルコール、ベヘニ
ルアルコールなどの高級アルコール類、ステアリルステ
アレート、ベヘニルベヘネート、グリセリンモノステア
レート、グリセリントリステアレートなどのエステル系
化合物、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペ
ンタエリスリトールテトラベヘネート、ジペンタエリス
リトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサベヘネートなどのネオペンチルポリオールの高級
脂肪酸エステルなどのエステル系化合物、ラウリン酸、
ミリスチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、
ベヘニン酸などの高級カルボン酸類、エチレンビスステ
アロイルアミド、エチレンビスオレイルアミドなどのア
ミド類などを挙げることができる。
【0007】本発明の塩素含有樹脂組成物の調製は、塩
素含有樹脂にα,β−不飽和ジカルボン酸無水物重合体
およびその他の添加剤、例えば、安定剤、滑剤、顔料な
どを一括して配合する方法によることができ、あるい
は、先にα,β−不飽和ジカルボン酸無水物重合体およ
びその他の添加剤、例えば、安定剤、滑剤、顔料などと
混合していわゆるワンパック品を作り、次いでワンパッ
ク品を塩素含有樹脂に配合する方法によることができ
る。本発明の塩素含有樹脂組成物には、本発明の特徴を
損なわない範囲において各種の安定剤、例えば、カルシ
ウム石鹸、バリウム石鹸、マグネシウム石鹸、亜鉛石鹸
などの金属石鹸類、アルキル錫メルカプタイド、アルキ
ル錫カルボキシレート、アルキル錫マレエートなどの有
機錫化合物、有機リン化合物、エポキシ化合物、ポリオ
ール化合物、β−ジケトン化合物、含窒素化合物、含硫
黄化合物など、あるいは、水酸化カルシウム、炭酸カル
シウム、タルク、ハイドロタルサイトなどの充填剤、そ
の他に顔料、帯電防止剤、加工性向上剤、難燃剤、紫外
線防止剤などを配合することができる。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例および比較例にお
いて、樹脂組成物の評価は下記の方法に従って行った。 (1)ロングラン成型加工試験 調製したポリ塩化ビニル樹脂組成物について、(株)東洋
精機製作所製ラボプラストミル試験機30C150を用
い、パイプの押出成型テストを行った。試験は以下に示
す押出条件により実施し、押出トルク、押出圧力、樹脂
温度を測定し、成型試験終了後の金型・押出機内への無
機物などの付着状態を目視により評価した。さらに、成
型品の外観評価を行うとともに、成型品の落錘強度を測
定した。評価基準は以下に示すとおりである。 [押出試験条件] スクリュー:異方向二軸、パラレルタイプ、L/D=2
5 ダイ:VP−20、ストレートダイ 設定温度:C1;160℃、C2;170℃、C3;17
5℃、D;180℃ スクリュー回転数:30rpm 試験時間:6時間 (2)ロングラン成型性(金型・押出機への付着物) ○:金型・押出機内に付着物が存在しない。 △:金型・押出機内にわずかに付着物が存在する。 ×:金型・押出機内に多量に付着物が存在する。 (3)成型品外観 ◎:成型品表面に光沢がある。 ○:成型品表面に光沢は少ないが滑らかである。 △:成型品表面に光沢がなく波うちがある。 ×:成型品表面がささくれている。 (4)成型品の落錘強度 成型したパイプを氷水中で2時間冷却したのち、重さ
1.0kgの円柱状重錘により落錘強度試験を行った。評
価方法は、日本水道協会規定の試験法JWWAK−11
8に基づく方法により行い、テストピース25本が50
%破壊する高さにより評価した。なお、実施例および比
較例に用いたα,β−不飽和ジカルボン酸無水物および
その重合体を第1表に示す。重量平均分子量は、GPC
により標準ポリスチレンについて作成した検量線を用い
て求めた値である。
【0009】
【表1】
【0010】実施例1 ポリ塩化ビニル[日本塩ビ販売(株)、4000M]10
0重量部、ジブチル錫マレエートポリマー1.0重量
部、ステアリン酸カルシウム0.6重量部、顔料[大日
精化工業(株)、PMPグレー]0.3重量部、炭酸カル
シウム3.0重量部、ポリエチレンワックス[三洋化成
(株)、サンワックスE−250P]0.3重量部、重量
平均分子量1,000の無水マレイン酸重合体(化合物
A−2)0.1重量部を配合し、75Lヘンシェルミキ
サーにより混合し、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を調製し
た。このポリ塩化ビニル樹脂組成物について、ロングラ
ン成型試験を行ったところ、押出トルク3.3kg・m、押
出圧力97.4kg/cm2、樹脂温度180.2℃であっ
た。得られたパイプの表面には光沢があり、6時間の押
出成型後、金型・押出機内には付着物が存在しなかっ
た。また、得られたパイプについて落錐強度試験を行っ
たところ、落錘強度70cmであった。 実施例2〜6 実施例1と同様にして、第2表に示した組成の配合物
を、75Lヘンシェルミキサーにより混合し、ポリ塩化
ビニル樹脂組成物を調製した。これらの組成物につい
て、ロングラン成型試験を行い、押出特性を調べるとと
もに、得られたパイプについて成型品外観を観察し、さ
らに成型品の落錐強度を測定した。結果を第2表に示
す。 比較例1 無水マレイン酸重合体を配合しない以外は、実施例1と
同じ操作を繰り返した。押出トルク3.1kg・m、押出圧
力90.4kg/cm2、樹脂温度180.1℃であった。得
られたパイプの表面に光沢は少ないが滑らかであった
が、6時間の押出成型後、金型・押出機内には多量の付
着物が存在していた。また、得られたパイプの落錘強度
は、45cmであった。 比較例2 無水マレイン酸重合体として重量平均分子量6,500
の化合物A−6を配合した以外は、実施例1と同じ操作
を繰り返した。押出トルク4.9kg・m、押出圧力14
0.8kg/cm2、樹脂温度180.8℃であった。得られ
たパイプの表面に光沢がなく波うちがあり、6時間の押
出成型後、金型・押出機内には多量の付着物が存在して
いた。また、得られたパイプの落錘強度は、50cmであ
った。 比較例3 無水マレイン酸重合体の代わりに無水マレイン酸単量体
(化合物A−5)2.0重量部を配合した以外は、実施
例1と同じ操作を繰り返した。押出トルク3.3kg・m、
押出圧力100.8kg/cm2、樹脂温度180.3℃であ
った。得られたパイプの表面に光沢がなく波うちがあ
り、6時間の押出成型後、金型・押出機内には多量の付
着物が存在していた。また、得られたパイプの落錘強度
は、32cmであった。 比較例4 無水マレイン酸重合体の代わりに無水マレイン酸単量体
(化合物A−5)5.0重量部を配合した以外は、実施
例1と同じ操作を繰り返した。押出トルク4.1kg・m、
押出圧力131.7kg/cm2、樹脂温度180.5℃であ
った。得られたパイプの表面はささくれていて、6時間
の押出成型後、金型・押出機内には多量の付着物が存在
していた。また、得られたパイプの落錘強度は、29cm
であった。比較例1〜4の結果を第3表に示す。
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】[注] 1)日本塩ビ販売(株)、4000M 2)大日精化工業(株)、PMPグレー 3)三洋化成(株)、サンワックスE−250P 第2表および第3表の結果より、実施例1〜6の本発明
のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、ロングラン成型試験に
おいて、金型・押出機内に付着物が認められず、成型加
工性に優れるとともに、成型品の外観、落錐強度も良好
であることが分かる。これに対して、α,β−不飽和ジ
カルボン酸無水物重合体を配合しない比較例1、無水マ
レイン酸重合体の重量平均分子量が高すぎる比較例2、
無水マレイン酸単量体を配合した比較例3および比較例
4では、いずれもロングラン成型試験において、金型・
押出機内に多量の付着物が存在し、パイプの落錘強度も
弱い。また、比較例3、比較例4および比較例5の成型
品は外観も劣り、さらに、比較例2では押出トルクおよ
び押出圧力の値が大きい。これらの結果から、ポリ塩化
ビニル樹脂組成物に適切な分子量範囲にあるα,β−不
飽和ジカルボン酸無水物重合体を配合することにより、
ロングラン成型において金型・押出機への付着物がな
く、成型品の外観、強度ともに向上することが分かる。 実施例7 ポリ塩化ビニル[日本塩ビ販売(株)、4000M]10
0重量部、ジブチル錫マレエートポリマー1.0重量
部、ステアリン酸カルシウム0.6重量部、顔料[大日
精化工業(株)、PMPグレー]0.3重量部、炭酸カル
シウム3.0重量部、重量平均分子量400の無水マレ
イン酸重合体(化合物A−1)0.3重量部を配合し、
75Lヘンシェルミキサーにより混合し、ポリ塩化ビニ
ル樹脂組成物を調製した。このポリ塩化ビニル樹脂組成
物について、ロングラン成型試験を行ったところ、押出
トルク3.5kg・m、押出圧力109.3kg/cm2、樹脂温
度180.4℃であった。得られたパイプの表面に光沢
は少ないが滑らかであり、6時間の押出成型後、金型・
押出機内には付着物が存在しなかった。また、得られた
パイプについて落錐強度試験を行ったところ、落錘強度
72cmであった。 実施例8〜11 実施例7と同様にして、第4表に示した組成の配合物
を、75Lヘンシェルミキサーにより混合し、ポリ塩化
ビニル樹脂組成物を調製した。これらの組成物につい
て、ロングラン成型試験を行い、押出特性を調べるとと
もに、得られたパイプについて成型品外観を観察し、さ
らに成型品の落錐強度を測定した。結果を第4表に示
す。 比較例5 無水マレイン酸重合体の代わりにステアリルステアレー
トを配合した以外は、実施例7と同じ操作を繰り返し
た。押出トルク2.9kg・m、押出圧力90.3kg/cm2
樹脂温度180.1℃であった。得られたパイプの表面
に光沢は少ないが滑らかであったが、6時間の押出成型
後、金型・押出機内には多量の付着物が存在していた。
また、得られたパイプの落錘強度は、56cmであった。 比較例6〜9 無水マレイン酸重合体の代わりに、ジラウリルアジペー
ト、ステアリン酸ナトリウムまたはスチレン/ジイソブ
チレン/無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩を配合
した以外は実施例7と同様にして、第5表に示した組成
の配合物を、75Lヘンシェルミキサーにより混合し、
ポリ塩化ビニル樹脂組成物を調製した。これらの組成物
について、ロングラン成型試験を行い、押出特性を調べ
るとともに、得られたパイプについて成型品外観を観察
し、さらに成型品の落錐強度を測定した。結果を第5表
に示す。 比較例10 重量平均分子量400の無水マレイン酸重合体(化合物
A−1)0.3重量部の代わりに、重量平均分子量1,0
00の無水マレイン酸重合体(化合物A−2)0.00
5重量部およびステアリルステアレート0.3重量部を
配合した以外は、実施例7と同じ操作を繰り返した。押
出トルク2.8kg・m、押出圧力89.5kg/cm2、樹脂温
度180.2℃であった。得られたパイプの表面に光沢
は少ないが滑らかであったが、6時間の押出成型後、金
型・押出機内には多量の付着物が存在していた。また、
得られたパイプの落錘強度は、60cmであった。 比較例11〜12 第5表に示した組成の配合物を、75Lヘンシェルミキ
サーにより混合し、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を調製し
た。これらの組成物について、ロングラン成型試験を行
い、押出特性を調べるとともに、得られたパイプについ
て成型品外観を観察し、さらに成型品の落錐強度を測定
した。結果を第5表に示す。
【0014】
【表4】
【0015】
【表5】
【0016】[注] 1)日本塩ビ販売(株)、4000M 2)大日精化工業(株)、PMPグレー 4)スチレン/ジイソブチレン/無水マレイン酸共重合
体のナトリウム塩、重量平均分子量100,000 第4表および第5表の結果より、実施例7〜11の本発
明のポリ塩化ビニル樹脂組成物は、ロングラン成型試験
において、金型・押出機内に付着物が認められず、成型
加工性に優れるとともに、成型品の外観が良好であり、
落錐強度も良好であることが分かる。これに対して、α,
β−不飽和ジカルボン酸無水物重合体の代わりに、従来
より用いられているステアリルステアレートなどの滑剤
を配合した比較例5〜9では、いずれもロングラン成型
試験において、金型・押出機内に多量の付着物が存在
し、パイプの落錘強度も弱い。また、ジラウリルアジペ
ートを配合した比較例6、スチレン/ジイソブチレン/
無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩を配合した比較
例8および比較例9の成型品は外観も劣り、さらに、比
較例6および比較例9では押出トルクおよび押出圧力の
値が大きい。また、ステアリルステアレートなどの滑剤
に、少量の無水マレイン酸重合体を併用した比較例10
および比較例11においても、多量の無水マレイン酸重
合体を併用した比較例12においても、ロングラン成型
試験において、金型・押出機内に多量の付着物が存在
し、パイプの落錘強度も弱い。これらの結果から、ポリ
塩化ビニル樹脂組成物に適当量のα,β−不飽和ジカル
ボン酸無水物重合体を配合することにより、従来から用
いられている滑剤の配合に比べて、ロングラン成型にお
いて金型・押出機への付着物がなく、成型品の外観、強
度ともに向上することが分かる。
【0017】
【発明の効果】本発明の塩素含有樹脂組成物は、成型加
工性、特に長期間の連続成型加工性が良好であり、成型
品の外観に優れ、高い衝撃強度を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素含有樹脂100重量部当たり、重量平
    均分子量200〜5,000のα,β−不飽和ジカルボン
    酸無水物重合体0.01〜10重量部を配合してなるこ
    とを特徴とする塩素含有樹脂組成物。
JP14501196A 1996-05-15 1996-05-15 塩素含有樹脂組成物 Pending JPH09302179A (ja)

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