JPH09302142A - 熱可塑性重合体組成物 - Google Patents

熱可塑性重合体組成物

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JPH09302142A
JPH09302142A JP12468796A JP12468796A JPH09302142A JP H09302142 A JPH09302142 A JP H09302142A JP 12468796 A JP12468796 A JP 12468796A JP 12468796 A JP12468796 A JP 12468796A JP H09302142 A JPH09302142 A JP H09302142A
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JP
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inorganic filler
fatty acid
treated
weight
thermoplastic polymer
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JP12468796A
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Akemasa Masunaga
明正 増永
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂中に高濃度に充填した場合にも、均一な
分散が可能となるのみならず、成形体の諸物性、特に延
びや耐衝撃性が顕著に向上している無機充填剤配合熱可
塑性重合体組成物を提供するにある。 【解決手段】 無機微粒子の表面を脂肪酸或いは脂肪酸
塩で処理し、更に有機金属系化合物で処理した無機充填
剤を、熱可塑性重合体100重量部に対して50〜25
0重量部混入したことを特徴とする熱可塑性重合体組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機充填剤が高濃
度で充填されていながら、伸びや耐衝撃性等の物性が顕
著に改善されている熱可塑性重合体組成物に関する。よ
り詳細には、脂肪酸或いは脂肪酸塩と有機金属系表面処
理剤(チタネート系、ジルコニウム系、或いはアルミニ
ウム系のカップリング剤)とで複合表面処理された無機
充填剤を配合した熱可塑性重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に無機フィラーの表面処理剤には、
有機シラン化合物からなるシランカップリング剤の他、
チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリ
ング剤、或いはジルコニウム系カップリング剤等の有機
金属系表面処理剤や、脂肪酸、ワックス類などが広く使
用されている。
【0003】従来、これらの処理剤を単独で使用して、
無機フィラーに表面処理を行い、無機フィラー表面の濡
れ特性を変え、熱可塑性樹脂との親和性を増したり、分
散性を向上させて、耐衝撃強度の改良、表面光沢の向上
あるいは、流れ性の向上を狙ったものがほとんどであっ
た。
【0004】一般に、熱可塑性重合体に無機フィラーを
高充填する主たる目的は、重合体成形体のコスト低下に
ある。しかしながら、脂肪酸単独処理の充填剤を樹脂に
配合した場合、充填量の増加につれて成形体の硬さ(ヤ
ング率)や曲げ剛性は増し、伸びや衝撃強度は低下す
る。
【0005】また、無処理の無機フィラーに、シラン
系、チタネート系、アルミニウム系、或いはジルコニウ
ム系のカップリング剤、及び脂肪酸、ワックス類等の表
面処理剤にて単独で表面改質を行うと、無処理の無機フ
ィラーと比較して分散性は向上しているものの、高充填
した場合、樹脂中に均一分散しているとは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かように、従来の無機
充填剤の表面処理では、充填量の増大に伴って、成形体
の硬さ(ヤング率)や曲げ剛性は増大するものの、伸び
や衝撃強度は低下する傾向が大きく、また、樹脂中への
分散性も未だ均一とはいえないと言う問題があった。即
ち、従来の単独処理の無機フィラーでは、樹脂への高充
填化に限度が有り、高充填した場合には物性、特に伸
び、耐衝撃性が大きく低下し、無機充填剤配合の樹脂成
形体は要求された物性にはまだまだ到達していない。
【0007】従って、本発明の目的は、樹脂中に高濃度
に充填した場合にも、均一な分散が可能となるのみなら
ず、成形体の諸物性、特に延びや耐衝撃性が顕著に向上
している無機充填剤配合熱可塑性重合体組成物を提供す
るにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、無機微
粒子の表面を脂肪酸或いは脂肪酸塩で処理し、更に有機
金属系化合物で処理した無機充填剤を、熱可塑性重合体
100重量部に対して50〜250重量部混入したこと
を特徴とする熱可塑性重合体組成物が提供される。
【0009】上記有機金属系化合物としては、チタネー
ト系、ジルコニウム系、或いはアルミニウム系のカップ
リング剤を用いるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施形態】本発明の熱可塑性重合体組成物は、
熱可塑性重合体に表面処理された無機充填剤を配合して
成るが、無機充填剤を、脂肪酸或いは脂肪酸塩で第1の
処理を行い、次いで有機金属系化合物で第二の処理を行
っていることが顕著な特徴であり、これにより、熱可塑
性重合体組成物の諸物性、特に伸び及び耐衝撃性を顕著
に改善することができる。
【0011】後述する例を参照されたい。即ち、表1及
び2には、塩化ビニール樹脂(PVC)100重量部
に、未処理の炭酸カルシウム或いは各種の表面処理を行
った炭酸カルシウムを100重量部配合し、各種物性を
測定した結果が示されている。この結果によると、未処
理の炭酸カルシウムの場合、その引っ張り強さは、2
7.1N/mm2 のオーダーであり、引っ張り伸びは2
6.2%のオーダー及び低温(−23℃)でのシャルピ
ー衝撃値が3.2KJ/m2 であり(後述する比較例2
参照)、脂肪酸による表面処理を施した炭酸カルシウム
を用いた場合(比較例1)には、引っ張り強さは、上記
とほぼ同じオーダーであり、引っ張り伸びは56.5%
のオーダー及び衝撃値が4.3KJ/m2 のオーダーに
向上するものの、各種カップリング剤で表面処理を行っ
た炭酸カルシウムを用いた場合(比較例3乃至6)に
は、引っ張り伸びや低温(−23℃)でのシャルピー衝
撃値は、脂肪酸処理のものよりもむしろ劣った値となっ
ている。
【0012】これに対して、脂肪酸処理と有機金属化合
物による処理とをこの順序で行った炭酸カルシウムを用
いた場合(実施例1乃至5)には、引っ張り伸びは90
乃至100%のオーダーに向上すると共に、低温(−2
3℃)でのシャルピー衝撃値も4.8乃至6.5KJ/
2 のオーダーに向上するのである。更に、引っ張り強
さ、曲げ強さ及び曲げ弾性率の何れにおいても、上記比
較例の場合に比して、改善が見られる。これらの改善
は、脂肪酸単独処理を行った場合やカップリング剤で単
独処理を行った場合からは到底予測できない相乗的なも
のである。
【0013】本発明において、脂肪酸処理と有機金属化
合物処理との組み合わせによる物性の顕著な改善は、有
機金属化合物を単分子層が形成されるようなごく少量で
使用して達成されることが、原料コスト及び処理コスト
上の顕著な利点である。
【0014】更に、重合体中に無機充填剤を高濃度で配
合することが可能となるため、重合体成形品の硬度や寸
法安定性、更には耐熱性を高め、また難燃性を向上さ
せ、成形品のコストを低くすることが可能となる。
【0015】組み合わせ処理した無機充填剤を配合する
ことにより、熱可塑性重合体組成物の物性が顕著に改善
されることは、現象として見いだされたものであり、そ
の理由は未だ十分明らかではないが、本発明における組
み合わせ処理層は、無機充填剤粒子の重合体中への分散
を均一且つ微細一様なものとすると共に、無機充填剤粒
子と重合体との界面における密着性を向上させているも
のと認められる。
【0016】脂肪酸は、極性基(親水性基)であるカル
ボキシル基と、非極性基(親油性基)である長鎖アルキ
ル基とを有しており、無機充填剤粒子上の脂肪酸或いは
その塩の層は、カルボキシル基が無機充填剤粒子表面に
向き且つ長鎖アルキル基が外方に向いた一種のミセル型
配向をとるものと認められるが、後からの処理に用いる
有機金属化合物は、上記非極性基に対して極めて親和性
であり、しかも処理に際して、脂肪酸のカルボキシル基
と無機充填剤粒子表面との結合を強めるものと思われ
る。
【0017】有機金属化合物は、チタネート系、ジルコ
ニウム系、或いはアルミニウム系のカップリング剤であ
ることが好ましい。これらのカップリング剤は、金属原
子に結合した加水分解性基乃至極性基と、重合体マトリ
ックス乃至脂肪酸非極性基に物理的或いは化学的に結合
しうる基とを有しており、これにより、前述した作用が
強化されるものと思われる。即ち、加水分解性基乃至極
性基は、無機充填剤粒子表面や脂肪酸のカルボキシル基
と強固に結合するものであり、更に後者の基は、脂肪酸
層との親和性を高め、樹脂中への分散性を高めて、重合
体マトリックスへの結合を強固にするように作用する。
特に界面活性基含有カップリング剤では、金属原子を介
して無機充填剤に固定されているので、重合体からのブ
リード傾向が全くないという利点もある。
【0018】対象となる無機充填剤は、特に制限はなく
使用される。これらの無機フィラーとしては、例えば、
炭酸カルシウム、カオリン、クレー、マイカ、タルク、
ケイ酸カルシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、ア
ルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、ゼオ
ライト、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、グラファ
イト、アスベスト、グラスファイバー、チタン酸カリウ
ム、カーボンファイバー、二酸化チタン、カーボンブラ
ック、木粉、ガラス、セメントなどが挙げられる。これ
ら無機フィラーの種類として、ウイスカー状の形状を持
つものを使用しても良い。又、これらは単独もしくは二
種類以上を組合せて使用しても良い。
【0019】脂肪酸としては、炭素数10乃至22、特
に14乃至18の飽和乃至不飽和脂肪酸、例えばカプリ
ン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等
の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等
の不飽和脂肪酸等が使用される。ステアリン酸が好適な
ものである。脂肪酸は勿論牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、
パーム油脂肪酸等の混合脂肪酸であってもよい。
【0020】脂肪酸は、遊離の形で無機充填剤粒子の表
面に存在してもよく、また、塩の形で無機充填剤粒子の
表面に存在してもよい。無機充填剤が、周期律表第2族
金属化合物のように遊離脂肪酸に対して反応性を有する
場合には、表面の脂肪酸の少なくとも一部は、該金属の
塩の形で存在する。
【0021】脂肪酸の処理量は、特に制限を受けない
が、無機充填剤100重量部当たり0.3乃至15重量
部、特に1乃至3重量部の範囲にあるのがよい。脂肪酸
の処理量があまりににも少ないと、本発明による組み合
わせ効果が発現されず、一方あまりにも多いと、ブリー
ド等の不都合を生じやすい。
【0022】脂肪酸による処理は、乾式或いは湿式法で
行うことができる。乾式法の場合、無機充填剤及び脂肪
酸を、スーパーミキサー或いはヘンシェルミキサー等の
強剪断撹拌機に投入して、無機充填剤の粒子表面を脂肪
酸で処理する。この場合、脂肪酸の性状に応じて、或い
は発熱の程度に応じて、撹拌機を加熱したり或いは冷却
することができる。湿式法の場合、脂肪酸のアンモニウ
ム石鹸の乳化液と無機充填剤とを混合し、アンモニア及
び水分を揮散させることにより、脂肪酸を表面に形成さ
せることができる。また、脂肪酸による処理は、無機充
填剤の合成工程で形成させることもできる。例えば、無
機充填剤の合成用母液中に脂肪酸或いはその塩を共存さ
せることにより、脂肪酸で処理された無機充填剤が得ら
れる。
【0023】上記のように、合成工程で脂肪酸で処理さ
れた無機充填剤は、市販のものとして入手することもで
き、例えば脂肪酸処理炭酸カルシウムは、神島化学工業
株式会社から、カルシーズPの商品名で入手しうる。
【0024】本発明に用いる有機金属化合物は、一般に
チタネート系、ジルコニウム系、或いはアルミニウム系
のカップリング剤として知られており、これらの有機金
属化合物は、金属原子に結合した加水分解性基乃至非極
性基と、重合体マトリックスに物理的或いは化学的に結
合しうる基、最も好適には界面活性作用をも有する基と
を有している。好適な有機金属化合物は、下記式(1) (R1 )n−M−(R2 )m−n ‥(1) 式中、MはTi、Zr或いはAl原子であり、mは金属
Mの原子価であり、R1 は加水分解性基乃至極性基であ
り、R2 は重合体マトリックスに物理的或いは化学的に
結合しうる基であり、nはm−nが1以上であるという
条件下に1以上の数である、で表される化学構造を有す
る。
【0025】上記式(1)において、加水分解性基乃至
極性基R1 としては、アルコキシ基、例えばメトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭
素数4以下のアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、
例えばエトキシエトキシ基等が挙げられる。一方、基R
2 としては、重合体マトリックスに相溶性のある基や反
応性のある基が挙げられ、前者の例として、オクチルオ
キシ基やステアリルオキシ基等の炭素数8乃至22の長
鎖アルキル基;オクタノイル基、ステアロイル基等の長
鎖アシル基;ドデシルベンゼンスルホニル基等のアルキ
ルベンゼンスルホニル基;ジトリデシルホスフェートの
ような式 式中、R3 は長鎖アルキル基である、で表される基;ジ
オクチルパイロホスフェートのような式 で表される基;ジオクチルホスファイトのような式 −O−P−(O−R3 2 で表される基等が挙げられる。また、後者の例として
は、アクリロイル基、メタクリロイル基等のエチレン系
不飽和アシル基、グリシジル基、アミノアルキル基等が
挙げられる。
【0026】チタネート系カップリング剤の具体例とし
て、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イ
ソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネー
ト、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホ
スファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオ
キシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホス
ファイトチタネート、ビス(ジオクチルバイロホスフェ
ート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチル
バイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピ
ルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタク
リルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソス
テアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ
(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピル
トリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N
−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミル
フェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロ
イルエチレンチタネート、ポリジイソプロピルチタネー
ト、テトラノルマルブチルチタネート、ポリジノルマル
ブチルチタネート等が挙げられる。
【0027】また、ジルコニウム系カップリング剤とし
ては、イソプロピルトリイソステアロイルジルコネー
ト、イソプロピルトリオクタノイルジルコネート、イソ
プロピルジメタクリルイソステアロイルジルコネート、
イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルジルコネ
ート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルジルコ
ネート、イソプロピルトリクミルフェニルジルコネー
ト、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチ
ル)ジルコネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)オキシアセテートジルコネート、ビス(ジオクチル
パイロホスフェート)エチレンジルコネート、イソプロ
ピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)ジルコネ
ート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)ジルコネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメ
チル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)
ジルコネート、テトライソプロピルビス(ジトリデシル
ホスファイト)ジルコネート等が挙げられる。
【0028】更に、アルミニウム系カップリング剤とし
ては、ジイソプロポキシステアリルオキシアルミニウ
ム、ジイソプロピルイソステアロイルアルミネート、イ
ソプロピルジオクタノイルアルミネート、イソプロピル
メタクリルイソステアロイルアルミネート、イソプロピ
ルジドデシルベンゼンスルホニルアルミネート、イソプ
ロピルイソステアロイルアクリルアルミネート、イソプ
ロピルジクミルフェニルアルミネート、イソプロピルジ
(N−アミノエチル−アミノエチル)アルミネート等が
挙げられる。
【0029】上記の有機金属化合物の内でも、チタネー
ト系カップリング剤が、本発明の目的に特に好適なもの
である。
【0030】脂肪酸処理無機充填剤の処理に使用する有
機金属化合物の量は、単分子層を形成しうるような少量
であり、一般に無機充填剤100重量部当たり0.1乃
至5.0重量部、特に0.3乃至1.0重量部のような
量である。有機金属化合物の量が上記範囲よりも少ない
と、本発明による組み合わせ効果が十分に発現されな
く、一方上記量よりも多くても格別の利点はなく、経済
的には不利である。
【0031】脂肪酸処理無機充填剤を有機金属化合物で
表面処理する方法としては、乾式法及び湿式法があり、
脂肪酸処理について述べたような処理手段が採用され
る。湿式法の場合、有機金属化合物の分解を抑制するた
め、有機溶媒を用いるのがよい。
【0032】表面処理無機充填剤を配合する熱可塑性重
合体としては、全ての樹脂が対象になる。例えば、汎用
プラスチック、機能性プラスチック、ゴム及びエラスト
マー系、廃プラスチック等が挙げられる。
【0033】熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエ
チレン、ピロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロ
ック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エ
チレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合
物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレ
ン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共
重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポ
リアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリ
ビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン
6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリフエニレンオキサイド等あるいはそれらの混合
物のいずれかの樹脂でもよい。勿論、生分解性樹脂を用
いることにより、環境に優しい樹脂成形品を提供するこ
ともできる。
【0034】エラストマー重合体としては、例えばニト
リル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリブ
タジエン(BR)、ポリイソプレン(IIB)、ブチル
ゴム、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム(EP
R)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、軟質塩化ビ
ニル樹脂、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水
素化ブタジエン−イソプレンブロック共重合体等を挙げ
ることができる。
【0035】本発明では、複合表面処理無機充填剤を、
熱可塑性重合体100重量部に対して50〜250重量
部のような高充填量で配合できることが特徴である。上
記範囲よりも少ない場合には、重合体成形品の弾性率の
向上、硬度、寸法安定性、耐熱性、難燃性等の改善や、
成形品のコスト低減が望めなくなり、一方上記範囲より
も多いと、伸びの低下や耐衝撃性の悪化を来す傾向があ
る。
【0036】本発明の組成物には、それ自体公知の他の
配合剤、例えば、他の充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐
候安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、金属セッケンやワックス等の滑
剤、改質用樹脂乃至ゴム等の少なくとも1種を、それ自
体公知の処方に従って配合できる。
【0037】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例を表1に比較例を表2に示す。
【0038】実施例1 脂肪酸処理をした0.15μの炭酸カルシウムの上か
ら、更に有機金属系表面処理剤であるアルキルベンゼン
スルホン酸型チタネートカップリング剤:KR−9SA
(味の素(株)製)により0.5%の処理を行い無機充
填剤として塩化ビニール100重量部に対して100重
量部混入し押出にて成形体を得た。
【0039】実施例2 脂肪酸処理をした0.15μの炭酸カルシウムの上か
ら、更に有機金属系表面処理剤であるリン酸エステル型
チタネートカップリング剤:KR−138S(味の素
(株)製)により0.5%の処理を行い無機充填剤とし
て塩化ビニール100重量部に対して100重量部混入
し押出にて成形体を得た。
【0040】実施例3 脂肪酸処理をした0.15μの炭酸カルシウムの上か
ら、更に有機金属系表面処理剤であるアルコール型チタ
ネートカップリング剤:KR−55(味の素(株)製)
により0.5%の処理を行い無機充填剤として塩化ビニ
ール100重量部に対して100重量部混入し押出にて
成形体を得た。
【0041】実施例4 脂肪酸処理をした0.15μの炭酸カルシウムの上か
ら、更に有機金属系表面処理剤であるジルコニアカップ
リングにより0.5%の処理を行い無機充填剤として塩
化ビニール100重量部に対して100重量部混入し押
出にて成形体を得た。
【0042】実施例5 脂肪酸処理をした0.15μの炭酸カルシウムの上か
ら、更に有機金属系表面処理剤であるアルミニウム系カ
ップリング剤:AL−M(味の素(株)製)により0.
5%の処理を行い無機充填剤として塩化ビニール100
重量部に対して100重量部混入し押出にて成形体を得
た。
【0043】実施例6 脂肪酸処理をした0.15μの炭酸カルシウムの上か
ら、更に有機金属系表面処理剤であるアルキルベンゼン
スルホン酸型チタネートカップリング剤:KR−9SA
(味の素(株)製)により0.2%の処理を行い無機充
填剤として塩化ビニール100重量部に対して50重量
部混入し押出にて成形体を得た。
【0044】実施例7 脂肪酸処理をした0.15μの炭酸カルシウムの上か
ら、更に有機金属系表面処理剤であるアルキルベンゼン
スルホン酸型チタネートカップリング剤:KR−9SA
(味の素(株)製)により2.0%の処理を行い無機充
填剤として塩化ビニール100重量部に対して250重
量部混入し押出にて成形体を得た。
【0045】比較例1 0.15μの無処理の炭酸カルシウムに脂肪酸(ステア
リン酸)を表面コーティングした無機充填剤を塩化ビニ
ール樹脂100重量部に対して100重量部混入し成形
体を得た。
【0046】比較例2 0.15μの無処理の炭酸カルシウムを無機充填剤とし
て塩化ビニール樹脂100重量部に対して100重量部
混入し成形体を得た。
【0047】比較例3 0.15μの無処理の炭酸カルシウムに有機金属系表面
処理剤であるアルキルベンゼンスルホン酸型チタネート
カップリング剤:KR−9SA(味の素(株)製)によ
り0.5%の処理を行い無機充填剤として塩化ビニール
100重量部に対して100重量部混入し押出にて成形
体を得た。
【0048】比較例4 0.15μの無処理の炭酸カルシウムに有機金属系表面
処理剤であるリン酸エステル型チタネートカップリング
剤:KR−138S(味の素(株)製)により0.5%
の処理を行い無機充填剤として塩化ビニール100重量
部に対して100重量部混入し押出にて成形体を得た。
【0049】比較例5 0.15μの無処理の炭酸カルシウムに有機金属系表面
処理剤であるアルキルベンゼンスルホン酸型チタネート
カップリング剤:KR−9SA(味の素(株)製)によ
り3.0%の処理を行い無機充填剤として塩化ビニール
100重量部に対して100重量部混入し押出にて成形
体を得た。
【0050】比較例6 0.15μの無処理の炭酸カルシウムに有機シラン化合
物であるシランカップリング剤:アミノプロピルトリエ
トキシシラン(信越化学(株)製)により1.0%の処
理を行い無機充填剤として塩化ビニール100重量部に
対して100重量部混入し押出にて成形体を得た。
【0051】比較例7 0.15μの無処理の炭酸カルシウムに有機金属系表面
処理剤であるアルミニウムカップリング剤:AL−M
(味の素(株)製)により0.5%の処理を行い無機充
填剤として塩化ビニール100重量部に対して100重
量部混入し押出にて成形体を得た。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】 なお、表1〜2に於ける(注)は以下である。 (注1):白石工業社製 無処理炭酸カルシウム 平均
粒形0.15μ (注2):三井東圧化学社製 グラフトHR (注3):味の素社製 有機金属系表面処理剤 アルキルベンゼンスルホン酸型チタネート系カップリン
グ剤 KR−9SA (注4):味の素社製 有機金属系表面処理剤 リン酸エステル型チタネート系カップリング剤 KR−138S (注5):味の素社製 有機金属系表面処理剤 アルコール型チタネート系カップリング剤 KR−55 (注6):信越化学社製 有機シラン表面処理剤 アミノシラン系カップリング剤 KBE−903(アミノプロピルトリエトキシシラン) (注7):味の素社製 有機金属系表面処理剤 アルミニウム系カップリング剤 AL−M (注)比較例7の物性の不能は成形体が得られなかっ
た。
【0054】
【発明の効果】本発明により得られた無機フィラー高充
填の熱可塑性成形体は、無機フィラーの分散が良くなる
ことにより更なる高充填化を可能にし、且つ優れた物性
を発揮する。又、無機フィラーを高充填化することによ
り難燃性、寸法安定性にも優れた効果を発揮する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機微粒子の表面を脂肪酸或いは脂肪酸
    塩で処理し、更に有機金属系化合物で処理した無機充填
    剤を、熱可塑性重合体100重量部に対して50〜25
    0重量部混入したことを特徴とする熱可塑性重合体組成
    物。
  2. 【請求項2】 有機金属系化合物がチタネート系、ジル
    コニウム系、或いはアルミニウム系のカップリング剤で
    ある請求項1記載の熱可塑性重合体組成物。
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