JPH09301954A - N−(縮合ヘテロアリールアルキル)アルカン酸アミド誘導体及び農園芸用殺菌剤 - Google Patents

N−(縮合ヘテロアリールアルキル)アルカン酸アミド誘導体及び農園芸用殺菌剤

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JPH09301954A
JPH09301954A JP14373996A JP14373996A JPH09301954A JP H09301954 A JPH09301954 A JP H09301954A JP 14373996 A JP14373996 A JP 14373996A JP 14373996 A JP14373996 A JP 14373996A JP H09301954 A JPH09301954 A JP H09301954A
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lower alkyl
alkanoic acid
acid amide
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JP14373996A
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Katsumi Masuda
勝美 増田
Masami Ozaki
正美 尾崎
Norihisa Yonekura
範久 米倉
Katsumi Furuse
勝美 古瀬
Yoshiyuki Kojima
芳幸 小嶋
Norimichi Muramatsu
憲通 村松
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Ihara Chemical Industry Co Ltd
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Ihara Chemical Industry Co Ltd
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規かつ優れた殺菌活性を有するN−(縮合ヘ
テロアリールアルキル)アルカン酸アミド誘導体を提供
する。 【解決手段】一般式[I] (式中、Rは低級アルキル基等を表し、Rはシアノ
基等を表し、R及びRはそれぞれ水素原子又は低級
アルキル基を表し、mは1又は2を表し、Hetは置換
されていてもよいベンゾチアゾ−ル基又は置換されてい
てもよいベンゾオキサゾ−ル基等を表す。)で示される
N−(縮合ヘテロアリールアルキル)アルカン酸アミド
誘導体、及びこれを有効成分として含有する農園芸用殺
菌剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−(縮合ヘテロ
アリールアルキル)アルカン酸アミド誘導体及びこれを
有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】既に、N−アラルキルアルカン酸アミド
誘導体及びN−(ヘテロアリールアルキル)アルカン酸
アミド誘導体が殺菌活性を有することが知られている
(特開平1−156951号公報明細書、特開平1−2
61357号公報明細書、特開平2−45457号公報
明細書、特開平2−76845号公報明細書、特開平2
−76846号公報明細書、特開平2−138241号
公報明細書、特開平2−233654号公報明細書)。
しかし、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール又はベ
ンゾイミダゾールなどの縮合複素環をアミン部に有する
アルカン酸アミド誘導体については記載されておらず、
またその有用性についても知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規かつ優
れた殺菌活性を有するN−(縮合ヘテロアリールアルキ
ル)アルカン酸アミド誘導体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、N−(縮
合ヘテロアリールアルキル)アルカン酸アミド誘導体を
種々合成し、その生理活性について検討したところ、本
発明化合物が幅広い殺菌スペクトラムを有し、特に稲い
もち病に対し極めて優れた殺菌活性を有するとともに、
有用作物に対して安全性が高いことを見いだし、本発明
を完成した。即ち、本発明は、(1)一般式[I]
【0005】
【化13】 [式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基又は
シクロアルキル基を表し、Rは水素原子、低級アルキ
ル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、R及びR
はそれぞれ水素原子又は低級アルキル基を表し、mは1
又は2を表し、Hetは式
【0006】
【化14】 (式中、Xは同一又は相異なる低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、シ
アノ基もしくはニトロ基を表し、nは0〜2の整数を表
し、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
アルキル基又はアシル基を表す。)を表す。]で示され
るN−(縮合ヘテロアリールアルキル)アルカン酸アミ
ド誘導体、(2)これらのN−(縮合ヘテロアリールア
ルキル)アルカン酸アミド誘導体を有効成分として含有
する農園芸用殺菌剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、一般式[I]で示される本
発明化合物の具体例を表1〜表7に記載する。しかしな
がら、本発明化合物はこれらの化合物に限定されるもの
ではない。なお、化合物番号は以後の記載において参照
される。
【0008】本明細書において用いられる用語の定義を
以下に示す。
【0009】低級アルキル基とは、炭素数が1〜6の直
鎖又は分岐鎖を有するアルキル基を示し、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブ
チル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピ
ル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピ
ル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等をあげることがで
きる。
【0010】低級アルケニル基とは、炭素数が2〜6の
直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を示し、例えば、ビニル
基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペ
ニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニ
ル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1
−プロペニル基、1−エチルビニル基等をあげることが
できる。
【0011】シクロアルキル基とは、炭素数が3〜8の
シクロアルキル基を示し、例えば、シクロプロピル基、
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基等をあげることができる。
【0012】低級アルコキシ基とは、炭素数が1〜6の
直鎖又は分岐鎖を有するアルコキシ基を示し、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ
基等をあげることができる。
【0013】ハロゲン原子とは、例えば、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子等をあげることができる。
【0014】ハロゲン化アルキル基とは、ハロゲン原子
で置換された炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖を有する
アルキル基を示し、例えば、クロロメチル基、トリフル
オロメチル基、ペンタフルオロエチル基等をあげること
ができる。
【0015】低級アルコキシアルキル基とは、炭素数が
1〜6の直鎖又は分岐鎖を有するアルコキシ基で置換さ
れた炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル
基を示し、例えば、メトキシメチル基、エトキシエチル
基、イソプロポキシメチル基等をあげることができる。
【0016】アシル基とは、例えば、アセチル基、ベン
ゾイル基等をあげることができる。
【0017】一般式[I]において、好ましい化合物と
しては、Rがtert−ブチル基又は1,1−ジメチ
ル−2−プロペニル基を示し、Rがメチル基、臭素原
子又はシアノ基を示し、Rが水素原子を示し、R
メチル基を示し、mが1を示し、Hetがベンゾチアゾ
ール−2−イル基又はベンゾオキサゾール−2−イル基
を示し、Xがフッ素原子、塩素原子又はメチル基を示
し、nが1を示す化合物があげることができる。
【0018】一般式[I]で表される本発明化合物は、
分子内に二つ以上の不斉炭素を有するものもあり、これ
らの化合物には種々のジアステレオマー及びエナンチオ
マーが存在する。これらは適切な方法で分離、分割する
ことができる。本発明はこれら個々のエナンチオマー、
ジアステレオマー及びそれらの混合物を包含する。
【0019】表1〜表7において、化合物2と化合物6
0、化合物5と化合物61、化合物8と化合物68、化
合物13と化合物69、化合物18と化合物63、化合
物19と化合物62、化合物21と化合物76、化合物
39と化合物92、化合物66と化合物67、化合物7
0と化合物71、化合物72と化合物73、化合物74
と化合物75ならびに化合物77と化合物78はそれぞ
れ対応するジアステレオマーである。また、化合物65
は対応するジアステレオマー混合物である化合物16よ
り分離したジアステレオマー単体である。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】一般式[I]で示される本発明化合物は、
例えば次に示す製造法に従って製造することができる。 一般式[II]
【0028】
【化15】 (式中、R、R及びRは前記と同じ意味を表
す。)で示されるアルカン酸か、あるいはその反応性誘
導体と、一般式[III]
【0029】
【化16】 (式中、R、m及びHetは前記と同じ意味を示
す。)で示される縮合ヘテロアリールアルキルアミン誘
導体とを、必要に応じ塩基及び/又は縮合剤の存在下に
反応させることにより製造することができる。
【0030】本反応は通常、溶媒中で行われるが使用で
きる溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であればよ
く、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル
類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ル等のニトリル類又はジメチルスルホキシド、N,N−
ジメチルホルムアミド、スルホラン等の非プロトン性極
性溶媒あるいは、これらから選択される溶媒を組み合わ
せた混合溶媒を用いることができる。
【0031】反応温度は−20℃〜80℃の範囲、好ま
しくは0℃〜50℃の範囲において行われる。
【0032】上記反応において用いられるアルカン酸の
反応性誘導体としては、例えば酸塩化物等の酸ハロゲン
化物、一般式[II]で表されるアルカン酸2分子が脱
水縮合した酸無水物、一般式[II]で表されるアルカ
ン酸のメチルエステルのようなカルボン酸エステル類又
は一般式[II]で表されるアルカン酸と他の酸やO−
アルキル炭酸等とで構成される混合酸無水物等があげら
れる。
【0033】塩基としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、水酸
化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物類、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、ナ
トリウムターシャリブトキシド、カリウムターシャリブ
トキシド等のアルカリ金属アルコキシド類、更にはトリ
エチルアミン、トリメチルアミン、N,N−ジメチルア
ニリン、ピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]ノン−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)等のア
ミン類等があげられる。縮合剤としては、N,N’−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド、1,1−カルボニルビ
ス−1H−イミダゾール、塩酸1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、2−クロロ
−1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド等があげら
れる。
【0034】なお、原料となる一般式[II]で表され
る化合物及び一般式[III]で表される化合物を製造
するには様々な方法が考えられるが、一般式[II]で
表される化合物は例えば、ジャーナル・オブ・ジ・アメ
リカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Che
m.Soc.)第72巻、第4791頁(1950年)
記載の方法に準じ、アルケン酸エステル誘導体とグリニ
ャール試薬より対応するアルカン酸エステルとし、つい
で常法に従いアルカリ加水分解する方法により得られ
る。また、例えばテトラヘドロン(Tetrahedr
on)第36巻、第775頁(1980年)記載の方法
に準じ、アルカン酸とハロゲン化アルキルより得られ
る。一般式[III]で表される化合物は例えば、ジャ
ーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ
ー(J.Am.Chem.Soc.)第93巻、第28
97頁(1971年)記載の方法に準じ、アシル基を1
−アミノアルキル基に変換し、製造することができる。
また、例えばモ−ナトシェフテ・フュア・ヘミー(Mo
natsh.Chem.)第94巻、第677頁(19
63年)記載の方法に準じ、ケトンオキシム基を1−ア
ミノアルキル基に変換し、製造することができる。ま
た、例えば特願平7−97990号公報明細書記載の方
法に準じ、2ーアミノ(チオ)フェノール類とアミノ酸
誘導体より製造することができる。
【0035】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明化合物の製造
法、製剤法並びに用途を具体的に説明する。
【0036】製造例1 2−シアノ−3,3−ジメチ
ル−N−[(RS)−1−(6−メチル−2−ベンゾオ
キサゾリル)エチル]ブタン酸アミド(化合物番号5及
び化合物番号61)の製造法 2−シアノ−3,3−ジメチルブタン酸0.42gをテ
トラヒドロフラン30mlに溶解し、10℃にて1,1
−カルボニルビス−1H−イミダゾール0.50gを少
しづつ加え、室温下30分間撹拌した。この反応液に
(RS)−1−(6−メチル−2−ベンゾオキサゾリ
ル)エチルアミン0.53gを加え、室温下2時間撹拌
した。反応終了後、反応混合物を水100mlに注ぎ、
酢酸エチルで抽出した。有機層を10%塩酸、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、水の順に洗い、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下に濃縮し、得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキ
サン/酢酸エチル=20/1)で精製し、2つの分画に
分離した。先に溶出してきた方から融点150〜152
℃を示す淡黄色粒状結晶の目的物0.16g(収率18
%)、他方から融点132〜135℃を示す淡黄色粒状
結晶の目的物0.18g(収率20%)をそれぞれ得
た。
【0037】製造例2 2−シアノ−N−[(RS)
−1−(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)エチ
ル]−3,3−ジメチルブタン酸アミド(化合物番号1
7)の製造法 2−シアノ−3,3−ジメチルブタン酸0.65gをテ
トラヒドロフラン30mlに溶解し、10℃にて1,1
−カルボニルジイミダゾール0.8gを少しづつ加え、
室温下30分間撹拌した。この反応液に(RS)−1−
(6−フルオロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン
0.9gを加え、室温下2時間撹拌した。反応終了後、
反応混合物を水100mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、水の順に洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒
を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=
4/1)で精製し、融点168〜172℃を示す淡褐色
粉末の目的物1.1g(収率73%)を得た。
【0038】製造例3 N−[(R)−1−(6−ク
ロロ−2−ベンゾチアゾリル)エチル]−2−シアノ−
3,3−ジメチルブタン酸アミド(化合物番号18及び
化合物番号63)の製造法 2−シアノ−3,3−ジメチルブタン酸0.42gをテ
トラヒドロフラン30mlに溶解し、10℃にて1,1
−カルボニルジイミダゾール0.50gを少しづつ加
え、室温下30分間撹拌した。この反応液に(R)−1
−(6−クロロ−2−ベンゾチアゾリル)エチルアミン
0.64gを加え、室温下2時間撹拌した。反応終了
後、反応混合物を水100mlに注ぎ、酢酸エチルで抽
出した。有機層を10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、水の順に洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸エチ
ル=20/1)で精製し、2つの分画に分離した。先に
溶出してきた方から融点93〜95℃を示す無色粒状結
晶の目的物0.28g(収率28%)、他方から融点1
30〜133℃を示す無色粒状結晶の目的物0.30g
(収率30%)をそれぞれ得た。
【0039】製造例4 N−[(RS)−1−(2−
ベンゾチアゾリル)エチル]−2−エチル−3,3−ジ
メチルブタン酸アミド(化合物番号79)の製造法 テトラヒドロフラン30mlに2−エチル−3,3−ジ
メチルブタン酸クロリド0.33g及びトリエチルアミ
ン0.22gを溶解し、氷冷下に(RS)−1−(2−
ベンゾチアゾリル)エチルアミン0.36gを滴下し
た。室温下2時間撹拌した後、反応混合物を水100m
lに注ぎ、有機層を10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、水の順に洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン/酢酸
エチル=4/1)で精製し、融点131〜132℃を示
す無色粒状結晶の目的物0.47g(収率77%)を得
た。
【0040】製造例1〜製造例4を含めて、製造を実施
した化合物の物性値を次の表8〜表9に示す。
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】本発明の農園芸用殺菌剤は一般式[I]で
示されるN−(縮合ヘテロアリールアルキル)アルカン
酸アミド誘導体を有効成分として含有してなる。本発明
化合物を農園芸用殺菌剤として使用する場合には、その
目的に応じて有効成分を適当な剤型で用いることができ
る。通常は有効成分を不活性な液体または固体の担体で
希釈し、必要に応じて界面活性剤、その他をこれに加
え、粉剤、水和剤、乳剤、粒剤等の製剤形態で使用でき
る。
【0044】好適な担体としては、例えばタルク、ベン
トナイト、クレー、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボ
ン、バーミキュライト、消石灰、珪砂、硫安、尿素等の
固体担体、イソプロピルアルコール、キシレン、シクロ
ヘキサノン、メチルナフタレン等の液体担体等があげら
れる。界面活性剤及び分散剤としては、例えばジナフチ
ルメタンスルホン酸塩、アルコール硫酸エステル塩、ア
ルキルアリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、
ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノアルキレート等があげられる。補助剤と
してはカルボキシメチルセルロース等があげられる。こ
れらの製剤を適宜な濃度に希釈して散布するか、または
直接施用する。
【0045】本発明の農園芸用殺菌剤は茎葉散布、土壌
施用または水面施用等により使用することができる。有
効成分の配合割合は必要に応じ適宜選ばれるが、粉剤及
び粒剤とする場合は0.1〜20%(重量)、また乳剤
及び水和剤とする場合は5〜80%(重量)が適当であ
る。
【0046】本発明の農園芸用殺菌剤の施用量は、使用
される化合物の種類、対象病害、発生傾向、被害の程
度、環境条件、使用する剤型などによって変動する。例
えば粉剤及び粒剤のようにそのまま使用する場合には、
有効成分で10アール当り0.1g〜5kg、好ましく
は1g〜1kgの範囲から適宜選ぶのがよい。また、乳
剤及び水和剤のように液状で使用する場合には、0.1
ppm〜10,000ppm、好ましくは10〜3,0
00ppmの範囲から適宜選ぶのがよい。
【0047】本発明による化合物は上記の施用形態によ
り、藻菌類(Oomycetes)、子嚢菌類(Asc
omycetes)、不完全菌類(Deuteromy
cetes)、及び担子菌類(Basidiomyce
tes)に属する菌に起因する植物病を防除できる。次
に具体的な菌名を非限定例としてあげる。シュウドペロ
ノスポラ(Pseudoperonospora)属、
例えばべと病菌(Pseudoperonospora
cubensis)、スフェロテカ(Sphaero
theca)属、例えばうどんこ病菌(Sphaero
theca fuliginea)、ベンチュリア(V
enturia)属、例えば黒星病菌(Venturi
a inaequalis)、ピリキュラリア(Pyr
icularia)属、例えばいもち病菌(Pyric
ularia oryzae)、ジベレラ(Gibbe
rella)属、例えばばか苗病菌(Gibberel
la fujikuroi)、ボトリチス(Botry
tis)属、例えば灰色かび病菌(Botrytis
cinerea)、アルタナリア(Alternari
a)属、例えばコマツナ黒すす病菌(Alternar
ia brassicicola)、リゾクトニア(R
hizoctonia)属、例えば紋枯病菌(Rhiz
octonia solani)、パクシニア(Puc
cinia)属、例えばさび病菌(Puccinia
recondita)。
【0048】さらに、本発明の化合物は必要に応じて殺
虫剤、他の殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料等と
混用してもよい。次に本発明の農園芸用殺菌剤の代表的
な製剤例あげて製剤方法を具体的に説明する。以下の説
明において「%」は重量百分率を示す。
【0049】製剤例1 粉剤 化合物(2)2%、珪藻土5%及びクレ−93%を均一
に混合粉砕して粉剤とした。
【0050】製剤例2 水和剤 化合物(2)50%、珪藻土45%、ジナフチルメタン
ジスルホン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナ
トリウム3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0051】製剤例3 乳剤 化合物(5)30%、シクロヘキサノン20%、ポリオ
キシエチレンアルキルアリールエーテル11%、アルキ
ルベンゼンスルホン酸カルシウム4%及びメチルナフタ
リン35%を均一に溶解して乳剤とした。
【0052】製剤例4 粒剤 化合物(6)5%、ラウリルアルコール硫酸エステルの
ナトリウム塩2%、リグニンスルホン酸ナトリウム5
%、カルボキシメチルセルロース2%及びクレー86%
を均一に混合粉砕する。この混合物100重量部に水2
0重量部を加えて練合し、押出式造粒機を用いて14〜
32メッシュの粒状に加工したのち、乾燥して粒剤とし
た。
【0053】次に本発明の農園芸用殺菌剤の奏する効果
を試験例をあげて具体的に説明する。
【0054】試験例1 イネいもち病予防効果試験 直径7cmの素焼鉢に水稲種子(品種:愛知旭)約15
粒ずつ播種し、温室内で2〜3週間育成した。第4葉が
完全に展開したイネ苗に製剤例2に準じて調製した水和
剤を有効成分濃度が500ppmになるように水で希釈
し、1鉢当り10ml散布した。風乾後、イネいもち病
菌(Pyricularia oryzae)の分生胞
子懸濁液を噴霧接種し、直ちに25℃の湿室内に24時
間入れた。その後温室内に移し、接種5日後に第4葉の
病斑数を調査した。数1により防除価を求め、表10の
基準により評価した結果を表11に示した。
【0055】
【数1】
【0056】
【表10】
【0057】
【表11】
【0058】試験例2 イネいもち病水面施用試験 直径9cmの白磁鉢に1.5葉期の水稲(品種:愛知
旭)稚苗を3茎ずつ4カ所に移植し、温室内で育成し
た。2.5葉期に製剤例2に準じて調製した水和剤を有
効成分濃度が10アールあたり100gになるように鉢
に水面施用処理をした。処理10日後に、イネいもち病
菌(Pyricularia oryzae)の分生胞
子懸濁液を噴霧接種し、直ちに25℃の湿室内に24時
間入れた。その後温室内に移し、接種5日後に接種時の
最高位葉の病斑数を調査した。数1により防除価を求
め、表10の基準により評価した結果を表12に示し
た。尚、比較薬剤として特開平2−138241号公報
明細書に記載された化16に示す化合物を同様に製剤し
て供試した。
【0059】
【化16】
【0060】
【表12】
【0061】試験例3 リンゴ黒星病予防効果試験 9cm×9cmの塩ビ製鉢にリンゴ種子(品種:紅玉)
を5粒づつ播種し、温室内で20日間育成させた。本葉
が4枚展開した実生苗に、製剤例2に準じて調整した水
和剤を有効成分濃度が500ppmになるように水で希
釈し、1鉢当たり20ml散布した。風乾後、リンゴ黒
星病菌(Venturia inaequalis)の
胞子懸濁液を噴霧接種し、直ちに22℃の湿室内に48
時間入れた。その後、リンゴ苗を温室内に移し発病さ
せ、接種14日後に各本葉の発病面積を調査した。表1
3の基準により発病度を評価し、この発病度とその該当
する葉数から数2により被害度を求め、さらに数3によ
り防除価を求めた。得られた防除価を表14の基準によ
り評価し、結果を表15に示した。
【0062】
【表13】
【0063】
【数2】
【0064】
【数3】
【0065】
【表14】
【0066】
【表15】
【0067】
【発明の効果】本発明の農園芸用殺菌剤はイネいもち
病、リンゴ黒星病に対して高い防除効果を有し、しかも
公知化合物に比較しても明らかに優る防除効果である。
しかも作物に薬害を生ずることなく、残効性、耐雨性、
浸透移行性に優れるという特徴をも併せ持っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 43/42 101 A01N 43/42 101 43/52 43/52 43/60 101 43/60 101 43/76 101 43/76 101 43/78 101 43/78 101 C07D 215/12 C07D 215/12 235/08 235/08 235/14 235/14 241/42 241/42 263/56 263/56 277/28 277/28 307/79 307/79 311/58 311/58 319/18 319/18 (72)発明者 米倉 範久 静岡県磐田郡福田町塩新田408番地の1 株式会社ケイ・アイ研究所内 (72)発明者 古瀬 勝美 静岡県小笠郡菊川町加茂1809番地 (72)発明者 小嶋 芳幸 静岡県掛川市高御所69番地 (72)発明者 村松 憲通 静岡県掛川市葛ケ丘3丁目15番地の11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 [式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基又は
    シクロアルキルアルキル基を表し、Rは水素原子、低
    級アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、R
    及びRはそれぞれ水素原子又は低級アルキル基を表
    し、mは1又は2を表し、Hetは式 【化2】 (式中、Xは同一又は相異なる低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、シ
    アノ基もしくはニトロ基を表し、nは0〜2の整数を表
    し、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
    アルキル基又はアシル基を表す。)を表す。]で示され
    るN−(縮合ヘテロアリールアルキル)アルカン酸アミ
    ド誘導体。
  2. 【請求項2】一般式[I]において、Rが式 【化3】 (式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基又は
    シクロアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ同一
    又は相異なる低級アルキル基を表す。)を表し、R
    水素原子を表す請求項1に記載のN−(縮合ヘテロアリ
    ールアルキル)アルカン酸アミド誘導体。
  3. 【請求項3】一般式[I]において、Rが式 【化4】 (式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基又は
    シクロアルキル基を表す。)を表し、Rが水素原子を
    表す請求項1に記載のN−(縮合ヘテロアリールアルキ
    ル)アルカン酸アミド誘導体。
  4. 【請求項4】一般式[I]において、Rが式 【化5】 (式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基又は
    シクロアルキル基を表す。)を表し、Rが水素原子を
    表し、Hetが式 【化6】 (式中、X、n及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表
    す。)を表す請求項1に記載のN−(縮合ヘテロアリー
    ルアルキル)アルカン酸アミド誘導体。
  5. 【請求項5】一般式[I]において、Rが式 【化7】 (式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基又は
    シクロアルキル基を表す。)を表し、Rが水素原子を
    表し、Hetが式 【化8】 (式中、X、n及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表
    す。)を表す請求項1に記載のN−(縮合ヘテロアリー
    ルアルキル)アルカン酸アミド誘導体。
  6. 【請求項6】一般式[I]において、Rが式 【化9】 (式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基又は
    シクロアルキル基を表す。)を表し、Rが水素原子を
    表し、mが1を表し、Hetが式 【化10】 (式中、X、n及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表
    す。)を表す請求項1に記載のN−(縮合ヘテロアリー
    ルアルキル)アルカン酸アミド誘導体。
  7. 【請求項7】一般式[I]において、Rが式 【化11】 (式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基又は
    シクロアルキル基を表す。)を表し、Rが水素原子を
    表し、Rがメチル基を表し、mが1を表し、Hetが
    式 【化12】 (式中、X、n及びRはそれぞれ前記と同じ意味を表
    す。)を表す請求項1に記載のN−(縮合ヘテロアリー
    ルアルキル)アルカン酸アミド誘導体。
  8. 【請求項8】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載のN−(縮
    合ヘテロアリールアルキル)アルカン酸アミド誘導体を
    有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003506465A (ja) * 1999-08-18 2003-02-18 アベンティス クロップサイエンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 殺菌剤
US9486441B2 (en) 2008-04-21 2016-11-08 Signum Biosciences, Inc. Compounds, compositions and methods for making the same

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